JP2000021242A - 難燃性被覆ケーブル - Google Patents

難燃性被覆ケーブル

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JP2000021242A
JP2000021242A JP10184746A JP18474698A JP2000021242A JP 2000021242 A JP2000021242 A JP 2000021242A JP 10184746 A JP10184746 A JP 10184746A JP 18474698 A JP18474698 A JP 18474698A JP 2000021242 A JP2000021242 A JP 2000021242A
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民生 川井
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正幸 林
Hirobumi Otani
寛文 大谷
Yoji Domon
洋二 土門
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐熱温度を有し、かつ施工性に優れた絶
縁体と、燃焼時にハロゲン化水素ガスを発生することな
く優れた難燃性を示し、かつ施工性に優れたシースを備
えた難燃性被覆ケーブルを提供すること。 【解決手段】 絶縁体として、硬度(JISA)90以
上、5%弾性5.7MPa以下であり、樹脂成分の組成
が、樹脂成分100重量部中90重量部以下が低密度ポ
リエチレンで、残部がエチレン系コポリマーである、シ
ラン架橋したポリオレフィン系樹脂組成物を用い、シー
スとして、硬度(JISA)90未満であり、樹脂成分
の組成が、樹脂成分100重量部中90重量部以下がエ
チレンアクリル酸エチルコポリマー(EEA)で、残部
が低密度ポリエチレンおよび/またはEEA以外のエチ
レン系コポリマーである、ノンハロゲン難燃性ポリオレ
フィン系樹脂組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用、住宅用組
電線等として好適に用いることができる低圧用難燃性被
覆ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、家庭用、住宅用組電線等に広
く使われている600Vビニル絶縁ビニルシースケーブ
ル平型は、代表的な低圧用電力ケーブルである。このケ
ーブルは、導体が塩化ビニル樹脂の絶縁体で被覆され、
その外側が塩化ビニル樹脂のシースで被覆されたケーブ
ルであるが、絶縁体およびシースが共に塩化ビニル樹脂
であるから、絶縁体およびシースが共に可撓性および皮
むき性に優れており、施工性に優れたものである。ま
た、このビニル絶縁ビニルシースケーブル平型は、上記
のとおり絶縁体およびシースが共に塩化ビニル樹脂であ
るから、燃焼時に多量の塩化水素ガスを発生することに
より優れた難燃性を示す。
【0003】ところが、近年、使用電力の増加に伴ない
大電流に対応できることが要求されるようになった。し
かし、広く使われていた上記ビニル絶縁ビニルシースケ
ーブルでは、その塩化ビニル樹脂の絶縁体の耐熱温度が
60℃程度であるため、大電流通電時に生じる発熱に対
応できず、上記要求を満たすことができなくなった。そ
こで、絶縁体として架橋ポリエチレンが用いられるよう
になった。架橋ポリエチレンの絶縁体は、耐熱温度が9
0℃付近であり、塩化ビニル樹脂の絶縁体の1.6倍程
度の大電流の通電に対応できる。しかしながら、この架
橋ポリエチレンの絶縁体は、塩化ビニル樹脂の絶縁体に
比べて、可撓性および皮むき性が劣り、そのため施工し
にくいという問題がある。
【0004】また、近年、上記従来のビニル絶縁ビニル
シースケーブル平型は、上記したとおり燃焼時に多量の
塩化水素ガスを発生することにより優れた難燃性を示す
とはいえ、その多量に発生した塩化水素ガスが、機器等
を腐食するばかりでなく、人体にとって有害であること
が問題となるようになった。そこで、ケーブルの難燃性
被覆材として、ポリエチレン等のような骨格中に塩素等
