JP2000014811A - 附室加圧煙制御システム - Google Patents

附室加圧煙制御システム

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JP2000014811A
JP2000014811A JP10185333A JP18533398A JP2000014811A JP 2000014811 A JP2000014811 A JP 2000014811A JP 10185333 A JP10185333 A JP 10185333A JP 18533398 A JP18533398 A JP 18533398A JP 2000014811 A JP2000014811 A JP 2000014811A
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smoke
corridor
air supply
evacuation
room
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JP10185333A
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Tetsuo Hara
哲夫 原
Yasuyuki Moriyama
泰行 森山
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Taisei Corp
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気密性の高い建物においても、火災発生時
に、常に附室と廊下間との間に適切な差圧を保持するこ
とができて避難経路への煙の侵入を確実に防止すること
ができ、よって円滑な避難および消火活動を確保するこ
とができる附室加圧煙制御システムを提供する。 【解決手段】 居室15と、この居室に廊下14を介し
て配設されて第1の避難路11,16に通じる附室1
2,17と、廊下に通じる第2の避難路19とを備え、
居室15に排煙設備28を設け、附室12,17に給気
設備24を設けるとともに、廊下と第2の避難路との間
に、給気設備24による給気量と排煙設備28による排
煙量との差に基づく余剰分の給気または煙を排気する排
気設備31を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気密性の高い高層
住宅等の各種建物において、火災時の避難および消火活
動を防護するための附室加圧煙制御システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の建築物において、防火扉が
閉じられることによって避難経路の入り口近傍に附室が
形成されるようになっており、この附室は、防火扉が開
放された状態において廊下へ通じ、またこの廊下を取り
囲むようにして居室が設けられている。
【0003】そして、このような構成を有する建築物に
おける附室加圧煙制御システムの一例として、図7
(a)〜(c)に示すものが知られている。これらの図
において、符号Aは避難経路(避難階段)であり、この
避難経路Aの入り口近傍には、第1の防火扉1を介して
遮蔽可能に連設された附室Bが設けられ、この附室Bに
は第2の防火扉2を介して廊下Cが設けられ、また、こ
の廊下Cを取り囲むようにして、居室Dが第3の防火扉
3を介して設けられている。
【0004】通常時においては、上記第1の防火扉1は
閉じられ、また、第2の防火扉2および第3の防火扉3
は開放されており、居室Dにおいて火災が発生した場
合、当該居室Dからの避難が完了した後に、上記第2の
防火扉2および第3の防火扉3が閉じられるようになっ
ている。
【0005】一方、上記附室Bには、火災時において附
室へ向けて外気を送り込む給気設備4が設けられ、ま
た、上記居室Dには、その内部の煙を外部へ排出する排
煙設備5が設けられており、これらの給気設備4および
排煙設備5には、開閉可能な給気ダンパー6と排煙ダン
パー7がそれぞれ設けられている。さらに、上記附室B
と廊下Cとの間には、これらが第2の防火扉2によって
遮蔽された際に、両者間に適度の空気の流れを確保する
ためのバイパスダンパー8が設けられている。
【0006】そして、このような従来の防火設備におい
ては、たとえば、図7(a)〜(c)に示すように、居
室Dにおいて火災が発生した場合、その火災の発生が煙
感知器等によって検出され、その検出信号に基づいて排
煙設備5が作動させられるとともに、排煙ダンパー7が
開放され、また、給気ダンパー6が開放されるとともに
給気設備4が作動する。これによって、上記居室Dが煙
の排出に伴って負圧状態となされ、また附室Bおよび廊
下Cが、給気によって加圧状態とされることにより、図
7(a)および(b)に矢印で示すように、附室Bから
廊下Cを経て居室Dへ向かう空気の流れが形成されて、
煙や高温ガス等が廊下Cや附室Bへ流れ込むことが抑制
され、火災の拡大が抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の附室加圧煙制御システムにおいては、上記居室D
