JP2000029161A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000029161A
JP2000029161A JP10194105A JP19410598A JP2000029161A JP 2000029161 A JP2000029161 A JP 2000029161A JP 10194105 A JP10194105 A JP 10194105A JP 19410598 A JP19410598 A JP 19410598A JP 2000029161 A JP2000029161 A JP 2000029161A
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Nobuaki Tsuji
宣昭 辻
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面抵抗率が低く、スタチック耐性が優れて
おり、かつ迅速処理における現像ムラのない安定な画像
を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、該感光材料の構成層の少なくとも1層が、下記一
般式(I)の化合物及び含フッ素界面活性剤を含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜30の置換又は無置換の
アルキル基、アルケニル基を表す。m1、n1は同じで
も異なっていてもよく、m1、n1はそれぞれ1〜50
である。又、m2、n2はそれぞれ0〜50である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用のハロゲン
化銀写真感光材料の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野では、現像処理の迅速化
が急速に進み、現在では45秒処理や30秒処理に代表
される迅速処理システムが充実してきた。それに伴いオ
ートフィーダー等の周辺機器も多様化、高速化する中
で、感光材料に対しては充分な迅速処理性とスタチック
耐性が求められてきている。
【0003】感光材料の帯電防止の手段として、種々の
界面活性剤を表面保護層に含有させることや、導電性の
金属酸化物を含有した帯電防止層を設けることにより、
感光材料の表面抵抗率を下げることが知られている。
【0004】医療用・直接撮影感光材料において、充分
なスタチック耐性を得るためには、両面共に表面抵抗率
を、23℃、20%RHの雰囲気下で1015Ω以下にす
ることが必要であり、1014Ω以下まで下げておくこと
が好ましい。
【0005】一方、現像液中に存在する時間が15秒以
下となるような迅速処理に適した感光材料としては、現
像液の塗れ方にムラがなく、現像ムラが生じにくいこと
が求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発明の目的は、表面抵
抗率が低く、スタチック耐性が優れており、かつ迅速処
理における現像ムラのない安定な画像を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0008】〔1〕 支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該感光材料の構成層の少なくとも1層が、
下記一般式(I)の化合物及び含フッ素界面活性剤を含
有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は炭素原子数1〜30の置換
又は無置換のアルキル基、アルケニル基を表す。m1、
n1は同じでも異なっていてもよく、m1、n1はそれ
ぞれ1〜50である。又、m2、n2はそれぞれ0〜5
0である。) 〔2〕 含フッ素界面活性剤がポリオキシエチレン基を
有するノニオン性界面活性剤であることを特徴とする
〔1〕記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】〔3〕 支持体上に、少なくとも1層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の帯電防止層
を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該感光材
料の構成層が、前記一般式(I)の化合物を含有し、該
帯電防止層がZn,Ti,Sn,Al,In,Si,M
g,Ba,Mo,W及びVから選ばれる少なくとも1種
を主成分とする導電性金属酸化物を含有することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】〔4〕 支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該感光材料の構成層の少なくとも1層が、
前記一般式(I)の化合物及び下記一般式(II)のアニ
