JP2000019171A - 標識プローブによる分析方法 - Google Patents

標識プローブによる分析方法

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JP2000019171A JP10184852A JP18485298A JP2000019171A JP 2000019171 A JP2000019171 A JP 2000019171A JP 10184852 A JP10184852 A JP 10184852A JP 18485298 A JP18485298 A JP 18485298A JP 2000019171 A JP2000019171 A JP 2000019171A
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Kazuhiro Matsui
松井  一裕
Katsunori Ikeda
勝徳 池田
Shinichi Tejima
真一 手嶋
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
Kazuko Matsumoto
和子 松本
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
〜6の整数を示す。〕で表わされる標識体が核酸、核酸
結合蛋白質、低分子リガンドまたはリガンドレセプター
などのプローブに結合してなる標識プローブを生体試料
上で目的物質と反応させた後、重金属イオンを加え、生
じた蛍光錯体の蛍光を測定することを特徴とする目的物
質の分析方法、標識核酸プローブならびに標識ヌクレオ
チド。 【効果】 夾雑物質による蛍光の妨害、低感度などの欠
点を解消できる。また、生体組織上で使用できる標識プ
ローブを利用した分析方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体試料上での目的
物質の新規分析方法、新規な標識核酸プローブ、重金属
イオンを含む蛍光錯体、分析用試薬、標識ヌクレオチド
ならびに標識核酸プローブの製造方法に関する。特に、
生体組織あるいは細胞などの生体試料上における特定の
物質、例えば核酸の局在性あるいはその濃度を分析する
ことによって、その物質の機能、動態などを調べる際に
利用する新規標識プローブ、および該プローブを利用し
た分析方法ならびに分析用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ライフサイエンスの研究分野、臨床診断
および臨床検査分野において、蛍光物質は放射性物質、
酵素などと並んで、標識物質として一般的に使用されて
おり、画像解析技術システムの進歩と合わせて、近年、
広く用いられており、生体内の機能や動態において、新
しい知見をもたらしている。
【0003】これらの蛍光物質としては、フルオレセイ
ン、ダンシル基、アントラニロイル基、ピレン、ローダ
ミン、ニトロベンゾキサジアゾールなどを含む化合物
が、一般的に使用されている。また、核酸(DNA)の
2重鎖間にインターカレートすることにより組込まれ、
蛍光染色可能な蛍光物質としては、モレキューラープロ
ーブ製のヘキスト33342 、4',6'-ジアミノ-2- フェニル
インドール ジヒドロクロライド(DAPI)、プロピジウム
ヨーダイト(PI)、アクリジウムオレンジなどがあり、
その他、SYTO(TM)、BOBO(TM)、POPO(TM)、
TOTO(TM)、YOYO(TM)などの市販品も同様に使用
されている。さらに、脂質の標識には、4-ニトロベンゼ
ン-2- オキサ-1,3- ジアゾール(NBD) 、4,4-ジフルオロ
-4- ボラ-3a,4a- ジアザ-s- インダセン(BODIPY)などの
蛍光物質が使用されている。
【0004】また、近年、カルシウムイオンに対して、
fura−2、indo−1、fluo−3などの蛍光
物質、ナトリウムイオンに対して、SBFIなどの蛍光
物質、マグネシウムイオンに対して、mag−fura
−2、mag−indo−1などの蛍光物質、亜鉛イオ
ンに対して、TSQなどの蛍光物質、塩素イオンに対し
て、SPQなどの蛍光物質あるいはサイクリックAMP
に対して、FlCRhRなどの蛍光物質が開発されてお
り、これらの蛍光物質を利用して、生体内の各イオンの
動態を研究することが行われている。
【0005】これらの蛍光物質として、理論的にも実用
的にも望まれることは、標識される核酸、ペプチド、低
分子リガンドなどと結合した場合に、(1)それらの活
性を失わないこと、(2)蛍光量子収率が高く、光安定
性が高いこと、(3)蛍光寿命が長いこと、(4)生体
内に内在する他の蛍光物質の影響を受けないこと、
(5)生体組織、細胞あるいは生体分子に対して、非特
異的反応を有しないこと、(6)水に溶解しやすいこ
と、(7)測定が簡便であることなどが挙げられる。
【0006】しかしながら、上記蛍光物質のいくつか
は、光・熱に対して不安定であり、また、他のものは量
子収率が低く、さらに別なものは励起蛍光寿命が短か
く、さらには、他の内在性蛍光の影響を受けるという問
題があった。さらに、S/N比が悪い、蛍光波長が短い
など、何らかの点で、またはこれらの複数の点から、従
来から存在する蛍光物質は、理想的な蛍光化合物ではな
く、不満足なものが多かった。
【0007】一方、ユウロピウム蛍光錯体として、新規
蛍光物質で標識した生理活性物質とランタノイド金属イ
オンからなる錯体が知られている。該錯体を時間分解蛍
光測定することにより、生体試料、特に血清中の生理活
性物質を測定する際に生じる血清中の蛍光物質あるいは
非蛍光物質に由来するバックグラウンド蛍光の影響を受
けない方法が開発された。例えば、ジアゾフェニル−E
DTA−ユウロピウム錯体あるいはイソチオシアネート
フェニル−EDTA−ユウロピウム錯体をイムノアッセ
イに応用することが公知である(アナリテイカル バイ
オケミストリー、1984年 137巻 335〜343頁)。該イム
ノアッセイでは、β−ジケトン及びトリ−n−オクチル
−ホスフィン・オキシド(TOPO)の共存下で、β−ナフト
イルトリフルオロアセトン(β-NTA) を測定系に加える
ことで、最も良い感度を得ている。
【0008】この測定システムは、DELFIAシステ
ム(Dissociation Enhanced Lanthanide Fluoroimmunoa
ssay)として知られている。このシステムに代表される
ユウロピウム錯体を利用する方法は、それらの長寿命で
ある蛍光特性により、生体内の夾雑物質に由来する短寿
命である蛍光の影響を受けずに、生体試料中の測定対象
を検出できるという利点を有する。
【0009】しかしながら、DELFIAシステムにお
いては、測定系においてβ−NTAとTOPOを使用し
ているため、試料中あるいは環境中のユウロピウムと反
応すると強い蛍光を生じ、測定対象の検出の障害となる
可能性がある。このシステムはユウロピウム汚染の影響
を受けやすいという本質的な大きな欠点がある。さら
に、このシステムはβ−NTAなど蛍光増強剤を添加す
る必要が有り、固相上での測定ができない。さらには蛍
光増強剤を添加するため、必要なステップ数が多いとい
う問題点があった。したがって、組織、細胞表面上に固
定された核酸、リセプター、糖鎖、ガングリオシドなど
の生理活性物質を直接、測定することはきわめて困難で
ある。
【0010】DELFIAシステムの上記欠点を解消す
る方法として、4,7−ビス−(クロロスルフォフェニ
ル)−1,10−フェナントロリン−2,9−ジカルボ
キシリック アシッド(BCPDA)とユウロピウムと
の錯体を用いた方法、Cyber Fluorシステム
が公知である (アナリテイカル ケミストリイー、1989
年61巻48〜53頁)。
【0011】BCPDAは、多数のフルオロセインを1
つのプローブに標識した際に生じるクエンチング現象を
起こさずに(クエンチング現象は蛍光量子収率の極端な
低下をもたらす)、ユウロピウム蛍光錯体を多数、導入
することができるとともに、高い安定性を有し、かつ、
DELFIAシステムの持つ欠点を解消できるという点
で大きな進歩をもたらした。
【0012】しかしながら、Cyber fluorシ
ステムの感度は、DELFIAシステムの感度より、2
桁以上低いという致命的な欠点を有する。この欠点を補
うために、さらに多数のユウロピウム錯体の合成が試み
られ、トリスビピリジンクリプテイト(TBP)ユウロ
ピウム錯体(クリニカル ケミストリー、1993年196〜2
01 頁、特開平 4-244085 号公報、特開平 7-10819号公
報など) などが公知である。これらの新しく開発された
ユウロピウム蛍光錯体は、励起波長が短い、蛍光が弱い
あるいは合成ステップを多く必要とするなどの欠点が有
り、前述2種のユウロピウム蛍光錯体の特性を超えたも
のとはなり得なかった。
【0013】これまでに、ユウロピウム蛍光錯体につい
て、多くの研究がなされており、β−ジケトン−ユウロ
ピウム蛍光錯体は、芳香族アミン−ユウロピウム錯体よ
り、さらに蛍光が強いということ、さらに、β−ジケト
ン類配位子の中で、特に、2−ナフトイルトリフルオロ
アセトン(β-NTA) と2−セノイルトリフルオロアセト
ン(TTA) のユウロピウム蛍光錯体が、最も強い蛍光を有
することが見出されている。
【0014】そこで、さらに、β−ジケトン−ユウロピ
ウム蛍光錯体の蛍光特性におけるβ−ジケトンの置換基
の効果を検討することにより、種々のβ−ジケトナト−
