JP2000021900A - 電界効果トランジスタの製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタの製造方法

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JP2000021900A
JP2000021900A JP10184688A JP18468898A JP2000021900A JP 2000021900 A JP2000021900 A JP 2000021900A JP 10184688 A JP10184688 A JP 10184688A JP 18468898 A JP18468898 A JP 18468898A JP 2000021900 A JP2000021900 A JP 2000021900A
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drain
mask
layer
gate electrode
effect transistor
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JP10184688A
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Masayuki Sugiura
政幸 杉浦
Kohei Moritsuka
宏平 森塚
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 T型電極を備えた電界効果トランジスタにお
いて、ソース抵抗等ソース側の素子成分を従来と同じに
保ちながらゲート・ドレイン耐圧を向上させ、さらに、
寄生容量を低減させた0.1μmオーダーのゲート長を
備えた低価格で優れた高周波特性を備えた電界効果トラ
ンジスタとその製造方法を提供する。 【解決手段】 ゲート電極のソース側の端部とドレイン
側の端部とを規定するマスク材料を異なる材料で形成す
ることにより、ゲート電極のソース側とドレイン側の非
対称性を実現するとともに、ゲート電極付近の半導体層
の形状もソース側とドレイン側で異なった形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はT型電極を備える電
界効果トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高移動度電界効果トランジスタ(HEM
T:High Electron Mobility
Transistor)を始めとする化合物半導体の電
界効果トランジスタはその高い電子移動度から、マイク
ロ波やミリ波帯での応用が進められている。より高い周
波数帯での応用のための高性能化には、ゲート長を短縮
することが最も効果的であり、今日ではゲート長が0.
1μmオーダーの素子の開発、実用化も行われている。
しかし、単純にゲート長を短くした場合、ゲート電極の
断面積も小さくなってしまうためゲート抵抗が増大し素
子の性能を低下させてしまうという問題がある。このよ
うな問題を回避するために、ゲート長を短く保ったまま
断面積を確保するT型電極構造が広く用いられている。
【0003】このようなT型電極を備えた電界効果トラ
ンジスタの断面形状を図7に示す。このような短ゲート
長、低ゲート抵抗を同時に実現しているT型電極構造で
あるが、図7に示されたようにその断面形状がT型であ
るがために庇部分と半導体層間で容量成分が発生してし
まうという問題がある。このような容量成分は構造的な
強度を保つため庇下部に絶縁体を挿入してある場合にお
いては特に顕著となる。というのは絶縁物の持つ大きい
誘電率により寄生容量が大幅に増大するためである。こ
のような寄生容量はゲート・ソース間容量、ゲート・ド
レイン間容量を共に増大させるため、トランジスタの雑
音特性を劣化させるばかりでなく、最高発振周波数、遮
断周波数を低下させ、マイクロ波帯、ミリ波帯での応用
に必要な高い性能を引き出すことができなくなるという
問題があった。特にゲート・ドレイン容量は、半導体層
中にできる空乏層起因の真性容量が小さいため、わずか
な寄生容量成分の増加でも相対的に大きな影響を与え、
トランジスタの性能を大きく劣化させる原因となってい
た。