の火災が進行して排煙設備5の作動が停止させられた場
合、この居室D内の圧力が上昇して、上記廊下Cや附室
Bとの間の差圧が保てず、これによって、上記居室D内
の煙が、廊下Cを介して附室Bや避難経路Aへ侵入する
ことが想定されるといった問題点がある。
【0008】また、火災発生時に上記第2の防火扉2が
閉じられるが、この第2の防火扉2の開閉度合いによっ
て附室Bと廊下Cとの差圧が変化することから、この差
圧によっては、上記第2の防火扉2の開閉に支障が生じ
るといった問題点もある。
【0009】本発明は、このような従来の防火装置が有
する問題点を有効に解消すべくなされたもので、気密性
の高い建物においても、火災発生時に、常に附室と廊下
間との間に適切な差圧を保持することができて避難経路
への煙の侵入を確実に防止することができ、よって円滑
な避難および消火活動を確保することができる附室加圧
煙制御システムを提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る附室加圧煙制御システムは、居室と、この居室に
廊下を介して配設されて第1の避難路に通じる附室と、
廊下に通じる第2の避難路とを備えた建物における附室
加圧煙制御システムであって、上記居室に排煙設備を設
け、附室に給気設備を設けるとともに、廊下と第2の避
難路との間に、給気設備による給気量と上記排煙設備に
よる排煙量との差に基づく余剰分の給気または煙を排気
する排気設備を設けたことを特徴とするものである。
【0011】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の第2の避難路が、建物の外周に設けられた避
難バルコニーであり、かつ上記排気設備が、差圧ダンパ
ーを備えていることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の発明において、第2の避難路が、建物
外周の複数面に設けられているとともに、上記排気設備
には、建物外方から廊下へ向う空気の流れを阻止する逆
流防止装置が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0013】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1〜3のいずれかに記載の附室と廊下との間に、これら
の連通を遮断する防火扉が設けられ、かつ上記附室と廊
下とを連通させるバイパスダンパーが廊下の床付近に設
けられるとともに、このバイパスダンパーに、廊下から
附室へ向う空気の流れを阻止する逆流防止装置が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0014】請求項1〜4のいずれかに記載の本発明に
係る附室加圧煙制御システムによれば、居室における火
災発生時に、排煙設備を作動させて当該居室内の煙を外
部へ排出し、この居室内を負圧状態に保持するととも
に、これと並行して給気設備を作動させ、外の空気を附
室を介して廊下へ給気することにより、附室および廊下
を加圧状態に保持する。この際に、給気設備によって給
気される余剰の空気は、上記廊下から排気設備を介して
第2の避難路へと排気される。この結果、廊下から居室
へ向かう空気の流れを確実に形成して廊下への煙の侵入
および火災の拡大が防止される。また、第1および第2
の避難路を利用した避難および初期消火活動が円滑に行
われる。
【0015】そして、居室における火災が進行して排煙
設備による排煙操作が停止した後においても、上記給気
設備による給気が継続され、附室が加圧状態に保持され
て遮煙されるとともに、当該附室から廊下に流れる空気
および/または居室から廊下に侵入した煙は、上記排気
設備を介して第2の避難路へと排気される。以上によ
り、常に附室と廊下との間に適度の差圧が確保されるこ
とにより、廊下を介して附室へ煙が侵入することが防止
され、よって附室への火災の拡大を確実に防止すること
ができる。
【0016】なお、火災が発生した居室において排煙を
行うに際し、火源へ加圧給気によって新鮮な空気が直接
供給されることを防いで、火源強度の増大を未然に防ぐ
観点から、上記居室における排煙設備の排煙口は、極力
入口付近に設置することが好ましい。
【0017】そして、特に請求項2に記載の発明のよう
に、上記第2の避難路が建物の外周に設けられた避難バ
ルコニーである場合には、上述した余剰の空気および/
または煙は、当該避難バルコニーから外方に排気されて
行く。この際に、上記排気設備として差圧ダンパーを用
いれば、予めこの差圧ダンパーの作動圧力を設定してお
くことにより、常に廊下における加圧状態を一定の適切
な圧力に保持することが可能になる。
【0018】また、上記避難バルコニー等の第2の避難
路は、避難の選択肢が増加して安全性が確保されるため
に、請求項3に記載の発明のように、建物の外周面の複
数箇所に設置することが好ましい。このように、第2の
避難路を複数箇所に設けた場合には、例えば高層住宅の
高層部分において、外気風が強くなって、建物の何面か