のハロゲンを含まないポリマーに水酸化マグネシウムや
水酸化アルミニウム等の金属水和物を難燃剤として配合
した、所謂ノンハロゲン難燃性樹脂組成物がの主流とな
るようになった。しかし、このノンハロゲン難燃性樹脂
組成物は、実用に耐え得る程度の難燃性を得るために多
量に金属水和物が配合されるので当該樹脂組成物自体が
固くなり、当該樹脂組成物においても、可撓性および皮
むき性が劣り、そのため施工しにくいという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来の状況に鑑み、十分な耐熱温度を有し
ていて大電流通電に対応し得て、かつ可撓性および皮む
き性に優れてた絶縁体を備えると共に、燃焼時に塩化水
素ガス等のハロゲン化水素ガスを発生することなく優れ
た難燃性を示し、かつ可撓性および皮むき性に優れたシ
ースを備えており、大電流通電への対応性および施工性
に優れた難燃性被覆ケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る難燃性被覆ケーブルは、絶縁体が、9
0以上の硬度(JISA)と、5.7MPa以下の5%
荷重時の弾性を有するシラン架橋したポリオレフィン系
樹脂組成物からなり、シースが、90未満の硬度(JI
SA)を有するノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹
脂組成物からなり、上記シラン架橋したポリオレフィン
系樹脂組成物の樹脂成分が、該樹脂成分を100重量部
としたとき、90重量部以下が低密度ポリエチレンであ
り、残部がエチレン系コポリマーである組成を有し、上
記ノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物の樹
脂成分が、該樹脂成分を100重量部としたとき、90
重量部以下がエチレンアクリル酸エチルコポリマーであ
り、残部が低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン
アクリル酸エチルコポリマー以外のエチレン系コポリマ
ーである組成を有することを特徴とする。本発明の難燃
性被覆ケーブルは、本発明者らが上記目的を達成すべく
鋭意研究した結果、絶縁体として上記特定の物性、樹脂
成分を有するシラン架橋したポリオレフィン系樹脂組成
物を用い、シースとして上記特定の物性、樹脂成分を有
するノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を
用いれば、大電流通電に十分対応し得ると共に難燃性で
あって、かつ従来のビニル絶縁ビニルシースケーブル平
型と同等に優れた可撓性および皮むき性を有していて施
工が容易である被覆ケーブルが得られ、上記目的を達成
できることを見い出してはじめて完成されたものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性被覆ケーブルのシ
ラン架橋したポリオレフィン系樹脂組成物からなる絶縁
体の形成に用いる樹脂組成物には、当該樹脂組成物の樹
脂成分を100重量部としたとき、90重量部以下、好
ましくは90〜40重量部の低密度ポリエチレンと、残
部としてエチレン系コポリマーから選ばれた少なくとも
一種とを組み合わせた樹脂成分が用いられる。低密度ポ
リエチレンとしは、一般に密度が0.91〜0.93程
度の従来から知られ、市販されている種々の低密度ポリ
エチレンを適宜選択して用いることができる。この低密
度ポリエチレンは、必要に応じて、一種用いても、複数
種併用しても差し支えない。また、エチレン系コポリマ
ーとしても、従来から知られ、市販されている種々のエ
チレン系コポリマーを適宜選択して用いることができ
る。その例として、エチレンアクリル酸エチルコポリマ
ー(EEA)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EV
A)、エチレンプロピレンコポリマー(EPM)、メタ
ロセンポリマー等が挙げられる。ここで、メタロセンポ
リマーとは、メタロセン触媒を用いてエチレンとα−オ
レフィンを共重合させたコポリマーであって、共重合成
分のα−オレフィンとしては、一般に炭素数6〜10の
