JP2000030973A - コンデンサー用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサー用ポリエステルフィルム

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JP2000030973A JP20163398A JP20163398A JP2000030973A JP 2000030973 A JP2000030973 A JP 2000030973A JP 20163398 A JP20163398 A JP 20163398A JP 20163398 A JP20163398 A JP 20163398A JP 2000030973 A JP2000030973 A JP 2000030973A
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capacitor
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聡 西野
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寛 久保山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酷なコンデンサー加工条件下でも良好な耐
電圧と絶縁抵抗を得るのに好適なコンデンサー用ポリエ
ステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
する二軸配向フィルムであって、三次元表面粗さ計によ
り測定される高さ200〜500nmの表面突起個数が
200〜2000個/mm2 、かつ、該フィルムの90
℃から140℃の間での熱伸び量Z(%)が下式(1)
を満足することを特徴とするコンデンサー用ポリエステ
ルフィルム。 3.9×10-4・(t−40)2 ≧Z≧1.2×10-8・(t−40)4 ・・・(1) (ここでtは測定温度(℃)である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサー用ポ
リエステルフィルムに関し、さらに詳しくは、コンデン
サーの誘電体として好適に用いられるポリエチレンテレ
フタレートを主成分とする、絶縁抵抗性と耐電圧性に優
れたコンデンサーとなし得るポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機高分子フィルムを誘電体
として用いたコンデンサーは広く用いられている。特開
昭63−182351号公報、特開昭63−19431
8号公報などに開示されるように、ポリエステルフィル
ムと金属箔を交互に巻回するか、フィルムに金属を蒸着
して電極とし、これを巻回または積層することによりコ
ンデンサーを得る技術が知られている。
【0003】近年、ポリエステルフィルムコンデンサー
の絶縁抵抗のさらなる改善が望まれるようになってきて
いる。原料ポリマーの改良などによる改善や、特開平3
−122133号公報に開示されるような分子の結晶構
造や配向による改善は従来から行われているが、その要
求に対して改善はまだ十分ではない。
【0004】また、コンデンサーメーカーでは生産性を
向上するため、コンデンサー加工時の条件、例えば、巻
回型コンデンサーのプレス温度や圧力条件を高く設定す
るなど、フィルムから見れば過酷な条件が採用される傾
向にあり、高い温度と圧力のためフィルム内部に歪みが
生じ、絶縁抵抗や耐電圧が低下するという問題が発生し
やすくなっている。このような問題に対し、特開昭53
−64753号公報には縦方向のF5値を高くし、フィ
ルム表面の突起数を規定して巻き取り時のテンションに
よる伸びを抑え、巻回性とつぶれ性に優れたコンデンサ
ー誘電体用ポリエステルフィルムが開示されている。ま
た、特開昭57−22021号公報には同じく縦方向の
F5値が高く、特定の架橋高分子粒子を含有することで
巻き取り時のテンションによる伸びを抑え、かつ製膜延
伸時の粒子の破壊を抑えられるので耐電圧性やCR値が
低下しないコンデンサー誘電体用ポリエステルフィルム
が開示されている。
【0005】しかし、これら公報に提案された技術は、
過酷なコンデンサー加工条件下にて、絶縁抵抗と耐電圧
の向上を両立できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、かかる問題を解決し、過酷なコンデンサー加工条件
下においても、絶縁抵抗と耐電圧の両方の低下を低減さ
せ得るコンデンサー用ポリエステルフィルムを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のコンデンサー用ポリエステルフィルムは、
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする二軸配向フ
ィルムであって、三次元表面粗さ計により測定される高
さ200〜500nmの表面突起個数が200〜200
0個/mm2 、かつ、該フィルムの90℃から140℃
の間での熱伸び量Z(%)が下式(1)を満足すること
を特徴とするものからなる。 3.9×10-4・(t−40)2 ≧Z≧1.2×10-8・(t−40)4 ・・・(1) (ここでtは測定温度(℃)である。)
【0008】このコンデンサー用ポリエステルフィルム
においては、さらに面配向係数fnが0.160〜0.
178であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルフィ
ルムのポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステルであり、さらに詳しくは、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が用いられ、ジオ
ール成分としてエチレングリコールを主要成分として用
いて重縮合し得られるものである。ここで、「主成分」
とはポリエチレンテレフタレートを構成するテレフタル
酸とエチレングリコールの合計量が全体の90重量%以
上であることを示し、10重量%以下であれば第3成分
が共重合されたり、ブレンドされていてもよい。
【0010】本発明に用いるポリエステルの固有粘度と
して好ましくは0.5dl/g以上、さらに好ましくは
0.6dl/g以上がコンデンサー用において耐電圧の
点で好ましい。
【0011】本発明におけるポリエステルフィルムの表
面は、三次元表面粗さ計により測定される高さが200
nm〜500nmの範囲にある表面突起の個数が200
〜2000個/mm2 の範囲にある必要がある。高さ2
00nm〜500nmの表面突起個数が200個未満の
場合には絶縁抵抗が不良となるので好ましくない。ま
た、表面突起高さ200nm〜500nmの表面突起個
数が2000個を越える場合には耐電圧が不良となるの
で好ましくない。より好ましくは250個〜800個の
範囲である。
【0012】また、本発明におけるポリエステルフィル
ムの3次元表面粗さ計による中心面平均粗さSRaは3
0〜120nmの範囲にあることが好ましい。30nm
未満では、絶縁抵抗を良好とすることが難しく、また、
120nmを越えるものでは、コンデンサーの耐電圧を
良好とすることが難しくなる。より好ましくは、35〜
100nmの範囲であり、更に好ましくは35〜80n
mの範囲である。
【0013】上記のような特性の表面を形成する手段と
しては、例えばポリエステル重合時に析出する内部析出
粒子を用いてもよいし、ポリエステルフィルム中に不活
性粒子を添加してもよい。添加する不活性粒子として
は、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化
チタン、カオリン、タルク、アルミナ、架橋高分子粒子
などを用いることができる。シリカ、炭酸カルシウム、
リン酸カルシウムがより好ましい。
【0014】重合段階で不活性粒子を添加する場合、分
散が良好でないとフィルム表面の粗大突起の原因とな
り、絶縁抵抗に悪影響を及ぼすことがある。ジェットア
ジタによる分散やメディア分散を行うことは、本発明の
表面を得るのに効果的である。フィルム上にプライマー
層を設ける場合には、プライマー層に公知の粒子を添加
し目的の表面を形成することもできる。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは、90℃
から140℃の間での熱伸び量Zが下式(1)を満足す
る必要がある。 3.9×10-4・(t−40)2 ≧Z≧1.2×10-8・(t−40)4 ・・・(1) (ここでZは熱伸び量(%)、tは測定温度(℃)であ
る。)
【0016】熱伸び量Zが(1)式で示す範囲より大き
い場合には、絶縁抵抗が不良となるので好ましくない。
また、熱伸び量Zが(1)式で示す範囲より小さい場合
には、耐電圧が不良となるので好ましくない。より好ま
しい範囲は(2)式の範囲である。 3.5×10-4・(t−40)2 ≧Z≧1.5×10-8・(t−40)4 ・・・(2) (ここでZは熱伸び量(%)、tは測定温度(℃)であ
る。)
【0017】本発明のポリエステルフィルムは、コンデ
ンサー用として用いられるためにいかなる厚さを持つこ
ともできるが、0.5〜20μmの範囲の厚さがより好
適であり、0.9〜10μmの厚さで耐電圧の改良効果
が特に大きい。より好ましくは1.2〜8μmの範囲で
あり、さらに好ましくは2〜7μmの範囲である。
【0018】本発明中のポリエステルフィルムは機械的
特性、電気的特性、生産性の面から二軸延伸されている
ことが必要である。二軸延伸の方法としてはインフレー
ション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法、ス
テンター逐次二軸延伸法のいずれの延伸方式を採用して
もよいが、製膜安定性、厚み均一性の観点でステンター
逐次二軸延伸法が好ましい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムの面配向係
数fnは0.160〜0.178の範囲にあることが好
ましい。更に好ましいのは0.163〜0.173の範
囲である。
【0020】また、本発明のポリエステルフィルムは、
複屈折Δnが−0.02以上0.01未満であることが
好ましい。
【0021】本発明において得られたポリエステルフィ
ルムを40〜80℃でエージングを行うことは絶縁抵抗
と耐電圧性をさらに良好とするので好ましい。エージン
グを行う時間は、6時間以上が絶縁抵抗を良化する点か
ら好ましく、さらに好ましくは24時間以上である。
【0022】本発明のポリエステルフィルムは、加熱収
