JP2000026475A - 有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物の製造方法

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JP2000026475A
JP2000026475A JP10199055A JP19905598A JP2000026475A JP 2000026475 A JP2000026475 A JP 2000026475A JP 10199055 A JP10199055 A JP 10199055A JP 19905598 A JP19905598 A JP 19905598A JP 2000026475 A JP2000026475 A JP 2000026475A
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silicon compound
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JP10199055A
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Masayoshi Ito
正義 伊藤
Kenji Iwata
健二 岩田
Koji Inoue
浩二 井上
Junichi Ishikawa
石川  淳一
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ケイ素化合物の新しい製造方法を提供す
る。 【解決手段】Si2H6と、分子内に少なくとも一個の炭素
と炭素の二重結合(C=C)を有するオレフィンとを、白
金、パラジウム、ニッケル、イリジウム、ロジウム、コ
バルト、ルテニウム、または鉄を含む化合物の存在下に
反応させることによって有機ケイ素化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Si2H6と、オレフ
ィン化合物とを付加反応させ、有機ケイ素化合物を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ケイ素化合物とは、一般にSi-C結合
を有する化合物の総称であり、現在シリコーン( ポリオ
ルガノシロキサン) に代表されるように、有機ケイ素化
学工業の発展はすさまじい。有機ケイ素化合物の製造法
はいくつか知られ、代表的なものとして以下の方法があ
げられる。
【0003】 Si + RCl → R2SiCl2、R3SiCl、RSiC
l3、RSiHCl2 nRMgX + SiCl4 → RnSiCl4-n +nMgXCl(Xはハロ
ゲン原子) Na+RCl + ≡Si-Cl → ≡Si-R + NaCl CH3SiHCl2 + RCH=CH2 → R-CH2CH2Si(CH3)Cl2 C6H6 + HSiCl3 → C6H5-SiCl3 + H2 C6H5-Cl + CH3SiHCl2 → CH3(C6H5)SiCl2 + HCl は、Rochowの直接法で、金属ケイ素とハロゲン化炭化
水素とから直接有機ケイ素化合物を製造するもので、現
在の有機ケイ素工業において最も重要な基幹原料である
アルキルクロロシランを製造する方法である。ハロゲン
化炭化水素は、メチルクロライドやクロルベンゼンが工
業化されていて、これ以外のハロゲン化炭化水素は収率
も低く工業的ではない。はグリニャール法。は金属
ナトリウムによる脱塩素反応であり、任意のアルキル基
を導入できるが、グリニャール試薬、金属ナトリウムが
高価で経済的でない。は本発明にかかわる方法である
が原料はHSiCl3や直接法で副生する CH3SiHCl2などに限
定される。、はいずれも高温反応であり、原料もC6
H6、C6H5Cl、CH2CHCl、HSiCl3、CH3SiHCl2等に限定され
る。
【0004】以上述べたように現在の有機ケイ素工業の
基礎原料はメチルあるいはフェニルクロロシラン類が大
半であり、これらのケイ素化合物を出発原料に用いて、
種々のシリコーン、シランカップリング剤、シリル化剤
などの機能性化合物が開発されてきた。アルキルクロロ
シラン類を基礎原料とする従来の有機ケイ素工業プロセ
スの問題点は、1)塩化水素の発生を伴うなどクロル系で
あるためプロセス腐食が大きいこと。2)反応工程が多く
複雑であること。3)原料的制約からメチル系が中心で、
アルキル基の一個はメチル基を含むものであること、で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
