JP2000021250A - セミリジッド型同軸ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

セミリジッド型同軸ケーブル及びその製造方法

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JP2000021250A JP10187442A JP18744298A JP2000021250A JP 2000021250 A JP2000021250 A JP 2000021250A JP 10187442 A JP10187442 A JP 10187442A JP 18744298 A JP18744298 A JP 18744298A JP 2000021250 A JP2000021250 A JP 2000021250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質絶縁層表面の剛性が高められ、また多
孔質絶縁層の表面に健全な金属めっき外部導体層が形成
され、更に端末加工性に優れたセミリジッド型同軸ケー
ブル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 中心導体2の外周に表面の結晶化率が7
5〜92%に調整され,また絶縁層全体の気孔率が5〜
30%に調整された多孔質PTFE絶縁層3を形成して
絶縁体コアcとし、この絶縁体コアcの外周に外部金属
導体層4として、無電解めっきアンカー金属層4aと電
気めっき金属層4bを順次施してセミリジッド型同軸ケ
ーブル1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯用電話機等の小型
電子機器の高周波伝送線路に用いられるセミリジッド型
同軸ケーブルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機等の小型電子機器の高周波伝
送線路として使用されるセミリジッド型同軸ケーブル
は、細径で可撓性に富み高周波電気特性に優れるととも
に端末加工の容易さや半田耐熱性が要求される。かかる
要求に応えるセミリジッド型同軸ケーブルとして、本願
発明者等は特開平6−187847号公報において、中
心導体の外周に4弗化エチレン樹脂(PTFE)或いは
4弗化エチレン−6弗化プロピレン共重合体樹脂(FE
P)等の低誘電率絶縁層を被覆し、この低誘電率絶縁層
外周に無電解めっきによるアンカー金属層と電気めっき
による良導電性金属層とを施し外部導体層としたセミリ
ジッド型同軸ケーブルを提案し、実用に供している。上
記のセミリジッド型同軸ケーブルは、従来の外部導体層
に銅パイプを用いたセミリジッド型同軸ケーブルに比べ
て、低誘電率絶縁層と外部導体層間の密着性に優れてい
て可撓性に富み、細径化が可能であるという利点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】セミリジッド型同軸ケ
ーブルの細径化に伴い、セミリジッド型同軸ケーブルも
他の電子部品と同様に回路基板とはんだ接続する際にリ
フロー炉を用いた自動はんだ接続方式が適用されるよう
になり、セミリジッド型同軸ケーブルの耐熱性能の更な
る改良が求められている。かかる要求に対応するため
に、絶縁層には充実型ふっ素系樹脂絶縁層に代わって耐
熱性能の良い多孔質ふっ素系樹脂絶縁層が多用されるよ
うになった。
【0004】上叙の金属めっきにより外部導体層を形成
するセミリジッド型同軸ケーブルの場合、絶縁層が充実
絶縁体で形成されているものについては金属めっきを施
すときに格別の不都合を生じることはなかった。しか
し、絶縁層が多孔質絶縁体で形成されるようになると、
めっき前処理工程において多孔質絶縁層表面の活性化処
理を行ったときに活性化液が絶縁層表面から細かな気孔
を通って多孔質絶縁層内部に浸透し、多孔質絶縁層内部
まで活性化処理され、金属めっきを施したときに金属め
っき層が多孔質絶縁層内に楔のように食い込んで形成さ
れ、多孔質絶縁層と金属めっき外部導体層との密着度を
強めるという不具合を生じていた。このため、同軸ケー
ブルの端末加工の際、金属めっき外部導体層と多孔質絶
縁層の剥離が困難になるという問題があった。また、健
全な金属めっき外部導体層を形成し難いという問題があ
った。
【0005】更に加えて、多孔質絶縁層全般の問題とし
て、多孔質絶縁体は充実絶縁体に比較し剛性の低下が避
けられない。このため、セミリジッド型同軸ケーブルの
端末加工の際に多孔質絶縁層を中心導体から輪切り剥離
しようとすると、多孔質絶縁層が剥離工具によって潰さ
れ、しかも引き伸ばされてしまって、多孔質絶縁層の輪
切り剥離加工を確実に行うことが難しいという問題があ
った。
