JP2000014388A - 組換えcrpおよびその製造方法 - Google Patents
組換えcrpおよびその製造方法Info
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Abstract
遺伝子をPCR法で増幅し、ベクタープラスミドに連結
した組換え体プラスミドおよび該組換え体プラスミドで
形質転換された酵母を作製すると同時に、有用物質のC
RPを、充分に活性を保持した状態で安定に大量に製造
する。 【効果】 ヒトCRPを大量生産することが可能となっ
た。
Description
(以下、「CRP」という)の組換えタンパク質、およ
びその製造方法に関する。本発明は、特に、ヒトCRP
遺伝子を有する新規なプラスミド、このプラスミドで形
質転換された新規な微生物、例えば酵母および該形質転
換体を培養することによるヒトCRPの新規製造方法に
関するものである。
され、しかも特にヒトCRPは純度が非常に高いので、
医薬はもとより診断、臨床検査の技術分野においても、
有利に利用することができる。
反応する血清中のβグロブリン分画に存在するタンパク
質であり、感染、炎症、組織損傷などによって血中濃度
が0.2μg/mlから数百倍から千倍に激増する急性
期タンパク質の一種として知られている。CRPは分子
量が13万で同一ペプチド5個からなり、そのアミノ酸
配列は血清アミロイドのPタンパク質、補体C1の一部
と相同性がある。CRPとC多糖体との複合体は補体の
古典的経路を活性化することが知られている。(生化学
辞典 第2版 第615頁 1990年発行 株式会社
東京化学同人)。また、ヒトのマクロファージを用いた
in vitroの実験でCRPがIL−1を介してマ
クロファージのIL−6産生促進作用を持つことが知ら
れている。よって、CRPは生体内における免疫系にお
いて何らかの重要な機能を果たしていると推測されるも
のの、生体内における実際の機能は未だに不明な点が多
いタンパク質である。
定量は、一元免疫拡散法、毛細管法などCRPを含む被
検血清に抗CRP血清を加える方法で測定されている。
しかし、現在用いられている腹水由来の抗原はCRPと
アミノ酸配列上のホモロジーの高いSAP(Serum
Amyloid P Component)をはじめ
とする血清成分を、抗原として問題のない程度まで精製
除去したものであるが、そのためには多くの精製ステッ
プが必要となり生産コストがかかる。また精製が不十分
で血清成分が混合したようなCRPを抗原として動物に
免疫して得られた抗血清あるいはIgGを用いて血液中
のCRPを測定すると、精製で完全に除去できなかった
SAPをはじめとする血清成分に対する抗体のバックグ
ランドがあって正確に定量することが難しかった。
PとしてSAPをはじめとする血清成分の残存の無い高
純度で安価なCRPの出現が熱望されていた。
よびそれによって形質転換された微生物はよく知られて
いる。例えば、Science,198,1056(1
978)には、プラスミドpBR322にラクトースプ
ロモーターをつないだプラスミドを導入した大腸菌内で
動物タンパク質が生産されることが記載されている。
CRPをコードする遺伝子も開示されている。例えば、
LeiらのJ.Biol.Chem.260,1337
7(1985)および、WooらのJ.Biol.Ch
em.260,13384(1985)により開示され
ている。本報告は、ヒトCRP遺伝子配列を染色体から
と、cDNA(メッセンジャーRNAから逆転写酵素で
DNAに転写した遺伝子)から決定している。大腸菌な
どにおいて組換えタンパク質を発現させることも実際に
行われている(田中俊夫,松尾雄志:臨床化学,23
(supl,2):107b,1994)。
転換される全塩基配列を含むものであり、全CRP遺伝
子をベクタープラスミドに結合し、大腸菌以外の微生物
を宿主細胞とした形質転換体を培養して該タンパクを作
ることを教示していない。
て、血液中のCRP量を定量する場合、その抗体作製に
用いる抗原CRPに微量の血清成分(特にSAP)が残
存すると、得られた抗血清は残存血清成分に対する抗体
も含むことになり、測定値にバックグランドが生じる。
従ってヒト の原料から抗原CRPを調製する限り、血
液中のCRP量を正確に定量できるCRP抗体の調製が
困難であった。
するために鋭意研究を行った結果、遺伝子工学的にCR
Pを調製することによって、生物学的に活性な組換えC
RPを大量に製造することを可能とした。具体的には、
本発明の製造方法は、ヒトCRP遺伝子を用いた遺伝子
工学技術により、ヒトCRPを製造することを特徴とす
る。また、上記本発明の製造方法により製造された、組
換えヒトCRPを提供する。
来の染色体DNAからPCR(Polymerase
Chain Reaction)法を用いて増幅し、こ
れを発現できるプラスミドにクローン化しうること、お
よび該プラスミドで形質転換された酵母が大量のヒトC
RPを生産すること、またこの組換えCRPは天然型と
