JP3385737B2 - 半導体ヨーレートセンサ - Google Patents

半導体ヨーレートセンサ

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JP3385737B2 JP20200394A JP20200394A JP3385737B2 JP 3385737 B2 JP3385737 B2 JP 3385737B2 JP 20200394 A JP20200394 A JP 20200394A JP 20200394 A JP20200394 A JP 20200394A JP 3385737 B2 JP3385737 B2 JP 3385737B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板を用いた半
導体ヨーレートセンサに係わり、特に、自動車の車体制
御、ナビゲーション等に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヨーレートセンサとして
は、特開平2−113817号公報に示されるような振
動ジャイロがある。この振動ジャイロは、金属製の角棒
の特定される面に対して圧電素子を接着して振動体を構
成し、これを細い棒によって支持するよう構成されたも
のである。また、特開平4−142420号公報に示さ
れる角速度センサにおいては、金属製の音叉に対して圧
電素子を接着して構成されている。これらのヨーレート
等の角速度を検出する装置は、いずれも圧電素子で本体
に振動を与え、測定対象であるヨーレートによって発生
されたコリオリの力で生じた歪みを、圧電素子で検出さ
れる電圧の変化によって検出するものである。
【0003】このようなセンサ機構の検出感度等の性能
は、振動体の支持方法や加工精度によって左右されるよ
うになり、したがって高性能のセンサ機構を作成するた
めには、その加工組み立て上の困難度が高く、必然的に
高価となる問題を有する。またセンサ機構の小型化に対
しても、加工組み立ての制約上から容易ではない。この
ような問題を解決するため、本件出願人は、先にトラン
ジスタ型の変位検出機構を利用することにより、半導体
技術を応用したトランジスタ型ヨーレートセンサを出願
した(特願平5−311762号)。
【0004】このトランジスタ型ヨーレートセンサは、
半導体基板の上方に所定の間隔を隔てて配置された梁構
造の可動電極と、その可動電極に対し半導体基板に形成
されたソース・ドレイン電極とを備え、前記梁構造の可
動電極を静電気力を用いて振動させた時に、ヨーレート
の作用により可動電極が垂直方向に変位し、この変位に
よるソース・ドレイン電極間の電流変化によりヨーレー
トを検出するものである。
【0005】しかしながら、トランジスタ型変位検出部
は温度特性をもっているため、基準位置が温度ドリフト
したり、振幅が変化したりして、角速度ωに対する変位
が温度変化により見かけ上変化してしまうという問題点
が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みてなされたもので、温度特性を向上させた半導体ヨー
レートセンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項1に記載の発明においては、半導体基
板(11)と、この半導体基板(11)の表面から所定
の間隔を隔てて上方に位置する可動電極(14,15
1,152)と、この可動電極(14,151,15
2)を前記半導体基板(11)に対して水平方向に振動
させる振動手段(161〜164,100)と、前記可
動電極(14,151,152)の前記半導体基板(1
1)に対する垂直方向の変位を検出する垂直変位検出手
段(171,172,181,182,200)と、前
記振動手段(161〜164,100)により前記可動
電極(14,151,152)を水平方向に振動させて
いる時に、前記垂直変位検出手段(171,172,1
81,182,200)にて検出した前記可動電極(1
4,151,152)の変位に応じ前記可動電極(1
4,151,152)と前記半導体基板(11)の間隔
を一定に保つように前記可動電極(14,151,15
2)の垂直方向の変位を制御する垂直変位制御手段(3
00〜500)とを備え、この垂直変位制御手段(30
0〜500)による前記可動電極の制御量(14,15
1,152)にてヨーレートを検出するようにした半導
体ヨーレートセンサであって、前記可動電極(14,1