ユウロピウム−TOPO錯体を合成し、これらの錯体の
蛍光強度がβ−ジケトナト(R1 COCH2 COR2
の置換基R1 とR2 の組成と構造に依存していること
が、本発明者らによって既に見出されている。つまり、
1 が芳香族炭化水素残基の場合、R2 の電子吸引性が
強ければ、強い程、錯体の蛍光強度が強くなる関係が見
出された。これらの知見に基づき、蛍光強度がきわめて
改良されたβ−ジケトン型ユウロピウム蛍光錯体が免疫
反応を利用した物質の測定に使用され、その有用性が開
示されている (特開平 9-241233 号公報及びアナリテイ
カル・ケミストリー、1998年70巻 596〜601 頁) 。
【0015】しかしながら、該β−ジケトン型ユウロピ
ウム蛍光錯体を生体組織あるいは細胞上の生理活性物質
等の種々の作用を持つ物質の測定には未だ使用されるこ
とは開示されていない。生体組織あるいは細胞上などの
生体試料中の生理活性物質等の種々の作用を持つ物質の
測定には、夾雑物質の影響が大きいこと、高感度測定が
難しいこと、簡便に測定することが難しいことなどの困
難性が予測される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、生体
組織あるいは細胞上の核酸、核酸結合蛋白質、リセプタ
ー、糖鎖、ガングリオシドなどの測定において、夾雑物
質による蛍光の妨害、低感度などの欠点を解消するこ
と、または生体組織上(固相上に相当する)で使用でき
る蛍光物質を提供することにある。特に、試料中あるい
は環境中のランタノイド金属イオンの汚染による妨害を
除き、高感度で目的物質を測定する方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々鋭意検討したことろ、βージケ
トン型ユウロピウム蛍光錯体は、生体組織、細胞上の核
酸、核酸結合蛋白質、あるいはリセプター、酵素、糖
鎖、ガングリオシドなどの生理活性を持つ物質に対する
プローブとして、極めて長寿命であり、時間分解蛍光測
定が可能であり、ブランク蛍光を消去した状況で測定可
能であること、1ステップで使用可能であり、長波長の
蛍光寿命を有することなど、生体組織、細胞上において
使用可能であり、かつ、高感度であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0018】本発明は、一般式(I):
【0019】
【化15】
【0020】〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示
し、R1 は水素原子または−COCH2COCn 2n+1
を示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識
体、または、一般式(II):
【0021】
【化16】
【0022】〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一
もしくは異なって芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同
一もしくは異なって、水素原子または−COCH2 CO
n 2n+1を示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表さ
れる標識体を用いることを特徴とするものであり、本発
明は次のものに関する。
【0023】(1)一般式(I)で表される標識体、ま
たは、一般式(II)で表される標識体が架橋基または架
橋基および連結基を介して核酸、核酸結合蛋白質、低分
子リガンドまたはリガンドレセプター(抗体を除く)か
らなる群から選択されるプローブに結合してなる標識プ
ローブを、生体試料上で目的物質と反応させた後、重金
属イオンを加え、生じた蛍光錯体の蛍光を測定すること
を特徴とする目的物質の分析方法。 (2)一般式(I)で表される標識体、または、一般式
(II)で表される標識体が架橋基または架橋基および連
結基を介して核酸、核酸結合蛋白質、低分子リガンドま
たはリガンドレセプター(抗体を除く)からなる群から
選択されるプローブに結合してなる標識プローブに重金
属イオンを加え、蛍光錯体とした後、生体試料上で目的
物質と反応させ、反応後の蛍光錯体の蛍光を測定するこ
とを特徴とする目的物質の分析方法。 (3)一般式(I)で表される標識体、または、一般式
(II)で表される標識体が架橋基を介して核酸プローブ
に結合してなる標識核酸プローブ。 (4)(3)に記載の標識核酸プローブと重金属イオン
を含む蛍光錯体。 (5)(3)に記載の標識核酸プローブを含む核酸分析
用試薬。 (6)一般式(I)で表される標識体が架橋基を介して
ヌクレオチドに結合してなる標識ヌクレオチド。 (7)(6)に記載の標識ヌクレオチドと重金属イオン
を含む蛍光錯体。 (8)(6)に記載の標識ヌクレオチド、dNTPおよ
び1本鎖DNAを、DNAポリメラーゼの存在下に反応
させることを特徴とする標識核酸プローブの製造法。 (9)(6)に記載の標識ヌクレオチド、dNTP、2
本鎖DNAを5’エキソヌクレアーゼ、DNaseおよ
びDNAポリメラーゼの存在下に反応させることを特徴
とする標識核酸プローブの製造法。 (10)(8)または(9)記載の製造法により得られ
た標識核酸プローブ。 (11)アビジンが架橋基を介して共有結合した一般式
(I)、または、一般式(II)で表される標識体(以
下、「標識体A」という。)、および、ビオチンが接続
基を介して結合したヌクレオチド(以下、「ヌクレオチ
ドB」という。)を含む核酸分析用試薬。 (12)ヌクレオチドBを構成成分として含有する核酸
プローブを、生体試料上で目的物質と反応させ、次い
で、標識体Aと反応させ、その後、重金属イオンを加
え、生じた蛍光錯体の蛍光を測定することを特徴とする
目的物質の分析方法。
【0024】本発明における標識体は、一般式(I)ま
たは一般式(II)で表される。一般式中のA1 、A2
よびA3 は同一もしくは異なって3価の芳香族基、特に
共役二重結合系であり、R1 、R2 または、R3 が水素
原子である場合、それが結合するA1 、A2 またはA3
は2価の芳香族基を示す。このような2価または3価の
芳香族基としては、例えば、
【0025】
【化17】
【0026】等が例示され、さらに、これらの芳香族環
に置換基を有するもの、例えば、メチルフェニレン、メ
チルジベンゾチオフェンなども例示される。特に好まし
い芳香族基としては、
【0027】
【化18】
【0028】が挙げられる。
【0029】R1 、R2 およびR3 は、独立して、水素
原子または−COCH2 COCn 2n+1である。一般式
(I)(II)および(III) におけるnおよびR1 、R2
およびR3 におけるnは1〜6の整数であり、好ましく
は2〜4である。
【0030】本発明における特に好ましい標識体は、一
般式(III) :
【化19】 〔一般式(III) 中、nは1〜6の整数を示す。〕で表さ
れる標識体である。
【0031】本発明におけるプローブは、核酸、核酸結
合蛋白質、リガンドまたはリガンドレセプター(抗体を
除く)からなる群から選択される。
【0032】本発明における目的物質は、生体試料中の
分析の対象とする成分であり、好ましくは、核酸、核酸
結合蛋白質、リガンドまたはリガンドレセプターなどが
挙げられる。
【0033】核酸結合蛋白質とは、特定塩基配列を有す
る核酸に対して、特異的に結合する蛋白質を指し、例え
ば、ヒストン、DNA結合蛋白質、LacI蛋白質など
がある。さらに、NF−κBなどサイトカインの転写調
節因子(DNA結合蛋白の1種)を標識プローブとして
使用することにより、転写因子とDNAの相互作用を可
視化することもできる。
【0034】低分子リガンドとは、ここでは、糖鎖、芳
香族化合物、ガングリオシド、オリゴサッカライド、ア
ミノ酸数が2〜10のペプチドなどの有機化合物等を指
し、例えば、mycペプチド、サイロキシン、トリヨー
ドサイロニン、ガングリオシドGM2、セロビオース、シ
アル酸を末端に有する糖鎖などがある。リガンドレセプ
ターとは、細胞あるいは細胞中、または細胞間に存在す
る特定のリガンドと特異的に結合する物質を指し、例え
ば、セルロース結合蛋白質、シアル酸結合レクチン、ア
ルブミンレセプターなどがある。低分子リガンドまたは
レセプターの例をさらに挙げると、例えば、インシュリ
ン、インシュリンレセプター、EGF、EGFレセプタ
ー、HGF、HGFレセプター、TSH、TSHレセプ
ターなどのホルモンまたはホルモンレセプター、IL−
8などのサイトカインあるいはケモカインに対するレセ
プター、アセチルコリンレセプター、ヒスタミンリセプ
ターなどの低分子リガンドに対するレセプターなどがあ
る。
【0035】また、プロテインキナーゼCは、ホルボー
ルエステルの誘導体と結合能を有しており、本発明の方
法により測定可能である。また、cAMP依存性プロテ
インキナーゼ、cGMP依存性プロテインキナーゼ、カ
ルモジュリン依存性リン酸化酵素、チロシンリン酸化酵
素などの酵素もリガンド−レセプター反応により測定で
き、酵素の基質部位のプローブとして、本発明の標識プ
ローブに使用できる。
【0036】各種糖鎖、ガングリオシドに対する種々の
レクチンも、本発明のプローブとして、使用できる。レ
クチンの例としては、細胞上で種々の蛋白質と結合した
D−マンノースに対するコンカナバリンA、ジ−N−ア
セチルキトビオースに対する小麦胚凝集素、シアル酸に
対するカブトガニ由来シアル酸結合レクチンなどが挙げ
られる。
【0037】核酸および核酸プローブとしては、種々の