オン性界面活性剤を含有することを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1、R2は置換又は無置換のアル
キル基、又はアルケニル基を表し、両者は同じでも異な
っていても良い。R1+R2の炭素原子数の和は8〜14
である。lは0又は1を表す。又、Mはカチオンを表
す。) 本発明の構成を採ることにより、表面抵抗率を充分に下
げることが出来、スタチック耐性が向上した。更に、現
像液の塗れ特性が優れており、その結果、迅速処理にお
いても現像ムラが発生しにくく、良好な画像が得られる
ことになった。
【0015】本発明に用いられる一般式(I)の化合物
は、上記のごとき構造を有するが、一般式(I)の化合
物において、R1は炭素原子数1〜30の置換又は無置
換のアルキル基、アルケニル基を表す。m1、n1は同
じでも異なっていてもよく、m1、n1はそれぞれ1〜
50であるが、好ましくはm1+n1が5〜40であ
る。又、R1の炭素原子数は8〜18が好ましい。又、
m2、n2はそれぞれ0〜50であるが、好ましくはm
2+n2共に0〜40である。更に好ましくは、m2、
n2共に0であるのがよい。
【0016】一般式(I)の具体的化合物例を挙げれ
ば、下記のごときものがある。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】添加する層は、特に限定はないが、支持体
から遠い層が好ましく、最上層に加えるのが最も好まし
い。又、添加する量としては1〜1000mg/m2
良いが、更に好ましくは10〜100mg/m2が良
い。
【0020】本発明に係わる含フッ素界面活性剤の好ま
しいものは、水溶性のものであり、具体的には25℃の
水に対して0.1g/l以上、更に好ましくは10g/
l以上溶解するものである。又、25℃の0.1g/l
水溶液での表面張力を、白金プレートを用いた垂直板法
(Wilhelmy法)で測定した場合、15〜23d
yne/cmとなるものが、感光材料フィルム表面に適
度に配向し、スタチック耐性の点から好ましい。
【0021】最も好ましい含フッ素界面活性剤化合物の
構造式は、 Rf−(CH2n3−(OCH2−CH2n4−OH である。
【0022】式中、Rfは少なくとも3個のフッ素原子
を含有する部分フッ素化又は全フッ素化した炭素原子数
1〜30の置換又は無置換のアルキル基、アルケニル基
又はアリール基を表す。n3は0〜5、n4は2〜5
0、より好ましくは5〜20である。
【0023】好ましい含フッ素化合物の具体的構造を挙
げれば下記のごときものがある。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】次に、好ましい一般式(II)で示されるご
ときアニオン性界面活性剤についての説明を行う。一般
式(II)において、R1、R2は置換又は無置換のアルキ
ル基、又はアルケニル基を表し、両者は同じでも異なっ
ていても良い。R1+R2の炭素原子数の和は8〜14で
ある。lは0又は1、Mはカチオンを表す。一般式(I
I)において、好ましくはl=0、R1、R2の炭素原子
数が10〜13の直鎖状のアルキルがよい。
【0027】一般式(II)で表される好ましい具体的化
合物例を下記に示す。
【0028】
【化9】
【0029】感光材料へ添加するにあたり好ましい層
は、支持体から遠い層であり、最上層が最も好ましい。
【0030】添加量は、0.5〜100mg/m2が良
く、更に好ましくは1〜30mg/m2が良い。
【0031】本発明の導電性金属酸化物は導電性金属酸
化物微粒子である。
【0032】本発明の導電性金属酸化物微粒子とは、Z
n、Ti、Sn、Al、In、Si、Mg、Ba、M
o、W及びVから選ばれる少なくとも一つの金属の酸化
物を主成分とする導電性金属酸化物微粒子(以下、金属
酸化物コロイドともいう)である。
【0033】これらのうちでZnO、TiO2及びSn
2が好ましく、更にSnO2が好ましい。特に好ましく
はSnO2ゾルの状態で塗布液に添加することである。
【0034】異種原子をドープした例としてはZnOに
対してはAl、In等、TiO2に対してはNb、Ta
等、SnO2に対してはNb、Sb、ハロゲン元素等が
挙げられる。無機コロイド粒子の平均粒径は好ましくは
0.001〜1μmが分散安定性の面から好ましい。
【0035】本発明に好ましく用いられる金属酸化物コ
ロイド、特に酸化第二錫からなるコロイド状SnO2
ルの製造方法に関しては、SnO2超微粒子を適当な溶
媒に分散して製造する方法、又は溶媒に可溶なSn化合
物の溶媒中における分解反応から製造する方法など、何
れの方法でも良い。
【0036】SnO2超微粒子の製造方法に関しては、
特に温度条件が重要で、高温度の熱処理を伴う方法は、
一次粒子の成長や、結晶性が高くなる現象を生じるので
好ましくなく、やむをえず熱処理を行う必要があるとき
には、300℃以下、好ましくは200℃以下、更に好
