JP2000014812A - 高層建物 - Google Patents

高層建物

Info

Publication number
JP2000014812A
JP2000014812A JP10185347A JP18534798A JP2000014812A JP 2000014812 A JP2000014812 A JP 2000014812A JP 10185347 A JP10185347 A JP 10185347A JP 18534798 A JP18534798 A JP 18534798A JP 2000014812 A JP2000014812 A JP 2000014812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evacuation
building
corridor
dwelling units
smoke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10185347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4117414B2 (ja
Inventor
Nobuhiro Miyamoto
宣浩 宮本
Tetsuo Hara
哲夫 原
Katsuhiko Kubo
勝彦 久保
Yasuyuki Moriyama
泰行 森山
Onori Sugie
大典 杉江
Naotoshi Shiotani
尚斉 塩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP18534798A priority Critical patent/JP4117414B2/ja
Publication of JP2000014812A publication Critical patent/JP2000014812A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4117414B2 publication Critical patent/JP4117414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Lowering Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各住戸に外部バルコニーを設けることなく、
かつ火災時等に複数の方向への避難路を確保することが
できるとともに、避難経路への煙等の侵入を確実に防止
することができ、よって円滑な避難および消火活動を確
保することができる高層建物を提供する。 【解決手段】 少なくとも上部に複数の住戸が配設さ
れ、かつ住戸が配設された階における建物の中央部に、
透明ガラス10aで仕切られたボイド10を形成し、こ
のボイドを周回するように廊下14を配置するととも
に、この廊下に面し、かつ避難階段11,16に通じる
附室12,17を設け、建物の外周部に、屋外に面する
とともに廊下に通じる避難バルコニー19を設置し、さ
らに廊下の周囲に、各々複数の出入口25を有し、かつ
ベランダを有しない複数の住戸15を配置するととも
に、住戸に排煙設備を設け、附室に給気設備を設け、か
つ廊下と避難バルコニーとの間に、給気設備による給気
量と排煙設備による排煙量との差に基づく余剰分の給気
または煙を排気する排気設備を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも上部に
複数の住戸が配置され、かつ当該住戸における火災時の
避難および消火活動を防護するための避難システムを備
えた高層建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、多数の住戸を有する共同住宅に
おいては、これら住戸の共用廊下に、非常時の避難用と
して別途共用の避難階段を設けるとともに、これに加え
て、例えば火災時のように、煙によって上記共用廊下を
通じて避難階段への退避路が確保できない時のために、
各住戸に外部バルコニーを設置することにより、合計2
方向の避難路を設けて安全性を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成からなる従来の共同住宅にあっては、特に高層にな
った場合に、同様に外部バルコニーを設置すると、当該
バルコニーからの落下物によって地上における危険性が
増大したり、あるいは外部の風圧によって居住性に障害
を与えるといった問題が生じる。加えて、特に建物の有
効利用を図るために、下部に事務所用スペースを配置し
て、高層部にのみ共同住宅区画を配置した高層建物にお
いては、上記外部バルコニーによって建物全体としての
外観の統一性が損なわれて美観に劣るという問題点もあ
る。
【0004】そこで、上記住戸に外部バルコニーを設け
ない設計も考えられるが、従来の避難階段に加えて別途
第2の避難路を確保することが難しいうえに、外部バル
コニーを廃止した結果、建物における気密性が大幅に増
加し、却って火災時に共用廊下への煙等の侵入や滞留が
発生し易くなって、充分な安全性を確保することが難し
くなってしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、このような従来の高層建物が有