デオキシリボ核酸(dATP、dGTP、dTTP、d
CTP、dUTP)が連続したDNA、また、種々のリ
ボ核酸(rATP、rGTP、rTTP、rCTP、r
UTP)が連続したRNAを使用することができる。こ
れらの核酸プローブの塩基配列は、細胞内に発現するm
RNAと特異的にハイブリッドを形成するcDNAある
いはアンチセンスオリゴヌクレオチドの塩基配列であ
る。また、細胞内の核酸あるいは染色体の一部の特異的
配列と相補的な塩基配列を有する核酸プローブを使用す
ることもできる。
【0038】細胞内の核酸あるいは染色体の例として
は、abl,erb,fos,myb,myc,ra
s,srcなどの癌または腫瘍遺伝子、p53などの癌
抑制遺伝子、再配列したT細胞レセプター遺伝子、再配
列したイムノグロブリン遺伝子、エプシュタイン バー
ルウイルス(EBV)、ヘルペスシンプレックスウイル
ス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、B型
肝炎ウイルス(HBV)、ロタウイルス、アデノウイル
スなどの病原性ウイルスの遺伝子の一部、マラリア原
虫、真菌、マイコプラズマなどの感染性病原微生物の遺
伝子の一部の塩基配列およびその相補的な塩基配列を有
する核酸が使用できる。
【0039】これらの遺伝子に相補的な核酸プローブま
たは相同な核酸プローブの一部あるいは全部は、標識物
質との結合に支障のない限り、メチル化などの修飾基を
有していても良い。
【0040】本発明の標識核酸プローブは、特に生体組
織あるいは細胞上における特定の物質、例えば、上記し
た染色体などを含む核酸、核酸結合蛋白質などと親和性
を有する化合物である。
【0041】本発明におけるの標識プローブは、核酸、
核酸結合蛋白質、低分子リガンドまたはリガンドレセプ
ター(抗体を除く)からなる群から選択されるプローブ
と標識体が結合したものである。本発明の標識核酸プロ
ーブは、核酸と標識体が結合したものである。本発明の
標識ヌクレオチドは、ヌクレオチドと標識体が結合した
ものである。標識体とプローブまたはヌクレオチドの結
合は、架橋基を介しての結合である。また、さらに連結
基を介して共有結合していてもよい。
【0042】架橋基は標識体と連結基、プローブ、ヌク
レオチドまたはアビジンの結合を介するものである。す
なわち、連結基が存在する標識プローブや標識ヌクレオ
チドにおいては、連結基は架橋基とプローブまたはヌク
レオチドの間に存在する。
【0043】本発明における標識体Aは、アビジンと標
識体が架橋基を介して結合したものである。アビジンと
標識体の結合比は1〜50であり、好ましくは2〜30
である。また、本発明におけるヌクレオチドBは、ビオ
チンとヌクレオチドが接続基を介して結合したものであ
る。
【0044】本発明におけるアビジンは、、卵白中に含
まれビオチンと特異的に結合する糖蛋白質である。アビ
ジンは、微生物(ストレプトコッカス属)由来のストレ
プトアビジンであってもよい。また、それらの組み換え
型蛋白質であってもよい。本発明におけるビオチンは、
ビタミンH、補酵素Rともいわれる物質であり、アビジ
ン、あるいはストレプトアビジンときわめて強固に結合
し、一般の免疫複合体の結合力よりもはるかに強い結合
力を有している。
【0045】本発明における架橋基は、核酸、核酸結合
蛋白質、低分子リガンド、リガンドレセプター、ヌクレ
オチドまたはアビジンと、芳香族基の両者に結合可能な
基から誘導される。または、連結基と芳香族基の両者に
結合可能な基から誘導される。架橋基としては、例え
ば、−NH−CS−、−NH−CO−、−CO−、−N
2 −、−NH−、−SO2 −、−CH2 −S−、−CH
2 −NH−、−(CH26 −NH−CO−CH2 −C
2 −CO−、−S−および−S−S−などが例示され
る。特に好ましい架橋基としてはスルホニル基およびカ
ルボニル基が挙げられる。
【0046】本発明における連結基は、架橋基と核酸、
核酸結合蛋白質、低分子リガンド、リガンドレセプター
またはヌクレオチドを連結するものであれば、特に制限
はないが、好ましい連結基として、炭素と炭素の間に7
以下のアミド結合を有していてもよい炭素数5以上25
以下の2価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的に
は、一般式(IV):
【0047】
【化20】
【0048】〔一般式(IV)中、aは0〜6の整数を示
し、bは0または1を示す。〕で表される基が挙げられ
る。
【0049】また、連結基の別の好ましい態様として、
親和性結合しているビオチンとアビジンを含む連結基が
挙げられる。アビジンと親和性結合しているビオチン
は、さらに、接続基を介してプローブに結合する態様が
好ましい。好ましい接続基として、炭素と炭素の間に7
以下のアミド結合を有していてもよい炭素数5以上25
以下の2価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。さらに具
体的には、−CH=CH−CO−NH−CH2 −CH2
−NH−(CO−CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −C
2 −NH)2 −が挙げられ、好ましい結合は、(プロ
ーブ)−CH=CH−CO−NH−CH2 −CH 2 −N
H−(CO−CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −CH2
−NH)2 −ビオチン:アビジン−(架橋基−標識体)
である。
【0050】ヌクレオチドBにおけるビオチンとヌクレ
オチドの結合を介する接続基は、ビオチンとヌクレオチ
ドを接続するものであれば、制限はない。好適な接続基
として、炭素と炭素の間に7以下のアミド結合を有して
いてもよい炭素数5以上25以下の2価の脂肪族炭化水
素基が挙げられる。さらに具体的には、−CH=CH−
CO−NH−CH2 −CH2 −NH−(CO−CH2
CH2 −CH2 −CH 2 −CH2 −NH)2 −が挙げら
れ、好ましい結合は、(ヌクレオチド)−CH=CH−
CO−NH−CH2 −CH2 −NH−(CO−CH2
CH2 −CH2−CH2 −CH2 −NH)2 −(ビオチ
ン)である。
【0051】一般式(II)の標識体が、2つの架橋基を
介してプローブまたはアビジンに結合しているとき、そ
の2つの架橋基は同一であっても異なっていてもよい。
さらに、2つの連結基を介してプローブまたはアビジン
に結合しているときも、その2つの連結基は同一であっ
ても異なっていてもよい。
【0052】一般式(II)の標識体は、2つのプローブ
またはアビジンに結合させて使用することもできる。そ
の2つのプローブは異なる2つのプローブまたはアビジ
ンであってもよいし、同一の2つのプローブまたはアビ
ジンであってもよい。2つのプローブに結合することで
相乗的な結合効果が期待できる。
【0053】例えば、本発明の標識核酸プローブの一実
施態様として、異なる核酸プローブに結合した標識核酸
プローブが挙げられる。このプローブは、同種または2
種の遺伝子に相補的な塩基配列を有する核酸プローブま
たは相同な塩基配列を有する核酸プローブである。すな
わち、測定対象の特定部位を認識する複数の核酸を有す
るプローブは、細胞中のその相補的な塩基配列を有する
核酸または相同な塩基配列を有する核酸と結合し、重金
属イオン、例えばランタノイド金属イオン添加による蛍
光錯体形成によって、いわゆる2価のプローブとなり、
相乗的な結合効果が期待できる。
【0054】結合する2つのプローブが同一の場合であ
っても、それぞれが複数の同一特定部位を有する目的物
質を同時に結合できるため、単なる算術的な加算ではな
く、相乗効果が期待できる。
【0055】本発明の分析方法では、異なる種類の標識
プローブを混合して同時に用いることもできる。
【0056】プローブに対する標識体の結合比について
は特に制限はないが、通常1〜100であり、好ましく
は1〜20である。ヌクレオチドに対する標識体の結合
比については特に制限はないが、通常1〜50であり、
好ましくは1〜20である。アビジンに対する標識体の
結合比については特に制限はないが、通常1〜50であ
り、好ましくは2〜30である。
【0057】標識プローブ、標識ヌクレオチドまたは標
識体Aを製造する方法としては、標識体をプローブ、ヌ
クレオチドまたはアビジンに結合させるために、目的物
質との反応において障害とならない限り、次の官能基が
使用可能である。例えば、アミノ基と反応性のイソチオ
シアネート基、スルホニルハライド基(スルホニルクロ
リド基、スルフォニルフルオリド基など)、2−メルカ
プトエタノール存在下でのo−フタルアルデヒド基、あ
るいはカルボジイミド基、チオール基に対するN−置換
マレイミド基など、ヒスチジンに対するヨードアセトア
ミド基など種々の結合基が使用できる。
【0058】より具体的には、リガンドや核酸などと、
リガンドや核酸等の1モル当たり、1〜20モル量の、
例えば、下記の構造式で表される標識化合物を溶媒中
で、反応させることにより得ることができる。
【0059】
【化21】
【0060】本発明はまた、標識核酸プローブと重金属
イオンを含む蛍光錯体に関する。重金属イオンとして
は、ランタノイド金属イオンまたはラジウムイオンが例
示され、好ましくはランタノイド金属イオンである。本
発明で用いるランタノイド金属イオンとしては、ユウロ
ピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(T