【0004】一方、作成方法という観点からT型電極構
造を見た場合について述べる。
【0005】従来のT型電極構造の作成方法をHEMT
を例として図8に順に示す。まず、バッファ層、チャネ
ル層、電子供給層、ショットキーコンタクト層、オーミ
ックコンタクト層を順次積層した化合物半導体基板上に
絶縁層を形成した後、電子ビーム露光レジストを塗布、
露光、現像することにより、0.1μm幅の開口を持っ
たパターンを形成する(図8(a)参照)。次にこの電
子ビームレジストをマスクとして絶縁層をエッチング
し、レジストを除去することにより、レジストパターン
と同じ開口を持ったパターンを形成する(図8(b)参
照)。
【0006】次にこの絶縁層の上にフォトレジストを塗
布し、露光、現像することにより、0.1μmの開口部
を含んだ領域に0.5μm幅の逆テーパ状の開口を持っ
たパターンを形成する(図8(c)参照)。続いて、絶
縁層の開口部に露出しているオーミックコンタクト層を
ウェットエッチングにより除去し、リセス構造を形成す
る(図8(d)参照)。次に基板全面にゲート電極材料
となる金属を真空蒸着法を用いて蒸着し(図8(e)参
照)、その後レジストパターンを溶解することにより電
極以外の部分を除去し、T型電極構造を形成する(図8
(f)参照)。
【0007】ここに示したように、短いゲート長を実現
するために形成する0.1μmオーダーの微細なパター
ンの形成には、現在、電子ビーム露光装置といった特殊
で高価なリソグラフィ装置が必要である。このことは、
0.1μmオーダーのゲート長を持つゲート電極形成の
高コスト化の主な原因となっている。さらに電子ビーム
露光装置を用いて描画を行った場合、描画装置のスルー
プットが低いために、トランジスタの製造コストはさら
に高くなるばかりか大量生産には不向きであるという問
題があった。
【0008】また、リセス構造をゲート電極形成用のマ
スクを用いて形成するため、ゲート・ソース間とゲート
・ドレイン間とのリセスエッチング幅は全く同一の大き
さで形成されることになる(図7のゲート部分参照)。
ソース・ゲート間のリセス幅はソース抵抗の低減という
要請からあまり大きくできないため、リセス幅が同一と
いう状況はゲート・ドレイン間のリセス幅も比較的小さ
な量に設定せざるを得ない状態になることを意味してい
る。このことは、ソース抵抗を小さく保ったまま、ソー
ス・ドレイン耐圧を大きく取ることができない大きな原
因の一つとなっている。勿論、オフセットゲート構造と
呼ばれるゲート・ソース間とゲート・ドレイン間のリセ
ス幅が異なった構造を持つトランジスタも実現されてい
るが、リセスエッチングとゲートの形成に別の工程を必
要とし、合わせ精度の面から再現性の低下という問題が
生じるのに加え、工程数の増加から高コスト化といった
問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、T型電
極構造はゲート長の短縮とゲート電極の断面積の増大と
いう点でトランジスタの高性能化を実現する効果的な構
造であるが、T型電極の庇部と半導体部分とで形成され
る寄生容量はゲート容量の増大という形でトランジスタ
の性能を低下させる原因となっている。特にゲート電極
のドレイン側に形成される寄生容量は、ゲート電極下の
空乏層起因で生じる容量が小さいため、わずかな寄生容
量の増大が相対的に大きな影響を持ち、最高発振周波数
の低下など著しい性能の劣化の原因となっていた。ま
た、0.1μmオーダーの微細なパターンの加工には電
子ビーム露光装置といった高価でスループットの低い装
置を用いる必要があり、高性能トランジスタの低価格
化、大量生産化のボトルネックとなっていた。一方、半
導体層の形状に着目するとリセスエッチングの対称性の
ために、工程数の増加を伴わず、かつ、高周波特性を低
下させることなくゲート・ドレイン耐圧を高くすること
は困難であるという問題があった。
【0010】本発明はT型電極構造のドレイン側に形成
される寄生容量を低下させるのと同時に、ドレイン耐圧
を増加させ、トランジスタの高性能化を実現するととも
に、従来の光学露光装置を用いて0.1μmオーダーの
ゲート長を持つ電界効果トランジスタを形成する製造方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した問題を解決する
