JP2000021996A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000021996A
JP2000021996A JP10182426A JP18242698A JP2000021996A JP 2000021996 A JP2000021996 A JP 2000021996A JP 10182426 A JP10182426 A JP 10182426A JP 18242698 A JP18242698 A JP 18242698A JP 2000021996 A JP2000021996 A JP 2000021996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
silicon
interface
forming
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10182426A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3581253B2 (ja
Inventor
Hisao Yoshimura
尚郎 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP18242698A priority Critical patent/JP3581253B2/ja
Publication of JP2000021996A publication Critical patent/JP2000021996A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3581253B2 publication Critical patent/JP3581253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、拡散層の深さの低減が図られるMO
SFETにおいて、接合リーク電流を改善できるように
することを最も主要な特徴とする。 【解決手段】たとえば、PチャネルMOSFET12の
P型ソース/ドレイン拡散層12g上に設けられる、C
oシリサイド膜からなる積み上げ構造のシリコン化合物
層12iを、P型ソース/ドレイン拡散層12gとの界
面が、略平坦で、かつ、N型ウェル領域12bとゲート
絶縁膜12cとの界面と略同じ高さとなるようにする。
こうして、シリコン化合物層12iの、P型ソース/ド
レイン拡散層12gとの界面の平坦性を向上すること
で、拡散層の深さの低減が図られるMOSFETでの、
Co原子の拡散にともなう、接合リーク電流の増大を制
御する構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置およ
びその製造方法に関するもので、特に、CMOS(Comp
lementary Metal Oxide Semiconductor )回路などで用
いられるサリサイド技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、PチャネルMOSおよび
NチャネルMOSで構成されるCMOS回路において
は、MOSFET(MOS−Field Effect Transistor
)の微細化とともに、寄生抵抗の低減が不可欠であ
る。
【0003】特に、ソース/ドレイン拡散層間に寄生的
に存在する抵抗は、MOSFETの電流駆動力を低下さ
せるため、できるだけ低抵抗化することが望ましい。そ
の低抵抗化には、ソース/ドレイン拡散層上に自己整合
的にシリサイド層を形成するサリサイド技術が有効であ
り、現在では、ゲート長が1μm未満のMOSFETへ
の適用が既に始っている。
【0004】図20は、MOSFETのソース/ドレイ
ン拡散層間に寄生する抵抗を低抵抗化するための、サリ
サイド技術について概略的に示すものである。このサリ
サイド技術とは、MOSFETのゲート電極の表面およ
びソース/ドレイン拡散層の表面に、それぞれ、シリサ
イド層を自己整合的に形成するものである(たとえば、
R.W.Mann et al IBM Journ al of research and develo
pmentvol.39 JULY.1995)。
【0005】すなわち、シリコン基板101に対して、
たとえば、ゲート酸化膜102上のゲート電極103、
ソース/ドレイン拡散層104、サイドウォール105
をそれぞれ形成して、MOSFETを形成した後、全面
に、シリコンと反応するメタル106をスパッタ法など
により成膜する(図20(a)参照)。
【0006】この後、熱処理を行って、シリコン層と上
記メタル106とを反応させることにより、上記ゲート
電極103の表面、および、上記サイドウォール105
の形成位置を除く、上記ソース/ドレイン拡散層104
の表面に、それぞれ、シリサイド層107を自己整合的
に形成する(図20(b)参照)。
【0007】また、シリサイド層107を形成した後
に、未反応のメタル106を薬液処理によって除去す
る。そして、熱処理により、シリサイド層107の相を
低抵抗化させる(図20(c)参照)。
【0008】しかしながら、上記のようなシリサイデー
ションプロセスにおいては、シリサイド層107を形成
させる際に、シリサイド層107が不均一(シリサイド
層107とシリコン層との界面がラフ)になったり、メ
タル106がシリコン基板101中に拡散するという問
題点があった。
【0009】このような問題点は、接合リーク電流の悪
化を引き起こすことが知られており、特に、ゲート長の
微細化にともなって、ソース/ドレイン拡散層104の
深さが低減されるMOSFETにおいては、より深刻な
ものとなる。
【0010】たとえば、ゲート長が0.2μm未満のM
OSFETでの適用が検討されているコバルトシリサイ
ド(Coサリサイド)の場合、Coは拡散種であるた
め、シリサイド層107を形成させる際の熱処理、また
は、シリサイド層107の相を低抵抗化させるための熱
処理でCo原子の拡散が顕著となり、不均一なシリサイ
ド層107が形成されることによる、接合リーク電流の
増大が懸念されていた(たとえば、IEDM95 pp.449 Goto
et al)。
【0011】これに対し、接合リーク電流の増大を解決
する方法として、たとえば図21に示すように、ゲート
電極103上およびソース/ドレイン拡散層104上に
選択エピタキシャル成長法によりシリコン層を形成し、
このシリコン層とメタルとを反応させて、拡散層部分を
持ち上げてなる積み上げ構造のシリサイド層201を形
成することで、実効的なシリサイド/シリコン界面とソ
ース/ドレイン拡散層104の深さとの関係を改善する
方法が提案されている(たとえば、IEDM94 pp.687 Moga
mi et alまたは1995VLSI Technology pp.23 Abiko et a
l )。
【0012】しかしながら、この積み上げ構造の場合に
おいても、ゲート長の微細化とともに、ソース/ドレイ
ン拡散層104の深さが浅くなると、メタルの拡散にと
もなう、接合リーク電流の増大を制御することが困難に
なる。
【0013】すなわち、選択エピタキシャル成長法の場
合、たとえば図22に示すように、ある成長条件下にお
いては、ソース/ドレイン拡散層104とサイドウォー
ル105との界面における、(3,1,1)面に対する
シリコンの成長速度が極めて高い。
【0014】その結果、サイドウォール105との間
