JP2000031502A - 半導体力学量センサの製造方法及び半導体力学量センサ - Google Patents

半導体力学量センサの製造方法及び半導体力学量センサ

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JP2000031502A JP10369840A JP36984098A JP2000031502A JP 2000031502 A JP2000031502 A JP 2000031502A JP 10369840 A JP10369840 A JP 10369840A JP 36984098 A JP36984098 A JP 36984098A JP 2000031502 A JP2000031502 A JP 2000031502A
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雅一 寺田
Yasunari Sugito
泰成 杉戸
Masakazu Karesue
将和 彼末
Shinji Yoshihara
晋二 吉原
Shoji Ozoe
祥司 尾添
Seiji Fujino
誠二 藤野
Mineichi Sakai
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Minoru Murata
稔 村田
Yukihiro Takeuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造途中の段階で可動電極及び固定電極が互
いに張り付く現象が発生する事態を防止して歩留まりの
向上を実現すること、特性の向上を実現すること。 【解決手段】 (a)単結晶シリコンウェハ14a上に
単結晶シリコン薄膜14bをシリコン酸化膜14cを介
して設けたSOI基板14を用意し、(b)電極パッド
4c、5cを形成する電極パッド形成工程、(c)単結
晶シリコン薄膜14bを研削・研磨する寸法調整工程、
(d)マスク15を形成するマスク形成工程、(e)単
結晶シリコン薄膜14bにシリコン酸化膜14cに達す
るトレンチ16を形成するトレンチ形成工程、(f)単
結晶シリコンウェハ14aを所定膜厚を残してウエット
エッチングする第1のエッチング工程、(g)上記残存
単結晶シリコンウェハ14aをドライエッチングにより
除去する第2のエッチング工程、(h)シリコン酸化膜
14cをドライエッチングにより除去する第3のエッチ
ング工程を実行し、半導体加速度センサ1の基本構造を
完成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学量の作用に応
じた可動部の変位をセンサ出力として取り出すようにし
た半導体力学量センサの製造方法及び静電容量型の半導
体力学量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、静電容量型の半導体加速度セン
サにあっては、加速度の作用に応じて変位する可動部と
して梁構造体を設け、その梁構造体の変位を、当該梁構
造体と一体に設けられた可動電極と基板上に設けられた
固定電極との間に形成されるコンデンサの静電容量の変
化として取り出す構成となっている。このような半導体
加速度センサを製造する場合、従来より、特開平6−3
49806号公報などに見られるように、第1半導体層
(支持基板)上に絶縁層を介して第2半導体層を積層し
たSOI構造の半導体基板を用意し、その第1半導体層
を上記梁構造体や固定電極などの形状に応じた所定形状
にパターニングすると共に、上記絶縁層を犠牲層エッチ
ングするなどの工程を実行して、最終的に半導体基板上
に可動電極を備えた梁構造体及び固定電極を形成すると
いう方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような製造方法
では、エッチング液を使用する犠牲層エッチング工程が
不可欠であるため、その犠牲層エッチング工程時におい
て、エッチング液の表面張力により、梁構造体(特には
可動電極)が他の部分(特には固定電極)に張り付くと
いう所謂スティッキング現象が発生することが多々あ
る。このような現象が発生した場合には、可動電極及び
固定電極間での静電容量変化の検出が不可能になるとい
う致命的な不良となるものであり、従って、従来構成の
製造方法では歩留まりの悪化が避けられないという問題
点があった。
【0004】また、従来の静電容量型の半導体力学量セ
ンサにおいて、可動電極及び固定電極が形成される第2
半導体層及びこれを支持する第1半導体層(支持基板)
の比抵抗が比較的高い状態となっていた場合には、以下
に述べるような問題点が発生することが判明した。
【0005】即ち、静電容量型の半導体力学量センサに
おいては、その静電容量の変化を取り出すのに比較的高
い周波数の搬送波信号を利用することが一般的となって
いる。この場合、コンデンサを形成する可動電極及び固
定電極間に上記搬送波信号に応じた電圧が印加された状
態では、可動電極の側面に、上記コンデンサの容量値
と、対応する固定電極との間の電位差との積により示さ
れる電荷が発生することになり、この電荷の動きを利用
して当該コンデンサの静電容量の変化を取り出すように
なっている。このように発生する電荷の動きには、上記
可動電極及び固定電極間に電圧を印加するための経路、
並びにその電荷を取り出すための経路での抵抗値及び容
量値に応じた時定数が存在することになる。ところが、
上記のような経路中には、第2半導体層により形成され
た抵抗要素(可動電極、固定電極そのものも含む)の他
に、第1半導体層側で絶縁層を介して形成される寄生抵
抗要素が含まれることになるため、第1及び第2半導体
層の比抵抗が比較的高い状態となっていた場合には、上
記時定数が増大することになる。この時定数が増大した
状態では、前記電荷の動きが遅くなったり、搬送波信号
の立ち上がりが遅れるなどの現象が発生するので、コン
デンサの静電容量を利用した物理量の検出結果が本来得
られるべき値から異なる状態となり、結果的に力学量の
検出特性が悪化することになる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、第1の目的は、製造途中の段階で可動部が他の部
分に張り付くという現象を確実に防止できて、歩留まり
の向上を実現可能になるなどの効果を奏する半導体力学
量センサの製造方法を提供することにあり、また、第2
の目的は、簡単な構成にて力学量の検出特性の向上を実
現できるようになる静電容量型の半導体力学量センサを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1に記載したような製造方法を採用でき
る。この製造方法によれば、力学量検出のための可動部
は、絶縁層で分離された複数の半導体層を有する半導体
基板にエッチング加工を施すことにより形成されるもの
であるが、その可動部を最終的に画定するための可動部
画定工程が気相雰囲気で行われる構成となっているか
ら、最終工程でウエットエッチングを行う従来構成の場
合のように、エッチング液による表面張力に起因して可
動部が他の部分に張り付くというスティッキング現象が
発生することがなくなり、結果的に、製造時における歩
留まりの向上を実現できるようになる。
【0008】前記第1の目的を達成するために請求項3
に記載した製造方法を採用することもできる。この製造
方法においても、絶縁層で分離された複数の半導体層を
有する半導体基板にエッチング加工を施すことにより力
学量検出のための可動部を形成するものである。この場
合、半導体基板の一方面の半導体層にトレンチを形成す
るトレンチ形成工程、並びに他方面の半導体層のうち少
なくとも上記トレンチに対応した部分を適宜除去する半
導体層除去工程を実行した後に、このように半導体層を
除去することにより露出する絶縁層を気相雰囲気で適宜
除去して前記可動部を画定する可動部画定工程が行われ
るものである。従って、この製造方法においても、可動
部を最終的に画定するための工程が気相雰囲気で行われ
る構成となっているから、最終工程でウエットエッチン
グを行う従来構成の場合のように、エッチング液による
表面張力に起因して可動部が他の部分に張り付くという
スティッキング現象が発生することがなくなり、結果的
に、製造時における歩留まりの向上を実現できるように
なる。
【0009】請求項4記載の製造方法においては、上記
トレンチが形成された半導体層を覆った状態の表面保護
膜を形成しておき、前記可動部画定工程では、最終的に
上記表面保護膜を気相雰囲気で除去することにより可動
部を画定するようにしている。従って、この場合にもス
ティッキング現象が発生しなくなって製造時における歩
留まりの向上を実現できるようになる。また、表面保護
膜が最終段階で除去されることになるから、製造途中に
おいてトレンチが形成された半導体層へダメージが及ぶ
事態を当該表面保護膜により防止可能になる利点があ
る。
【0010】前記第1の目的を達成するために請求項5
に記載した製造方法を採用することもできる。この製造
方法においても、絶縁層で分離された複数の半導体層を
有する半導体基板にエッチング加工を施すことにより力
学量検出のための可動部を形成するものである。この場
合、半導体基板の一方面の半導体層に第1のトレンチ及
びこの第1のトレンチより浅い形状の第2のトレンチを
形成するトレンチ形成工程、並びに他方面の半導体層の
うち少なくとも上記第2のトレンチに対応した部分を適
宜除去する半導体層除去工程を実行した後に、このよう
に半導体層を除去することにより露出する絶縁層を適宜
除去すると共に、第2のトレンチの底部に相当した半導
体層を気相雰囲気で除去して前記可動部を画定する可動
部画定工程が行われるものである。従って、この製造方
法においても、可動部を最終的に画定するための工程が
気相雰囲気で行われる構成となっているから、最終工程
でウエットエッチングを行う従来構成の場合のように、
エッチング液による表面張力に起因して可動部が他の部
分に張り付くというスティッキング現象が発生すること
がなくなり、結果的に、製造時における歩留まりの向上
を実現できるようになる。
【0011】また、上記半導体層除去工程において、他
方面の半導体層を適宜に除去して絶縁層を露出させた状
態とした場合でも、その絶縁層上の半導体層(トレンチ
が形成された半導体層)は、前記第2のトレンチの底部
部分を介して一体に連結された状態にあるから、その連
結状態にある半導体層及び絶縁層によって比較的大きな
圧力を受け止め得るようになる。このため、半導体層除
去工程の実行時において、それら半導体層及び絶縁層が
破壊される可能性が低くなり、製造時における歩留まり
の悪化を防止できるようになる。
【0012】請求項6記載の製造方法においては、上記
第1及び第2のトレンチが形成された半導体層を覆った
状態の表面保護膜を形成しておき、前記可動部画定工程
では、最終的に上記表面保護膜を気相雰囲気で除去する
ことにより可動部を画定するようにしている。従って、
この場合にもスティッキング現象が発生しなくなって製
造時における歩留まりの向上を実現できるようになる。
また、表面保護膜が最終段階で除去されることになるか
ら、製造途中において第1及び第2のトレンチが形成さ
れた半導体層へダメージが及ぶ事態を当該表面保護膜に
より防止可能になる利点がある。
【0013】請求項7記載の製造方法のように、可動部
を最終的に画定するための可動部画定工程に先立って、
半導体基板を所定のセンサチップ形状に切断するダイシ
ング工程を実行する構成とした場合には、そのダイシン
グ工程での振動によって可動部が破損する事態を未然に
防止できるようになる。
【0014】前記第1の目的を達成するために請求項9
に記載した製造方法を採用することもできる。この製造
方法によれば、第1半導体層上に絶縁層を介して積層さ
れた第2半導体層に対し、トレンチ形成工程において、
可動電極及び固定電極を画定するためのトレンチが上記
絶縁層に達するように形成される。次いで、第1のエッ
チング工程において、前記第1半導体層における前記可
動電極及び固定電極の形成領域に対応した部分が、前記
絶縁層と反対側の面からウエットエッチングされる共
に、そのエッチング領域の第1半導体層の膜厚が予め設
定した膜厚となった時点でエッチング停止される。そし
て、その後に行われる第2のエッチング工程において、
上記のように残存された前記設定膜厚の第1半導体層
が、気相雰囲気でのエッチングにより除去されて上記絶
縁層の裏面が露出されるようになる。このように、第1
のエッチング工程では、絶縁層との間に第1半導体層が
所定膜厚で残存されるようになるから、当該第1のエッ
チング工程におけるエッチング液の圧力が、絶縁層及び
上記残存された第1半導体層の双方により受け止めらる