α−オレフィンが適当である。かかるメタロセンポリマ
ーの中でもエチレンオクテンコポリマーが好ましく用い
られる。これらのエチレン系コポリマーも、必要に応じ
て、一種用いても、複数種併用しても差し支えない。
【0008】この絶縁体形成用樹脂組成物には、上記樹
脂成分に加えて、シラン架橋剤が配合され、さらに通
常、架橋助剤、錫系安定剤、老化防止剤等が配合され
る。シラン架橋剤としては、アルコキシシランが好まし
く用いられる。その例として、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキ
シシラン、ビニルフェニルジメトキシシラン等が挙げら
れ、中でも、ビニルトリメトキシシランが一層好ましく
用いられる。これらのシラン架橋剤は、必要に応じて、
一種用いても、複数種用いても差し支えない。シラン架
橋剤の配合量は、上記樹脂成分100重量部に対して1
〜3重量部が好ましい。架橋助剤としては、ジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−(第三ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(第三ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の過酸化物を用
いることができ、中でも、ジクミルパーオキサイドが好
ましく用いられる。架橋助剤の配合量は、上記樹脂成分
100重量部に対して0.05〜0.15重量部が好ま
しい。錫系安定剤としては、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メチルカプチド等を
用いることができ、中でも、ジブチル錫ジラウレートが
好ましく用いられる。錫系安定剤の配合量は、上記樹脂
成分100重量部に対して0.05〜0.2重量部が好
ましい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系
あるいはチオビスフェノール系等の一般に知られた老化
防止剤を用いることができる。老化防止剤の配合量は、
上記樹脂成分100重量部に対して0.01〜0.2重
量部が好ましい。上記の架橋助剤、錫系安定剤および老
化防止剤は、必要に応じて、一種用いても、複数種用い
ても差し支えない。また、必要に応じて、着色剤、滑剤
等の一般に絶縁体用樹脂組成物に添加される公知の添加
剤を適量添加することができる。
【0009】この絶縁体形成用樹脂組成物の調製は、上
記の低密度ポリエチレンおよびエチレン系コポリマーか
ら選ばれた少なくとも一種の樹脂成分、シラン架橋等の
樹脂組成物の全成分を、ヘンシェルミキサー、オープン
ロールミキサー、バンバリー混合機等の公知の混合手段
を用いて、常温ないし100℃以下程度に加熱して適宜
混合して行うことができる。調製された絶縁体形成用樹
脂組成物は、通常の押出成型法により導体上に被覆層を
形成することができる。しかして、導体上に形成された
絶縁体形成用樹脂組成物の被覆層を架橋処理することに
より、本発明の難燃性被覆ケーブルのシラン架橋したポ
リオレフィン系樹脂組成物からなる絶縁体が形成され
る。この架橋処理としては、温水ないし熱水に浸漬す
る、あるいは加熱蒸気で潤す等公知のシラン架橋処理を
適宜採用することができる。この絶縁体を形成するシラ
ン架橋したポリオレフィン系樹脂組成物は、本発明の目
的を達成する上で、90以上の硬度(JISA)と、
5.7MPa以下の5%荷重時の弾性を有することが肝
要である。硬度が90未満では、シース材より柔らかく
なり、ハサミ等によりシース皮ムキ時、絶縁体にキズが
付き易くなるからである。また、5%荷重時の弾性が
5.7MPaを越えて大きいと、可撓性および皮むき性
が悪くなる。
【0010】本発明の難燃性被覆ケーブルのノンハロゲ
ン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物からなるシースの
形成に用いる樹脂組成物には、当該樹脂組成物の樹脂成
分を100重量部としたとき、90重量部以下、好まし
くは90〜40重量部のエチレンアクリル酸エチルコポ
リマー(EEA)と、残部として低密度ポリエチレンお