に、シリコン層301のファセット面302が形成され
ることにより(同図(a)参照)、積み上げ構造のシリ
サイド層201の一部が、ソース/ドレイン拡散層10
4内に食い込むようにして形成されることになる(同図
(b)参照)。
【0015】したがって、たとえ、積み上げ構造のシリ
サイド層201を形成するようにした場合においても、
シリサイド層201が食い込んだ部分では、ソース/ド
レイン拡散層104の深さを稼ぐことができなくなるた
め、メタルの拡散にともなう、接合リーク電流の増大を
制御することが困難になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、ゲート長の微細化にともなって、拡散層の
深さが低減されるMOSFETでの、不均一なシリサイ
ド層が形成されることによる、接合リーク電流の増大を
解決することが可能な構造として、拡散層上にあらかじ
め積み上げたシリコン層をシリサイド化するようにして
なる積み上げ構造が提案されてはいるものの、この積み
上げ構造によっても、メタルの拡散にともなう、接合リ
ーク電流の増大を制御することは困難であるという問題
があった。
【0017】そこで、この発明は、拡散層とこの拡散層
上の良導体層との界面の平坦性を向上でき、良導体層か
らの金属拡散にともなう、接合リーク電流の増大を制御
することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供
することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の半導体装置にあっては、第一導電型の
半導体層と、この半導体層の表面上にゲート絶縁膜を介
して設けられたゲート電極と、このゲート電極の形成位
置を除く、前記半導体層の表面領域に設けられた第二導
電型の拡散層と、この拡散層上に自己整合的に形成さ
れ、その拡散層との界面が、前記半導体層および前記ゲ
ート絶縁膜の界面と略同一の高さを有する良導体層とか
ら構成されている。
【0019】また、この発明の半導体装置の製造方法に
あっては、第一導電型の半導体層の表面上にゲート絶縁
膜を介してゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電
極の形成位置を除く、前記半導体層の表面領域に第二導
電型の拡散層を形成する工程と、前記ゲート電極の側壁
部分に側壁絶縁膜を形成する工程と、前記側壁絶縁膜の
形成位置を除く、前記拡散層の表面上に、その拡散層と
の界面における酸素濃度もしくは窒素濃度が制御された
シリコン系積み上げ層を形成する工程と、少なくとも、
前記シリコン系積み上げ層上に金属膜を形成する工程
と、前記シリコン系積み上げ層および前記金属膜を反応
させて、前記拡散層上に、その拡散層との界面が、前記
半導体層および前記ゲート絶縁膜の界面と略同一の高さ
を有してなる良導体層を形成する工程とを備えている。
【0020】この発明の半導体装置およびその製造方法
によれば、積み上げ構造の良導体層の一部が拡散層内に
食い込むのを抑制できるようになる。これにより、拡散
層間の寄生抵抗を低減する目的で設けられる良導体層
を、より浅い拡散層上へ形成することが可能となるもの
である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の
第一の形態にかかるCMOS回路の概略構成を示すもの
である。
【0022】このCMOS回路は、たとえば、CZ(Cz
ochralski )法により形成された、抵抗率が1〜5Ω・
cmのP型シリコン基板11上に、PチャネルMOSF
ET12およびNチャネルMOSFET13がそれぞれ
設けられてなる構成とされている。
【0023】上記PチャネルMOSFET12および上
記NチャネルMOSFET13の形成位置を除く、上記
P型シリコン基板11の表面部には、それぞれ、STI
(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域14
が形成されている。この素子分離領域14は、各トレン
チ溝14a内に、ラウンド酸化膜14bをそれぞれに介
して、埋め込み酸化膜14cが埋め込まれてなる構成と
されている。
【0024】この素子分離領域14によって囲まれた、
上記PチャネルMOSFET12に対応する素子領域
(PチャネルMOS領域)12a内には、第一導電型の
半導体層としての、N型ウェル領域12bが形成されて
いる。
【0025】このN型ウェル領域12bの表面上には、
ゲート絶縁膜12cを介して、0.02〜0.25μm
のゲート長を有する、ポリシリコンまたはアモルファス
シリコンからなるゲート電極12dが設けられている。
また、上記ゲート電極12dの側壁部分には、上記ゲー
ト絶縁膜12c上を含んで、サイドウォールとなる側壁
絶縁膜12eが設けられている。
【0026】そして、上記ゲート電極12dの形成位置
を除く、上記N型ウェル領域12bの表面部には、P-
型のソース/ドレイン拡散層12fが設けられている。
さらに、上記側壁絶縁膜12eの形成位置を除く、上記
N型ウェル領域12bの表面部には、P型のソース/ド
レイン拡散層(第二導電型の拡散層)12gが設けられ
ている。
【0027】また、上記ゲート電極12d上には、たと
えば、選択シリコン成長層(シリコン系積み上げ層)と
コバルト膜(金属膜)との合金をシリサイド化してなる
シリコン化合物層(Coシリサイド膜)12hが、自己
整合的に設けられている。
【0028】さらに、上記ソース/ドレイン拡散層12
g上には、たとえば、選択シリコン成長層とコバルト膜
との合金をシリサイド化してなる、積み上げ構造のシリ
コン化合物層(良導体層)12iが、自己整合的に設け
られている。このシリコン化合物層12iは、上記ソー
ス/ドレイン拡散層12gとの界面が、略平坦に、か
つ、上記N型ウェル領域12bおよび上記ゲート絶縁膜
12cの界面と略同一の高さとなるようにして設けられ
ている。
【0029】そして、全面を覆うようにして層間絶縁膜
15が設けられ、この層間絶縁膜15上に、ゲート電極
コンタクト12jを介して上記シリコン化合物層12h
につながる配線12kが、また、拡散層コンタクト12
mを介して上記シリコン化合物層12iにつながる配線
12nが、それぞれ形成されて、上記PチャネルMOS
FET12が構成されている。
【0030】一方、上記素子分離領域14によって囲ま
れた、上記NチャネルMOSFET13に対応する素子
領域(NチャネルMOS領域)13a内には、第一導電
型の半導体層としての、P型ウェル領域13bが形成さ
れている。
【0031】このP型ウェル領域13bの表面上には、
ゲート絶縁膜13cを介して、0.02〜0.25μm
のゲート長を有する、ポリシリコンまたはアモルファス
シリコンからなるゲート電極13dが設けられている。
また、上記ゲート電極13dの側壁部分には、上記ゲー
ト絶縁膜13c上を含んで、サイドウォールとなる側壁
絶縁膜13eが設けられている。
【0032】そして、上記ゲート電極13dの形成位置
を除く、上記P型ウェル領域13bの表面部には、N-
型のソース/ドレイン拡散層13fが設けられている。
さらに、上記側壁絶縁膜13eの形成位置を除く、上記
P型ウェル領域13bの表面部には、N型のソース/ド
レイン拡散層(第二導電型の拡散層)13gが設けられ
ている。
【0033】また、上記ゲート電極13d上には、たと
えば、選択シリコン成長層(シリコン系積み上げ層)と
