JP2000017620A - 防曇性道路反射鏡 - Google Patents

防曇性道路反射鏡

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JP2000017620A
JP2000017620A JP10185865A JP18586598A JP2000017620A JP 2000017620 A JP2000017620 A JP 2000017620A JP 10185865 A JP10185865 A JP 10185865A JP 18586598 A JP18586598 A JP 18586598A JP 2000017620 A JP2000017620 A JP 2000017620A
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光男 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価でしかもメンテナンスを行うことなく、結
露や塵埃や車両の排気ガス等の汚染物質の付着による鏡
面の曇りを長期にわたって防止することのできる防曇性
道路反射鏡を提供する。 【解決手段】鏡面体23の鏡面22に、ポリシラザン又
はその変成物からなるシリカ質セラミックス層25を形
成し、外面に親水性を付与する光触媒含有層26を形成
する。ポリシラザン又はその変成物からなるシリカ質セ
ラミックス層25は、非常に緻密な被膜であるために、
薄膜でも光触媒の酸化分解作用から鏡面22が保護され
ると共に、且つ耐熱性に優れているために、光触媒含有
層26の焼成時においてもクラックが発生せず、また耐
屈曲性に優れているために、湾曲させてもクラックが発
生せず、さらにこの状態で耐久性に優れ、且つ薄膜でも
高い塗膜硬度を有しているために、鏡面22は傷付きに
くくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交差点等の見通し
の悪い地点に設置される防曇性道路反射鏡に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に道路の曲がり角や見通しの悪い所
には、車両の走行及び歩行者の通行の安全を確保するた
めに反射鏡が設置されている。ところが従来の反射鏡
は、特に夜間や寒冷時において、外気温と鏡面との温度
差により鏡面が結露しやすく、そのために鏡面に曇りが
生じて反射鏡としての機能が低下することがあった。ま
た前記結露のみならず、塵埃や車両の排気ガス等の汚染
物質が鏡面に付着することによる曇りによっても反射鏡
としての機能が低下することがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き鏡面が曇る
原因の一つとしての結露は、周囲の空気の露点より鏡面
の温度が低くなることによって生じることから、鏡面の
裏側に発熱体を付設し、該発熱体を商用電源や太陽電池
等の電源装置により発熱させて鏡面を暖めることによ
り、結露による曇りを防止した反射鏡が提案されている
が、発熱体を付設すると共に、その発熱体を電源装置に
より発熱させるには、構造的に複雑で高価になると共に
設置工事等も大変であり、また発熱体や電源装置の寿命
もあり、所定期間毎に交換や補修等のメンテナンスを行
う必要があった。またかかる反射鏡においては、塵埃や
車両の排気ガス等の汚染物質が鏡面に付着することによ
る曇りについては、何ら解決されていない。
【0004】そこで本発明は上記の如き問題を解決し、
安価でしかもメンテナンスを行うことなく、結露や塵埃
や車両の排気ガス等の汚染物質の付着による鏡面の曇り
を長期にわたって防止することのできる防曇性道路反射
鏡を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成としている。すなわち、本
発明に係る防曇性道路反射鏡は、鏡面体の鏡面に、ポリ
シラザン又はその変成物からなるシリカ質セラミックス
層が形成されると共に外面に光触媒含有層が形成されて
いることを特徴とするものである。
【0006】本発明によれば、鏡面の外面に二酸化チタ
ン等の光触媒を含む光触媒含有層が形成されているの
で、その光触媒によって表面が親水化され、結露が生じ
にくく、また塵埃や車両の排気ガス等の汚染物質が付着
しにくくなる。すなわち二酸化チタン等の光触媒は、紫
外線を照射することにより活性化されて強い酸化力を発
現すると共にその表面は親水化され、塵埃や車両の排気
ガス等の汚染物質が表面に付着しても、強い酸化力によ
って汚染物質が分解されると共に、親水化された表面に
よって、表面に付着する汚染物質と表面との間に水が割
り込んで汚染物質を浮かせるために付着しにくく、また
付着しても降雨等により容易に洗い流されて除去される
ため、汚染物質が堆積しにくくなる。さらに結露が生じ
る条件が満たされていても、親水化された表面によっ
て、表面に付着する水分が一様に表面に拡散するために
結露しにくくなる。
【0007】また本発明は、鏡面と外面の光触媒含有層
との間に、ポリシラザン又はその変成物からなるシリカ
質セラミックス層が形成されている。二酸化チタン等の
