JP2000018452A - 金属管付差し込み式管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 スムースに管を継手本体内に挿入できて所定
の管抜け止め機能を発揮して正しく接続できると共に、
管の伸縮機能を果たす差し込み式管継手を提供する。 【解決手段】 一端部は外周面に環状溝３、他端部には
環状凸部２を形成した金属管１と、環状凸部を長手方向
摺動自在に受け入れる凹部１３と端部側に管の環状凸部
が係止する内径の係止部１４と端部にパッキンを装着し
たシール部１１を有して金属管を長手方向摺動自在に密
封シールする一端部を有し、他端部はテーパ内面１６と
それに続いて平行内面と１７端部に管を受け入れる内径
の係止壁１８を有したロックパッキン装着部１９を有す
継手本体１０と、継手本体のロックパッキン装着部に装
着した複数の係止片を有し挿入された金属管の外周面の
環状溝３に係止するロックリング２０と、管の外周面と
密封シールするパッキン２１とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電力、通信ケーブ
ル保護管等に用いられる鋼管やステンレス管等の金属管
の接続に適用される金属管付差し込み式管継手に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な差し込み式管継手として
特公昭５４―２１９０５号公報等で開示されたものがあ
る。このものは図４に示すように、端部に直管状大径空
間部３０に続けて先細りテーパ空間部３１と先端部に管
の差し込み口３２が形成されてなる継手本体３３と、上
記大径空間部３０内に配置されて差し込み口３２から挿
入される管３４の外周面及び大径空間部３０の内周面３
０ａに弾接されるシール部材３５と、シール部材３５の
端部よりに円周方向の一部を切り欠いた略Ｃ字状の抜け
止め部材３６とを備えたものである。継手本体３３内に
管３４を所定量挿入した接続状態で管３４に軸線方向の
引き抜き力が作用した場合、管３４に係止した抜け止め
部材３６が端部側へ移動し、テーパ空間部３１のテーパ
内面３１ａで縮径され、強く管の外周面を係止して抜け
止めし、或いは管の外周面に形成した溝に係止して管３
４の引き抜け対する抜け止めを行うようにしたものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の差し込み式
管継手では、継手本体３３内に管３４を挿入していない
状態では、テーパ空間部３１内に装着した抜け止め部材
３６がその自重によって下降し継手本体の一方に片寄っ
て配置され、或いは継手本体の空間内で傾いて、常に継
手本体３３の軸心に装着保持されてない問題がある。こ
の状態で金属管３４を差し込み口３２より挿入すると管
３４の端部が抜け止め部材３６に引っかかり、正しく抜
け止め部材３６の内周に挿入できず、所定の接続が行え
ない問題があった。

【０００４】また配管された金属管３４に交互に引張り
圧縮の力が加わると、引張り力で管の外周面に食い込ん
だ抜け止め部材が、圧縮時にテーパ空間３１で抜け止め
部材の拘束力がなくなり、再度の引張り力で管が抜け出
してしまう場合があった。本発明は上記の実状に鑑みて
なされたもので、スムースに管を継手本体内に挿入でき
て所定の管抜け止め機能を発揮して正しく接続できると
共に、接続後の管に引張り力や圧縮力が作用しても追随
して管の伸縮機能を果たし、管の抜け出しを防止する差
し込み式管継手を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、一端部
は外周面に環状溝を形成し、他端部は外面に突出する環
状凸部を塑性加工で形成した金属管と、この金属管の環
状凸部を長手方向摺動自在に受け入れる凹部と端部側に
管の環状凸部が係止する内径の係止部と端部にパッキン
を装着したシール部を有して前記金属管を長手方向摺動
自在に密封シールする一端部を有し、他端部は端部側に
向かって拡大するテーパ内面とそれに続いて平行内面と
端部に管を受け入れる内径の係止壁を有したロックパッ
キン装着部を有す継手本体と、前記継手本体のロックパ
ッキン装着部に装着し、挿入された金属管の外周面の環
状溝に係止するロックリングと、前記ロックパッキン装
着部の該ロックリングの端部側に装着し、挿入された金
属管の外周面と密封シールするパッキンと、からなるこ
とを特徴とする金属管付差し込み式管継手である。