51,152)は、可動ゲート電極(151,152)
を有し、前記垂直変位検出手段(171,172,18
1,182,200)は、前記半導体基板(11)の表
面に、前記可動ゲート電極(151,152)に対向す
る位置に不純物拡散領域によって形成されたソースおよ
びドレイン電極(171,172,181,182)を
有し、前記可動ゲート電極(151,152)の垂直方
向の変位を前記ソースードレイン電極(171,17
2,181,182)間の電流により検出するものであ
り、前記垂直変位制御手段(171,172,181,
182,200)は、前記可動電極(151,152)
の水平方向における振動方向が変わるときの前記ソース
ードレイン電極(171,172,181,182)間
の電流値を検出して記憶し、その検出記憶した電流値
基準として、前記ソースードレイン電極(171,17
2,181,182)間の電流値が前記基準となる電流
値になるように前記可動電極(151,152)の垂直
方向の変位を制御するものであることを特徴としてい
る。
【0008】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の発明において、前記振動手段(161〜16
4,100)は、前記半導体基板(11)の上方に位置
して前記半導体基板(11)の表面から所定の間隔を隔
て且つ前記可動電極(14,151,152)にギャッ
プを介して配置され、前記可動電極(14,151,1
52)を静電気を利用して振動させる励振用固定電極
(191〜194)を有するものであることを特徴とし
ている。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】請求項に記載の発明においては、請求項
または2に記載の発明において、前記垂直変位制御手
段(300〜500)は、前記半導体基板(11)の表
面に形成された下部電極(601〜603)と、前記垂
直変位検出手段(171,172,181,182,2
00)にて検出した前記可動電極(14,151,15
2)の変位に応じて前記下部電極(601〜603)に
制御電圧を印加し、前記下部電極(601〜603)と
前記可動電極(14,151,152)間の静電気力に
より前記可動電極(14,151,152)と前記半導
体基板(11)の間隔を一定にする電圧制御手段(50
0)を有することを特徴としている。
【0013】なお、上記各手段のカッコ内の符号は、後
述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0014】
【発明の作用効果】請求項1乃至に記載の発明によれ
ば、可動電極を水平方向に振動させている時に、ヨーレ
ートが可動電極に加わるとコリオリの力により可動電極
が半導体基板に対し垂直方向に変位する。この変位を検
出してその変位がなくなる方向に可動電極の垂直方向の
変位を制御し、可動電極と半導体基板の間隔を一定に保
つようにする。この可動電極の垂直方向の変位を制御す
る制御量にてヨーレートが検出される。
【0015】従って、可動電極の垂直方向変位に対し可
動電極と半導体基板の間隔を一定にするフィードバック
構成として、その制御量にてヨーレート検出を行うよう
にしているから、可動電極の垂直方向変位そのものでな
くフィードバックによる制御量を用いることによって、
温度特性の影響を少なくしたヨーレート検出を行うこと
ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1にヨーレートセンサの平面的な構
成、図2に概略的な斜視図を示す。この実施例において
は、P型のシリコン基板により半導体基板11が構成さ
れる。この半導体基板11上には、アンカー部121〜
124が4個所形成され、このアンカー部121〜12
4にそれぞれ一端が支持される梁131〜134によっ
て重り14が支持される。従って、重り14は梁構造体
によって変位自在に支持されている。
【0017】この重り14には、例えば対向する一対の
辺部分から側方に突設されるようにして、トランジスタ
のゲート電極を構成するようになる細片状の可動ゲート
電極151および152が一体的に形成されている。ま
た、重り14はこの可動ゲート電極151および152
の本体機構として構成されて、ヨーレートによる変位量
を稼ぐために設定される。さらに、重り14には、可動
ゲート電極151および152のそれぞれ両側に位置し
て、それぞれ一対の細片を櫛の歯状に平行に設定した励