縮率が長手方向について0.5〜5%、幅方向について
−1.0〜2.5%であることが、耐電圧性の観点から
好ましい。より好ましくは、長手方向について1.0〜
3.0%、幅方向について0〜2.0%であることが好
ましい。
【0023】次に本発明に係るフィルムの製造方法につ
いて説明するが必ずしも限定されるものではない。ま
ず、前述のポリエステルをその融点を超える温度で常法
の押出機にて溶融押出し、ガラス転移点以下に冷却し、
未延伸シートとする。この未延伸シートを長手方向及び
幅方向に延伸する。その延伸方法には、同時に二軸方向
の延伸を行う方法、逐次二軸延伸法があるが、長手方向
の延伸を行った後に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法
が、熱伸び量を本発明の範囲とするのに好ましい。
【0024】長手方向の延伸は、85℃から130℃の
温度で、2.8〜7.5倍延伸することが好ましい。長
手方向の延伸後の複屈折が0.05〜0.10の範囲で
あると熱伸び量を本発明の範囲とするのに特に好まし
い。また、延伸速度は特に限定されないが、2万%/分
から2百万%/分の範囲であると熱伸び量を本発明の範
囲とするのに更に好ましい。
【0025】続いて幅方向の延伸を行う。延伸はテンタ
ーオーブンにて90〜120℃に加熱しながら幅方向に
3.0〜6.0倍延伸する。延伸速度は特に限定されな
いが、500%/分から50万%/分の範囲であると熱
伸び量を本発明の範囲とするのに更に好ましい。
【0026】この後、引き続き熱処理を行う。熱処理温
度はフィルムの温度にして200℃〜240℃の範囲
で、2〜30秒間行うのが耐電圧向上の点で好ましい。
熱処理に引き続き、1〜10%の範囲で弛緩処理を行う
ことは耐電圧の点で好ましい。
【0027】次に金属化ポリエステルフィルムとする場
合には、少なくとも片面にアルミニウムを蒸着してコン
デンサーの内部電極となるアルミニウム蒸着膜を設ける
が、このときアルミニウムと同時あるいは逐次に、たと
えばニッケル、銅、金、銀、クロム、亜鉛などの他の金
属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイ
ルなどで保護層を設けることもできる。アルミニウムの
蒸着膜の厚さは表面電気抵抗で1〜5Ω/□の範囲であ
ると耐電圧の点から望ましい。
【0028】そして必要により、蒸着後に特定の温度で
エージング処理を行ったり、再度オフラインで熱処理を
行ったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目
的で、この金属化フィルムの少なくとも片面にコーティ
ングを施すこともできる。
【0029】こうして得られたフィルムは公知の方法で
積層もしくは巻回してフィルムコンデンサーとすること
ができる。巻回型フィルムコンデンサーを例示するなら
ば、金属化するフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸
着する。その際、長手方向に走るマージン部を有するス
トライプ状に蒸着する。次に表面の蒸着部の中央と各マ
ージン部の中央に刃を入れてスリットし、一方にマージ
ンを有するテープ状の巻取リールにする。得られた右マ
ージン品と左マージン品各1本ずつを、2枚重ね合わせ
て巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いて
プレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極と
し、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ
ー素子を得る。
【0030】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明における特性値の測定方法、並びに評価方法
は次のとおりである。 (1)熱伸び量Z 真空理工(株)製測定モジュールTM−9400型およ
びデータ解析装置として同社製熱分析システムMTS−
9000型を用いて、フィルムサンプルを幅5mmのフ
ィルム長手方向に長い短冊状にサンプリングし、長手方
向に一定荷重19.6MPaを負荷させた状態で室温か
ら昇温速度10℃/minで昇温する。このときの温度
t(℃)での熱伸び量をZ(%)とした。
【0031】(2)面配向係数fn、複屈折Δn JIS−K7105に規定された方法に従って、ナトリ
ウムD線を光源としてアッベ屈折率計を用いて長手方
向、幅方向、厚さ方向の屈折率を測定した(それぞれn
MD、nTD、nZDとする)。ここで、マウント液は
ヨウ化メチレンを用い、25℃、65%RHにて測定し
た。次に下記式(A)により面配向係数fn、下記式
(B)により複屈折Δnを算出した。 面配向係数fn=[(nMD+nTD)/2]−nZD (A) 複屈折Δn=nMD−nTD (B)
【0032】(3)フィルムの表面粗さ(中心面平均粗
さSRa ) 小坂研究所製の3次元表面粗さ計ETB−30HKを用
い、触針式で以下の条件で測定した。 触針先端径 :2μm 触針加重 :10mg 測定長 :1mm 送りピッチ :10μm 測定本数 :30本 カットオフ値:0.08mm
