JP2000024562A - 建築板の塗装装置 - Google Patents
建築板の塗装装置Info
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- JP2000024562A JP2000024562A JP11168757A JP16875799A JP2000024562A JP 2000024562 A JP2000024562 A JP 2000024562A JP 11168757 A JP11168757 A JP 11168757A JP 16875799 A JP16875799 A JP 16875799A JP 2000024562 A JP2000024562 A JP 2000024562A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 直線、曲線、連続、不連続等の任意の凹状溝
を有する建築板の該凹状溝に効果的な陰影塗装を施して
高い意匠性を持たせることを可能とする塗装装置を得
る。 【解決手段】 建築板Aを搬送する搬送手段31と、該
搬送手段により搬送される建築板の表面に形成される凹
状部5に塗装を施すための1個又は複数個の塗装ノズル
10とを有しており、塗装ノズル10の高さと噴射方向
の制御を塗装しようとする凹状溝5の短手方向断面形状
に基づく情報により行うようにする。
を有する建築板の該凹状溝に効果的な陰影塗装を施して
高い意匠性を持たせることを可能とする塗装装置を得
る。 【解決手段】 建築板Aを搬送する搬送手段31と、該
搬送手段により搬送される建築板の表面に形成される凹
状部5に塗装を施すための1個又は複数個の塗装ノズル
10とを有しており、塗装ノズル10の高さと噴射方向
の制御を塗装しようとする凹状溝5の短手方向断面形状
に基づく情報により行うようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築板の塗装装置に
関し、特に、溝等の凹状部を有する建築板の凹状部に効
果的な陰影塗装を施して高い意匠性を持たせ得るように
した建築板の塗装装置に関する。
関し、特に、溝等の凹状部を有する建築板の凹状部に効
果的な陰影塗装を施して高い意匠性を持たせ得るように
した建築板の塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に溝部を有する建築板は広く用いら
れており、通常、その表面には、意匠性を高める等の目
的で塗装が施される。従来の一般的な塗装方法は、例え
ばセメント板である基材の表面に溝部も含めて目地色の
スプレー塗装が行われ、その後で、ロールコータ法、フ
ローコーター法等により適宜色彩の表面塗装が行われ
る。
れており、通常、その表面には、意匠性を高める等の目
的で塗装が施される。従来の一般的な塗装方法は、例え
ばセメント板である基材の表面に溝部も含めて目地色の
スプレー塗装が行われ、その後で、ロールコータ法、フ
ローコーター法等により適宜色彩の表面塗装が行われ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図37は、従来の建築
板の表面上にロールコータ法による表面塗装を行った場
合の断面を示している。建築板aは表面に溝部5を有し
ており、表面塗装に際しては、最初にスプレー塗装によ
り目地色の塗膜a1 が溝部5も含めた表面全体に形成さ
れ、次いで、ロールコーターにより適宜の塗膜a2 が凸
部(表面平坦面)に形成される。図示のように、ロール
コータ法の場合、凸部が平坦面である場合には均質な塗
装が形成されるが、凹凸の大きい表面を有する建築板に
対しては塗膜が不均一となり、適切な表面塗装が行えな
い。また、ロールコータ法では溝部5内に格別の塗装を
施すことはできず、溝部5は目地色のスプレー塗装a1
のままであり、溝部5を形成する全ての面はほぼ同一濃
度である。そのために、溝部5に微妙な陰影感を出すこ
とはできない。スポンジロールを使用する場合には、あ
る程度の凹凸のある表面であっても均質な塗装は可能と
なるが、実用上、高低差が3mm程度が限度であり、ま
た、溝部5に対して所望の塗装することはできない。
板の表面上にロールコータ法による表面塗装を行った場
合の断面を示している。建築板aは表面に溝部5を有し
ており、表面塗装に際しては、最初にスプレー塗装によ
り目地色の塗膜a1 が溝部5も含めた表面全体に形成さ
れ、次いで、ロールコーターにより適宜の塗膜a2 が凸
部(表面平坦面)に形成される。図示のように、ロール
コータ法の場合、凸部が平坦面である場合には均質な塗
装が形成されるが、凹凸の大きい表面を有する建築板に
対しては塗膜が不均一となり、適切な表面塗装が行えな
い。また、ロールコータ法では溝部5内に格別の塗装を
施すことはできず、溝部5は目地色のスプレー塗装a1
のままであり、溝部5を形成する全ての面はほぼ同一濃
度である。そのために、溝部5に微妙な陰影感を出すこ
とはできない。スポンジロールを使用する場合には、あ
る程度の凹凸のある表面であっても均質な塗装は可能と
なるが、実用上、高低差が3mm程度が限度であり、ま
た、溝部5に対して所望の塗装することはできない。
【0004】フローコーター法等による場合には、高低
差の大きい表面を持つ建築板の表面に対してもある程度
良好な塗装をすることができ、かつ、溝部内にも連続し
て塗装することが可能となるが、塗膜の厚み及び色濃度
は一定であり、溝部に陰影を持つような塗装を施すこと
はできない。また、直線状の溝部に対してはある程度適
切な塗装が可能であるが、曲線状の凹溝や溝幅の変化す
る凹溝に対しては均一な塗装はできない。また、フロー
コーター法による塗装は、塗装可能な溝幅には下限があ
り、溝幅がある程度狭くなった場合には、塗装が困難に
なるといった不都合もある。
差の大きい表面を持つ建築板の表面に対してもある程度
良好な塗装をすることができ、かつ、溝部内にも連続し
て塗装することが可能となるが、塗膜の厚み及び色濃度
は一定であり、溝部に陰影を持つような塗装を施すこと
はできない。また、直線状の溝部に対してはある程度適
切な塗装が可能であるが、曲線状の凹溝や溝幅の変化す
る凹溝に対しては均一な塗装はできない。また、フロー
コーター法による塗装は、塗装可能な溝幅には下限があ
り、溝幅がある程度狭くなった場合には、塗装が困難に
なるといった不都合もある。
【0005】そのために、従来の表面塗装された建築板
は、全体として見た目に平坦感が強く、特に、凹溝等の
凹状部における陰影感が乏しいことから、高い意匠性を
得ることができない。また、いずれの場合も、平坦な表
面に数本の筋状の凹溝が形成されるような比較的単純な
表面形状を持つ建築板に塗装を施すことを前提としてお
り、複雑な凹凸形状や模様を表面に持つ建築板に対して
所望の塗装を行うことはできない。近年、造形性の高い
押し出し成形法や流し込み成形法によつて複雑な表面形
状を持つ建築板を容易に製造することが可能となり、そ
のような複雑な凹凸形状を持つ表面柄における特に凹状
部に対して所望の塗装を施すことが求められるが、満足
した意匠性を持つ表面塗装を得るには至っていない。
は、全体として見た目に平坦感が強く、特に、凹溝等の
凹状部における陰影感が乏しいことから、高い意匠性を
得ることができない。また、いずれの場合も、平坦な表
面に数本の筋状の凹溝が形成されるような比較的単純な
表面形状を持つ建築板に塗装を施すことを前提としてお
り、複雑な凹凸形状や模様を表面に持つ建築板に対して
所望の塗装を行うことはできない。近年、造形性の高い
押し出し成形法や流し込み成形法によつて複雑な表面形
状を持つ建築板を容易に製造することが可能となり、そ
のような複雑な凹凸形状を持つ表面柄における特に凹状
部に対して所望の塗装を施すことが求められるが、満足
した意匠性を持つ表面塗装を得るには至っていない。
【0006】本発明の目的は、従来の塗装装置では得ら
れなかった表面意匠性の高い建築板を得ることのできる
塗装装置を得ることにあり、特に、建築板表面に形成さ
れる、直線あるいは曲線状でありかつ短手方向断面形状
が一定でない複雑な形状の凹状部に対して、見るものに
強い陰影感を与えるような塗装を行い、それにより、高
い表面意匠性を呈することのできる建築板のための塗装
装置を得ることにある。
れなかった表面意匠性の高い建築板を得ることのできる
塗装装置を得ることにあり、特に、建築板表面に形成さ
れる、直線あるいは曲線状でありかつ短手方向断面形状
が一定でない複雑な形状の凹状部に対して、見るものに
強い陰影感を与えるような塗装を行い、それにより、高
い表面意匠性を呈することのできる建築板のための塗装
装置を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による建築板の塗装装置は、建築板を搬送す
る搬送手段と、該搬送手段により搬送される建築板の表
面に形成される凹状部に塗装を施すための1個又は複数
個の塗装ノズルとを有し、該塗装ノズルはその高さと噴
射方向が調整自在とされており、該塗装ノズルの高さと
噴射方向は、塗装しようとする凹状部の短手方向断面形
状に基づく情報により制御されることを特徴とする。
めの本発明による建築板の塗装装置は、建築板を搬送す
る搬送手段と、該搬送手段により搬送される建築板の表
面に形成される凹状部に塗装を施すための1個又は複数
個の塗装ノズルとを有し、該塗装ノズルはその高さと噴
射方向が調整自在とされており、該塗装ノズルの高さと
噴射方向は、塗装しようとする凹状部の短手方向断面形
状に基づく情報により制御されることを特徴とする。
【0008】この塗装装置を用いることにより、建築板
の表面に形成された底部域と左右の側面域とからなる凹
状部に対して、底部域が最も濃色であり側面域は該底部
域から表面側に向けて次第に淡色となるよう塗装するこ
とが可能となり、見るものに強い陰影感を与え、凹状部
の深みが実際以上に強調された高い意匠性を持つ建築板
を容易に製造することができる。
の表面に形成された底部域と左右の側面域とからなる凹
状部に対して、底部域が最も濃色であり側面域は該底部
域から表面側に向けて次第に淡色となるよう塗装するこ
とが可能となり、見るものに強い陰影感を与え、凹状部
の深みが実際以上に強調された高い意匠性を持つ建築板
を容易に製造することができる。
【0009】本発明において、凹状部の短手方向断面形
状に制限はなく、通常の樋状断面のように底部、側面、
表面の仕切りがはっきりしているものに限らず、それぞ
れの仕切りが不明瞭であったり、連続しているものであ
ってもよく、見た目に「底部」と感じられる部分があ
り、見た目に「側面」と感じられるものである凹状部は