コバルト膜(金属膜)との合金をシリサイド化してなる
シリコン化合物層13hが、自己整合的に設けられてい
る。
【0034】さらに、上記ソース/ドレイン拡散層13
g上には、たとえば、選択シリコン成長層とコバルト膜
との合金をシリサイド化してなる、積み上げ構造のシリ
コン化合物層(良導体層)13iが、自己整合的に設け
られている。このシリコン化合物層13iは、上記ソー
ス/ドレイン拡散層13gとの界面が、略平坦に、か
つ、上記P型ウェル領域13bおよび上記ゲート絶縁膜
13cの界面と略同一の高さとなるようにして設けられ
ている。
【0035】そして、上記層間絶縁膜15上に、ゲート
電極コンタクト13jを介して上記シリコン化合物層1
3hにつながる配線13kが、また、拡散層コンタクト
13mを介して上記シリコン化合物層13iにつながる
配線13nが、それぞれ形成されて、上記NチャネルM
OSFET13が構成されている。
【0036】このような構成によれば、シリコン化合物
層12i,13iを形成するための、選択シリコン成長
層を形成する際に、たとえ、側壁絶縁膜12e,13e
との間に、選択シリコン成長層のファセット面が形成さ
れたとしても、上記シリコン化合物層12i,13iの
一部が、ソース/ドレイン拡散層12g,13g内に食
い込むのを抑制できるようになる。
【0037】この結果、上記シリコン化合物層12i,
13iの直下における、上記ソース/ドレイン拡散層1
2g,13gの深さを十分に稼ぐことが可能となるた
め、ゲート長の微細化にともなって、上記ソース/ドレ
イン拡散層12g,13gの深さを浅くするように構成
してなるMOSFET12,13であっても、拡散種で
あるコバルト原子の拡散にともなう、接合リーク電流の
増大を容易に制御できるようになるものである。
【0038】次に、図2ないし図14を参照して、上記
した構成のCMOS回路の製造方法について説明する。
たとえば、CZ法により形成された、抵抗率が1〜5Ω
・cmのP型シリコン基板11上に、熱酸化法により、
20〜200オングストローム程度の厚さの熱酸化(S
iO2 )膜21を形成した後、さらに、LPCVD(Lo
w Pressure Chemical Vapour Deposition )法によっ
て、1000オングストローム程度の厚さのシリコン窒
化(SiN)膜22を形成する。
【0039】また、上記SiN膜22上に、フォトリソ
グラフィー法により、上記PチャネルMOS領域12a
および上記NチャネルMOS領域13aにそれぞれ対応
してレジスト膜23が設けられた、所望のレジストパタ
ーンを形成する(以上、図2参照)。
【0040】次いで、上記レジストパターンをマスクと
し、反応性イオンエッチング(RIE)法により、上記
SiN膜22および上記SiO2 膜21をエッチングし
て、上記素子分離領域14の形成位置に対応する、上記
P型シリコン基板11の表面を露出させる。
【0041】また、上記レジストパターンを除去した
後、上記SiN膜22をマスクとし、RIE法により、
上記素子分離領域14の形成位置に、約3000オング
ストロームの深さのトレンチ溝14aを形成する(以
上、図3参照)。上記トレンチ溝14aの深さとして
は、たとえば、デザインルールの1倍から2倍程度の深
さに設定するのが望ましい。
【0042】次いで、1000℃程度の酸素雰囲気中に
て酸化させ、上記シリコン溝14aの内壁部に、それぞ
れ、約50〜150オングストローム厚のラウンド酸化
膜14bを形成する(図4参照)。なお、ここでの熱酸
化法によるラウンド酸化膜14bの形成は、必ずしも必
要としない。
【0043】次いで、上記トレンチ溝14a内を完全に
埋め込むために、たとえば、LPCVD法またはHDP
(High Density Plasma )法により、全面に厚くシリコ
ン酸化膜14c´を形成する。そして、上記SiN膜2
2をストッパに、上記シリコン酸化膜14c´の表面を
化学的機械研磨(CMP)法により研磨して、その表面
を平坦化する(図5参照)。
【0044】次いで、上記PチャネルMOS領域12a
上および上記NチャネルMOS領域13a上をそれぞれ
覆う、上記SiN膜22を、たとえば、ホット燐酸を用
いて除去する。
【0045】また、上記PチャネルMOS領域12a上
および上記NチャネルMOS領域13a上にそれぞれ残
る、上記SiO2 膜21を、たとえば、NH4 F溶液を
用いて除去し、上記PチャネルMOS領域12aおよび
上記NチャネルMOS領域13aに対応する、上記P型
シリコン基板11の表面を露出させる。
【0046】さらに、上記SiO2 膜21を除去すると
同時に、上記シリコン酸化膜14c´および上記ラウン
ド酸化膜14bの一部を除去して、上記トレンチ溝14
a内に、上記ラウンド酸化膜14bを介して、上記シリ
コン酸化膜14c´からなる埋め込み酸化膜14cが埋
め込まれてなる、STI構造の素子分離領域14を形成
する。
【0047】そして、少なくとも上記P型シリコン基板
11の表面に、熱酸化法により、100オングストロー
ム程度の厚さのダミー酸化膜24を形成した後、上記P
チャネルMOS領域12aに対応させてN型ウェル領域
12bを、また、上記NチャネルMOS領域13aに対
応させてP型ウェル領域13bを、それぞれイオン注入
法により形成する(以上、図6参照)。
【0048】上記N型ウェル領域12bとしては、たと
えば、リンからなるN型不純物を、加速電圧を300〜
500KeV程度、ドーズ量を5×1012〜2×1013
cm-2程度とする条件により、イオン注入することで形
成される。
【0049】上記P型ウェル領域13bとしては、たと
えば、ホウ素やヒ素などのP型不純物を、加速電圧を2
50〜350KeV程度、ドーズ量を5×1012〜2×
1013cm-2程度とする条件により、イオン注入するこ
とで形成される。
【0050】次いで、上記ダミー酸化膜24を希HF溶
液により除去した後、全面に、ゲート絶縁膜12c,1
3cとなるシリコン酸化膜25を、10〜40オングス
トローム程度の厚さで形成する。
【0051】このシリコン酸化膜25は、たとえば、縦
型の拡散炉を用いて、750℃程度の温度により、酸素
雰囲気中でアニールすることによって、または、高速昇
高温炉(RTO装置)を用いて、1000℃程度の温度
により、酸素雰囲気中でアニールすることによって、形
成できる。また、シリコン酸化膜25に限らず、上記ゲ
ート絶縁膜12c,13cとしては、窒化膜や高誘電体
膜などを用いることも可能である。
【0052】この後、上記シリコン酸化膜25上に、上
記ゲート電極12d,13dとなるシリコン膜(ポリシ
リコン膜またはアモルファスシリコン膜)26を、たと
えば、LPCVD法によって、約500〜3000オン
グストロームの厚さで形成する。
【0053】さらに、上記ゲート電極12d,13dを
形成するためのレジスト膜27を、フォトリソグラフィ
ー法や電子ビーム露光法により描画して、所望のレジス
トパターンを形成する(以上、図7参照)。
【0054】次いで、上記レジストパターンをマスク
に、ハロゲン化物をエッチングガスとするRIEを行っ
て、上記シリコン膜26をエッチングし、ゲート長が
0.02〜0.25μm程度のゲート電極パターン26
´をそれぞれ形成する(図8参照)。
【0055】なお、必要に応じて、上記シリコン酸化膜
25の耐圧を改善するために、たとえば、上記P型シリ
コン基板11の表面、および、上記ゲート電極パターン
26´の表面を、約10〜50オングストロームの厚さ