従来事実の背景を充分に考慮し、新しい有機ケイ素工業
用原料の開発に鋭意努力し、本発明に至った。すなわち
本発明は、有機ケイ素工業用原料として従来全くなされ
ていないSi2H6に着目、有機ケイ素化合物を合成する工
業的ルートの開発に鋭意努力し、本発明に達することが
できたのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Si2H6と、分
子内に少なくとも一個の炭素と炭素の二重結合(C=C)を
有する炭化水素化合物とを、白金、パラジウム、ニッケ
ル、イリジウム、ロジウム、コバルト、ルテニウム、あ
るいは鉄を含む化合物の存在下に反応させることを特徴
とする、有機ケイ素化合物の製造方法に関するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において原料として用いら
れる Si2H6は、半導体産業の著しい発展に伴い、近年半
導体用ガスとして工業的生産が可能となり、安価に入取
できるようになった新しいケイ素原料であって、例え
ば、Si2Cl6 を金属水素化物等で還元する方法、あるい
は本発明者らが提案しているケイ化マグネシウムを主成
分とするケイ素合金と酸とを反応させる方法( USP 4,61
0,859 ) 等により合成する事が出来る。
【0008】もうひとつの原料は分子内に少なくとも一
個の、炭素と炭素の二重結合(C=C)を有する炭化水素化
合物、すなわちオレフィンであって、カルボキシル基、
アミノ基、アルデヒド基、シアノ基、イソシアネート
基、エポキシ基等の官能基を有することもできる。
【0009】具体例としては、CH2=CH2 、CH2=CH-CH3
CH2=CH-C2H5、CH2=C(CH3)2、CH2=CH-CH=CH2、CH2=CH-C3
H7、CH2=CH-C4H9、CH2=CH-C5H11、CH2=C=CH2、 CH2=CH-CH2-CH2-CH=CH2、CH2=CHCl、CH2=CH-CH2Cl、CH2
=CH-CH2-NH2、 CH2=CHCH2NHCH2CH2NH2、CH2=CHCH2OCO(CH3)=CH2、CH2=C
HCN2CH2SH、CH2=CHCH2NHCONH2、CH2=CHCH NCO、C6H5-CH=C
H2、CH2=CH-C6H4-CH=CH2、 CH2=CH-COOH、CH2=CH-C6H4-COOH、CH2=CH-C6H4-NCO、CH
2=CH-C6H4-OH、CH2=CH-CH2NH-C6H5、CH2=CH-C6H4-CH2Cl
などがあげられる。勿論これらは2種類以上同時に用い
ることもできる。
【0010】本発明において使用される触媒は、白金、
パラジウム、ニッケル、イリジウム、ロジウム、コバル
ト、ルテニウム、あるいは鉄を含む化合物で、具体的に
は、Pt、Pd、Ni、Ir、Rh、Co、Ru、Feなどの金属; L4P
t、L2PtCl2、[(オレフィン)PtCl2]2、H2PtCl6・6H2O、F
e(CO)5、Co2(CO)8、L2Ni( オレフィン) 、L2NiCl2 、R u
Cl3 、L3RhCl、L4Pd、L2PdCl2 、IrCl3 、R4(CO)2 、Ru
Cl2( Pφ3)3、Cr(CO)6(ただしφはフェニル、Lは PRh
3あるいはPR3)などの金属錯体; Pt/C、 Pd/Cなどの活
性炭に担持させた金属などがあげられる。触媒は均一系
又は不均一系のものであり、これらは大部分は市販され
ていて、容易に入手可能である。また容易に合成するこ
とも出来る。本発明は上述の金属あるいはその化合物を
触媒の必須成分とするもので、これ以外の触媒成分を同
時に含むことは勿論可能である。
【0011】Si2H6と上述の炭化水素との反応は特に制
限はなく、気相、液相のいずれでも行い得る。反応様式
も種々の方法を採用することができ、反応条件も反応様
式によって異なる。反応温度は0℃乃至 300℃の範囲が
望ましい。
【0012】具体的な方法としては、例えば気相雰囲気
で反応を行う場合には、反応原料ガス( Si2H6とガス状
の炭化水素 )を触媒( 好ましくは固体触媒 )表面上に導
入し、固−液異相反応系で反応させる方法を採用出来、
また、液相で行う場合には、触媒を溶解状態で含むか、
もしくは触媒粒子をスラリーとして含む液状の炭化水素
化合物にSi2H6ガスを吹き込むなどの方法が採用でき
る。後者の場合には、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、