b)、ジスプロシウム(Dy)などのイオンが使用可能
である。一般には塩化物の形で使用されるが、測定に支
障のない範囲で他の塩類の形態として使用することがで
きる。本発明においてはこれらのランタノイド金属イオ
ンを単独で、もしくは複数種混合して使用することがで
きる。
【0061】本発明における標識プローブと目的物質の
反応は、生体試料中で核酸と核酸、核酸と核酸結合蛋白
質、リガンドとリガンドレセプターとが反応するもので
ある。容易に反応させるために、生体試料を前処理して
もよい。例えば、AGPC法による核酸抽出処理または
エタノールによる蛋白解離処理等である。生体試料は、
好ましくは細胞、組織または染色体などである
【0062】また、本発明の分析方法は、細胞中および
細胞表面上の目的物質を分析する方法であり、標識プロ
ーブを組織切片、細胞表面上、染色体上などの生体試料
上で目的物質と反応させた後、ランタノイド金属イオン
やラジウムイオンなどの重金属イオンを加え生じた錯体
の蛍光を測定するか、もしくは標識プローブにランタノ
イド金属イオンやラジウムイオンなどの重金属イオンを
加え蛍光錯体とした後、生体試料上で目的物質と反応さ
せ、反応後の錯体の蛍光を測定することを特徴とする目
的物質の分析方法である。
【0063】本発明の分析方法はまた、ヌクレオチドB
を構成成分として含有する核酸プローブを生体試料上で
目的物質と反応させ、次いで、標識体Aと反応させ、そ
の後重金属イオンを加え、生じた蛍光錯体の蛍光を測定
することを特徴とする目的物質の分析方法である。
【0064】ヌクレオチドBを構成成分として含有する
核酸プローブとは、ヌクレオチド配列中のヌクレオチド
の1以上がヌクレオチドBである核酸プローブである。
すなわち、ビオチンが結合した核酸プローブである。ヌ
クレオチドBを構成成分として含有する核酸プローブ
は、ヌクレオチドB、dNTP、および1本鎖DNA
を、プライマー、DNAポリメラーゼの存在下に反応さ
せて得られた2本鎖DNAを熱変性処理等により1本鎖
にすることで得ることができる。また、ヌクレオチドB
を構成成分として含有する核酸プローブは、ヌクレオチ
ドB、dNTP、2本鎖DNAを、5’エキソヌクレア
ーゼ、DNase、DNAポリメラーゼの存在下に反応
させて得られた2本鎖DNAを熱変性処理等により1本
鎖にすることで得ることができる。
【0065】より具体的な分析方法としては、生体試料
を標識プローブを含む緩衝液に浸漬し、インキュベート
することで目的物質と標識プローブを反応させた後、過
剰の標識プローブを緩衝液で洗浄し、さらにランタノイ
ド金属イオンを含む緩衝液に浸漬して錯体を形成させ、
生じた錯体の蛍光を測定する方法が例示される。
【0066】また、標識プローブを含む緩衝液にランタ
ノイド金属イオンを含む緩衝液を添加混合し、錯体を形
成させた後、この混合液に生体試料を浸漬し、インキュ
ベートすることで目的物質と反応させ、この後過剰の
〔標識プローブ:ランタノイド金属イオン〕錯体を洗浄
によって除去し、生体試料上に残存する錯体により生じ
る蛍光を測定する方法が例示される。
【0067】別の具体的方法として次の方法が例示され
る。分析の対象となる配列をもつ2本鎖DNA、ヌクレ
オチドBおよびdNTPを、5’エキソヌクレアーゼ、
DNase、DNAポリメラーゼの存在下に反応させて
ビオチンが結合した核酸プローブを得る。該ビオチン結
合核酸プローブを含む緩衝液に生体試料を浸漬し、イン
キュベートすることで目的物質とビオチン結合核酸プロ
ーブを反応させた後、過剰のビオチン結合核酸プローブ
を洗浄して除去する。次に、標識体Aを含む緩衝液に浸
漬し、ビオチンとアビジンを結合させたあと、過剰の標
識体Aを除去する。さらに、ランタノイド金属イオンを
含む緩衝液に浸漬して錯体を形成させ、生じた錯体の蛍
光を測定する。
【0068】これらの方法により、生体組織、細胞、染
色体、生体試料中の目的物質の存在を視覚化し、局在性
や濃度を分析することができる。また、目的物質に関す
る異常を分析することができる。本発明の標識プローブ
を用いることにより得られる視覚化像は、蛍光顕微鏡、
共焦点レーザー顕微鏡などで得られる。また、蛍光シグ
ナルそのものは、蛍光測定装置、時間分解蛍光測定装置
などで測定が可能である。
【0069】特に、本発明の標識核酸プローブは、コロ
ニーハイブリダイゼーション、生体組織、染色体に対す
る蛍光in situハイブリダイゼーション(FIS
H)、核酸サンドウィッチハイブリダイゼーション、コ
ンパラティブ ゲノム ハイブリダイゼーション(Comp
arative genome hybridazation;CGH)などの手法に
より、生体組織、細胞、染色体などの生体試料と作用さ
せて、視覚化することができる。
【0070】本発明はまた、標識ヌクレオチドに関す
る。本発明のヌクレオチドは、それ自体で、生体組織あ
るいは細胞上における特定の物質と親和性を有するが、
他のヌクレオチドと結合させて、あるいはニックトラン
スレーション法により2本鎖DNAから標識核酸プロー
ブを製造するのに使用してもよい。
【0071】本発明の標識ヌクレオチドにおけるヌクレ
オチドおよびヌクレオチドBにおけるヌクレオチドは特
に制限されるものではなく、ATP,GTP,CTP,
UTP,dATP,dGTP,dCTP,dTTP,d
UTPなどが例示される。特に好適な例としてdUTP
が挙げられる。
【0072】特に好ましい標識ヌクレオチドとして、一
般式(V):
【0073】
【化22】
【0074】〔一般式(V)中、Xは一般式(IV)であ
らわされる連結基を示し、Yはスルホニル基またはカル
ボニル基を示し、Rは
【0075】
【化23】
【0076】を示し、pは0または1を示す。〕で表さ
れる標識ヌクレオチドが挙げられる。
【0077】本発明はまた、上記標識ヌクレオチドと重
金属イオンを含む蛍光錯体に関する。重金属イオンとし
ては、上記ランタノイド金属イオンまたはラジウムイオ
ンが例示され、好ましくは、上記ランタノイド金属イオ
ンである。
【0078】組織や細胞から抽出したDNA、特に染色
体DNAを用いて、断片化されたプローブDNAを合成
する際に、本発明の標識dUTPなどの標識ヌクレオチ
ドを取り込ませることにより、標識プローブを得ること
ができる。具体的には、標識ヌクレオチド、dNTPお
よび2本鎖DNAを5’エキソヌクレアーゼ、DNas
eおよびDNAポリメラーゼの存在下に反応させること
により標識核酸プローブを製造する。また、標識ヌクレ
オチド、dNTPおよび1本鎖DNAを、DNAポリメ
ラーゼの存在下に反応させることにより標識核酸プロー
ブを製造することもできる。特に好適には、ニックトラ
ンスレーション法により、本発明の標識dUTPなどの
標識ヌクレオチドを取り込ませて、標識核酸プローブと
して利用可能なDNA及びDNA断片を得ることができ
る。
【0079】さらに、本発明の標識核酸プローブ、標識
ヌクレオチドまたは、ヌクレオチドBをPCR(ポリメ
ラーゼ チェイン リアクション)法、LCR(ライゲ
ースチェイン リアクション)法、NASBA法などの
核酸増幅法により、DNAまたはRNAに取り込ませる
ことができる。得られたDNAまたはRNAは、標識核
酸プローブ、ビオチン結合核酸プローブとして目的物質
の分析に用いることができる。
【0080】このように、本発明の標識ヌクレオチドま
たは、ヌクレオチドBを取り込ませて得た、組織や細胞
のDNAに対して相補的なDNAからなる核酸プローブ
は、特に目的組織や細胞の染色体異常を分析するのに好
適に用いることができる。
【0081】本発明の核酸分析用試薬は、上記の新規標
識核酸プローブまたは標識ヌクレオチドを含むものであ
る。好ましくは、さらに上記のランタノイド金属イオン
やラジウムイオンなどの重金属イオンを含むものであ
る。
【0082】本発明の核酸分析用試薬は、また、標識体
AおよびヌクレオチドBを含むものである。標識体Aお
よびヌクレオチドBを含む試薬は、さらに、dNTP、
プライマー、DNAポリメラーゼおよび重金属を含む試
薬であることが好ましい。また、別の態様として、標識
体AおよびヌクレオチドBを含む試薬は、さらに、dN
TP、5’エキソヌクレアーゼ、DNase、DNAポ
リメラーゼおよび重金属を含む試薬であることが好まし
い。
【0083】
【実施例】次に本発明を参考例および実施例により具体
的に説明するが、これらにより、本発明はなんら限定さ
れるものではない。 参考例14,4’−ジアセチル−o−テルフェニルの合成 0℃において、攪拌下の 200mlのCH2 Cl2 と、 210
mmolのAlCl3 と、205mmol のCH3 COClの溶液
に、 100mlのCH2 Cl2 と 100mmolのo−テルフェニ
ルの溶液を徐々に滴下した。0℃で30分間攪拌した後、
室温で24時間攪拌した。さらに、2時間還流した後、反
応溶液を氷+塩酸(濃)中に注ぎ、充分攪拌した後、減
圧蒸留によって、CH2 Cl2 を除去した。沈殿を濾別
し、水でよく洗浄した。約 250mlの2−ブタノンで生成
物を再結晶し、生成した針状結晶を濾別し、真空乾燥し
た。収量は22.1g であり、収率は、70.3% であった。元
素分析の結果は次の通りであった。 元素分析結果:理論値:C%=84.05、 H%=
5.77 測定値:C%=84.96、 H%=5.87
【0084】参考例2標識化合物の中間体の合成 次の構造をもつ中間体を合成した。
【0085】
【化24】
【0086】30g の乾燥エーテル(Et2 O)中に、3.