よびEEA以外のエチレン系コポリマーから選ばれた少
なくとも一種とを組み合わせた樹脂成分が用いられる。
低密度ポリエチレンとしは、上記の絶縁体形成用樹脂組
成物の場合と同様に、一般に密度が0.91〜0.93
程度の従来から知られ、市販されている種々の低密度ポ
リエチレンを適宜選択して用いることができる。この低
密度ポリエチレンは、必要に応じて、一種用いても、複
数種併用しても差し支えない。EEA以外のエチレン系
コポリマーとしては、エチレン酢酸ビニルコポリマー
(EVA)、エチレンプロピレンコポリマー(EP
M)、メタロセンポリマー等が挙げられる。メタロセン
ポリマーとしては、上記の絶縁体形成用樹脂組成物の場
合と同様に、メタロセン触媒を用いてエチレンと炭素数
6〜10のα−オレフィンを共重合させたコポリマーが
適当である。これらのエチレン系コポリマーも、必要に
応じて、一種用いても、複数種併用しても差し支えな
い。
【0011】このシース形成用樹脂組成物には、上記樹
脂成分に加えて、難燃剤として金属水和物が配合され
る。この金属水和物としては、従来から難燃性ポリオレ
フィン系樹脂組成物に使用されている公知のものを適宜
選択して用いることができる。例えば、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウムなどを
挙げることができる。中でも水酸化マグネシウムが好ま
しく用いられる。これらの金属水和物は、必要に応じ
て、一種用いても、複数種併用しても差し支えない。ま
た、金属水和物の配合量は、上記樹脂成分100重量部
に対して30〜120重量部が好ましい。
【0012】また、このシース形成用樹脂組成物には、
さらに、通常老化防止剤が配合され、必要に応じて改質
剤等も配合される。老化防止剤としては、ヒンダートフ
ェノール系あるいはチオビスフェノール系等の一般に知
られた老化防止剤を用いることができる。老化防止剤の
配合量は、上記樹脂成分100重量部に対して0.5〜
5重量部が好ましい。上記の老化防止剤等は、必要に応
じて、一種用いても、複数種用いても差し支えない。ま
た、必要に応じて、着色剤、滑剤、紫外線吸収剤等の一
般に難燃性樹脂組成物に添加される公知の添加剤を適量
添加することができる。
【0013】このシース形成用樹脂組成物の調製は、上
記のエチレンアクリル酸エチルコポリマーおよび、低密
度ポリエチレンおよびEEA以外のエチレン系コポリマ
ーから選ばれた少なくとも一種の樹脂成分、金属水和物
等の樹脂組成物の全成分を、加圧ニーダー、2軸混練機
等の公知の混練手段を用いて適宜混合して行うことがで
きる。調製されたシース形成用樹脂組成物は、通常の押
出成型法により絶縁体上に被覆層を形成することができ
る。かくして、本発明の難燃性被覆ケーブルのノンハロ
ゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物からなるシース
が形成される。このシースを形成するノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物は、本発明の目的を達成
する上で、90未満の硬度(JISA)を有することが
肝要である。硬度が90以上では、硬くなり、更には絶
縁体より硬くなるためシース皮ムキ時、ハサミ等の刃が
絶縁体にまで達してしまう。
【0014】
【実施例】以下、実施例および比較例によりさらに具体
的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。 (絶縁体用樹脂組成物の合成)絶縁体形成用樹脂組成物
として、表1に示した各成分を表1に示した重量比に
て、ヘンシェルミキサーにより常温から90℃まで約1
5分間混練して樹脂組成物を得た。得られたケーブル用
絶縁体について、5%弾性、硬度、加熱変形率、可撓性
および皮むき性を評価した。その結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】*1:三菱化学(株)製 ZF33(M
I;1.1、d;0.92) *2:日本合成ゴム(株)製 EP02P *3:エチレン・オクテン共重合体、ダウ・ケミカル・
カンパニー製 EG8100(MI;1.0、d;0.