光触媒は、上記のように強い酸化力を有しているため鏡
面体にポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂板を使
用した場合は、その鏡面までも酸化分解し、その耐久性
が損なわれる。また鏡面体にステンレス板を使用した場
合は、屋外使用に耐えうる充分な密着性を得られず、鏡
面体にガラスを使用した場合は、ガラスに含まれるナト
リウム成分が光触媒に使用する二酸化チタンと反応し、
チタン酸ナトリウムとなるために、触媒活性が喪失す
る。そこで光触媒含有層と鏡面との間に、シリコーン系
の被膜を形成することによって耐久性を向上させること
ができる。このシリコーン系の被膜は従来技術のゾルゲ
ル法によりアルコキシシランの加水分解物を重合させる
ことにより得られるが、この方法では緻密な被膜が形成
され難く多孔質であるため光触媒の酸化分解作用から鏡
面を保護するには十分ではなく、また鏡面の反射性能が
損なわれることがあり、さらに耐熱性、耐屈曲性、耐摩
耗性等でも十分なものは得られず、またこのゾルゲル法
により形成されたシリコーン系の被膜に対しては、鏡面
体にステンレス板を使用した場合の密着性については充
分なものは得られていない。それに対して本発明におい
て、光触媒含有層と鏡面との間に形成されたポリシラザ
ン又はその変成物からなるシリカ質セラミックス皮膜は
非常に緻密な被膜であり、また耐熱性、耐屈曲性、耐摩
耗性に優れ、薄膜でも高い塗膜硬度を有しているもので
ある。
【0008】従って本発明によれば、前記の如くポリシ
ラザン又はその変成物からなるシリカ質セラミックス層
は、非常に緻密な被膜であるために、薄膜でも光触媒の
酸化分解作用から、鏡面体にポリカーボネートやアクリ
ル等の合成樹脂板を使用した場合、又は鏡面体にガラス
を使用した場合、いずれにおいても鏡面が保護され、ま
た鏡面体にステンレス板を使用した場合は、屋外使用に
耐えうる充分な密着性が得られ、且つ耐熱性に優れてい
るために、光触媒含有層の焼成時においてもクラックが
発生せず、また耐屈曲性に優れているために、湾曲させ
てもクラックが発生せず、さらにこの状態で耐久性に優
れ、且つ薄膜でも高い塗膜硬度を有しているために、鏡
面は傷付きにくい。
【0009】本発明における鏡面体の材質は特に限定さ
れず、ガラスでもよいが、一般的には軽量且つ安価であ
り、しかも破損時の危険性が低いポリカーボネートやア
クリル等の合成樹脂板やステンレス板を使用するのが好
ましい。
【0010】本発明におけるポリシラザンは特に限定さ
れるものではないが、分子内に少なくともSi−H結
合、あるいはN−H結合を有するものが好ましく、ポリ
シラザン単独であってもよいし、ポリシラザンと他のポ
リマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合物との混
合物でもよく、またポリシラザンは、鎖状であってもよ
いし、環状、架橋構造を有するものでもよく、さらに分
子内にこれら複数の構造を同時に有するものでもよく、
これらが単独でもよいし、混合物で用いられていてもよ
い。
【0011】このポリシラザン又はその変成物からなる
シリカ質セラミックス層の膜厚は、0.02〜5μmが
好ましく、好適には0.05〜2μmであり、5μmを
超えると、ポリシラザンをシリカ質セラミックス層に転
化した際にクラックが入ることがある。このシリカ質セ
ラミックス層を形成するには、ポリシラザン又はその変
成物からなる塗膜形成用組成物を鏡面にスプレーコー
ト、ディップコート、スピンコート、フローコート、ロ
ールコート等の適宜方法で塗布し、シリカ質セラミック
ス層に転化すればよい。なお前記塗布は1回でもよい
し、2回以上塗布してもよい。
【0012】なお前記塗膜形成用組成物を塗布した後、
この塗膜をシリカ質セラミックス層に転化するには、高
温で加熱して焼成することにより行ってもよいが、鏡面
体をポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂板から形
成する場合は、加熱温度に限界があり、出来るだけ合成
樹脂板の変形や劣化の生じない低温でシリカ質セラミッ
クス層に転化できる次の方法が好ましい。
【0013】すなわち、ポリシラザン又はその変成物
に、アミン類又は/及び酸類が添加された塗膜形成用組
成物から形成するか、あるいはポリシラザン又はその変
成物に、アミン類又は/及び酸類が添加された塗膜形成
用組成物を水蒸気と接触させることにより形成すれば、
70度程度の低温焼成が可能となり、且つ高速でシリカ
質セラミックス層に転化することができる。
【0014】外面に二酸化チタン等の光触媒を含有する
光触媒含有層を形成するには、二酸化チタン等の粉末を
溶融させて吹き付ける溶射法、化学反応を介して二酸化
チタンを析出させるCVD(化学的製膜法)、二酸化チ
タン等をスパッタ蒸発させて沈着させるスパッタ蒸着
法、真空蒸着法等の適宜方法によって形成してもよい
が、バインターに二酸化チタン等を分散させて塗料組成
物とし、それをディッピングやスプレー、フローコータ
ー等により塗布すれば、均一且つ平滑な被膜が形成され
るので好ましい。
【0015】かかる方法により光触媒含有層を形成する
場合は、バインダーとしてシリコーン系化合物を用いる