ために、本発明は、断面形状がT型のゲート電極を備え
た電界効果トランジスタの製造方法であって、ゲート電
極のソース側の端部とドレイン側の端部とを規定するマ
スクの材料を異なる材料で形成する工程を含むことを特
徴とする電界効果トランジスタの製造方法を提供する。
【0012】また本発明は、断面形状がT型のゲート電
極を備えた電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記ゲート電極を形成する前に、当該ゲート電極のソー
ス側の部分及びドレイン側の部分の下に位置する領域に
それぞれお互いに異なる材料からなるマスクを形成する
ことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法を提
供する。
【0013】これらの発明において、前記マスクの材料
のうち、ドレイン側のマスクの材料が導電性を持ってい
ることが望ましい。
【0014】また、前記ソース側及びドレイン側のマス
クに対して選択的なエッチングを行う工程を含むことが
望ましい。
【0015】また本発明は、断面形状がT型のゲート電
極を備えた電界効果トランジスタの製造方法であって、
ゲート電極のソース側の端部とドレイン側の端部とを規
定するマスクのうちドレイン側のマスクを形成する前
に、当該マスクの形成領域の半導体層に対して加工を加
える工程を含むことを特徴とする電界効果トランジスタ
の製造方法を提供する。
【0016】本発明による電界効果トランジスタの製造
方法は、ゲート電極のソース側の端部とドレイン側の端
部とを規定するマスク材料が異なる材料で形成される工
程を含むことを特徴としている。このようにソース側と
ドレイン側のゲート電極形成用のマスクを異なる材料と
した場合、マスク部分を形成する工程としてそれぞれの
材料に対応する二段階の工程が存在することになる。
【0017】これまで提案されてきたゲート電極形成プ
ロセスは、一様なマスク材料に対してゲート電極を形成
する部分に穴を開けた形であったためゲート電極部分に
のみ加工することしかできなかったのに対し、本発明に
よれば一方のマスク材料を形成した段階でソース側ある
いはドレイン側にのみ加工を施す自由度が生じる。この
自由度により、リセスエッチングを対称にしか施すこと
ができないという従来の欠点を無くし、ゲート電極周り
の半導体層の形状をソース側とドレイン側とで非対称に
形成することができる。
【0018】つまり、ドレイン側の半導体層をソース側
とは独立に削り取るといった加工を施すことにより、ソ
ース側の形状を従来と同じに保ちながらドレイン側の形
状を制御することができるのである。その結果、ソース
抵抗等ソース側の素子成分を従来と同じに保ちながら、
ゲート・ドレイン耐圧を大幅に向上させたり、ゲート・
ドレイン容量を小さくすることができ、トランジスタの
パワー特性、高周波特性を向上させることができる。
【0019】また、マスク材料の厚さについてもソース
側とドレイン側とで別の材料を使用することから、各材
料の厚さを異なった値に設定することができる。これに
より、T型電極の庇下部と半導体層までの距離をソース
側とドレイン側で異なった値に設定することが可能とな
る。つまり、ソース側のT型電極の庇下部と半導体層ま
での距離に比べドレイン側のそれを大きくすることがで
きるのである。その結果、ドレイン側の寄生容量を従来
の値に比べて低減することができ、高周波特性を向上さ
せることができる。
【0020】さらに、リセスエッチングを施すためのマ
スク材料として異なる材料を用いることができることか
ら、ソース側とドレイン側で半導体のエッチング特性が
異なるマスク材料を使用することができる。このような
自由度を有効に利用する例として、マスク材料として導
電性のある材料を用いた場合が挙げられる。導電性のあ
るマスク材料を用いた場合、最終的には必ず取り除かな
くてはならないという制限もあるが、その一方で、半導
体層と導電性マスク間にエッチング溶液を介在して電気
化学的な反応が生じ、半導体層のエッチングレートが増
大するという特性が知られている。この特性を利用して
ドレイン側のマスク材料として導電性のある材料を用い
ることにより、新たな工程を必要とせずにドレイン側の
リセス幅をソース側のリセス幅より大きくすることが可