ようになって、当該絶縁層ひいては第2半導体層が破壊
される可能性が低くなる。しかも、絶縁層を露出させる
ための第2のエッチング工程は気相雰囲気で行われる構
成であるから、その工程の実行時においても、絶縁層ひ
いては第2半導体層が破壊される可能性が低くなる。こ
のため、総じて製造時における歩留まりの悪化を防止で
きるようになる。
【0015】また、上記第2のエッチング工程の実行後
には、第3のエッチング工程において前記絶縁層が気相
雰囲気でのエッチングにより除去されることにより、前
記トレンチと連続した状態の開口部が形成されて前記可
動電極及び固定電極が形成されるようになる。この場
合、可動電極を形成するための最終工程である第3のエ
ッチング工程は、気相雰囲気でのエッチングにより行わ
れるものであるから、最終工程でウエットエッチングを
行う従来構成の場合のように、エッチング液による表面
張力に起因して可動電極が固定電極に張り付くというス
ティッキング現象が発生することがなくなり、結果的
に、製造時における歩留まりの向上を実現できるように
なる。
【0016】請求項10記載の製造方法によれば、第1
のエッチング工程でのエッチング時において、そのエッ
チングを、第1半導体層に所定深さで形成された不純物
高濃度層が露出した時点で確実に停止させることができ
るため、第1半導体層の残存膜厚を正確に制御できるよ
うになる。このため、第1のエッチング工程の実行時に
おいて、絶縁層の裏面側に、第1半導体層を上記不純物
高濃度層の深さに応じた膜厚で確実に残存させることが
でき、これにより、第1のエッチング工程におけるエッ
チング液の圧力によって絶縁層ひいては第2半導体層が
破壊される事態を確実に防止できるようになる。
【0017】請求項11記載の製造方法によれば、第1
のエッチング工程でのエッチング時において、そのエッ
チングを、第1半導体層に印加したバイアス電圧に応じ
て形成される空乏層が露出した時点で確実に停止させる
ことができるため、第1半導体層の残存膜厚を正確に制
御できるようになる。従って、この場合においても、第
1のエッチング工程の実行時において、絶縁層の裏面側
に、上記空乏層の位置に応じた膜厚の第1半導体層を確
実に残存させることができ、これにより、第1のエッチ
ング工程におけるエッチング液の圧力によって絶縁層ひ
いては第2半導体層が破壊される事態を確実に防止でき
るようになる。
【0018】請求項12記載の製造方法のように、第2
のエッチング工程でのエッチングレートと第3のエッチ
ング工程でのエッチングレートとの差を小さく設定する
構成とした場合には、それら第2及び第3のエッチング
工程を、エッチング条件の変更を必要とすることなく連
続的に行い得るようになって、製造工程を簡略化できる
ことになる。
【0019】請求項13記載の製造方法のように、可動
電極及び固定電極を形成する第3のエッチング工程に先
立って、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切断す
るダイシング工程を実行する構成とした場合には、その
ダイシング工程での振動によって可動電極や固定電極が
破損する事態を未然に防止できるようになる。
【0020】前記第1の目的を達成するために請求項1
5に記載した製造方法を採用することもできる。この製
造方法によれば、第1半導体層上に絶縁層を介して積層
された第2半導体層に対し、トレンチ形成工程におい
て、可動電極及び固定電極を画定するためのトレンチが
上記絶縁層に達するように形成される。次いで、第1の
エッチング工程において、前記第1半導体層における前
記可動電極及び固定電極の形成領域に対応した部分が、
前記絶縁層と反対側の面から気相雰囲気でエッチングさ
れて、その絶縁層の裏面側が露出されるようになる。
【0021】このように、絶縁層を露出させるための第
1のエッチング工程が気相雰囲気で行われる構成である
から、ウエットエッチングを行う場合のように、絶縁層
ひいては第2半導体層がエッチング液の圧力によって破
壊される可能性がなくなり、製造時における歩留まりの
悪化を防止できるようになる。
【0022】また、上記第1のエッチング工程の実行後
には、第2のエッチング工程において前記絶縁層が気相
雰囲気でのエッチングにより除去されることにより、前
記トレンチと連続した状態の開口部が形成されて前記可
動電極及び固定電極が形成されるようになる。この場
合、可動電極を形成するための最終工程である第2のエ
ッチング工程は、気相雰囲気でのエッチングにより行わ
れるものであるから、最終工程でウエットエッチングを
行う従来構成の場合のように、エッチング液による表面
張力に起因して可動電極が固定電極に張り付くというス
ティッキング現象が発生することがなくなり、結果的
に、製造時における歩留まりの向上を実現できるように
なる。
【0023】請求項17記載の製造方法のように、上記
第1のエッチング工程でのエッチングレートと第2のエ
ッチング工程でのエッチングレートとの差を小さく設定
する構成とした場合には、それら第1及び第2のエッチ
ング工程をエッチング条件を変更することなく連続的に
行うことができるようになって、製造工程を簡略化でき
ることになる。
【0024】請求項18記載の製造方法のように、可動
電極及び固定電極を形成する上記第2のエッチング工程
に先立って、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切
断するダイシング工程を実行する構成とした場合には、
そのダイシング工程での振動によって可動電極や固定電
極が破損する事態を未然に防止できるようになる。
【0025】前記第1の目的を達成するために請求項1
9に記載した製造方法を採用することもできる。この製
造方法によれば、まず、可動電極及び固定電極を画定す
るためのトレンチパターンを、トレンチ幅が大きい部分
とこれに比してトレンチ幅が十分に小さい部分を備えた
状態に設定される。そして、マスク形成工程において、
第1半導体層上に絶縁層を介して積層された第2半導体
層上に前記トレンチパターンに対応した形状の異なる幅
の溝パターンを有する状態のマスクが形成される。
【0026】この後、トレンチ形成工程において、第2
半導体層に前記マスクを利用したエッチング加工が施さ
れて、前記溝パターンの幅が大きい部分に、前記絶縁層
に達する第1のトレンチが形成されると共に、当該溝パ
ターンの幅が小さい部分に、上記第2半導体層を底部に
残存させた状態の第2のトレンチが形成される。尚、こ
のように第2のトレンチの底部に第2半導体層が残存す
るのは、トレンチ幅が大きい第1のトレンチ部分にはエ
ッチング媒体が十分に供給されるのに対して、トレンチ
幅が小さい第2のトレンチ部分ではエッチング媒体の供
給量が不足気味になって実質的なエッチングレートが小
さくなるためである。
【0027】次いで、第1のエッチング工程において、
前記第1半導体層における前記可動電極及び固定電極の
形成領域に対応した部分が、前記絶縁層と反対側の面か
らエッチングされて、その絶縁層の裏面が露出されるよ
うになる。このように絶縁層が露出された状態において
も、その絶縁層上の第2半導体層は、前記第2のトレン
チの底部部分を介して一体に連結された状態にあるか
ら、その連結状態にある第2半導体層及び絶縁層によっ
て比較的大きな圧力を受け止め得るようになる。このた
め、第1のエッチング工程の実行時において、それら第
2半導体層及び絶縁層が破壊される可能性が低くなり、
製造時における歩留まりの悪化を防止できるようにな
る。
【0028】この後、第2のエッチング工程において、
前記絶縁層が気相雰囲気でのエッチングにより除去さ
れ、さらに、第3のエッチング工程において、前記第2
のトレンチの底部に残存した第2半導体層が気相雰囲気
でのエッチングにより除去されることにより、前記トレ
ンチと連続した状態の開口部が形成されて前記可動電極
及び固定電極が形成されるようになる。この場合、上記
第2のエッチング工程は気相雰囲気で行われる構成であ
るから、第2半導体層が破損する可能性を低くできて製
造時における歩留まりの悪化を防止できるようになる。
また、可動電極を形成するための最終工程である第3の
エッチング工程も、気相雰囲気でのエッチングにより行
われるものであるから、最終工程でウエットエッチング
を行う従来構成の場合のように、エッチング液による表
面張力に起因して可動電極が固定電極に張り付くという
スティッキング現象が発生することがなくなり、結果的
に、製造時における歩留まりの向上を実現できるように
なる。
【0029】請求項21記載の製造方法のように、上記
第2のエッチング工程でのエッチングレートと第3のエ
ッチング工程でのエッチングレートとの差を小さく設定
する構成とした場合には、それら第2及び第3のエッチ
ング工程をエッチング条件を変更することなく連続的に
行うことができるようになって、製造工程を簡略化でき
ることになる。
【0030】請求項22記載の製造方法のように、可動
電極及び固定電極を形成する上記第3のエッチング工程
に先立って、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切
断するダイシング工程を実行する構成とした場合には、
そのダイシング工程での振動によって可動電極や固定電
極が破損する事態を未然に防止できるようになる。
【0031】請求項24記載の製造方法においては、前
記トレンチ形成工程の実行後に、第2半導体層の表面側
を容易に剥離可能な表面保護膜で覆うようにしているか
ら、製造途中において第2半導体層へダメージが及ぶ事
態を当該表面保護膜により防止可能になる利点がある。
【0032】請求項25記載の製造方法においては、上
記表面保護膜を、半導体基板を所定のセンサチップ形状
に切断するダイシング工程の実行後に除去するようにし
ているから、ダイシング工程での振動を表面保護膜で吸
収できるようになって、可動電極が破損する事態を未然
に防止できるようになる。
【0033】請求項26記載の製造方法によれば、その
製造途中において可動電極や固定電極に生ずる余分な突
起(つまり静電容量誤差の原因となる部分)が、ドライ
エッチングによる補助エッチング工程により除去される
ことになるから、その突起の存在に起因して物理量の検
出精度が悪化する事態を未然に防止できる。
【0034】前記第2の目的を達成するために請求項2
9に記載した手段を採用できる。この手段によれば、可
動電極、固定電極及びこれらに繋がる各配線部の構成要
素である半導体層の比抵抗、並びに支持基板の比抵抗が
双方とも3Ω・cm以下の比較的低い値に設定されている
から、それら可動電極、固定電極及び配線部において形
成される抵抗要素の抵抗値が小さくなることは勿論のこ
と、支持基板側で絶縁膜を介して形成される寄生抵抗要
素の抵抗値も小さくなる。この結果、可動電極及び固定
電極間に交流電圧信号を印加するための経路などでの抵
抗値及び容量値に応じた時定数が比較的小さくなるか
ら、当該可動電極及び固定電極間に形成されるコンデン
サの静電容量を利用した物理量の検出結果の変動幅を小
さくできる。従って、支持基板及び半導体層の比抵抗を
低い値に設定するだけの簡単な構成によって物理量の検
出特性が向上するようになる。
【0035】請求項29記載の手段によれば、可動電極
の変位に応じて静電容量が差動的に変化する第1及び第
2コンデンサを利用して物理量の検出を行うことになる
から、被検出物理量の大きさに対する静電容量の変化幅
が見掛け上において大きくなり、S/N比が向上するこ
とになる。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を半導体加速度センサの製造方法に適用した第1実施
例について図1ないし図3を参照しながら説明する。図
2には、半導体力学量センサとしての半導体加速度セン
サ1の平面構造が示され(但し、図2中の斜線帯は断面
を示すものではなく、各構造要素の区別を容易に認識可
能にするためのものである)、図3には図2中のA−A
線に沿った模式的な断面構造が示されている。
【0037】これら図2及び図3において、例えば単結
晶シリコンにより構成された支持基板2は、開口部2a
を備えた矩形枠状に形成されており、その上面には、単
結晶シリコンより成る力学量検出用の梁構造体3(本発
明でいう可動部に相当)並びに一対の固定電極構造体
4、5がシリコン酸化膜より成る絶縁膜6(図3参照)
を介して配置されている。
【0038】上記梁構造体3は、矩形状のマス部7の両
端を、矩形枠状の梁部8a及び8bを介してアンカー部
9a及び9bに一体に連結した構成となっており、これ
らアンカー部9a及び9bが支持基板2における対向辺
部上に絶縁膜6を介して支持されている。これにより、
上記マス部7及び梁部8a、8bは、支持基板2の開口