において風圧により上記排気が円滑に行われなくなった
場合においても、上記排気設備には逆流防止装置を設る
ことにより、当該外周面から建物内へ外気風が侵入する
ことを防止するとともに、風圧が作用していない面に設
置した排気設備から円滑に排気を行うことが可能にな
る。
【0019】さらに、請求項4に記載の発明のように、
バイパスダンパーを廊下の床付近に設置することによ
り、加圧給気を廊下の下部に供給し、廊下に煙が流入し
た際には、上部の煙層の乱れを防止して下部の空気層の
清浄度を保つことができ、また、附室と廊下とを連通さ
せるバイパスダンパーに逆流防止機能を与えることによ
り、廊下が延焼して廊下側の圧力が急激に上昇した場合
においても、上記バイパスダンパーを介して煙や高温ガ
スが附室へ侵入することを防止し、附室の延焼を防止す
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6に基づいて、本
発明に係る附室加圧煙制御システムを高層建物の高層部
に設けられた共同住宅区画に適用した一実施形態につい
て説明する。図1は、本実施形態の附室加圧煙制御シス
テムが適用された上記高層部における共同住宅の区画の
平面配置を示すものである。この建物においては、中央
部に透明ガラス10aによって仕切られたボイド10が
形成され、このボイド10に隣接して、特別避難階段
(第1の避難路)11に通じる附室兼用乗降ロビー(附
室)12およびこの附室兼用乗降ロビー12から乗降す
る非常用エレベータ13が配置されている。
【0021】そして、これらボイド10等を周回するよ
うに共用廊下14が設けられており、この共用廊下14
の外周側に複数(図では11戸)の住戸(居室)15が
建物の外周に沿って配置されている。また、隣接する住
戸15間の一個所にも、同様の特別避難階段(第1の避
難路)16およびこれに通じる附室兼用乗降ロビー(附
室)17並びに非常用エレベータ18が配設されてい
る。さらに、建物の外周四面には、それぞれ避難バルコ
ニー(第2の避難路)19が設けられており、周回部か
ら四方向に延出した上記共有廊下14の外周側端部が、
防火扉20を介して各避難バルコニー19に通じてい
る。
【0022】以上のような配置のもとに、図1および図
2に示すように、本附室加圧煙制御システムにおいて
は、附室兼用乗降ロビー12、17と特別避難階段1
1,16との間に、常時は閉状態となる防火扉21が設
けられている。また、附室兼用乗降ロビー12,17と
共用廊下14との間には、常時は開状態であって火災時
にこれらの間の遮断する防火扉22が設けられており、
この防火扉22には、附室兼用乗降ロビー12と共用廊
下14とを連通させるバイパスダンパー23が設けられ
ている。
【0023】このバイパスダンパー23は、共用廊下1
4の床付近に設置されるとともに、共用廊下14側から
附室兼用乗降ロビー12側へ向う空気の流れを阻止する
逆流防止装置が設けられている。これにより、加圧給気
を共用廊下14の下部に供給して、共用廊下14に煙が
侵入した際に、上部の煙層の乱れを防止して、下部の空
気層の清浄度を保つようになっている。
【0024】さらに、附室兼用乗降ロビー12,17に
は、給気設備24が設けられている。この給気設備24
は、図示されない加圧給気ファンによって建物外部の新
鮮な空気が供給されるようになっており、上記加圧給気
ファンには回転数制御による圧力制御装置が設けられて
いる。他方、各々の住戸15には、共有廊下14に通じ
る2つの扉25が設けられ、天井部の一方の扉25の近
傍には排気口26が設けられ、排煙ダンパー27を介し
て排煙設備28に接続されている。
【0025】この排煙設備28は、各住戸15に設置さ
れた煙感知器からの検出信号によって作動するようにな
っており、さらにこの排煙設備28の作動と給気設備2
4の作動とが互いに連動するように設定されている。ま
た、共用廊下14と避難バルコニー19との間には、逆
流防止装置付きの差圧ダンパー29および外壁ダンパー
30を備えた排気設備31が設けられている。そして、
この外壁ダンパー30は、給気設備24の給気ファンの
作動信号によって開作動されるようになっている。
【0026】次に、図1ないし図6に基づいて、上記構
成からなる附室加圧煙制御システムの作用について説明
する。いずれかの住戸15において火災が発生した場
合、図2に示すように、この火災が当該住戸15の煙感
知器によって検出されるとともに、その火災検出信号が
制御手段へ送出され、この制御手段から排煙設備28へ
駆動信号が送出されて、排煙ダンパー27が開放される
ことにより排煙操作が開始される。
【0027】これと同時に、上記制御手段からの信号に
より給気設備24が作動することにより、附室兼用乗降
ロビー12,17への給気操作が開始される。なお、以
降この給気操作は、圧力制御装置によって加圧給気ファ
ンが回転数制御されることにより、附室兼用乗降ロビー
12,17が常に一定の正圧に保持される。さらに、給
気設備24における加圧給気ファンの作動信号によっ
て、外壁ダンパー30が開く。
【0028】この際、火災の初期段階においては避難の
ために、防火扉22や扉25は開放されており、この状
態において、住戸15内における排煙操作が継続される
ことにより負圧状態に保持され、また附室兼用乗降ロビ
ー12,17の給気操作の継続によってこれら附室兼用
乗降ロビー12,17が加圧状態に保持される。また、
この附室兼用乗降ロビー12,17と連続する共用廊下
14も同様に加圧状態となる。そして、給気設備24に
よる給気量と排煙設備28による排煙量との差による余
剰分の給気が、差圧ダンパー29から外壁ダンパー30
を介して外方へ排気される。
【0029】この結果、この建物内における空気の流れ
は、図2に矢印で示すように、附室兼用乗降ロビー1
2,17から共用廊下14を経て住戸15へ至るととも
に、余剰分が共用廊下14から避難バルコニー19近傍
に設けられている排気設備31への流れとなる。そし
て、排気設備31により、附室兼用乗降ロビー12,1
7および共用廊下14が所望の正圧に保持されることに
より、特別避難階段11,16、非常用エレベータ1
3,18または避難バルコニー19を利用した避難が円
滑に行われるとともに、煙や高温ガスが住戸15から共
用廊下14や附室兼用乗降ロビー12,17へ流れ込む
ことが防止され、これらへの延焼が防止される。
【0030】特に、この附室加圧煙制御システムにおい
ては、建物の外周4面に避難バルコニー19を設け、各
々に逆流防止機能を有する差圧ダンパー29を備えた排
気設備31を設けているので、外気風が強くなって、当
該建物の何面かにおいて風圧により上記排気が円滑に行
われなくなった場合においても、上記差圧ダンパー29
によって風圧の高い外周面から建物内へ外気風が侵入す
ることを防止することができるとともに、風圧が作用し
ていない面に設置した差圧ダンパー29から円滑に排気
を行うことができる。
【0031】このようにして、特別避難階段11,16
または避難バルコニー19を用いた避難が完了した後
に、図3に示すように、防火扉23および扉25が閉じ
られるが、附室兼用乗降ロビー12,17と共用廊下1
4とがバイパスダンパー23によって連通しているため
に、附室兼用乗降ロビー12,17に供給される空気が
バイパスダンパー23を介して共用廊下14へ送り込ま
れ、これによって、附室兼用乗降ロビー12,17およ
び共用廊下14が加圧状態に保持され、かつ排煙操作の
継続によって住戸15が負圧状態に保持される。この結
果、図2に示した状態と同様に、住戸15から共用廊下
14や附室兼用乗降ロビー12,17への煙や高温ガス
の侵入が防止されて火災の拡大が防止される。また、こ
の状態においては、住戸15の扉25が閉鎖もしくは一
部のみが開放されることにより、排気設備31における
差圧ダンパー29からの排気量が増加する。
【0032】一方、住戸15内の火災が進行して内部温
度が上昇した場合、図4に示すように、排煙操作を停止
して排煙設備28からの延焼を防止する。この場合にお
いても、図3に示すように、給気設備24からの給気と
排気設備31による排気が継続されて火災の拡大が防止
されることになる。この際に、扉25の一部が開いてい
る場合には、図5に示すように、火災の進行により共用
廊下14に煙が侵入する場合も想定されるが、このよう
な場合には、排気設備31が排煙設備として動作して共
有廊下14内の給気および上記煙が共に外部へ排出され
ることとなり、この点からも附室兼用乗降ロビー12,
17や特別避難階段11,16への火災の拡大が防止さ
れるとともに、避難経路が確保される。
【0033】なお、図4および図5に示したいずれの状
態においても、給気設備24から継続される給気が、防
火扉22のバイパスダンパー23を通じて共有廊下14
側に流入するとともに、さらにバイパスダンパー23に
は、逆流防止装置が設けられているため、附室兼用乗降
ロビー12,17と共有廊下14との間が適切な圧力差
に保持されることになり、よって消火活動等のために防
火扉22を開閉する必要が生じた場合においても、その
開閉操作が困難になるといった不具合が回避される。加
えて、この際にバイパスダンパー23を共有廊下14の
床付近に設置しているので、加圧給気を共用廊下14の
下部に供給して、共用廊下14の上部の煙層の乱れを防
止し、下部の空気層の清浄度を保つこともできる。
【0034】次いで、図6に示すように、火災の進行に
よって、万一フラッシュオーバーにより圧力が急激に上
昇し、多量の煙が共用廊下14内に侵入した場合には、
排気装置31における差圧ダンパー29は、すべて排煙
動作になり、これによって共用廊下14における圧力の
上昇が防止され、さらにバイパスダンパー23の逆流防
止装置によって、附室兼用乗降ロビー12,17への煙
や高温ガスの侵入が阻止される。
【0035】なお、上記実施形態においては、本発明に
係る附室加圧煙制御システムを図1に示した配置を有す
る高層住宅に適用した場合に付いてのみ説明したが、こ
れに限るものではなく、本発明のシステムは、各種形態
の建物に適用可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれかに記載の本発明に係る附室加圧煙制御システムに
よれば、居室における火災発生時において、排煙設備を
作動させて当該居室内の煙を外部へ排出し、この居室内
を負圧状態に保持する一方、これと並行して給気設備を
作動させ、外の空気を附室を介して廊下へ給気して附室
および廊下を加圧状態に保持するとともに、給気設備に
よって給気される余剰の空気を上記廊下から排気設備を
介して第の避難路側へと排気することにより、常に附室
と廊下との間に適度の差圧が確保されることにより、廊
下を介して附室へ煙が侵入することが防止され、よって
附室への火災の拡大を確実に防止することができる。
【0037】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
述した余剰の空気および/または煙りを、建物外周に設
けた避難バルコニーから外方に排気することができ、か
つ予めこの差圧ダンパーの作動圧力を設定しておくこと
により、常に廊下における加圧状態を一定の適切な圧力
に保持することが可能になり、また請求項3に記載の発
明によれば、外気風が強くなって、建物の何面かにおい
て風圧により上記排気が円滑に行われなくなった場合に
おいても、当該外周面から建物内へ外気風が侵入するこ
とを防止するとともに、風圧が作用していない面に設置
した排気設備から円滑に排気を行うことが可能になる。
【0038】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
加圧給気を廊下の下部に供給することにより、廊下に煙
が流入した際にも上部の煙層の乱れを防止して下部の空
気層の清浄度を保つことができ、かつ廊下が延焼して廊
下側の圧力が急激に上昇した場合においても、上記バイ
パスダンパーを介して煙や高温ガスが附室へ侵入するこ
とを防止して附室の延焼を防止することができるといっ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の附室加圧煙制御システムの一実施形態
を示す平面図である。
【図2】図1のシステムにおいて火災発生初期の状態を
示す動作図である。
【図3】図2の防火扉等を閉じた状態を示す動作図であ
る。
【図4】図3の排煙設備が停止した状態を示す動作図で
ある。
【図5】図4の扉が一部開いている状態を示す動作図で
ある。
【図6】図5の共用廊下に多量の煙が侵入した場合の状
態を示す動作図である。
【図7】従来の防火装置における作動を(a)〜(c)
の順に時系列的に示した動作図である。
【符号の説明】
11,16 特別避難階段(第1の避難路) 12,17 附室兼用乗降ロビー(附室) 14 共用廊下 15 住戸(居室) 19 避難バルコニー(第2の避難路) 23 バイパスダンパー 24 給気設備 28 排煙設備 29 差圧ダンパー 30 外壁ダンパー 31 排気設備
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月29日(1998.7.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 居室と、この居室に廊下を介して配設さ
    れて第1の避難路に通じる附室と、上記廊下に通じる第
    2の避難路とを備えた建物における附室加圧煙制御シス
    テムであって、上記居室に排煙設備を設け、上記附室に
    給気設備を設けるとともに、上記廊下と上記第2の避難
    路との間に、上記給気設備による給気量と上記排煙設備
    による排煙量との差に基づく余剰分の給気または煙を排
    気する排気設備を設けたことを特徴とする附室加圧煙制
    御システム。
  2. 【請求項2】 上記第2の避難路は、上記建物の外周に
    設けられた避難バルコニーであり、かつ上記排気設備
    は、差圧ダンパーを備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の附室加圧煙制御システム。
  3. 【請求項3】 上記第2の避難路は、上記建物外周の複
    数面に設けられているとともに、上記排気設備には、上
    記建物外方から上記廊下へ向う空気の流れを阻止する逆
    流防止装置が設けられていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の附室加圧煙制御システム。
  4. 【請求項4】 上記附室と上記廊下との間に、これらの
    連通を遮断する防火扉が設けられ、かつ上記附室と上記
    廊下とを連通させるバイパスダンパーが上記廊下の床付
    近に設けられるとともに、このバイパスダンパーに、上
    記廊下から上記附室へ向う空気の流れを阻止する逆流防
    止装置が設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の附室加圧煙制御システム。
JP10185333A 1998-06-30 1998-06-30 附室加圧煙制御システム Pending JP2000014811A (ja)

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