JP2000024937A - ブラシ用芯入り樹脂フィラメント及びその製造方法 - Google Patents

ブラシ用芯入り樹脂フィラメント及びその製造方法

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JP2000024937A
JP2000024937A JP10192510A JP19251098A JP2000024937A JP 2000024937 A JP2000024937 A JP 2000024937A JP 10192510 A JP10192510 A JP 10192510A JP 19251098 A JP19251098 A JP 19251098A JP 2000024937 A JP2000024937 A JP 2000024937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】母材樹脂が非溶着性の高い樹脂フィラメントを
提供する。 【解決手段】ナイロン樹脂の母材2に研磨砥粒3を含有
し、母材2の中心部にステンレス製の芯線4を埋設し
て、被研磨物との摺擦により発生する熱を効率よく逃が
し、ナイロン樹脂の被研磨物側への溶着を防ぎ、かつフ
ィラメントの剛性を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシ用として使
用される研磨材入りの樹脂フィラメントに関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】ブラシ材として使用される砥粒入りナイロ
ンは、主に動力工具用のブラシ材として需要が多く、湿
式研磨においては冷却工程が組み込まれているので問題
は発生しないが、被研磨物の防錆の観点等から湿式研磨
ができない場合、乾式研磨のみとなる。乾式研磨におい
て、上記砥粒入りナイロンブラシを使用した場合、ブラ
シの加圧・回転数・被研磨物の材質によっても変化する
が、研磨中に被研磨物とブラシ材の接触部に熱が発生す
るのは避けられず、200℃を超えた場合、ブラシ材の
発熱によりブラシ素材のナイロンが被研磨物側に溶着す
ることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ナイロンブラシ材
の問題点を解決するために、従来は、ナイロン樹脂フィ
ラメントとは別に、重量比%の金属線フィラメントを混
毛する方法も採用され、これにより、ある程度の母材の
溶着は改善されたが、ナイロン樹脂フィラメント部では
母材溶着の改善は完全なものではなく、依然として熱溶
融現象が起こる可能性が残っており、また、樹脂フィラ
メントと金属線フィラメントとを混毛する分、ブラシ製
造が煩雑となり、コスト高となる難点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の混毛
による課題について鋭意研究した結果、金属線の混毛よ
りも直接金属線を芯線としてナイロン樹脂に埋設した方
が、母材の溶着がより防止できる上、金属線の混毛に比
べて単一フィラメントの束によりブラシが製造でき、生
産効率が向上するとの知見が得られた。さらに、その芯
線としてステンレス線を使用した方が耐久性にも優れて
いることを見出し、研磨砥粒を含んだナイロン樹脂の母
材にステンレス製の芯線を埋設したブラシ用芯入り樹脂
フィラメントを完成するに至った。
【0005】この場合の母材の材質としては、回転研磨
方式などにおいて可撓性及び弾力性を有するナイロン樹
脂(例えばPA−6:融点214℃〜250℃)が好ま
しいが、これ以外に、ブラシと被研磨物との間で摩擦に
より溶融する熱可塑性樹脂、例えば、耐酸性、可撓性に
優れたポリエチレン(融点105℃〜120℃)やポリ
プロピレン(126℃〜137℃)などのオレフィン樹
脂を採用してもよい。さらに、熱可塑性樹脂以外の無機
繊維、例えば、ガラス繊維であっても適用可能である。
【0006】さらに、被研磨物をブラシで研磨する際の
方式としては、湿式研磨及び乾式研磨方式のいずれにも
適用できるが、母材の溶融又は被研磨物への溶着が起こ
り得る乾式研磨方式に使用するブラシ材に適用するのが
最適である。また、被研磨物に対して手動又は自動で摺