トルエンなどのような、反応原料、すなわち、Si 2H6
るいはオレフィンのいずれとも反応しない有機化合物を
溶媒に用いることができる。また、反応圧力には特に制
限はないが、平衡上高圧であることが望ましい。また水
素、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス共存下で行うこ
ともできる。本発明における反応式は、例えば一般に下
式のように示される。 Si2H6 + CH2=CH-R → (R-CH2-CH2)mSiH4-m 上式において、生成物の生成割合は既にのべた如き反応
様式、反応温度、反応圧力、反応時間、触媒の種類、Si
2H6と炭化水素との仕込みモル比などの反応条件によっ
て任意にコントロールすることができる。反応温度は上
述のごとく0℃乃至300 ℃、反応圧力は反応の平衡上、
高圧であることが望ましいが、通常0乃至1000気圧、好
ましくは0乃至100 気圧である。反応時間は、数秒乃至
数十時間の範囲で任意に選択することが可能である。ま
た仕込モル比は目的とする生成物の種類により、任意に
変更することが可能である。
【0013】本発明の方法により得られるアルキルシラ
ン類は反応性に富むSi-H結合を含有しており、これらを
利用することで、シリコーン、シランカップリング剤、
シリル化剤、ポリマー用モノマーなどの新しい材料を創
製できる。これらを従来の技術で製造しようとすると、
アルキルクロロシラン類をLiAlH4 、NaAlH4などの高価
な還元剤で還元する方法しかなく、従って、非常に高価
なものとなる。本発明はかかる欠点を解決したもので、
高機能性の化合物を安価に提供するものである。
【0014】
【実施例】実施例1 窒素ガス雰囲気中、内容積70mlのオートクレーブに、Si
2H6を14mmol、1-ヘキセンを42mmol、触媒としてL4Pt
(L:PPh3)を0.04mmol仕込み、加圧下(6cm2/kg)、80
℃にて3時間反応を行った。反応終了後、窒素ガスで揮
発性化合物を系外のLi(OEt)2を0.5wt%含むエタノール中
に通じ、未反応Si2H6をSi(OEt)4としてガスクロマトグ
ラフにて定量した。非揮発成分は、蒸留分離後、各成分
をIR、1H NMR、13C NMR、29Si NMR、GC-MSにより構造を
確認し、その生成量をガスクロマトグラフで定量した。
【0015】得られた生成物は以下のようであった。 ヘキシルシラン [CH3(CH2)5-SiH3] 35.8% (仕込Si
2H6に対する割合) ジヘキシルシラン[[CH3(CH2)5]2SiH2] 9.5% (仕込Si
2H6に対する割合) この他少量の副生成物が認められた。
【0016】実施例2 1-ヘキセンのかわりに1,5-ヘキサジエンを用いた以外
は、実施例1と同様に実験を行った。得られた生成物は
以下のようであった。 1-ヘキセニルシラン[CH2=CH(CH2)4-SiH3]8.5% (仕込
Si2H6に対する割合) シラシクロヘプタン[-(CH2)6-SiH2-] 6.6% (仕込
Si2H6に対する割合) この他少量の副生成物が認められた。
【0017】
【発明の効果】近年工業生産が開始され入手が容易にな
ってきたSi2H6を原料に用い、新たな有機ケイ素工業用
原料として期待されるアルキルシラン類を提供すること
ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 淳一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 湘南 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ02 VQ03 VQ84 VR10 VR20 VS76 VT16 VT17 VT19 VT25 VT29 VT45 VU20 VU22 VU34 VW02 VW32 VW33 VW35

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si2 H6と、分子内に少なくとも一個の炭素
    と炭素の二重結合(C=C)を有する炭化水素化合物とを、
    白金、パラジウム、ニッケル、イリジウム、ロジウム、
    コバルト、ルテニウム、あるいは鉄を含む化合物の存在
    下に反応させることを特徴とする、有機ケイ素化合物の
    製造方法。
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