ましくは150℃以下で行なうべきである。しかし、2
5℃から150℃までの加温は、バインダー中への分散
を考えたときには、好適に選ばれる手段である。
【0037】また、最近粉体製造技術の進歩により、超
微粒子を製造するにあたり、湿式法により製造された化
合物を電気炉中に噴霧する方法や、有機金属化合物の高
温度熱分解法などが開発されているが、かかる方法によ
り製造された超微粒子を溶媒中に再分散するには、かな
りの困難を伴い経済的に好ましくなく、また凝集粒子の
発生など熱現像写真用感光材料として重大な欠陥を引き
起こす可能性がある。このような理由から金属酸化物だ
け単離する製造プロセスの後、溶媒中へ再分散する方法
は、写真用帯電防止剤として使用する本発明においては
採用しない。ただし、バインダーとSnO2ゾルの溶媒
との相溶性が悪い時には、溶媒置換の必要が生じるが、
そのようなときには、SnO2ゾルの溶媒との相溶性又
は分散安定性の良好な他の化合物を適量添加し、SnO
2ゾルからSnO2超微粒子と適量添加された化合物とを
300℃以下、好ましくは200℃以下、更に好ましく
は150℃以下の加温により乾燥分離後、他の溶媒中へ
再分散する。
【0038】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法に関して以下に述べる。
【0039】ここで溶媒に可溶なSn化合物とは、K2
SnO3・3H2Oのようなオキソ陰イオンを含む化合
物、SnCl4のような水溶性ハロゲン化物、R′2Sn
2、R3SnX、R2SnX2の構造を有する化合物で
(ここでR及びR′はアルキル基、Xはハロゲンを表
す)例えば(CH33SnCl・(ピリジン)、(C4
92Sn(O2CC252など有機金属化合物、Sn
(SO42・2H2Oなどのオキソ塩を挙げることがで
きる。これらの溶媒に可溶なSn化合物を用いてSnO
2ゾルを製造する方法としては溶媒に溶解後、加熱、加
圧などの物理的方法、酸化、還元、加水分解などの化学
的方法又は中間体を経由後、SnO2ゾルを製造する方
法などがある。
【0040】製造例として例えば特公昭35−6616
号に記載されたSnO2ゾルの製造方法では、SnCl4
を100倍容量の蒸留水に溶解して、中間体として水酸
化第二錫の沈澱を作る。この水酸化第二錫にアンモニア
水を加え微アルカリ性とし溶解する。次いでアンモニア
臭の無くなるまで加温するとコロイド状SnO2ゾルが
得られる。なお、この例では、溶媒として水を用いた
が、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル溶媒、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族有機溶媒、ベンゼン、ピリジンなどの芳
香族有機溶媒などSn化合物に応じて様々な溶媒を用い
ることが可能であり、本発明は溶媒に関して特に制限は
ない。好ましくは水、アルコール類の溶媒が選ばれる。
【0041】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法においてはプロセスの途中で
溶媒に可溶なSn以外の元素を含む化合物の添加も可能
である。例えば溶媒に可溶な弗素含有化合物の添加や、
溶媒に可溶な3価又は5価の配位数をとりうる金属の化
合物の添加である。
【0042】溶媒に可溶な弗素含有化合物としては、イ
オン性弗化物又は共有性弗化物の何れでもよい。例えば
HF、もしくはKHF2、SbF3、MoF6などの金属
弗化物、NH4MnF3、NH4BiF4などのフルオロ錯
陰イオンを生成する化合物、BrF3、SF4、SF6
どの無機分子性弗化物、CF3I、CF3COOH、P
(CF33などの有機弗素化合物を挙げることができる
が、溶媒が水の場合にはCaF2と硫酸との組み合わせ
のように、弗素含有化合物と不揮発性酸との組み合わせ
も用いることができる。
【0043】溶媒に可溶な3価もしくは5価の配位数を
とりうる金属の化合物としては、Al、Ga、In、T
lなどの族元素もしくはP、As、Sb、BiなどのV
族元素、3価もしくは5価の配位数をとりうるNb、
V、Ti、Cr、Mo、Fe、Co、Niなどの遷移金
属を含む化合物群である。
【0044】本発明の導電性金属酸化物粒子の粒径は、
平均粒径で100μm以下が好ましく、更に好ましくは
10μm以下である。また、1μm以下であれば透明性
に関し問題なく使用できる。しかし、平均粒径0.00
01μm以上の粒径でないと分散に問題が生じる。
【0045】添加量は、導電性金属酸化物粒子と有機バ
インダーを用いた塗布方法においては、塗布乾燥後のバ
インダー中の体積分率で60%以下、好ましくは50%
以下、更に好ましくは40%以下で十分に発明の目的は
達成される。しかし、このような粉末は添加量が少ない
方が好ましく、30%以下が好ましく、更に好ましくは
20%以下である。しかし、体積分率0.01以上、好
ましくは0.1以上の添加は必要でであり、化合物によ
っては1%以上の添加が必要の場合もあるが、添加量に
関しては、本発明においては、特に制限を加えるもので
はない。
【0046】この体積分率から、使用量は熱現像写真感
光材料1m2当たり0.00005〜1g程度となり、
これにより良好な透明性と帯電防止性が得られる。
【0047】本発明の導電性金属酸化物を含む層には導
電性高分子化合物を含有することができる。これらの化
合物は、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポ
リビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、四
級塩ポリマー類、ポリマーラテックス等が好ましい。
【0048】透明支持体は、特に限定はないが、PET
(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチ
レンナフタレート)を用いた、160〜200μm程度
の厚みを有するフィルムベースであるのが好ましい。
【0049】本発明の感光材料にはサポニンを用いるこ
とができる。これは植物界に分布するステロイド系又は
トリテルペン系の配糖体で、写真業界では古くから塗布
助剤或いは湿潤剤として知られている公知の化合物であ
る。本発明で使用されるサポニンの種類については、特
に限定することなく用いることができるが、好ましくは
キラヤ根より抽出したサポニンなどが挙げられ、これら
は市販品として容易に入手することができる。
【0050】本発明におけるサポニンの添加層は感光性
層が好ましく、添加量はフィルムの片面当たり0.00
5〜1.0g/m2、更には0.01〜0.1g/m2
好ましい。
【0051】又、デキストランも好ましく用いられるこ
とが多く、α−1,6結合したD−グルコースの重合体
であり、一般に糖類の存在下で、デキストラン生産菌を
培養することによって得るが、ロイコノストック、メゼ
ンテロイデス等のデキストラン生産菌の培養液より分離
したデキストランシュクラーゼを糖類と作用させて得る
ことができる。また、これらのネイティブデキストラン
を酸やアルカリ酵素による部分分解重合法によって、所
望の分子量まで低下させ、極限粘度が0.03〜2.5
の範囲であるものも得ることができる。
【0052】また、デキストラン変性物とは、デキスト
ラン硫酸エステル、カルボキシアルキルデキストラン、
ハイドロオキシアルキルデキストラン等が挙げられる。
これらの天然水溶性ポリマーの分子量は100〜10
0,000が好ましいが、特に好ましくは2,000〜
50,000である。
【0053】これらのデキストランとその誘導体の製造
方法については、特公昭35−11989号、米国特許
3,762,924号、特公昭45−12820号、同
45−18418号、同45−40149号、同46−
31192号に記載されている。
【0054】デキストランの添加層は、支持体から最も
離れた層及び/又は感光性層が好ましく、添加量はフィ
ルムの片面当たり0.05〜2.0g/m2、更には
0.1〜0.7g/m2が好ましい。
【0055】更に、感光材料は、硼酸フリーの現像液、
定着液、或はそれらの調液用濃縮キットを用いて処理す
るのが好ましい。又、これら処理液は錠剤より作製され
るのが好ましい。
【0056】硼酸フリーとは、実質的に含有しないと言
う意味であり、含有濃度が0.04モル/l以下を表わ
し、好ましくは全く含有しないのがよい。
【0057】本発明の医療用写真感光材料は、下引き層
を塗布した支持体上に少なくとも親水性コロイド層を設
けた感光材料である。2又は3層の親水性コロイド層を
設けた感光材料であることが好ましい。ここで本発明で
いう親水性コロイド層とは、感光性もしくは非感光性の
ハロゲン化銀乳剤層、中間層、保護層、染料層、下塗り
層(下引き層ではない)などが挙げられる。
【0058】本発明の感光材料は、支持体と乳剤層の間
に非感光性の親水性コロイド層を設けることができ、こ
の下塗り層中にポリマーラテックスや、フィルター染料
などを含有させることが出来る。
【0059】本発明の感光材料は親水性コロイド層中に
ゼラチン量が片面当たり通常1.0〜3.0g/m2
有される。より好ましくは1.5〜2.5g/m2含有
されることであり、これ以下では擦り傷耐性に問題が出
ることがある。
【0060】本発明で用いる硬膜剤は、特に限定はない
が、好ましく用いられるものとしてはアルデヒド系、ビ
ニルスルホン系、カルバモイルピリジニウム系、トリア
ジン系、エポキシ系硬膜剤等が挙げられる。中でも特に
好ましく用いられる硬膜剤は、ビニルスルホン系或いは
カルバモイルピリジニウム系の硬膜剤である。
【0061】硬膜剤の好ましい添加量は、ゼラチン、ラ
テックス、その他のバインダー素材の添加量や種類によ
り異なるが、通常はゼラチン1g当たり0.01〜1
0.0ミリモルである。更に好ましくは0.05〜1.
0ミリモルである。
【0062】本発明の感光材料に用いられるハロゲン化
銀粒子はハロゲン化銀として臭化銀、塩化銀、沃臭化
銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化銀等を用いることが
できる。沃化銀の含有量は、ハロゲン化銀粒子全体での
平均沃化銀含有率として1.0モル%以下が好ましい。
【0063】本発明の感光材料のハロゲン化銀粒子は、
平均アスペクト比が3〜15の粒子であり、より好まし
くは3.5〜8.0である。
【0064】平板状ハロゲン化銀粒子は例えば米国特許
5,320,938号記載の方法で調製することが出来
る。即ち、(100)面を形成しやすい条件下で沃度イ
オンの存在下、低pClで核形成させることが好まし
い。核形成後は、オストワルド熟成及び/又は成長を行
い、所望の粒径、分布を有する平板状ハロゲン化銀粒子
を得ることが出来る。本発明に用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子は、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョ
ン型)の粒子であっても構わない。ハロゲン変換量は銀
量に対して0.2〜0.5モル%が好ましく、変換の時
期は物理熟成中でも物理熟成終了後でも良い。
【0065】ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジ
ウム塩(錯塩を含む)、ルテニウム塩(錯塩を含む)、
オスミニウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこれらの金属元
素を含有させることが好ましい。
【0066】本発明において現像速度を促進するために
脱塩工程前にハロゲン化銀溶剤を添加することも好まし
い。例えば、チオシアン酸化合物(チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム等)を銀1モル当たり1×10-3モル以上、3×10
-2モル以下加えることが好ましい。
【0067】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(以下RDと
略す)第176巻No.17643(1978年12
月)の項に記載されているものが挙げられる。
【0068】本発明において、ハロゲン化銀粒子の成長
時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有
させたままでもよい。該塩類を除去する場合にはRD第
176巻No.17643のII項に記載の方法に基づい
て行うことができる。
【0069】本発明のハロゲン化銀粒子は化学増感を施
すことができる。化学熟成即ち化学増感の工程の条件、
例えばpH、pAg、温度、時間等については特に制限
がなく、当業界で一般に行われている条件で行うことが
できる。化学増感のためには銀イオンと反応しうる硫黄
を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレ
ン化合物を用いるセレン増感法、テルル化合物を用いる
テルル増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その
他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独又は組み合わ
せて用いることができ、なかでもセレン増感法、テルル
増感法、還元増感法等が好ましく用いられる。
【0070】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増感さ
れてもよい。増感色素は単独に用いてもよいが、それら
の組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0071】本発明のハロゲン化銀乳剤による感光材料
は、乳剤の物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の
写真用添加剤を用いることができる。
【0072】このような工程で使用できる化合物として
は例えば、(RD)17643号、同18716号(1
979年11月)及び同308119号(1989年1
2月)に記載されている各種の化合物が挙げられる。こ
れら3つの(RD)に記載されている化合物の種類と記
載箇所を下記に掲載した。
【0073】
【表1】
【0074】本発明の感光材料に用いられる支持体とし
ては、上記のRDに記載されているものが挙げられる
が、適当な支持体としては前記したとおりポリエチレン
テレフタレートフィルム若しくはポリエチレンナフタレ
ートフィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよ
くするために下引き層を設けたり、コロナ放電や紫外線
照射などが施されてもよい。そして、このように処理さ
れた支持体上の両面に本発明に係る構成層を塗布するこ
とができる。
【0075】本発明の感光材料において、ハロゲン化銀
乳剤層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により
支持体上又は他の層上に塗布できる。塗布には、ディッ
プ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押しだし
塗布法、スライド・ホッパー法などを用いることができ
る。詳しくは、(RD)17643、P.27−28の
「Coating procedures」の項に記載
されている方法を用いることができる。
【0076】本発明の感光材料の処理は例えば、前記の
RD−17643のXX〜XXI、29〜30頁或いは同3
08119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載さ
れているような処理液による処理がなされてよい。
【0077】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラ
ゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−アミノ
フェノール)、レダクトン類などを単独又は組み合わせ
て用いることができる。なお、現像液には公知の例えば
保恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟
化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いて
もよい。
【0078】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、更に硬膜剤として水溶性のアル
ミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0079】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は全処
理時間(Dry to Dry)が10〜45秒の超迅
速処理を行うことができる。好ましくは10〜35秒の
範囲である。ここで全処理時間とは処理する感光材料の
先端が自動現像機の現像タンク液に浸漬してからスクイ
ズローラーを経て乾燥されるまでの時間を言う。
【0080】本発明の医療用写真感光材料は現像液や定
着液の補充量が感光材料1m2当たり35〜400ml
で処理することができる。補充方法としては、特開昭5
5−126243号に記載の幅、送り速度による補充、
特開昭60−104946号記載の面積補充、特開平1
−149156号記載の連続処理枚数によりコントロー
ルされた面積補充でもよい。
【0081】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0082】 実施例1 〈種乳剤−1の調製〉 〔A1〕 オセインゼラチン 24.2g 蒸留水 9657ml ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%メタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml 〔B1〕 2.5N AgNO3水溶液 2825ml 〔C1〕 臭化カリウム 841g 水で 2825mlに仕上げる 〔D1〕 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 42℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号明細書に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶
液B1及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法
により1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0083】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、40分の時間を要して溶液A1の温度を50℃に上
昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び
溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4
ml/minの流量で42分間添加した。この42℃か
ら50℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合
の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀
イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+
8mV及び+16mVになるよう制御した。
【0084】添加終了後3%KOHによってpHを6に
合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲ
ン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が
1.0〜2.0の六角平板状粒子よりなり、六角平板状
粒子の平均厚さは0.045μm、平均粒径(円直径換
算)は0.42μmであることを電子顕微鏡により確認
した。また、厚さの変動係数は42%、双晶面間距離の
変動係数は45%であった。
【0085】〈平板状臭化銀乳剤の調製〉種乳剤−1と
以下に示す3種の溶液を用い、平板状純臭化銀乳剤を調
製した。
【0086】 〔A2〕 オセインゼラチン 34.03g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%メタノール水溶液) 2.25ml 種乳剤−1 1.218モル相当 水で 3669mlに仕上げる 〔B2〕 臭化カリウム 1747g 水で 3669mlに仕上げる 〔C2〕 硝酸銀 2493g 水で 4193mlに仕上げる 反応容器内で溶液A2を50℃に保ちながら激しく攪拌
し、そこに溶液B2と溶液C2の全量を100分かけて
同時混合法にて添加した。この間、pHはKOH液によ
り9.0に保ち、pAgは8.6に終始保った。ここで
溶液B2と溶液C2の添加速度は臨界成長速度に見合っ
たように時間に対して関数的に変化させた。則ち、成長
している種粒子以外は小粒子の発生がないように、ま
た、オストワルド熟成により多成分化しないように適切
な添加速度で添加した。
【0087】添加終了時後、この乳剤を40℃に冷却
し、凝集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性
された(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(重
量)の水溶液1800mlを添加し3分間攪拌した。そ
の後、酢酸56%(重量)水溶液を添加して乳剤のpH
を4.6に調整し3分間攪拌した後、20分間静置させ
デカンテーションにより上澄み液を排水し更に蒸留水1
1.25lを加え、攪拌静置後、上澄み液を排水した。
【0088】続いてゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム1
0%(重量)水溶液を加えてpHが5.80になるよう
に調整し、50℃で30分間攪拌し再分散した。再分散
後、40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調
整した。
【0089】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡に
て観察したところ、平均粒径0.84μm、平均厚さ
0.16μm、平均アスペクト比約5.3、粒径分布の
広さ20%の平板状ハロゲン化銀粒子であった。また物
理熟成終了時のゼラチン量はハロゲン化銀1モル当たり
15.9gであった。
【0090】上記で調製した乳剤を55℃にした後、ハ
ロゲン化銀1モル当たり下記分光増感色素(A)450
mg、分光増感色素(B)45mgを添加し、更に4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン100mgを添加した。その後10分して、塩
化金酸を3.5mg、チオ硫酸ナトリウムを10mg、
チオシアン酸アンモニウムを100mg添加した。更に
40分後に下記記載の沃化銀微粒子を0.3モル添加
し、更に10分後にトリフェニルホスフィンセレナイド
5mgを添加し、更に40分後に4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン500m
gを添加し、5分後にトリメチロールプロパン13g、
ゼラチン30gを添加してから、急速冷却し、乳剤をゲ
ル化して化学増感を終了した。
【0091】 〈沃化銀微粒子の調製〉 〔A3〕 オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で 2000mlにする 〔B3〕 AgNO3 360g 蒸留水で 605mlにする 〔C3〕 KI 352g 蒸留水で 605mlにする 反応容器に溶液A3を加え、40℃に保ち攪拌しなが
ら、溶液B3及び溶液C3を同時混合法により30分を
要して定速で添加した。添加中のpAgは常法のpAg
制御手段で13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒
径0.06μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であ
った。この乳剤を沃化銀微粒子乳剤という。
【0092】(分光増感色素) 増感色素(A):5,5′−ジ−クロロ−9−エチル−
3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボシ
アニンナトリウム塩の無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム
塩の無水物 〈下引済み支持体の作製〉厚さが175μmで、濃度
0.17に青色着色したポリエチレンテレフタレート
(PET)ベースの片側(この面を表側とする)に8W
min/m2のコロナ放電処理をした後、下記の下引き
下層を塗布し、110℃で1分間乾燥した。その後、同
様なコロナ放電処理を再び行った後、下記の下引き上層
塗布液を塗布し、100℃で1分間乾燥した。又、もう
一方の側(裏面側とする)については、SnO2を添加
しなかったこと以外は、表側と同様にコロナ放電・塗布
・乾燥を行い下引済み支持体を得た。
【0093】 (下引き下層) ラテックス:St(15)EA(85) 200mg/m2 化合物A 5.0mg/m2 ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 5.0mg/m2 導電性金属酸化物:SnO2(固形分付量) 表3に表示した量 (表4に示す試料の表側にのみ添加) (下引き上層) n−ブチルアクリレート(10),t−ブチルアクリレート(35), スチレン(25),ヒドロキシエチルメタクリレート(30) 10mg/m2 化合物L−1 30mg/m2 化合物A 5.0mg/m2 酢酸 2.0mg/m2 平均粒径3μmのシリカ 3.0mg/m2 化合物S 5.0mg/m
【0094】
【化10】
【0095】〈感光材料の作製〉上記で得られた下引済
み支持体の両面に、支持体に近い方(染料層)から第1
層とし、3層同時塗布した。なお下記塗布量は片面当た
りの付き量である。
【0096】 (第1層:中間層1) 石灰処理イナートゼラチン 0.1g/m2 フィルター染料F(固体分散) 30mg/m2 ソジウム−i−アミル−n−デシルスルホサクシネート 5.0mg/m2 ポリマーラテックス(ガラス転位点40℃) 70mg/m2 (第2層:乳剤層)乳剤に加えた添加剤は次のとおりで
ある。ゼラチン以外の添加量はハロゲン化銀1モル当た
りの量で示す。
【0097】 石灰処理イナートゼラチン(片面当たり) 1.25g/m2 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 70mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 0.7g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1.0g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 8.5mg コロイダルシリカ(デュポン社製ルドックスAM) 10g t−ブチルカテコール 150mg 化合物Z 1.7g KBr 200mg 硝酸タリウム 55mg トリメチロールプロパン 6.5g デキストラン(平均分子量:表1記載) 1.2g 化合物B 150mg ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量30万) 1.3g ポリマーラテックス(ガラス転移点40℃のもの) 10g *片面当たりの銀量は、1.3g/m2となるように塗布した。
【0098】(第3層:保護層)次に保護層塗布液とし
て下記を調製し塗布した。片面のm2当たり付き量を下
記に示す。
【0099】 石灰処理イナートゼラチン 0.80g デキストラン 0.15g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 28mg 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 14mg 一般式(I)の化合物又は比較化合物A,B 表2,3に記載の量 含フッ素界面活性剤 表2,3に記載の量 一般式(II)のアニオン性界面活性剤又は比較化合物C,D 表2,3に記載の量 硬膜剤H 0.1g 防腐剤 1mg
【0100】
【化11】
【0101】
【化12】
【0102】得られた試料について下記特性を評価し
た。
【0103】(表面抵抗率の評価)作製した未現像試料
を、23℃、20%RHで2時間調湿し、表側と裏側の
表面抵抗率(Ω)を測定した。但し、表面と裏面の値が
異なる試料のみ両方の値を記載した。測定に使用した装
置は、(株)川口電機製作所製の抵抗測定器R−503
を用い、電極はP−616である。
【0104】表面抵抗率σ(Ω)は次式により計算で求
めた。
【0105】σ=(P/g)Rs Rs:表面抵抗の測定値(Ω) g :電極間距離(m) P :主電極の有効長(m) 得られた表面抵抗率は、表2,3,4にlog値(Ω)
で示した。
【0106】(スタチックマークの評価)23℃、60
%RHの雰囲気で、以下の装置を用いて搬送速度20m
/minで搬送した。ゴムローラーと試料の表側を接触
させる搬送方法で20枚、裏側を接触させる搬送方法で
20枚搬送した。その後試料を未露光のまま下記現像処
理機にて現像処理し、目視にてスタティックマークを評
価した。
【0107】〔装置〕約0.5kg/cm2の圧で圧着
させたゴムローラーと金属ローラー対の間を試料を通過
させ、次いで試料の両側にステンレス製の金属板を接触
させて、最終的には絶縁性のプラスティック箱に集積す
るようにセッティングされている装置である。
【0108】判定評価基準 5.スタティックマークが認められない 4.一部の試料にスタティックマークが僅かに認められ
るが、目視では他の故障と判別困難 3.一部の試料にスタティックマークが僅かに認められ
るが、実用許容レベル 2.一部の試料にスタティックマークが認められ、実用
上問題あり 1.スタティックマークが非常に多く認められる (現像ムラの評価)試料を濃度1.1±0.1になるよ
うにハーフ露光した後、下記現像機にて現像処理し、点
状の現像ムラを目視評価した。値が大きいほど現像ムラ
が目立たないことを表す。
【0109】判定評価基準 5.現像ムラは全くなく、非常に良好 4.ごく僅かに現像ムラがあるが目立たず、良好 3.現像ムラがあるが、実用許容レベル 2.現像ムラが目立ち、実用不可能 1.現像ムラが非常に強く、全面に発生している 〔現像処理〕現像処理は自動現像機SRX−701(コ
ニカ(株)製)を早めて、Dryto Dryで25秒
処理できるように改造した。現像・定着の補充量は四切
(25.4cm×30.5cm)1枚当たり、7ccと
なるように設定した。下記現像・定着液処方を用いて処
理液を作製した。
【0110】 (現像液処方) Part−A(10リットル仕上げ用) 水酸化物カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g 1,4−ジヒドロキシベンゼン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる Part−B(10リットル仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター液処方(1リットル仕上げ用) 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1000mlに仕上げる (定着液処方) Part−A(18リットル仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g Part−B(18リットル仕上げ用) 硫酸アルミニウム 800g (現像液の調製)現像液の調製は、水約1リットルにP
art−A、Part−Bを同時添加し、攪拌溶解しな
がら水を加え10リットルに仕上げ、氷酢酸でpHを1
0.50に調整し、現像液とした。
【0111】この現像液1リットル当たり20ミリリッ
トルのスターター液を添加し、pHを10.40に調整
して使用液とした。
【0112】(定着液の調製)定着液の調製は水約5リ
ットルにPart−A、Part−Bを同時添加し、攪
拌溶解しながら水を加えて18リットルに仕上げ、硫酸
と水酸化ナトリウムを用いてpHを4.4に調整しこれ
を定着液の使用液及び定着液補充液とした。
【0113】尚、処理温度はそれぞれ現像35℃、定着
33℃、水洗20℃、乾燥45℃とした。得られた結果
を表2,3,4に示す。
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】
【化13】
【0117】
【表4】
【0118】本発明の感光材料は、表1から明らかな如
く、表面抵抗率が低く、スタチック耐性が優れており、
かつ迅速処理における現像ムラのない安定な画像が得ら
れる。
【0119】
【発明の効果】本発明により、表面抵抗率が低く、スタ
チック耐性が優れており、かつ迅速処理における現像ム
ラのない安定な画像を提供することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該感光材料の構成層の少なくとも1層が、下記一
    般式(I)の化合物及び含フッ素界面活性剤を含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜30の置換又は無置換の
    アルキル基、アルケニル基を表す。m1、n1は同じで
    も異なっていてもよく、m1、n1はそれぞれ1〜50
    である。又、m2、n2はそれぞれ0〜50である。)
  2. 【請求項2】 含フッ素界面活性剤がポリオキシエチレ
    ン基を有するノニオン性界面活性剤であることを特徴と
    する請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、少なくとも1層の感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の帯電防止層を有す
    るハロゲン化銀写真感光材料において、該感光材料の構
    成層が、前記一般式(I)の化合物を含有し、該帯電防
    止層がZn,Ti,Sn,Al,In,Si,Mg,B
    a,Mo,W及びVから選ばれる少なくとも1種を主成
    分とする導電性金属酸化物を含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該感光材料の構成層の少なくとも1層が、前記一
    般式(I)の化合物及び下記一般式(II)のアニオン性
    界面活性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。 【化2】 (式中、R1、R2は置換又は無置換のアルキル基、又は
    アルケニル基を表し、両者は同じでも異なっていても良
    い。R1+R2の炭素原子数の和は8〜14である。lは
    0又は1を表す。又、Mはカチオンを表す。)
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