全く同一のアミノ酸配列を持ち、天然型と同様にカルシ
ウムイオン存在下にホスホリルコリンと結合すること、
ホスホリルコリン固定化カラムを用いたアフィニティ精
製法を用いることで抗原として最適な純度にまで精製さ
れることを見い出したのである。
られた組換えCRPを抗原として免疫し、血清成分と交
差しないCRP抗体が得られることを確認し、遂に本発
明の完成に至ったものである。
CR法で増幅し、ベクタープラスミドに連結した組換え
体プラスミドおよび該組換え体プラスミドで形質転換さ
れた酵母(Saccaromyces cerevisiae)を作製すると同
時に、有用物質のCRPを、充分に活性を保持した状態
で安定に大量に製造し、市場に供給することを要旨とす
る。
iochim.Biophys.Acta.,72,6
19−629(1963)の記載の方法に従い、CRP
遺伝子とプロモーター及びベクターとしての役割を有す
るDNAとをJ.Mol.Biol.96,171−1
84(1974)に記載の方法で制限酵素で消化し、次
いでリガーゼを用いて連結することにより調製できる。
本発明は、その一態様において、発現ベクターが、配列
番号2に示す酵母発現ベクターYRp1Gである。
って発現された組換えタンパク質に由来するものでもよ
いが、病原性の二次感染を考慮すると組換え型が有利で
ある。天然のCRPは、例えばINCSTAR社(米
国)から入手可能である。また、CRPについてはその
遺伝子の全塩基配列が解明されており(Wo P,Ko
renbergJR,Whitehead AS,J.
Biol.Chem、260:13384−1338
8、1985)、また、ヒト以外にも多くの哺乳類に存
在していると考えられ、そのような他の哺乳類に存在す
るタンパク質も本発明の方法に使用できる。CRP遺伝
子は、前記先行技術文献等に基づいて慣用された技術、
例えば、ハイブリダイゼーション法、PCR法等によっ
て得ることができる。
限定されるわけではないが、例えば配列番号1に記載さ
れた206アミノ酸残基のアミノ酸配列をコードする塩
基配列を意味する。
記CRPの生物活性を有する類似体は、本発明の組換え
に含まれる。類似体は、例えば、保存的に置換された配
列を含むことができ、天然のCRPの1個またはそれ以
上のアミノ酸残基は、異なった残基で置き換えられる
が、その保存置換されたCRPは、天然のタンパク質の
場合と本質的に同等の望まれる生物学的活性を保持して
いることが示される。保存置換の例としては、CRPの
二次および/または三次構造を変化させないアミノ酸の
置換がある。当業者は、上述したような公知の遺伝子工
学技術を用いて、例えば、ヒトCRP遺伝子を容易に1
またはそれ以上の塩基配列の欠失、置換または付加を行
い、ヒトCRPの類似体を得ることができる。また、天
然に存在するヒトCRPの類似体、例えばアリルも、本
発明のヒトCRPに含まれる。さらにまた、グリコシル
基、脂質、リン酸塩、アセチル基等のような他の化学残
基との共有結合または凝集結合を形成することによっ
て、ヒトCRPの誘導体を生成するように修飾すること
もできる。
クター、および該発現ベクターで形質転換された宿主細
胞を提供する。いずれかの適当な発現系を用いることも
できる。酵母の発現系が好ましい。発現ベクターは、酵
母等の微生物、哺乳動物、ウイルスまたは昆虫遺伝子に
するものなどの適当な転写または翻訳調節ヌクレオチド
配列に対して機能的に結合した、ヒトCRPをコードす
る遺伝子を含む。調節配列の例としては、転写プロモー
ター、オペレーターまたはエンハンサー、mRNAのリ
ボソーム結合部位、並びに転写および翻訳の開始および
終結を制御する適当な配列が含まれる。ヒトCRPの大
量発現を可能にするために、強力な転写プロモーター配
列を発現ベクターに含ませることが好ましい。また、一
般に、所望の宿主細胞中で複製する能力を与える複製起
点、および形質転換細胞を識別する選択遺伝子を、発現
ベクター中に包含させる。
Biochem.Biophys.Acta,72,6
19−629,1963に記載の方法に従い、ヒトCR
P遺伝子とプロモーター及びベクターとしての役割を有
するDNAとをJ.Mol.Biol.,96,171
−184,1974に記載の方法で、例えばEcoR
I,BamHI等の制限酵素で消化し、次いで、例えば
T4DNAリガーゼ等のリガーゼを用いて結合すること
により調製できる。
は、酵母、原核細胞または高等真核生物細胞がある。酵
母、細菌、真菌および哺乳動物細胞宿主と一緒に用いる
のに適当なクローニングおよび発現ベクターは、例え
ば、Pouwelsら、Cloning Vector
s:A Laboratory Manual,エルセ
ビア、ニューヨーク(1985)に記載されている。
で、特に好ましくは、サッカロマイセス属(例えば、サ
ッカロマイセス・セレビシエ)中で発現させることがで
きる。ピキア属(Pichia)属またはクルイベロミ
セス属(Kluyveromyces)などの酵母の他
の属を用いてもよい。酵母ベクターは、2μ酵母プラス