870) *4:軟質ポリ塩化ビニル(平均重合度1300)10
0重量部、DINP50重量部、炭酸カルシウム80重
量部を混合したもの *5:日本ユニカー(株)製 NUCV9253 *6:東レダウコーニング(株)製 SZ6300 *7:チバガイギー社製 イルガノックス1010
【0017】上記絶縁体に関する各評価項目の評価法は
次のとおりである。 5%弾性…得られたケーブルから採取した絶縁層のサン
プルの、引張速度200mm/minで引張試験を行っ
た時の荷重−歪み曲線から求めた5%荷重時の弾性 硬度…得られたケーブルから採取した絶縁層のサンプル
の、JISAによる硬度 加熱変形性…得られたケーブルから採取した絶縁層のサ
ンプルの、120℃で10Nの力を加えたときの変形率
【0018】可撓性…得られたケーブルを手で屈曲させ
たときの感触を、後記比較例1の軟質塩化ビニル樹脂組
成物からなる絶縁層を有するケーブルでの該感触と比較
して、次の4段階で評価した。 ○:比較例1での感触と同等に良好な感触のもの □:比較例1での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる
感触のもの △:比較例1での感触より劣った感触のもの ×:比較例1での感触よりかなり劣った感触のもの 皮むき性…得られたケーブルのケーブル端部から30m
mの絶縁層をはさみを用いて皮むきしたときの感触を、
後記比較例1の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる絶縁
層を有するケーブルでの該感触と比較して、次の4段階
で評価した。 ○:比較例1での感触と同等に良好な感触のもの □:比較例1での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる
感触のもの △:比較例1での感触より劣った感触のもの ×:比較例1での感触よりかなり劣った感触のもの
【0019】(シース形成用樹脂組成物の合成)また、
シース形成用樹脂組成物として、表2に示した各成分を
表2に示した重量比にて、加圧ニーダーにより常温から
90℃まで約15分間混練して樹脂組成物を得た。得ら
れたケーブル用シースについて、硬度、Ts(引張破壊
強さ)、E(引張破壊伸び)、加熱変形率、可撓性およ
び皮むき性を評価した。その結果を表2を示した。
【0020】
【表2】
【0021】*1:日本ポリオレフィン(株)製 A1
150(MI;0.75、EACont.;15%) *2:日本合成ゴム(株)製 EP02P *3:宇部興産(株)製 0540F(MI;4.0、
d;0.904) *4:軟質ポリ塩化ビニル(平均重合度1300)10
0重量部、DINP50重量部、炭酸カルシウム80重
量部を混合したもの *5:東レダウコーニング(株)製 SZ6300 *6:三井化学(株)製 アドマーNF428 *7:協和化学(株)製 キスマ5A *8:チバガイギー社製 イルガノックス1010 硬度…得られたケーブルから採取したシースのサンプル
の、JISAによる硬度 Ts,E…JIS C 3005による(引張速度20
0mm/min) 加熱変形性…得られたケーブルから採取したシースのサ
ンプルの、75℃で10Nの力を加えたときの変形率
【0022】(実施例1〜15)表1に記載の本発明の
絶縁体形成用樹脂組成物1又は2及び表2に記載の本発
明のシース形成用樹脂組成物1〜15を用いて、600
Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平型(サイズ2×
1.6mm)と同サイズのケーブルを押出成形機を用い
て作成した。このケーブルを90℃の熱水に4時間浸漬
して、その絶縁層を構成する絶縁体形成用樹脂組成物を
架橋せしめ、目的のケーブルを得た。得られたケーブル
について、可撓性、皮むき性、難燃性を下記の評価法に
より評価した。結果を表3に示す。なお、本発明の絶縁
体形成用樹脂組成物試料番号1又は試料番号2を用いた
場合、ケーブル評価は同様な結果を示した。
【0023】(比較例1〜2)絶縁体形成用樹脂組成物
として、表1に示した比較用の軟質塩化ビニル樹脂組成
物(比較用試料番号1)又は比較用の架橋ポリエチレン
(比較用試料番号2)、およびシース形成用樹脂組成物
として、表2に示した比較用の軟質塩化ビニル樹脂組成
物(比較用試料番号1)または比較用の難燃性ポリオレ
フィン系樹脂組成物(比較用試料番号2)をそれぞれ用
い、実施例1と同様に、600Vビニル絶縁ビニルシー
スケーブル平型(サイズ2×1.6mm)と同サイズの
ケーブルを押出成形機を用いて作成した。得られたケー
ブルについて、実施例1〜15と同様の評価項目につい
て評価した。結果を表3に示す。可撓性および皮むき性
の評価に関しては、比較例1で得られたケーブルの絶縁
層およびシースは共に可撓性および皮むき性が優れてい
るので、比較例1で得られたケーブルの絶縁層およびシ