0gのNaOCH3 、10mmolの4,4’−ジアセチル−o
−テルフェニルおよび20mmolのC3 7 COOC2 5
を加え、室温において密封し、24時間攪拌した。蒸留に
よって乾燥エーテルを除去し、30分間真空乾燥した。 1
00mlの15% 硫酸で生成物を中和し、沈殿を濾別し、水で
よく洗浄した。沈殿を 200mlエタノールに加熱しながら
溶解し、濾過によって不溶物を除去した。減圧で溶液を
約20mlまで濃縮し、この溶液を攪拌下の 200mlの石油エ
ーテル中に徐々に滴下した。充分攪拌した後、析出した
少量の沈殿を濾過によって除去し、濾液を減圧濃縮して
全ての有機溶媒を除去した。得られた油状物を真空乾燥
した後、黄色の粉末が得られた。24時間真空乾燥した。
収量は460gであり、収率は65.0% であった。 元素分析結果:理論値:C%=51.00、 H%=
2.28 測定値:C%=51.22、 H%=2.611 H−NMRで生成物は目標化合物であることを確認し
た。
【0087】参考例3標識化合物の合成 次の構造をもつ標識化合物を合成した。
【0088】
【化25】
【0089】室温において、攪拌下の3.5ml のクロロ硫
酸中に、 2mmolのβ- ジケトン(参考例2で得られた中
間体)を徐々に加えた。室温で7時間攪拌した後、注意
深く反応溶液を攪拌下の150ml の水−氷中(外部は氷−
水で冷却する。)に徐々に滴下した。生成した沈殿を早
く遠心分離し、冷たい水(約5℃)で沈殿を洗浄し、2
回の遠心分離を行った。少量の冷たい水で沈殿をガラス
フィルターに移し、吸引濾過によって水を除去した。室
温で48時間以上、生成したクロロスルホニル化β- ジケ
トンを真空乾燥した。収率は77% であった。 元素分析結果:理論値:C%=44.76、 H%=
1.88 測定値:C%=44.50、 H%=1.921 H−NMRで生成物は目標化合物であることを確認し
た。
【0090】実施例1標識化合物を用いたp53,Human,Probe
(exon 4 translated)の標識 参考例3の標識化合物とオンコジーン リサーチ プロ
ダクト社製 p53,Human,Probe(exo
n 4 translated)(コスモバイオ社) を
反応させることにより、標識化合物とp53,Huma
n,Probeがスルホニル基を介して結合した標識D
NAを次の手法により作製した。
【0091】100 pmol のp53,Human,Pr
obe(exon 4 translated)を10
0μl の0.1mol/l炭酸緩衝溶液(pH=9.3)中に溶解し、室
温下で該核酸(約280個/分子のアミノ基を有する)
と等モル数の標識化合物を含有する10μl のDMF溶
液を攪拌下のDNA溶液に徐々に滴下した。室温で1時
間攪拌した後、フェノールクロロホルム抽出し、エタノ
ール沈殿操作を実施し、沈殿物を80%エタノールで洗
浄した後、乾燥させた。乾燥させた沈殿物を100μl
の0.05mol/l 炭酸緩衝溶液(pH=8.0)に再溶解した。
【0092】この溶液に含まれる標識化合物のモル濃度
と330nmの吸光度から330nmにおけるモル吸光係数
を計算した。結果は、吸光係数が、0.97 mol-1cm-1
・lであり、330nmにおけるDNAの吸収はなかっ
た。モル吸光係数は、標識反応の過程中に変化しないと
の仮定を用い、標識DNA溶液中のラベルの濃度および
ラベルとDNAとの結合比を計算した。以上の方法で得
られた標識DNA画分中のDNAと標識化合物の結合比
は、約1であった。
【0093】実施例2標識DNAと肝臓組織中の遺伝子とのハイブリダイゼー
ション ヒトより摘出した肝臓組織を4%パラホルムアルデヒド
−PBSで一晩4℃で固定した後、70%、80%、9
0%および100%エタノールで脱水処理した。なお、
該実験で使用した水は、すべてDEPC(ジエチルピロ
カーボネート)で処理した純水を用いた。さらに100
%エタノールで、肝臓組織中の溶液を2回交換し、脱水
した後、キシレン中に肝臓組織を移し、60℃で2時間
加温を3回繰り返し、肝臓組織をパラフィンで包埋し
た。
【0094】このパラフィン包埋組織をミクロトームに
て約5μmの切片とし、十分に洗浄されたスライドグラ
ス上に載せ、37℃で6時間乾燥させて、切片スライド
とした。作製した切片スライドをさらにドライヤーで乾
かした後、キシレン、100%エタノール、90%エタ
ノール、80%エタノール、70%エタノールおよびリ
ン酸緩衝液(PB、pH7.4)で溶媒処理し、プロテ
ネースK溶液(10μg/ml、10mMトリス塩酸p
H8.0、1mM EDTA)にて20分間処理した。
【0095】さらに、4%パラホルムアルデヒド−PB
液に10分間、上記切片スライドを浸漬し、PBで洗浄
した後、0.2N塩酸にて10分間、PBにて1分間、
0.1Mトリエタノールアミン塩酸pH8.0にて1分
間、0.25%無水酢酸を含む0.1Mトリエタノール
アミン塩酸pH8.0にて10分間、PBにて1分間処
理し、70%エタノール、80%エタノール、90%エ
タノールおよび100%エタノールでさらに切片スライ
ドを処理し、最終的に風乾して、風乾サンプルを得た。
該風乾サンプルを直ちに、下記ハイブリダイゼーション
に供した。
【0096】ハイブリダイゼーション溶液として、50
%ホルムアミド、10mMトリス塩酸pH7.6、10
%デキストラン硫酸、600mM NaCl、0.25
%SDS、1mM EDTA、200μg/ml tR
NA、1倍のデンハルト液を含む溶液を作製した。この
ハイブリダイゼーション溶液に5ng/mlとなるよう
に、上記標識DNA(実施例1)を溶解し、その混液を
上記風乾サンプルに約40μl滴下し、次いでパラフィ
ルムで覆い、50%ホルムアミド溶液で湿らせたペーパ
ータオルを敷いたモイスチャーチャンバー中で、37℃
で16時間、標識DNAと風乾サンプルをハイブリダイ
ズさせた。
【0097】なお、ハイブリダイゼーションの前に、標
識DNAを除くハイブリダイゼーション溶液にて、2時
間、37℃にて風乾サンプルのプレハイブリダイゼーシ
ョンを実施した。
【0098】次に、上記パラフィルムを5倍のSSC液
(40℃)中でスライドガラス上から外し、標識DNA
がハイブリダイズした切片を有するスライドグラスを2
倍のSSC、50%ホルムアミド中で40℃で30分間
加温した。この後、37℃のTNE液(トリス塩酸緩衝
液、NaCl、EDTAを含む水溶液)で洗浄した後、
5μg/ml RNAseAをTNE液中で10分間反
応させた。
【0099】次に、2倍のSSCを使用して、40℃、
20分間で1回、0.2倍のSSCにて40℃、20分
間2回、上記スライドグラスを洗浄した。最後に、0.