【０００６】上記においてロックリングは、前記継手本
体の平行内面に摺接する環状平行部と該環状平行部から
奥に向かって窄まる複数の係止片を有し、挿入された金
属管の外周面の環状溝に係止するように設けることが出
来る。上記において継手本体の一端部は、凹部内に金属
管を挿入した状態で金属管の端部に環状凸部を形成し、
凹部内の金属管が長手方向摺動自在に装着される。凹部
の端部側に設ける継手本体の係止部は塑性加工で継手本
体を絞り変形させても良く、また継手本体の内面に別の
環状部材を溶接して固定し、管の環状凸部に対する抜け
止め係止部として設けても良い。金属管は外面に樹脂被
覆層を設けた外面樹脂被覆鋼管が適しており、端部の環
状凸部は樹脂被覆層付の状態で形成される。他端部側の
ロックパッキン装着部内に装着するロックリングとパッ
キンは別体で設けても良く、またロックリングとパッキ
ンを一体成形で設けても良い。更にロックリングを継手
本体のロックパッキン装着部内に溶接固定しても良い。
ロックリングは円周方向の一部を切り欠いてＣ字状に設
け、拡大縮径可能にすることが出来る。他端部側に挿入
する金属管は端部の外面樹脂被覆層を取り除いて環状溝
が形成される。継手本体のロックパッキン装着内に装着
するパッキンは、内周側に複数条の環状リップが張り出
して挿入した金属管の外周面に当接シールするリップパ
ッキンが用いられる。

【０００７】

【作用】本発明は上記の構成であって、継手本体の一端
部に金属管が装着され、金属管は端部に環状凸部を塑性
変形で形成して継手本体の凹部内に装着してあり、凹部
の端部側に環状凸部に係止する係止部を設けてあるの
で、継手本体の凹部内で金属管が軸線方向に摺動自在に
伸縮する。この際凹部内に収容された金属管は外面に樹
脂被覆層を形成した状態で装着されているので、金属管
が伸縮しても管の防食が保たれる。他方他端部のロック
パッキン装着部には、挿入された金属管の環状溝に係止
するロックリングを装着してあるので、この他端部に金
属管が抜け止め接続される。従って金属管の端部に金属
管を接続する継手が形成されているので接続作業が容易
に行え配管施工時間が短縮される。また接続した後の配
管に何らかの影響で圧縮又は引張り力が作用しても、継
手本体に装着した側の金属管が本体内で容易に伸縮移動
し、管の移動に対して追随する。このため継手本体の他
端側に接続した金属管が抜け出すことがない。

【０００８】ロックリングは、ロックパッキン装着部の
平行内面に摺接する環状平行部を設けて、常に装着部の
内面に摺接しており、常にロックパッキン装着部の中心
位置に装着される。またロックリングは環状平行部から
奥に向かって窄まる複数の係止片を持っているので、金
属管挿入時に係止片が継手本体のテーパ内面側に広が
り、案内となって常にロックリングの内周側に金属管が
挿入される。従って管を継手本体内に所定量挿入するだ
けで、ロックリングの係止片が金属管の環状溝に係止し
て、正しい接続状態で接続できる。このため容易に接続
が行える。

【０００９】

【発明の実施形態】以下本発明の実施例を図面に基づい
て説明する。図１は本発明の第１実施例を示す差し込み
式管継手で、図示左側の継手本体の一端部側に金属管で
ある鋼管１が装着されており、図示右側の他端部は鋼管
１を差し込み接続する継手部となっている。鋼管１は一
端部の外周面に環状溝３が、他端部の外周面には環状凸
部２が設けられる。継手本体１０は厚肉管を塑性加工し
て形成してあり、図示左側の継手本体の一端部は、端部
から順にパッキン装着部１１と鋼管１の外径に近似する
内径の係止部１２とその奥に鋼管１の端部に形成した環
状凸部２を収容する軸線方向に長い収容凹部１３を設け
てある。係止部１２は図示のごとく継手本体１０を縮径
して形成してもよい。また継手本体１０の内面に環状金
属をスポット溶接して設けてもよい。鋼管１をこの収容
凹部１３に挿入した後、継手本体の他端部側より拡径治
具を挿入して鋼管１の内面から拡径し、収容凹部１３内
で鋼管１の外周面に環状凸部２を形成する。尚、鋼管1
は通常外周に樹脂層を被覆形成した外面樹脂被覆鋼管が
用いられ、環状凸部２樹脂被覆付の状態で形成される。

【００１０】中央部には鋼管１の端部が当接する内径の
ストッパー部１４を設けてあり、鋼管１の伸縮は収容凹
部１３内で端部がストッパー部１４に当接する位置から
環状凸部２が係止部１２に係止する位置までの長さ分軸
線方向に伸縮可能である。ストッパー部１４から右側の
他端部は、鋼管１の端部を収容する管端収容部１５と管
端収容部１５から端部側に拡径するテーパ内面１６と平
行内面１７と端部に係止壁１８を設けてロックパッキン
装着部１９を形成してある。

【００１１】ロックパッキン装着部１９にはロックリン
グ２０とリップパッキン２１を装着してある。ロックリ
ング２０は図２で示すごとく円周上の一部を切り欠いた
略Ｃ字状のステンレス鋼板をプレス成形したもので、端
部の差し込み口より縮径させて装着部１９内に装着し、
外周側の環状平行部２２は装着部１９の平行内面１７に
摺接している。また環状平行部２２より円周上複数の係
止片２３を奥に向かって先細り状に設けてあり、係止片
２３の内周端部は鋼管１の外径より小径に形成して、鋼
管１を所定量挿入したら鋼管１外周面の環状溝３に係止
するようにしてある。

【００１２】リップパッキン２１はニトリルゴム製で、
装着部１９内のロックリング２０と係止壁１８間に装着
してあり、内周側に環状のリップ２２を複数条形成し
て、鋼管１の外周面または鋼管の樹脂被覆外面に当接し
て外部から継手本体１０内に水等が侵入しないようにし
ている。上記においてロックリング２０とリップパッキ
ン２１はリップパッキン成型時に一体に固着させたもの
でも良い。またロックリング２０はロックパッキン装着
部１９の平行内面にスポット溶接して固着しても良い。
この場合、鋼管１に引き抜け作用が働いてもロックリン
グ２０が装着部１９内で移動しないので、リップパッキ
ン２１のシール作用が変化せず、良好なシール性が保た
れる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したごとく本発明の金属管付差
し込み式管継手は、一端部に鋼管を伸縮自在に装着して
他端部に鋼管の差し込み接続部を備えているので、接続
配管後の管の伸縮変形を吸収して鋼管が抜け出すことが
なく配管接続できる。また差し込み接続部のロックリン
グは常に継手本体の軸心と一致して装着されるので、鋼
管挿入時に正しくロックリングの内周に挿入できて正し
い接続配管が行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の差し込み式管継手を示す
縦断面図である。

【図２】 図１のロックリングを示す正面図である。

【図３】 図１のロックリングを示す側面図である。

【図４】 従来の差し込み式管継手を示す部分断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 鋼管 ２ 環状凸部 ３ 環状溝 １０ 継手本
体 １１ パッキン装着部 １２ 係止部 １３ 収容凹部 １４ ストッ
パー部 １５ 管端収容部 １６ テーパ
内面 １７ 平行内面 １８ 係止壁 １９ ロックパッキン収容部 ２０ ロック
リング ２１ リップパッキン ２２ 環状平
行部 ２３ 係止片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部は外周面に環状溝を形成し、他端
   部は外面に突出する環状凸部を塑性加工で形成した金属
   管と、 この金属管の環状凸部を長手方向摺動自在に受け入れる
   凹部と端部側に管の環状凸部が係止する内径の係止部と
   端部にパッキンを装着したシール部を有して前記金属管
   を長手方向摺動自在に密封シールする一端部を有し、他
   端部は端部側に向かって拡大するテーパ内面とそれに続
   いて平行内面と端部に管を受け入れる内径の係止壁を有
   したロックパッキン装着部を有す継手本体と、 前記継手本体のロックパッキン装着部に装着し、挿入さ
   れた金属管の外周面の環状溝に係止するロックリング
   と、 前記ロックパッキン装着部の該ロックリングの端部側に
   装着し、挿入された金属管の外周面と密封シールするパ
   ッキンと、からなることを特徴とする金属管付差し込み
   式管継手。
2. 【請求項２】 前記ロックリングは前記継手本体の平行
   内面に摺接する環状平行部と該環状平行部から奥に向か
   って窄まる複数の係止片を有し挿入された金属管の外周
   面の環状溝に係止することを特徴とする請求項１記載の
   金属管付差し込み式管継手。