ースの可撓性および皮むき性の評価を「○」とし、これ
を基準とした。
【0024】
【表3】
【0025】*1:可撓性…得られたケーブルを手で屈
曲させたときの感触を、後記比較例1の軟質塩化ビニル
樹脂組成物からなるシースを有するケーブルでの該感触
と比較して、上記絶縁層の場合と同様に4段階で評価し
た。 *2:皮むき性…得られたケーブルのケーブル端部から
30mmのシースをはさみを用いて皮むきしたときの感
触を、後記比較例1の軟質塩化ビニル樹脂組成物からな
るシースを有するケーブルでの該感触と比較して、上記
絶縁層の場合と同様に4段階で評価した。 *3:難燃性…得られたケーブルから採取したシースの
サンプルについて、JIS C 3005の60度傾斜
法により評価した。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、十分な耐熱温度を有し
ていて大電流通電に対応し得て、かつ可撓性および皮む
き性に優れてた絶縁体を備えると共に、燃焼時に塩化水
素ガス等のハロゲン化水素ガスを発生することなく優れ
た難燃性を示し、かつ可撓性および皮むき性に優れたシ
ースを備えた、大電流通電への対応性に優れ、かつ従来
のビニル絶縁ビニルシースケーブル平型と同等に優れた
施工性を有する難燃性被覆ケーブルが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 寛文 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会社 内 (72)発明者 土門 洋二 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会社 内 Fターム(参考) 4J002 BB03X BB05X BB06X BB07W BB15X BN041 FD030 GF00 GQ01 5G305 AA02 AB17 AB25 AB35 AB36 BA13 BA26 CA01 CA07 CA51 CA54 CB26 CC03 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD04 CD14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体が、90以上の硬度(JISA)
    と、5.7MPa以下の5%荷重時の弾性を有するシラ
    ン架橋したポリオレフィン系樹脂組成物からなり、シー
    スが、90未満の硬度(JISA)を有するノンハロゲ
    ン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物からなり、上記シ
    ラン架橋したポリオレフィン系樹脂組成物の樹脂成分
    が、該樹脂成分を100重量部としたとき、90重量部
    以下が低密度ポリエチレンであり、残部がエチレン系コ
    ポリマーである組成を有し、上記ノンハロゲン難燃性ポ
    リオレフィン系樹脂組成物の樹脂成分が、該樹脂成分を
    100重量部としたとき、90重量部以下がエチレンア
    クリル酸エチルコポリマーであり、残部が低密度ポリエ
    チレンおよび/またはエチレンアクリル酸エチルコポリ
    マー以外のエチレン系コポリマーである組成を有するこ
    とを特徴とする難燃性被覆ケーブル。
  2. 【請求項2】 絶縁体のシラン架橋したポリオレフィン
    系樹脂組成物が、その樹脂成分を100重量部としたと
    き、40〜90重量部が低密度ポリエチレンであり、残
    部がエチレン系コポリマーである組成の樹脂成分、およ
    び該樹脂成分100重量部に対して1〜3重量部のシラ
    ン架橋剤を含有する樹脂組成物の架橋化物であり、シー
    スのノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物
    が、その樹脂成分を100重量部としたとき、40〜9
    0重量部がエチレンアクリル酸エチルコポリマーであ
    り、残部が低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン
    アクリル酸エチルコポリマー以外のエチレン系コポリマ
    ーである組成の樹脂成分、および該樹脂成分100重量
    部に対して30〜120重量部の金属水和物を含有する
    樹脂組成物である請求項1記載の難燃性被覆ケーブル。
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KR100544306B1 (ko) * 2003-03-28 2006-01-23 엘에스전선 주식회사 전선 피복용 난연성 수지 조성물

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