のが好ましい。シリコーン系化合物を用いることによ
り、得られる光触媒含有層は表面硬度が高くなって傷付
きにくくなり、またシロキサン結合によって耐薬品性、
耐汚染性に優れるために活性化された二酸化チタン等に
よっても劣化されにくく、また汚染物質も付着しにくく
なる。
【0016】なおバインダーとしてシリコーン系化合物
を用いて光触媒含有層を形成する場合は、例えば一例と
して、オルガノポリシロキサン又はテトラエトキシシラ
ン等のアルコキシシランの加水分解物とチタニアゾルと
の混合物とからなる塗料組成物を塗布し、50度〜20
0度で加熱することにより形成することができる。
【0017】光触媒としての二酸化チタンは、ルチル型
でもよいが、活性の高さからアナターゼ型のものが好ま
しく、この二酸化チタンに波長領域が300〜400n
m付近の紫外光を照射することによって活性化され、そ
の活性化によって強い酸化力が発現されて、表面に付着
した汚染物質は分解されると共に、活性化によってその
表面は水との接触角でほぼ0〜20度程度まで親水化さ
れ、かかる親水化によって汚染物質は付着しにくくな
り、例え付着しても降雨等によって容易に洗い流される
ようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照し、具体的に説明する。すなわち図1は本
発明の実施の一形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は
側面図であり、図2は主要部の断面図である。
【0019】図面における形態は、道路の交差点等に立
設された支柱1と、この支柱1に支持された反射鏡2と
から構成されるものである。
【0020】反射鏡2は、本形態では、枠体21内に、
ポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂板やステンレ
ス板、ガラス等からなる表面が鏡面22となされた鏡面
体23が設けられ、枠体21の上部には庇24が設けら
れているものであるが、特にその形態は限定されるもの
ではない。そして鏡面体23の鏡面22には、ポリシラ
ザン又はその変成物からなるシリカ質セラミックス層2
5が形成され、その外面に二酸化チタン等の光触媒が含
有された光触媒含有層26が形成されている。前記シリ
カ質セラミックス層25は鏡面22上に直接形成されて
いてもよいし、他の層を介して形成されていてもよい。
また光触媒含有層26は外面に形成されていれば、シリ
カ質セラミックス層25上に直接形成されていてもよい
し、他の層を介して形成されていてもよい。
【0021】そして光触媒含有層26に紫外線を照射す
ることにより光触媒が活性化されてその表面が親水化さ
れ、降雨等によって表面に付着した汚染物質が洗浄され
ると共に結露が防止されるようになされている。なお光
触媒含有層26は鏡面22の反射性能を損なわないよう
にできるだけ薄く形成するのが好ましい。
【0022】光触媒を活性化させる紫外線は、道路等の
屋外に設置されて太陽光から受けるようになされていて
もよいが、予め工場等において、ブラックライト等によ
り紫外線を照射し、屋外に設置された際には、光触媒が
活性化されて光触媒含有層26の表面が親水化されてい
るようにしておいてもよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】(実施例1)ステンレスにより表面が鏡面
となされた鏡面体を作製し、その鏡面に以下のコーティ
ング剤を塗布した。ペルヒドロポリシラザンをデカヒド
ロナフタレンに溶解し、20wt%の濃度に調整した。
この溶液10gに攪拌しながらトリ−n−ペンチルアミ
ン200mgを室温で徐々に添加した。これを大気中で
鏡面上にフローコートで塗装した。これを100℃、9
0%RHの恒温恒湿器内で1時間加熱することによりシ
リカ質セラミックス層を得た。このシリカ質セラミック
ス層の膜厚は0.5μmであった。
【0025】次に、アナターゼ型酸化チタンゾル(日産
化学、TA−15、固形分15wt%)56重量部と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、固形分20
wt%)33重量部を混合後、メチルトリメトキシシラ
ン(日本合成ゴム、グラスカB液)11重量部とエタノ
ールを添加し、さらに2時間攪拌し、メチルトリメトキ
シシランを部分的に加水分解反応と脱水縮重合反応させ
ることにより調整した。これをフローコートによりシリ
カ質セラミックス層の上に光触媒含有層を形成した。
【0026】次に得られたサンプルの表面にブラックラ
イトブルー蛍光灯を用いて1平方cm当たり1.5mw
の照度で48時間紫外線を照射した。その後表面の水に
対する接触角を測定すると平均して5度以下であった。
【0027】(実施例2)アクリルにより鏡面体を作製
し、又シリカ質セラミックス層に転化する際に80℃、
90%RHの恒温恒湿器内で3時間加熱した以外は、実
施例1と同様にして、このアクリルからなる鏡面体の鏡
面上にシリカ質セラミックス層を形成し、その上に光触
媒含有層を形成し、次に得られたサンプルの表面にブラ
ックライトブルー蛍光灯を用いて1平方cm当たり1.
5mwの照度で48時間紫外線を照射した。その後表面
の水に対する接触角を測定すると平均して5度以下であ
った。
【0028】(実施例3)ガラスにより鏡面体を作製し
た以外は、実施例1と同様にして、このガラスからなる
鏡面体の鏡面上にシリカ質セラミックス層を形成し、そ
の上に光触媒含有層を形成し、次に得られたサンプルの
表面にブラックライトブルー蛍光灯を用いて1平方cm
当たり1.5mwの照度で48時間紫外線を照射した。
その後表面の水に対する接触角を測定すると平均して5
度以下であった。
【0029】(比較例1)ステンレスにより表面が鏡面
となされた鏡面体を作製し、その鏡面に以下のコーティ
ング剤を塗布した。シリカゾル(日本合成ゴム、グラス
カA液、固形分20wt%)3重量部を混合後、メチル
トリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)1
重量部とエタノールを添加し、さらに2時間攪拌し、メ
チルトリメトキシシランを部分的に加水分解反応と脱水
縮重合反応させることにより調整した。これを上記鏡面
にフローコートにより塗布し、加熱することにより従来
技術であるゾルゲル法によるシリカ質セラミックス層を
得た。このシリカ質セラミックス層の膜厚は1.0μm
であった。
【0030】次に、アナターゼ型酸化チタンゾル(日産
化学、TA−15、固形分15wt%)56重量部と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、固形分20
wt%)33重量部を混合後、メチルトリメトキシシラ
ン(日本合成ゴム、グラスカB液)11重量部とエタノ
ールを添加し、さらに2時間攪拌し、メチルトリメトキ
シシランを部分的に加水分解反応と脱水縮重合反応させ
ることにより調整した。これをフローコートによりシリ
カ質セラミックス層の上に光触媒含有層を形成した。
【0031】次に得られたサンプルの表面にブラックラ
イトブルー蛍光灯を用いて1平方cm当たり1.5mw
の照度で48時間紫外線を照射した。その後表面の水に
対する接触角を測定すると平均して5度以下であった。
【0032】(比較例2)アクリルにより鏡面体を作製
した以外は、比較例1と同様にして、このアクリルにか
らなる鏡面体の鏡面上に従来技術であるゾルゲル法によ
るシリカ質セラミックス層を形成し、その上に光触媒含
有層を形成し、次に得られたサンプルの表面にブラック
ライトブルー蛍光灯を用いて1平方cm当たり1.5m
wの照度で48時間紫外線を照射した。その後表面の水
に対する接触角を測定すると平均して5度以下であっ
た。
【0033】(比較例3)ガラスにより鏡面体を作製し
た以外は、比較例1と同様にして、このガラスからなる
鏡面体の鏡面上に従来技術であるゾルゲル法によるシリ
カ質セラミックス層を形成し、その上に光触媒含有層を
形成し、次に得られたサンプルの表面にブラックライト
ブルー蛍光灯を用いて1平方cm当たり1.5mwの照
度で48時間紫外線を照射した。その後表面の水に対す
る接触角を測定すると平均して5度以下であった。
【0034】上記実施例1〜3と比較例1〜3を以下の
試験で塗膜性能比較した。
【0035】(試験1) 光触媒含有層に対する抗分解
性 実施例で得られたサンプルと比較例で得られたサンプル
に超エネルギー照射試験機(スガ試験機UE−1DEc
型)で紫外線を240時間照射した。その結果、比較例
1〜3でのシリカ質セラミックス層にはクラックが認め
られたのに対して、実施例1〜3でのシリカ質セラミッ
クス層に異常は認められなかった。
【0036】(試験2) 耐熱性 実施例で得られたサンプルと比較例で得られたサンプル
を130度で2時間加熱した結果、比較例1〜3でのシ
リカ質セラミックス層にクラックが認められたのに対し
て、実施例1〜3でのシリカ質セラミックス層に異常は
認められなかった。
【0037】(試験3) 耐屈曲性 実施例で得られたサンプルと比較例で得られたサンプル
を半径2000mmに湾曲させた状態でサンシャインウ
ェザーメーター試験を行った。その結果、比較例1〜3
のサンプルでは100時間で表面に微細なクラックが認
められたのに対して、実施例1〜3では500時間経過
した時点で異常は認められない。
【0038】(試験4) 耐摩耗性 実施例で得られたサンプルと比較例で得られたサンプル
の耐摩耗性を比較するために鉛筆硬度試験を行った。そ
の結果、比較例1〜3のサンプルでは鉛筆硬度F〜Hで
あったのに対して、実施例1〜3では2H〜3Hであっ
た。
【0039】以上より、ポリシラザン又はその変成物か
らなるシリカ質セラミックス層は非常に緻密な被膜であ
るため、光触媒の分解作用から鏡面を保護する機能およ
び耐熱性、耐屈曲性、耐摩耗性に優れ、反射鏡に好適で
あることが確認される。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、鏡面の外面に二酸化チ
タン等の光触媒を含む光触媒含有層が形成されているの
で、その光触媒によって表面が親水化され、結露が生じ
にくく、また塵埃や車両の排気ガス等の汚染物質が付着
しにくくなる。すなわち二酸化チタン等の光触媒は、紫
外線を照射することにより活性化されて強い酸化力を発
現すると共にその表面は親水化され、塵埃や車両の排気
ガス等の汚染物質が表面に付着しても、強い酸化力によ
って汚染物質が分解されると共に、親水化された表面に
よって、表面に付着する汚染物質と表面との間に水が割
り込んで汚染物質を浮かせるために付着しにくく、また
付着しても降雨等により容易に洗い流されて除去される
ため、汚染物質が堆積しにくくなる。さらに結露が生じ
る条件が満たされていても、親水化された表面によっ
て、表面に付着する水分が一様に表面に拡散するために
結露しにくくなる。
【0041】また本発明によれば、鏡面と光触媒含有層
との間にポリシラザン又はその変成物からなるシリカ質
セラミックス層が形成され、このポリシラザン又はその
変成物からなるシリカ質セラミックス層は、非常に緻密
な被膜であるために、薄膜でも光触媒の酸化分解作用か
ら、鏡面体にポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂
板を使用した場合、又は鏡面体にガラスを使用した場
合、いずれにおいても鏡面が保護され、また鏡面体にス
テンレス板を使用した場合は、屋外使用に耐えうる充分
な密着性が得られ、且つ耐熱性に優れているために、光
触媒含有層の焼成時においてもクラックが発生せず、ま
た耐屈曲性に優れているために、湾曲させてもクラック
が発生せず、さらにこの状態で耐久性に優れ、且つ薄膜
でも高い塗膜硬度を有しているために、鏡面は傷付きに
くい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(イ)は正面
図、(ロ)は側面図である。
【図2】図1における主要部の断面図である。
【符号の説明】
1 支柱 2 反射鏡 21 枠体 22 鏡面 23 鏡面体 24 庇 25 シリカ質セラミックス層 26 光触媒含有層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D064 AA11 AA22 BA17 CA03 CA04 CA07 DA14 HA01 JA01 2H042 DA11 DA12 DA17 DA18 DB11 DC02 DC03 DC04 DE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡面体の鏡面に、ポリシラザン又はその
    変成物からなるシリカ質セラミックス層が形成されると
    共に外面に光触媒含有層が形成されていることを特徴と
    する防曇性道路反射鏡。
  2. 【請求項2】 シリカ質セラミックス層は、ポリシラザ
    ン又はその変成物に、アミン類又は/及び酸類が添加さ
    れた塗膜形成用組成物から形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の防曇性道路反射鏡。
  3. 【請求項3】 シリカ質セラミックス層は、ポリシラザ
    ン又はその変成物に、アミン類又は/及び酸類が添加さ
    れた塗膜形成用組成物を水蒸気と接触させることにより
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の防曇性
    道路反射鏡。
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