すべて含まれる。従って、本明細書において「底部域」
というときには、そのように見た目に「底部」と感じる
ことのできる区域を広く指す言葉として用いられてお
り、「側面域」というときには、見た目に「側面」と感
じられ区域を広く指す言葉として用いられている。ま
た、「底部域」も「側面域」も平坦面である必要はな
く、凹凸面や湾曲面等であってもよい。
状に制限はなく、通常の樋状断面のように底部、側面、
表面の仕切りがはっきりしているものに限らず、それぞ
れの仕切りが不明瞭であったり、連続しているものであ
ってもよく、見た目に「底部」と感じられる部分があ
り、見た目に「側面」と感じられるものである凹状部は
すべて含まれる。従って、本明細書において「底部域」
というときには、そのように見た目に「底部」と感じる
ことのできる区域を広く指す言葉として用いられてお
り、「側面域」というときには、見た目に「側面」と感
じられ区域を広く指す言葉として用いられている。ま
た、「底部域」も「側面域」も平坦面である必要はな
く、凹凸面や湾曲面等であってもよい。
【0010】本発明による塗装装置は、好ましくは、前
記凹状部を撮像する手段と、撮像データから得られる情
報に基づき塗装ノズルの高さと傾斜角度の制御を行う手
段をさらに有すしており、凹状部の形状に則した塗装ノ
ズルの位置及び角度制御が行われる。さらに好ましく
は、前記凹状部の側面域と表面との交差部である縁部分
を検出するための手段をさらに有している。そして、こ
の縁部分に関する情報に基づき、前記塗装ノズルの位
置、塗装ノズルからの塗料の噴射を断続、塗装ノズルか
らの塗料の噴射圧を変更、等が行われ、一層意匠性の高
い凹状部の塗装か行われる。
記凹状部を撮像する手段と、撮像データから得られる情
報に基づき塗装ノズルの高さと傾斜角度の制御を行う手
段をさらに有すしており、凹状部の形状に則した塗装ノ
ズルの位置及び角度制御が行われる。さらに好ましく
は、前記凹状部の側面域と表面との交差部である縁部分
を検出するための手段をさらに有している。そして、こ
の縁部分に関する情報に基づき、前記塗装ノズルの位
置、塗装ノズルからの塗料の噴射を断続、塗装ノズルか
らの塗料の噴射圧を変更、等が行われ、一層意匠性の高
い凹状部の塗装か行われる。
【0011】前記塗装装置は一個のみで用いることも可
能であり、また、塗装装置を角度を変えて複数個配置
し、それら複数の塗装装置を塗装しようとする建築板が
連続して通過するようにし、それにより、交差する方向
に多数形成された凹状部に対して、連続的に上記のよう
な態様の塗装を施すようにしてもよい。
能であり、また、塗装装置を角度を変えて複数個配置
し、それら複数の塗装装置を塗装しようとする建築板が
連続して通過するようにし、それにより、交差する方向
に多数形成された凹状部に対して、連続的に上記のよう
な態様の塗装を施すようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明による塗装装置によって塗装される建築板Aの一部を
拡大して示しており、図1aの例では、本体aはセメン
ト板であり、その表面には、底面2と左右の側面3、4
とからなる、短手方向断面において左右対称形状をなす
凹状溝5が形成されている。凹状溝5には、後記する塗
装方法により塗装が施されており、該塗装は、底面2近
傍が最も濃色であり、左右の側面3、4は、底面2から
表面6に向けて(図で矢印方向に)次第に淡色となるよ
うにされている。塗料の色彩は任意であるが、従来の建
築板における目地部分の色調を呈する色彩であってもよ
く、他の色彩により意匠性を持たせるようにしてもよ
い。なお、図1では、図示の都合上、色濃度の境界線が
現れているが、実際の製品では連続的に色濃度が変化し
ており、境界線は現れない。
態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明による塗装装置によって塗装される建築板Aの一部を
拡大して示しており、図1aの例では、本体aはセメン
ト板であり、その表面には、底面2と左右の側面3、4
とからなる、短手方向断面において左右対称形状をなす
凹状溝5が形成されている。凹状溝5には、後記する塗
装方法により塗装が施されており、該塗装は、底面2近
傍が最も濃色であり、左右の側面3、4は、底面2から
表面6に向けて(図で矢印方向に)次第に淡色となるよ
うにされている。塗料の色彩は任意であるが、従来の建
築板における目地部分の色調を呈する色彩であってもよ
く、他の色彩により意匠性を持たせるようにしてもよ
い。なお、図1では、図示の都合上、色濃度の境界線が
現れているが、実際の製品では連続的に色濃度が変化し
ており、境界線は現れない。
【0013】この凹状溝5の塗装は、表面部6の塗装を
行う前に行ってもよく、表面塗装の後に行ってもよい
が、後者の場合には、図1bに示すように、例えばスプ
レー方式等により表面のスパッタ塗装6aを行うような
場合に、凹状溝5に入り込んだ不要なスパツタ模様を容
易に消去することができ、結果として、凸部(表面部)
のスパッタ模様が強調されて、意匠性の高い建築板Aが
得られる。凹状溝5にこのような濃度差を持つ塗装を施
すことにより、見るものに強い陰影感を与えることがで
き、深みが実際以上に強調される結果、高い意匠性がも
たらされる。
行う前に行ってもよく、表面塗装の後に行ってもよい
が、後者の場合には、図1bに示すように、例えばスプ
レー方式等により表面のスパッタ塗装6aを行うような
場合に、凹状溝5に入り込んだ不要なスパツタ模様を容
易に消去することができ、結果として、凸部(表面部)
のスパッタ模様が強調されて、意匠性の高い建築板Aが
得られる。凹状溝5にこのような濃度差を持つ塗装を施
すことにより、見るものに強い陰影感を与えることがで
き、深みが実際以上に強調される結果、高い意匠性がも
たらされる。
【0014】図2は、建築板Aの他の実施形態を拡大し
て示す平面図(図2a)と側面図(図2b)であり、こ
の例では、表面に形成される凹状溝5の短手方向断面形
状が左右対称でなく、一方の側面4が他方の側面3より
も大きく傾斜した形状となっている。従って、凹状溝5
を上方から水平投影した場合には、左側の側面3の水平
成分は右側の側面4の水平成分よりも長くなる。この実
施例において、該水平成分の長い方の側面(すなわち、
左側側面3)の平均濃度が短い方の側面(すなわち、右
側側面4)の平均濃度よりも淡色となるように塗装がさ
れる。
て示す平面図(図2a)と側面図(図2b)であり、こ
の例では、表面に形成される凹状溝5の短手方向断面形
状が左右対称でなく、一方の側面4が他方の側面3より
も大きく傾斜した形状となっている。従って、凹状溝5
を上方から水平投影した場合には、左側の側面3の水平
成分は右側の側面4の水平成分よりも長くなる。この実
施例において、該水平成分の長い方の側面(すなわち、
左側側面3)の平均濃度が短い方の側面(すなわち、右
側側面4)の平均濃度よりも淡色となるように塗装がさ
れる。
【0015】図2に示すような形状の凹状溝5を持つ建
築板Aを建物に取り付けたとき、傾斜角度の小さい方の
側面3は他の側面4よりも多く見るものの目に入る。凹
状溝5全体が同じ濃度に塗装されている場合でも、多く
目に入る方の側面3が明るく見え、あまり目に入らない
方の側面4の方は影となってそれよりも暗く見える傾向
にある。図2の形態はこの視覚現象を利用するものであ
り、水平成分の長い方の側面(すなわち、左側側面3)
の平均濃度が短い方の側面(すなわち、右側側面4)の
平均濃度よりも淡色となるように塗装することにより、
その明暗の差をさらに強調することができ、見るものに
実際以上の凹凸感を感じさせる。それにより、高い意匠
性を持つ建築板Aが得られる。
築板Aを建物に取り付けたとき、傾斜角度の小さい方の
側面3は他の側面4よりも多く見るものの目に入る。凹
状溝5全体が同じ濃度に塗装されている場合でも、多く
目に入る方の側面3が明るく見え、あまり目に入らない
方の側面4の方は影となってそれよりも暗く見える傾向
にある。図2の形態はこの視覚現象を利用するものであ
り、水平成分の長い方の側面(すなわち、左側側面3)
の平均濃度が短い方の側面(すなわち、右側側面4)の
平均濃度よりも淡色となるように塗装することにより、
その明暗の差をさらに強調することができ、見るものに
実際以上の凹凸感を感じさせる。それにより、高い意匠
性を持つ建築板Aが得られる。
【0016】図示しないが、この場合に、図1に示した
もののように、左右のあるいはいずれか一方の側面にお
ける濃度を底部から表面側に向けて次第に淡色となるよ
うにしてもよく、そうすることにより、さらに高い意匠
性が得られる。
もののように、左右のあるいはいずれか一方の側面にお
ける濃度を底部から表面側に向けて次第に淡色となるよ
うにしてもよく、そうすることにより、さらに高い意匠
性が得られる。
【0017】建築板Aにおいて、表面に形成する前記凹
状溝5の短手方向の断面形状及び平面形状は任意であ
り、限定されない。図3A〜G、図4H〜Oは、凹状部
の短手方向断面形状の幾つかの例を示している。図3A
は凹状溝5は普通の凹溝であるが、表面凸部6、6が平
坦でない(同一平面でない)もの、図3Bは凹状溝5は
普通の凹溝であるが、表面凸部6がさらに凹凸を有する
もの、図3Cは凹状溝5の一方の側面4が異なる角度の
傾斜面4a、4bとなっているもの、図3Dは凹状溝5
の底面2が傾斜しているもの、図3Eは凹状溝5の一方
の側面4が階段状4cとなっているもの、図3Fは表面
6と凹状溝5との全体が連続した曲面により形成されて
いるもの、図3Gは凹状溝5の一方の側面4が湾曲面と
なっているもの、である。
状溝5の短手方向の断面形状及び平面形状は任意であ
り、限定されない。図3A〜G、図4H〜Oは、凹状部
の短手方向断面形状の幾つかの例を示している。図3A
は凹状溝5は普通の凹溝であるが、表面凸部6、6が平
坦でない(同一平面でない)もの、図3Bは凹状溝5は
普通の凹溝であるが、表面凸部6がさらに凹凸を有する
もの、図3Cは凹状溝5の一方の側面4が異なる角度の
傾斜面4a、4bとなっているもの、図3Dは凹状溝5
の底面2が傾斜しているもの、図3Eは凹状溝5の一方
の側面4が階段状4cとなっているもの、図3Fは表面
6と凹状溝5との全体が連続した曲面により形成されて
いるもの、図3Gは凹状溝5の一方の側面4が湾曲面と
なっているもの、である。
【0018】さらに、図4Hは凹状溝5の底面2にさら
に凹部2aが形成されたもの、図4Iは凹状溝5が連続
した湾曲面であり、その底部にさらに凹溝2bを形成し
たもの、図4Jは凹状溝5の底面が連続した凹凸面2c