1mMの塩化ユウロピウム溶液を含む0.2倍のSSC
液(pH8.5)に、上記スライドグラス(標識DNA
がハイブリダイズした切片を有する)を浸漬して、標識
DNAと塩化ユウロピウムが反応した蛍光錯体を得、蛍
光顕微鏡にて観察した。
【0100】その結果として、使用した標識DNAと塩
化ユウロピウムとの蛍光錯体に由来するシグナルを上記
切片上で認めた。なお、比較例として、上記標識DNA
に代えて、FITC(フルオレセインイソチオシアネー
ト)を使用した標識DNAを使用して、同様のハイブリ
ダイゼーションを実施したところ、ほとんどシグナルを
認めることができなかった。なお、この実験の際にはシ
グナル検出のために塩化ユウロピウムは添加しなかっ
た。
【0101】実施例3標識されたPCR産物の作製 B型肝炎ウイルス表面蛋白質(HBsAg) をコードする遺伝
子に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(配
列番号1および2)を、ホスホアミダイトを用いて自動
核酸合成装置にて合成した。合成の最後に、伸長された
オリゴヌクレオチドの5’末端に、標識化合物を反応さ
せて、下記の式(1)および式(2)で示される2種の
標識オリゴヌクレオチドを合成した。
【0102】
【化26】
【0103】式(1)中Q1 は、5’末端のヌクレオチ
ドのアミノ基がスルホニル基に結合しているオリゴヌク
レオチド(配列番号1)を示す。
【0104】
【化27】
【0105】式(2)中Q2 は、5’末端のヌクレオチ
ドのアミノ基がスルホニル基に結合しているオリゴヌク
レオチド(配列番号2)を示す。
【0106】上記2種の標識オリゴヌクレオチドをプラ
イマー1およびプライマー2として、B型肝炎ウイルス
表面抗原強陽性患者の血清をフェノール・クロロホルム
抽出した核酸画分を鋳型として、次の条件でPCRを実
施した。PCR組成液としては、10mMトリス塩酸
(pH9.0)、50mM KCl、1.5mM塩化マ
グネシウム、0.1%トリトンX−100、dNTP各
50μM、Taq DNAポリメラーゼ0.02ユニッ
ト/μl、プライマー1(式(1)の化合物)およびプ
ライマー2(式(2)の化合物)0.4pMを使用し
た。PCRサイクルとしては、95℃、2分間の予備加
温の後、(95℃、30秒)、(57℃、30秒)、
(72℃、1分20秒)のサイクルを30回繰り返し
た。PCR産物として、およそ600塩基対のDNA産
物を得た。また、このDNA増幅産物に塩化ユウロピウ
ムを加えたところ、極めて強い蛍光を生じた。
【0107】実施例4標識PCR産物による肝臓組織の分析 次にB型肝炎に感染したヒトより切除した肝臓より、実
施例2に記載の方法に準じて組織切片を作製し、風乾サ
ンプル(スライドグラス上にある)を得た。但し、実施
例2のDEPC水のかわりに、通常の滅菌精製水を使用
した。
【0108】ハイブリダイゼーション溶液として、50
%ホルムアミド、10mMトリス塩酸pH7.6、10
%デキストラン硫酸、600mM NaCl、0.25
%SDS、1mM EDTA、200μg/ml tR
NA、1倍のデンハルト液の組成液を作製した。このハ
イブリダイゼーション溶液にDNA量として70ng/
mlとなるように、標識されたPCR増幅産物(実施例
3)を溶解し、その混液を85℃にて10分間プレイン
キュベートした後、ハイブリダイゼーション溶液にて1
0倍希釈し、上記風乾サンプル(スライドグラス上にあ
る)に、該ハイブリダイゼーション溶液を約40μl滴
下し、パラフィルムで覆った後、ホットプレート上で9
5℃、2分間加温した。
【0109】このスライドグラスを50%ホルムアミド
溶液で湿らせたペーパータオルを敷いたモイスチャーチ
ャンバー中で、37℃で16時間保持して、標識された
PCR増幅産物と風乾サンプルをハイブリダイズさせ
た。なお、ハイブリダイズの前にPCR増幅産物を除く
ハイブリダイゼーション溶液にて2時間、風乾サンプル
のプレハイブリダイゼーシヨンを実施した。
【0110】次に、上記パラフィルムを5倍のSSC液
(40℃)中でスライドガラス上から外し、該スライド
グラスを2倍のSSC、50%ホルムアミド中で40℃
で30分間加温した。この後、37℃のTNE液で洗浄
した後、5μg/ml RNAseAをTNE液中で1
0分間反応させた。次に2倍のSSCを使用して、40
℃、20分間で1回、0.2倍のSSCにて、40℃、
20分間2回、上記スライドグラスを洗浄した。最後に
0.1mMの塩化ユウロピウム液を含む0.2倍のSS
C液(pH8.5)に上記スライドグラスを浸漬し、蛍
光顕微鏡にてスライドグラス上の組織切片を観察した。
【0111】その結果として、スライドグラス上の小葉
の肝細胞中にモザイク状の染色像が認められた。なお、
比較例として、上記標識化合物に代えて、FITC(フ
ルオレセインイソチオシアネート)を使用して、同様の
ハイブリダイゼーションを実施したところ、PCR産物
を取得した時点で、顕著な蛍光劣化のため、ハイブリダ
イゼーションを継続することができなかった。
【0112】そこで、配列番号1および2で示される塩
基配列を有するプライマー1および2のみで、B型肝炎
ウイルス表面抗原強陽性患者の血清由来の核酸画分を鋳
型として、DNA産物を取得し、その増幅産物に対し
て、FITCを作用させ、蛍光ラベル化し、ハイブリダ
イゼーションに供した。そのFITCプローブを用いた
ハイブリダイゼーションでは、非常に微弱なシグナルを
得ることができたが、本発明の標識プローブとの優劣は
明らかであった。なお、FITCを使用した実験では塩
化ユウロピウムは加えなかった。
【0113】実施例5標識ヒトインシュリンを用いたヒト膵臓組織の分析 ヒトインシュリン(シグマ社製)を用いて、標識された
ヒトインシュリンを実施例1と同様にして調製した。
【0114】次に、ヒトから摘出した膵臓組織を実施例
2の方法に準じて切片化した。この切片を載せたスライ
ドガラスを4%ホルムアミド液に室温で10分間浸漬し
た。次に、この切片に5%スキムミルクを含むTBS液
(トリスNaCl緩衝液、pH7.6)50μlを加
え、37℃にて2時間加温した。加温後、TBS液(p
H7.6)にて3回洗浄した。次にハイブリダイゼーシ
ョン溶液として、TBS液(pH7.6)をベースとす
る1mM EDTA、0.2%BSA溶液を作製した。
このハイブリダイゼーション溶液に10ng/mlとな
るように、標識されたヒトインシュリンを溶解し、その
混液を上記の膵臓組織切片に約40μl滴下し、パラフ
ィルムで覆い、50%ホルムアミド溶液で湿らせたペー
パータオルを敷いたモイスチャーチャンバー中で37℃
で8時間ハイブリダイズした。
【0115】次に、パラフィルムを5倍のSSC液(4
0℃)中で、スライドグラスから外し、該スライドグラ
スを2倍のSSC、50%ホルムアミド中で40℃で3
0分間加温した。この後、37℃のTNE液で洗浄した
後、5μg/ml RNAseAをTNE液中で10分
間反応させた。次に2倍のSSCを使用して40℃、2
0分間で1回、0.2倍のSSCにて40℃、20分間
2回、スライドグラスを洗浄した。最後に0.1mMの
塩化ユウロピウム液を含む0.2倍のSSC液(pH
8.5)に浸漬し、蛍光顕微鏡にてスライドグラス上の
組織切片を観察した。
【0116】その結果として、標識ヒトインシュリンと
塩化ユウロピウムとの蛍光錯体に由来するシグナルを組
織切片上に認めた。なお、比較例として、上記標識ヒト
インシュリンに代えて、ローダミン標識した抗ヒトイン
シュリンリセプター抗体(オーストラルバイオロジカル
社(ABI)製)と反応させたところ、ほぼ同じ蛍光像
を得ることが出来た。従って、本発明の標識されたヒト
インシュリンは、特異的にヒトインシュリンリセプター
と反応していると判断された。
【0117】実施例6変性DNAプローブによる末梢血細胞由来染色体標本の
分析 (末梢リンパ球の培養)無菌的に採取したヘパリン添加
末梢血1mlを、15%ウシ胎児血清を添加したRPM
I1640培地(GIBCO BRL社製)9mlと混
合し、培養フラスコに入れ、終濃度10μg/mlとな
るようにに、フィトヘムアグルチニン(ウエルカム社
製)を添加し、37℃の5%インキュベーター内で培養
した。培養開始後、48時間目にチミジン(シグマ社
製)を終濃度300μg/mlとなるように添加し、培
養を継続した。培養開始後、63時間目にリンパ球細胞
を含む末梢血細胞を新しいチューブに移し、1200r
pmで5分間遠心分離した。次に、RPMI1640培
地10mlをチューブに入れ、軽く攪拌し、洗浄した。
この洗浄操作をもう一度繰り返した後、再度、15%ウ
シ胎児血清を添加したRPMI1640培地10mlと
リンパ球細胞を含む末梢血細胞を混合し、培養した。培
養開始後、63.5時間目にブロモデオキシウリジン
(シグマ社製)を終濃度50ng/mlとなる様に添加
し、攪拌後、さらに培養を続けた。培養開始後、70時
間目に1200rpmにて遠心分離し、リンパ球細胞を
含む末梢血細胞を回収した。
【0118】(染色体の調製)回収した末梢血細胞に1
0mlの0.075MのKClを加え、室温で30分間
静置し、低張処理した後、1200rpmで5分間遠心
分離後、上清液約3mlと沈殿をパスツールピペットで
よく攪拌し、10mlのメタノール:酢酸混液(3:
1、カルノア液)中にゆっくりと滴下した。次に十分攪
拌後、10分間静置し、1200rpmで5分間遠心分
離し、液体分を捨て、新たなカルノア液10mlを固形
分に加え、攪拌混合した。このカルノア液での洗浄をさ
らに2回繰り返した後、カルノア液で濃度を調節し、ス
ライドガラスの中央に、カルノア液で懸濁した溶液を滴
下し、沸騰ポットを用いて、蒸気固定した。
【0119】この固定スライドガラスを37℃にて一晩
乾燥後、乾熱滅菌器で、65℃、4時間固着操作を実施
して、染色体標本を得た。次に、この染色体標本を1μ
g/mlの蛍光色素、ヘキスト33258(モレキュラ
ープローブ社製)を含む2倍のSSCで5分間染色し、
2倍のSSCにて軽く洗い、カバーグラスをかけ、75
℃に熱したホットプレート上に3分間静置した。さら
に、ホットプレート上で、該標本から1cmの距離に
て、ブラックライト(20W、東芝社製)にて紫外線照
射した。その後、スライドグラスのカバーグラスを除去
し、蒸留水で2回洗浄した後、乾燥し、染色体標本を載
せたスライドグラスを−20℃にて保存した。
【0120】(標識されたdUTPの作製)dUTP
(デオキシUTP(東洋紡績社製))を用いて、実施例
1と同様にして、標識dUTPを作製した。
【0121】この標識dUTPとKRAS ONCOG
ENE(ラブロジックス社製、ラージプローブ)を用い
て、ニックトランスレーション法にて標識された核酸を
作製した。ニックトランスレーションは、ベーリンガー
社製のニックトランスレーションキットを使用し、プロ
トコールに準じて実施した(標識dUTPは終濃度0.