能となる。このことは、当然のことながらゲート・ドレ
イン耐圧を大きくすることができるばかりでなく、ゲー
ト・ドレイン容量も低減させ高周波特性の向上にも効果
がある。
【0021】このように、異なるマスク材料を用いるこ
とにより多くの有効性があるのはこれまで説明してきた
通りであるが、異なったマスク材料を用いた場合、当然
のことながらゲート形成のための工程が複雑になるとい
う懸念が生じる。勿論、異なるマスク材料を互いに独立
の工程で形成した場合、それぞれの形状を自由に設計で
きるという利点もあるが、合わせ精度の問題や工程の増
加という点で再現性、高コスト化という問題が生じる。
そこで本発明では次のような工程でゲート電極のマスク
を形成することにより、この問題点を解決している。
【0022】その工程とは、まず半導体基板上に第一の
材料からなる絶縁層を堆積し、この第一の絶縁層上にフ
ォトレジストを塗布し、露光、現像することにより第一
のレジストパターンを形成する工程、前記第一のレジス
トパターンをマスクとしてその端部から所定の寸法だけ
第一の材料からなる絶縁層に対しサイドエッチングを施
す工程、前記半導体基板の全面に前記第一の絶縁層より
も同程度か薄い第二の材料からなる層を堆積し、この第
二の材料からなる膜と前記第一の材料からなる膜との間
の前記半導体基板上に空隙を形成する工程、フォトレジ
ストを除去しフォトレジスト上の第二の材料を取り除く
工程を順次行うものである。
【0023】このような製造方法によれば、ゲート電極
マスクを形成するのに必要な露光工程は一度で可能であ
るばかりか、ゲート長を規定するパターンの形成には制
御が容易なエッチングを用いていることから、0.1μ
mオーダーの微細パターンの形成が光学露光法のみで行
うことが可能となっている。これにより、量産化に向い
た低コストな高性能電界効果トランジスタを提供するこ
とができる。
【0024】また、既に述べたように第二の材料からな
る膜を堆積する前に、サイドエッチングによってパター
ンが形成された第一の材料からなる膜をマスクとして半
導体層を加工することにより、ソース・ドレイン側の半
導体形状を非対称に形成することができ、非対称形状を
形成するために新たに露光工程を必要としない。このこ
とは従来の複数の露光工程により非対称な形状を形成す
る製造方法に比べ大量生産、低コスト化につながるとい
う長所を備えている。なお、この場合は第一の材料と第
二の材料とは同じ材料であっても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明による電界効果トランジス
タの一実施形態を図1に示す。
【0026】ここでは半絶縁性のGaAs基板上にノン
ドープのGaAsバッファ層、ノンドープInGaAs
チャネル層、n型AlGaAs電子供給層、ノンドープ
AlGaAsショットキーコンタクト層、n型GaAs
オーミックコンタクト層を有機金属気相堆積法を用いて
順次積層したHEMT構造化合物半導体基板を用いてH
EMTを形成している。ソース電極、ドレイン電極はそ
れぞれn型GaAsオーミックコンタクト層上に形成さ
れており、両電極に挟まれた位置にT型電極構造が設け
られている。ソース・ドレイン電極はAuGe(Ge含
有量12%)、Ni、Auを真空蒸着法を用いて順次堆
積し、リフトオフ法を用いて形成されており、380
℃、2分間の熱処理で半導体とのオーミック接合を実現
させている。T型ゲート電極については、n型GaAs
オーミックコンタクト層をリセスエッチングし、AlG
aAsショットキーコンタクト層を露出させた上に形成
されている。ゲート電極はMo、Auをそれぞれ30n
m、500nmの厚さで真空蒸着法を用いて堆積し、そ
の後リフトオフ法によりパターンを形成している。
【0027】一方、既にエッチングにより取り除かれて
しまい図中には明示されていないが、マスク材料として
ドレイン側のマスク材はSiO2膜、ソース側のマスク
材はSiO膜を用いている。ゲート電極のソース・ドレ
インそれぞれの端部での断面形状は、ソース側(SiO
2側)についてはサイドエッチングの際に等方性のエッ
チングを行っているためテーパ状になり、ドレイン側
(SiO側)についてはリフトオフ法で形成しているた
めにやはり同様にテーパ形状となっている。その結果、
ゲート電極材料は半導体層に接する部分に対して鈍な角