部2aに臨んだ状態となっている。尚、上記梁部8a及
び8bは、図2中矢印X方向の成分を含む加速度を受け
たときにマス部7を当該方向へ変位させると共に、加速
度の消失に応じて元の状態に復元させるというバネ機能
を備えたものである。さらに、梁構造体3は、マス部7
の両側面から当該マス部7と直交した方向へ一体的に突
出された例えば3個ずつの可動電極10a及び10bを
備えており、これら可動電極10a及び10bも支持基
板2の開口部2aに臨んだ状態となっている。尚、これ
ら可動電極10a及び10bは、断面矩形の棒状に形成
されている。
【0039】支持基板2上には、梁構造体3における一
方のアンカー部9bと一体に連結された状態の可動電極
用配線部11が前記絶縁膜6を介して形成されており、
この配線部11上の所定位置には、ワイヤボンディング
用の電極パッド11aが例えばアルミニウムにより形成
されている。
【0040】前記固定電極構造体4は、支持基板2上に
絶縁膜6を介して形成された固定電極用配線部4aと、
前記可動電極10aの一方の側面と所定の検出空隙を存
して平行した状態で配置された例えば3個の固定電極4
bとを一体に有した構成となっており、各固定電極4b
は、上記固定電極用配線部4aに片持ち状に支持された
状態となっている。これにより、上記固定電極4bは、
支持基板2の開口部2aに臨んだ状態となっている。
【0041】また、前記固定電極構造体5は、支持基板
2上に絶縁膜6を介して形成された固定電極用配線部5
aと、前記可動電極10bの一方の側面(前記可動電極
10aにおける前記検出空隙側と反対側の面)と所定の
検出空隙を存して平行した状態で配置された例えば3個
の固定電極5bとを一体に有した構成となっており、各
固定電極5bは、上記配線部5aに片持ち状に支持され
た状態となっている。これにより、上記固定電極5b
は、支持基板2の開口部2aに臨んだ状態となってい
る。
【0042】尚、上記固定電極4b及び5bは、断面矩
形の棒状に形成されている。また、上記固定電極用配線
部4a及び5a上の所定位置には、ワイヤボンディング
用の電極パッド4c及び5cがアルミニウムにより形成
されている。さらに、支持基板2の周縁部には、梁構造
体3及び固定電極構造体4、5の基材となる単結晶シリ
コンより成るシールド用薄膜12が、絶縁分離トレンチ
13により分離された状態で配置されている。
【0043】上記のように構成された半導体加速度セン
サ1にあっては、可動電極10aと固定電極4bとの間
に第1のコンデンサが形成され、また、可動電極10b
と固定電極5bとの間に第2のコンデンサが形成される
ことになる。これら第1及び第2のコンデンサの各静電
容量は、マス部7に図2中矢印X方向の成分を含む加速
度が作用したときの可動電極10a及び10bの変位に
応じて差動的に変化するものであり、斯様な静電容量の
変化を、電極パッド4c、5c、11aを通じて取り出
すことにより加速度を検出できることになる。
【0044】図1には上記のような半導体加速度センサ
1の製造工程例が模式的な断面図により示されており、
以下これについて説明する。尚、図1において、(h)
は半導体加速度センサ1の部分的な断面構造モデル(説
明の便宜上、図2中に二点鎖線Q1、Q2、Q3で示す
各部分での断面構造を合成した状態で表現したモデル)
を摸式的に示したものであり、(a)〜(g)は斯様な
断面構造モデルに対応した部分の製造途中での模式的断
面図である。
【0045】まず、図1(a)に示すようなSOI基板
14(本発明でいう半導体基板に相当)を用意する。こ
のSOI基板14にあっては、ベースとなる単結晶シリ
コンウェハ14a(本発明でいう半導体層及び第1半導
体層に相当)が最終的に前記支持基板2となるものであ
り、この単結晶シリコンウェハ14a上に、単結晶シリ
コン薄膜14b(本発明でいう半導体層及び第2半導体
層に相当)をシリコン酸化膜14c(本発明でいう絶縁
層に相当:最終的に前記絶縁膜6となる)を介して設け
た構造となっている。尚、上記単結晶シリコンウェハ1
4aは、表面の面方位が(100)に設定されたもの
で、少なくとも300μm程度以上の厚さ寸法を備えた
ものが使用される。また、上記単結晶シリコン薄膜14
bも、表面の面方位が(100)のもので、例えば1μ
m前後の膜厚に設定されている。尚、この単結晶シリコ
ン薄膜14bには、その抵抗率を下げ、且つ前記電極パ
ッド4c、5c、11aとの間でオーミックコンタクト
を取るために、例えばリンを高濃度(1×1019/cm
程度以上)に拡散した状態としている。
【0046】次に、図1(b)に示すような電極パッド
形成工程を実行する。この工程では、単結晶シリコン薄
膜14b上の全面にアルミニウムを例えば1μm程度の
膜厚となるように蒸着した後に、そのアルミニウム膜を
フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して
パターニングすることにより、電極パッド4c、5c、
11a(11aについては図1中に示されていない)を
形成する。尚、この電極パッド形成工程では、電極パッ
ド4c、5c、11aのオーミックコンタクトを得るた
めの周知の熱処理(シンタ)を必要に応じて行う。
【0047】この状態から、図1(c)に示すような寸
法調整工程を実行する。この工程では、単結晶シリコン
ウェハ14aの表面(絶縁膜と6と反対側の面)側に切
削・研磨加工を施すことによって、当該ウェハ14aの
厚さ寸法が例えば300μmとなるように調整し、その
加工面に鏡面仕上げを施す。このように、単結晶シリコ
ンウェハ14aの厚さ寸法を300μmまで減らすの
は、後でも述べるように、異方性エッチングにより前記
開口部2aを形成する際にそのエッチング深さを低減
し、以て異方性エッチングに起因するチップ設計寸法の
拡大を防止するためである。
【0048】次いで、図1(d)に示すようなマスク形
成工程を実行する。この工程では、単結晶シリコンウェ
ハ14aの表面(鏡面加工面)の全面に、シリコン窒化
膜を例えばプラズマCVD法によって0.5μm程度の
膜厚となるように堆積した後に、そのシリコン窒化膜を
フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して
パターニングすることにより、前記開口部2aをエッチ
ングによって形成する際のマスク15を形成する。
【0049】この後には、図1(e)に示すトレンチ形
成工程を実行する。この工程では、単結晶シリコン薄膜
14b及び電極パッド4c、5c、11a上にドライエ
ッチ耐性があるレジスト(図示せず)を所定パターン
(梁構造体3、固定電極構造体4及び5、シールド用薄
膜12に対応した形状)で形成した状態で、ドライエッ
チング装置により異方性ドライエッチングを実行するこ
とにより、単結晶シリコン薄膜14b中に、シリコン酸
化膜14cに達するトレンチ16を形成する。
【0050】この状態から、図1(f)に示すような第
1のエッチング工程を実行する。この第1のエッチング
工程では、単結晶シリコンウェハ14aを、前記マスク
15を使用し且つ例えばKOH水溶液を利用して表面
(シリコン酸化膜14cと反対側の面)側から選択エッ
チングする。この場合、斯様なエッチングをシリコン酸
化膜14cまで進行させると、エッチング液の圧力によ
り当該シリコン酸化膜14cが破れて単結晶シリコン薄
膜14bが破壊される可能性が非常に高くなるため、エ
ッチングがシリコン酸化膜14cまで進行しないように
エッチング時間を管理する。尚、このようなエッチング
時間の管理は、例えば、単結晶シリコンウェハ14aの
厚さ寸法並びにエッチング液のエッチングレートに基づ
いた計算により行うものであるが、本実施例では、単結
晶シリコンウェハ14aの膜厚が10μm程度残存する
ことを目標にした時間管理を行う。また、具体的には図
示しなかったが、この第1のエッチング工程の実行前に
は、SOI基板14の表面側をレジストにより覆ってお
くものであり、このレジストは、例えば第1のエッチン
グ工程終了後に除去するようにしている。
【0051】次いで、図1(g)に示すような第2のエ
ッチング工程を実行する。この第2のエッチング工程で
は、単結晶シリコンウェハ14aの表面側から、例えば
プラズマエッチング装置を利用したドライエッチングを
施すことにより、前記第1のエッチング工程においてシ
リコン酸化膜14cとの間に残した膜厚10μm程度の
単結晶シリコンウェハ14aを除去し、以てシリコン酸
化膜14cの裏面(下面)を露出させる。尚、斯様なド
ライエッチングに伴い、マスク15も同時に除去される
ことになる。
【0052】そして、図1(h)に示すような第3のエ
ッチング工程を実行する。この第3のエッチング工程で
は、前記第2のエッチング工程で使用したドライエッチ
ング装置のエッチングレートを変更した状態で、シリコ
ン酸化膜14cの裏面(単結晶シリコンウェハ14a側
の面)からドライエッチングを施すことにより、当該シ
リコン酸化膜14cを除去する。このような第3のエッ
チング工程の実行に応じて、前記開口部2aが形成され
ると共に、梁構造体3のマス部7、梁部8a、8b、可
動電極10a、10b(マス部7、梁部8a、8b、可
動電極10bについては図1中に示されていない)がリ
リースされることになる。また、このときには、固定電
極構造体4、5の固定電極4b及び5b(固定電極5b
については図1中に示されていない)もリリースされ
て、固定電極用配線部4a及び5aに片持ち支持された
状態となる。このようにして、第3のエッチング工程の
実行に応じて梁構造体3及び固定電極構造体4、5が形
成(画定)されるものである。
【0053】そして、このような第3のエッチング工程
の実行後に、SOI基板14を所定のセンサチップ形状
に切断するというダイシング工程を行うことにより半導
体加速度センサ1の基本構造を完成させる。
【0054】上記のような製造方法によれば、可動部で
あるマス部7、梁部8a、8b及び可動電極10a、1
0bを備えた梁構造体3をリリースするための最終工程
である第3のエッチング工程をドライエッチングにより
行う構成としたから、最終工程でウエットエッチングを
行う従来構成の場合のように、エッチング液による表面
張力に起因して、梁構造体3が固定電極構造体4及び5
のような固定部分に張り付くというスティッキング現象
が発生することがなくなり、結果的に、製造時における
歩留まりの向上を実現できるるようになる。
【0055】また、エッチング液としてKOH水溶液を
使用した第1のエッチング工程では、シリコン酸化膜1
4cとの間に所定膜厚の単結晶シリコンウェハ14aが
残存されるように構成し、その後に第2エッチング工程
でのドライエッチングにより上記残存された状態の単結
晶シリコンウェハ14aを除去する構成としたから、当
該第1のエッチング工程において、そのエッチング液の
圧力がシリコン酸化膜14c及び単結晶シリコンウェハ
14aの双方により受け止めらるようになって、シリコ
ン酸化膜14cひいては単結晶シリコン薄膜14bが破
壊される可能性が低くなる。しかも、シリコン酸化膜1
4cを露出させる第2のエッチング工程もドライエッチ
ングにより行われる構成であるから、その工程の実行時
において、シリコン酸化膜14cひいては単結晶シリコ
ン薄膜14bが破壊される可能性が低くなるものであ
り、総じて、製造時における歩留まりの悪化を防止でき
るようになる。
【0056】さらに、完成状態においては、梁構造体3
の可動部分(マス部7、梁部8a、8b、可動電極10
a、10b)並びに固定電極構造体4、5の固定電極4
b、5bが、開口部2aに臨んだ状態となるから、それ
らの目視検査をその表裏両面から容易に行い得るように
なるという利点もある。
【0057】ここで、図1(c)に示すような切削・研
磨加工を行う理由について、図1(f)を用いてさらに
詳細にしておく。つまり、図1(f)中に示すように、
開口部2aの開口設計寸法をaとすると、その寸法aを
正確にするためには、第1のエッチング工程において、
横方向へのエッチングの進行を抑制できる異方性エッチ
ングを行うことが望ましく、本実施例では、このような
異方性エッチングを単結晶シリコンウェハ14aに対し
て行うためにKOH水溶液を利用している。このような
異方性エッチングは、本実施例のように面方位(10
0)の単結晶シリコンウェハ14aを用いる場合には、
図1(f)に示すようにエッチング面から角度θ(=5
4.7°)の方向へ進行する。従って、図1(f)中に
示した開口設計寸法a、マスク寸法b及びエッチング深
さdの関係は、 b=a+2×(d/tan54.7°) で得られることになる。このため、例えばエッチング深
さdが500μmの場合には、マスク寸法bを開口設計
寸法aより約700μm程度大きくしなければならず、