とされたもの、図4Kは凹状溝5の底面が連続した湾曲
面2dとされたもの、図4L、Mは凹状溝5全体が連続
した凹凸面とされたもの、図4Nは深さの異なる複数本
の凹状溝5a、5bが長手方向に形成されたもの、図4
Oは幅の異なる複数本の凹状溝5a、5cが長手方向に
形成されたもの、である。これらのものはあくまでも例
示であり、他に多くのものが存在し得る。
に凹部2aが形成されたもの、図4Iは凹状溝5が連続
した湾曲面であり、その底部にさらに凹溝2bを形成し
たもの、図4Jは凹状溝5の底面が連続した凹凸面2c
とされたもの、図4Kは凹状溝5の底面が連続した湾曲
面2dとされたもの、図4L、Mは凹状溝5全体が連続
した凹凸面とされたもの、図4Nは深さの異なる複数本
の凹状溝5a、5bが長手方向に形成されたもの、図4
Oは幅の異なる複数本の凹状溝5a、5cが長手方向に
形成されたもの、である。これらのものはあくまでも例
示であり、他に多くのものが存在し得る。
【0019】図5A〜F、図6G〜L、図7M〜Qは、
建築板表面に形成される凹状溝5の表面形状を示すもの
であり、建築板Aを表面から見た状態を示している。図
5Aは直線状の凹状溝5であり、図5BはS字状に湾曲
した曲線状の凹状溝5であり、図5Cは折れ線状となっ
た直線状の凹状溝5であり、図5Dは直線部と曲線部と
が組み合わされた凹状溝5であり、図5Eは折れ線状と
なった直線状の凹状溝5が途中で不連続とされているも
のであり、図5FはS字状に湾曲した曲線状の凹状溝5
が途中で不連続とされているものである。
建築板表面に形成される凹状溝5の表面形状を示すもの
であり、建築板Aを表面から見た状態を示している。図
5Aは直線状の凹状溝5であり、図5BはS字状に湾曲
した曲線状の凹状溝5であり、図5Cは折れ線状となっ
た直線状の凹状溝5であり、図5Dは直線部と曲線部と
が組み合わされた凹状溝5であり、図5Eは折れ線状と
なった直線状の凹状溝5が途中で不連続とされているも
のであり、図5FはS字状に湾曲した曲線状の凹状溝5
が途中で不連続とされているものである。
【0020】図6Gは直線状の凹状溝5の溝幅が部分的
に異なるようにされたものであり、図6Hは折れ線状と
なった直線状の凹状溝部と曲線状となった凹状溝部とが
連続状に形成されたものであり、図6Iは直線状の凹状
溝5が不連続とされているものであり、図6Jは折れ線
状となった直線状の凹状部の溝幅が部分的に異なるよう
にされたものであり、図6Kは直線状の凹状溝5の溝幅
が弧状に部分的に異なるようにされたものであり、図6
Lは直線状の凹状溝5の溝幅が部分的に異なるようにさ
れかつ途中で不連続とされたものである。
に異なるようにされたものであり、図6Hは折れ線状と
なった直線状の凹状溝部と曲線状となった凹状溝部とが
連続状に形成されたものであり、図6Iは直線状の凹状
溝5が不連続とされているものであり、図6Jは折れ線
状となった直線状の凹状部の溝幅が部分的に異なるよう
にされたものであり、図6Kは直線状の凹状溝5の溝幅
が弧状に部分的に異なるようにされたものであり、図6
Lは直線状の凹状溝5の溝幅が部分的に異なるようにさ
れかつ途中で不連続とされたものである。
【0021】図7M〜Qは縦方向の凹溝5’と横方向の
凹溝5''とにより凹状溝5を形成する例であり、図7M
では縦溝5’と横溝5''とが井桁状に交差しており、図
7Nでは縦溝5’の間を接続しない状態に横溝5''が配
置されており、図7Oでは縦溝5’と横溝5''とが段違
い状に交差している。また、図7PはほぼL字状をなす
大小の凹状溝5c、5dが方向性をもって多数配置され
たものであり、図7Qは、そのL字状をなす大小の凹状
溝5c、5dが不連続とされたものである。前記のよう
な断面形状及び表面形状の凹状溝5の全てに対して、あ
るいは、適宜の選択した部分に対して、前記した塗装態
様が施される。
凹溝5''とにより凹状溝5を形成する例であり、図7M
では縦溝5’と横溝5''とが井桁状に交差しており、図
7Nでは縦溝5’の間を接続しない状態に横溝5''が配
置されており、図7Oでは縦溝5’と横溝5''とが段違
い状に交差している。また、図7PはほぼL字状をなす
大小の凹状溝5c、5dが方向性をもって多数配置され
たものであり、図7Qは、そのL字状をなす大小の凹状
溝5c、5dが不連続とされたものである。前記のよう
な断面形状及び表面形状の凹状溝5の全てに対して、あ
るいは、適宜の選択した部分に対して、前記した塗装態
様が施される。
【0022】次に、図1、図2に示すような態様に凹状
部を塗装するのに好適な塗装ノズルを図8に基づき説明
する。この塗装ノズル10は、中央に偏平楕円の形状で
ある塗料吐出孔11を持つ先端部分12と、該先端部分
12の塗料吐出孔11に接続する塗料送給路13を持つ
本体部14とから構成され、前記塗料送給路13内に
は、吐出の停止と開始及び吐出量を調整するためのポペ
ットバー15が、図示しないソレノイド等の機構により
上下方向に移動自在に挿入されている。16は漏れ防止
とガイドを兼ねるパッキンである。
部を塗装するのに好適な塗装ノズルを図8に基づき説明
する。この塗装ノズル10は、中央に偏平楕円の形状で
ある塗料吐出孔11を持つ先端部分12と、該先端部分
12の塗料吐出孔11に接続する塗料送給路13を持つ
本体部14とから構成され、前記塗料送給路13内に
は、吐出の停止と開始及び吐出量を調整するためのポペ
ットバー15が、図示しないソレノイド等の機構により
上下方向に移動自在に挿入されている。16は漏れ防止
とガイドを兼ねるパッキンである。
【0023】前記塗料送給路13には側路17が形成さ
れており、該側路17は図示しない塗料加圧供給源に接
続している。前記先端部分12には、さらに、前記塗料
吐出孔11の両側部に、塗料吐出孔11から噴出する塗
料膜20の両端21、21近傍に低圧エアを噴出するこ
とができるように、エア吐出孔23、23が形成されて
おり、該エア吐出孔23は図示しない圧力エア供給源に
接続している。
れており、該側路17は図示しない塗料加圧供給源に接
続している。前記先端部分12には、さらに、前記塗料
吐出孔11の両側部に、塗料吐出孔11から噴出する塗
料膜20の両端21、21近傍に低圧エアを噴出するこ
とができるように、エア吐出孔23、23が形成されて
おり、該エア吐出孔23は図示しない圧力エア供給源に
接続している。
【0024】この塗装ノズル10では、塗料吐出孔11
の形状が偏平楕円であることから、前記ポペットバー1
5の位置を調整することにより、塗料加圧供給源から塗
料送給路13を通して供給される塗料は、液圧0.5〜
2.0kg/cm2 程度でかつ整流状態で塗料吐出孔1
1から扇形状に噴出し、その塗装パターン25は横一線
状となる。そして、前記エア吐出孔23、23のエア噴
出方向は、図8に示すように、前記横一線状となって噴
射される塗料膜20の両端近傍21、21に沿って好ま
しくは1.0〜2.0kg/cm2 程度の圧力で噴出す
ることから、噴射される塗料膜20の両端は霧状化(微
粒化)22、22され、塗装パターン25での直線模様
の両端26、26はぼけた状態、すなわち、直線模様の
中央部分の濃度よりも両端部分は外側に向けて次第に淡
色となった状態となる。
の形状が偏平楕円であることから、前記ポペットバー1
5の位置を調整することにより、塗料加圧供給源から塗
料送給路13を通して供給される塗料は、液圧0.5〜
2.0kg/cm2 程度でかつ整流状態で塗料吐出孔1
1から扇形状に噴出し、その塗装パターン25は横一線
状となる。そして、前記エア吐出孔23、23のエア噴
出方向は、図8に示すように、前記横一線状となって噴
射される塗料膜20の両端近傍21、21に沿って好ま
しくは1.0〜2.0kg/cm2 程度の圧力で噴出す
ることから、噴射される塗料膜20の両端は霧状化(微
粒化)22、22され、塗装パターン25での直線模様
の両端26、26はぼけた状態、すなわち、直線模様の
中央部分の濃度よりも両端部分は外側に向けて次第に淡
色となった状態となる。
【0025】この塗装ノズル10を持つ塗装装置を用い
て建築板の凹状部の塗装を行う。その際に、前記整流状
態となって噴出する塗料膜20が描く直線模様の中央部
分が凹状部の底部域に吹き付けられるようにして塗装装
置の位置制御を行う。それにより、左右の側面域には、
低圧エアの噴出により霧状化(微粒化)された部分2
6、26が主として吹きつけられることとなり、その結
果、図1に示すように、底部域が最も濃色であり、側面
域は底部域から表面側に向けて次第に淡色となるように
塗装が施される。その結果、凹状部の陰影感が増強さ
れ、実際以上の高低差を見るものに感じさせることがで
きる。それにより、表面の意匠性は向上する。
て建築板の凹状部の塗装を行う。その際に、前記整流状
態となって噴出する塗料膜20が描く直線模様の中央部
分が凹状部の底部域に吹き付けられるようにして塗装装
置の位置制御を行う。それにより、左右の側面域には、
低圧エアの噴出により霧状化(微粒化)された部分2
6、26が主として吹きつけられることとなり、その結
果、図1に示すように、底部域が最も濃色であり、側面
域は底部域から表面側に向けて次第に淡色となるように
塗装が施される。その結果、凹状部の陰影感が増強さ
れ、実際以上の高低差を見るものに感じさせることがで
きる。それにより、表面の意匠性は向上する。
【0026】次に、上記のような塗装ノズル10を持つ
塗装装置を用いて、短手方向の断面形状が左右対象でな
い凹状部を塗装する場合について説明する。本発明によ
る塗装方法によれば、そのような凹状部の左右の側面域
は、凹状部を上方から水平投影した場合に水平成分の長
い方の側面域の平均濃度が短い方の側面域の平均濃度よ
りも淡色となるように塗装される。
塗装装置を用いて、短手方向の断面形状が左右対象でな
い凹状部を塗装する場合について説明する。本発明によ
る塗装方法によれば、そのような凹状部の左右の側面域
は、凹状部を上方から水平投影した場合に水平成分の長
い方の側面域の平均濃度が短い方の側面域の平均濃度よ
りも淡色となるように塗装される。
【0027】前記のように、建築板表面に形成された凹
状部を真上から見たとき、それを凹状部の中心位置に対
して左右に分けた場合、多く目に入る側面部の方が明る
く見え、あまり目に入らない側面部は影となってそれよ
り暗く見える傾向にある。前記のようにして左右の側面
域を濃淡をもたせて塗装することによって、その視覚的
現象をさらに強調し、意匠性を高めることとなるが、本
発明では、そのためのパラメータとして、凹状部の底面
(底面域)2の中心線上に立てた鉛直線Lが、上部開口
両端部をつなぐ線分(すなわち、左右の側面域と建築板
の表面とが交差する2点間を結ぶ直線)と交差すること