振電極161〜164が突設形成されている。この励振
電極161〜164は重り14および可動ゲート電極1
51および152に振動を与える作用をする。
【0018】これらアンカー部121〜124、梁13
1〜134、重り14、可動ゲート電極151と15
2、さらに励振電極161〜164は、例えばポリシリ
コンやタングステン等の耐熱性金属によって一体的に構
成されるもので、この実施例においては、代表的な材料
としてポリシリコンが使用されている。重り14および
これと一体的に構成される可動ゲート電極151および
152と励振電極161〜164は、半導体基板11の
主表面上に所定の間隔を隔てて配置され、梁131〜1
34を介してアンカー部121〜124により保持され
る。
【0019】細片状の可動ゲート電極151および15
2のそれぞれに対応する半導体基板11の主表面部に
は、イオン注入等の手段によりN型不純物を導入して形
成された拡散層からなるソース電極171および172
と、ドレイン電極181および182が形成され、可動
ゲート電極151および152がそれぞれゲート電極と
して作用するトランジスタが構成される。
【0020】励振電極161〜164のそれぞれに対応
して励振用固定電極191〜194が配置される。この
励振用固定電極191〜194は、それぞれ半導体基板
11の主面上の励振電極161〜164と同じ高さ位置
に固定的に設定されるもので、それぞれ櫛の歯状にした
3本の細片を有し、中央の1本の細片が励振用電極16
1〜164をそれぞれ構成する一対の細片の中央位置に
設定され、他の2本の細片が上記一対の細片の外側にそ
れぞれ位置するように設定され、互いに櫛の歯を組み合
わせるように設定されて、その各櫛の歯の相互間に所定
のギャップが形成される。
【0021】これらの励振用固定電極191〜194の
それぞれは、アルミニウム配線を介して図示しない励振
用電源に接続され、所定の周波数の電圧信号が供給され
るもので、静電気力によって励振電極161〜164を
振動させて、重り14および可動ゲート電極151〜1
54を振動させる。この場合、可動ゲート電極151お
よび152と励振電極161〜164が一体的に設けら
れる重り14が、アルミニウム配線を介して外部回路に
接続され、さらにソース電極171と172およびドレ
イン電極181と182もアルミニウム配線を介して外
部の図示しないヨーレート検出回路に接続される。
【0022】これら梁131〜134、重り14、可動
ゲート電極151と152、さらに励振電極161〜1
64の半導体基板11側には、イオン注入層等により下
部電極601〜603が形成されている。この下部電極
601〜603は、コンタクトホール611〜613を
介してアルミニウム配線621〜623にそれぞれ接続
される。
【0023】図3(A)に、図1のa−a線に対応する
部分の断面構造を示す。P型シリコンの半導体基板11
の主表面部に、N型不純物の拡散層によるソース電極1
72とドレイン電極182が形成され、可動電極152
によってソース電極172とドレイン電極182との間
に反転層21が形成される。22は半導体基板11上に
形成された層間絶縁膜からなる絶縁膜であり、231お
よび232はそれぞれソース電極172およびドレイン
電極182に接続されたアルミニウム配線である。可動
電極152と半導体基板11との間には、絶縁膜22の
厚さに対応するエアギャップ24が設定され、可動電極
152が、半導体基板11に対して垂直方向および紙面
に対して垂直方向に変位可能とされる。
【0024】図3(B)に、図1のb−b線に対応する
断面構成を示す。半導体基板11の上に形成された絶縁
膜22で支えられるようにして、例えばポリシリコンで
構成した重り14が設定され、この重り14はアンカー
部121と122との間に梁131と132を介して保
持される。ここで、絶縁膜22はエアギャップ24を設
定するためのもので、SiO2 あるいはSi3 4 等に
よって構成されている。また、可動部14、131、1
32の下側の半導体基板11にはイオン注入等により下
部電極601が形成されている。
【0025】絶縁膜22は、重り14や梁131〜13
4と共にこの図では示されない可動ゲート電極151お
よび152と半導体基板11との間隔を設定する犠牲層
で構成されるもので、アンカー部121〜124に対応
する部分を除いてエッチング除去されてエアギャップ2
4が形成される。このエッチングに際しては、重り1
4、梁131〜134、可動ゲート電極151および1