05mMで使用した)。ニックトランスレーション反応
後、ニックトランスレーション反応液20μlに対し、
4M酢酸アンモニウム2.5μl、サケ精子DNA(1
0mg/ml;シグマ社製)2.0μl、大腸菌tRN
A(10mg/ml;シグマ社製)2.0μlおよび特
級エタノール75μlを添加し、よく混和後、−80℃
で1時間保存後、15000rpmにて遠心分離し、沈
殿物を特級ホルムアミドで十分に攪拌し、溶解した。
【0122】(ハイブリダイゼーション)上記方法で作
製した標識された核酸5μlに、5μlのCot−1D
NA(10mg/ml;バイシス社製)を加え、ヒート
ブロックで70℃、10分間インキュベートし、標識プ
ローブを変性させて、変性DNAプローブとした後、氷
中にて急冷させた。次に、上記染色体標本を載せたスラ
イドグラスを70℃の70%ホルムアミド(2倍のSS
Cベース)を満たしたコップリンジャー中に沈め、該標
本を熱変性させた。これを、すぐに−20℃の70%エ
タノールに移し、2分間急冷し、100%エタノールで
脱水後、乾燥させた。次に、上述の変性DNAプローブ
を、終濃度50%ホルムアミド、10%デキストラン硫
酸(2倍のSSCベース)の溶液中に混合し、上記染色
体標本の上に載せ、パラフィルム片にて気泡が入らない
ように、変性DNAプローブ液を均一に伸ばした。この
スライドグラス上の染色体標本と変性DNAプローブ
を、2倍のSSCを含ませた濾紙を底に敷いた密閉湿箱
中で37℃、18時間ハイブリダイズさせた。
【0123】その後、該スライドグラスからパラフイル
ムをはがし、37℃、50%ホルムアミド(2倍のSS
Cベース)を満たしたコップリンジャー中に、該スライ
ドグラスを沈め、15分間洗浄した。さらに、該スライ
ドガラスを2倍のSSC(室温)中で1分間静置し、続
いて1倍のSSC(室温)中にて15分間、4倍のSS
C(室温)にて5分間、静置した。さらに、0.1mM
の塩化ユウロピウムを含む2倍のSSC(pH8.5)
をスライドグラス上に滴下し、蛍光顕微鏡にてスライド
グラス上の組織切片を観察した。
【0124】その結果、第11番染色体が蛍光を有して
いることが判明し、KRAS ONCOGENEを含む
核酸の局在と一致し、かつ、特異的な検出が可能である
ことが確認された。
【0125】実施例7 (蛍光標識されたストレプトアビジンの作製)24mg
のストレプトアビジン、リコンビナント(ベーリンガー
マンハイム社製)を2mlの炭酸緩衝液(100mM,
pH9.3)に溶解させた後、同じ緩衝液にて透析し
た。透析液の280nmにおける吸光度より、3.4m
g/mlの蛋白濃度であることを確認した後、2ml全
量中に、7.4mgの参考例3の標識化合物を含む0.
4mlの乾燥DMF溶液を徐々に滴下し、25℃にて1
時間攪拌した。攪拌後反応溶液をセファデックスG−5
0カラム(約30mlベッド)を用いて炭酸アンモニウ
ム50mMにて展開し、未反応の標識化合物を分離し
た。蛋白画分の330nmの吸光度係数3.41×10
4 (cm-1-1)、リコンビナントストレプトアビジン
のモル分子量約52000より、架橋結合した標識化合
物は1分子のストレプトアビジンあたり約20分子と計
算された。蛋白画分に0.1%となるようアジ化ナトリ
ウムを加え、1NHClにてpH6.5に調節し4℃で
保存した。
【0126】(ニックトランスレーションキットによる
DNAプローブの作製)実施例6で使用したKRAS
ONCOGENE(ラブロジックス社製、ラージプロー
ブ)を用いてビオチン−21−dUTP ニックトラン
スレーションキット(クローンテック社製)にて、キッ
ト添付の手順書に従い、ビオチン−21−dUTPを核
酸KRAS ONCOGENEに取り込ませ、ビオチン
化KRAS ONCOGENEDNAプローブを作製し
た。ここでビオチン−21−dUTPは次の様な構造を
とっており、接続基を含んでいる。
【0127】
【化28】
【0128】〔式中、Rは
【0129】
【化29】
【0130】を示す。〕
【0131】次にニックトランスレーション反応後の反
応液20μlに対し、4M酢酸アンモニウム2.5μ
l、サケ精子DNA(10mg/ml;シグマ社製)
2.0μl、大腸菌tRNA(10mg/ml;シグマ
社製)2.0μl及び特級エタノール75μlを添加
し、よく混和後、−80℃で1時間保存後、15000
rpmにて遠心分離し、沈殿物を特級ホルムアミドで十
分に攪拌し、溶解した。
【0132】(ハイブリダイゼーション)さらに実施例
6と全く同様の方法にて、変性DNAプローブを作製
し、染色体標本とハイブリダイズさせた。
【0133】ハイブリダイゼーション後、該スライドガ
ラスからパラフィルムをはがし、37℃、50%ホルム
アルデヒド(2倍のSSCベース)を満たしたコップリ
ンジャー中に、該スライドガラスを沈め、15分間洗浄
した。さらに該スライドを2倍のSSC(室温)中で1
分間放置した。続いて1倍のSSC(室温)中にて15
分間、4倍のSSCにて5分間、静置した。さらに上記
で作製した標識ストレプトアビジンを0.02mg/m
lとなるように2倍のSSCで希釈し、その溶液中に該
スライドを室温で15分間静置した。ついで1倍のSS
C(室温)にて5分間静置する操作を3度繰り返した。
さらに0.1mMの塩化ユウロピウムを含む2倍のSS
C(pH8.5)をスライドガラス上に滴下し、蛍光顕
微鏡にてスライドガラス上の組織切片を観察した。
【0134】その結果、第11番染色体が、実施例6と
同様に蛍光を有していることが判明したが、実施例6よ
りも明らかに強度の強い蛍光であることが確認された。
この蛍光強度の強さはビオチン化−21−UTPの核酸
への取り込み率の高さ及び、ストレプトアビジンに結合
した標識化合物の数の多さを反映していると考えられ
た。KRAS ONCOGENEの局在とも一致してい
ることも確かめられ、特異的な検出方法であると考えら
れた。
【0135】
【発明の効果】本発明では、生体組織、細胞上、染色体
上などの生体試料中の核酸、核酸結合蛋白質、低分子リ
セプターまたはリガンドレセプター、糖鎖、ガングリオ
シドなどの分析において、夾雑物質による蛍光の妨害、
低感度などの欠点を解消できる。また、生体試料上で使
用できる標識物質を提供することが可能である。特に、
試料中あるいは環境中のランタノイド金属イオンの汚染
による妨害を除き、高感度で目的物質を、少ない操作ス
テップにて測定することが可能である。
【0136】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数 :1本鎖 トポロジー :直鎖状 配列の種類 :他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 配列 CATGGAGAAC ATCACACATC AGGATTC 27
【0137】配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型: 核酸 鎖の数 :1本鎖 トポロジー :直鎖状 配列の種類 :他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 配列 AATGTATACC CAGAGACAAA ACAA 24
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 勝徳 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内 (72)発明者 手嶋 真一 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社内 (72)発明者 川村 良久 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内 (72)発明者 松本 和子 神奈川県川崎市多摩区登戸2578−1−708 Fターム(参考) 2G045 AA24 AA35 BA14 BB22 CB01 CB26 CB30 DA12 DA13 DA14 DA20 DA30 DA36 FB01 FB02 FB07 FB12 GC15 4B024 AA11 AA20 CA01 CA05 CA09 CA20 HA13 4B063 QA01 QA08 QA20 QQ08 QQ42 QQ52 QQ60 QQ67 QQ91 QR08 QR14 QR32 QR35 QR41 QR42 QR48 QR50 QR51 QR56 QR62 QR65 QS03 QS11 QS20 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕で表される標識体、または、一般
    式(II): 【化2】 〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一もしくは異な
    って芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同一もしくは異
    なって、水素原子または−COCH2 COCn 2n+1
    示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識体が
    架橋基または架橋基および連結基を介して核酸、核酸結
    合蛋白質、低分子リガンドまたはリガンドレセプター
    (抗体を除く)からなる群から選択されるプローブに結
    合してなる標識プローブを、生体試料上で目的物質と反
    応させた後、重金属イオンを加え、生じた蛍光錯体の蛍
    光を測定することを特徴とする目的物質の分析方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I): 【化3】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕で表される標識体、または、一般
    式(II): 【化4】 〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一もしくは異な
    って芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同一もしくは異
    なって、水素原子または−COCH2 COCn 2n+1
    示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識体が
    架橋基または架橋基および連結基を介して核酸、核酸結
    合蛋白質、低分子リガンドまたはリガンドレセプター
    (抗体を除く)からなる群から選択されるプローブに結
    合してなる標識プローブに重金属イオンを加え、蛍光錯
    体とした後、生体試料上で目的物質と反応させ、反応後
    の蛍光錯体の蛍光を測定することを特徴とする目的物質
    の分析方法。
  3. 【請求項3】 目的物質が核酸、核酸結合蛋白質、低分
    子リガンドまたはリガンドレセプターである請求項1ま
    たは2記載の分析方法。
  4. 【請求項4】 生体試料が組織、細胞または染色体であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分
    析方法。
  5. 【請求項5】 架橋基がスルホニル基またはカルボニル
    基である請求項1または2記載の分析方法。
  6. 【請求項6】 連結基が架橋基とプローブを連結するも
    のである請求項1または2記載の分析方法。
  7. 【請求項7】 連結基が炭素と炭素の間に7以下のアミ
    ド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の2価
    の脂肪族炭化水素基である請求項1または2記載の分析
    方法。
  8. 【請求項8】 連結基が親和性結合しているビオチンと
    アビジンを含む基である請求項1または2記載の分析方