で酸化させるようにしても良い。
【0056】この後、上記PチャネルMOS領域12a
に対応する、上記P型シリコン基板11の表面部にホウ
素などのP型不純物をイオン注入法により導入し、その
不純物を活性化させて、P- 型のソース/ドレイン拡散
層12fを形成する。この場合のイオン注入の条件とし
ては、たとえば、典型的な加速電圧を1〜15KeV程
度、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm-2程度とす
ることで、形成できる。
【0057】また、上記NチャネルMOS領域13aに
対応する、上記P型シリコン基板11の表面部にヒ素な
どのN型不純物をイオン注入法により導入し、その不純
物を活性化させて、N- 型のソース/ドレイン拡散層1
3fを形成する。この場合のイオン注入の条件として
は、たとえば、典型的な加速電圧を1〜15KeV程
度、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm-2程度とす
ることで、形成できる。
【0058】さらに、LPCVD法またはプラズマCV
D法によって全面にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒
化膜を堆積させた後、それをRIE法によりエッチング
することで、上記ゲート電極パターン26´の側壁部分
にのみ、それぞれ、側壁絶縁膜12e,13eを形成す
る(以上、図9参照)。
【0059】次いで、上記PチャネルMOS領域12a
に対応する、上記P型シリコン基板11の表面部および
上記ゲート電極パターン26´に、ホウ素などのP型不
純物をイオン注入法により導入する。この場合のイオン
注入の条件としては、たとえば、典型的な加速電圧を3
〜10KeV程度、ドーズ量を1×1015〜7×1015
cm-2程度とするのが望ましい。
【0060】また、上記NチャネルMOS領域13aに
対応する、上記P型シリコン基板11の表面部および上
記ゲート電極パターン26´に、ヒ素などのN型不純物
をイオン注入法により導入する。この場合のイオン注入
の条件としては、たとえば、典型的な加速電圧を10〜
50KeV程度、ドーズ量を1×1015〜7×1015
-2程度とするのが望ましい。
【0061】そして、不純物の活性化のために、たとえ
ば、高速昇高温法(RTA法)により、約1000℃の
温度で、10秒程度の時間、熱処理を行って、ソース/
ドレイン拡散層12g,13gを形成すると同時に、空
乏化が抑制されたゲート電極12d,13dを形成する
(以上、図10参照)。
【0062】次いで、上記シリコン酸化膜25を選択的
に除去し、上記側壁絶縁膜12e,13eの形成位置を
含む、上記ゲート電極12d,13dの直下にのみ、上
記シリコン酸化膜25を残存させることによって、ゲー
ト絶縁膜12c,13cを形成する。
【0063】この後、SiH2 Cl2 とH2 とHClと
を反応ガスとして用いて、選択エピタキシャル成長法に
より、たとえば、300オングストローム程度の膜厚の
選択シリコン成長層(シリコン系積み上げ層)28を、
上記ゲート電極12d,13d上および上記ソース/ド
レイン拡散層12g,13g上に、それぞれ形成する
(以上、図11参照)。
【0064】上記選択シリコン成長層28は、たとえ
ば、選択エピタキシャル成長を始める前の、水素による
ベーク時間を変えることにより、シリコン界面における
酸素濃度を制御することが可能である。
【0065】すなわち、シリコン界面における酸素濃度
を制御することによって、上記選択シリコン成長層28
とシリコン界面との間に、不純物の拡散を抑制するため
の、高酸素濃度層28aを疑似的に形成するようになっ
ている。
【0066】ここで、上記選択シリコン成長層28の酸
素濃度プロファイルについて説明する。図12は、上記
した選択シリコン成長層28の、ある断面(たとえば、
図11の矢印A)に対する酸素濃度プロファイルを、S
IMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy )によって
分析した際の結果を示すものである。
【0067】たとえば、選択エピタキシャル成長が容易
に可能な範囲として、シリコン界面での酸素濃度の面密
度を1×1013〜2×1015cm-2とした場合の、上記
選択シリコン成長層28のシリコン界面(高酸素濃度層
28a)における酸素濃度は約4×1014cm-2であっ
た。
【0068】シリコン界面での酸素濃度は、たとえば下
記の表1に示すように、水素によるベーク時間を変える
ことによって、上記選択シリコン成長層28中における
酸素濃度を、任意に変化させることが可能である。
【0069】
【表1】
【0070】このように、上記選択シリコン成長層28
を形成する際に、シリコン界面との間に高酸素濃度層2
8aを形成するようにした場合、その高酸素濃度層28
aによって、不純物の拡散を抑制できるようになる。
【0071】すなわち、選択シリコン成長層28のシリ
コン界面における酸素濃度が高くなるように制御するこ
とで、その高酸素濃度層28aをシリサイデーションス
トップ層として機能させることが可能となる結果、シリ
コン界面でのシリサイデーション反応を著しく低下させ
ることが可能となる。
【0072】これにより、後の選択シリコン成長層28
とコバルト膜との合金をシリサイド化してなるシリコン
化合物層12iの形成(シリサイデーションプロセス)
において、上記P型ソース/ドレイン拡散層12gとの
界面を、略平坦に、かつ、上記N型ウェル領域12bお
よび上記ゲート絶縁膜12cの界面と略同一の高さによ
り形成することが可能となる。
【0073】同様に、後のシリコン化合物層13iの形
成において、上記N型ソース/ドレイン拡散層13gと
の界面を、略平坦に、かつ、上記P型ウェル領域13b
および上記ゲート絶縁膜13cの界面と略同一の高さに
より形成することが可能となる。
【0074】次いで、希HF溶液を用いた前処理(界面
処理)を行って、上記選択シリコン成長層28の表面の
自然酸化膜を除去した後、スパッタ法により、全面に1
50オングストローム程度の厚さのコバルト膜(金属
膜)29を形成する(図13参照)。
【0075】そして、シリサイデーションプロセスとし
て、たとえば、500℃程度の温度により、窒素雰囲気
中で、60秒程度、熱処理を行って、上記選択シリコン
成長層28と上記コバルト膜29との反応を促進させ
る。
【0076】その際、シリサイデーション反応は、それ
ぞれ、シリコン界面の高酸素濃度層28aにより抑制さ
れて、シリコン界面で停止される。この結果、上記ゲー
ト電極12d,13d上においては、シリコン界面であ
る、上記ゲート電極12d,13dとの界面が略平坦
な、シリコン化合物層12h,13hがそれぞれ自己整
合的に形成される。
【0077】また、上記P型ソース/ドレイン拡散層1
2g上においては、シリコン界面である、上記P型ソー
ス/ドレイン拡散層12gとの界面が略平坦で、かつ、
上記N型ウェル領域12bおよび上記ゲート絶縁膜12
cの界面と略同一の高さを有して、積み上げ構造のシリ
コン化合物層12iが自己整合的に形成される。
【0078】同様に、上記N型ソース/ドレイン拡散層
13g上においては、シリコン界面である、上記N型ソ
ース/ドレイン拡散層13gとの界面が略平坦で、か
つ、上記P型ウェル領域13bおよび上記ゲート絶縁膜
13cの界面と略同一の高さを有して、積み上げ構造の