ミドからの複製起点配列、自己複製配列(ARS)、プ
ロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終
結のための配列および選択可能マーカー遺伝子など用い
ることもできる。
は、特に、メタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸
キナーゼ(PGK)(Hitzemanら、J.Bio
l.Chem.255:2073,1980)、または
エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロ
ゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラ
ーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン
酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピ
ルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホ
スホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼなど
の他の解糖酵素(Hessら、J.Adv.Enzym
e Reg.7:149,1968;およびHolla
ndら、Biochem.17:4900、1978)
のプロモーターが含まれる。酵母発現で用いるための他
の適当なベクターおよびプロモーターは、Hitzem
an,EPA−73,657号で更に記載されている。
また、グルコース抑制性のADH1(Bennetze
nら、J.Biol.Chem.257:3018、1
982)又はADH2(Russellら、J.Bio
l.Chem.258:2674,1982;およびB
eierら、Nature300:724,1982)
を用いることもできる。あるいは、GAL1、GAL1
0(St.Johnら、Cell 16:443,19
79;およびSt.Johnら、J.Mol.Bio
l.152:285,1981)等を用いることもでき
る。さらに、酵母および大腸菌の両方で複製可能なシャ
トルベクターを、大腸菌中での選択および複製のための
pBR322(ATCC37017)からのDNA配列
(Amp耐性遺伝子および複製起点)を上記酵母ベクタ
ー中に挿入することによって構築することもできる。分
泌シグナルとしては、インベルターゼ、酸性フォスファ
ターゼ、性フェロモン(α因子、a因子)、キラー毒素
などが挙げられる。
例えば、配列番号2に示す、酵母のYEp1G(特開平
7−289267号公報)が好ましい。酵母宿主細胞の
代わりに、グラム陰性またはグラム陽性の微生物等の原
核生物、例えば、大腸菌またはバチルス属(Bacil
li)を宿主細胞として用いることができる。形質転換
に適当な原核生物宿主細胞には、例えば、大腸菌、枯草
菌(Bacillus subtilis)、ネズミチ
フス菌(Salmonella typhimuriu
m)、並びにシュードモナス属(Pseudomona
s)、ストレプトミセス属(Streptomyce
s)及びブドウ球菌属(Staphylococcu
s)内の様々な他の種が含まれる。
クターは、概して、1種類またはそれ以上の表現型選択
可能マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺
伝子は、例えば、抗生物質耐性を与えるかまたは独立栄
養要求を与えるタンパク質をコードしている遺伝子であ
る。原核生物宿主細胞に有用な発現ベクターの例として
は、クローニングベクターpBR322(ATCC37
017)などの商業的に入手可能なプラスミドにするも
のがある。他の商業的に入手可能なベクターとしては、
例えば、pKK233−3(Pharmacia Fi
ne Chemicals、ウプサラ、スウェーデン)
およびpGEM1(Promega Biotec、マ
ディソン、WI、米国)がある。
般的に用いられるプロモーター配列としては、β−ラク
タマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター
系(Changら、Nature275:615、19
78;およびGoeddelら、Nature281:
544、1979)、トリプトファン(trp)プロモ
ーター系(Goeddelら、Nucl.Acids
Res.8:4057,1980;およびEPA−36
776号)、T7プロモーター系(Davanloo
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
81:2035,1984)およびtacプロモーター
(Maniatis,MolecularClonin
g:A Laboratory Manual,Col
d Spring Harbor Laborator
y、412頁、1982)がある。また、ファージλP