52、さらにアンカー部121〜124を構成する材料
であるポリシリコンと半導体基板11がエッチングされ
ず、犠牲層である絶縁膜22のみがエッチングされるエ
ッチング液が使用される。
【0026】図3(C)は、図1のc−c線に対応する
断面構造で、重り14と半導体基板11の表面との間に
エアギャップ24が設定されている。次に、この様に構
成されるヨーレートセンサの製造方法について、図4お
よび図5により説明する。これらの図においては、図3
(A)に示した部分を代表する状態で示している。ま
た、右半分にはセンサ処理回路としてMOSFETを想
定し、その製造プロセスを併せて示す。
【0027】まず、図4(A)に示すようにP型シリコ
ンからなる半導体基板11の表面上に、センサ作製部に
対応して犠牲層とされる絶縁膜22を形成する。この絶
縁膜22は、まず半導体基板11の主表面の全体に形成
した後、トランジスタ作製部上の絶縁膜を除去するよう
にして形成してもよい。そして、図4(B)に示すよう
に、このトランジスタ作製部に対応する半導体基板11
の主表面上に、ゲート酸化によってゲート絶縁膜25を
形成する。
【0028】次に、図4(C)に示すように、この絶縁
膜22および25上にポリシリコンによる膜を成膜し、
フォトリソ工程を経て可動ゲート電極15さらにトラン
ジスタのゲート26を加工する。同時に、この図では示
されないがアンカー部121〜124、梁131〜13
4、重り14等を加工する。そして、図4(D)に示す
ように、フォトリソ工程によってレジスト28を形成
し、絶縁膜22に開口271および272を形成し、可
動ゲート電極15に対して自己整合的に窓開けする。
【0029】また、トランジスタ作製部においてレジス
ト28によって開口291および292を自己整合的に
窓開けする。この様に窓開けされたならば、図4(E)
に示すように、半導体基板11にイオン注入等の手段に
よって不純物を導入し、N型拡散層からなる可動ゲート
電極15に対応するソース電極17およびドレイン電極
18を形成し、さらにトランジスタ部のソース電極30
およびドレイン電極31を形成する。
【0030】次に、図5(A)に示すように、可動ゲー
ト電極15やトランジスタ部のゲート26とアルミニウ
ム配線を電気的に絶縁するために、全面に層間絶縁膜3
2を成膜する。そして、図5(B)に示すように、層間
絶縁膜32に対して、ソース電極17およびドレイン電
極18、さらにソース電極30およびドレイン電極31
の部分に対応してコンタクトホール331〜334を開
口し、図5(C)に示すように、各コンタクトホール3
31〜334にそれぞれ対応して電極材料であるアルミ
ニウムを成膜して、アルミニウム配線341〜344を
形成する。
【0031】そして、図5(D)に示すように、可動ゲ
ート電極15の下部の絶縁膜22を犠牲層としてエッチ
ングし、この可動ゲート電極15の下部にエアギャップ
24を形成して、ヨーレートセンサが完成される。この
ヨーレートセンサにおいて、梁131〜134を構成す
る材料として、シリコン基板11上に成膜した薄膜、例
えば高濃度に不純物をドープしたポリシリコンあるいは
耐熱性の金属のような材料が使用される。このため、梁
131〜134の厚さのばらつきを充分に低減させるこ
とが可能となる。一般的に、片持ちの梁や両持ちの梁に
対して1点荷重が加わった場合、その変位は梁の厚さの
3乗と幅の1乗に反比例する。このため、梁の幅の加工
に比較して厚さの加工に非常に精度が要求される。
【0032】また、半導体基板11上に予め犠牲層を形
成した後に梁形状のポリシリコン層を形成し、犠牲層を
エッチング除去することによって半導体基板11の面上
に所定の間隔が設定された梁131〜134を形成して
いる。ここで、犠牲層とは最終的に除去消失させること
を目的として予め形成される薄膜のことである。本実施
例においては、可動ゲート電極151および152と半
導体基板11との距離は犠牲層の厚さによって制御され
るものであり、この場合、犠牲層の膜厚の制御性が良好
なものであるため、ソース電極とドレイン電極間の電流
値の制御性も著しく向上される。
【0033】さらに、このヨーレートセンサを製造する
に際して、ソースおよびドレイン電極171、172と
181、182が、可動ゲート電極151および152
を形成した後に、自己整合的に形成される拡散層によっ
て構成される。すなわち、半導体基板上に犠牲層を形成
して可動ゲート電極151および152の形状を形成し
