JP2000031569A - 可飽和リアクトルおよびこれを用いたパルスレーザ用電源装置 - Google Patents

可飽和リアクトルおよびこれを用いたパルスレーザ用電源装置

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JP2000031569A JP10199249A JP19924998A JP2000031569A JP 2000031569 A JP2000031569 A JP 2000031569A JP 10199249 A JP10199249 A JP 10199249A JP 19924998 A JP19924998 A JP 19924998A JP 2000031569 A JP2000031569 A JP 2000031569A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導通状態と磁気スイッチ機能とを電流の方向に
対応してもたせた可飽和リアクトルおよびこれを用いた
パルスレーザ用電源装置を提供する。 【解決手段】可飽和磁芯である磁芯1と、磁芯1に巻回
された主巻線2と、磁芯1に巻回された副巻線3と、副
巻線3自体で磁芯1を非飽和状態から飽和状態に遷移さ
せるときの電流ibを副巻線3に流す電流源4とを有
し、主巻線2に電流i2の方向に流した場合、導通状態
となり、主巻線2に電流i1の方向から流した場合、非
飽和状態の初期状態から所定の電圧時間積に達した時点
で飽和状態に遷移する状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流の方向によっ
て、高インダクタンス状態および低インダクタンス状態
を切り換える磁気スイッチ機能と、低インダクタンスの
導通機能とをもった高速かつ大電力用の整流作用を実現
する可飽和リアクトルおよびこれを用いたパルスレーザ
用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フェライトやアモルファス磁性体
等の磁芯を用いた可飽和リアクトルは、その透磁率の非
直線性を使用した磁気スイッチとして用いられている。
この可飽和リアクトルは、主巻線が磁芯に所定回数巻回
された構成となっている。主巻線に流れる電流量Iを増
加させると、図5に示すように磁束密度Bも増大し、磁
束密度BがB0に達すると、磁芯はその後電流の増加に
かかわらず、一定の磁束密度B0を維持する飽和状態と
なる。この飽和状態では、磁芯のインダクタンスは非常
に小さい値となる。この結果により、可飽和リアクトル
は磁気スイッチ機能を提供することになる。なお、主巻
線に対して異なる方向から電流を流した場合において
も、同様の磁気スイッチ機能を提供し、非飽和状態から
飽和状態に遷移する電流値の絶対値と磁束密度の値は同
じで、いわゆるB−H特性は原点に関して点対称となっ
ている。
【0003】このような可飽和リアクトルの改良とし
て、特開昭62−76511号公報には、可飽和鉄心に
主導線の他に補助導線を巻回し、この補助導線に主導線
の電流に応じてバイアス電流を流すことにより主導線の
電流に対するスイッチング作用を制御する磁気スイッチ
が記載され、これにより、補助導線の電流量を変化させ
ることで、主導線の電流量とは無関係に所望のタイミン
グでスイッチング作用を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62
−76511号公報に記載された磁気スイッチのような
補助導線を有する従来の可飽和リアクトルは磁気リセッ
ト用に補助巻線を設けている。
【0005】例えば、図6に示すパルスレーザ用電源装
置では、充電用電流源であるチャージャ11によってコ
ンデンサC11に電荷が直接蓄積される。このコンデン
サC11に蓄積された電荷は、スイッチSW1のオンを
契機として電荷エネルギーの転送が開始される。すなわ
ち、スイッチSW1のオンに伴って可飽和リアクトルS
L11の両端子間の発生電圧が増大し、所定のアシスト
時間経過後電圧時間積に達して飽和状態となってオンと
なり、コンデンサC11に蓄積された電荷は、可飽和リ
アクトルS11、スイッチSW1を介し、電流I11と
してコンデンサC11の反対側に転送される。その後、