【0033】(4)フィルム表面の突起個数 上記の装置を用いて同様の条件で表面形状を10回測定
し、各高さ毎の突起個数を出力し、高さ200〜500
nmの突起個数を算出した。
【0034】(5)加熱収縮率 JIS−C2318に準じて、150℃、30分間の条
件で測定した。
【0035】(6)コンデンサーの製造 ポリエステルフィルムの片面に表面抵抗が2Ω/□とな
るようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手方
向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着し、マ
ージン幅1mm、全幅30mmの巻取リールを得る。こ
のリールを50℃48時間エージング処理した後、左マ
ージン及び右マージンのもの各1本ずつを2枚重ね合わ
せて巻回し、静電容量約1.5μFの巻回体を得た。こ
の巻回体を130℃、20kg/cm2 で5分間プレス
した。この両端面にメタリコンを溶射して外部電極と
し、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ
ー素子を得た。
【0036】(7)絶縁抵抗性 25℃雰囲気下で、上記の方法で得たコンデンサー素子
を250Vにて1分荷電後の抵抗値を超絶縁計(HP
製)を用いて測定し、抵抗値が10000MΩ未満を不
良とした。この測定を500個の素子について行い、不
良素子の個数が10個未満の場合を絶縁抵抗性良好、1
0個以上の場合を絶縁抵抗性不良とした。
【0037】(8)耐電圧性 上記の方法で得たコンデンサー素子を試料とし、春日製
高電圧直流電源を用いて、100V/sの速度で昇圧し
ながら電圧を印加し、10mA以上の電流が流れた電圧
を絶縁破壊電圧とした。この測定を200個の素子につ
いて行い平均値を算出し、フィルム厚みで割返した値を
耐電圧性とした。耐電圧性が350V/μm以上の場合
を耐電圧性良好、350V/μm未満の場合を耐電圧性
不良とした。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき説明する。 実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部に触媒として酢酸カルシウム0.12重量
部を用いてエステル交換反応を行い、その生成物に三酸
化アンチモン0.02重量部、トリメチルフォスフェー
ト0.21重量部を加え、更に不活性粒子として平均粒
径が1.4μmの凝集形シリカを0.25%添加し、重
縮合反応によりポリエチレンテレフタレートのペレット
を得た。
【0039】次いでこのペレットを180℃で6時間真
空乾燥した後、押出機に供給し、285℃で溶融させ、
Tダイよりシートを吐出させ、25℃の冷却ドラムにて
冷却固化せしめ未延伸のシートを作成した。
【0040】このシートを長手方向に115℃で2.4
倍、延伸速度20万%/分で延伸したのち、更に長手方
向に110℃で2.1倍、延伸速度15万%/分で延伸
した。次に幅方向に105℃で4.0倍、延伸速度1万
%/分で延伸し、205℃で6秒間熱処理した後、幅方
向に160℃で5%弛緩熱処理し、その後冷却せしめて
巻き取り、厚さ4.6μm のポリエステルフィルムを得
た。
【0041】このフィルムの3次元粗さ計による測定さ
れる高さ200nm〜500nmの表面突起個数は62
0個/mm2 であった。また、このフィルムの熱伸び量
Zは100℃で0.7%、130℃で2.1%であり
(1)式の範囲内であった。
【0042】このフィルムを用いて作製したコンデンサ
ーの絶縁抵抗性は不良素子0個と極めて良好であった。
また耐電圧性は405V/μmと極めて良好であった。
【0043】実施例2 添加する不活性粒子を平均粒径1.2μmの凝集形シリ
カ0.15%、及び平均粒径1.4μmの合成炭酸カル
シウムとした以外は実施例1と同様にしてポリエステル
フィルムを製造した。このフィルムの3次元粗さ計によ
る測定される高さ200nm〜500nmの表面突起個
数は450個/mm2 であった。
【0044】また、このフィルムの熱伸び量Zは100
℃で0.7%、130℃で2.1%であり(1)式の範
囲内であった。このフィルムを用いて作製したコンデン
サーの絶縁抵抗性は不良素子2個と良好であった。また
耐電圧性は390V/μmと良好であった。
【0045】実施例3 添加する不活性粒子を平均粒径1.4μmのヒドロキシ
アパタイト粒子0.4%とした以外は実施例1と同様に
してポリエステルフィルムを製造した。このフィルムの
3次元粗さ計による測定される高さ200nm〜500
nmの表面突起個数は700個/mm2 であった。
【0046】また、このフィルムの熱伸び量Zは100
℃で0.7%、130℃で2.1%であり(1)式の範
囲内であった。このフィルムを用いて作製したコンデン
サーの絶縁抵抗性は不良素子2個と良好であった。また
耐電圧性は390V/μmと良好であった。
【0047】実施例4 実施例1と同じポリマを用い、同様にして未延伸フィル
ムを、長手方向に100℃で3倍、延伸速度8万%/分
で延伸した後、幅方向に105℃で3.8倍、延伸速度
2万%/分で延伸し、その後再度長手方向に140℃で