た後、ソースおよびドレイン電極を形成する部分に窓を
開け、その後この窓を介して半導体基板11の所定部分
にイオンで不純物を導入することで、ソース電極171
および172、さらにドレイン電極181および182
を構成する拡散層が形成される。
【0034】従って、可動ゲート電極151および15
2を、常にソース電極171および172とドレイン電
極181および182との間の中央部に確実に形成でき
るようになり、製作プロセスにおける位置合わせ作業を
単純化できる。また、これらの製造方法においてはすべ
てIC作製プロセスそのもの、およびその流用で対応で
き、IC作製プロセスの中でセンサ構造体が作製できる
もので、他の回路要素との一体化が容易に可能とされ
る。
【0035】この実施例で説明したヨーレートセンサに
おいては、ヨーレート検出部を両持ちの梁構造によって
構成したが、これはもちろん片持ちの梁構造でも実現す
ることができ、さらに梁の数も特に4本である必要はな
い。また、トランジスタ並びに励振電極を振動方向の両
側に設けるようにしたが、これはもちろん片側でもよ
い。また、励振用固定電極の櫛の歯の本数を固定側3
本、可動側を2本として示したが、それ以外の本数の組
み合わせで構成してもよい。さらに、基板としてP型半
導体を用いて説明したが、これはN型半導体で構成する
こともでき、この場合、拡散電極はP型で構成される。
さらに重り14は4角形である必要はなく、例えば三角
形で構成することもできる。
【0036】次に、このヨーレートセンサの作動につい
て説明する。このヨーレートセンサは、可動ゲート電極
151および152に対し、垂直方向に相対する半導体
基板11にソースおよびドレイン電極を設け、可動ゲー
ト電極151および152の変位によってソース・ドレ
イン間の電流を変化させるトランジスタ構造を採用した
ものである。
【0037】可動ゲート電極151および152に対し
て半導体基板11との間に電圧を印加することにより、
ソース電極171および172とドレイン電極181お
よび182との間にそれぞれ反転層21が形成され、そ
の相互間に電流が流れる。反転層21のキャリア濃度
は、半導体基板11と可動ゲート電極151、152と
の距離に反比例するものであり、この距離に対して電流
も反比例する。従って、ソース・ドレイン間の電流変化
から可動ゲート電極151および152の変位を検出し
てヨーレートを測定することができる。
【0038】トランジスタにおいては、通常、ゲート電
圧を変化させることによりドレイン電流を変化させてい
るが、ゲートと基板間のギャップが変化することでも反
転層のキャリア濃度が変化してドレイン電流が変化す
る。このことを利用し、ヨーレートにより発生したコリ
オリ力を受けた可動ゲート電極151および152の変
位を、ソース電極171および172それぞれとドレイ
ン電極181および182間の電流量により検出でき
る。
【0039】ここで、可動ゲート電極151および15
2が半導体基板11の方向に変位した場合には、容量増
加によってしきい値電圧が小さくなり、ドレイン電流が
増加する。さらに、ゲート・基板間の電界強度が大きく
なるためにドレイン電流が増加する。従って、可動ゲー
ト電極151および152の変位率以上にドレイン電流
変化が起こる。
【0040】また、励振用固定電極191〜194と励
振用可動電極161〜164との間に、ある周波数の励
振用電圧を印加すると、静電気力によって励振用可動電
極161〜164に水平方向の振動が発生し、重り14
と共に可動ゲート電極151〜154も振動する。ヨー
レートによって発生するコリオリ力は、この振動の速度
に比例するものであり、振動速度を大きくとるために周
波数は振幅の大きくなる共振点付近に選ぶことが好まし
い。
【0041】この様にして励振用可動電極161〜16
4、励振用固定電極191〜194に励振用の周期電圧
を印加することにより、重り14および可動ゲート電極
151および152が図6(A)に示すように振動す
る。そして、半導体基板11と水平で且つ振動に垂直な
軸を持ったヨーレートωが発生すると、振動速度並びに
振動体質量に比例したコリオリの力が半導体基板11方
向に垂直な方向に発生し、重り14、可動ゲート電極1
51、152(以下、可動電極という)が半導体基板1
1と垂直方向にZ0 を中心に変位する。図6(B)に、
ヨーレートωが加わった場合のその変位を示す。
【0042】可動電極の垂直変位Zは、振動速度に比例
するため、水平変位より位相がπ/2だけシフトする。