度を持って接続されることとなり、ゲート抵抗の半導体
と電極材料との接続方向成分は小さくなるという利点も
生じている。また、庇部分の高さについては、マスク形
状形成後、弗化アンモニウム溶液を用いて全面をエッチ
ングすることにより調整を行っている。これにより、S
iOとSiO2とのエッチングレートの違いからSiO
膜をSiO2膜よりも厚く設定することも可能となり、
T型電極の庇下部の空間の大きさも自由に設計が可能と
なっている。
【0028】次にこの実施例の電界効果トランジスタの
製造方法について図2を用いて説明する。
【0029】まず、トランジスタを形成するための図2
に示した構造を持った半導体基板上にCVD法(化学気
相堆積法)を用いて250nmの厚さのSiO2膜を堆
積する(図2(a)参照)。次に、このSiO2膜上に
フォトレジストを塗布し、ゲート電極のソース側に端部
がくるようなパターンを形成する(図2(b)参照)。
そしてこのパターンをマスクとして等方性エッチング溶
液である弗化アンモニウム溶液を用いてSiO2膜をエ
ッチングする。この時、この後の工程でSiO膜を堆積
した際に露出する半導体層の幅がゲート長に対応する
0.1μmになるまでエッチングを行っている(図2
(c)参照)。
【0030】次に、真空蒸着法によりSiO膜を250
nm堆積する(図2(d)参照)。その後、レジストを
溶解し、レジスト上に堆積していたSiO膜を除去す
る。これにより、先に述べたようにSiO膜とSiO2
膜との間にはSiO2膜のエッチング量に対応した空隙
が形成されているのがわかる。その後、全面を弗化アン
モニウムを用いて主としてSiO2膜に対してエッチン
グを施す。この際、エッチングレートの違いからSiO
膜の厚さの方がSiO2膜の厚さよりも大きくなる(図
2(e)参照)。これにより、T型電極に非対称性が生
じ、ドレイン側のT型電極の庇下部で生じる寄生容量を
ソース側のそれに比べ小さくすることができる。その
後、レジストによりT型電極の庇部分を形成するパター
ンを形成する(図2(f)参照)。
【0031】次にSiO膜とSiO2膜とをマスクとし
てウェットエッチングによりGaAsオーミックコンタ
クト層をエッチングする(図2(g)参照)。続いて真
空蒸着法によりMo、Auをそれぞれ30nm、500
nm堆積する(図2(h)参照)。次に、レジストパタ
ーンを溶解し不要な部分のゲート電極材料を除去する
(図2(i)参照)。その後、希釈弗酸によりSiO膜
とSiO2膜両方を完全に除去し、GaAsオーミック
コンタクト層上の所定の領域にソース電極、ドレイン電
極を形成することにより電界効果トランジスタを完成さ
せることができる(図1参照)。
【0032】また、異なるマスク材料を別の工程で形成
できるという自由度を利用した実施例を図3に示す。
【0033】この例では前述のSiO膜を堆積する前に
露出しているGaAsオーミックコンタクト層をエッチ
ングし、およそ半分の厚さにまで薄層化してある。この
工程を入れることにより、ソース側のリセスエッチング
形状は従来と同じ一段となっているのに対し、ドレイン
側のリセスエッチング形状は二段と異なった形状を実現
できている。このような形状とすることにより、ソース
抵抗は従来と同じ値にしながら、ゲート・ドレイン耐圧
を向上させることができている。また、GaAsオーミ
ックコンタクト層の所望の位置にInGaP等GaAs
に対して選択エッチングが可能な材料を薄く挟み込むこ
とにより、このような形状を再現性良く、また、面内均
一性良く実現することができる。つまり、一旦SiO2
膜をマスクとしてInGaP層までのGaAs層を選択
的にエッチングし、次にGaAs層をマスクとしてIn
GaP層を選択的にエッチングすることにより、形状を
安定に面内均一性良く再現できるのである。勿論、In
GaPのようなGaAsに対して大きなバンドギャップ
を備えた材料を使用する場合には、電気特性を劣化させ
ないよう、十分薄くまた選択エッチングが可能な程度の
厚さ(5nm程度)でGaAs層中に挟み込めば良い
(図4(a)参照)。
【0034】逆に、InGaPの持つこの大きなバンド
ギャップを利用すれば、図4(b)に示したように同様
な構造で耐圧をさらに向上させることが可能である。こ
の構造では、先の例に示した二段階のリセスエッチング