可飽和リアクトルSL12の両端子間電圧の発生により
その電圧でのアシスト時間経過後の時点で可飽和リアク
トルSL12が飽和状態となってオンとなり、コンデン
サC11に転送された電荷を電流I12としてピーキン
グコンデンサCP1に転送する。ピーキングコンデンサ
CP1に転送された電荷は、電流I13としてレーザ放
電部LD1を放電させ、レーザパルス発振を実現させ
る。
【0006】しかし、図6に示すパルスレーザ用電源装
置においてスイッチSW1をオンにしてコンデンサC1
1に充電された電荷を転送する際、コンデンサC11に
充電された電荷はこの電荷転送によって充電時に正であ
ったコンデンサC11の端子電位P0は負に急激に変化
する極性反転が起こり、端子電位P0が負になった時点
からチャージャ11から電流I01が吸い出される。こ
の結果、チャージャ11による充電電流が設計値以上に
増加する場合が生じ、チャージャ11を壊し、またチャ
ージ精度を悪化させる場合があるという問題点があっ
た。
【0007】一方、図7に示すパルスレーザ用電源装置
では、チャージャ12は、可飽和リアクトルSL21を
介して少なくともコンデンサC12を充電する。スイッ
チSW2のオンに伴って可飽和リアクトルSL21の両
端子間電圧が発生し、所定の電圧時間積に達して可飽和
リアクトルSL21がオンになると、電流I21として
コンデンサC12に蓄積されている電荷はコンデンサC
12の反対側の端子に転送される極性反転が行われる。
その後、可飽和リアクトルSL22の両端子間電圧の発
生によりその電圧でのアシスト時間経過後の時点で可飽
和リアクトルSL22がオンとなり、電流I22として
コンデンサC12に転送された電荷はピーキングコンデ
ンサCP2に転送される。ピーキングコンデンサCP2
に転送された電荷は、電流I23としてレーザ放電部L
D2を放電させ、レーザパルス発振を実現させる。
【0008】しかし、図7に示すパルスレーザ用電源装
置においてチャージャ12が可飽和リアクトルSL21
を介してコンデンサC12を充電する際、チャージャ1
2からの充電電流にリップルがある場合、このリップル
周波数によって可飽和リアクトルSL21のインダクタ
ンスが大きくなり、コンデンサC12への充電が抑制さ
れ、可飽和リアクトルSL21のチャージャ12側の点
P1にサージ電圧が発生する。このサージ電圧は、スイ
ッチSW2の耐電圧を超えて該スイッチSW2を破損す
る場合があるとともに、このサージ電圧によってコンデ
ンサC11の端子電圧を正確に検出することができない
という問題点があった。
【0009】この場合、可飽和リアクトルSL21が、
充電電流の方向を導通状態とし、充電された電荷の磁気
圧縮動作に対して磁気スイッチ機能をもつと、サージ電
圧が生じないでスイッチSW2を保護することができ、
しかもリップルをもつ電流を充電電流として用いること
ができる。
【0010】そこで、本発明はかかる問題点を除去し、
導通状態と磁気スイッチ機能とを電流の方向に対応して
もたせた可飽和リアクトルおよびこれを用いたパルスレ
ーザ用電源装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および効果】第1の発明
は、可飽和磁芯と、前記可飽和磁芯に巻回された主巻線
と、前記可飽和磁芯に巻回された副巻線と、前記副巻線
自体で前記可飽和磁芯を非飽和状態から飽和状態に遷移
するときの電流を前記副巻線に流す電源とを具備し、前
記可飽和磁芯は、前記主巻線に前記副巻線の電流と同方
向に電圧を印加した場合に該電圧を印加した直後から飽
和状態を呈し、前記主巻線に前記副巻線の電流と逆方向
に電圧を印加した場合に非飽和状態の初期状態から所定
の電圧時間積に達した時点で飽和状態に遷移することを
特徴とする。
【0012】第1の発明では、副巻線に流す電流を該副
巻線自体で可飽和磁芯を非飽和状態から飽和状態に丁度
遷移するときの値に設定しているため、この副巻線に流
れる電流によって生じる磁束の方向と同じ方向に磁束を
生じさせる方向で主巻線に電圧が印加された場合、飽和
状態が維持されて主巻線は低インダクタンス状態、すな
わち導通状態となる。一方、この副巻線に流れる電流に
よって生じる磁束を打ち消す方向に磁束を生じさせる方