擦するいずれの方式にも適用可能であり、特に、熱可塑
性樹脂の被研磨物への溶着が起こりやすい回転ブラシに
適用するのが好適である。
【0007】含有する研磨砥粒としては、シリコンカー
バイト(SiC)、酸化アルミニウム(Al23)、ダ
イヤモンドなどが例示できる。また、砥粒の粒度として
は、36番(最大840μm)〜2000番(最大26
μm)のパウダー状の研磨材を例示できる(JISR6
002による試験法)。その含有率としても、被研磨物
の研磨度合いに応じて種々採用できる。さらに、研磨砥
粒にニッケルコーティングなどの熱伝導率の高い、すな
わち放熱しやすいコーティング材をコーティングするこ
とにより熱の母材滞留を回避することも可能である。
【0008】ステンレス製の芯線は、撚線又は単線のい
ずれでも適用可能であるが、単線の方が撚り戻しにより
被覆樹脂の裂傷を防止できる点で有利である。また、芯
線の頭部が毛先断面に露出するため、芯線の線径は、砥
粒の粒径よりも小であることが好ましい。具体的には、
320番の研磨砥粒(粒径126μm以下)を用いる場
合、ステンレス線としてはそれよりも小径の100μm
の極細線を採用すればよい。
【0009】なお、ステンレス芯線は、上記極細線に限
らず、フィラメントの径に対応した径のものを使用すれ
ばよい。例えば、フィラメント径が極太線、例えば直径
2mmのものを製造する場合には、ステンレス芯線もこ
れに比例して太くすればよい。
【0010】上記のように、ステンレス製の芯線を樹脂
に埋設する構造を採用すれば、樹脂の溶着が防止できる
ばかりでなく、樹脂フィラメントの剛性を格段に向上さ
せることができ、種々のブラシ製造方法、例えば、折り
返し植毛によっても、フィラメントの折れがなくなる利
点がある。
【0011】このようなステンレス芯線入り樹脂フィラ
メントの製造方法としては、母材となる溶融樹脂を押出
し成形後に砥粒を吹き付け又は含浸させる方法や、溶融
樹脂と研磨砥粒とを混合した後、これを一体的に押出し
成形する方法のいずれをも採用可能である。ただ、砥粒
の吹き付け、又は含浸させる方法の場合は、フィラメン
ト表面に付着するのみであるため、剥離しやすく、特に
回転ブラシに適用した場合には、性能劣化が顕著であ
る。従って、溶融樹脂と研磨砥粒とを混合した後、これ
を一体的に押出し成形する方法を採用するのが好適であ
る。
【0012】すなわち、母材となる熱可塑性樹脂の溶融
材と研磨砥粒とを混合し、この混合物をステンレス製の
芯線の周りに被覆するように押出し成形し、押出し成形
後の押出し線材を冷却して安定化させる。ここまでの工
程は従来の芯線の入っていない樹脂フィラメントの製造
方法と変わらない。
【0013】しかし、次の工程において、芯線の入って
いない樹脂フィラメントの場合は、フィラメントの剛性
を高めるために、延伸工程でテンションを加え、分子構
造を整列させ、引張強度・曲げ強度を高める方策を採用
していたが、ステンレス芯線が入っている樹脂フィラメ
ントでは、異材の複合材であるため、この延伸工程を採
用できない。
【0014】本発明者は、この点についても鋭意研究し
た結果、押出し成形して冷却した後の樹脂フィラメント
をガラス転移点を超える程度に加熱処理すれば母材樹脂
の分子構造が整列化するとの知見を得、これにより引張
強度及び曲げ強度を高めるようにした。
【0015】この場合の加熱手段としては、冷却した樹
脂フィラメントを加熱処理器のシリンダ(空洞)内を通
して、この部分で、伝導熱や輻射熱で外部加熱するか、
あるいは電磁波(高周波加熱)により内部加熱するかの
いずれかの手段を採用すればよい。その際の加熱温度と
しては、フィラメントの太さ、母材の材質によって変更
されるが、樹脂フィラメント分子構造の整列化が図れる
ガラス転移点温度、例えばナイロン樹脂(PA−6:ガ
ラス転移点40〜52℃)の50〜60℃を例示でき
る。この加熱温度でフィラメントには押出し加工機側か
らの引き抜き力のみ作用し芯線に所定の引張張力が作用
しているので、樹脂フィラメントの分子が動きやすくな
り、分子構造の整列化が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は芯入り樹脂フィラメント
の縦断面図、図2は同じくその製造工程を示す図であ
る。図示のごとく、本実施の形態の芯入り樹脂フィラメ