1.3倍、延伸速度10万%/分で延伸し、引続き21
0℃で4秒間熱処理した後190℃で5%弛緩熱処理を
して、ポリエステルフィルムを得た。
【0048】縦方向の延伸温度を95℃にし、縦方向の
延伸倍率を3.7倍にし、巻き取った後のポリエステル
フィルムにエージングを60℃48時間にした以外は実
施例1と同様にしてコンデンサーを作製した。フィルム
物性およびコンデンサーの評価結果を表1に示す。
【0049】このフィルムの3次元粗さ計による測定さ
れる表面突起高さ200nm〜500nmの突起個数は
460個/mm2 であった。また、このフィルムの熱伸
び量Zは100℃で0.4%、130℃で1.4%であ
り(1)式の範囲内であった。このフィルムを用いて作
製したコンデンサーの絶縁抵抗性は不良素子3個と良好
であった。また耐電圧性は380V/μmと良好であっ
た。
【0050】比較例1 添加する不活性粒子を平均粒径0.2μmの球状コロイ
ダルシリカ0.15%とした以外は実施例1と同様にし
てポリエステルフィルムを製造した。このフィルムの3
次元粗さ計による測定される高さ200nm〜500n
mの表面突起個数は80個/mm2 であった。
【0051】また、このフィルムの熱伸び量Zは100
℃で0.7%、130℃で2.1%であり(1)式の範
囲内であった。このフィルムを用いて作製したコンデン
サーの絶縁抵抗性は不良素子90個と不良であった。ま
た耐電圧性も230V/μmと不良であった。
【0052】比較例2 添加する不活性粒子を平均粒径2.0μmのルチル型酸
化チタン1.5%とした以外は実施例1と同様にしてポ
リエステルフィルムを製造した。このフィルムの特性、
及びコンデンサーとしたときの絶縁抵抗性、耐電圧性を
表1に示した。
【0053】比較例3 実施例1と同じポリマを用い、熱処理条件を240℃で
10秒、かつ弛緩熱処理を180℃で6%とした以外は
実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを製造し
た。このフィルムの特性、及びコンデンサーとしたとき
の絶縁抵抗性、耐電圧性を表1に示した。
【0054】比較例4 実施例1と同じポリマを用い、同様にして未延伸フィル
ムを、長手方向に90℃で3倍、延伸速度8万%/分で
延伸した後、幅方向に105℃で3.8倍、延伸速度2
万%/分で延伸し、その後再度長手方向に140℃で
1.9倍、延伸速度10万%/分で延伸し、引続き17
0℃で4秒間熱処理して、ポリエステルフィルムを得
た。このフィルムの特性、及びコンデンサーとしたとき
の絶縁抵抗性、耐電圧性を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンデン
サー用ポリエステルフィルムによれば、熱伸び量と、特
定範囲の高さの表面突起個数を特定の範囲とすることに
より、従来のコンデンサー用フィルムに比べ、過酷なコ
ンデンサー加工条件下でも良好な耐電圧と絶縁抵抗を得
るのに好適なコンデンサー用ポリエステルフィルムを得
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 C08L 67:00 (72)発明者 畑山 章 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F071 AA46 AB26 AE11 AF21Y AH12 BA01 BB06 BB08 BC01 BC10 BC14 4F100 AA20 AA29 AB01B AH02 AH10 AK42A BA02 EJ38 GB41 JG05 JK08 JK14 YY00A 4F210 AA24 AB17 AF16 AG03 AH33 QA02 QC06 QG01 QW07 5E082 AA05 AB03 AB04 BC35 EE07 EE08 EE23 EE24 EE25 EE26 EE38 EE41 FG06 FG22 FG36 FG48 FG54 GG04 JJ22 JJ25 MM22 MM24 MM27 PP04 PP08 PP10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
    する二軸配向フィルムであって、三次元表面粗さ計によ
    り測定される高さ200〜500nmの表面突起個数が
    200〜2000個/mm2 、かつ、該フィルムの90
    ℃から140℃の間での熱伸び量Z(%)が下式(1)
    を満足することを特徴とするコンデンサー用ポリエステ
    ルフィルム。 3.9×10-4・(t−40)2 ≧Z≧1.2×10-8・(t−40)4 ・・・(1) (ここでtは測定温度(℃)である。)
  2. 【請求項2】 面配向係数fnが0.160〜0.17
    8であることを特徴とする、請求項1に記載のコンデン
    サー用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの少なくとも片面に金属層を設
    けたことを特徴とする、請求項1または2に記載のコン
    デンサー用ポリエステルフィルム。
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