において、最も大きな電界が加わる下段部分をn型のI
nGaP層から構成することにより耐圧を向上させてい
る。この場合、InGaP層の存在によりソース抵抗の
増加も生じるため、GaAs層を厚くするなどの対策が
必要である。この時、ソース側のリセスエッチングは従
来と同様の一段のリセスエッチングであることから、G
aAs層に施した対策はソース側で有効に働き、InG
aP層による影響は最小限にとどめられている。さらに
GaAsとInGaPとの選択エッチングを利用するこ
とにより、面内均一性、再現性も良好となっている。
【0035】また、マスク材料として導電性を有する材
料を利用した例を図5に示す。
【0036】この例では、図2に示した実施例の中でS
iO膜の代わりにTiを堆積している。金属のような導
電性がある材料をマスク材としてGaAs層をエッチン
グした場合、導電性材料(この場合ではTi)とGaA
s層、エッチング溶液とで局部的に電池が形成され、通
常のエッチングによる反応に加え、電気化学的な反応が
生じることは先述した通りである。この電気化学的な反
応の結果、GaAs層の酸化反応が促進され、エッチン
グレートが通常の絶縁膜をマスクにした場合に比べ大き
くなるのである。これにより、図5に示したようにリセ
スエッチングの形状がTiをマスクにした側について大
きく削られた形状となっている。言うまでもなく、マス
クとして利用したTiはそのままではゲート電極と半導
体層とを短絡させてしまっているので、希釈弗酸や弗化
アンモニウム溶液によりSiO2膜と同時にエッチング
除去されており、図中には示されていない。
【0037】また、図2に示したようなショットキーコ
ンタクト層としてAlGaAs層を利用し、さらに、A
lGaAs層に対して選択性を持たないGaAsのエッ
チング溶液を利用してリセスエッチングを施した場合、
エッチングの促進効果のためゲート電極が形成される面
が基板面に対して平行にならないことがある。この場
合、ショットキーコンタクト層にGaAsに対する燐酸
系のエッチング溶液に耐性のあるInGaP層を採用す
ることにより解決することができる。この場合、エッチ
ングは必ずInGaP層で停止するため、しきい値電圧
のばらつきなどが抑制された面内均一性の優れた電界効
果トランジスタを得ることができる。
【0038】さらに、図3、図5に示した実施例を組み
合わせた図6のような構造も考えられ、ソース抵抗を従
来の値に保ちながら、ゲート・ドレイン耐圧をより高く
するとともに帰還容量となるドレイン容量も低減した構
造を実現できる。このような構造とした結果、従来の電
子ビーム露光装置を使用して作成したトランジスタに比
べ、ドレイン耐圧は4Vから8Vへと2倍に向上し、ド
レイン容量も10fF(ゲート幅100μm)から6f
Fへと40%程度低減した。これにより高周波性能はも
ちろんのことパワー応用にも適したトランジスタを実現
することができた。
【0039】また、以上の実施例ではHEMTを例とし
て説明してきたが、本発明はHEMTに限ったものでは
なく、すべてのT型電極を備えた電界効果トランジスタ
にも応用が可能である。
【0040】
【発明の効果】以上によれば、T型ゲート電極及び半導
体層のソース側・ドレイン側の非対称性からソース抵抗
を従来と同じにしながら、ゲート・ドレイン耐圧を大幅
に向上させることができる。また、同時にその非対称性
から帰還容量として大きな影響を持つゲート・ドレイン
容量を低減することができ高周波特性をも高性能化でき
る。さらに先述したような工程を利用することにより
0.1μmオーダーの微細なパターンの形成が光学露光
法のみで行うことができ、量産化可能な低価格の高性能
トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す電界効果トランジ
スタの断面図である。
【図2】図1に示す電界効果トランジスタの製造方法を
示す工程図である。
【図3】本発明の第二の実施例を示す電界効果トランジ
スタの断面図である。
【図4】本発明の第三の実施例を示す電界効果トランジ
スタの断面図である。
【図5】本発明の第四の実施例を示す電界効果トランジ
スタの断面図である。
【図6】本発明の第五の実施例を示す電界効果トランジ
スタの断面図である。
【図7】従来のT型電極を備えた電界効果トランジスタ
の断面図である。
【図8】従来のT型電極の製造方法をHEMT素子用い
て示す工程図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 ノンドープGaAsバッファ層 3 ノンドープInGaAsチャネル層 4 n型AlGaAs電子供給層 5 ノンドープAlGaAsショットキーコンタクト
層 6 n型GaAsオーミックコンタクト層 7 ドレイン電極 8 ソース電極 9 ゲート電極 10 SiO2膜 11 レジストパターン 12 サイドエッチング部分 13a、13b SiO膜 14 開口部 15 レジストパターン 16 リセスエッチング部分 17a、17b ゲート電極材料 18 多段リセスエッチング 19 InGaP層 20 GaAs層 21 大きなリセスエッチング部分 22 多段かつ大きなリセスエッチングが施された部
分 23 絶縁膜 24 寄生容量 25 電子ビームレジスト 26 開口部 27 レジストパターン 28 リセスエッチング部分 29a、29bゲート電極材料 30 ゲート電極
フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA05 BB05 BB09 BB10 BB16 CC01 CC03 DD07 DD12 DD16 DD34 DD68 FF07 FF17 GG12 5F102 FA01 FA03 GB01 GC01 GD01 GJ05 GK05 GL04 GM06 GN06 GQ01 GR04 GR13 GS04 GS06 GT03 HC11 HC17 HC19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状がT型のゲート電極を備えた電
    界効果トランジスタの製造方法であって、ゲート電極の
    ソース側の端部とドレイン側の端部とを規定するマスク
    の材料を異なる材料で形成する工程を含むことを特徴と
    する電界効果トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 断面形状がT型のゲート電極を備えた電
    界効果トランジスタの製造方法であって、前記ゲート電
    極を形成する前に、当該ゲート電極のソース側部分及び
    ドレイン側部分の下に位置する領域にそれぞれお互いに
    異なる材料からなるマスクを形成することを特徴とする
    電界効果トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マスクの材料のうち、ドレイン側の
    マスクの材料が導電性を持っていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の電界効果トランジスタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ソース側及びドレイン側のマスクに
    対して選択的なエッチングを行う工程を含むことを特徴
    とする請求項1乃至3に記載の電界効果トランジスタの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 断面形状がT型のゲート電極を備えた電
    界効果トランジスタの製造方法であって、ゲート電極の
    ソース側の端部とドレイン側の端部とを規定するマスク
    のうちドレイン側のマスクを形成する前に、当該マスク
    の形成領域の半導体層に対して加工を加える工程を含む
    ことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7114217B2 (en) 2003-02-21 2006-10-03 Nifco Inc. Buffer
JP2012023214A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Fujitsu Ltd 化合物半導体装置及びその製造方法
JP2016167600A (ja) * 2009-08-28 2016-09-15 トランスフォーム インコーポレーテッド フィールドプレートを有する半導体デバイス

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