LプロモーターおよびcI857ts熱不安定性リプレ
ッサー配列を用いることもできる。また、分泌シグナル
ペプチドとしては例えば大腸菌 のアルカリ性ホスファ
ターゼ、外膜タンパク質A、外膜タンパク質F、β−ラ
クタマーゼなどのシグナルペプチドがあげられる。制限
酵素としては、例えばEcoRI、PstIがあげら
れ、リガーゼとしては、例えばT4DNAリガーゼがあ
げられる。
養系もまた、組換えCRPを発現させるのに用いること
ができる。哺乳動物宿主細胞中で用いるための発現ベク
ターは、例えば、オカヤマおよびバーグ(Mol.Ce
ll Biol.3:280,1983)によって開示
されたように構築することができる。
範囲から選択された宿主細胞を用いることができる。当
業者は本明細書の記載に基づいて、適当な宿主細胞を選
択することが可能である。好ましい宿主細胞は、公知の
遺伝子工学技術、交配技術等によって得ることもでき
る。あるいは、天然に得られた突然変異体から、好まし
い宿主細胞を選択することもできる。
を公知技術を用いて形質転換することができる。例え
ば、酵母の形質転換プロトコールは、Hinnenら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA75:
1929、1978に記載されている。形質転換された
宿主細胞は、各宿主細胞に応じ、組換えヒトCRPの発
現に適した条件下で培養される。
ンパク質は、公知の方法によって精製することができ
る。製造されたCRPタンパク質は、宿主細胞を溶菌し
その他の微生物性タンパク質から適当に精製して、ある
いは、ある場合には、CRPタンパク質を分泌している
培養液から精製して回収することができる。例えば、組
換えCRPタンパク質が培養液中に分泌される場合は、
先ず、商業的に入手可能なタンパク質濃縮フィルター、
例えば、AmiconまたはMilliporePel
licon限外濾過装置を用いてその培地を濃縮するこ
とができる。濃縮工程後、その濃縮物をゲル濾過基剤な
どの精製マトリックスに対して適用することができる。
或いは、陰イオン交換樹脂、例えば、ジエチルアミノエ
チル(DEAE)側基を有するマトリックスまたは支持
体を用いることができる。マトリックスは、アクリルア
ミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたはタ
ンパク質精製において一般的に用いられる他の種類であ
り得る。或いは、陽イオン交換工程を用いることができ
る。適当な陽イオン交換体としては、スルホプロピル基
またはカルボキシメチル基を含む種々の不溶性マトリッ
クスがある。最後にCRPタンパク質を更に精製するた
めに、1回またはそれ以上の逆相高速液体クロマトグラ
フィー(RP−HPLC)工程を、疎水性RP−HPL
C基剤(例えば、遊離のメチルまたは他の脂肪族側基を
有するシリカゲル)を用いて、使用することができる。
前述の精製工程のいくつかまたは全てを様々な組み合わ
せを用いて、精製ヒトCRPタンパク質を提供すること
ができる。酵母宿主細胞からの分泌組換えタンパク質
は、例えば、Urdalら(J.Chromatog.
296:171、1984)によって開示されたものと
同様の方法によって精製することができる。CRPタン
パク質が培養物、分離生菌体、分離菌体の処理物、粗蛋
白抽出液、粗製蛋白などのあらゆる段階で採取可能とな
る。その際の精製法としては、通常の蛋白精製法を用い
ることができる。
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)によって他のタンパク質に相当するタンパク質バン
ドが検出できないように精製される。タンパク質バンド
は、銀染色、クマシーブルー染色(タンパク質が放射標
識されている場合)オートラジオグラフィーによって目
視することができる。
ては、ヒトプラセンタの染色体DNAを鋳型としてPC
R法で増幅することができる。この時用いる増幅用のプ
ライマーとしては、ヒトCRP遺伝子の塩基配列に基づ
いて設計した塩基配列である。これを活性の強いプロモ
ーターに接続し、YEp型などの多コピー型のベクター
を用いて、宿主細胞に導入し、形質転換した。
栄養培地の炭素源として、例えばグルコース、シューク
ロース、フルクトース、澱粉加水分解物、糖蜜、亜硫酸
パルプ廃液の糖類、酢酸、乳酸などの有機酸類、さらに
は使用する細菌が資化しうるアルコール類、脂肪酸及び
グリセリンなどが使用でき、窒素源として、例えば硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、
アミノ酸、ペプトン、肉エキス、酵母エキスなどの無機
または有機物が使用できる。さらに無機塩類として、例
えばカリウム、ナトリウム、燐酸、亜鉛、鉄、マグネシ
ウム、マンガン、銅、カルシウム、コバルトなどの各塩
類、必要に応じて微量金属塩、コーン・スティープ・リ
カー、ビタミン類、核酸などを使用してもよく、細菌の
一般的な培地が使用できる。
0〜45℃、好ましくは25〜35℃、最適には30