【0006】本発明は、上記従来技術が有する各種問題
点を解決するためになされたもので、多孔質絶縁層の表
面に健全な金属めっき外部導体層が形成され、また多孔
質絶縁層表面の剛性が高められ、端末加工性に優れたセ
ミリジッド型同軸ケーブル及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の観点として本発明は、中心導体の外周に、表
面の結晶化率を75〜92%,また絶縁層全体の気孔率
を5〜30%に熱処理調整した多孔質四弗化エチレン樹
脂絶縁層(以下多孔質PTFE絶縁層と略記する)を設
け、この多孔質PTFE絶縁層上に無電解めっきアンカ
ー金属層と電気めっき金属層を順次施した外部金属導体
層を設けたセミリジッド型同軸ケーブルにある。
【0008】上記第1の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルでは、前記結晶化率及び絶縁層全体の気孔率が前記
数値範囲内に限定されているので、活性化処理時にも活
性化液が多孔質PTFE絶縁層の気孔を通って該多孔質
絶縁層内に浸透することが無くなり、多孔質絶縁層表面
のみをエッチング処理することができる。従って、外部
金属導体層を施したときにも該金属導体層が前記多孔質
絶縁層内部に楔状に入り込んで形成されることがなく、
多孔質絶縁層表面にのみ健全な外部金属導体層が形成さ
れる。その結果、多孔質PTFE絶縁層と外部金属導体
層との密着強度が強くなり過ぎることがなくなり、端末
加工の際に多孔質絶縁層から外部金属導体層を剥離する
作業が容易となる。また、優れた高周波電気特性と耐熱
性能を大きく損なうことなしに剛性の向上が図れ、端末
加工性を改善することができる。
【0009】第2の観点として本発明は、前記熱処理調
整した多孔質PTFE絶縁層は、結晶化率95%以上で
気孔率30〜50%のペースト押出し成形した未焼結の
多孔質四弗化エチレン樹脂絶縁体(以下未焼結PTFE
絶縁体と略記する)が瞬間的な熱処理を施され、表面の
結晶化率が75〜92%に調整され、また絶縁層全体の
気孔率が5〜30%に調整され、更に熱処理後の外径が
5〜30%収縮されているセミリジッド型同軸ケーブル
にある。
【0010】上記第2の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルでは、前記第1の観点の作用に加え、未焼結PTF
E絶縁体は瞬間的な熱処理を施されて、熱処理後の外径
が5〜30%収縮されているため、充実体と同程度の剛
性を持つようになり、端末加工の際に多孔質絶縁層が剥
離工具で潰されたり伸ばされることがなくなり、多孔質
絶縁層を中心導体から確実,容易に輪切り剥離すること
が可能となる。
【0011】第3の観点として本発明は、前記熱処理調
整した多孔質PTFE絶縁層の外径が1.0mm以下の
細径であるセミリジッド型同軸ケーブルにある。
【0012】上記第3の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルでは、前記多孔質PTFE絶縁層の外径が1.0m
m以下の細径であるので、小型電子機器内の高周波伝送
線路として好ましく適用できる。
【0013】第4の観点として本発明は、中心導体の外
周に結晶化率95%以上で気孔率30〜50%の未焼結
の多孔質四弗化エチレン樹脂絶縁層(以下未焼結PTF
E絶縁層と略記する)を施す絶縁体被覆工程と該未焼結
PTFE絶縁層の表面を焼結することなく瞬間的な加熱
処理を施し,表面の結晶化率を75〜92%に調整し、
また絶縁層全体の気孔率を5〜30%に調整し、更に熱
処理後の外径を5〜30%収縮させる熱処理工程からな
る絶縁体コア形成工程と、前記絶縁体コアの表面を短時
間に活性化処理する迅速エッチング処理工程と、前記迅
速にエッチング処理された絶縁体コアの外周に無電解め
っき法によりアンカー金属層を形成する無電解めっき工
程と該アンカー金属層の外周に電気めっき法により金属
層を形成する電気めっき工程からなる外部導体形成工程
とを有するセミリジッド型同軸ケーブルの製造方法にあ
る。
【0014】上記第4の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルの製造方法によれば、前記第1〜第3の観点のセミ
リジッド型同軸ケーブルが好ましく製造できる。更に詳
しく説明すると、熱処理工程において、未焼結PTFE
絶縁層を瞬間的に加熱処理しているため、表面等を完全
焼結させることなく、絶縁体コア自体を収縮させ形成で
きる。なお、前記絶縁体コアを過度の活性化処理から保
護しつつ適正な表面活性化を施して健全な外部金属導体
層を形成する必要がある。そこで、本発明のエッチング
処理工程では、活性化処理を通常の処理時間の約1/1