半導体加速度センサ1のチップサイズが拡大してしま
う。
【0058】そこで、エッチング深さdを小さくして、
開口設計寸法aとマスク寸法bとの差を縮小するため
に、本実施例では前述したような寸法調整工程を実行す
る構成としている。但し、単結晶シリコンウェハ14a
の厚さ寸法を極端に薄くすると、その厚さばらつきが大
きくなる可能性が出てくると共にハンドリング時に破損
する虞が生じて歩留まりの低下を来たすため、その切削
・研磨の工程能力を考慮した上で、最適の厚さ寸法(本
実施例では300μm)に設定することが重要になって
くる。
【0059】尚、上記した第1実施例において、単結晶
シリコンウェハ14aの厚さ寸法を、当初から300μ
m程度に設定しておけば、その表面に鏡面仕上げのみを
施せば済むようになって厚さ寸法を薄くするための前記
寸法調整工程が不要になるから、全体の製造工程が簡略
化することはいうまでもない。但し、このような設定と
する場合には、単結晶シリコンウェハ14aのハンドリ
ングに注意を払う必要がある。
【0060】さらに、上記した第1実施例において、単
結晶シリコンウェハ14aの表面に予めシリコン酸化膜
を形成したSOI基板14を用いる構成とすれば、当該
シリコン酸化膜をエッチングマスクとして利用できるこ
とになるから、マスク形成工程(図1(d)参照)にお
いてシリコン窒化膜を堆積する工程が不要となり、製造
工程をさらに簡略化できることになる。
【0061】(第2の実施の形態)図4及び図5には本
発明の第2実施例が示されており、以下これについて前
記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、第1実
施例の構成では、開口部2aのための第1のエッチング
工程(図1(f)参照)でのエッチング量を時間管理に
より制御する構成としているが、このような構成では、
単結晶シリコンウェハ14aの厚さ寸法やエッチング液
のエッチングレートのばらつきなどにより、単結晶シリ
コンウェハ14aの残存膜厚を目標とする10μm程度
に制御することが難しくなるものである。このため、場
合によっては、エッチングがシリコン酸化膜14cまで
若しくはその直前まで進行することがあり、このような
状態となったときにはエッチング液の圧力により当該シ
リコン酸化膜14cひいては単結晶シリコン薄膜14b
が破壊される事態を招くことがある。このような事態に
対処するためには、第1のエッチング工程を複数回に分
割して実行し、その都度、エッチングの進行状況を確認
しながらエッチング時間を補正するという方法が考えら
れるが、このような方法では、工数が増大するという新
たな問題点を招くことになる。
【0062】この第2実施例は、上記のような事情を考
慮したものであり、開口部2aのためのエッチング時に
おける単結晶シリコンウェハ14aの残存膜厚を、目標
となる値に簡便且つ確実に加工できるようにしたもので
ある。
【0063】具体的には、まず、図4(a)に示すよう
なSOI基板14′を半導体基板として用意する。この
SOI基板14′は、基本的には第1実施例におけるS
OI基板14と同一構成のものであるが、単結晶シリコ
ンウェハ14aにおけるシリコン酸化膜14cとの界面
部分に、10μm程度の深さに達する不純物高濃度層1
4dを予め形成した構造となっている。上記不純物高濃
度層14dは、SOI基板14′を貼り合わせ法などに
より形成する前の段階で、例えば、ボロンなどの不純物
をイオン注入した後に高温の不活性ガス雰囲気中で熱処
理を行うことにより形成されるものであり、その不純物
濃度は例えば1×1019/cm程度に設定される。
【0064】次に、図4(b)に示す電極パッド形成工
程、図4(c)に示す寸法調整工程、図4(d)に示す
マスク形成工程、図4(e)に示すトレンチ形成工程
を、それぞれ前記第1実施例と同様に実行した後に、図
5(f)に示すように、単結晶シリコン薄膜14b側を
レジスト17によって覆った状態にする被覆工程を実行
する。
【0065】次いで、図5(g)に示すような第1のエ
ッチング工程を実行する。この第1のエッチング工程で
は、マスク15及びレジスト17などが設けられた状態
のSOI基板14′を、KOH水溶液より成るエッチン
グ液18中に所定時間だけ浸漬することにより、単結晶
シリコンウェハ14aの異方性エッチングを行う。この
場合、高濃度に不純物が拡散されたシリコンにあって
は、エッチング液18(KOH水溶液)によるエッチン
グレートが非常に小さいという一般的性質があるため、
上記第1のエッチング工程では、不純物高濃度層14d
までエッチングが進行した状態でそのエッチングが事実
上停止した状態となる。従って、エッチング時間の管理
を厳密に行わなくても、単結晶シリコンウェハ14aの
残存膜厚を不純物高濃度層14dの深さ寸法に応じて正
確に制御できることになる。
【0066】この後には、レジスト17を除去した状態
で、ドライエッチング装置を利用して不純物高濃度層1
4dを除去する第2のエッチング工程、並びに当該ドラ
イエッチング装置を利用してシリコン酸化膜14cを除
去する第3のエッチング工程を実行し、最終的に図5
(h)に示すように、開口部2aを形成した状態とす
る。そして、SOI基板14を所定のセンサチップ形状
に切断するためのダイシング工程を行うことにより半導
体加速度センサ1の基本構造を完成させる。
【0067】このように構成した第2実施例によれば、
単結晶シリコンウェハ14aの厚さ寸法やエッチング液
のエッチングレートがばらつくような状況下であって
も、第1のエッチング工程において単結晶シリコンウェ
ハ14aの残存膜厚を正確に制御できる。従って、当該
第1のエッチング工程の実行時において、エッチング液
の圧力を上記残存状態にある単結晶シリコンウェハ14
a及びシリコン酸化膜14cによって確実に受け止める
ことができるようになって、単結晶シリコン薄膜14b
が破損される恐れがなくなるものである。また、第1の
エッチング工程を前述したように複数回に分割して実行
する必要がないから、工数の増大を招くこともない。勿
論、最終工程である第3のエッチング工程をドライエッ
チングにより行う構成であるから、可動部分のスティッ
キング現象が発生することがなくなって、製造時におけ
る歩留まりの向上を実現できるものである。
【0068】(第3の実施の形態)図6及び図7には、
上記した第2実施例と同様に、開口部2aのためのエッ
チング時における単結晶シリコンウェハ14aの残存膜
厚を、目標となる値に簡便且つ確実に加工できるように
なるなどの効果を奏する本発明の第3実施例が示されて
おり、以下これについて第1及び第2実施例と異なる部
分のみ説明する。
【0069】即ち、この第3実施例では、図6(a)に
示すように第1実施例と同様のSOI基板14(但し、
単結晶シリコンウェハ14aは、後述する電気化学スト
ップエッチングのためにP型とする必要がある:単結晶
シリコン薄膜14bは前述したようにリンが拡散された
N型である)を用意した上で、図6(b)に示す電極パ
ッド形成工程、図6(c)に示す寸法調整工程、図6
(d)に示すマスク形成工程を、それぞれ第1実施例と
同様に実行した後に、図7(e)に示すように、単結晶
シリコン薄膜14bの表面側をレジスト17によって覆
った状態にする被覆工程を実行する。
【0070】次いで、図7(f)に示すような第1のエ
ッチング工程を実行する。この第1のエッチング工程
は、周知の電気化学ストップエッチングを行うものであ
り、マスク15及びレジスト17などが設けられた状態
のSOI基板14を、エッチング液18中に浸漬した状
態で、当該SOI基板14の単結晶シリコン薄膜14b
に例えば電極パッド4cを通じて正極性の電圧を印加
し、エッチング液18中に配置した電極板19に負極性
の電圧を印加する。このような電圧印加状態では、単結
晶シリコンウェハ14a中にシリコン酸化膜14cを介
して空乏層20(便宜上、二点鎖線で示す)が広がるよ
うになる。このため、エッチングが進行して上記空乏層
20がエッチング液18中に露出した状態となると、陽
極酸化反応が起こってエッチング面にエッチングレート
が非常に小さい陽極酸化膜が形成されるため、事実上エ
ッチングが停止するようになる。これにより、エッチン
グ時間の管理を厳密に行わなくても、単結晶シリコンウ
ェハ14aの残存膜厚を空乏層20の深さ寸法に応じて
正確に制御できることになる。
【0071】この後には、レジスト17を除去した状態
で、図7(g)に示すトレンチ形成工程を第1実施例と
同様に実行してトレンチ16を形成した後に、ドライエ
ッチング装置を利用して単結晶シリコンウェハ14aの
前記残存部分を除去する第2のエッチング工程、並びに
当該ドライエッチング装置を利用してシリコン酸化膜1
4cを除去する第3のエッチング工程を実行し、最終的
に図7(h)に示すように、開口部2aを形成した状態
とする。そして、SOI基板14を所定のセンサチップ
形状に切断するためのダイシング工程を行うことにより
半導体加速度センサ1の基本構造を完成させる。
【0072】(第4の実施の形態)図8には本発明の第
4実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。即ち、第1実施例で
は、シリコンウェハ14aに開口部2aを形成するため
に、ウエットエッチングによる第1のエッチング工程
(図1(f)参照)を行った後に、ドライエッチングに
よる第2及び第3のエッチング工程(図1(g)、
(h)参照)を順次行うようにしたが、当初から気相雰
囲気でエッチングする構成としても良い。この場合のエ
ッチング方法としては、ドライエッチング装置を利用す
ることが一般的であり、開口部2aの寸法を正確に制御
するためには、異方性ドライエッチングを行うことが望
ましい。
【0073】具体的には、この第4実施例では、図8
(a)に示すように第1実施例と同様のSOI基板14
を用意した上で、図8(b)に示す電極パッド形成工
程、図8(c)に示す寸法調整工程、図8(d)に示す
マスク形成工程、図8(e)に示すトレンチ形成工程
を、それぞれ第1実施例と同様に実行する。但し、本実
施例の場合、上記マスク形成工程では、ドライエッチ耐
性があるレジストをマスク15′として設ける。
【0074】そして、図8(f)に示す第1のエッチン
グ工程では、単結晶シリコンウェハ14aに対しマスク
15′側の面から異方性ドライエッチングを施すことに
より、当該ウェハ14aを除去してシリコン酸化膜14
cの裏面(下面)を露出させた状態とする。次いで、図
8(g)に示すように、マスク15′をアッシングして
除去し、さらに、図8(h)に示す第2のエッチング工
程では、シリコン酸化膜14cの裏面側からドライエッ
チングを施すことにより、当該シリコン酸化膜14cを
除去して開口部2aを形成した状態とする。そして、S
OI基板14を所定のセンサチップ形状に切断するため
のダイシング工程を行うことにより半導体加速度センサ
1の基本構造を完成させる。
【0075】このような第4実施例の製造方法によれ
ば、ドライエッチングのみによって開口部2aを形成で
きるようになるから、製造工程が簡単化すると共に、可
動電極10b、10bのような可動部にスティッキング
現象が発生する恐れがなくなるものである。尚、このよ
うに異方性ドライエッチングを行う場合には、そのエッ
チングが単結晶シリコンウェハ14aの表面に対しほと
んど垂直な方向へ進行するため、ウエットエッチングを
行う場合のように、マスク寸法を大きくする必要がなく
なり、チップサイズの拡大を招く恐れがなくなる。但
し、本実施例のようなドライエッチングは、KOH水溶
液を用いたウエットエッチングに比べてエッチングレー
トが小さいという事情があるから、スループットの向上
のためには単結晶シリコンウェハ14aの厚さ寸法を3
00μm程度に調節しておくことが望ましい。
【0076】(第5の実施の形態)図9には本発明の第
5実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。即ち、この第5実施例
は、梁構造体3及び固定電極構造体4、5の平面形状に
工夫を加えることにより、単結晶シリコン薄膜14bに
形成するトレンチパターンをトレンチ幅が大きい部分と
これに比してトレンチ幅が十分に小さい部分を備えた状
態にしたことに特徴を有する。具体的には、まず、図9
(a)に示すように第1実施例と同様のSOI基板14
を用意した上で、図9(b)に示す電極パッド形成工
程、図9(c)に示す寸法調整工程、図9(d)に示す
マスク形成工程を、それぞれ第1実施例と同様に実行す
る。
【0077】そして、図9(e)に示すトレンチ形成工
程では、単結晶シリコン薄膜14b及び電極パッド4
c、5c、11a上にドライエッチ耐性があるレジスト
(図示せず)を、上記のようなトレンチ幅の差が生ずる
ような所定パターンで形成した状態で、ドライエッチン
グ装置により異方性ドライエッチングを実行することに
より、単結晶シリコン薄膜14b中に、トレンチ幅が大
きく設定された第1のトレンチ21aと、これより十分
に小さいトレンチ幅に設定された第2のトレンチ21b
とを形成する。
【0078】この場合、上記トレンチ形成工程でのドラ
イエッチング時において、第1のトレンチ21a部分に
はエッチング媒体が十分に供給されるのに対して、第2
のトレンチ21b部分ではエッチング媒体の供給量が不
足気味になるため、実質的なエッチングレートが小さく
なる。この結果、第1のトレンチ21aがシリコン酸化
膜14cに到達した段階でエッチングを終了すると、第
2のトレンチ21bの底部には、単結晶シリコン薄膜1
4bが未エッチング状態で残ることになる。
【0079】この後に、図9(f)に示すような第1の
エッチング工程を実行する。この第1のエッチング工程
では、単結晶シリコンウェハ14aを、マスク15を使
用し且つ例えばKOH水溶液を利用して選択エッチング
するものであり、この場合にはエッチングストッパとし
てエッチングレートがシリコンに比べて小さいシリコン
酸化膜14cを利用する。
【0080】次いで、図9(g)に示す第2のエッチン
グ工程において、シリコン酸化膜14cを裏面側からの
ドライエッチングにより除去した後に、図9(h)に示
す第3のエッチング工程において、第2のトレンチ21
bの底部に残存した単結晶シリコン薄膜14bをドライ
エッチングにより除去して開口部2aを形成する。
【0081】このような本実施例の製造方法によれば、
第1のエッチング工程の実行時において、エッチング液
の圧力をシリコン酸化膜14c及び連結状態にある単結
晶シリコン薄膜14bの双方によって確実に受け止める
ことができるようになって、当該単結晶シリコン薄膜1
4bが破損される恐れがなくなるものである。勿論、最
終工程である第3のエッチング工程をドライエッチング
により行う構成であるから、可動部分のスティッキング
現象が発生することがなくなって、製造時における歩留
まりの向上を実現できるものである。
【0082】(第6の実施の形態)図10及び図11に
は本発明の第6実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
10(a)に示すように第1実施例と同様のSOI基板
14を用意した上で、図10(b)に示す電極パッド形
成工程、図10(c)に示す寸法調整工程、図10
(d)に示すマスク形成工程、図10(e)に示すトレ
ンチ形成工程を、それぞれ第1実施例と同様に実行す
る。
【0083】次いで、図11(f)に示す表面保護工程
において、単結晶シリコン薄膜14bの表面側を、容易
に剥離可能な材料である例えば有機系レジスト或いはポ
リイミド系材料より成る表面保護膜22により覆った状
態とする。この後に、図11(g)に示す第1のエッチ
ング工程、図11(h)に示す第2のエッチング工程、
図11(i)に示す第3のエッチング工程を、それぞれ
第1実施例と同様に実行して開口部2aを形成し、さら
に、最終的に図11(j)に示す保護膜除去工程を実行
して表面保護膜22を取り除く。この場合、製造途中に
おいて単結晶シリコン薄膜14bへダメージが及ぶ事態
を当該表面保護膜22により防止可能になる利点があ
る。また、表面保護膜22は有機系レジスト或いはポリ
イミド系材料より成るものであるから、例えば酸素プラ
ズマ中(つまり、ドライ雰囲気中)で簡単に除去できる
ことになる。そして、このような保護膜除去工程を上記
第3のエッチング工程の一部として実行した後に、SO
I基板14を所定のセンサチップ形状に切断するための
ダイシング工程を行うことにより半導体加速度センサ1
の基本構造を完成させる。尚、上記保護膜除去工程をダ
イシング工程の実行後に行う構成としても良い。
【0084】(第7の実施の形態)梁構造体3などの可
動部分は、半導体加速度センサの製造時のみならず、そ
の実装時、例えばワイヤボンディング時においても破壊
する可能性がある。このような実装段階での破壊を防止
するためには、図12に示すような本発明の第7実施例
のような手法を用いることができる。
【0085】即ち、この第7実施例は、前記第6実施例
と同様に、SOI基板14の表面側を表面保護膜22に
より覆った状態とする表面保護工程(図12(a)参
照)を実行した後に、図12(b)に示すような窓部形
成工程を実行する。この窓部形成工程では、表面保護膜
22における電極パッド4c、5c、11aとの対応部
分に、当該電極パッド4c、5c、11aまで達する窓
部23(図12では電極パッド4c、5cに対応したも
ののみ図示)を形成する。
【0086】次いで、図12(c)に示す第1のエッチ
ング工程を実行する。この第1のエッチング工程では、
単結晶シリコンウェハ14aを、マスク15を使用し且
つ例えばKOH水溶液を利用して選択エッチングするも
のであり、この場合にはエッチングストッパとしてエッ
チングレートがシリコンに比べて小さいシリコン酸化膜
14cを利用する。このような第1のエッチング工程を
行った後に、SOI基板14を所定のセンサチップ形状
に切断するダイシング工程を実行し、この状態で図12
(d)に示すワイヤボンディング工程を実行して、電極
パッド4c、5c、11aと図示しない外部ボンディン
グパッドとの間をボンディングワイヤ24により接続す
る。この後に、図12(e)に示すように、表面保護膜
22を酸素プラズマなどを使用して除去する。この状態
から、ドライエッチング装置を利用してシリコン酸化膜
14cを除去する第2のエッチング工程を実行する。
【0087】このような第7実施例によれば、半導体加
速度センサ1のパッケージ直前まで梁構造体3などの可
動部分を破損から保護できるため、歩留まりの向上を実
現できる。また、本実施例の構成によれば、表面保護膜
22が設けられる関係上、第1のエッチング工程におい
て、前記第1実施例のように単結晶シリコン薄膜14b
を所定膜厚だけ残存させなくとも十分な強度が得られ
る。従って、その第1のエッチング工程においてシリコ
ン酸化膜14cが露出する状態までエッチングすれば良
くなって、製造工程を簡略化できるようになる。
【0088】尚、上記した第6実施例及び第7実施例で
は、表面保護膜22の除去を酸素プラズマを使用して行
う構成としたが、別の方法として、オゾン雰囲気中にて
紫外線を照射する方法もある。これによれば、酸素プラ
ズマを使用する場合のようにチャージアップする必要が
ないため、可動電極10a、10bの固定電極4b、5
bに対する張り付き現象をより一層抑制することができ
る。
【0089】(第8の実施の形態)上記した各実施例で
は、トレンチ形成工程において、SOI基板14にドラ
イエッチングを施すことにより、シリコン酸化膜14c
に達するトレンチ16或いは21aを形成する構成とし
たが、このような場合には、トレンチ底部におけるシリ
コン酸化膜14cと接した部分が異常な形状になり易い
ことが知られている。即ち、第1ないし第4実施例、第
6及び第7実施例のように、トレンチ16をドライエッ
チングにより形成した場合、例えば当該トレンチ16に
より画定された固定電極4b、5b或いは可動電極10
a、10bの最下部に図13(a)に示すような突起2
5が生成されることがある。このような突起25が生成
された場合には、固定電極4a、4b及び可動電極10
a、10b間の静電容量誤差が大きくなるため、除去し
ておくことが望ましい。
【0090】そこで、本発明の第8実施例においては、
シリコン酸化膜14cを除去するためのドライエッチン
グ工程を実行した後に、単結晶シリコン薄膜14bに対
し、下方から等方性ドライエッチングを施すという補助
エッチング工程を実行することにより、図13(b)に
示すように上記のような異常形状を除去するようにして
いる。これにより、半導体加速度センサ1の検出精度
が、固定電極4a、4b及び可動電極10a、10b間
の静電容量誤差の拡大に起因して悪化する事態を未然に
防止できることになる。尚、上記補助エッチング工程の
エッチングレートと、シリコン酸化膜14cを除去する
ためのドライエッチング工程のエッチングレートの差を
小さく設定すれば、ドライエッチング装置のエッチング
条件を変更することなく上記各ドライエッチング工程を
連続的に行うことができるようになり、工程の簡略化を
図り得るようになる。
【0091】(第9の実施の形態)以下、本発明を半導
体加速度センサに適用した第9実施例について図14な
いし図20を参照しながら説明する。図14には、半導
体力学量センサとしての半導体加速度センサ101の平
面構造が示され(但し、図14中の斜線帯は断面を示す
ものではなく、各構造要素の区別を容易に認識可能にす
るためのものである)、図15には図2中のB−B線に
沿った模式的な断面構造が示されている。
【0092】これら図14及び図15において、例えば
単結晶シリコンにより構成された支持基板102は、開
口部102aを備えた矩形枠状に形成されており、その
上面には、単結晶シリコン層103(本発明でいう半導
体層に相当)に形成された梁構造体104並びに一対の
固定電極構造体105、106がシリコン酸化膜より成
る絶縁膜107(図2参照)を介して配置されている。
【0093】上記梁構造体104は、矩形棒状のマス部
108の両端を、矩形枠状の梁部109a及び109b
を介してアンカー部110a及び110bに一体に連結
した構成となっており、これらアンカー部110a及び
110bが支持基板102における対向辺部上に前記絶
縁膜107を介して支持されている。これにより、上記
マス部108及び梁部109a、109bは、支持基板
102の開口部102aに臨んだ状態となっている。
尚、上記梁部109a及び109bは、図2中矢印X方
向の成分を含む加速度を受けたときにマス部108を当
該方向へ変位させると共に、加速度の消失に応じて元の
状態に復元させるというバネ機能を備えたものである。
【0094】さらに、梁構造体104は、マス部108
の両側面から当該マス部108と直交した方向へ一体的
に突出された複数個ずつの可動電極111a及び111
bを備えており、これら可動電極111a及び111b
も支持基板102の開口部102aに臨んだ状態となっ
ている。尚、これら可動電極111a及び111bは、
実際には多数個ずつ設けられるものであるが、図14で
は簡略化のため2個ずつのみ示している。また、可動電
極111a及び111bは、断面矩形の棒状に形成され
ていると共に、矩形状の貫通孔112が複数個形成され
ており、この貫通孔112により複数の矩形枠状体を直
線状に連結した形態の所謂ラーメン構造を備えた形状と
されている。
【0095】支持基板102上には、梁構造体104に
おける一方のアンカー部110bと一体に連結された状
態の可動電極用配線部113が前記絶縁膜107を介し
て形成されており、この配線部113上の所定位置に
は、ワイヤボンディング用の電極パッド113aが例え
ばアルミニウムにより形成されている。
【0096】前記固定電極構造体105は、支持基板1
02上に絶縁膜107を介して形成された固定電極用配
線部105aと、前記可動電極111aの一方の側面と
所定の検出空隙を存して平行した状態で配置された複数
個の第1の固定電極105bとを一体に有した構成とな
っており、各固定電極105bは、上記固定電極用配線
部105aに片持ち状に支持された状態となっている。
これにより、上記第1の固定電極105bは、支持基板
102の開口部102aに臨んだ状態となっている。
【0097】また、前記固定電極構造体106は、支持
基板102上に絶縁膜107を介して形成された固定電
極用配線部106aと、前記可動電極111bの一方の
側面(前記可動電極111aにおける前記検出空隙側と
反対側の面)と所定の検出空隙を存して平行した状態で
配置された複数個の第2の固定電極106bとを一体に
有した構成となっており、各固定電極106bは、上記
配線部106aに片持ち状に支持された状態となってい
る。これにより、上記第2の固定電極106bは、支持
基板102の開口部102aに臨んだ状態となってい
る。
【0098】尚、上記第1及び第2の固定電極105b
及び106bは、実際には多数個ずつ設けられるもので
あるが、図14では簡略化のため2個ずつのみ示してい
る。また、第1及び第2の固定電極105b及び106
bは、断面矩形の棒状に形成されていると共に、矩形状
の貫通孔114が複数個形成されており、この貫通孔1
14により複数の矩形枠状体を直線錠に連結した形態の
所謂ラーメン構造を備えた形状とされている。さらに、
上記固定電極用配線部105a及び106a上の所定位
置には、ワイヤボンディング用の電極パッド105c及
び106cがアルミニウムにより形成されている。
【0099】支持基板102の周縁部に残存した単結晶
シリコン層103は、シールド用薄膜103aとして機
能するものであり、そのシールド用薄膜103aと梁構
造体104及び可動電極用配線部113との隣接部位に
は絶縁分離トレンチ115が形成され、シールド用薄膜
103aと固定電極用配線部105a及び106aとの
各隣接部位には絶縁分離トレンチ116及び117がそ
れぞれ形成されている。また、シールド用薄膜103a
上には、ワイヤボンディング用の例えば2個の電極パッ
ド103bがアルミニウムにより形成されている。
【0100】しかして、本実施例においては、半導体加
速度センサ101の製造途中の工程において、前記支持
基板102及び単結晶シリコン層103に不純物を拡散
することによって、それらの比抵抗を3Ω・cm以下、望
ましくは1Ω・cm以下の比較的低い値に設定している。
この結果、上記のように設定された比抵抗に応じて、固
定電極用配線部105a及び106a、第1及び第2の
固定電極105b及び106b、可動電極111a及び
111b、可動電極用配線部113などの抵抗値が決ま
ることになる。
【0101】上記のように構成された半導体加速度セン
サ101にあっては、図14中の矢印X方向の成分を含
む加速度が印加されると、マス部108が当該矢印X方
向へ変位するようになり、その加速度に応じた変位量
は、マス部108の質量と梁部109a、109bの復
元力、並びに電圧印加状態において可動電極111a及
び111bと第1及び第2の固定電極105b及び10
6bとの各間に作用する静電気力によって決定される。
この場合、可動電極111aと第1の固定電極105b
との間に第1のコンデンサが形成され、また、可動電極
111bと第2の固定電極106bとの間に第2のコン
デンサが形成されるものであり、これら第1及び第2の
コンデンサの各静電容量は、上記のようにマス部108
に加速度が作用したときの可動電極111a及び111
bの変位に応じて差動的に変化するものである。従っ
て、斯様な静電容量の変化を、電極パッド105c、1
06c、113aを通じて電荷量の変化として取り出す
ことにより加速度を検出できることになる。尚、上記第
1及び第2のコンデンサの静電容量は、本実施例の場
合、加速度が印加されていない状態で互いに等しくなる
ように設定されている。
【0102】図16には、上記のような静電容量の変化
を検出するための容量変化検出回路の回路構成が示され
ている。但し、この図16では、半導体加速度センサ1
01を等価回路で表現している。即ち、図6に示した半
導体加速度センサ101において、 CS1:可動電極111a・第1の固定電極105b間
の第1のコンデンサ、 CS2:可動電極111b・第2の固定電極106b間
の第2のコンデンサ、 RM1:可動電極111a部分の単結晶シリコン層10
3の抵抗、 RM2:可動電極111b部分の単結晶シリコン層10
3の抵抗、 RR1:第1の固定電極105b部分の単結晶シリコン
層103の抵抗、 RR2:第2の固定電極106b部分の単結晶シリコン
層103の抵抗、
【0103】RH1:可動電極111a、111bの基
部から電極パッド113aに至る部分(マス部108及
び可動電極用配線部113)の単結晶シリコン層103
の抵抗、 RH2:第1の固定電極105bの基部から電極パッド
105cに至る部分(固定電極用配線部105a)の単
結晶シリコン層103の抵抗、 RH3:第2の固定電極106bの基部から電極パッド
106cに至る部分(固定電極用配線部106a)の単
結晶シリコン層103の抵抗、
【0104】RP1:電極パッド113aから絶縁分離
トレンチ115に至る部分(可動電極用配線部113)
の単結晶シリコン層103による寄生抵抗、 CP1:可動電極配線部113の絶縁分離トレンチ11
5による寄生コンデンサ、 RP2:絶縁トレンチ115及び116間に位置した単
結晶シリコン層103による寄生抵抗、 CP2:固定電極配線部105aの絶縁分離トレンチ1
16による寄生コンデンサ、 RP3:電極パッド105cから絶縁分離トレンチ11
6に至る部分(固定電極用配線部105a)の単結晶シ
リコン層103による寄生抵抗、 RP4:絶縁トレンチ115及び117間に位置した単
結晶シリコン層103による寄生抵抗、 CP3:固定電極配線部106aの絶縁分離トレンチ1
17による寄生コンデンサ、
【0105】RP5:電極パッド106cから絶縁分離
トレンチ117に至る部分(固定電極用配線部106
a)の単結晶シリコン層103による寄生抵抗、 RP6:電極パッド113aから絶縁膜107に至る縦
方向部分(可動電極用配線部113)の単結晶シリコン
層103による寄生抵抗、 CP4:電極パッド113aと支持基板102との間の
寄生コンデンサ、 RP7:電極パッド105cから電極パッド113a部
分までの支持基板102による寄生抵抗、 RP8:電極パッド105cまたは106cから絶縁膜
107に至る縦方向部分(固定電極用配線部105aま
たは106a)の単結晶シリコン層103による寄生抵
抗、 RP9:電極パッド106c電極パッド113a部分ま
での支持基板102による寄生抵抗、 である。
【0106】一方、電極パッド105c(つまり第1の
固定電極105b)には、図17に示すような矩形波よ
り成る第1搬送波信号(周波数は例えば100KHz、
電圧レベルは例えば5V)が印加され、電極パッド10
6c(つまり第2の固定電極106b)には、上記第1
搬送波信号と位相が180°異なる矩形波より成る第2
搬送波信号(図17参照:周波数は例えば100KH
z、電圧レベルは例えば5V)が印加されるようになっ
ている。尚、具体的に図示しないが、上記第1及び第2
搬送波信号は、同一の発振回路からのクロック信号に同
期して形成されるものである。
【0107】上記のような各搬送波信号が印加された状
態では、電極パッド113a(つまり可動電極111
a、111b)の電位レベルは、第1及び第2のコンデ
ンサCS1及びCS2の静電容量に応じたレベルになる
ものであり、その電位レベルをスイッチドキャパシタ回
路118により検出するようにしている。
【0108】スイッチドキャパシタ回路118は、オペ
アンプ118a、帰還コンデンサ118b及びスイッチ
要素118cを図示のように組み合わせて接続されてい
る。上記オペアンプ118aは、反転入力端子に電極パ
ッド113aからの信号(可動電極111a、111b
の電位レベルを示す信号)が入力され、非反転入力端子
に2.5V(つまり、第1及び第2のコンデンサCS1
及びCS2の静電容量が等しい状態時に電極パッド11
3aに現れる電位レベルに相当)の電圧信号が与えられ
る構成となっている。また、上記スイッチ要素118c
は、前記図示しない発振回路からのクロック信号に同期
して生成されるトリガ信号によりオンオフされるもので
あり、図17に示すように、第1搬送波信号の立ち下が
りタイミング(第2搬送波信号の立ち上りタイミング)
で一定時間τ(第1搬送波信号の1/2周期より短い時
間)だけオンするように設定される。
【0109】図16に示した容量検出回路は、以下のよ
うに動作することが想定されたものである。
【0110】即ち、第1及び第2のコンデンサCS1及
びCS2の容量値が等しい場合、図17のタイミングチ
ャート中のタイミングT1においては、第1の固定電極
105bに0V、第2の固定電極106bに5V、可動
電極111a及び111bに2.5Vの電圧がそれぞれ
印加されることになる。これに応じて、第1及び第2の
コンデンサCS1及びCS2などでの電荷分布は図18
(a)に示す状態となる。このときには、スイッチ要素
118cがオンされるため、スイッチドキャパシタ回路
118からの出力電圧Voは2.5Vになる。
【0111】上記タイミングT1から時間τが経過した
タイミングT2において、スイッチ要素118cがオフ
されたときには、各固定電極105b及び106bに対
する印加電圧は変化しないので、第1及び第2のコンデ
ンサCS1及びCS2での電荷分布は図18(a)に示
す状態のままであり、出力電圧Voも2.5Vのままで
ある。
【0112】その後のタイミングT3に至ると、第1の
固定電極105bに5V、第2の固定電極106bに0
Vの電圧が印加された状態に反転するのに応じて、第1
及び第2のコンデンサCS1及びCS2などでの電荷分
布は図18(b)に示す状態となる。このときには、図
5(b)中に破線Qで囲った部分の総電荷量が零になる
のに伴い、出力電圧Voが帰還コンデンサ118bを通
じた放電により応じて徐々に低下するようになる。
【0113】この場合、出力電圧Voのレベルは、第1
及び第2のコンデンサCS1及びCS2の各静電容量の
差動的な変化量、つまり、マス部108に作用する加速
度の大きさに応じて変化することになるから、その出力
電圧Voを利用して加速度の大きさを検出できるように
なる。
【0114】ここで、可動電極111a及び111bと
第1及び第2の固定電極105b及び106bとの間に
電圧が印加された状態では、その可動電極111a、1
11bの側面に、前記第1及び第2のコンデンサCS1
及びCS2の容量値と、対応する固定電極105b、1
06bとの間の電位差との積により示される電荷が発生
することになる。このように発生する電荷は、電極パッ
ド113aから可動電極111a及び111bの側面ま
での経路での抵抗値及び容量値、並びに電極パッド10
5c及び106cから第1及び第2の固定電極105b
及び106bの側面までの各経路での抵抗値及び容量値
に応じた時定数を持つことになる。ところが、上記のよ
うな経路中には、図16に示したような抵抗ファクタ
(RM1、RM2、RR1、RR2、RH1〜RH3、
RP1〜RP9)が存在するため、これに起因した上記
時定数の増大による悪影響が避けられない。
【0115】従って、上記のような抵抗ファクタの大き
さを決定する支持基板102及び単結晶シリコン層10
3の比抵抗が比較的高い状態となっていた場合、つま
り、時定数が大きい状態時には、以下に(1)、
(2)、(3)に述べるような現象が複合して発生する
ことになる。
【0116】(1)第1及び第2のコンデンサCS1及
びCS2と帰還コンデンサ118bとの間での電荷の動
きが、前記時定数の影響で遅くなる。このため、図19
(a)に示すように、出力電圧Voの振幅が本来得られ
るべき値とは異なった状態になる現象が発生する。
【0117】(2)固定電極105b及び106bに印
加される第1及び第2搬送波信号にも上記時定数による
影響が及ぶので、当該固定電極105b及び106bに
印加される電圧が、図19(b)に示すように本来得ら
れるべき値より小さくなり、このため、出力電圧Voの
値も本来得られるべき値から変化することになる。
【0118】(3)第1及び第2搬送波信号に上記のよ
うな時定数の影響が及ぶのに応じて、それら第1及び第
2搬送波信号とスイッチ要素118cのオンオフタイミ
ングに図19(c)に示すような位相ずれが生じ、これ
に起因して出力電圧Voの値が本来得られるべき値から
変化する。
【0119】要するに、支持基板102及び単結晶シリ
コン層103の比抵抗が比較的高い状態となっていた場
合には、上記(1)、(2)、(3)のような現象が複
合して発生したときに、その影響による出力電圧Voの
変動幅が大きくなって加速度の検出特性が悪化すること
になる。
【0120】これに対して、本実施例においては、支持
基板102及び単結晶シリコン層103の比抵抗を、前
述したように3Ω・cm以下、望ましくは1Ω・cm以下の
比較的低い値に設定している。つまり、本実施例におい
ては、図16中に示した抵抗RM1、RM2、RR1、
RR2、RH1〜RH3、寄生抵抗RP1〜RP6、R
P8、RP9の抵抗値を決定する単結晶シリコン層10
3の比抵抗は勿論のこと、図16中に示した寄生抵抗R
P7を決定する支持基板102の比抵抗も比較的小さい
値に設定しているから、抵抗RM1、RM2、RR1、
RR2、RH1〜RH3及び寄生抵抗RP1〜RP9の
存在に伴う時定数による影響を極力抑制できるようにな
って、出力電圧Voの変動幅を小さくできるものであ
る。
【0121】因みに、支持基板102及び単結晶シリコ
ン層103の比抵抗と、コンデンサCS1及びCS2に
電圧を印加した状態での電圧及び電流位相差との関係を
図20に示すが、前述した時定数に起因した電圧及び電
流の位相ずれ量を許容範囲である1°以内(位相差89
〜90°)に収めるためには、上記比抵抗を3Ω・cm以
下とすれば良いことが分かる。
【0122】以上の結果、本実施例によれば、支持基板
102及び単結晶シリコン層103の比抵抗を低い値に
設定するだけの簡単な構成によって加速度の検出特性が
向上するようになる。また、静電容量が差動的に変化す
る第1及び第2コンデンサCS1、CS2を利用して加
速度の検出を行うことになるから、被検出加速度の大き
さに対する静電容量の変化幅が見掛け上において大きく
なって、S/N比が向上するようになる。
【0123】(その他の実施の形態)尚、本発明は上記
した実施例に限定されるものではなく、次のような変形
または拡張が可能である。第1実施例及び第3実施例で
は、第1のエッチング工程の実行後に、膜厚10μm程
度で残存させた単結晶シリコンウェハ14aをドライエ
ッチングにより除去するための第2のエッチング工程を
行った後に、エッチングレートを変更してシリコン酸化
膜14cをドライエッチングにより除去するための第3
のエッチング工程を行う構成としたが、ドライエッチン
グ条件をコントロールして上記単結晶シリコンウェハ1
4a及びシリコン酸化膜14cのエッチングレートの差
を小さく設定すれば、ドライエッチング装置のエッチン
グ条件を変更することなく上記第2及び第3のエッチン
グ工程を連続的に行うことができることになる。従っ
て、この場合には、製造工程を簡略化できるようにな
る。
【0124】勿論、第2実施例においても、第2のエッ
チング工程における不純物高濃度層14dのエッチング
レートと、第3のエッチング工程におけるシリコン酸化
膜14cのエッチングレートとの差を小さく設定すれ
ば、ドライエッチング装置のエッチング条件を変更する
ことなく上記第2及び第3のエッチング工程を連続的に
行うことができるようになって、製造工程を簡略化でき
るものである。
【0125】上記した各実施例では、単結晶シリコンウ
ェハ14或いは14′に開口部2aを形成した後、つま
り、微細構造部分を有した梁構造体3及び固定電極構造
体4、5を形成した後の時点でダイシング工程を行って
半導体加速度センサの基本構造を完成させる構成とした
が、このように製造工程の最終段階でダイシング工程を
行うことは、半導体加速度センサ1の微細構造部分が破
損するという危険性を孕んでいる。要するに、ダイシン
グ工程では、高速回転されるダイシングソーが使用され
るため、SOI基板14或いは14′に対して常に振動
が加えられることになり、その振動に起因して上記微細
構造部分が破損する恐れがある。そこで、開口部2aを
形成する工程を実行する前の時点で、ダイシング工程を
行ってチップ分割し、この後に開口部2aを形成すると
いう製造方法を採用することができる。
【0126】具体的には、第1ないし第3の実施例の場
合について説明すると、第1のエッチング工程が終了し
た時点で、ダイシング工程を行ってチップ分割し、この
後に各センサチップをチップトレイなどにより保持した
状態で第2のエッチング工程及び第3のエッチング工程
を行う構成とすれば良い。このような構成によれば、ダ
イシング加工時には、前記微細構造部分が単結晶シリコ
ンウェハ14aの膜厚10μm程度の残存部分及びシリ
コン酸化膜14cにより支持されるようになって、耐振
動性が向上するようになるから、その破損を未然に防止
できるようになる。尚、この場合、第2のエッチング工
程及び第3のエッチング工程でのドライエッチングは真
空チャンバー内で行われるものであって、加工対象物の
形状に対する自由度が高いという事情があるから、当該
第2及び第3のエッチング工程がダイシング加工後に行
われる構成であっても、工程上の支障を来たすことはな
いものである。
【0127】半導体加速度センサに限らず、ヨーレート
センサや角速度センサなどのような他の半導体力学量セ
ンサにも応用できる。また、本発明による半導体力学量
センサの製造方法においては、容量式センサの例(第1
ないし第8実施例)で説明したが、可動電極及び固定電
極間の接触を検知する接点式センサとして実現すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による製造方法を示す模式
的断面図
【図2】半導体加速度センサの平面構造を示す図
【図3】図2中のA−A線に沿った模式的断面図
【図4】本発明の第2実施例による製造方法を示す模式
的断面図その1
【図5】同製造方法を示す模式的断面図その2
【図6】本発明の第3実施例による製造方法を示す模式
的断面図その1
【図7】同製造方法を示す模式的断面図その2
【図8】本発明の第4実施例による製造方法を示す模式
的断面図
【図9】本発明の第5実施例による製造方法を示す模式
的断面図
【図10】本発明の第6実施例による製造方法を示す模
式的断面図その1
【図11】同製造方法を示す模式的断面図その2
【図12】本発明の第7実施例による製造方法を示す模
式的断面図
【図13】本発明の第8実施例による製造方法を示す要
部の模式的拡大断面図
【図14】本発明の第9実施例による半導体加速度セン
サの平面構造を示す図
【図15】図14中のB−B線に沿った模式的断面図
【図16】容量変化検出回路の構成を半導体加速度セン
サの等価回路と共に示す図
【図17】容量変化検出回路の動作説明用のタイミング
チャート
【図18】容量変化検出回路の電荷の動きを説明するた
めの図
【図19】検出特性が悪化する現象を説明するためのタ
イミングチャート
【図20】比抵抗と電圧及び電流位相差との関係を示す
特性図
【符号の説明】
1は半導体加速度センサ、2は支持基板、2aは開口
部、3は梁構造体(可動部)、4、5は固定電極構造
体、4b、5bは固定電極、4c、5cは電極パッド、
6は絶縁膜、7はマス部、8a、8bは梁部、9a、9
bはアンカー部、10a、10bは可動電極、11aは
電極パッド、14、14′はSOI基板(半導体基
板)、14aは単結晶シリコンウェハ(半導体層、第1
半導体層)、14bは単結晶シリコン薄膜(半導体層、
第2半導体層)、14cはシリコン酸化膜(絶縁層)、
14dは不純物高濃度層、15、15′はマスク、16
はトレンチ、18はエッチング液、21はトレンチ、2
1aは第1のトレンチ、21bは第2のトレンチ、22
は表面保護膜、23は窓部、24はボンディングワイ
ヤ、101は半導体加速度センサ、102は支持基板、
103は単結晶シリコン層(半導体層)、104は梁構
造体、105、106は固定電極構造体、105a、1
06aは固定電極用配線部、105b、106bは固定
電極、105c、106cは電極パッド、107は絶縁
膜、108はマス部、111a、111bは可動電極、
113は可動電極用配線部、113aは電極パッド、1
15〜117は絶縁分離トレンチ、118はスイッチド
キャパシタ回路、CS1は第1のコンデンサ、CS2は
第2のコンデンサを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 雅一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 杉戸 泰成 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 彼末 将和 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 吉原 晋二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 尾添 祥司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 藤野 誠二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 酒井 峰一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 村田 稔 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 竹内 幸裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 青山 正紀 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層で分離された複数の半導体層を有
    する半導体基板に対し、その両面から所望の層を適宜に
    エッチングして除去する加工を施すことにより、力学量
    検出のための可動部を形成するようにした半導体力学量
    センサの製造方法において、 前記可動部を形成する際には、少なくとも最終的に当該
    可動部を画定するための可動部画定工程を気相雰囲気で
    行うように構成したことを特徴とする半導体力学量セン
    サの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記可動部を画定する際にエッチングす
    る層は、前記半導体層、絶縁層及び前記半導体基板上に
    形成される保護膜の何れかであることを特徴とする請求
    項1記載の半導体力学量センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁層で分離された複数の半導体層を有
    する半導体基板に対し選択的なエッチング加工を施すこ
    とにより、力学量検出のための可動部を形成するように
    した半導体力学量センサの製造方法において、 前記半導体基板の一方面の半導体層にトレンチを形成す
    るトレンチ形成工程と、 前記半導体基板の他方面の半導体層のうち少なくとも前
    記トレンチに対応した部分を適宜除去する半導体層除去
    工程と、 前記半導体基板の他方面の半導体層を除去することによ
    り露出する絶縁層を気相雰囲気で適宜除去して前記半導
    体基板の所望部位に前記可動部を画定する可動部画定工
    程とを実行することを特徴とする半導体力学量センサの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記トレンチが形成された半導体層を覆
    った状態の表面保護膜を形成する表面保護工程を実行す
    ると共に、 前記可動部画定工程では、前記半導体基板の他方面の半
    導体層を除去することにより露出する絶縁層を適宜除去
    した後に、前記表面保護膜を気相雰囲気で除去すること
    により、前記半導体基板の所望部位に前記可動部を画定
    するように構成されていることを特徴とする請求項3記
    載の半導体力学量センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁層で分離された複数の半導体層を有
    する半導体基板に対し選択的なエッチング加工を施すこ
    とにより、力学量検出のための可動部を形成するように
    した半導体力学量センサの製造方法において、 前記半導体基板の一方面の半導体層に第1のトレンチ及
    びこの第1のトレンチより浅い形状の第2のトレンチを
    形成するトレンチ形成工程と、 前記半導体基板の他方面の半導体層のうち少なくとも前
    記第2のトレンチに対応した部分を適宜除去する半導体
    層除去工程と、 前記半導体基板の他方面の半導体層を除去することによ
    り露出する絶縁層を適宜除去すると共に、前記第2のト
    レンチの底部に相当した半導体層を気相雰囲気で除去し
    て前記半導体基板の所望部位に前記可動部を画定する可
    動部画定工程とを実行することを特徴とする半導体力学
    量センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のトレンチが形成され
    た半導体層を覆った状態の表面保護膜を形成する表面保
    護工程を実行すると共に、 前記可動部画定工程では、前記半導体基板の他方面の半
    導体層を除去することにより露出する絶縁層を適宜除去
    すると共に、前記第2のトレンチの底部に相当した半導
    体層を除去した後に、前記表面保護膜を気相雰囲気で除
    去することにより、前記半導体基板の所望部位に前記可
    動部を画定するように構成されていることを特徴とする
    請求項5記載の半導体力学量センサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記可動部画定工程に先立って、半導体
    基板を所定のセンサチップ形状に切断するダイシング工
    程を実行することを特徴とする請求項1ないし6の何れ
    かに記載の半導体力学量センサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記半導体基板のエッチングを行うのに
    先立って、当該半導体基板における前記可動部が形成さ
    れる半導体層と反対側の半導体層を所定の厚さ寸法とな
    るまで研削・研磨する厚さ寸法調整工程を実行すること
    を特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の半導体
    力学量センサの製造方法。
  9. 【請求項9】 支持基板上に電気的に絶縁された状態で
    支持され、力学量の作用に応じて変位する半導体材料製
    の可動電極と、 前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、
    前記可動電極と所定空隙を存して対向配置された半導体
    材料製の固定電極とを備えた半導体力学量センサの製造
    方法において、 最終的に前記支持基板となる第1半導体層上に絶縁層を
    介して第2半導体層を積層した状態の半導体基板を用意
    し、 前記第2半導体層に前記可動電極及び固定電極を画定す
    るためのトレンチを前記絶縁層に達するように形成する
    トレンチ形成工程と、 前記第1半導体層における前記可動電極及び固定電極の
    形成領域に対応した部分を前記絶縁層と反対側の面から
    ウエットエッチングすると共に、そのエッチング領域の
    第1半導体層の膜厚が予め設定した膜厚となった時点で
    エッチング停止する第1のエッチング工程と、 この第1のエッチング工程の実行に応じて残存された前
    記設定膜厚の第1半導体層を気相雰囲気でエッチングす
    ることにより除去して前記絶縁層を露出させる第2のエ
    ッチング工程と、 前記絶縁層を気相雰囲気でのエッチングにより除去する
    ことにより、前記トレンチと連続した状態の開口部を形
    成して前記可動電極及び固定電極を形成する第3のエッ
    チング工程とを実行することを特徴とする半導体力学量
    センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体基板として、前記第1半導
    体層における前記絶縁層との界面部分に所定深さに達す
    る不純物高濃度層を予め形成した状態のものを使用し、 前記第1のエッチング工程では、前記不純物高濃度層に
    対するエッチングレートが相対的に小さくなるエッチン
    グ液を使用することにより、前記第1半導体層のエッチ
    ングを上記不純物高濃度層が露出した時点で停止させる
    ことを特徴とする請求項9記載の半導体力学量センサの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のエッチング工程では、前記
    第2半導体層中に空乏層が形成されるよう前記第1半導
    体層にバイアス電圧を印加した状態でウエットエッチン
    グを行い、上記空乏層が露出した時点でエッチング停止
    することを特徴とする請求項9記載の半導体力学量セン
    サの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2のエッチング工程でのエッチ
    ングレートと、前記第3のエッチング工程でのエッチン
    グレートとの差を小さく設定することを特徴とする請求
    項9ないし11の何れかに記載の半導体力学量センサの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第3のエッチング工程に先立っ
    て、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切断するダ
    イシング工程を実行することを特徴とする請求項9ない
    し12の何れかに記載の半導体力学量センサの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記第1のエッチング工程は、異方性
    エッチングにより行われることを特徴とする請求項9な
    いし13の何れかに記載の半導体力学量センサの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 支持基板上に電気的に絶縁された状態
    で支持され、力学量の作用に応じて変位する半導体材料
    性の可動電極と、 前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、
    前記可動電極と所定空隙を存して対向配置された半導体
    材料製の固定電極とを備えた半導体力学量センサの製造
    方法において、 最終的に前記支持基板となる第1半導体層上に絶縁層を
    介して第2半導体層を積層した状態の半導体基板を用意
    し、 前記第2半導体層に前記可動電極及び固定電極を画定す
    るためのトレンチを前記絶縁層に達するように形成する
    トレンチ形成工程と、 前記第1半導体層における前記可動電極及び固定電極の
    形成領域に対応した部分を前記絶縁層と反対側の面から
    気相雰囲気でエッチングすることにより前記絶縁層を露
    出させる第1のエッチング工程と、 前記絶縁層を気相雰囲気でのエッチングにより除去する
    ことにより、前記トレンチと連続した状態の開口部を形
    成して前記可動電極及び固定電極を形成する第2のエッ
    チング工程とを実行することを特徴とする半導体力学量
    センサの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1のエッチング工程は、異方性
    ドライエッチングにより行われることを特徴とする請求
    項15記載の半導体力学量センサの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第1のエッチング工程でのエッチ
    ングレートと第2のエッチング工程でのエッチングレー
    トの差を小さく設定したことを特徴とする請求項15ま
    たは16記載の半導体力学量センサの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第2のエッチング工程に先立っ
    て、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切断するダ
    イシング工程を実行することを特徴とする請求項15な
    いし17の何れかに記載の半導体力学量センサの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 支持基板上に電気的に絶縁された状態
    で支持され、力学量の作用に応じて変位する半導体材料
    性の可動電極と、 前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、
    前記可動電極と所定空隙を存して対向配置された半導体
    材料製の固定電極とを備えた半導体力学量センサの製造
    方法において、 前記可動電極及び固定電極を画定するためのトレンチパ
    ターンを、トレンチ幅が大きい部分とこれに比してトレ
    ンチ幅が十分に小さい部分を備えた状態に設定した上
    で、 最終的に前記支持基板となる第1半導体層上に絶縁層を
    介して第2半導体層を積層した状態の半導体基板を用意
    し、 前記第2半導体層上に前記トレンチパターンに対応した
    形状の異なる幅の溝パターンを有する状態のマスクを形
    成するマスク形成工程と、 前記第2半導体層に前記マスクを利用したエッチング加
    工を施すと共に、前記溝パターンの幅が大きい部分に形
    成される第1のトレンチが前記絶縁層に達した時点で上
    記エッチング加工を停止することにより、前記溝パター
    ンの幅が小さい部分に形成される第2のトレンチの底部
    に上記第2半導体層を残存させた状態とするトレンチ形
    成工程と、 前記第1半導体層における前記可動電極及び固定電極の
    形成領域に対応した部分を前記絶縁層と反対側の面から
    エッチングして前記絶縁層を露出させる第1のエッチン
    グ工程と、 前記絶縁層を気相雰囲気でのエッチングにより除去する
    第2のエッチング工程と、 前記第2のトレンチの底部に残存した第2半導体層をド
    ライエッチングにより除去することにより、そのトレン
    チと連続した状態の開口部を形成して前記可動電極及び
    固定電極を形成する第3のエッチング工程とを実行する
    ことを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記トレンチ形成工程でのエッチング
    は、異方性ドライエッチングであることを特徴とする請
    求項19記載の半導体力学量センサの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2のエッチング工程でのエッチ
    ングレートと第3のエッチング工程でのエッチングレー
    トの差を小さく設定したことを特徴とする請求項19ま
    たは20記載の半導体力学量センサの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記第3のエッチング工程に先立っ
    て、半導体基板を所定のセンサチップ形状に切断するダ
    イシング工程を実行することを特徴とする請求項19な
    いし21の何れかに記載の半導体力学量センサの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記第1のエッチング工程に先立っ
    て、前記半導体基板の第1半導体層を所定の厚さ寸法と
    なるまで研削・研磨する厚さ寸法調整工程を実行するこ
    とを特徴とする請求項9ないし22の何れかに記載の半
    導体力学量センサの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記トレンチ形成工程の実行後に、前
    記第2半導体層の表面側を、容易に剥離可能な材料より
    成る表面保護膜で覆った状態とする表面保護工程を実行
    することを特徴とする請求項9ないし23の何れかに記
    載の半導体力学量センサの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記表面保護膜は、半導体基板を所定
    のセンサチップ形状に切断するダイシング工程の実行後
    に除去されることを特徴とする請求項24記載の半導体
    力学量センサの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記可動電極及び固定電極を形成する
    工程を実行した後に、それら可動電極及び固定電極に対
    してそれらの裏面側からドライエッチングを施す補助エ
    ッチング工程を実行することを特徴とする請求項9ない
    し25の何れかに記載の半導体力学量センサの製造方
    法。
  27. 【請求項27】 前記補助エッチング工程は、等方性エ
    ッチングにより行われることを特徴とする請求項26記
    載の半導体力学量センサの製造方法。
  28. 【請求項28】 半導体製支持基板上に絶縁膜を介して
    設けられた半導体層に力学量の作用に応じて変位するよ
    うに形成された可動電極と、 前記半導体層に前記可動電極と所定空隙を存して対向す
    るように形成され、上記可動電極の変位に応じて静電容
    量が変化するコンデンサを当該可動電極との間に形成す
    る固定電極と、 前記半導体層に、当該半導体層上の電極部と前記可動電
    極及び固定電極との各間をそれそれ繋ぐように形成され
    た可動電極用配線部及び固定電極用配線部とを備え、 前記コンデンサの静電容量の変化を交流電圧信号を利用
    して取り出すことにより力学量を検出するようにした半
    導体力学量センサにおいて、 前記支持基板及び半導体層の比抵抗が双方とも3Ω・cm
    以下の比較的低い値となるように設定したことを特徴と
    する半導体力学量センサ。
  29. 【請求項29】 前記固定電極として、前記可動電極の
    変位に応じて静電容量が差動的に変化する第1及び第2
    コンデンサを当該可動電極との間に形成する第1及び第
    2の固定電極が設けられることを特徴とする請求項28
    記載の半導体力学量センサ。
  30. 【請求項30】前記第1の固定電極及び可動電極間と前
    記第2の固定電極及び可動電極間とに互いに位相が18
    0°異なる搬送波信号をそれぞれ印加した状態での可動
    電極の電位レベルの変化に基いて力学量を検出するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項29記載の半
    導体力学量センサ。
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