そして、可動ゲート電極151および152が半導体基
板11と垂直方向に変位することにより、ゲート−基板
間の電界強度が変化してソース電極171および172
とドレイン電極181および182間のそれぞれ電流が
変わる。
【0043】本実施例においては、可動電極の垂直方向
の変位を一定の値にするようにしている。このため、ソ
ース電極171、172、ドレイン電極181、182
間のそれぞれの電流を一定にするように、下部電極60
1と可動電極間に電圧を印加して、ある一定の値Z0 に
制御し、その制御電圧によりヨーレートを検出するよう
にしている。すなわち、下部電極601と可動電極間に
図6(C)のような電圧を印加して、図6(D)に示す
ように可動電極の垂直変位を抑え、下部電極601と可
動電極間に印加する図6(C)の電圧によりヨーレート
を検出することができる。
【0044】このようなトランジスタ型のヨーレートセ
ンサにおいては、トランジスタの温度ドリフトや増幅率
の変化等の温度特性が存在している。そこで、本実施例
においては、そのような温度特性に対する補正を行うた
め図7に示すようなヨーレート検出回路を構成してい
る。図7において、可動部励振回路100は、励振用可
動電極161〜164、励振用固定電極191〜194
間に励振用電圧を印加して、可動電極を水平方向に振動
させる。また、可動部変位検出回路200においては、
可動電極の変位をドレイン電流により検出する。温度補
正回路300は、可動部励振回路100からの励振信号
および可動部変位検出回路200からのドレイン電流を
基に、トランジスタの温度特性を考慮して、可動電極の
垂直方向の変位を一定の値にする信号を形成する。
【0045】ここで、可動部励振回路100により可動
電極を図8(A)のように水平振動させた状態で、そこ
に一定のヨーレートωが加わると、可動電極の変位は図
8(B)のように、Z0 を中心に振動する。可動電極、
下部電極601間に制御電圧を印加しないときのドレイ
ン電流Id は、図8(C)のようになる。雰囲気温度K
=K1 、K2 のとき、ドレイン電流Id の振幅は、図8
(C)に示すように変化する。この場合、振動中心のド
リフトはあるが、Z=Z0 のときのドレイン電流Id
(K=K1 の場合はI1 、K2 の場合はI2 )を検出
し、このドレイン電流Id を一定にするように制御すれ
ば、雰囲気温度の変化に係わらず、可動電極を中立位置
にもってくることができる。すなわち、可動電極を水平
に振動させた場合、振動方向が変わるとき可動電極の水
平振動速度が零となり、水平振動速度に比例するコリオ
リの力による垂直変位は0となる。この場合、必ず可動
電極は中立位置をとり、雰囲気温度が変化して可動部変
位検出回路200の出力が変化しても、必ず中立位置と
なることから、その時の可動部変位検出回路200の出
力を基準とし、演算することにより自動的に温度補正が
できることになる。
【0046】Z=Z0 は、図8(A)に示すように、可
動電極が一定方向に大きく振れた時の時間T1 として把
握できるため、温度補正回路300は、可動部励振回路
100からの励振信号によりT1 の時点を検出し、その
時のドレイン電流Id (K=K1 の場合はI1 、K2 の
場合はI2 )を検出して記憶し、この検出した値とその
後のドレイン電流Id との差を示す信号を出力する。こ
の差を示す信号はその時のヨーレートを表している。従
って、信号処理回路400により、温度補正回路からの
差信号を信号処理してヨーレート信号を出力する。
【0047】また、可動電極制御回路500は、信号処
理回路400にて信号処理した信号により、可動電極を
一定にする制御電圧を作成し、下部電極601に印加す
る。従って、この下部電極601と可動電極間の電圧に
より、可動電極を中立位置に維持するフィードバックル
ープが構成される。ここで、ヨーレートの検出は、上記
信号処理回路400からの出力によるものに限らず、上
記したフィードバックループにおけるフィードバックを
示す信号であれば他の信号(例えば可動電極制御回路5
00の制御電圧)を用いるようにしてもよい。要は、特
許請求の範囲で記載したように可動電極を制御する制御
量であればよい。
【0048】なお、下部電極601と可動電極間の電圧
は、可動電極を下方向に作用する力を発生するものであ
るため、電圧を印加しない状態が可動電極の上方向の最
大位置で、電圧印加により下方向に作用させる力を調整
することにより、可動電極を一定の位置にするようにし
ている
【0049】