0以下の極く短時間の処理時間で行う迅速エッチング処
理法を採用し、表面活性化液による絶縁体コアの浸食を
防止し、健全な外部金属導体層を形成するに必要な限度
の活性化処理を施している。これにより、絶縁体コアが
過度に浸食されることにより生ずる表面活性化液の多孔
質絶縁層内への浸透の恐れがなくなった。その結果、後
工程の外部導体形成工程において、外部金属導体が多孔
質絶縁層内に楔状に形成される不都合が解消され、多孔
質絶縁層と外部金属導体層との密着度が強くなり過ぎる
という不具合の発生が防止された。なお、活性化処理時
間は多孔質絶縁層表面の焼結程度を勘案し、実験的に決
定している。
【0015】第5の観点として本発明は、前記熱処理工
程が、サンドバス,溶融塩或は不活性溶液を用い、該サ
ンドバス等中を熱処理温度330℃〜380℃,熱処理
時間5秒以下1秒以上の高速で通過させる方法であるセ
ミリジッド型同軸ケーブルの製造方法にある。なお、前
記不活性溶液としては、弗素系溶剤・フロリナート等が
挙げられる。
【0016】上記第5の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルの製造方法は、前記第4の観点の製造方法に好まし
く適用できる。なお、熱処理時間5秒以下1秒以上と限
定した理由は、この条件範囲外では前記表面の結晶化
率、絶縁層全体の気孔率および熱処理後の外径を前記特
定値とすることが出来ないためである。
【0017】第6の観点として本発明は、前記迅速エッ
チング処理工程における活性化処理時間を0.10秒以
上0.30秒以内に設定するセミリジッド型同軸ケーブ
ルの製造方法にある。
【0018】上記第6の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルの製造方法は、前記第4又は第5の観点の製造方法
に好ましく適用できる。なお、活性化処理時間が0.1
0秒より短いと、エッチング処理の効果が薄く、外部金
属導体層の形成が困難となるので好ましくない。また活
性化処理時間が0.30秒より長いと、絶縁体コア内部
までエッチング処理により浸食され、コア内部まで外部
金属導体処理されることにより端末加工性を悪くしてし
まうので好ましくない。
【0019】第7の観点として本発明は、前記迅速エッ
チング処理工程と前記外部導体層形成工程を分離した独
立工程で行うセミリジッド型同軸ケーブルの製造方法に
ある。
【0020】上記第7の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルの製造方法は、前記第4、5又は第6の観点の製造
方法に好ましく適用できる。なお、前記迅速エッチング
処理工程と前記外部導体層形成工程を分離した独立工程
で行う理由は、迅速エッチング処理工程における活性化
処理時間と外部導体形成工程におけるめっき処理時間と
では処理時間が大きく異なり、生産効率或は装置効率を
考慮すれば分割工程とすることがより効果的であること
による。
【0021】第8の観点として本発明は、前記迅速エッ
チング処理工程後、絶縁体コアの内部まで乾燥させる乾
燥工程を設けるセミリジッド型同軸ケーブルの製造方法
にある。
【0022】上記第8の観点のセミリジッド型同軸ケー
ブルの製造方法は、前記第4、5、6又は第7の観点の
製造方法に好ましく適用できる。なお、前記迅速エッチ
ング処理工程後には通常アルコール洗浄,水洗工程が設
けられるが、線速が速いため、アルコール洗浄,水洗後
の乾燥が充分されない可能性があり、その場合は次の外
部導体形成工程で問題となるためである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態に基づ
き本発明を更に詳細に説明する。なお、これにより本発
明が限定されるものではない。 −第1の実施の形態− 図1は、本発明のセミリジッド型同軸ケーブルの1実施
形態を示す横断面図である。セミリジッド型同軸ケーブ
ル1は、中心導体2の外周に表面の結晶化率が75〜9
2%に調整され,また絶縁層全体の気孔率が5〜30%
に調整された多孔質PTFE絶縁層3が形成されて多孔
質PTFE絶縁体コア(以下、絶縁体コアと略記する)
cとなり、この絶縁体コアcの外周に無電解めっきアン
カー金属層4aと電気めっき金属層4bが順次施された
外部金属導体層4が形成されている。例えば、前記多孔
質PTFE絶縁層3は、結晶化率95%以上で気孔率3
0〜50%のペースト押出し成形した未焼結の多孔質P
TFE絶縁体が瞬間的な熱処理を施されて形成される。
なおこの際、前記未焼結PTFE絶縁体を設けたコア
(以下、未焼結絶縁体コアと略記する、また図示しない
が、c’とする)の外径が熱処理されることにより、絶