する問題点を有効に解消すべくなされたもので、各住戸
に外部バルコニーを設けることなく、かつ火災時等に複
数の方向への避難路を確保することができるとともに、
避難経路への煙等の侵入を確実に防止することができ、
よって円滑な避難および消火活動を確保することができ
る高層建物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る高層建物は、少なくとも上部に複数の住戸が配設
されており、かつ住戸が配設された階における当該建物
の中央部に、透明ガラスで仕切られたボイドを形成し、
このボイドを周回するように廊下を配置するとともに、
この廊下に面し、かつ避難階段に通じる附室を設け、建
物の外周部に、屋外に面するとともに廊下に通じる避難
バルコニーを設置し、さらに廊下の周囲に、各々複数の
出入口を有し、かつベランダを有しない複数の住戸を建
物の外周に沿って配置するとともに、上記住戸に排煙設
備を設け、附室に給気設備を設け、かつ上記廊下と避難
バルコニーとの間に、給気設備による給気量と排煙設備
による排煙量との差に基づく余剰分の給気または煙を排
気する排気設備を設けたことを特徴とするものである。
【0007】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の建物は、下部に事務所用スペースが配置さ
れ、上部に上記複数の住戸が配設されているとともに、
これら上下部間に、避難階段および避難バルコニーに通
じる共用の避難待機スペースが設けられていることを特
徴とするものである。
【0008】請求項1または2に記載の高層建物によれ
ば、各住戸に外部バルコニーが設けられていないため、
高層であっても、当該外部バルコニーからの落下物によ
って地上における危険性が増大したり、あるいは外部の
風圧によって居住性に障害を与えるというおそれが無
い。また、避難階段と建物外周に設けた避難バルコニー
との2方向の避難路が確保されるているので、火災時に
は、廊下を通じて避難階段へと避難することができ、万
一避難階段の使用が不可能となった場合には、避難バル
コニーから脱出することができる。
【0009】この際に、上記住戸に排煙設備を設け、附
室に給気設備を設けるとともに、廊下と避難バルコニー
との間に、給気設備による給気量と排煙設備による排煙
量との差に基づく余剰分の給気または煙を排気する排気
設備を設けているので、住戸における火災発生時に、排
煙設備を作動させて当該住戸内の煙を外部へ排出し、こ
の住戸内を負圧状態に保持するとともに、これと並行し
て給気設備を作動させ、外の空気を附室を介して廊下へ
給気することにより、附室および廊下を加圧状態に保持
し、さらに給気設備によって給気される余剰の空気を、
上記廊下から排気設備を介して建物の外に排気すること
ができる。
【0010】この結果、常に廊下から住戸内へ向かう空
気の流れを形成することができ、しかも附室と廊下との
間に適度の差圧が確保されるために、廊下への煙の侵入
および火災の拡大を防止することができ、よって廊下を
通じた避難階段または避難バルコニーを利用した避難お
よび消火活動を円滑に行うことができる。また、廊下を
通じた避難を行うにあたっては、中央のボイドと廊下と
が透明ガラスによって仕切られているため、廊下の採光
性が増し、よって当該避難の安全性を高めることができ
る。
【0011】なお、火災が発生した住戸において排煙を
行うに際し、火源へ加圧給気によって新鮮な空気が直接
供給されることを防いで、火源強度の増大を未然に防ぐ
観点から、上記住戸における排煙設備の排煙口は、極力
出入口となる扉の付近に設置することが好ましい。
【0012】また、各住戸が外部バルコニーを有してい
ない結果、特に請求項2に記載の発明のように、下部に
事務所用スペースが配置され、上部に上記複数の住戸が
配設されている高層建物に適用した場合においても、高
層部の共同住宅区画における外観を下部の事務所用スペ
ースの外観とほぼ同一にすることができ、よって建物全
体としての外観の統一性を図ることが可能になる。
【0013】加えて、これら上下部間に、避難階段およ
び避難バルコニーに通じる共用の避難待機スペースを設
けているので、これによって避難時における混雑を緩和
することができ、また消火・救助活動においては、上記
避難待機スペースを有効な活動スペースとして利用する
ことができるとともに、さらにこの避難待機スペースか
ら避難バルコニーを介して上階に登り、各階に侵入する
ことにより、迅速な消火・救助活動を行うことができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づいて、本
発明に係る高層建物の一実施形態について説明する。図
1および図2に示すように、この高層建物1は、地上部
のロビー2の上階から中層階までに事務所用スペース3
が配置され、これより上部の高層階に複数の住戸15が
配設された共同住宅スペース5が配置されている。そし
て、これら事務所用スペース3と共同住宅スペース5と
の間に、機械室6および避難待機スペース7が設けられ
ている。また、屋上にも、非常時に利用可能な避難待機
スペース8が確保されている。
【0015】ここで、上記共同住宅スペース5は、図1
に示すように、中央部に透明ガラス10aによって仕切
られたボイド10が形成され、このボイド10に隣接し
て、特別避難階段11に通じる附室兼用乗降ロビー(附
室)12およびこの附室兼用乗降ロビー12から乗降す
る非常用エレベータ13が配置されている。
【0016】そして、これらボイド10等を周回するよ
うに共用廊下14が設けられており、この共用廊下14
の外周側に複数(図では11戸)の上記住戸15が建物
の外周に沿って配置されている。また、隣接する住戸1
5間の一個所にも、同様の特別避難階段16およびこれ
に通じる附室兼用乗降ロビー(附室)17並びに非常用
エレベータ18が配設されている。ここで、上記特別避
難階段11,16は、それぞれこの高層建物1の屋上か
ら地下まで連続して設けられている。
【0017】また、共同住宅スペース5における外周四
面には、それぞれ避難バルコニー19が設けられてお
り、周回部から四方向に延出した上記共用廊下14の外
周側端部が、防火扉20を介して各避難バルコニー19
に通じている。そして、これら避難バルコニー19に沿
って下階に降りることにより、上述した避難待機スペー
ス7に通じるようになっている。さらに、図1および図
4に示すように、附室兼用乗降ロビー12、17と特別
避難階段11,16との間に、常時は閉状態となる防火
扉21が設けられている。また、附室兼用乗降ロビー1
2,17と共用廊下14との間には、常時は開状態であ
って火災時にこれらの間の遮断する防火扉22が設けら
れており、この防火扉22付近には、附室兼用乗降ロビ
ー12と共用廊下14とを連通させるバイパスダンパー
23が設けられている。
【0018】このバイパスダンパー23は、共用廊下1
4の床付近に設置されるとともに、共用廊下14側から
附室兼用乗降ロビー12側へ向う空気の流れを阻止する
逆流防止装置が設けられている。これにより、加圧給気
を共用廊下14の下部に供給して、共用廊下14に煙が
侵入した際に、上部の煙層の乱れを防止して、下部の空
気層の清浄度を保つようになっている。
【0019】さらに、附室兼用乗降ロビー12,17に
は、給気設備24が設けられている。この給気設備24
は、図示されない加圧給気ファンによって建物外部の新
鮮な空気が供給されるようになっており、上記加圧給気
ファンには回転数制御による圧力制御装置が設けられて
いる。他方、各々の住戸15には、共用廊下14に通じ
る2つの扉25が設けられ、天井部の一方の扉25の近
傍には排気口26が設けられ、排煙ダンパー27を介し
て排煙設備28に接続されている。
【0020】この排煙設備28は、各住戸15に設置さ
れた煙感知器からの検出信号によって作動するようにな
っており、さらにこの排煙設備28の作動と給気設備2
4の作動とが互いに連動するように設定されている。ま
た、共用廊下14と避難バルコニー19との間には、逆
流防止装置付きの差圧ダンパー29および外壁ダンパー
30を備えた排気設備31が設けられている。そして、
この外壁ダンパー30は、給気設備24の給気ファンの
作動信号によって開作動されるようになっている。
【0021】次に、図1〜図5に基づいて、上記構成か
らなる高層建物の作用について説明する。共同住宅スペ
ース5のいずれかの階の住戸15において火災が発生し
た場合、図4に示すように、この火災が当該住戸15の
煙感知器によって検出されるとともに、その火災検出信
号が制御手段へ送出され、この制御手段から排煙設備2
8へ駆動信号が送出されて、排煙ダンパー27が開放さ
れることにより排煙操作が開始される。
【0022】これと同時に、上記制御手段からの信号に
より給気設備24が作動することにより、附室兼用乗降
ロビー12,17への給気操作が開始される。なお、以
降この給気操作は、圧力制御装置によって加圧給気ファ
ンが回転数制御されることにより、附室兼用乗降ロビー
12,17が常に一定の正圧に保持される。さらに、給
気設備24における加圧給気ファンの作動信号によっ
て、外壁ダンパー30が開く。
【0023】この際、火災の初期段階においては避難の
ために、防火扉22や扉25は開放されており、この状
態において、住戸15内における排煙操作が継続される
ことにより負圧状態に保持され、また附室兼用乗降ロビ
ー12,17の給気操作の継続によってこれら附室兼用
乗降ロビー12,17が加圧状態に保持される。また、
この附室兼用乗降ロビー12,17と連続する共用廊下
14も同様に加圧状態となる。そして、給気設備24に
よる給気量と排煙設備28による排煙量との差による余
剰分の給気が、差圧ダンパー29から外壁ダンパー30
を介して外方へ排気される。
【0024】この結果、この建物内における空気の流れ
は、図4に矢印で示すように、附室兼用乗降ロビー1
2,17から共用廊下14を経て住戸15へ至るととも
に、余剰分が共用廊下14から避難バルコニー19近傍
に設けられている排気設備31への流れとなる。そし
て、排気設備31により、附室兼用乗降ロビー12,1
7および共用廊下14が所望の正圧に保持されることに
より、火災が発生した住戸15から共用廊下14への煙
の侵入や延焼が防止される。
【0025】特に、この高層建物1においては、建物の
外周4面に避難バルコニー19を設け、各々に逆流防止
機能を有する差圧ダンパー29を備えた排気設備31を
設けているので、外気風が強くなって、当該建物の何面
かにおいて風圧により上記排気が円滑に行われなくなっ
た場合においても、上記差圧ダンパー29によって風圧
の高い外周面から建物内へ外気風が侵入することを防止
することができるとともに、風圧が作用していない面に
設置した差圧ダンパー29から円滑に排気が行なわれる
ことになる。
【0026】そこで、住戸15の扉25から共用廊下1
4を通じて、図2に示すように特別避難階段11,16
を利用して図中Aで示す経路から直接ロビー2を経て地
上へと、あるいは特別避難階段11,16が混雑してい
る場合には、一時避難待機スペース7へと避難する。ま
た、場合によっては、屋上の避難待機スペース8へと避
難する。さらに、万一、特別避難階段11,16の使用
が不可能となった場合には、図2および図3に示すよう
に、外周4個所に設けられているいずれかの避難バルコ
ニー19から、図中Bで示す経路によって避難待機スペ
ース7へと脱出する。
【0027】このようにして、特別避難階段11,16
または避難バルコニー19を用いた避難が完了した後
に、図5に示すように、防火扉23および扉25が閉じ
られるが、附室兼用乗降ロビー12,17と共用廊下1
4とがバイパスダンパー23によって連通しているため
に、附室兼用乗降ロビー12,17に供給される空気が
バイパスダンパー23を介して共用廊下14へ送り込ま
れ、これによって、附室兼用乗降ロビー12,17およ
び共用廊下14が加圧状態に保持され、かつ排煙操作の
継続によって住戸15が負圧状態に保持される。この結
果、図2に示した状態と同様に、住戸15から共用廊下
14や附室兼用乗降ロビー12,17への煙や高温ガス
の侵入が防止されて火災の拡大が防止される。
【0028】以上のように、上記高層建物1によれば、
各住戸15に外部バルコニーが設けられていないため、
外部バルコニーからの落下物によって地上における危険
性が増大したり、あるいは外部の風圧によって居住性に
障害を与えるというおそれが無い。また、特別避難階段
11,16を2個所に設けているので、仮に一方が火災
源に近い等の理由から使用できない場合においても、他
方から安全に避難することができる。加えて、建物外周
の4面にそれぞれ避難バルコニー19を設けているの
で、万一上記特別避難階段11,16のいずれもが使用
できないような場合が生じても、最寄りの避難バルコニ
ー19から避難待機スペース7に避難することができ
る。
【0029】この際に、排煙設備28を作動させて火災
が発生した住戸15内の煙を外部へ排出し、この住戸1
5内を負圧状態に保持するとともに、これと並行して給
気設備24を作動させ、外の空気を附室兼用乗降ロビー
12,17を介して共用廊下14へ給気することによ
り、これらを加圧状態に保持し、さらに余剰の空気を、
共用廊下14から差圧ダンパー29を介して建物の外に
排気することができる。
【0030】したがって、常に共用廊下14から上記住
戸15へ向かう空気の流れを形成することができ、しか
も附室兼用乗降ロビー12,17と共用廊下14との間
に適度の差圧を確保することができるために、共用廊下
14への煙の侵入や火災の拡大を防止することができ、
よって共用廊下14を通じた特別避難階段11,16ま
たは避難バルコニー19を利用した避難および消火活動
を円滑に行うことができる。加えて、この共用廊下14
を通じた避難を行うにあたっては、中央のボイド10と
共用廊下14とが透明ガラス10aによって仕切られて
いるため、廊下の採光性が増し、よって避難の安全性を
高めることができる。
【0031】さらに、各住戸15における排煙口26
を、2箇所に設けた扉25の一方の近傍に設置している
ので、火災が発生した住戸15において上述した排煙を
行うに際し、火源へ加圧給気によって新鮮な空気が直接
供給されることを防いで、火源強度の増大を未然に防ぐ
ことができる。
【0032】また、各住戸15が外部バルコニーを有し
ていない結果、高層部の共同住宅スペース5の外観を下
部の事務所用スペース3における外観とほぼ同一にする
ことができ、よって建物全体としての外観の統一性を図
ることができる。
【0033】しかも、これら上下部間に、特別避難階段
11,16および避難バルコニー19に通じる共用の避
難待機スペース7を設けているので、これによって避難
時における混雑を緩和することができ、また消火・救助
活動においては、避難待機スペース7を有効な活動スペ
ースとして利用することができるとともに、さらにこの
避難待機スペース7から避難バルコニー19を介して上
階に登り、各階に侵入することにより、迅速な消火・救
助活動を行うことができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
に記載の高層建物によれば、各住戸に外部バルコニーが
設けられていないため、高層であっても、当該外部バル
コニーからの落下物によって地上における危険性が増大
したり、あるいは外部の風圧によって居住性に障害を与
えるというおそれが無く、かつ火災時には、廊下を通じ
て避難階段または避難バルコニーから脱出することがで
きるとともに、この際には常に附室と廊下との間に適度
の差圧が確保されるために、廊下への煙の侵入および火
災の拡大を防止することができ、よって廊下を通じた避
難階段または避難バルコニーを利用した避難および消火
活動を円滑に行うことができる。加えて、中央のボイド
と廊下とが透明ガラスによって仕切られているため、廊
下の採光性が増し、よって当該避難の安全性を高めるこ
とができる。
【0035】また、特に請求項2に記載の発明によれ
ば、下部に事務所用スペースが配置され、上部に上記複
数の住戸が配設されている高層建物に適用した場合にお
いても、高層部の共同住宅区画における外観を下部の事
務所用スペースの外観とほぼ同一にすることができ、よ
って建物全体としての外観の統一性を図ることが可能に
なるとともに、これら上下部間に、設けた避難待機スペ
ースによって、避難時における混雑を緩和することがで
き、また消火・救助活動においては、上記避難待機スペ
ースを有効な活動スペースとして利用することができる
といった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高層建物の一実施形態を示す共同住宅
スペースの平面図である。
【図2】図1の高層建物における全体の縦断面図であ
る。
【図3】図1の避難バルコニーからの避難経路を示す模
式図である。
【図4】図1の住戸において火災発生初期の状態を示す
システム動作図である。
【図5】図4の防火扉等を閉じた状態を示すシステム動
作図である。
【符号の説明】
1 高層建物 3 事務所用スペース 5 共同住宅スペース 7 避難待機スペース 10 中央ボイド 10a 透明ガラス 11,16 特別避難階段 12,17 附室兼用乗降ロビー(附室) 14 共用廊下 15 住戸 19 避難バルコニー 24 給気設備 28 排煙設備 29 差圧ダンパー 30 外壁ダンパー 31 排気設備
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月29日(1998.7.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 勝彦 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 森山 泰行 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 杉江 大典 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 塩谷 尚斉 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 2E184 AA01 EE12 EE15 HH03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上部に複数の住戸が配設され
    た高層建物において、上記住戸が配設された階における
    当該建物の中央部に、透明ガラスで仕切られたボイドを
    形成し、このボイドを周回するように廊下を配置すると
    ともに、この廊下に面し、かつ避難階段に通じる附室を
    設け、上記建物の外周部に、屋外に面するとともに上記
    廊下に通じる避難バルコニーを設置し、さらに上記廊下
    の周囲に、各々複数の出入口を有し、かつベランダを有
    しない複数の住戸を上記建物の外周に沿って配置すると
    ともに、上記住戸に排煙設備を設け、上記附室に給気設
    備を設け、かつ上記廊下と上記避難バルコニーとの間
    に、上記給気設備による給気量と上記排煙設備による排
    煙量との差に基づく余剰分の給気または煙を排気する排
    気設備を設けたことを特徴とする高層建物。
  2. 【請求項2】 上記建物は、下部に事務所用スペースが
    配置され、上部に上記複数の住戸が配設されているとと
    もに、上記上下部間に、上記避難階段および上記避難バ
    ルコニーに通じる共用の避難待機スペースが設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載の高層建物。
JP18534798A 1998-06-30 1998-06-30 高層建物 Expired - Fee Related JP4117414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18534798A JP4117414B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 高層建物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18534798A JP4117414B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 高層建物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000014812A true JP2000014812A (ja) 2000-01-18
JP4117414B2 JP4117414B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=16169212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18534798A Expired - Fee Related JP4117414B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 高層建物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4117414B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002213787A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Taisei Corp 階段加圧煙制御システム
KR101417641B1 (ko) 2013-05-20 2014-07-10 김일영 제연덕트를 이용한 환기 시스템
JP2017055888A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 株式会社竹中工務店 構造物
CN107119714A (zh) * 2017-04-21 2017-09-01 北京首钢国际工程技术有限公司 一种城市综合管廊通风系统布置方法
JP2021121259A (ja) * 2020-01-31 2021-08-26 株式会社竹中工務店 加圧防排煙システム及びそれを備えた建物

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5272398U (ja) * 1975-11-26 1977-05-30
JPS5273026U (ja) * 1975-11-27 1977-06-01
JPS573378B2 (ja) * 1975-03-13 1982-01-21
JPS5744035A (en) * 1981-06-29 1982-03-12 Takenaka Komuten Co Mobile sheltering balcony
JPH04285268A (ja) * 1991-03-12 1992-10-09 Haseko Corp 多層建築物
JPH04339967A (ja) * 1991-05-16 1992-11-26 Nakajimatatsuhiko Kenchiku Jimusho:Kk 多層建築物
JPH04367670A (ja) * 1991-06-15 1992-12-18 Mitsui Constr Co Ltd 高層集合住宅における火災時の排煙方法
JPH04368569A (ja) * 1991-06-15 1992-12-21 Mitsui Constr Co Ltd 高層集合住宅における火災時の安全避難構造
JPH05269218A (ja) * 1992-01-31 1993-10-19 Taisei Corp 防煙用逆流防止ダンパー
JPH0759869A (ja) * 1993-08-27 1995-03-07 Shimizu Corp 加圧排煙システム
JPH07139197A (ja) * 1993-11-18 1995-05-30 Okumura Corp 排煙及び火災避難施設を有する高層建築物
JPH09108372A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Kajima Corp 加圧排煙システム
JPH09108370A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Kajima Corp 加圧排煙システムの給気量コントロール装置
JPH09158373A (ja) * 1995-12-04 1997-06-17 Shin Nikkei Co Ltd パネル支持構造

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS573378B2 (ja) * 1975-03-13 1982-01-21
JPS5272398U (ja) * 1975-11-26 1977-05-30
JPS5273026U (ja) * 1975-11-27 1977-06-01
JPS5744035A (en) * 1981-06-29 1982-03-12 Takenaka Komuten Co Mobile sheltering balcony
JPH04285268A (ja) * 1991-03-12 1992-10-09 Haseko Corp 多層建築物
JPH04339967A (ja) * 1991-05-16 1992-11-26 Nakajimatatsuhiko Kenchiku Jimusho:Kk 多層建築物
JPH04367670A (ja) * 1991-06-15 1992-12-18 Mitsui Constr Co Ltd 高層集合住宅における火災時の排煙方法
JPH04368569A (ja) * 1991-06-15 1992-12-21 Mitsui Constr Co Ltd 高層集合住宅における火災時の安全避難構造
JPH05269218A (ja) * 1992-01-31 1993-10-19 Taisei Corp 防煙用逆流防止ダンパー
JPH0759869A (ja) * 1993-08-27 1995-03-07 Shimizu Corp 加圧排煙システム
JPH07139197A (ja) * 1993-11-18 1995-05-30 Okumura Corp 排煙及び火災避難施設を有する高層建築物
JPH09108372A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Kajima Corp 加圧排煙システム
JPH09108370A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Kajima Corp 加圧排煙システムの給気量コントロール装置
JPH09158373A (ja) * 1995-12-04 1997-06-17 Shin Nikkei Co Ltd パネル支持構造

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
新建築 1991年6月臨時増刊 建築20世紀 PART2, vol. 第66巻8号, JPN4007007929, 20 June 1991 (1991-06-20), JP, pages 245, ISSN: 0000850000 *
新建築 1991年6月臨時増刊 建築20世紀 PART2, vol. 第66巻8号, JPN6008013573, 20 June 1991 (1991-06-20), JP, pages 245, ISSN: 0001006994 *
日本建築学会, コンパクト建築設計資料集成<住居>, JPN4007007928, 15 June 1991 (1991-06-15), pages 94, ISSN: 0000849999 *
日本建築学会, コンパクト建築設計資料集成<住居>, JPN6008013572, 15 June 1991 (1991-06-15), pages 94, ISSN: 0001006993 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002213787A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Taisei Corp 階段加圧煙制御システム
KR101417641B1 (ko) 2013-05-20 2014-07-10 김일영 제연덕트를 이용한 환기 시스템
JP2017055888A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 株式会社竹中工務店 構造物
CN107119714A (zh) * 2017-04-21 2017-09-01 北京首钢国际工程技术有限公司 一种城市综合管廊通风系统布置方法
JP2021121259A (ja) * 2020-01-31 2021-08-26 株式会社竹中工務店 加圧防排煙システム及びそれを備えた建物
JP7498568B2 (ja) 2020-01-31 2024-06-12 株式会社竹中工務店 加圧防排煙システム及びそれを備えた建物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4117414B2 (ja) 2008-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102113241B1 (ko) 제연설비 및 그 제연설비의 제어방법
WO2013137703A1 (ko) 산소 공급 승강기
JP2000014812A (ja) 高層建物
KR20200036957A (ko) 건물의 비상계단 대피구조
JP3567397B2 (ja) 排煙制御システム
JP4526174B2 (ja) 高層集合住宅及び加圧防排煙方法
JP2891859B2 (ja) 排煙及び火災避難施設を有する高層建築物
JP2000145176A (ja) 集合住宅建物
CA2405858A1 (en) Stairwell pressurization system
JP2000014811A (ja) 附室加圧煙制御システム
JPH1119237A (ja) 加圧式排煙方法および加圧式排煙装置
JP2018076740A (ja) 集合住宅
KR100651013B1 (ko) 고층건물의 방화벽 소방층 구조
WO1991018820A1 (en) Lifting system installed in building which makes emergency stair unnecessary
JP2004180840A (ja) 加圧排煙システム
KR20130104618A (ko) 고층 건물 화장실을 이용한 화재 대피 시스템
JP2001349591A (ja) 加圧防煙システム
JP2992401B2 (ja) 階段室型の多層集合住宅
KR102259133B1 (ko) 건물의 비상계단 대피구조
JP7498568B2 (ja) 加圧防排煙システム及びそれを備えた建物
JP2943023B2 (ja) 多層建築物
JPH04161569A (ja) 高層ビルディングにおける避難用塔構造
CN219431215U (zh) 一种安全消防楼梯
JPH04285268A (ja) 多層建築物
JPH1088832A (ja) 高層集合住宅

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees