JP2000029925A - クロストークノイズ計算方法及び記憶媒体 - Google Patents

クロストークノイズ計算方法及び記憶媒体

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JP2000029925A
JP2000029925A JP10200689A JP20068998A JP2000029925A JP 2000029925 A JP2000029925 A JP 2000029925A JP 10200689 A JP10200689 A JP 10200689A JP 20068998 A JP20068998 A JP 20068998A JP 2000029925 A JP2000029925 A JP 2000029925A
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crosstalk noise
wiring
crosstalk
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Toshiro Sato
敏郎 佐藤
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Fujitsu Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0213Electrical arrangements not otherwise provided for
    • H05K1/0216Reduction of cross-talk, noise or electromagnetic interference
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0005Apparatus or processes for manufacturing printed circuits for designing circuits by computer

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はクロストークノイズ計算方法及び記
憶媒体に関し、隣接する配線のクロストークノイズを正
確に計算し、過剰チェックを防止して配線の設計能率を
向上することを目的とする。 【解決手段】 複数の配線間のクロストークノイズを計
算するためのクロストークノイズ計算方法において、ク
ロストークノイズのピーク値が所定配線長を越えると略
一定となる関数を用いてクロストークノイズを計算する
ステップを含むように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロストークノイズ
計算方法及び記憶媒体に係り、特に隣接する配線による
クロストークノイズを計算するためのクロストークノイ
ズ計算方法及びコンピュータにそのようなクロストーク
ノイズ計算方法を用いてクロストークノイズを計算させ
るためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り
可能な記憶媒体に関する。
【0002】コンピュータの実装基板やプリント基板等
上に形成される配線をCADで設計した場合、設計上の
誤りや配線ルールの誤り等により、隣接する配線間のク
ロストークノイズが許容範囲を越えてしまうことがあ
る。このため、クロストークノイズが許容範囲内に収ま
るか否かをチェックして、配線を最終的に決定する必要
がある。隣接する配線間のクロストークノイズは、シミ
ュレーションにより求めることもできるが、例えばパー
ソナルコンピュータの実装基板でも配線数は1,000
以上であり、ワークステーションやスーパーコンピュー
タ等の実装基板では配線数が1桁増えて10,000以
上である。従って、全ての配線についてクロストークを
シミュレーションにより求めるのには時間がかかりすぎ
る。
【0003】そこで、配線のクロストークノイズを計算
により求めて、クロストークノイズが許容範囲内に収ま
るように配線を決定することが行われる。
【0004】
【従来の技術】図1は、従来のクロストークノイズ計算
方法を説明するための図である。同図中、縦軸はクロス
トークノイズのピーク値を示し、横軸は平行配線長を示
す。図1からもわかるように、従来は、クロストークノ
イズのピーク値が隣接する配線長に単純比例するものと
して関数Fを用いてクロストークノイズを計算してい
た。これは、従来の実装基板等では、配線の密度が比較
的低く、配線長も比較的短く、更に、配線を流れる信号
の転送速度も比較的低速であったため、同図に示す計算
方法を用いてクロストークノイズを計算しても比較的良
い近似値が得られ、又、計算処理も簡単であったからで
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のCPU
の高速化や高速メモリ素子等の低価格化等に伴い、実装
基板等の配線の密度が増加し、配線長も増加すると共
に、配線を流れる信号の伝送速度も高速化してきた。こ
のため、従来の計算方法でクロストークノイズを計算す
ると、実際には全配線数の例えば10%以下が許容範囲
内に収まらないような場合でも、極端な場合には全配線
数の50%以上が許容範囲内に収まらないというチェッ
ク結果が得られてしまい、過剰チェックが行われてしま
い、配線の設計能率が著しく低下してしまうという問題
があった。この過剰チェックは、後述する如くクロスト
ークノイズのピーク値が所定配線長を越えると実際には
飽和して略一定となるにも拘わらず、クロストークノイ
ズのピーク値が隣接する配線長に単純比例するものとし
てクロストークノイズを計算していたことに起因する。
【0006】そこで、本発明は、隣接する配線のクロス
トークノイズを正確に計算し、過剰チェックを防止して
配線の設計能率を向上することのできるクロストークノ
イズ計算方法及び記憶媒体を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、複数の配
線間のクロストークノイズを計算するためのクロストー
クノイズ計算方法であって、クロストークノイズのピー
ク値が所定配線長を越えると略一定となる関数を用いて
クロストークノイズを計算するステップを含むクロスト
ークノイズ計算方法によって達成される。
【0008】前記ステップは、第1の配線を流れる信号
を進行波と反射波との2つの成分に分けて、該第1の配
線に隣接する第2の配線に与えるクロストークノイズを
前記2つの成分について別々に計算し、夫々の計算結果
を合算することで該第2の配線に与えるクロストークノ
イズを計算しても良い。前記ステップは、互いに平行な
配線のうち一方が他方に与える平行クロストークを計算
しても良い。
【0009】前記ステップは、互いに交差する配線のう
ち一方が他方に与える交差クロストークを計算しても良
い。前記関数は、クロストークノイズが配線を伝搬する
際に生じる信号振幅の減少を含んでも良い。前記関数
は、前記基板の仕様、前記配線を構成する配線層、配線
幅を含む電気的条件によるクロストークノイズの増減を
含んでも良い。
【0010】前記ステップは、前記配線を、該配線を流
れる信号の主要周波数成分の波長より十分小さい複数の
セグメントに分割し、各セグメントについて計算したク
ロストークノイズを合算することで前記複数のセグメン
トで構成される配線についてのクロストークノイズを計
算しても良い。上記の課題は、コンピュータに、基板上
の隣接する配線によるクロストークノイズを計算させる
ためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可
能な記憶媒体であって、前記コンピュータに、クロスト
ークノイズのピーク値が所定配線長を越えると飽和して
略一定となる関数を用いてクロストークノイズを計算さ
せる手段を備えた記憶媒体によっても達成される。
【0011】前記手段は、第1の配線を流れる信号を進
行波と反射波との2つの成分に分けて、前記コンピュー
タに該第1の配線に隣接する第2の配線に与えるクロス
トークノイズを前記2つの成分について別々に計算さ
せ、夫々の計算結果を合算することで該第2の配線に与
えるクロストークノイズを計算させても良い。前記手段
は、前記コンピュータに互いに平行な配線のうち一方が
他方に与える平行クロストークを計算させても良い。
【0012】前記手段は、前記コンピュータに互いに交
差する配線のうち一方が他方に与える交差クロストーク
を計算させても良い。前記関数は、クロストークノイズ
が配線を伝搬する際に生じる信号振幅の減少を含んでも
良い。前記関数は、前記基板の仕様、前記配線を構成す
る配線層、配線幅を含む電気的条件によるクロストーク
ノイズの増減を含んでも良い。
【0013】前記手段は、前記コンピュータに前記配線
を、該配線を流れる信号の主要周波数成分の波長より十
分小さい複数のセグメントに分割させ、各セグメントに
ついて計算したクロストークノイズを合算することで前
記複数のセグメントで構成される配線についてのクロス
トークノイズを計算させても良い。本発明によれば、隣
接する配線のクロストークノイズを正確に計算し、過剰
チェックを防止して配線の設計能率を向上することがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図2以降
と共に説明する。
【0015】
【実施例】図2は、本発明になるクロストークノイズ計
算方法の一実施例を実現するコンピュータシステムを示
す斜視図である。クロストークノイズ計算方法の本実施
例は、本発明になる記憶媒体の一実施例に格納されたプ
ログラムに基づいてクロストークノイズを計算する。
【0016】図2に示すコンピュータシステム100
は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータシス
テムで構成されている。コンピュータシステム100
は、CPUやディスクドライブ等を内蔵した本体部10
1、本体部101からの指示により表示画面102a上
に画像を表示するディスプレイ102、コンピュータシ
ステム100に種々の情報を入力するためのキーボード
103、ディスプレイ102の表示画面102a上の任
意の位置を指定するマウス104、外部のデータベース
等にアクセスして他のコンピュータシステムに記憶され
ているプログラム等をダウンロードするモデム105等
を備えている。ディスク110等の可搬型記録媒体に格
納されるか、モデム105等の通信装置を使って他のコ
ンピュータシステムの記録媒体106からダウンロード
されるプログラムは、コンピュータシステム100に入
力されてコンパイルされる。このプログラムは、コンピ
ュータシステム100のCPUに本実施例のクロストー
クノイズ計算方法によりクロストークノイズを計算させ
るプログラムを含む。
【0017】記憶媒体の本実施例は、上記プログラムを
格納したディスク110等の記録媒体である。尚、記録
媒体は、ICカードメモリ、フロッピィディスク、光磁
気ディスク、CD−ROM、各種半導体メモリデバイス
等の取り外し可能な記録媒体に限定されず、モデムやL
AN等の通信装置や通信手段を介して接続されるコンピ
ュータシステムでアクセス可能な記録媒体を含む。
【0018】図3は、コンピュータシステム100の本
体部101内の要部の構成を示すブロック図である。同
図中、本体部101は、大略バス200により接続され
たCPU201と、RAMやROM等からなるメモリ部
202と、ディスク110用のディスクドライブ203
と、ハードディスクドライブ204とからなる。尚、コ
ンピュータシステム100の構成は、図2及び図3に示
す構成に限定されるものではなく、代わりに各種周知の
構成を使用しても良い。
【0019】図4は、本実施例におけるクロストーク計
算処理の概略を説明するためのフローチャートである。
同図中、ステップS1は、設計データに基づいて基板上
の配線の配置を求める周知の配置配線処理を行い、求め
られた配置配線情報を例えば図3に示すメモリ部202
内のメモリ領域10に格納する。ステップS2は、メモ
リ領域10に格納された配置配線情報に基づいて、隣接
する配線から平行配線部、平行配線長、交差部、平行配
線部のうちクロストークノイズを受ける方のネット(以
下、d−edネットと言う)、平行配線部のうちクロス
トークノイズを与える方のネット(以下、d−ingネ
ットと言う)等を抽出する。
【0020】他方、例えばメモリ部202内のメモリ領
域11には、設計データに応じた隣接配線間の配線ギャ
ップとクロストーク係数との関係を示すテーブルが格納
されており、例えばメモリ部202内のメモリ領域12
には、設計データに応じた論理結線情報が格納されてい
る。ステップS3は、メモリ領域12に格納されている
論理結線情報に基づいて、メモリ領域11に格納されて
いるテーブルから論理結線情報に対応する配線ギャップ
及びクロストーク係数の値を選択する。
【0021】ステップS4は、ステップS2で抽出され
た平行配線部、平行配線長、交差部、d−edネット、
d−ingネット等と、ステップS3で選択された配線
ギャップ及びクロストーク係数の値とに基づいて、対象
となるd−edネットに関するクロストークノイズを計
算し、クロストークノイズの計算結果を例えばメモリ部
202内のメモリ領域13に格納する。
【0022】例えばメモリ部202内のメモリ領域14
には、クロストークノイズの判定値のテーブルが格納さ
れている。このクロストークノイズの判定値は、クロス
トークノイズの計算結果が許容範囲を越えるか否かを判
定するのに用いられ、判定値は論理結線情報によって異
なる。従って、ステップS5は、メモリ領域12に格納
された論理結線情報に基づいて、メモリ領域14に格納
されたテーブルから論理結線情報に対応する判定値を選
択する。
【0023】ステップS6は、ステップS5で選択され
た判定値を用いて、メモリ領域13に格納されたクロス
トークノイズの計算結果が判定値以上であるか否かを判
定し、判定結果がNOであると処理はステップS1へ戻
り、クロストークノイズを許容範囲内に収めるべく配置
配線処理を再度行う。ステップS6の判定結果がYES
であれば、クロストークノイズは許容範囲内に収まって
いるので、処理は終了する。
【0024】尚、ステップS6は、判定結果がNOであ
ると、例えばディスプレイ102の表示画面102a上
にメッセージを表示したり、アラームを発生してユーザ
に通知するようにしても良い。本実施例は、特に上記ス
テップS4で行う処理に特徴がある。図5は、本実施例
のクロストークノイズ計算方法を説明するための図であ
る。同図中、縦軸はクロストークノイズのピーク値を示
し、横軸は平行配線長を示す。図5と図1との比較から
もわかるように、従来はクロストークノイズのピーク値
が隣接する配線長に単純比例するものとして関数Fを用
いてクロストークノイズを計算していたのに対し、本実
施例では、近年のCPUの高速化や高速メモリ素子等の
低価格化等に伴う実装基板等の配線の密度の増加、配線
長の増加及び配線を流れる信号の転送速度も高速化を考
慮し、クロストークノイズのピーク値が所定配線長を越
えると実際には飽和して略一定となることに注目して関
数Faを用いてクロストークノイズを計算する。
【0025】尚、図5中、Dは基板上の平行配線長の分
布例を示す。基板上の配線の単位長当りの遅延時間をτ
p、基板上の出力回路の立ち上がり/立ち下がり時間を
T、飽和配線長をLstで表すと、飽和配線長Lstは
Lst=T/(2τp)で表される。例えば、τpは7
0ps程度、Tは500ps〜1500ps程度、Ls
tは3cm〜10cm程度である。
【0026】(1)層間及び層内を含む平行配線の平行
クロストークノイズの計算方法:次に、ステップS4の
詳細を説明する。基板上の層間及び層内を含む、平行配
線の平行クロストークノイズは、以下の計算方法により
計算される。 (1.1)Nネットの場合:平行配線間で、着目d−i
ngネットの発生する平行クロストークノイズには、進
行波によるものと、反射波によるものの2種類がある。
平行配線間で、着目d−edネットに対する1つのd−
ingネットによる平行クロストークノイズは、これら
の2種類の波によるノイズを合成することで求められ
る。
【0027】(1.1.1)進行波による平行クロスト
ークノイズ:図6は、進行波による平行クロストークノ
イズを説明する図である。同図中、d−ingネットは
分岐1,2を有し、進行波は矢印で示す方向に進行す
る。他方、d−edネットは、d−ingネットに隣接
してd−ingネットの一部と平行な配線部分(以下、
セグメントiと言う)を有し、信号は矢印で示す方向に
進行する。つまり、d−ingネットとd−edネット
との互いに平行な部分では、信号の進行方向が互いに逆
方向である。
【0028】図6中、lpsgiはセグメントiの長さ
を示し、セグメント長の制限値LSE G 以下とし、lps
giが制限値LSEG を越える場合には、セグメントiを
2以上のセグメントに分割して1つのセグメントの長さ
が制限値LSEG を越えないようにする。d−ingネッ
トの入力ピンからd−edネットまでの平行クロストー
クノイズ伝播経路の配線遅延tssgiは、伝播経路を
少なくとも配線層を乗り換える部分X1でセグメントj
に分割し、セグメントjの長さlpsgjが制限値LSE
G を越える場合には、セグメントjを2以上のセグメン
トに分割して1つのセグメントの長さが制限値LSEG
越えないようにすると共に、セグメント毎に配線遅延を
計算して、計算された配線遅延の総和から求められる。
従って、伝播経路のセグメントjの配線遅延をtpsg
jで示すと、配線遅延tssgiは
【0029】
【数1】
【0030】で表される。尚、配線パターンの単位長さ
当りの遅延時間をτMCM (ps/cm)で示すと、伝播
経路のセグメントjの配線遅延tpsgjはtpsgj
=τMC M ×lpsgjで表される。又、セグメントiの
配線遅延tpsgiは、tpsgi=τMCM ×lpsg
iで表される。尚、セグメントを分割する場合、セグメ
ントを流れる信号電圧の主要周波数成分の波長よりも十
分小さい単位に分割する。
【0031】セグメントiで発生する平行クロストーク
ノイズのピーク値LNsgiは、
【0032】
【数2】
【0033】から求められる。ここで、LNsgiCNV
は、無損失の場合にセグメントiで発生するクロストー
クノイズのピーク値であり、隣接する配線パターン及び
周辺部媒質の寸法と材質、配線パターン間のギャップ及
び平行配線長の関数として求められる。Kdecjは、
配線基板の仕様、配線層、配線幅等の電気的条件により
決まるセグメントjの減衰定数であり、各配線層毎に定
義される。又、CPLrdは、d−edネットのネットコ
ード、即ち、ネットの種類で規定される平行クロストー
クノイズの軽減係数であり、入力容量等による減衰効果
を考慮したものである。従って、セグメントiで発生す
る平行クロストークノイズのピーク値LNsgiを表す
上記式中、
【0034】
【数3】
【0035】なる項は、配線抵抗による減衰効果を考慮
に入れるためのものである。図7は、d−edネットに
隣接する1つのd−ingネットによる平行クロストー
クノイズの合成を説明する図である。同図中、tsmp
Iは平行クロストークノイズを計算するサンプリング間
隔でtsmpI≦50ps、PsmpjNは平行クロス
トークノイズを計算するサンプリングポイント、Nは隣
接する全セグメント数、Mはサンプリングポイントの総
数、LNsg(Psmpj)はセグメント1〜Nのノイ
ズ波形の合成波形のサンプリングポイントPsmpjに
おけるノイズ値、LNWsgiはセグメントiにおける
平行クロストークノイズの幅、LTRsgiはセグメン
トiの平行クロストークノイズが立ち上がるまでの時間
である。
【0036】平行クロストークノイズの幅LNWsgi
は、条件に応じて次のように求められる。 2×tpsgi≦TRFd−ingならばLNWsgi
=TRFd−ing 2×tpsgi>TRFd−ingならばLNWsgi
=2×tpsgi 又、セグメントiの平行クロストークノイズが立ち上が
るまでの時間LTRsgiは、条件に応じて次のように
求められる。
【0037】2×tpsgi≦TRFd−ingならば
LTRsgi=tssgi+tpsgi 2×tpsgi>TRFd−ingならばLTRsgi
=tssgi+TRFd−ing/2 本実施例では、上記に基づき、着目d−edネットに隣
接する1つのd−ingネットによる平行クロストーク
ノイズLNは、次式(1)より求められる。
【0038】
【数4】
【0039】(1.1.2)反射波による平行クロスト
ークノイズ:図8は、反射波による平行クロストークノ
イズを説明する図である。同図中、図6及び図7と同一
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。反射波
は、各分岐のレシーバ端でドライバからの進行波が反射
して発生する。従って、各分岐毎の反射波について平行
クロストークノイズを計算し、最後に合成すれば、反射
波による平行クロストークノイズを計算することができ
る。1つの分岐kによって発生する反射波は、図8に示
す通りである。分岐kの反射波により着目d−edネッ
トに発生する平行クロストークノイズの計算方法は、上
記(1.1.1)で説明した進行波の場合と同様であ
る。
【0040】尚、着目d−edネット内に複数のレシー
バが存在する場合には、全てのレシーバについて上記の
方法で平行クロストークノイズを計算し、求められた平
行クロストークノイズのうち最大値を着目d−edネッ
トの平行クロストークノイズとする。 (1.2)M:N双方向ネットの場合: M:N双方向ネットの場合、着目d−edネットに隣接
する1つのd−ingネットによる平行クロストークノ
イズは、次のように計算する。
【0041】着目d−edネットのドライバのうち1つ
のみをドライバとみなし、その他の全てのドライバはレ
シーバとみなすことで、1:(N+M−1)ネットとし
て、上記(1.1.1)で説明した進行波の場合と同様
に平行クロストークノイズを計算する。つまり、図9の
ようにd−ingネットに4つのドライバ41〜44が
存在する場合、ドライバ41を着目ドライバ51とみな
すと、図10に示すように他のドライバ42〜44はレ
シーバ52〜54とみなし、上記(1.1.1)で説明
した進行波の場合と同様に平行クロストークノイズを計
算する。
【0042】このような処理は全てのドライバ41〜4
4について行い、夫々の場合の平行クロストークノイズ
を計算し、求められた平行クロストークノイズのうち最
大値を着目d−edネットに隣接する1つのd−ing
ネットによるの平行クロストークノイズとする。 (2)交差クロストークノイズの計算:図11は、交差
クロストークノイズを説明する図である。同図中、図6
及び図7と同一部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。
【0043】(2.1)1:Nネットの場合: 1:N双方向ネットの場合、着目d−edネットに隣接
する1つのd−ingネットによる交差クロストークノ
イズNeffは、d−edネットのネットコードで規定
される交差クロストークノイズの軽減係数をCCRrd、
無損失の場合に交差によって発生する交差クロストーク
ノイズをKCRで示すと、次式(2)に基づいて計算でき
る。尚、無損失の場合に交差によって発生する交差クロ
ストークノイズKCRは、交差する配線パターン周辺部媒
質の寸法及び材質の関数として計算される。
【0044】
【数5】
【0045】(2.2)M:Nネットの場合: M:N双方向ネットの場合、着目d−edネットに隣接
する1つのd−ingネットによる交差クロストークノ
イズNeffは、上記(1.2)で説明したのと同様
に、着目d−edネットのドライバのうち1つのみをド
ライバとみなし、その他の全てのドライバはレシーバと
みなすことで、1:(N+M−1)ネットとして、上記
(1.1.1)で説明した進行波の場合と同様に交差ク
ロストークノイズを計算する。
【0046】このような処理は全てのドライバについて
行い、夫々の場合の交差クロストークノイズを計算し、
求められた交差クロストークノイズのうち最大値を着目
d−edネットに隣接する1つのd−ingネットによ
るの交差クロストークノイズとする。本発明者は、或る
コンピュータの実装基板上の配線の総ネット数が220
0の場合について、隣接配線によるクロストークノイズ
が許容範囲を越えているエラーネット数を図1と共に説
明した従来の方法と、本実施例の方法とで求めたとこ
ろ、従来の方法ではエラーネット数が600であって
も、本実施例の方法ではエラーネット数が100とな
り、エラーネット数を十分修正可能な範囲まで減少させ
て、過剰チェックが行われないようにすることができる
ことが確認された。
【0047】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明
の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言う
までもない。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、隣接する配線のクロス
トークノイズを正確に計算し、過剰チェックを防止して
配線の設計能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のクロストークノイズ計算方法を説明する
ための図である。
【図2】本発明になるクロストークノイズ計算方法の一
実施例を実現するコンピュータシステムを示す斜視図で
ある。
【図3】コンピュータシステムの本体部内の要部の構成
を示すブロック図である。
【図4】クロストーク計算処理の概略を説明するための
フローチャートである。
【図5】本発明になるクロストークノイズ計算方法の一
実施例を説明するための図である。
【図6】進行波による平行クロストークノイズを説明す
る図である。
【図7】d−edネットに隣接する1つのd−ingネ
ットによる平行クロストークノイズの合成を説明する図
である。
【図8】反射波による平行クロストークノイズを説明す
る図である。
【図9】M:N双方向ネットの場合に着目d−edネッ
トに隣接する1つのd−ingネットによる平行クロス
トークノイズの計算を説明する図である。
【図10】M:N双方向ネットの場合に着目d−edネ
ットに隣接する1つのd−ingネットによる平行クロ
ストークノイズの計算を説明する図である。
【図11】交差クロストークノイズを説明する図であ
る。
【符号の説明】
100 コンピュータシステム 101 本体部 110 ディスク 201 CPU 202 メモリ部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の配線間のクロストークノイズを計
    算するためのクロストークノイズ計算方法であって、 クロストークノイズのピーク値が所定配線長を越えると
    略一定となる関数を用いてクロストークノイズを計算す
    るステップを含む、クロストークノイズ計算方法。
  2. 【請求項2】 前記ステップは、第1の配線を流れる信
    号を進行波と反射波との2つの成分に分けて、該第1の
    配線に隣接する第2の配線に与えるクロストークノイズ
    を前記2つの成分について別々に計算し、夫々の計算結
    果を合算することで該第2の配線に与えるクロストーク
    ノイズを計算する、請求項1記載のクロストークノイズ
    計算方法。
  3. 【請求項3】 前記ステップは、互いに平行な配線のう
    ち一方が他方に与える平行クロストークを計算する、請
    求項1又は2記載のクロストークノイズ計算方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップは、互いに交差する配線の
    うち一方が他方に与える交差クロストークを計算する、
    請求項1又は2記載のクロストークノイズ計算方法。
  5. 【請求項5】 前記関数は、クロストークノイズが配線
    を伝搬する際に生じる信号振幅の減少を含む、請求項1
    〜4のいずれか1項記載のクロストークノイズ計算方
    法。
  6. 【請求項6】 前記関数は、前記基板の仕様、前記配線
    を構成する配線層、配線幅を含む電気的条件によるクロ
    ストークノイズの増減を含む、請求項1〜5のいずれか
    1項記載のクロストークノイズ計算方法。
  7. 【請求項7】 前記ステップは、前記配線を、該配線を
    流れる信号の主要周波数成分の波長より十分小さい複数
    のセグメントに分割し、各セグメントについて計算した
    クロストークノイズを合算することで前記複数のセグメ
    ントで構成される配線についてのクロストークノイズを
    計算する、請求項1〜6のいずれか1項記載のクロスト
    ークノイズ計算方法。
  8. 【請求項8】 コンピュータに、基板上の隣接する配線
    によるクロストークノイズを計算させるためのプログラ
    ムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体で
    あって、 前記コンピュータに、クロストークノイズのピーク値が
    所定配線長を越えると飽和して略一定となる関数を用い
    てクロストークノイズを計算させる手段を備えた、記憶
    媒体。
  9. 【請求項9】 前記手段は、第1の配線を流れる信号を
    進行波と反射波との2つの成分に分けて、前記コンピュ
    ータに該第1の配線に隣接する第2の配線に与えるクロ
    ストークノイズを前記2つの成分について別々に計算さ
    せ、夫々の計算結果を合算することで該第2の配線に与
    えるクロストークノイズを計算させる、請求項8記載の
    記憶媒体。
  10. 【請求項10】 前記手段は、前記コンピュータに互い
    に平行な配線のうち一方が他方に与える平行クロストー
    クを計算させる、請求項8又は9記載の記憶媒体。
  11. 【請求項11】 前記手段は、前記コンピュータに互い
    に交差する配線のうち一方が他方に与える交差クロスト
    ークを計算させる、請求項8又は9記載の記憶媒体。
  12. 【請求項12】 前記関数は、クロストークノイズが配
    線を伝搬する際に生じる信号振幅の減少を含む、請求項
    8〜11のいずれか1項記載の記憶媒体。
  13. 【請求項13】 前記関数は、前記基板の仕様、前記配
    線を構成する配線層、配線幅を含む電気的条件によるク
    ロストークノイズの増減を含む、請求項8〜12のいず
    れか1項記載の記憶媒体。
  14. 【請求項14】 前記手段は、前記コンピュータに前記
    配線を、該配線を流れる信号の主要周波数成分の波長よ
    り十分小さい複数のセグメントに分割させ、各セグメン
    トについて計算したクロストークノイズを合算すること
    で前記複数のセグメントで構成される配線についてのク
    ロストークノイズを計算させる、請求項8〜13のいず
    れか1項記載の記憶媒体。
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