縁体コアcの外径は5〜30%収縮されている。
【0024】−第2の実施の形態− 図2は、本発明のセミリジッド型同軸ケーブルの製造方
法の1実施形態を示す工程フロー図で、この工程フロー
図と図1に沿いセミリジッド型同軸ケーブル1の製造方
法を詳述する。絶縁体コア形成工程は絶縁体被覆工程と
熱処理工程とでなる。先ず絶縁体被覆工程では、中心導
体2の外周にペースト押出し成形により、例えば結晶化
率97%,気孔率40%の未焼結PTFE絶縁体が被覆
されたコアc’が形成される。続いて、熱処理工程で
は、前記未焼結絶縁体コアc’を雰囲気温度330〜3
80°Cのサンドバス槽に約3秒間通して絶縁体コア
c’の表面を完全焼結させることなく、未焼結絶縁層全
体の外径を5〜30%収縮させて、気孔率5〜30%の
多孔質PTFE絶縁層3の被覆された絶縁体コアcが形
成される。
【0025】次の迅速エッチング処理工程では、前記絶
縁体コアcは液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタレ
ン錯体溶液槽中に導入され、0.10秒〜0.30秒間
浸漬処理されて通過し、絶縁体コアの表面が活性化され
る。この後、アルコール洗浄と水洗により絶縁体コア表
面に付着する金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液が除
去され、乾燥される。更に前記アルコール洗浄,水洗
後、例えば60℃のオーブン中で3〜24時間乾燥させ
るという乾燥工程を設けるとより好ましい(図示せ
ず)。
【0026】次に、表面が活性化された絶縁体コアcは
無電解めっき工程と電気めっき工程からなる外部導体形
成工程に導入される。先ず無電解めっき工程では、絶縁
体コアcの脱脂洗浄と水洗の後、前処理として、絶縁体
コアは、表面に二塩化第一錫(SnCl2 )を吸着させ
るシンセタイジング処理が施され、更にその表面にパラ
ジウム(Pd)を還元析出させる二塩化パラジウム(P
dCl2 )溶液中でのアクチベイテング処理が施され、
この後、80°Cの無電解ニッケル−リン(Ni−P)
めっき液を用いた無電解めっき処理が施され、絶縁体コ
ア表面にNi−Pのアンカー金属層4aが析出形成され
る。続いて、電気めっき工程では、アンカー金属層4a
が形成された絶縁体コアは、水洗後、25°Cの硫酸銅
めっき液中で電流密度1A/dm2 、めっき時間20分
の条件で銅めっきが施され、更に25°Cの光沢硫酸銅
めっき液中で電流密度5A/dm2 、めっき時間40分
の条件で光沢銅めっきが施され電気めっき金属層4bが
形成され、水洗,乾燥して外部金属導体層4が得られ
る。かくして、セミリジッド型同軸ケーブル1が製造さ
れる。
【0027】次に、本発明の要点をなす熱処理工程の熱
処理温度と、迅速エッチング処理工程の活性化処理時間
を変えて製造した実施の形態を記す。なお、各実施の形
態とも上記に説明した図2のフロー工程図に従い製造し
た図1の構成を有するセミリジッド型同軸ケーブルであ
る。
【0028】−第3の実施の形態− 外径0.162mmの銀めっき銅覆鋼線の中心導体2の
外周に、未焼結の多孔質PTFE樹脂をペースト押出し
被覆し、被覆厚さ0.219mm,結晶化率97%,気
孔率40%の未焼結PTFE絶縁層を形成し、これを3
30°Cのサンドバス槽で3秒間加熱処理し、被覆厚さ
0.17mm,結晶化率85%,気孔率25%の多孔質
PTFE絶縁層3を設け、外径0.50mmの絶縁体コ
アcを得た。
【0029】次に、前記絶縁体コアcを液温10°Cの
金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液中で0.20秒間
活性化処理した。次に、この活性化処理後の絶縁体コア
cの外周に無電解めっきにより0.5μm厚さのNi−
Pアンカー金属層4aを施し、更にアンカー金属層4a
上に電気めっきにより50μm厚さの銅めっきの金属層
4bを施し、合計厚さ50.5μmの外部導体層4を設
けた。得られたセミリジッド型同軸ケーブル1の外径は
0.603mmであつた。
【0030】−第4の実施の形態− 絶縁体コアcを形成する際、サンドバス槽での加熱処理
温度を350℃とした以外は、前記第3の実施の形態と
全く同一条件でセミリジッド型同軸ケーブル1を製造し
た。
【0031】−第5の実施の形態− 絶縁体コアcを形成する際、サンドバス槽での加熱処理
温度を380℃とした以外は、前記第3の実施の形態と
全く同一条件でセミリジッド型同軸ケーブル1を製造し
た。
【0032】−第6の実施の形態− 絶縁体コアcを液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタ
レン錯体溶液中で活性化処理する時間を0.30秒間と
した以外は、前記第3の実施の形態と全く同一条件でセ
ミリジッド型同軸ケーブル1を製造した。
【0033】−第7の実施の形態− 絶縁体コアcを液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタ
レン錯体溶液中で活性化処理する時間を0.15秒間と
した以外は、前記第4の実施の形態と全く同一条件でセ
ミリジッド型同軸ケーブル1を製造した。
【0034】−第8の実施の形態− 絶縁体コアcを液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタ
レン錯体溶液中で活性化処理する時間を0.10秒間と
した以外は、前記第5の実施の形態と全く同一条件でセ
ミリジッド型同軸ケーブル1を製造した。
【0035】−第1の比較の形態(参考例)− 絶縁体コアcを形成する際、サンドバス槽での加熱処理
温度を320℃とした以外は、前記第3の実施の形態と
全く同一条件でセミリジッド型同軸ケーブル1を製造し
た。
【0036】−第2の比較の形態(参考例)− 絶縁体コアcを形成する際、サンドバス槽での加熱処理
温度を390℃とした以外は、前記第3の実施の形態と
全く同一条件でセミリジッド型同軸ケーブル1を製造し
た。
【0037】−第3の比較の形態(参考例)− 絶縁体コアcを液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタ
レン錯体溶液中で活性化処理する時間を0.35秒間と
した以外は、前記第1の比較の形態と全く同一条件でセ
ミリジッド型同軸ケーブル1を製造した。
【0038】−第4の比較の形態(参考例)− 絶縁体コアcを液温10°Cの金属ナトリウム−ナフタ
レン錯体溶液中で活性化処理する時間を0.05秒間と
した以外は、前記第2の比較の形態と全く同一条件でセ
ミリジッド型同軸ケーブル1を製造した。
【0039】上記熱処理温度を変えて作製した前記実施
の形態3〜5および前記比較の形態1,2の中間試料に
ついて、絶縁体コア上への金属めっき性を試験した。ま
た得られたセミリジッド型同軸ケーブルについて、形成
した外部金属導体層(金属めっき層)と絶縁体コアとの
端末剥離性および半田耐熱性を評価した結果を下記表1
に示す。なお、熱処理後の絶縁体コアの外径の収縮率
(断面積比)は全て30%であった。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1の評価結果から明らかなように、
未焼結PTFE絶縁層の熱処理温度を調整することによ
り、健全な外部金属導体層を施すことが可能となり、ま
た形成された外部金属導体層と絶縁体コアとの剥離性も
極めて良好となり、また、セミリジッド型同軸ケーブル
としての半田耐熱性も良好となることが分かる。
【0042】また、上記の熱処理温度および活性化処理
時間を変えて作製した前記実施の形態6〜8および前記
比較の形態3,4の中間試料について、絶縁体コア上へ
の金属めっき性を試験した。また得られたセミリジッド
型同軸ケーブルについて、形成した外部金属導体層と絶
縁体コアとの端末剥離性および半田耐熱性を評価した結
果を下記表2に示す。なお、熱処理後の絶縁体コアの外
径の収縮率(断面積比)は全て30%であった。
【0043】
【表2】
【0044】上記表2の評価結果から明らかなように、
多孔質PTFE絶縁層を活性化処理する時間を調整する
ことによって、健全な外部金属導体層を施すことが可能
となり、また形成された外部金属導体層と絶縁体コアと
の剥離性も極めて良好となり、またセミリジッド型同軸
ケーブルとしての半田耐熱性も良好となることが分か
る。
【0045】
【発明の効果】本発明のセミリジッド型同軸ケーブルお
よびその製造方法によれば、多孔質PTFE絶縁層に外
部金属導体層を形成するに際し、所定の未焼結PTFE
絶縁層を瞬間的に加熱処理することにより、表面を完全
焼結させることなく、絶縁層全体の外径を収縮させて、
必要最低限の気孔率を維持し、剛性を向上させた絶縁体
コアを形成させ、この絶縁体コアを短時間の活性化処理
を施すことにより、該コア表面に健全な外部金属導体層
を形成することができる。このように形成された外部金
属導体層は多孔質PTFE絶縁層内に楔状に形成される
ことがないので、多孔質PTFE絶縁層との密着性が過
度になることなく適正に保持される。従って、端末処理
を施す際、外部金属導体層を多孔質PTFE絶縁層から
確実、容易に剥離することができる。また、多孔質PT
FE絶縁層は完全焼結されないので、絶縁層の高周波電
気特性に大きな低下をもたらすことなく多孔質絶縁層表
面の剛性を高めることができる。従って、端末加工処理
を施すときに、多孔質PTFE絶縁層が潰れたり引き伸
ばされたりすることがなくなり、多孔質PTFE絶縁層
を中心導体から輪切り剥離することが容易に行える。か
かる本発明のセミリジッド型同軸ケーブルおよびその製
造方法は、高周波電気特性、耐熱性、端末加工性に優れ
るセミリジッド型同軸ケーブルを提供するうえで有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセミリジッド型同軸ケーブルの1実施
形態を示す横断面図である。
【図2】本発明のセミリジッド型同軸ケーブルの製造方
法の1実施形態を示す工程フロー図である。
【符号の説明】
1 セミリジッド型同軸ケーブル 2 中心導体 3 多孔質PTFE絶縁層 4 外部金属導体層(めっき金属層) 4a 無電解めっきアンカー金属層 4b 電気めっき金属層 c 絶縁体コア

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心導体の外周に、表面の結晶化率を7
    5〜92%,また絶縁層全体の気孔率を5〜30%に熱
    処理調整した多孔質四弗化エチレン樹脂絶縁層を設け、
    この多孔質四弗化エチレン樹脂絶縁層上に無電解めっき
    アンカー金属層と電気めっき金属層を順次施した外部金
    属導体層を設けたことを特徴とするセミリジッド型同軸
    ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記熱処理調整した多孔質四弗化エチレ
    ン樹脂絶縁層層は、結晶化率95%以上で気孔率30〜
    50%のペースト押出し成形した未焼結の多孔質四弗化
    エチレン樹脂絶縁体が瞬間的な熱処理を施され、表面の
    結晶化率が75〜92%に調整され、また絶縁層全体の
    気孔率が5〜30%に調整され、更に熱処理後の外径が
    5〜30%収縮されていることを特徴とする請求項1記
    載のセミリジッド型同軸ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記熱処理調整した多孔質四弗化エチレ
    ン樹脂絶縁層の外径が1.0mm以下の細径であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のセミリジッド型同軸
    ケーブル。
  4. 【請求項4】 中心導体の外周に結晶化率95%以上で
    気孔率30〜50%の未焼結の多孔質四弗化エチレン樹
    脂絶縁層を施す絶縁体被覆工程と該未焼結の多孔質四弗
    化エチレン樹脂絶縁層の表面を焼結することなく瞬間的
    な加熱処理を施し,表面の結晶化率を75〜92%に調
    整し、また絶縁層全体の気孔率を5〜30%に調整し、
    更に熱処理後の外径を5〜30%収縮させる熱処理工程
    からなる絶縁体コア形成工程と、前記絶縁体コアの表面
    を短時間に活性化処理する迅速エッチング処理工程と、
    前記迅速にエッチング処理された絶縁体コアの外周に無
    電解めっき法によりアンカー金属層を形成する無電解め
    っき工程と該アンカー金属層の外周に電気めっき法によ
    り金属層を形成する電気めっき工程からなる外部導体形
    成工程とを有することを特徴とするセミリジッド型同軸
    ケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理工程が、サンドバス,溶融塩
    或は不活性溶液を用い、該サンドバス等中を熱処理温度
    330℃〜380℃,熱処理時間5秒以下1秒以上の高
    速で通過させる方法であることを特徴とする請求項4記
    載のセミリジッド型同軸ケーブルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記、迅速エッチング処理工程におけ
    る活性化処理時間を0.10秒以上0.30秒以内に設
    定することを特徴とする請求項4又は5記載のセミリジ
    ッド型同軸ケーブルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記迅速エッチング処理工程と前記外部
    導体層形成工程を分離した独立工程で行うことを特徴と
    する請求項4、5又は6記載のセミリジッド型同軸ケー
    ブルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記迅速エッチング処理工程後、絶縁体
    コアの内部まで乾燥させる乾燥工程を設けることを特徴
    とする請求項4、5、6又は7記載のセミリジッド型同
    軸ケーブルの製造方法。
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