JP3567397B2 - 排煙制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフィスビル、ホテル等の高層ビルにおいて、火災時の排煙対策の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オフィスビル、ホテル等の高層ビルにおいて、火災時にエレベータシャフトから他階への煙流動を防ぐ方法として、エレベータシャフトを加圧し防煙を行う方法が知られている。これを図9により説明する。図中、1は居室、2は廊下、3は避難階段附室、4は階段、5はエレベータシャフトを示し、居室1の天井には排煙ファン7が接続され、廊下2の天井には逃がし窓6が設けられ、避難階段附室3及びエレベータシャフト5には加圧ファン8、9が接続されている。火災時には、居室1内の煙を排煙ファン7により排出すると共に、加圧ファン8、9により、避難階段附室3及びエレベータシャフト5内を加圧し、エレベータシャフトから他階への煙流動を防ぐようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排煙方法は、居室1内の広い範囲の煙を排出するため、排煙ファンの能力を大きくしなければならずコストが増大すると共に、煙の温度が280℃に達すると防火ダンパが閉止し、排煙ファンの運転を継続させることができないという問題を有している。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するものであって、排煙ファンのコストを低減させると共に、排煙ファンの運転を長時間継続させることができる排煙制御システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の排煙制御システムは、居室、廊下、避難階段室、避難階段附室及びエレベータシャフトが設けられた高層ビルにおいて、前記居室と廊下の間に設けられた常閉の第1の扉と、該第1の扉に近接して居室内に設けられた常開の第2の扉と、前記第1の扉を挟んで居室及び廊下の天井に接続された排煙ファンと、前記避難階段附室及びエレベータシャフトに接続された加圧ファンとを備え、居室の火災時において、前記第2の扉を閉めることにより第1の扉と第2の扉の間に小前室を形成し、該小前室において、廊下から侵入する空気と、居室から漏れ出た煙を混合して前記排煙ファンにより排煙することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の排煙制御システムの1実施例を示し、図1(A)は構成図、図1(B)は火災時の排煙制御を説明するための図である。
【0007】
図1(A)において、高層ビル10には、居室1、廊下2、避難階段附室3、避難階段室4及びエレベータシャフト5が設けられている。居室1と廊下2の間には鋼製で常閉の第1の防煙扉11が設けられ、第1の防煙扉11に近接して居室1内に常開の第2の防火扉12が設けられ、第1の防煙扉11と第2の防火扉12との間にスモークトラップ13(排煙前室、小前室)を形成可能にしている。第2の防火扉12は、常時は天井裏若しくは壁面に収納されており、廊下壁面に設置した手動ボタン14を押すことにより、図示しない駆動装置により閉動される。
【0008】
第1の防煙扉11を挟んで居室1側のスモークトラップ13及び廊下2の天井には排煙ファン7が接続され、避難階段附室3及びエレベータシャフト5には、それぞれ加圧ファン8、9が接続されている。また、廊下2と避難階段附室3の間には常閉扉15が設けられ、避難階段附室3と避難階段室4の間には、常閉扉16が設けられている。
【0009】
上記構成において、本発明の排煙制御の方法について説明する。本発明の排煙制御システムの特徴は、居室1の火災時において、居室1の排煙は行わず、居室1の入口にスモークトラップ13を形成し、避難階段附室3及びエレベータシャフト5を加圧した空気と、居室1から漏れ出た煙を混合して排煙することにより、煙の温度を低下させ排煙ファン7の運転を長時間継続させることである。
【0010】
本発明においては、給気と排気によって生じる差圧により給気側への煙の侵入を防止することである。一般的には、扉の前後で2Paの差圧があれば煙の伝ぱんの防止は可能である。そこで、第1の防煙扉11を挟んでスモークトラップ13及び廊下2の天井に排煙ファン7を接続し、居室1と廊下2の間及び廊下2と避難階段附室3の間で2Pa以上の差圧を保つようにする。但し、避難者が扉を開くことができなくなる100Pa(約10kgf/m2)を越えないように、図示リリーフダンパ17等により制御を行う。
【0011】
避難階段室4については、避難時に多くの階の避難階段室の入口扉が開くことにより加圧の効果が発揮されにくい。そのため、避難階段室4の加圧は行わず、避難階段室4に隣接する避難階段附室3を加圧ファン8により加圧することにより、避難階段室4への煙の侵入を防止する。
【0012】
エレベータシャフト5については、冬季、煙突効果により、建物下部ではエレベータシャフト5に煙が吸引され、上層階においてエレベータシャフト5から漏れ出る恐れがある。そのため、シャフト5内を加圧ファン9により加圧し、シャフト5内への煙の侵入を防止する。加圧する風量は、シャフト5の隙間量、煙突効果の大きさなどからシミュレーションにより算出する。
【0013】
図1(B)に示すように、居室1の火災時には、廊下壁面に設置した手動ボタン14を押すことにより、居室1の入口の第2の防火扉12が閉まり、居室1と廊下2の間にスモークトラップ13が形成され、また、加圧ファン8、9及び排煙ファン7が同時起動し、火災室である居室1より漏出した煙をスモークトラップ13より吸引し排煙する。このスモークトラップ13においては、避難階段附室3の加圧により廊下2から侵入する空気と煙が混合し、煙の温度が低下するため、排煙ファン7の運転を長時間継続させることができ、廊下2、避難階段室4などのコア内安全区画への煙の侵入を長時間にわたり防止することができる。
【0014】
図2ないし図8は、本発明によるシミュレーションを示し、図2はスモークトラップ13の開口開閉条件を示す図、図3は火災室1における煙層高さと煙層温度の時間変化を示す図、図4はスモークトラップ13における煙層高さと煙層温度の時間変化を示す図、図5は廊下2とスモークトラップ13間及びスモークトラップ13と火災室1間の差圧の時間変化を示す図、図6は廊下2とスモークトラップ13間及びスモークトラップ13と非火災室1間の差圧の時間変化を示す図、図7は避難階段附室3と避難階段室4間及び避難階段附室3と廊下2間の差圧の時間変化を示す図、図8はエレベータシャフト5と廊下2間の差圧の時間変化を示す図である。
【0015】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。例えば、上記実施例においては、第1の防煙扉11を常閉にしているが、常開にしておき、第2の防火扉12と同様に火災時に閉じるようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、居室の火災時において、居室の排煙は行わず、居室の入口にスモークトラップを形成し、避難階段附室及びエレベータシャフトを加圧した空気と、居室から漏れ出た煙を混合して排煙することにより、煙の温度を低下させ排煙ファン7の運転を長時間継続させることができると共に、排煙ファンのコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排煙制御システムの1実施例を示し、図1(A)は構成図、図1(B)は火災時の排煙制御を説明するための図である。
【図2】本発明によるシミュレーションを示し、スモークトラップの開口開閉条件を示す図である。
【図3】火災室における煙層高さと煙層温度の時間変化を示す図である。
【図4】スモークトラップにおける煙層高さと煙層温度の時間変化を示す図である。
【図5】廊下とスモークトラップ間及びスモークトラップと火災室間の差圧の時間変化を示す図である。
【図6】廊下とスモークトラップ間及びスモークトラップと非火災室間の差圧の時間変化を示す図である。
【図7】避難階段附室と避難階段室間及び避難階段附室と廊下間の差圧の時間変化を示す図である。
【図8】エレベータシャフトと廊下間の差圧の時間変化を示す図である。
【図9】従来の排煙制御方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…居室、2…廊下、3…避難階段附室、4…避難階段室
5…エレベータシャフト、7…排煙ファン、8、9…加圧ファン
10…高層ビル、11…第1の防煙扉、12…第2の防火扉
13…小前室(スモークトラップ)
Claims (1)
- 居室、廊下、避難階段室、避難階段附室及びエレベータシャフトが設けられた高層ビルにおいて、前記居室と廊下の間に設けられた常閉の第1の扉と、該第1の扉に近接して居室内に設けられた常開の第2の扉と、前記第1の扉を挟んで居室及び廊下の天井に接続された排煙ファンと、前記避難階段附室及びエレベータシャフトに接続された加圧ファンとを備え、居室の火災時において、前記第2の扉を閉めることにより第1の扉と第2の扉の間に小前室を形成し、該小前室において、廊下から侵入する空気と、居室から漏れ出た煙を混合して前記排煙ファンにより排煙することを特徴とする排煙制御システム。
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