    法。
  9. 【請求項9】 ビオチンが炭素と炭素の間に7以下のア
    ミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の2
    価の脂肪族炭化水素基とアミド結合していることを特徴
    とする請求項8記載の分析方法。
  10. 【請求項10】 脂肪族炭化水素基が、−CH=CH−
    CO−NH−CH2−CH2 −NH−(CO−CH2
    CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −NH)2−であり、
    プローブに結合していることを特徴とする請求項9記載
    の分析方法。
  11. 【請求項11】 一般式(I): 【化5】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕で表される標識体、または、一般
    式(II): 【化6】 〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一もしくは異な
    って芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同一もしくは異
    なって、水素原子または−COCH2 COCn 2n+1
    示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識体が
    架橋基を介して核酸プローブに結合してなる標識核酸プ
    ローブ。
  12. 【請求項12】 標識体が一般式(III) : 【化7】 〔一般式(III) 中、nは1〜6の整数を示す。〕で表さ
    れる請求項11記載の標識核酸プローブ。
  13. 【請求項13】 架橋基がスルホニル基またはカルボニ
    ル基である請求項11または12記載の標識核酸プロー
    ブ。
  14. 【請求項14】 標識体がさらに連結基を介して核酸プ
    ローブに結合してなる請求項11〜13のいずれかに記
    載の標識核酸プローブ。
  15. 【請求項15】 連結基が炭素と炭素の間に7以下のア
    ミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の2
    価の脂肪族炭化水素基である請求項14記載の標識核酸
    プローブ。
  16. 【請求項16】 連結基が一般式(IV): 【化8】 〔一般式(IV)中、aは0〜6の整数を示し、bは0ま
    たは1を示す。〕で表される基である請求項15記載の
    標識核酸プローブ。
  17. 【請求項17】 連結基が親和性結合しているビオチン
    とアビジンを含む基である請求項14記載の標識核酸プ
    ローブ。
  18. 【請求項18】 ビオチンが炭素と炭素の間に7以下の
    アミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の
    2価の脂肪族炭化水素基とアミド結合していることを特
    徴とする請求項17記載の標識核酸プローブ。
  19. 【請求項19】 脂肪族炭化水素基が、−CH=CH−
    CO−NH−CH2−CH2 −NH−(CO−CH2
    CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −NH)2−であり、
    プローブに結合していることを特徴とする請求項18記
    載の標識核酸プローブ。
  20. 【請求項20】 請求項11〜19のいずれかに記載の
    標識核酸プローブと重金属イオンを含む蛍光錯体。
  21. 【請求項21】 重金属イオンがランタノイド金属イオ
    ンまたはラジウムイオンである請求項20記載の蛍光錯
    体。
  22. 【請求項22】 ランタノイド金属イオンが、ユウロピ
    ウム、サマリウム、テルビウムまたはジスプロシウムの
    イオンもしくはそれらの混合物である請求項21記載の
    蛍光錯体。
  23. 【請求項23】 請求項11〜19のいずれかに記載の
    標識核酸プローブを含む核酸分析用試薬。
  24. 【請求項24】 重金属イオンを含む請求項23記載の
    分析用試薬。
  25. 【請求項25】 重金属イオンがランタノイド金属イオ
    ンまたはラジウムイオンである請求項24記載の分析用
    試薬。
  26. 【請求項26】 一般式(I): 【化9】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕で表される標識体が架橋基を介し
    てヌクレオチドに結合してなる標識ヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 ヌクレオチドがdUTPである請求項
    26記載の標識ヌクレオチド。
  28. 【請求項28】 架橋基がスルホニル基またはカルボニ
    ル基である請求項26または27記載の標識ヌクレオチ
    ド。
  29. 【請求項29】 標識体がさらに連結基を介してヌクレ
    オチドに結合してなる請求項26〜28のいずれかに記
    載の標識ヌクレオチド。
  30. 【請求項30】 連結基が炭素と炭素の間に7以下のア
    ミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の2
    価の脂肪族炭化水素基である請求項29記載の標識ヌク
    レオチド。
  31. 【請求項31】 連結基が一般式(IV): 【化10】 〔一般式(IV)中、aは0〜6の整数を示し、bは0ま
    たは1を示す。〕で表される基である請求項30記載の
    標識ヌクレオチド。
  32. 【請求項32】 連結基が親和性結合しているビオチン
    とアビジンを含む基である請求項29記載の標識ヌクレ
    オチド。
  33. 【請求項33】 ビオチンが炭素と炭素の間に7以下の
    アミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の
    2価の脂肪族炭化水素基とアミド結合していることを特
    徴とする請求項32記載の標識ヌクレオチド。
  34. 【請求項34】 脂肪族炭化水素基が、−CH=CH−
    CO−NH−CH2−CH2 −NH−(CO−CH2
    CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −NH)2−であり、
    プローブに結合していることを特徴とする請求項33記
    載の標識ヌクレオチド。
  35. 【請求項35】 請求項26〜34のいずれかに記載の
    標識ヌクレオチドと重金属イオンを含む蛍光錯体。
  36. 【請求項36】 重金属イオンがランタノイド金属イオ
    ンまたはラジウムイオンである請求項35記載の蛍光錯
    体。
  37. 【請求項37】 ランタノイド金属イオンが、ユウロピ
    ウム、サマリウム、テルビウムまたはジスプロシウムの
    イオンもしくはそれらの混合物である請求項36記載の
    蛍光錯体。
  38. 【請求項38】 請求項26〜34のいずれかに記載の
    標識ヌクレオチド、dNTPおよび1本鎖DNAをプラ
    イマーおよびDNAポリメラーゼの存在下に反応させる
    ことを特徴とする標識核酸プローブの製造方法。
  39. 【請求項39】 請求項26〜34のいずれかに記載の
    標識ヌクレオチド、dNTP、2本鎖DNAを5’エキ
    ソヌクレアーゼ、DNaseおよびDNAポリメラーゼ
    の存在下に反応させることを特徴とする標識核酸プロー
    ブの製造方法。
  40. 【請求項40】 請求項38または39記載の製造方法
    により得られた標識核酸プローブ。
  41. 【請求項41】 アビジンが架橋基を介して共有結合し
    た一般式(I): 【化11】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕、または、一般式(II): 【化12】 〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一もしくは異な
    って芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同一もしくは異
    なって、水素原子または−COCH2 COCn 2n+1
    示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識体、
    および、ビオチンが接続基を介して結合したヌクレオチ
    ドを含む核酸分析用試薬。
  42. 【請求項42】 dNTP、プライマー、DNAポリメ
    ラーゼおよび重金属を含む請求項41記載の核酸分析用
    試薬。
  43. 【請求項43】 dNTP、5’エキソヌクレアーゼ、
    DNase、DNAポリメラーゼおよび重金属を含む請
    求項41記載の核酸分析用試薬。
  44. 【請求項44】 架橋基がスルホニル基またはカルボニ
    ル基である請求項41記載の核酸分析用試薬。
  45. 【請求項45】 ヌクレオチドがdUTPである請求項
    41記載の核酸分析用試薬。
  46. 【請求項46】 ビオチンが接続基を介して結合したヌ
    クレオチドを構成成分として含有する核酸プローブを、
    生体試料上で目的物質と反応させ、次いで、アビジンが
    架橋基を介して共有結合した一般式(I): 【化13】 〔一般式(I)中、A1 は芳香族基を示し、R1 は水素
    原子または−COCH2COCn 2n+1を示し、nは1
    〜6の整数を示す。〕、または、一般式(II): 【化14】 〔一般式(II)中、A2 およびA3 は同一もしくは異な
    って芳香族基を示し、R 2 およびR3 は同一もしくは異
    なって、水素原子または−COCH2 COCn 2n+1
    示し、nは1〜6の整数を示す。〕で表される標識体と
    反応させ、その後、重金属イオンを加え、生じた蛍光錯
    体の蛍光を測定することを特徴とする目的物質の分析方
    法。
  47. 【請求項47】 核酸プローブが、ビオチンが接続基を
    介して結合したヌクレオチド、dNTPおよび1本鎖D
    NAをプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下に
    反応させて得た核酸プローブである請求項46記載の分
    析方法。
  48. 【請求項48】 核酸プローブが、ビオチンが接続基を
    介して結合したヌクレオチド、dNTPおよび2本鎖D
    NAを、5’エキソヌクレアーゼ、DNaseおよびD
    NAポリメラーゼの存在下に反応させて得た核酸プロー
    ブである請求項46記載の分析方法。
  49. 【請求項49】 接続基が炭素と炭素の間に7以下のア
    ミド結合を有していてもよい炭素数5以上25以下の2
    価の脂肪族炭化水素基である請求項46記載の分析方法
  50. 【請求項50】 脂肪族炭化水素基が、−CH=CH−
    CO−NH−CH2−CH2 −NH−(CO−CH2
    CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −NH)2−である請
    求項49記載の分析方法。
  51. 【請求項51】 架橋基がスルホニル基またはカルボニ
    ル基である請求項46記載の分析方法。
  52. 【請求項52】 ヌクレオチドがdUTPである請求項
    46記載の分析方法。
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