ント1は、ロールの表面に植毛され、毛先で被研磨物を
研磨する乾式回転ブラシに適用すれば最適なものであっ
て、ナイロン樹脂製の母材2に研磨砥粒3が含まれ、か
つステンレス製の芯線4が中心部に埋設されたものであ
る。
【0017】研磨砥粒3は、パウダー状のものであっ
て、320番(粒径126μm)のものが使用され、母
材2に対して18重量%含有されている。ステンレス製
の芯線4は、100μmの極細線が使用され、研磨砥粒
に比べて小径のものが採用されている。
【0018】このような樹脂フィラメント1は、図2の
ごとく、母材となるナイロン樹脂チップの溶融材と研磨
砥粒とをホッパー5,6から押出し加工機8のシリンダ
9内へ投入して混合し、この混合物を押出し加工機8の
シリンダ中心に通線されるステンレス製の芯線4の周り
に被覆するようにノズル10から押出し成形し、押出し
成形後の押出し線材を冷却器11で冷却後に、加熱処理
器12で50〜60℃で加熱処理させ、芯線4に加えら
れている引張張力により熱延伸させる。そうすると、ナ
イロン樹脂の母材分子構造が整列化され、引張強度及び
曲げ強度の高いブラシ用芯入り樹脂フィラメント1を得
ることができる。得られたフィラメント1は、所望のブ
ラシ長さに切断され、これらを束ねてロール状の基材
(図示略)に植毛して回転ブラシを得る。
【0019】このように製造された回転ブラシにより被
研磨物に対し乾式研磨を行った場合、従来よりも回転数
が上げて研磨したとしても、樹脂フィラメント1と被研
磨物の摺擦により樹脂フィラメント1が発熱するが、そ
の熱がステンレス芯線4を通って、また、熱伝導率の高
い研磨砥粒2を介して周囲に放熱するため、母材である
ナイロン樹脂の被研磨物側への溶着も防止できる。ま
た、ステンレス芯線4を母材2の中心部に埋設している
ため、剛性が高く、耐久性に優れた回転ブラシとなる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、熱可塑性樹脂の母材に研磨砥粒が含まれ、かつ
ステンレス製の芯線を埋設したから、高速回転により被
研磨物と加圧回転したとしても、母材樹脂の溶着が防止
でき、かつ剛性の高いブラシ用芯入り樹脂フィラメント
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である芯入り樹脂フィラ
メントの縦断面図
【図2】同じくその製造工程を示す図
【符号の説明】
1 芯入り樹脂フィラメント 2 母材 3 研磨砥粒 4 芯線 8 押出し加工機 11 冷却器 12 加熱処理器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂の母材に研磨砥粒が含まれ、
    かつステンレス製の芯線が埋設されたブラシ用芯入り樹
    脂フィラメント。
  2. 【請求項2】前記母材がナイロン樹脂である請求項1記
    載の樹脂フィラメント。
  3. 【請求項3】乾式研磨に使用される請求項1又は2記載
    のブラシ用芯入り樹脂フィラメント。
  4. 【請求項4】母材となる熱可塑性樹脂の溶融材と研磨砥
    粒とを混合し、この混合物をステンレス製の芯線の周り
    に被覆するように押出し成形し、押出し成形後の押出し
    線材を冷却後に、加熱処理して母材樹脂の分子構造の整
    列化を図るブラシ用芯入り樹脂フィラメントの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004058184A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toray Monofilament Co Ltd 研磨ブラシ用毛材
KR100435299B1 (ko) * 2001-12-18 2004-06-10 주식회사 엠아이텍 표면처리 연마재 함유 브러시 및 그 고정치구
JP2009113142A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Toho Yogyo Kk マルチフィラメント研磨糸の製造方法

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