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るヨーレートセンサの
平面構成図である。
【図2】図1に示すヨーレートセンサの概略斜視図であ
る。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ図1のa−a線、b
−b線、およびc−c線に対応する部分の断面図であ
る。
【図4】(A)〜(E)は上記ヨーレートセンサの製造
工程を順次説明する断面図である。
【図5】(A)〜(D)は図4の(E)に続く製造工程
を順次説明する断面図である。
【図6】(A)は可動電極の水平方向の変位を示す図、
(B)はヨーレートが加わった時の可動電極の変位を示
す図、(C)は下部電極ー可動電極間の電圧の変位を示
す図、(D)は閉ループ制御により可動電極の変位を示
す図である。
【図7】ヨーレート検出回路の構成を示す構成図であ
る。
【図8】(A)は可動電極の水平変位、速度を示す図、
(B)はヨーレートが加わった時の可動電極の変位を示
す図、(C)は雰囲気温度が変化した時のドレイン電流
を示す図である。
【符号の説明】
11 半導体基板、 121〜124 アンカー部 131〜134 梁 14 重り 151、152 可動電極 161〜164 励振電極 171、172 ソース電極 181、182 ドレイン電極 191〜194 励振用固定電極 21 反転層 22 絶縁膜 601〜603 下部電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−278464(JP,A) 特開 平6−196721(JP,A) 特開 平6−196722(JP,A) 特開 平6−204502(JP,A) 特開 平4−25764(JP,A) 特開 昭61−114123(JP,A) 欧州特許出願公開194953(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 この半導体基板の表面から所定の間隔を隔てて上方に位
    置する可動電極と、 この可動電極を前記半導体基板に対して水平方向に振動
    させる振動手段と、 前記可動電極の前記半導体基板に対する垂直方向の変位
    を検出する垂直変位検出手段と、 前記振動手段により前記可動電極を水平方向に振動させ
    ている時に、前記垂直変位検出手段にて検出した前記可
    動電極の変位に応じ前記可動電極と前記半導体基板の間
    隔を一定に保つように前記可動電極の垂直方向の変位を
    制御する垂直変位制御手段とを備え、 この垂直変位制御手段による前記可動電極の制御量にて
    ヨーレートを検出するようにした半導体ヨーレートセン
    サであって、 前記可動電極は、可動ゲート電極を有し、 前記垂直変位検出手段は、前記半導体基板の表面に、前
    記可動ゲート電極に対向する位置に不純物拡散領域によ
    って形成されたソースおよびドレイン電極を有し、前記
    可動ゲート電極の垂直方向の変位を前記ソースードレイ
    ン電極間の電流により検出するものであり、 前記垂直変位制御手段は、前記可動電極の水平方向にお
    ける振動方向が変わるときの前記ソースードレイン電極
    間の電流値を検出して記憶し、その検出記憶した電流値
    を基準として、前記ソースードレイン電極間の電流値が
    前記基準となる電流値になるように前記可動電極の垂直
    方向の変位を制御するものであることを特徴とする半導
    体ヨーレートセンサ。
  2. 【請求項2】 前記振動手段は、前記半導体基板の上方
    に位置して前記半導体基板の表面から所定の間隔を隔て
    且つ前記可動電極にギャップを介して配置され、前記可
    動電極を静電気を利用して振動させる励振用固定電極を
    有するものであることを特徴とする請求項1に記載の半
    導体ヨーレートセンサ。
  3. 【請求項3】 前記垂直変位制御手段は、前記半導体基
    板の表面に形成された下部電極と、前記垂直変位検出手
    段にて検出した前記可動電極の変位に応じて前記下部電
    極に制御電圧を印加し、前記下部電極と前記可動電極間
    の静電気力により前記可動電極と前記半導体基板の間隔
    を一定にする電圧制御手段を有することを特徴とする請
    求項1または2に記載の半導体ヨーレートセンサ。
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