向で主巻線に電圧が印加された場合、非飽和状態の初期
状態、すなわち高インダクタンス状態から所定の電圧時
間積に達した時点で飽和状態、すなわち低インダクタン
ス状態に遷移する。この結果、主巻線に流れる電流方向
によって導通状態と磁気スイッチ機能状態との両状態を
併せ持った可飽和リアクトルが実現される。換言すれ
ば、主巻線に流れる一電流方向のみに可飽和リアクトル
の磁気スイッチ機能を持たせ、他電流方向は導通させる
という整流的作用をもった素子が実現される。
【0013】特に本可飽和リアクトルは、可飽和リアク
トル自体がもつ、高電力特に高電圧に耐え得る高速デバ
イスであることから、半導体電力デバイスでは耐えるこ
とができない高電圧部署に用いることができる。
【0014】第2の発明は、充電用直流電源と、該充電
用直流電源に並列接続されたスイッチ素子と、直列接続
された可飽和リアクトルとコンデンサとを該スイッチ素
子に並列接続し、さらに直列接続された可飽和リアクト
ルとコンデンサと該並列接続されたコンデンサに並列接
続する構成を順次持たせて前記スイッチ素子のオンを契
機としてコンデンサに蓄積されたエネルギーを順次後段
のコンデンサに転送する磁気パルス圧縮回路と、該磁気
パルス圧縮回路の最終段のコンデンサに並列接続された
レーザ放電部とを有するパルスレーザ用電源装置におい
て、前記充電用直流電源からの充電電流が流れる前記磁
気パルス圧縮回路の可飽和リアクトルは、可飽和磁芯
と、前記可飽和磁芯に巻回された主巻線と、前記可飽和
磁芯に巻回された副巻線と、前記副巻線自体で前記可飽
和磁芯を非飽和状態から飽和状態に遷移するときの電流
を前記副巻線に流す電源とを具備し、前記可飽和磁芯
は、前記主巻線に前記副巻線の電流と同方向に電圧を印
加した場合に該電圧を印加した直後から飽和状態を呈
し、前記主巻線に前記副巻線の電流と逆方向に電圧を印
加した場合に非飽和状態の初期状態から所定の電圧時間
積に達した時点で飽和状態に遷移することを特徴とす
る。
【0015】第2の発明は、第1の発明である可飽和リ
アクトルをパルスレーザ用電源装置における第1段の可
飽和リアクトルに適用したものである。これにより、第
1段の可飽和リアクトルを用いたパルス圧縮過程を実現
するとともに、第1段の可飽和リアクトルを介して第1
段のコンデンサに電荷を蓄積する際、第1段の可飽和リ
アクトルの充電用直流電源側にサージ電圧が発生せず、
該サージ電圧によるスイッチ素子の破壊を防止すること
ができる。
【0016】第3の発明は、第2の発明において、前記
磁気パルス圧縮回路の最終段の可飽和リアクトル以外の
可飽和リアクトルは、前記磁気パルス圧縮回路の第1段
の可飽和リアクトルであることを特徴とする。
【0017】これにより、第2の発明と同様な作用効果
を奏する。
【0018】第4の発明は、第2または第3の発明にお
いて、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の可飽和リアク
トルに直列接続され、該磁気パルス圧縮回路によるエネ
ルギー転送方向を導通方向とするダイオードをさらに具
備したことを特徴とする。
【0019】これにより、充電中のレーザ放電部にかか
る電圧を小さくし、充電中の不要な放電をなくすことが
できるとともに、レーザ放電部に対するエネルギー供給
後の残余のエネルギーを前段のコンデンサに回生し、次
パルス発振時におけるエネルギー消費効率を格段に向上
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0021】図1は、本発明の実施の形態である可飽和
リアクトルの構成を示す図である。図1において、磁芯
1は、フェライト等の強磁性体で構成される。この磁芯
1には、主巻線2が所定回数巻回されるとともに、副巻
線3も、一定回数巻回される。副巻線3には電流ibを
流す固定電流源としての電流源4が接続される。従っ
て、電流源4が図1に示すように巻回された副巻線3に
電流ibを流すと磁芯1内に磁束が矢印A0の方向に発
生する。また、主巻線2に電流i1を流すと磁芯1内に
は矢印A1の方向に磁束が発生し、電流i2を流すと磁
芯1内には矢印A2の方向に磁束が発生する。この磁芯
1内に発生した磁束の合成は、磁束密度Bを用いて表さ
れる。
【0022】図2は、図1の可飽和リアクトルのB−H
特性を示している。すなわち、横軸に主巻線2に流れる
電流Iによって生じる磁界Hを示し、縦軸に磁芯1内に
生じた磁束密度Bを示している。この場合、電流Iは、
電流i1の方向を正にとり、矢印A1の方向を磁束密度
Bの正の方向としている。
【0023】図2において、副巻線3をもたない場合、
B−H特性は、主巻線2を流れる電流Iのみによって決
定され、破線5に示すB−H特性を描く。すなわち、電
流Iが電流i1の方向に流れると矢印A1の方向に磁束
が発生し、電流i1の増大に伴って磁束密度Bが増大
し、磁束密度BがBbに到達した時点で飽和する。逆
に、電流Iが電流i2の方向に流れると矢印A2の方向
に磁束が発生し、電流i2の増大に伴って磁束密度Bが
負の方向に増大し、磁束密度Bが−Bbに到達した時点
で飽和する。この飽和状態に達するまでの間は高インダ
クタンス状態であり、電流Iが流れるのを阻止するが、
飽和状態に達すると電流Iの増大にかかわらず、磁束密
度Bは一定となり、低インダクタンス状態を呈し、電流
Iの導通を許容する。
【0024】同様にして、副巻線3を持たせて電流源4
から電流ibを流すと、磁芯1には既に磁束密度Bが発
生していることになる。ここで、副巻線3に流す電流i
bの値を磁芯1が非飽和状態から飽和状態に遷移する値
となるように設定しておくと、図2の実線6に示すよう
なB−H特性を描き、主巻線2に電流Iが流れないとき
は、副巻線3に流れる電流ibによる磁束密度Bだけが
磁芯1内に発生しているため、電流Iが電流i1方向に
少しでも流れると、非飽和状態となり、一方電流Iが電
流i2方向に少しでも流れると、飽和状態となる。この
場合、電流Iが電流i1方向に流れている場合、非飽和
状態から飽和状態に遷移させるためには、副巻線3を設
けない場合の2倍の電流量が必要となる。
【0025】このようにして、磁芯1に副巻線3を巻回
して磁芯が飽和状態に変化する最小限の電流ibを流し
ておくことにより、主巻線2に対する磁芯1のB−H特
性がシフトし、主巻線2の電流方向が電流i1の方向に
流れる場合、副巻線3を設けない場合と同様な磁気スイ
ッチ効果を呈し、主巻線2の電流方向が電流i2の方向
に流れる場合、常に低インダクタンス状態を呈すること
になる。いわば、片側のみが可飽和リアクトルの機能を
呈する。
【0026】従って、図1に示す可飽和リアクトルは、
主巻線2の電流方向によって電流の流れを制限するダイ
オード的な機能を持つことになる。但し、電流の流れが
制限される方向に流れる電流は、可飽和リアクトルが飽
和状態に達することにより、この制限が解除される。
【0027】この図1に示す可飽和リアクトルは、簡単
な構成であるとともに、大電力、大電流特に高電圧に耐
えることができ、しかも高速スイッチングが可能な構造
であるため、大電力用半導体素子ではカバーできない領
域に適用することができる。
【0028】この図1に示す可飽和リアクトルを用いた
パルスレーザ用電源装置について図3および図4を参照
して説明する。
【0029】図3において、このパルスレーザ用電源装
置は、スイッチ素子SWと、直列接続された可飽和リア
クトルSL1およびコンデンサC1とがそれぞれ充電用
直流電源11に並列接続される。また、直列接続された
可飽和リアクトルSL2、ダイオードD1およびピーキ
ングコンデンサCPはコンデンサC1に並列接続され
る。また、レーザ放電部LDがピーキングコンデンサC
Pに並列接続される。この場合、ダイオードD1はピー
キングコンデンサCPから可飽和リアクトルSL3への
方向を導通方向としている。すなわち、ダイオードD1
は、パルス圧縮転送時におけるエネルギー転送方向を導
通方向としている。ここで、可飽和リアクトルSL1は
図1に示す可飽和リアクトルを用いている。すなわち、
可飽和リアクトルSL1は、主巻線12の他に副巻線1
3を磁芯に巻回し、副巻線13に円流源14からの電流
を予め流しておく。この電流値は上述したように非飽和
状態から飽和状態に遷移する点の値である。この場合、
充電用直流電源11からの充電電流I0が流れる電流方
向に対しては低インダクタンス状態となり、コンデンサ
C1に蓄積された電荷が電流I1として流れる電流方向
に対しては磁気スイッチ機能を発揮するように接続され
る。
【0030】充電用直流電源11によって印加される直
流高電圧によってコンデンサC1が充電される。この
際、可飽和リアクトルSL1は低インダクタンス状態と
なっているので、たとえ充電用直流電源11からの充電
電流I0にリップルがある場合にも可飽和リアクトルS
L1の充電用直流電源11側の点Pにはサージ電圧が発
生しない。一方、ピーキングコンデンサCPは充電され
ない。ダイオードD1によってピーキングコンデンサC
Pへの電荷移動が阻止されるからである。
【0031】従って、図4に示すように、充電が完了し
た段階におけるコンデンサC1の端子電圧VC1は+E
ボルト、ピーキングコンデンサCPの端子電圧VCPは
0ボルトとなっている。
【0032】その後、ゲートG1に所定電圧を印加して
スイッチ素子SWをオンにするとコンデンサC1に蓄積
された電荷の転送が開始される。すなわち、スイッチ素
子SWのオンによって可飽和リアクトルSL1の端子電
圧が急激に増大し、可飽和リアクトルSL1の電圧時間
積に達する時間が経過すると飽和し、可飽和リアクトル
SL1のインダクタンスが急激に減少してオン状態とな
る。この結果、コンデンサC1に蓄積された電荷は図3
に示すように、電流I1として流れ、コンデンサC1の
極性が反転する。従って、図4に示すようにコンデンサ
C1の端子電圧VC1は+Eボルトから−Eボルトに変
化する。このコンデンサC1の極性反転の期間T1にお
いて、ピーキングコンデンサCPに蓄積されていた電荷
は、可飽和リアクトルSL2がオフ状態であるにもかか
わらず、可飽和リアクトルSL1を介して漏れ、微小な
電圧降下が生じるが、この漏れはコンデンサC1の端子
電圧VC1が0ボルトに達した以降に生じるので非常に
小さな値である。
【0033】その後、コンデンサC1の極性反転による
可飽和リアクトルSL2の電圧時間積の時間経過後に可
飽和リアクトルSL2がオンとなり、極性反転によって
転送されてコンデンサC1に蓄積された電荷が電流I2
として流れ、ピーキングコンデンサCPに転送される。
【0034】このピーキングコンデンサCPに転送され
た電荷は、電流I3としてレーザ放電部LDに印加さ
れ、レーザ放電部LDの放電によってレーザ媒質が励起
され、レーザ発振することになる。レーザ放電部LDで
消費された電流以外の残余の電流は、その後レーザ放電
部LDとピーキングコンデンサCPとの間で数回共振す
るが、その都度ダイオードD1、可飽和リアクトルSL
2を介し、電流I4としてコンデンサC1に回生され
る。しかも、ダイオードD1の整流作用によってダイオ
ードD1を介してコンデンサC1に回生された電荷はピ
ーキングコンデンサCPに戻ることが阻止される。これ
により、ピーキングコンデンサCPに転送された電荷
は、レーザ放電部LDの放電に寄与するとともに、残余
の電荷は再びコンデンサC1に回生され、次の充電エネ
ルギーを削減することができ、エネルギー消費効率を非
常に大きくすることができる。
【0035】なお、可飽和リアクトルSL1,SL2の
飽和後インダクタンスを設定することにより、期間T2
は期間T1に比べて短くなり、転送される電流値が圧縮
されてパルス状のエネルギーがレーザ放電部LDに供給
されることになる。
【0036】このようにして、可飽和リアクトルSL1
を図1に示す可飽和リアクトルとすることにより、充電
用直流電源11からの充電電流をスムーズに導通させ
て、コンデンサC1に電荷を蓄積することができるとと
もに、この充電時に可飽和リアクトルSL1の充電用直
流電源11側にサージ電圧が生じないので、スイッチ素
子SWを壊すことがなく、該スイッチ素子の耐圧を保証
することができる。しかも、コンデンサC1に蓄積され
た電荷を転送する場合には、磁気スイッチとして機能す
るため、可飽和リアクトルSL1はダイオード的な一方
向性の可飽和リアクトルとしての機能を提供することに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である可飽和リアクトルの
構成を示す図である。
【図2】図1に示す可飽和リアクトルのB−H特性を示
す図である。
【図3】図1に示す可飽和リアクトルを用いたパルスレ
ーザ用電源装置の構成を示す図である。
【図4】図3に示すパルスレーザ用電源装置のコンデン
サC1およびピーキングコンデンサCPの電圧変化を示
すタイミングチャートである。
【図5】従来の可飽和リアクトルのB−H特性を示す図
である。
【図6】従来のパルスレーザ用電源装置の一例を示す図
である。
【図7】従来のパルスレーザ用電源装置の一例を示す図
である。
【符号の説明】 1…磁芯 2,12…主巻線 3,13…副巻線 4,
14…電流源 I,ib,i1,i2,I0,I1,I2,I3,I4
…電流 11…充電用直流電源 SW…スイッチ素子 G1…ゲ
ート SL1,SL2…可飽和リアクトル D1…ダイオード C1…コンデンサ CP…ピーキングコンデンサ LD…レーザ放電部 VC1,VCP…端子電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 康彦 神奈川県平塚市四之宮2597 株式会社小松 製作所エレクトロニクス事業本部内 (72)発明者 野村 良雄 神奈川県平塚市四之宮2597 株式会社小松 製作所エレクトロニクス事業本部内 Fターム(参考) 5F071 GG05 GG09 HH07 JJ05 5H790 BA02 BB03 BB08 CC01 DD06 EA01 EA03 EA06 EA13 EB01 KK02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可飽和磁芯と、 前記可飽和磁芯に巻回された主巻線と、 前記可飽和磁芯に巻回された副巻線と、 前記副巻線自体で前記可飽和磁芯を非飽和状態から飽和
    状態に遷移するときの電流を前記副巻線に流す電源とを
    具備し、前記可飽和磁芯は、前記主巻線に前記副巻線の
    電流と同方向に電圧を印加した場合に該電圧を印加した
    直後から飽和状態を呈し、前記主巻線に前記副巻線の電
    流と逆方向に電圧を印加した場合に非飽和状態の初期状
    態から所定の電圧時間積に達した時点で飽和状態に遷移
    することを特徴とする可飽和リアクトル。
  2. 【請求項2】 充電用直流電源と、該充電用直流電源に
    並列接続されたスイッチ素子と、直列接続された可飽和
    リアクトルとコンデンサとを該スイッチ素子に並列接続
    し、さらに直列接続された可飽和リアクトルとコンデン
    サとを該並列接続されたコンデンサに並列接続する構成
    を順次持たせて前記スイッチ素子のオンを契機としてコ
    ンデンサに蓄積されたエネルギーを順次後段のコンデン
    サに転送する磁気パルス圧縮回路と、該磁気パルス圧縮
    回路の最終段のコンデンサに並列接続されたレーザ放電
    部とを有するパルスレーザ用電源装置において、 前記充電用直流電源からの充電電流が流れる前記磁気パ
    ルス圧縮回路の可飽和リアクトルは、 可飽和磁芯と、 前記可飽和磁芯に巻回された主巻線と、 前記可飽和磁芯に巻回された副巻線と、 前記副巻線自体で前記可飽和磁芯を非飽和状態から飽和
    状態に遷移するときの電流を前記副巻線に流す電源とを
    具備し、前記可飽和磁芯は、前記主巻線に前記副巻線の
    電流と同方向に電圧を印加した場合に該電圧を印加した
    直後から飽和状態を呈し、前記主巻線に前記副巻線の電
    流と逆方向に電圧を印加した場合に非飽和状態の初期状
    態から所定の電圧時間積に達した時点で飽和状態に遷移
    することを特徴とするパルスレーザ用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気パルス圧縮回路の最終段の可飽
    和リアクトル以外の可飽和リアクトルは、前記磁気パル
    ス圧縮回路の第1段の可飽和リアクトルであることを特
    徴とする請求項2に記載のパルスレーザ用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気パルス圧縮回路の最終段の可飽
    和リアクトルに直列接続され、該磁気パルス圧縮回路に
    よるエネルギー転送方向を導通方向とするダイオードを
    さらに具備したことを特徴とする請求項2または3に記
    載のパルスレーザ用電源装置。
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