シリコン化合物層13iが自己整合的に形成される。
【0079】次いで、過酸化水素水と硫酸との混合溶液
により、未反応のコバルト膜29を剥離した後、たとえ
ば、600℃の温度により、60秒程度のアニールを行
って、上記シリコン化合物層12h,12i,13h,
13iをそれぞれ低抵抗化する(図14参照)。
【0080】このようにして、上記シリコン化合物層1
2h,12i,13h,13iを形成した後において
は、周知の方法によって配線層の形成を行って、CMO
SFET構造を実現する。
【0081】すなわち、全面に層間絶縁膜15を堆積さ
せて、その表面をCMP法により平坦化する。そして、
上記シリコン化合物層12h,12i,13h,13i
にそれぞれ達する深さのコンタクト孔を開孔する。
【0082】また、各コンタクト孔内にタングステンな
どの導電性材料を埋め込んで、上記シリコン化合物層1
2h,13hにつながるゲート電極コンタクト12j,
13j、および、上記シリコン化合物層12i,13i
につながる拡散層コンタクト12m,13mを、それぞ
れ形成する。
【0083】最後に、上記ゲート電極コンタクト12j
および上記拡散層コンタクト12mにつながる配線12
k,12n、並びに、上記ゲート電極コンタクト13j
および上記拡散層コンタクト13mにつながる配線13
k,13nのパターニングをそれぞれ行うことにより、
図1に示した、PチャネルMOSFET12とNチャネ
ルMOSFET13とを混載してなるCMOS回路が完
成する。
【0084】上記のようにして得られたCMOS回路に
おいては、シリコン化合物層の一部がソース/ドレイン
拡散層内に食い込むのを抑制できるようにしている。す
なわち、ソース/ドレイン拡散層の表面上に選択シリコ
ン成長層を形成する際に、酸素濃度を制御することによ
って、その拡散層との界面に高酸素濃度層を形成するよ
うにしている。これにより、拡散層との界面において、
シリサイデーション反応を停止させることが可能となる
ため、シリサイデーション反応が終了した段階での、シ
リコン化合物層の界面における平坦性を向上できるよう
になる。したがって、不均一なシリコン化合物層が形成
されるのを防止できるため、拡散層間の寄生抵抗を低減
する目的で設けられるシリコン化合物層を、より浅い拡
散層上へ形成することが可能となるものである。
【0085】しかも、側壁絶縁膜との間に、選択シリコ
ン成長層のファセット面が形成されるような場合におい
ても、シリコン化合物層の拡散層内への食い込みを抑制
できるようになる結果、コバルト原子の拡散にともな
う、接合リーク電流の増大をも制御できるようになるも
のである。
【0086】なお、上記した本発明の実施の第一の形態
においては、シリコン化合物層として、コバルトを用い
たCoシリサイド膜を形成するようにした場合を例に説
明したが、これに限らず、たとえばチタンを用いたTi
シリサイド膜を形成することも可能である。
【0087】図15は、本発明の実施の第二の形態にか
かるCMOS回路として、Tiシリサイド膜からなるシ
リコン化合物層を形成するようにした場合の例を示すも
のである。
【0088】すなわち、上記した第一の形態にかかるC
MOS回路の場合と同様に、たとえば図2〜図11に示
した、選択エピタキシャル成長法による選択シリコン成
長層(シリコン系積み上げ層)28を形成するまでの工
程を経た状態において、界面処理を行った後に、スパッ
タ法により、全面に200オングストローム程度の厚さ
のチタン膜31を形成する(図15参照)。
【0089】そして、シリサイデーションプロセスとし
て、たとえば、上記選択シリコン成長層28と上記チタ
ン膜31とを700℃程度の温度で反応させて、シリサ
イド化する。
【0090】この場合も、上記選択シリコン成長層28
のシリコン界面においては、選択シリコン成長層28の
形成に際して、シリコン界面における酸素濃度を制御す
ることにより、疑似的な高酸素濃度層28aが形成され
るようになっている。このため、Tiシリサイド膜から
なるシリコン化合物層を形成する場合においても、シリ
コン界面での平坦性を向上させることが可能である。
【0091】なお、上記シリコン化合物層は、未反応の
チタン膜31を硫酸と過酸化水素水との混合溶液により
除去した後、RTA法により、C49相からC54相へ
相転移させることで、より低抵抗化できる。
【0092】こうして、上記シリコン化合物層を形成し
た後においては、上記した第一の形態にかかるCMOS
回路の場合と同様に、周知の方法によって配線層の形成
を行うことで、図1に示したような構造のCMOS回路
が実現される。
【0093】また、上記した第一,第二の形態において
は、いずれも、選択シリコン成長層のシリコン界面との
間に疑似的に高酸素濃度層を形成するようにした場合に
ついて説明したが、たとえば、高窒素濃度層を形成する
ことによっても、ほぼ同様な効果が期待できる。
【0094】図16は、本発明の実施の第三の形態にか
かるCMOS回路として、シリサイデーション反応を抑
制するために、選択シリコン成長層28のシリコン界面
との間に、高窒素濃度層28bを疑似的に形成するよう
にした場合を例に示すものである。
【0095】なお、図17は、選択エピタキシャル成長
が容易に可能な範囲として、シリコン界面での窒素濃度
の面密度を1×1013〜2×1015cm-2とした場合
の、上記選択シリコン成長層28の、ある断面(たとえ
ば、図16(a)の矢印B)に対する窒素濃度プロファ
イルを、SIMS分析した際の結果を示すものである。
【0096】すなわち、上記した第一の形態にかかるC
MOS回路の場合と同様に、たとえば図2〜図10に示
した、P型ソース/ドレイン拡散層12gおよびN型ソ
ース/ドレイン拡散層13gを形成するまでの工程を経
た状態において、ゲート絶縁膜12c,13cの形成を
行った後に、シリコン界面に対して、10〜40KeV
程度の加速電圧で、かつ、2×1014cm-2程度のドー
ズ量により、窒素をイオン注入する。
【0097】そして、900℃程度の温度により、30
秒程度の時間、アニールした後、上記と同様の方法によ
り、ゲート電極12d,13d上およびソース/ドレイ
ン拡散層12g,13g上に、それぞれ選択シリコン成
長層28を形成する(図16(a)参照)。
【0098】また、界面処理を行った後に、たとえば、
スパッタ法により、50〜200オングストローム程度
の厚さのコバルト膜と200オングストローム程度の厚
さのチタンナイトライド(TiN)膜とからなる金属積
層膜(金属膜)32を、全面に形成する(図16(b)
参照)。
【0099】そして、RTA処理により、450〜55
0℃程度の温度で、1分程度の時間、アニールすること
で、ゲート電極12d,13d上およびソース/ドレイ
ン拡散層12g,13g上に、それぞれ、Coモノシリ
サイド膜からなるシリコン化合物層が形成される。
【0100】この場合、上記したシリコン界面への窒素
のイオン注入とその後のアニール(RTA)処理とによ
って、選択シリコン成長層28のシリコン界面との間に
疑似的に高窒素濃度層28bが形成され、この高窒素濃
度層28bがシリサイデーションストップ層として機能
することにより、シリコン界面でのシリサイデーション
反応が抑制されることが確認できた。
【0101】したがって、シリサイデーション反応の抑
制のために窒素を用いるようにした場合においても、C
oモノシリサイド膜からなるシリコン化合物層の、シリ
コン界面での平坦性を向上させることが可能となる。