で2分される2つの線分の長さL1とL2を用いる。そ
して、長い線分が属する側の側面域は、短い線分が属す
る側の側面域よりも明るく見えるので、該側面域への噴
射距離が長くなるように、塗装ノズル10の位置と噴射
角度とをL1/L2(L1>=L2のとき)又はL2/
L2(L2>=L1のとき)の比に応じて調整する。
状部を真上から見たとき、それを凹状部の中心位置に対
して左右に分けた場合、多く目に入る側面部の方が明る
く見え、あまり目に入らない側面部は影となってそれよ
り暗く見える傾向にある。前記のようにして左右の側面
域を濃淡をもたせて塗装することによって、その視覚的
現象をさらに強調し、意匠性を高めることとなるが、本
発明では、そのためのパラメータとして、凹状部の底面
(底面域)2の中心線上に立てた鉛直線Lが、上部開口
両端部をつなぐ線分(すなわち、左右の側面域と建築板
の表面とが交差する2点間を結ぶ直線)と交差すること
で2分される2つの線分の長さL1とL2を用いる。そ
して、長い線分が属する側の側面域は、短い線分が属す
る側の側面域よりも明るく見えるので、該側面域への噴
射距離が長くなるように、塗装ノズル10の位置と噴射
角度とをL1/L2(L1>=L2のとき)又はL2/
L2(L2>=L1のとき)の比に応じて調整する。
【0028】以下、具体例に基づき説明する。凹状部
は、通常、両側面部と底面部の3面構成をとっており、
該凹状部の短手方向断面形状に関する情報を、事前に、
デジタルカメラ等の撮像機器を用いて取得する。すなわ
ち、図9に示すように撮像装置が撮像した撮像データを
ディスプレー上に画像展開して、そこで凹状溝5を形成
する上部開口両端の2点A、Bと、底部両端の2点C、
Dの各座標をマウス等で特定する。このようにして、凹
状部の短手方向断面形状に関する4点(A,B,C,
D)の座標を求める。次に、今、A(x1 ,y1 )、B
(x2 ,y2 )、C(x3 ,y3 )、D(x4 ,y4 )
とすると、底面(線分CD)の中心線上に立てた鉛直L
が、上部開口両端部をつなぐ線分(AB)と交差する点
の座標P(xi ,yi )は、次式、により求められ
る。 xi =x3 +(x4 −x3 )/2・・ yi =y1 +{(xi −x1 )/(x2 −x1 )}×(y2 −y1 )・・
は、通常、両側面部と底面部の3面構成をとっており、
該凹状部の短手方向断面形状に関する情報を、事前に、
デジタルカメラ等の撮像機器を用いて取得する。すなわ
ち、図9に示すように撮像装置が撮像した撮像データを
ディスプレー上に画像展開して、そこで凹状溝5を形成
する上部開口両端の2点A、Bと、底部両端の2点C、
Dの各座標をマウス等で特定する。このようにして、凹
状部の短手方向断面形状に関する4点(A,B,C,
D)の座標を求める。次に、今、A(x1 ,y1 )、B
(x2 ,y2 )、C(x3 ,y3 )、D(x4 ,y4 )
とすると、底面(線分CD)の中心線上に立てた鉛直L
が、上部開口両端部をつなぐ線分(AB)と交差する点
の座標P(xi ,yi )は、次式、により求められ
る。 xi =x3 +(x4 −x3 )/2・・ yi =y1 +{(xi −x1 )/(x2 −x1 )}×(y2 −y1 )・・
【0029】そこで、線分L1(すなわち、線分AP)
と線分L2(すなわち、線分PB)は、次式、で求
められる。 L1=|((xi −x1 )2 +(yi −y1 )2 )1/2 |・・ L2=|((x2 −xi )2 +(y2 −yi )2 )1/2 |・・
と線分L2(すなわち、線分PB)は、次式、で求
められる。 L1=|((xi −x1 )2 +(yi −y1 )2 )1/2 |・・ L2=|((x2 −xi )2 +(y2 −yi )2 )1/2 |・・
【0030】次に、求めたL1、L2の大小比較を行っ
て塗装ノズルの噴射方向を決め、さらに、L1/L2又
はL2/L1の比に応じて噴射角度αを決定する。すな
わち、図10に示すように、塗装ノズルの高さ、すなわ
ち、凹状部の底面2の平均高さ位置から塗装ノズル先端
までの距離hsを決定する。塗装ノズルは、一般にその
最適仕様条件から、それぞれの標準スプレー距離及び該
標準スプレー距離に対応する塗装パターン幅Ls(図8
参照)を有している。そこで、図10に示すように、前
記標準塗装パターン幅Lsが塗装しようとする凹状部の
底面2の幅にほぼ一致する高さに塗装ノズル高さhsを
設定する。
て塗装ノズルの噴射方向を決め、さらに、L1/L2又
はL2/L1の比に応じて噴射角度αを決定する。すな
わち、図10に示すように、塗装ノズルの高さ、すなわ
ち、凹状部の底面2の平均高さ位置から塗装ノズル先端
までの距離hsを決定する。塗装ノズルは、一般にその
最適仕様条件から、それぞれの標準スプレー距離及び該
標準スプレー距離に対応する塗装パターン幅Ls(図8
参照)を有している。そこで、図10に示すように、前
記標準塗装パターン幅Lsが塗装しようとする凹状部の
底面2の幅にほぼ一致する高さに塗装ノズル高さhsを
設定する。
【0031】次に、前記L1、L2のうち、その値が小
さい方(図示の例ではL2の方向)へ、前記鉛直線Lか
らL1/L2(L1>L2である)の値に従った所定量
mだけ、塗装ノズルの位置を水平方向に移動し、次に、
塗装ノズルの傾斜角度αを決定する(すなわち、塗料膜
20が形成する標準スプレー距離での噴射パターンであ
る二等辺三角形が、図10に示すような凹状溝5内に形
成し得る限界位置をディスプレー上に展開された画像よ
り作図法によって求めることで最適移動量mと、そのと
きの傾斜角度αが決定される。その場合、mについては
安全性を考慮して、限界位置よりも若干短めの値に設定
し、それに応じた値αを設定する。このような作業を、
想定した類似断面形状のいくつかの凹溝に対して行うこ
とで、L1/L2の値とm、αとの対応をとり、対応テ
ーブルデータより、対象とする凹溝におけるL1/L2
の値に応じたm及びαの値を補間法等により推定す
る。)。
さい方(図示の例ではL2の方向)へ、前記鉛直線Lか
らL1/L2(L1>L2である)の値に従った所定量
mだけ、塗装ノズルの位置を水平方向に移動し、次に、
塗装ノズルの傾斜角度αを決定する(すなわち、塗料膜
20が形成する標準スプレー距離での噴射パターンであ
る二等辺三角形が、図10に示すような凹状溝5内に形
成し得る限界位置をディスプレー上に展開された画像よ
り作図法によって求めることで最適移動量mと、そのと
きの傾斜角度αが決定される。その場合、mについては
安全性を考慮して、限界位置よりも若干短めの値に設定
し、それに応じた値αを設定する。このような作業を、
想定した類似断面形状のいくつかの凹溝に対して行うこ
とで、L1/L2の値とm、αとの対応をとり、対応テ
ーブルデータより、対象とする凹溝におけるL1/L2
の値に応じたm及びαの値を補間法等により推定す
る。)。
【0032】図10に示すように、この状態での塗装ノ
ズル10からの標準スプレー距離hsでの塗装パターン
は、その塗装パターン幅Lsの一方端側(図10で右側
端)が前記座標点D(図9)近傍に位置しており、それ
よりも左側では、標準スプレー距離hsよりも長い距離
の所が塗装面となる。そのために、長い線分L1側の側
面3の平均濃度は前記短い線分L2側の側面4の平均濃
度よりも淡色となる。さらに、噴射される塗料膜の両端
は前記のように微粒化されているので、底面部分での塗
装よりも側面部分での塗装は次第に表面側に向けて淡色
となった状態で塗装される。
ズル10からの標準スプレー距離hsでの塗装パターン
は、その塗装パターン幅Lsの一方端側(図10で右側
端)が前記座標点D(図9)近傍に位置しており、それ
よりも左側では、標準スプレー距離hsよりも長い距離
の所が塗装面となる。そのために、長い線分L1側の側
面3の平均濃度は前記短い線分L2側の側面4の平均濃
度よりも淡色となる。さらに、噴射される塗料膜の両端
は前記のように微粒化されているので、底面部分での塗
装よりも側面部分での塗装は次第に表面側に向けて淡色
となった状態で塗装される。
【0033】上記のように、本発明による塗装方法を取
ることにより、常に、凹状部を上方から水平投影した場
合に水平成分の長い方の側面域の平均濃度を短い方の側
面域の平均濃度よりも淡色となるよう、かつ、底部域近
傍が最も濃色であり、左右の側面域は該底部域から表面
側に向けて次第に淡色となるように、塗装することが可
能となり、塗装された凹状部を見るものに、強い陰影感
を与えることができ、建築板表面全体の意匠性を高める
ことができる。
ることにより、常に、凹状部を上方から水平投影した場
合に水平成分の長い方の側面域の平均濃度を短い方の側
面域の平均濃度よりも淡色となるよう、かつ、底部域近
傍が最も濃色であり、左右の側面域は該底部域から表面
側に向けて次第に淡色となるように、塗装することが可
能となり、塗装された凹状部を見るものに、強い陰影感
を与えることができ、建築板表面全体の意匠性を高める
ことができる。
【0034】凹状部の底面寸法によっては、図11に示
すように、短手方向における断面形状での底面域の幅L
iが標準スプレー距離hsに対応する塗装パターン幅L
sに満たない場合があり得る。その場合には、断面の左
右の側面の間に塗装パターン幅Lsが確保できる位置ま
で塗装ノズル10を上昇(距離x)させる。その後、実
際の底面2の中心線上に立てた鉛直線Lと、線分ABと
の交点によって2分される線分の長さを前記のように式
〜で求め、以下同様にして塗装ノズルの位置と噴射
角度を決定する。この場合には、噴射距離は図10に示
した場合よりも長くなるが、整流状態で塗布される部分
が両側面部分下部にまで及ぶものの、それよりも上部の
側面部における濃度変化、濃度差は同様に達成される。
もちろん、上記の制御は、凹状部の短手方向断面におい
て左右の側面の間に塗装パターン幅Lsが確保できる場
合に限られる。幅Lsが確保できない断面部分を多く持
つ凹状部を塗装する場合には、より狭い塗装パターン幅
を持つ塗装ノズルに変更することが必要となる。
すように、短手方向における断面形状での底面域の幅L
iが標準スプレー距離hsに対応する塗装パターン幅L
sに満たない場合があり得る。その場合には、断面の左
右の側面の間に塗装パターン幅Lsが確保できる位置ま
で塗装ノズル10を上昇(距離x)させる。その後、実
際の底面2の中心線上に立てた鉛直線Lと、線分ABと
の交点によって2分される線分の長さを前記のように式
〜で求め、以下同様にして塗装ノズルの位置と噴射
角度を決定する。この場合には、噴射距離は図10に示
した場合よりも長くなるが、整流状態で塗布される部分
が両側面部分下部にまで及ぶものの、それよりも上部の
側面部における濃度変化、濃度差は同様に達成される。
もちろん、上記の制御は、凹状部の短手方向断面におい
て左右の側面の間に塗装パターン幅Lsが確保できる場
合に限られる。幅Lsが確保できない断面部分を多く持
つ凹状部を塗装する場合には、より狭い塗装パターン幅
を持つ塗装ノズルに変更することが必要となる。
【0035】上記説明では、凹状部の短手方向断面形状
として、ほぼ樋状断面のもの、すなわち、底面及び側面
が平坦面であり、かつ、底部と側面との仕切り点座標、
左右の側面と表面との仕切り点座標が明確である断面形
状のものを例として説明したが、本発明の塗装方法は、
底面及び側面が平坦面でなく凹凸面であったり湾曲面で
あっても、実質的に支承なく用いることができる。図1
2、図13はその幾つかの例を示しており、図12は凹
状部の底面域の幅が標準スプレー距離hsに対応する塗
装パターン幅Lsにほぼ相当する場合の例であり、図1
3は凹状部の底面域の幅が標準スプレー距離hsに対応
する塗装パターン幅Lsに満たない場合の例である。い
ずれの場合にも、前記4点の座標点(A〜D)として
は、図で黒点位置をマウス等で特定することで近似的に
求める。そして、図12の示す形状の場合には、前記図
10に基づき説明した手法により、図13の示す形状の
場合には、前記図11に基づき説明した手法により、そ
れぞれ演算する。
として、ほぼ樋状断面のもの、すなわち、底面及び側面
が平坦面であり、かつ、底部と側面との仕切り点座標、
左右の側面と表面との仕切り点座標が明確である断面形
状のものを例として説明したが、本発明の塗装方法は、
底面及び側面が平坦面でなく凹凸面であったり湾曲面で
あっても、実質的に支承なく用いることができる。図1
2、図13はその幾つかの例を示しており、図12は凹
状部の底面域の幅が標準スプレー距離hsに対応する塗
装パターン幅Lsにほぼ相当する場合の例であり、図1
3は凹状部の底面域の幅が標準スプレー距離hsに対応
する塗装パターン幅Lsに満たない場合の例である。い
ずれの場合にも、前記4点の座標点(A〜D)として
は、図で黒点位置をマウス等で特定することで近似的に
求める。そして、図12の示す形状の場合には、前記図
10に基づき説明した手法により、図13の示す形状の
場合には、前記図11に基づき説明した手法により、そ
れぞれ演算する。
【0036】次に、建築板表面に形成された凹状部に対
して前記の方法で塗装するのに好適に用いることのでき
る塗装装置の一例について説明する。図14は本発明に
かかる塗装装置40を図で紙面に直交する方向に搬送さ
れる建築板Aの上方に配置した状態を正面から見た図で
あって、表面に凹状溝5・・を長手方向に多数本(図で
は5本)形成した建築板Aは搬送ローラコンベア31上
を搬送され、その上方には、凹状溝5の本数に対応した
数の塗装装置40が、レール41a、41bに沿って図
で左右方向(すなわち、建築板Aの搬送方向に直交する
方向)に位置制御可能な状態で配置されている(図15
も参照)。なお、図14で33は建築板Aの案内体であ
り、32は搬送ローラコンベア31の回動支持軸であ
る。
して前記の方法で塗装するのに好適に用いることのでき
る塗装装置の一例について説明する。図14は本発明に
かかる塗装装置40を図で紙面に直交する方向に搬送さ
れる建築板Aの上方に配置した状態を正面から見た図で
あって、表面に凹状溝5・・を長手方向に多数本(図で
は5本)形成した建築板Aは搬送ローラコンベア31上
を搬送され、その上方には、凹状溝5の本数に対応した
数の塗装装置40が、レール41a、41bに沿って図
で左右方向(すなわち、建築板Aの搬送方向に直交する
方向)に位置制御可能な状態で配置されている(図15
も参照)。なお、図14で33は建築板Aの案内体であ
り、32は搬送ローラコンベア31の回動支持軸であ
る。
【0037】各塗装装置40は、車輪42を持つ走行台
車43と、該走行台車43に上下方向に位置調節可能と
された塗装ノズル支持体44を有し、該塗装ノズル支持
体44の先端に図8に基づき先に説明した塗装ノズル1
0が傾動自在に保持されている。なお、図15におい
て、一つおきに3台の走行台車43がレール41a上を
走行し、残りの2台の走行台車43がレール41b上を
走行するようになっているが、レール41の本数は任意
であり、凹状溝5、5の間の間隔と走行台車43の大き
さとの関係から互いに接触しないように近接配置できれ
ばよく、適宜の本数であってよい。なお、図15におい
て、S1〜S3は投光器と受光器と図示しないアンプと
からる光電スイッチであり、建築板Aの接近を検知する
光電スイッチS1と、建築板Aの通過を検知して、各塗
装ノズル10の塗料噴射開始と停止のタイミングをとる
光電スイッチS2、S3である。
車43と、該走行台車43に上下方向に位置調節可能と
された塗装ノズル支持体44を有し、該塗装ノズル支持
体44の先端に図8に基づき先に説明した塗装ノズル1
0が傾動自在に保持されている。なお、図15におい
て、一つおきに3台の走行台車43がレール41a上を
走行し、残りの2台の走行台車43がレール41b上を
走行するようになっているが、レール41の本数は任意
であり、凹状溝5、5の間の間隔と走行台車43の大き
さとの関係から互いに接触しないように近接配置できれ
ばよく、適宜の本数であってよい。なお、図15におい
て、S1〜S3は投光器と受光器と図示しないアンプと
からる光電スイッチであり、建築板Aの接近を検知する
光電スイッチS1と、建築板Aの通過を検知して、各塗
装ノズル10の塗料噴射開始と停止のタイミングをとる
光電スイッチS2、S3である。
【0038】図16〜図18は塗装装置40の要部を説
明する拡大図であり、走行台車43には、台車を建築板
Aの搬送方向に直交する方向へ移動させるための第1の
ステッピングモータ45と、前記塗装ノズル支持体44
を上下移動させるための第2のステッピングモータ46
とが搭載され、第1のステッピングモータ45は動力伝
達機構47を介して車輪42を駆動し、第2のステッピ
ングモータ46は、走行台車43に案内杆48により上
下移動自在に支持された前記塗装ノズル支持体44に形
成したラック49に噛合するピニオン50と動力伝達機
構51を介して駆動連結しており、塗装ノズル支持体4
4を上下移動させる。
明する拡大図であり、走行台車43には、台車を建築板
Aの搬送方向に直交する方向へ移動させるための第1の
ステッピングモータ45と、前記塗装ノズル支持体44
を上下移動させるための第2のステッピングモータ46
とが搭載され、第1のステッピングモータ45は動力伝
達機構47を介して車輪42を駆動し、第2のステッピ
ングモータ46は、走行台車43に案内杆48により上
下移動自在に支持された前記塗装ノズル支持体44に形
成したラック49に噛合するピニオン50と動力伝達機
構51を介して駆動連結しており、塗装ノズル支持体4
4を上下移動させる。
【0039】図17に示すように、前記塗装ノズル支持
体44は、下端側に凹状切欠き部52を有し、該凹状切
欠き部52の下端に横架した回動軸53には、図8に示
した塗装ノズル10が該回動軸53を支点として建築板
Aの搬送方向に直交する方向に揺動自在に取り付けられ
ている。回動軸53の上方には第3のステッピングモー
タ54が取り付けてあり、第3のステッピングモータ5
4と回動軸53とは動力伝達機構55を介して駆動連結
している。それにより、塗装ノズル10は第3のステッ
ピングモータ54の駆動により、図16に示すように、
回動軸53を支点として建築板Aの搬送方向に直交する
方向に揺動する。
体44は、下端側に凹状切欠き部52を有し、該凹状切
欠き部52の下端に横架した回動軸53には、図8に示
した塗装ノズル10が該回動軸53を支点として建築板
Aの搬送方向に直交する方向に揺動自在に取り付けられ
ている。回動軸53の上方には第3のステッピングモー
タ54が取り付けてあり、第3のステッピングモータ5
4と回動軸53とは動力伝達機構55を介して駆動連結
している。それにより、塗装ノズル10は第3のステッ
ピングモータ54の駆動により、図16に示すように、
回動軸53を支点として建築板Aの搬送方向に直交する
方向に揺動する。
【0040】塗装ノズル支持体44の両側には、通路5
6、57が形成されており、一方の通路56には、塗装
ノズル10に形成した前記塗料供給のための側路17に
接続する塗料ホース58及びエア吐出孔23に接続する
エアホース59が挿通しており、他方の通路57には塗
装ノズル10の前記ポペットバー15を作動させる制御
用電磁回路(ソレノイド72)(図19参照)の配線6
0と第3のステッピングモータ54の動力配線(図示さ
れない)とが挿通している。
6、57が形成されており、一方の通路56には、塗装
ノズル10に形成した前記塗料供給のための側路17に
接続する塗料ホース58及びエア吐出孔23に接続する
エアホース59が挿通しており、他方の通路57には塗
装ノズル10の前記ポペットバー15を作動させる制御
用電磁回路(ソレノイド72)(図19参照)の配線6
0と第3のステッピングモータ54の動力配線(図示さ
れない)とが挿通している。
【0041】図19は、塗装装置40におけるエア及び
塗料配管系の回路図を示す。各塗装ノズル10の前記エ
アホース59は、常時閉型の2ポート弁61を介して全
ての塗装ノズル10に共通のエアタンクを兼ねた供給マ
ニホールド62に接続しており、該供給マニホールド6
2は配管63、圧力調整弁64、フィルター65を介し
て、加圧エア源66に接続している。各塗装ノズル10
の前記塗料ホース58はその先端を密閉型塗料タンク6
7内の塗料中に開放しており、途中にはリリーフ弁68
が取り付けられている。一方、前記加圧エア源66から
の分岐配管69は、圧力調整弁70、常時閉型の2ポー
ト弁71を介して、密閉型塗料タンク67内に開放して
いる。
塗料配管系の回路図を示す。各塗装ノズル10の前記エ
アホース59は、常時閉型の2ポート弁61を介して全
ての塗装ノズル10に共通のエアタンクを兼ねた供給マ
ニホールド62に接続しており、該供給マニホールド6
2は配管63、圧力調整弁64、フィルター65を介し
て、加圧エア源66に接続している。各塗装ノズル10
の前記塗料ホース58はその先端を密閉型塗料タンク6
7内の塗料中に開放しており、途中にはリリーフ弁68
が取り付けられている。一方、前記加圧エア源66から
の分岐配管69は、圧力調整弁70、常時閉型の2ポー
ト弁71を介して、密閉型塗料タンク67内に開放して
いる。
【0042】上記の配管系であり、図示しない制御系に
より、常時閉型の2ポート弁61、71とを開くことに
より、塗装ノズル10の塗料吐出孔11からは規定圧力
で塗料が整流状態で噴出し、同時に、エア吐出孔23か
らは所定圧力のエアが、噴射される塗料膜20の両端近
傍に沿って噴出する。それにより、前記のように、噴射
される塗料膜の両端は霧状化(微粒化)され、塗装パタ
ーンでの直線模様の両端はぼけた状態とされる。なお、
図で72は塗装ノズル10の前記ポペットバー15を作
動させるソレノイドである。
より、常時閉型の2ポート弁61、71とを開くことに
より、塗装ノズル10の塗料吐出孔11からは規定圧力
で塗料が整流状態で噴出し、同時に、エア吐出孔23か
らは所定圧力のエアが、噴射される塗料膜20の両端近
傍に沿って噴出する。それにより、前記のように、噴射
される塗料膜の両端は霧状化(微粒化)され、塗装パタ
ーンでの直線模様の両端はぼけた状態とされる。なお、
図で72は塗装ノズル10の前記ポペットバー15を作
動させるソレノイドである。
【0043】次に、上記した塗装装置の作動について説
明する。図20は本塗装システムの制御系全体のブロッ
ク図であり、図21はコントローラでの制御フローで
あり、図22はコントローラでの制御フローである。
撮像手段の一例であるテジタルカメラからの溝断面形状
についての画像データがディスプレイに表示され、表示
された画像を作業者が見て、前記した溝断面を特定する
4点(A〜D)が特定されると、作業者はキーボードか
ら前記座標点A〜Dの入力を行う。入力値に基づき、建
築板Aを真上から見たときの視覚面積を代表するパラメ
ータであるL1とL2、塗装ノズル位置の特定パラメー
タであるL1/L2又はL2/L1、(必要な場合の)
塗装ノズルの上昇距離x、及び、(必要な場合の)噴射
角度の特定パラメータである塗装ノズル傾斜角度αが計
算され、計算結果がコントローラに送られる。
明する。図20は本塗装システムの制御系全体のブロッ
ク図であり、図21はコントローラでの制御フローで
あり、図22はコントローラでの制御フローである。
撮像手段の一例であるテジタルカメラからの溝断面形状
についての画像データがディスプレイに表示され、表示
された画像を作業者が見て、前記した溝断面を特定する
4点(A〜D)が特定されると、作業者はキーボードか
ら前記座標点A〜Dの入力を行う。入力値に基づき、建
築板Aを真上から見たときの視覚面積を代表するパラメ
ータであるL1とL2、塗装ノズル位置の特定パラメー
タであるL1/L2又はL2/L1、(必要な場合の)
塗装ノズルの上昇距離x、及び、(必要な場合の)噴射
角度の特定パラメータである塗装ノズル傾斜角度αが計
算され、計算結果がコントローラに送られる。
【0044】コントローラは、入力データに基づき、
前記第1〜第3のステッピングモータ45、46、54
を駆動して塗装ノズル10を所定位置まで移動させ、か
つ、所定の噴射角度に傾斜させ、次のデータが入力する
までその姿勢を保持させる。この塗装システムにおい
て、曲線あるいは折れ線状の凹溝に対して、連続あるい
は不連続の凹溝に対して、適切な塗装を連続して行うた
めに、溝ライン追随制御が行われる。
前記第1〜第3のステッピングモータ45、46、54
を駆動して塗装ノズル10を所定位置まで移動させ、か
つ、所定の噴射角度に傾斜させ、次のデータが入力する
までその姿勢を保持させる。この塗装システムにおい
て、曲線あるいは折れ線状の凹溝に対して、連続あるい
は不連続の凹溝に対して、適切な塗装を連続して行うた
めに、溝ライン追随制御が行われる。
【0045】図23は塗装装置40の走行台車43に取
り付けたイメージセンサユニット80により建築板Aの
表面に形成した凹状溝5の縁部5aを検出する一例を示
しており、証明ランプ81からの出射光は凹状溝5とそ
の周辺で反射し、その反射光がリニアフォトダイオード
アレイ82で捕捉され、各エレメントの受光照度に比例
しパルス列(ビデオ信号)が得られる。図示のように凸
面部からの反射光と斜面部及び底面からの反射光とでは
照度に違いがあり、受光照度の差がパルス高さとなって
現れるので、その変曲部を検出することにより溝縁部5
aの検出が可能となる。なお、前記センサユニット80
は、走行台車43の下方、溝縁部5aの上方で、前記塗
装ノズル10の塗料噴射位置よりもやや前方位置に設置
する。
り付けたイメージセンサユニット80により建築板Aの
表面に形成した凹状溝5の縁部5aを検出する一例を示
しており、証明ランプ81からの出射光は凹状溝5とそ
の周辺で反射し、その反射光がリニアフォトダイオード
アレイ82で捕捉され、各エレメントの受光照度に比例
しパルス列(ビデオ信号)が得られる。図示のように凸
面部からの反射光と斜面部及び底面からの反射光とでは
照度に違いがあり、受光照度の差がパルス高さとなって
現れるので、その変曲部を検出することにより溝縁部5
aの検出が可能となる。なお、前記センサユニット80
は、走行台車43の下方、溝縁部5aの上方で、前記塗
装ノズル10の塗料噴射位置よりもやや前方位置に設置
する。
【0046】図24は溝ライン追随制御の全体フローを
示す。この例において、溝表面パターンを〜の4種
類に識別する。すなわち、連続溝、不連続溝、溝
幅が変化する連続溝、及び、溝幅が変化する不連続溝
である。そして、各溝形式ごとに制御パターン〜が
用意される。
示す。この例において、溝表面パターンを〜の4種
類に識別する。すなわち、連続溝、不連続溝、溝
幅が変化する連続溝、及び、溝幅が変化する不連続溝
である。そして、各溝形式ごとに制御パターン〜が
用意される。
【0047】走行台車43を求めた溝ラインデータに追
随して移動させる制御原理は次のようである。図25に
示すように、リニアフォトダイオードアレイ82の各エ
レメントに番号(例えば、1〜20)を付し、また、エ
レメントのピッチをpとし、縁部検出のサンプリング時
間をΔtとし、各縁部に該当するエレメント番号nA'と
すると、Δt時間における移動ベクトルdiは、di=
p(nA −nA') 、すなわち、移動方向と移動量の情報
として得られる。この情報をデジタルデータに変換した
ものが溝ラインデータとなる。塗装ノズル10の位置よ
りも少し前方における縁部の溝ラインデータに基づき、
走行台車43の移動方向と移動量(発生させるパルス数
に比例する量)についてのステッピングモータの回転制
御を行うことにより、所期の制御を行うことができる。
なお、溝ラインの変化率がやや大きいような場合には、
回路技術であるマイクロステップ駆動方式を使用して、
基本のステップ角度(入力1パルスに対するモータの回
転軸の回転角度)をさらに細かく制御することも可能で
ある。
随して移動させる制御原理は次のようである。図25に
示すように、リニアフォトダイオードアレイ82の各エ
レメントに番号(例えば、1〜20)を付し、また、エ
レメントのピッチをpとし、縁部検出のサンプリング時
間をΔtとし、各縁部に該当するエレメント番号nA'と
すると、Δt時間における移動ベクトルdiは、di=
p(nA −nA') 、すなわち、移動方向と移動量の情報
として得られる。この情報をデジタルデータに変換した
ものが溝ラインデータとなる。塗装ノズル10の位置よ
りも少し前方における縁部の溝ラインデータに基づき、
走行台車43の移動方向と移動量(発生させるパルス数
に比例する量)についてのステッピングモータの回転制
御を行うことにより、所期の制御を行うことができる。
なお、溝ラインの変化率がやや大きいような場合には、
回路技術であるマイクロステップ駆動方式を使用して、
基本のステップ角度(入力1パルスに対するモータの回
転軸の回転角度)をさらに細かく制御することも可能で
ある。
【0048】図26は、図24に示す溝ライン追随個別
パターン(連続溝)での制御フローである。この場合
には、走行台車43上の第1のステッピングモータ45
(ステッピングモータ)のみの回転制御で目的は達成
される。図27は、溝ライン追随個別パターン(不連
続溝)での制御フローである。この場合に、不連続部に
は塗料の噴射を行わないことから、走行台車43上の第
1のステッピングモータ45(ステッピングモータ)
の回転制御の過程で、溝なしを検知したときに割り込み
ルーチンが働き、後記するコントローラへ噴射停止信
号を出す。そして、入力データ記録より予測される次デ
ータに従い第1のステッピングモータ45の回転制御を
続行し、次に溝ありを検出した時点で、コントローラ
へ噴射再開信号を出す。このようにすることにより不連
続溝に対して円滑な塗装処理が可能となる。
パターン(連続溝)での制御フローである。この場合
には、走行台車43上の第1のステッピングモータ45
(ステッピングモータ)のみの回転制御で目的は達成
される。図27は、溝ライン追随個別パターン(不連
続溝)での制御フローである。この場合に、不連続部に
は塗料の噴射を行わないことから、走行台車43上の第
1のステッピングモータ45(ステッピングモータ)
の回転制御の過程で、溝なしを検知したときに割り込み
ルーチンが働き、後記するコントローラへ噴射停止信
号を出す。そして、入力データ記録より予測される次デ
ータに従い第1のステッピングモータ45の回転制御を
続行し、次に溝ありを検出した時点で、コントローラ
へ噴射再開信号を出す。このようにすることにより不連
続溝に対して円滑な塗装処理が可能となる。
【0049】図28は、溝ライン追随個別パターン
(溝幅が変化する連続溝)での制御フローである。この
場合には、事前の溝ラインデータとの比較により溝幅が
変化することを検知したときに割り込みルーチンが働
き、例えば、溝幅が広がり始めたことを検知した場合に
は、コントローラへ塗料噴射圧を徐々に高めるように
指示を出し、溝幅に応じた塗装幅が確保されるようにす
る。また、溝幅が狭くなり始めたことを検知した場合に
は、塗料噴射圧を徐々に低めるように指示を出し、凸部
にまで塗料が塗布されるのを回避する。また、図29
は、溝ライン追随個別パターン(溝幅が変化する不連
続溝)での制御フローである。この場合には、前記、
すなわち不連続溝である場合の制御フローと、前記、
すなわち溝幅が変化する連続溝の場合の制御フローとの
組み合わせで制御される。
(溝幅が変化する連続溝)での制御フローである。この
場合には、事前の溝ラインデータとの比較により溝幅が
変化することを検知したときに割り込みルーチンが働
き、例えば、溝幅が広がり始めたことを検知した場合に
は、コントローラへ塗料噴射圧を徐々に高めるように
指示を出し、溝幅に応じた塗装幅が確保されるようにす
る。また、溝幅が狭くなり始めたことを検知した場合に
は、塗料噴射圧を徐々に低めるように指示を出し、凸部
にまで塗料が塗布されるのを回避する。また、図29
は、溝ライン追随個別パターン(溝幅が変化する不連
続溝)での制御フローである。この場合には、前記、
すなわち不連続溝である場合の制御フローと、前記、
すなわち溝幅が変化する連続溝の場合の制御フローとの
組み合わせで制御される。
【0050】なお、上記のように塗料噴射圧を制御する
場合には、図19に示したようなエア加圧による塗料の
圧送方式に替えて、燃料タンクから塗装ノズルへの塗料
の圧送方式にポンプ方式を採用する。すなわち、塗料圧
送ポンプの塗料送り量を制御することで塗料噴射圧を制
御することとなるが、その場合、該ポンプを駆動するA
Cサーボモータの回転数をインバータ制御することでか
かる目的は達成される。
場合には、図19に示したようなエア加圧による塗料の
圧送方式に替えて、燃料タンクから塗装ノズルへの塗料
の圧送方式にポンプ方式を採用する。すなわち、塗料圧
送ポンプの塗料送り量を制御することで塗料噴射圧を制
御することとなるが、その場合、該ポンプを駆動するA
Cサーボモータの回転数をインバータ制御することでか
かる目的は達成される。
【0051】図30は、図20におけるコントローラ
での制御フローであり、加圧エア源66作動用のソレノ
イドを作動した後、前記イメージセンサによって得ら
れる溝ラインデータからの前記溝ラインパターン〜
に応じた塗料噴出制御パターン〜の制御が行われ
る。すなわち、図31(1)に示すように、噴出制御パ
ターンは前記連続溝に対応するものであり、塗料及
びエア噴出用ソレノイド及びをONにする。すなわ
ち、前記塗料配管69における常時閉型の2ポート弁7
1のソレノイド、及び、エア供給配管59の常時閉型
の2ポート弁61のソレノイド、を共にONとして、
塗装を開始する。
での制御フローであり、加圧エア源66作動用のソレノ
イドを作動した後、前記イメージセンサによって得ら
れる溝ラインデータからの前記溝ラインパターン〜
に応じた塗料噴出制御パターン〜の制御が行われ
る。すなわち、図31(1)に示すように、噴出制御パ
ターンは前記連続溝に対応するものであり、塗料及
びエア噴出用ソレノイド及びをONにする。すなわ
ち、前記塗料配管69における常時閉型の2ポート弁7
1のソレノイド、及び、エア供給配管59の常時閉型
の2ポート弁61のソレノイド、を共にONとして、
塗装を開始する。
【0052】図31(2)に示すように、噴出制御パタ
ーンは前記不連続溝に対応するものであり、塗料及
びエア噴出用ソレノイド及びをONとした後、前記
コントローラからの噴射停止指示があったときソレノ
イド及びをOFFとして塗装を中断し、再度噴射開
始指示があってときに、再度ソレノイド及びをON
とする。
ーンは前記不連続溝に対応するものであり、塗料及
びエア噴出用ソレノイド及びをONとした後、前記
コントローラからの噴射停止指示があったときソレノ
イド及びをOFFとして塗装を中断し、再度噴射開
始指示があってときに、再度ソレノイド及びをON
とする。
【0053】図32に示すように、噴出制御パターン
は前記溝幅が変化する連続溝に対応するものであり、
塗料及びエア噴出用ソレノイド及びをONとした
後、前記コントローラからの塗料噴射圧を徐々に高め
る指示、あるいは、塗料噴射圧を徐々に低める指示があ
った場合に、塗料圧送ポンプのモータ回転数を制御する
ことでそれを実行していく。図33は、前記、すなわ
ち、溝幅が変化する不連続溝の場合の噴射制御パターン
であり、この場合には、前記、すなわち、不連続溝で
ある場合の噴射制御パターンと、前記、すなわち、溝
幅が変化する連続溝の場合の噴射制御パターンとの組み
合わせで制御される。
は前記溝幅が変化する連続溝に対応するものであり、
塗料及びエア噴出用ソレノイド及びをONとした
後、前記コントローラからの塗料噴射圧を徐々に高め
る指示、あるいは、塗料噴射圧を徐々に低める指示があ
った場合に、塗料圧送ポンプのモータ回転数を制御する
ことでそれを実行していく。図33は、前記、すなわ
ち、溝幅が変化する不連続溝の場合の噴射制御パターン
であり、この場合には、前記、すなわち、不連続溝で
ある場合の噴射制御パターンと、前記、すなわち、溝
幅が変化する連続溝の場合の噴射制御パターンとの組み
合わせで制御される。
【0054】上記に説明した塗装ノズル10及びその塗
装ノズル10を持つ塗装装置40を前記した制御フロー
に従って操作することにより、図1及び図2に示したよ
うな凹状部の塗装態様を持つ建築板が得られることは理
解されよう。しかし、上記で説明したものでは、建築板
の搬送方向に走る凹溝への塗装は所期通りに行うことが
できるが、搬送方向に直交する方向に走る溝にはこのま
までは適用できない。そこで、図34bに例示するよう
な縦方向溝Xと横方向溝Yとをあわせ持つ建築板Aにつ
いて、本発明による塗装を施す場合について次に説明す
る。図34aは、その態様を示す平面図であり、図35
は該装置における制御フローである。この装置では、第
1の搬送装置31Aにより搬送される建築板Aの搬送方
向に直交する方向に本発明による第1の塗装装置40A
が配置され、それにより、縦方向溝Xの塗装が行われ
る。該塗装済の建築板Aが搬送端部に達した時点で、建
築板Aを前記第1の搬送装置31Aに直交する第2の搬
送装置31Bに引き継ぎ、90度交差した方向に搬送す
る。該第2の搬送装置31B上には本発明による第2の
塗装装置40Bが配置されており、該第2の塗装装置4
0Bにより横方向溝Yの塗装が行われる。この場合、縦
溝部Xは既に塗装されているので、重なり合う該当部分
については塗装しないように制御する。そして、塗装後
の建築板は第2の搬送装置31Bによりさらに搬送さ
れ、置外に搬出される。必要に応じて、この工程が反復
して行うことにより、より複雑なパターンの表面模様に
対しても所期の塗装パターンを得ることができる。
装ノズル10を持つ塗装装置40を前記した制御フロー
に従って操作することにより、図1及び図2に示したよ
うな凹状部の塗装態様を持つ建築板が得られることは理
解されよう。しかし、上記で説明したものでは、建築板
の搬送方向に走る凹溝への塗装は所期通りに行うことが
できるが、搬送方向に直交する方向に走る溝にはこのま
までは適用できない。そこで、図34bに例示するよう
な縦方向溝Xと横方向溝Yとをあわせ持つ建築板Aにつ
いて、本発明による塗装を施す場合について次に説明す
る。図34aは、その態様を示す平面図であり、図35
は該装置における制御フローである。この装置では、第
1の搬送装置31Aにより搬送される建築板Aの搬送方
向に直交する方向に本発明による第1の塗装装置40A
が配置され、それにより、縦方向溝Xの塗装が行われ
る。該塗装済の建築板Aが搬送端部に達した時点で、建
築板Aを前記第1の搬送装置31Aに直交する第2の搬
送装置31Bに引き継ぎ、90度交差した方向に搬送す
る。該第2の搬送装置31B上には本発明による第2の
塗装装置40Bが配置されており、該第2の塗装装置4
0Bにより横方向溝Yの塗装が行われる。この場合、縦
溝部Xは既に塗装されているので、重なり合う該当部分
については塗装しないように制御する。そして、塗装後
の建築板は第2の搬送装置31Bによりさらに搬送さ
れ、置外に搬出される。必要に応じて、この工程が反復
して行うことにより、より複雑なパターンの表面模様に
対しても所期の塗装パターンを得ることができる。
【0055】次に、凹状溝の形状によっては、図8に基
づき説明した塗装ノズル1個のみでは塗装しきれない底
面幅のものも存在し得る。図36はそのような場合に用
いる塗装装置40の一例を示している。この塗装装置4
0は、3本の塗装ノズルを有しており、中央の塗装ノズ
ル10Bは図8に示した塗装ノズル10と同様のもので
あるが、左右のエア噴出孔23、23を有しないか使用
時にエアの噴出を行わないものであり、左右の2本の塗
装ノズル10A、10Aは、やはり図8に示した塗装ノ
ズル10と同様のものであるが、左あるいは右のいずれ
か一方のエア噴出孔(すなわち、前記塗装ノズル10B
に近接する方のエア噴出孔)23を有しないか使用時に
エアの噴出を行わないようにしたものである。中央の塗
装ノズル10Bにより凹状部の底面2の大半(幅W)が
塗装され、左右の塗装ノズル10A、10Aにより底面
側方部2a、2aと側壁部3、4が塗装される。この場
合に、左右の塗装ノズル10A、10Aのそれぞれにつ
いて、上記したような、噴射位置と噴射角度の制御を行
うことにより、凹状部の左右の側壁部3、4に対して、
図1及び図2に基づき説明したの同様の塗装を施し得る
ことは容易に理解されよう。
づき説明した塗装ノズル1個のみでは塗装しきれない底
面幅のものも存在し得る。図36はそのような場合に用
いる塗装装置40の一例を示している。この塗装装置4
0は、3本の塗装ノズルを有しており、中央の塗装ノズ
ル10Bは図8に示した塗装ノズル10と同様のもので
あるが、左右のエア噴出孔23、23を有しないか使用
時にエアの噴出を行わないものであり、左右の2本の塗
装ノズル10A、10Aは、やはり図8に示した塗装ノ
ズル10と同様のものであるが、左あるいは右のいずれ
か一方のエア噴出孔(すなわち、前記塗装ノズル10B
に近接する方のエア噴出孔)23を有しないか使用時に
エアの噴出を行わないようにしたものである。中央の塗
装ノズル10Bにより凹状部の底面2の大半(幅W)が
塗装され、左右の塗装ノズル10A、10Aにより底面
側方部2a、2aと側壁部3、4が塗装される。この場
合に、左右の塗装ノズル10A、10Aのそれぞれにつ
いて、上記したような、噴射位置と噴射角度の制御を行
うことにより、凹状部の左右の側壁部3、4に対して、
図1及び図2に基づき説明したの同様の塗装を施し得る
ことは容易に理解されよう。
【0056】
【発明の効果】上記のとおりであり、本発明の塗装装置
によれば、従来の塗装方法では得られなかった表面意匠
性の高い建築板を得ることができる。特に、建築板表面
に形成される、直線状のみならず、曲線状でありかつ短
手方向断面形状が一定でないような複雑な形状の凹状部
に対して、見るものに強い陰影感を与えるような塗装を
行うことが可能となり、それにより、高い表面意匠性を
呈することのできる建築板を得ることができる。
によれば、従来の塗装方法では得られなかった表面意匠
性の高い建築板を得ることができる。特に、建築板表面
に形成される、直線状のみならず、曲線状でありかつ短
手方向断面形状が一定でないような複雑な形状の凹状部
に対して、見るものに強い陰影感を与えるような塗装を
行うことが可能となり、それにより、高い表面意匠性を
呈することのできる建築板を得ることができる。
【図1】本発明による塗装装置で塗装される建築板の凹
状部を拡大して示す斜視図。
状部を拡大して示す斜視図。