℃、pHを7.0〜7.4、最適には7.2で好気的に
培養すればよい。
するが、これらは、本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
ベクターの作製 ヒトプラセンタ の染色体DNA〔クローンテック(C
LONTECH)社製〕を鋳型として、次の一本鎖合成
オリゴヌクレオチドである2種のプライマーの組み合わ
せを用いて、「遺伝子工学製品ガイド」(宝酒造株式会
社、1995−1996)の記載に従って、ヒトCRP
遺伝子をPCR法により増幅した。
CAGCTGGGTTT−3' 5'−GGAATTCATGCAGACAGACATG
TCGAGGAAGGCTTTTGTGTTTCCCA
AA−3'
蛋白質の除去を行った。さらにアガロース電気泳動で約
0.64kbのヒトCRP遺伝子の増幅が確認できた。
むEcoRI−PstI切断部位間を、市販の大腸菌ベ
クターpUC18のEcoRI−PstIの切断部位に
挿入して、pUC CRPを構築した。
て、配列番号1に示す塩基配列を有するYRp1G(特
開平7−289267号)を利用した。YRp1G、高
いプロモーター活性を有するGAP(グリセルアルデヒ
ド3リン酸デヒドロゲナーゼ)プロモーターを含む。p
UC CRPのCRP構造遺伝子を含む切断部位間をパ
ン酵母発現ベクター、YRp1Gへ挿入して、発現プラ
スミドYRp1G CRPを作成した。(図1)
い、組換えCRPタンパクの産生を行った。まず、実施
例1で作成した発現ベクターYRp1G CRPを用い
てパン酵母(Saccharomyces cerev
isiae)を形質転換した。該形質転換酵母宿主細胞
を、特開平7−289267号に記載された方法に従
い、16L容量発酵槽において組換えCRPの生産を行
った。その結果、510gの湿菌体が得られた。その菌
体を等量の5mM βメルカプトエタノールと1mM
EDTAを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液に懸濁
し、菌体をダイノミルで破砕し、細胞片を遠心分離によ
って除去することにより無細胞溶解物の粗抽出液を調製
した。
SAを介してトヨパールに固定化したカラムを用いたア
フィニティクロマトグラフィで精製した、精製した組換
えCRPをSDSポリアクリルアミド電気泳動で分析し
たところ、天然型CRPと同一分子量の位置に泳動され
た。さらに組換えCRPを電気泳動したアクリルアミド
ゲルを電気的にPVDF膜に転写し、天然型CRPをウ
サギに免疫して得られた抗体を用いたウエスタンブロッ
ティング法で染色したところ、天然型CRPと同一の位
置に染色された。
ンサーを用いてN末端から10残基シーケンスしたとこ
ろ、天然型の配列と一致した。
の完全アジユバントと共にウサギに免疫して得られた抗
血清をヒト腹水から精製したCRPを、ウサギに免疫し
て得られた抗血清と比較すると、同等のベッカータイタ
ー値を示した。(下記する表1)
(ATAB社製)、正常ヒト血清CA−1(ATAB社
製)、CRP(−)血清、SAPを用いてウエスタンブ
ロッティングで分析すると両者は全く同一の反応性を示
した。
Pタンパク質をコードする遺伝子を発現ベクターに組込
んだものを使用して宿主細胞を形質転換し、当該宿主細
胞によって前述の遺伝子を発現させることにより、CR
Pタンパク質を大量に供給することが可能となった。
まったく同じアミノ酸配列を持ち、これを精製後免疫し
てえられた抗血清は天然型を免疫してえられた抗血清と
まったく同じ反応性を示すため、臨床検査用の試薬とし
て血液中のCRP量を正確に定量するための抗体を調製
するための抗原、あるいはキャリブレーターとして非常
に有用である。
CRPの概略図を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】生物学的に活性な組換えC反応性タンパク
質の製造方法であって、 a)C反応性タンパク質をコードする遺伝子を発現ベク
ターに組み込み; b)前記発現ベクターで宿主細胞を形質転換し;そして c)形質転換した宿主細胞を培養することを特徴とする
前記製造方法。 - 【請求項2】発現ベクターが、酵母発現ベクターYRp
1Gである請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】宿主細胞が、酵母である請求項1ないし2
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
方法により製造された、組換えC反応性タンパク質。
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JP10202894A JP2000014388A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | 組換えcrpおよびその製造方法 |
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