【0102】なお、上記シリコン化合物層は、未反応の
金属積層膜32を硫酸と過酸化水素水との混合溶液によ
り除去した後に、RTA法により、600〜650℃程
度の温度で、1分程度の時間、再アニールして、CoS
2 へと相転移させることで、より低抵抗化できる。
【0103】こうして、上記シリコン化合物層を形成し
た後においては、上記した第一の形態にかかるCMOS
回路の場合と同様に、周知の方法によって配線層の形成
を行うことで、図1に示したような構造のCMOS回路
が実現される。
【0104】また、上記した第三の形態においては、シ
リサイデーション反応の抑制のために窒素を用いるよう
にした場合に、Coモノシリサイド膜からなるシリコン
化合物層を形成するようにしたが、たとえば、チタンを
用いたTiシリサイド膜からなるシリコン化合物層を形
成することも可能である。
【0105】図18は、本発明の実施の第四の形態にか
かるCMOS回路として、シリサイデーション反応の抑
制のために窒素を用いるようにした場合において、Ti
シリサイド膜からなるシリコン化合物層を形成するよう
にした場合の例を示すものである。
【0106】すなわち、上記した第三の形態にかかるC
MOS回路の場合と同様に、たとえば、シリコン界面へ
の窒素のイオン注入とその後のアニール処理とによっ
て、選択シリコン成長層28のシリコン界面との間に疑
似的に高窒素濃度層28bを形成した状態(同図(a)
参照)において、界面処理を行った後に、スパッタ法に
より、全面に100〜400オングストローム程度の厚
さのチタン膜31を形成する(同図(b)参照)。
【0107】そして、シリサイデーションプロセスとし
て、たとえば、上記選択シリコン成長層28と上記チタ
ン膜31とを700℃程度の温度で、1分程度の時間、
反応させて、シリサイド化する。
【0108】この場合も、上記選択シリコン成長層28
のシリコン界面との間においては、疑似的な高窒素濃度
層28bが形成されるようになっている。そのため、こ
の高窒素濃度層28bによってシリサイデーション反応
を抑制できるようになる結果、Tiシリサイド膜からな
るシリコン化合物層の、シリコン界面での平坦性を向上
させることが可能である。
【0109】なお、上記シリコン化合物層は、未反応の
チタン膜31を硫酸と過酸化水素水との混合溶液により
除去した後に、たとえば、RTA法により、750℃程
度の温度により、1分程度の時間、アニールすること
で、より低抵抗化できる。
【0110】こうして、上記シリコン化合物層を形成し
た後においては、上記した第一の形態にかかるCMOS
回路の場合と同様に、周知の方法によって配線層の形成
を行うことで、図1に示したような構造のCMOS回路
が実現される。
【0111】なお、上記した第一〜第四の形態において
は、いずれも、ソース/ドレイン拡散層12g,13g
の形成は、選択シリコン成長層28を形成する前に行う
ようにしたが、これに限らず、選択シリコン成長層28
を形成した後に行うようにしても良い。
【0112】また、上記した第一〜第四の形態において
は、いずれも、高酸素濃度層または高窒素濃度層を形成
することによって、シリコン界面でのシリサイデーショ
ン反応を抑制するようにした場合について説明したが、
たとえば、選択シリコン成長層よりもシリコン化合物層
の成膜(シリサイデーション反応)の速度が速いシリコ
ン系積み上げ層を形成することによっても、シリコン化
合物層のシリコン界面における平坦性を向上できる。
【0113】図19は、本発明の実施の第五の形態にか
かるCMOS回路として、シリサイデーション反応の速
度がシリコンよりも速い、シリコン・ゲルマニウムを利
用するようにした場合を例に示すものである。
【0114】すなわち、上記した第一の形態にかかるC
MOS回路の場合と同様に、たとえば図2〜図10に示
した、P型ソース/ドレイン拡散層12gおよびN型ソ
ース/ドレイン拡散層13gを形成するまでの工程を経
た状態において、ゲート電極12d,13d上およびソ
ース/ドレイン拡散層12g,13g上に、それぞれ、
LPCVD装置を用いて、シリコン系積み上げ層として
のシリコン・ゲルマニウム(SiGe)層33を、30
0オングストローム程度の膜厚で形成する(図19
(a)参照)。
【0115】上記SiGe層33としては、たとえば、
Siの組成比(Si/Si+Ge)が、0.2よりも小
さくなるように形成する。また、界面処理を行った後
に、スパッタ法により、全面に120オングストローム
程度の厚さのコバルト膜(金属膜)29を形成する(図
19(b)参照)。
【0116】そして、上記SiGe層33と上記コバル
ト膜29とを、400〜550℃程度の温度で、60秒
程度の時間、アニールして、シリコン・ゲルマニウムと
コバルトとの合金膜を形成する。
【0117】この場合、上記SiGe層33は、シリコ
ンに比して、上記合金膜の成膜の速度が速いため、シリ
サイデーションファースト層として機能することによ
り、シリコン界面における上記合金膜の形成が抑制され
る。この結果、シリコン・ゲルマニウムとコバルトとの
合金膜からなるシリコン化合物層の、シリコン界面での
平坦性を向上させることが可能である。
【0118】こうして、上記シリコン化合物層を形成し
た後においては、未反応のコバルト膜29を硫酸と過酸
化水素水との混合溶液により除去した後、上記した第一
の形態にかかるCMOS回路の場合と同様に、周知の方
法によって配線層の形成を行うことで、図1に示したよ
うな構造のCMOS回路が実現される。
【0119】なお、上記したいずれの形態においても、
P型シリコン基板を用いる場合に限らず、N型シリコン
基板を用いることも可能である。同様に、PチャネルM
OSFETとNチャネルMOSFETとを混載してなる
CMOS回路に限らず、Pチャネル型またはNチャネル
型の単一構造のMOSトランジスタにも同様に適用でき
る。
【0120】同様に、STI構造の素子分離領域を有し
て形成される場合のものに限らず、たとえば、選択後酸
化法による、LOCOS(Local Oxidation of Silico
n)構造の素子分離領域が形成される場合のものにも適
用可能である。その他、この発明の要旨を変えない範囲
において、種々変形実施可能なことは勿論である。
【0121】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、拡散層とこの拡散層上の良導体層との界面の平坦性
を向上でき、良導体層からの金属拡散にともなう、接合
リーク電流の増大を制御することが可能な半導体装置お
よびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第一の形態にかかる、CMO
S回路の要部の構成を概略的に示す断面図。
【図2】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図3】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図4】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図5】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図6】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図7】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図8】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図9】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図10】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図11】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図12】同じく、かかるCMOS回路の製造方法を説