【図2】本発明による塗装装置で塗装される他の建築板
の凹状部を拡大して示す平面図。
の凹状部を拡大して示す平面図。
【図3】本発明による塗装装置で塗装される建築板の凹
状部の短手方向断面を示す図。
状部の短手方向断面を示す図。
【図4】本発明による塗装装置で塗装される建築板の他
の凹状部の短手方向断面を示す図。
の凹状部の短手方向断面を示す図。
【図5】本発明による塗装装置で塗装される建築板の凹
状部の平面形状を示す図。
状部の平面形状を示す図。
【図6】本発明による塗装装置で塗装される建築板の他
の凹状部の平面形状を示す図。
の凹状部の平面形状を示す図。
【図7】本発明による塗装装置で塗装される建築板のさ
らに他の凹状部の平面形状を示す図。
らに他の凹状部の平面形状を示す図。
【図8】塗装ノズルを説明する断面図。
【図9】凹状部の短手方向断面での座標点と取り方を説
明する図。
明する図。
【図10】塗装ノズルの位置の角度の制御法を説明する
図。
図。
【図11】塗装ノズルの位置の角度の他の制御法を説明
する図。
する図。
【図12】凹状部の短手方向断面での座標点と取り方の
他の例を説明する図。
他の例を説明する図。
【図13】凹状部の短手方向断面での座標点と取り方の
さらに他の例を説明する図。
さらに他の例を説明する図。
【図14】本発明による塗装装置の使用態様を説明する
正面図。
正面図。
【図15】本発明による塗装装置の使用態様を説明する
平面図。
平面図。
【図16】本発明による塗装装置の一例を説明する側面
図。
図。
【図17】本発明による塗装装置の塗装ノズル支持体部
分を説明する正面図。
分を説明する正面図。
【図18】本発明による塗装装置の一例を説明する斜視
図。
図。
【図19】本発明による塗装装置におけるエア及び塗料
配管系の回路図を示す図。
配管系の回路図を示す図。
【図20】本塗装システムの制御系全体のブロック図。
【図21】コントローラでの制御フロー図。
【図22】コントローラでの制御フロー図。
【図23】走行台車に取り付けたイメージセンサユニッ
トにより凹状溝の縁部を検出する状態を説明する図。
トにより凹状溝の縁部を検出する状態を説明する図。
【図24】溝ライン追随制御の全体フローを示す図。
【図25】溝ラインデータに追随して塗装装置を移動さ
せる制御原理を説明する図。
せる制御原理を説明する図。
【図26】溝ライン追随個別パターン(連続溝)での
制御フロー図。
制御フロー図。
【図27】溝ライン追随個別パターン(不連続溝)で
の制御フロー図。
の制御フロー図。
【図28】溝ライン追随個別パターン(溝幅が変化す
る連続溝)での制御フロー図。
る連続溝)での制御フロー図。
【図29】溝ライン追随個別パターン(溝幅が変化す
る不連続溝)での制御フロー図。
る不連続溝)での制御フロー図。
【図30】コントローラでの制御フロー図。
【図31】連続溝に対応する塗料噴出制御パターン、
及び不連続溝に対応する塗料噴出制御パターン、を示
す図。
及び不連続溝に対応する塗料噴出制御パターン、を示
す図。
【図32】溝幅が変化する連続溝に対応する塗料噴出制
御パターンを示す図。
御パターンを示す図。
【図33】溝幅が変化する不連続溝に対応する塗料噴出
制御パターンを示す図。
制御パターンを示す図。
【図34】縦方向溝Xと横方向溝Yとをあわせ持つ建築
板A(図34b)について、本発明による塗装を施す場
合の塗装装置を説明する平面図(図34)
板A(図34b)について、本発明による塗装を施す場
合の塗装装置を説明する平面図(図34)
【図35】図34に示す装置の制御フロー図。
【図36】幅の広い底面を持つ凹状部を塗装するのに好
適に用いられる塗装装置を説明する図。
適に用いられる塗装装置を説明する図。
【図37】従来法により塗装された建築板を説明する部
分断面図。
分断面図。
A…建築板、5…凹状溝、2…底面(底部域)、3、4
…側壁(側面域)、10…塗装ノズル、11…塗料噴出
孔、23…エア噴出孔、25…塗装パターン、26…塗
装パターンの両端部、Ls…標準塗装パターン幅、hs
…標準スプレー距離、α…塗装ノズルの傾斜角度、M…
塗装ノズルの水平移動距離、40…塗装装置、44…塗
装ノズル支持体、45、46、54…ステッピングモー
タ
…側壁(側面域)、10…塗装ノズル、11…塗料噴出
孔、23…エア噴出孔、25…塗装パターン、26…塗
装パターンの両端部、Ls…標準塗装パターン幅、hs
…標準スプレー距離、α…塗装ノズルの傾斜角度、M…
塗装ノズルの水平移動距離、40…塗装装置、44…塗
装ノズル支持体、45、46、54…ステッピングモー
タ
Claims (8)
- 【請求項1】 建築板を搬送する搬送手段と、該搬送手
段により搬送される建築板の表面に形成される凹状部に
塗装を施すための1個又は複数個の塗装ノズルとを有
し、該塗装ノズルはその高さと噴射方向が調整自在とさ
れており、該塗装ノズルの高さと噴射方向は、塗装しよ
うとする凹状部の短手方向断面形状に基づく情報により
制御されることを特徴とする建築板における凹状部の塗
装装置。 - 【請求項2】 前記凹状部を撮像する手段と、撮像デー
タから得られる情報に基づき塗装ノズルの高さと傾斜角
度の制御を行う手段をさらに有することを特徴とする請
求項1記載の建築板における凹状部の塗装装置。 - 【請求項3】 凹状部の縁部分を検出するための手段を
さらに有していることを特徴とする請求項1記載の建築
板における凹状部の塗装装置。 - 【請求項4】 前記検出手段からの情報に基づき前記塗
装ノズルを建築板の搬送方向に直交する方向に位置制御
するための手段をさらに有することを特徴とする請求項
3記載の建築板における凹状部の塗装装置。 - 【請求項5】 前記検出手段からの情報に基づき前記塗
装ノズルからの塗料の噴射を断続させるための手段をさ
らに有することを特徴とする請求項3記載の建築板にお
ける凹状部の塗装装置。 - 【請求項6】 前記検出手段からの情報に基づき前記塗
装ノズルからの塗料の噴射圧を変更する手段をさらに有
することを特徴とする請求項3記載の建築板における凹
状部の塗装装置。 - 【請求項7】 前記噴射ノズルは、整流状態で塗料を噴
出させる中央噴出孔と該噴出する塗料膜の左右側縁一方
又は双方に沿ってエアを噴出するエア噴出孔とを持つ噴
射ノズルであることを特徴とする請求項1ないし6いず
れか記載の建築板における凹状部の塗装装置。 - 【請求項8】 前記塗装装置が角度を変えて複数個配置
されており、建築板はそれら複数の塗装装置を連続して
通過するようにされていることを特徴とする請求項1な
いし6いずれか記載の建築板における凹状部の塗装装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16875799A JP3435099B2 (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 建築板の塗装装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16875799A JP3435099B2 (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 建築板の塗装装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9174912A Division JP3023333B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 建築板とその塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000024562A true JP2000024562A (ja) | 2000-01-25 |
JP3435099B2 JP3435099B2 (ja) | 2003-08-11 |
Family
ID=15873879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16875799A Expired - Fee Related JP3435099B2 (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 建築板の塗装装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3435099B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004029845A1 (ja) | 2002-09-24 | 2004-04-08 | Sanyo Denki Co.,Ltd. | ネットワークを利用する組合せ機器選定システム |
KR20200080594A (ko) * | 2018-12-27 | 2020-07-07 | 주식회사 로보프린트 | 도포 장치 |
CN111822201A (zh) * | 2020-08-03 | 2020-10-27 | 陈天炜 | 一种不规则板材表面自适应涂料装置 |
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JP2021147908A (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-27 | 積水ハウス株式会社 | 住宅用外壁パネルの塗装装置 |
CN116532334A (zh) * | 2023-04-14 | 2023-08-04 | 联德(广州)机械有限公司 | 铝型材喷涂工艺及喷涂生产线 |
-
1999
- 1999-06-15 JP JP16875799A patent/JP3435099B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100966536B1 (ko) | 2002-09-24 | 2010-06-29 | 산요 덴키 가부시키가이샤 | 네트워크를 이용하는 조합기기 선정시스템 |
KR20200080594A (ko) * | 2018-12-27 | 2020-07-07 | 주식회사 로보프린트 | 도포 장치 |
KR102142129B1 (ko) | 2018-12-27 | 2020-08-06 | 주식회사 로보프린트 | 도포 장치 |
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JP3435099B2 (ja) | 2003-08-11 |
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