明するために、選択シリコン成長層の酸素濃度プロファ
イルを示す概略図。
【図13】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図14】同じく、かかる製造方法を説明するために示
す、CMOS回路の概略断面図。
【図15】この発明の実施の第二の形態にかかる、CM
OS回路の製造方法を説明するために示す概略断面図。
【図16】この発明の実施の第三の形態にかかる、CM
OS回路の製造方法を説明するために示す概略断面図。
【図17】同じく、かかるCMOS回路の製造方法を説
明するために、選択シリコン成長層の窒素濃度プロファ
イルを示す概略図。
【図18】この発明の実施の第四の形態にかかる、CM
OS回路の製造方法を説明するために示す概略断面図。
【図19】この発明の実施の第五の形態にかかる、CM
OS回路の製造方法を説明するために示す概略断面図。
【図20】従来技術とその問題点を説明するために、サ
リサイド技術について概略的に示すMOSFETの断面
図。
【図21】同じく、従来の積み上げ構造のシリサイド層
を有してなるMOSFETの概略構成を示す断面図。
【図22】同じく、ソース/ドレイン拡散層内へのシリ
サイド層の食い込みを説明するために示すMOSFET
の概略断面図。
【符号の説明】
11…P型シリコン基板 12…PチャネルMOSFET 12a…素子領域(PチャネルMOS領域) 12b…N型ウェル領域 12c…ゲート絶縁膜(PチャネルMOSFET用) 12d…ゲート電極(PチャネルMOSFET用) 12e…側壁絶縁膜(PチャネルMOSFET用) 12f…P- 型ソース/ドレイン拡散層 12g…P型ソース/ドレイン拡散層 12h…シリコン化合物層(ゲート電極上) 12i…シリコン化合物層(ソース/ドレイン拡散層
上) 12j…ゲート電極コンタクト(PチャネルMOSFE
T用) 12k…配線(ゲート電極接続用) 12m…拡散層コンタクト(PチャネルMOSFET
用) 12n…配線(拡散層接続用) 13…NチャネルMOSFET 13a…素子領域(NチャネルMOS領域) 13b…P型ウェル領域 13c…ゲート絶縁膜(NチャネルMOSFET用) 13d…ゲート電極(NチャネルMOSFET用) 13e…側壁絶縁膜(NチャネルMOSFET用) 13f…N- 型ソース/ドレイン拡散層 13g…N型ソース/ドレイン拡散層 13h…シリコン化合物層(ゲート電極上) 13i…シリコン化合物層(ソース/ドレイン拡散層
上) 13j…ゲート電極コンタクト(NチャネルMOSFE
T用) 13k…配線(ゲート電極接続用) 13m…拡散層コンタクト(NチャネルMOSFET
用) 13n…配線(拡散層接続用) 14…素子分離領域 14a…トレンチ溝 14b…ラウンド酸化膜 14c…埋め込み酸化膜 14c´…シリコン酸化膜(埋め込み酸化膜用) 15…層間絶縁膜 21…熱酸化膜 22…シリコン窒化膜 23…レジスト膜 24…ダミー酸化膜 25…シリコン酸化膜(ゲート絶縁膜用) 26…シリコン膜(ゲート電極用) 26´…ゲート電極パターン 27…レジスト膜(ゲート電極形成用) 28…選択シリコン成長層 28a…高酸素濃度層 28b…高窒素濃度層 29…コバルト膜 31…チタン膜 32…金属積層膜 33…シリコン・ゲルマニウム層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一導電型の半導体層と、 この半導体層の表面上にゲート絶縁膜を介して設けられ
    たゲート電極と、 このゲート電極の形成位置を除く、前記半導体層の表面
    領域に設けられた第二導電型の拡散層と、 この拡散層上に自己整合的に形成され、その拡散層との
    界面が、前記半導体層および前記ゲート絶縁膜の界面と
    略同一の高さを有する良導体層とを具備したことを特徴
    とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記良導体層は、シリサイド層からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記良導体層は、ゲルマニウムとシリコ
    ンと金属との合金層であることを特徴とする請求項1に
    記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 第一導電型の半導体層の表面上にゲート
    絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極の形成位置を除く、前記半導体層の表面
    領域に第二導電型の拡散層を形成する工程と、 前記ゲート電極の側壁部分に側壁絶縁膜を形成する工程
    と、 前記側壁絶縁膜の形成位置を除く、前記拡散層の表面上
    に、その拡散層との界面における酸素濃度もしくは窒素
    濃度が制御されたシリコン系積み上げ層を形成する工程
    と、 少なくとも、前記シリコン系積み上げ層上に金属膜を形
    成する工程と、 前記シリコン系積み上げ層および前記金属膜を反応させ
    て、前記拡散層上に、その拡散層との界面が、前記半導
    体層および前記ゲート絶縁膜の界面と略同一の高さを有
    してなる良導体層を形成する工程とを備えてなることを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン系積み上げ層を形成する工
    程は、シリコン系積み上げ層を形成する前の、水素によ
    るベーク時間を調整することにより、前記拡散層との界
    面における酸素濃度を制御することを特徴とする請求項
    4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン系積み上げ層を形成する工
    程は、シリコン系積み上げ層を形成する前に、前記拡散
    層との界面に窒素をイオン注入することにより、その拡
    散層との界面における窒素濃度を制御することを特徴と
    する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリコン系積み上げ層の形成には、
    選択エピタキシャル成長法を用いることを特徴とする請
    求項5または請求項6のいずれかに記載の半導体装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記良導体層を形成する工程は、前記シ
    リコン系積み上げ層と前記金属膜とをシリサイデーショ
    ン反応させるものであり、前記シリサイデーション反応
    は、前記シリコン系積み上げ層中の酸素もしくは窒素に
    より阻止されることを特徴とする請求項4に記載の半導
    体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シリコン系積み上げ層には、シリコ
    ンよりも前記良導体層の成膜の速度が速い材料を用いる
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記シリコン系積み上げ層には、シリ
    コン・ゲルマニウムを用いることを特徴とする請求項9
    に記載の半導体装置の製造方法。
JP18242698A 1998-06-29 1998-06-29 半導体装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3581253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18242698A JP3581253B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18242698A JP3581253B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 半導体装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000021996A true JP2000021996A (ja) 2000-01-21
JP3581253B2 JP3581253B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=16118080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18242698A Expired - Fee Related JP3581253B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3581253B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147340A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Nec Electronics Corp 半導体装置、半導体装置の製造方法、及びsramセル
JP2009524221A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション Mosfetゲート電極のランディング・パッドのための構造および方法
JP2010080756A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Elpida Memory Inc 半導体装置及び半導体装置の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524221A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション Mosfetゲート電極のランディング・パッドのための構造および方法
JP2008147340A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Nec Electronics Corp 半導体装置、半導体装置の製造方法、及びsramセル
JP2010080756A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Elpida Memory Inc 半導体装置及び半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3581253B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5933741A (en) Method of making titanium silicide source/drains and tungsten silicide gate electrodes for field effect transistors
US7602031B2 (en) Method of fabricating semiconductor device, and semiconductor device
JPH11111980A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US6372589B1 (en) Method of forming ultra-shallow source/drain extension by impurity diffusion from doped dielectric spacer
JPH0774128A (ja) 自己整合シリサイド工程
KR20040029119A (ko) 니켈 규화물을 사용하여 개선된 k 값이 높은 유전체
US8004050B2 (en) Semiconductor device comprising gate electrode having arsenic and phosphorous
JPH05326552A (ja) 半導体素子およびその製造方法
US5843834A (en) Self-aligned POCL3 process flow for submicron microelectronics applications using amorphized polysilicon
KR100670619B1 (ko) 반도체 장치 및 그의 제조방법
JP3190858B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US6057185A (en) Method of manufacturing semiconductor device
JP3581253B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH06333943A (ja) Mos半導体装置の製造方法
JPH1012748A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH10313117A (ja) Misトランジスタ及びその製造方法
JP2004253778A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH07263690A (ja) サリサイド構造を有する半導体装置とその製造方法
KR100401500B1 (ko) 반도체장치의 제조방법
JP2000269491A (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
JPH1167691A (ja) 半導体装置の製造方法
US20190207010A1 (en) Silicide block integration for cmos technology
KR100613585B1 (ko) 반도체 소자의 제조 방법
JPH06204420A (ja) 半導体装置の製造方法
KR100580795B1 (ko) 반도체 소자의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040412

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040722

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees