JP2000011985A - 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ - Google Patents

微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ

Info

Publication number
JP2000011985A
JP2000011985A JP10178617A JP17861798A JP2000011985A JP 2000011985 A JP2000011985 A JP 2000011985A JP 10178617 A JP10178617 A JP 10178617A JP 17861798 A JP17861798 A JP 17861798A JP 2000011985 A JP2000011985 A JP 2000011985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
slurry
pulp slurry
fine fibrous
polyolefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10178617A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Yokouchi
秀行 横内
Masahito Tanaka
雅人 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP10178617A priority Critical patent/JP2000011985A/ja
Publication of JP2000011985A publication Critical patent/JP2000011985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保液率及び吸液度も高く、さらに短絡発生率の
改善された電池性能の低下しない良好な電池用セパレー
タを製造するのに好適な微細繊維状パルプスラリーを得
ること。 【解決手段】少なくとも下記の工程を含む電池セパレー
タ用微細繊維状パルプスラリーの調成方法。 工程1.ポリオレフィンパルプを水に懸濁させ、スラリ
ー状パルプとする工程。 工程2.微細化処理前または後にノニオン系界面活性剤
を添加し、スラリー状パルプを微細化し、微細繊維状パ
ルプスラリー(I)を得る工程。 工程3.微細繊維状パルプスラリー(I)を脱水し、水分
濃縮固形物を得る工程。 工程4.水分濃縮固形物を離解再分散し、微細繊維状パ
ルプスラリー(II)を得る工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ電池用セパ
レータに関し、特にニッケルカドミウム電池、ニッケル
水素電池、ニッケル亜鉛電池などのアルカリ二次電池用
の電池セパレータに用いられる微細繊維状パルプスラリ
ーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セ
パレータに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、各種の一次電池や二次電池及び燃
料電池等がポータブル機器用、移動用、据置用、予備用
等の電源として、さらには独立電源として利用されてい
る。これらの電池を構成要素に分けると、大部分の電池
は、正極、負極、電解質、セパレータ、容器などから成
り立っている。電池の特性を優れたものにするために電
極の果たす役割が大きいことは勿論であり、正極、負極
の改良はもちろん必要であるが、セパレータの果たす役
割も見過すことはできない。
【0003】電池におけるセパレータの重要な役割と
は、第一に正極と負極を隔離して電気的な短絡を防止す
ることであり、第二に電解液中のイオンの通過を妨げな
いことである。ところで本発明の対象とするアルカリ電
池では、電解液が強アルカリであることから、耐アルカ
リ性のある素材でなければならない。耐アルカリ性と親
水性を兼備するポリアミドから成る不織布や織布が最も
よく用いられているが、ポリアミドは常温での耐アルカ
リ性はあるものの、高温及び長期にわたる耐アルカリ性
は劣っている。そのために長期使用がなされる二次電池
においては、強度の低下による短絡が発生することがあ
り、その対策が求められていた。もちろん天然繊維、セ
ルロース系繊維ではこのような傾向はさらに顕著であ
る。
【0004】そこで、ポリアミドより更に耐アルカリ性
のあるオレフィン系樹脂、特にポリエチレンやポリプロ
ピレンを材料とする不織布や織布の検討がなされてい
る。これらのセパレータは高温度下での使用や長期にわ
たる使用でも強度が低下せず、電池長寿命化のためのセ
パレータとしては好ましいといえる。ところがこれらポ
リエチレンやポリプロピレン製のセパレータは、アルカ
リ電解液との親和性が極端に悪く、またその保持性も悪
いという問題を有している。
【0005】このような点を克服し、セパレータとして
使用できるよう特公平6−101323号公報などに開
示されているようなポリオレフィン樹脂にスルホン基を
導入する方法、特表昭63−503074号公報、特表
平6−505756号公報に開示されているようなUV
照射によってビニル単量体をグラフト重合させる方法な
ど、種々の処理方法が提案されている。
【0006】一方、最近の電池の高容量化に対応するた
めにセパレータの薄物化に対する要望が強くなってき
た。しかしオレフィン系樹脂、特にポリエチレンやポリ
プロピレンを材料とする従来のカード法、スパンボンド
法などの乾式不織布や織布では薄物化が難しいため、薄
物セパレータ基材としての利用可能性のある湿式不織布
の検討が行われている。
【0007】アルカリ電池セパレータ用湿式不織布に用
いられるポリオレフィン系繊維としては、繊維径が1〜
30μmまでのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプ
ロピレンとポリエチレンとの共重合体などによる短繊維
からなるサイドバイサイド型、芯鞘型の複合繊維や分割
繊維があげられるが、細径短繊維のみでは薄物化が難し
く、また分割繊維を用いる場合はシート化後繊維分割の
ための水流交絡処理等により地合不良が生じるなどの問
題点を有している。そこで本発明者らは特願平9−33
9485号において、繊維状ポリオレフィンパルプとオ
レフィン短繊維による薄物で地合の優れたアルカリ電池
用セパレータ基材としての湿式不織布を開発するに至っ
た。
【0008】通常繊維状ポリオレフィンパルプは、脱水
され約15%以上にまで固形分濃度を上げた製品として
供給される。セパレータをこの材料を使用して湿式抄紙
法で抄造する場合、このように約15%以上にまで固形
分濃度を上げた製品は水への再分散性が非常に劣り、パ
ルパー、リファイナ等による再離解を行っても、十分な
分散状態とはならない。その結果抄造後に異物として未
離解物が残留し、地合不良に伴い短絡率悪化や親水化処
理の不均一化等の製品品質低下を引き起こす。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セパレータ
用湿式不織布製造時に微細繊維化したポリオレフィンパ
ルプを使用する際、微細繊維状ポリオレフィンパルプの
再分散性を改善することによりこれらの問題を解決する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1の
発明は、少なくとも下記の工程を含む電池セパレータ用
微細繊維状パルプスラリーの調成方法に関するものであ
る。 工程1.ポリオレフィンパルプを水に懸濁させ、パルプ
スラリーとする工程。 工程2.微細化処理前または後にノニオン系界面活性剤
を添加し、スラリー状ポリオレフィンパルプを微細化
し、微細繊維状パルプスラリー(I)を得る工程。 工程3.微細繊維状パルプスラリー(I)を脱水し、水分
濃縮固形物を得る工程。 工程4.水分濃縮固形物を離解再分散し、微細繊維状パ
ルプスラリー(II)を得る工程。 本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、ノニ
オン系界面活性剤をポリオレフインパルプに対して0.
1〜10重量%添加する微細繊維状パルプスラリーの調
成方法に関するものである。本発明の第3の発明は、上
記第1又は第2の発明において、ノニオン系界面活性剤
がポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである
微細繊維状パルプスラリーの調成方法に関するものであ
る。本発明の第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか
の発明における方法で調成された微細繊維状パルプスラ
リーのパルプ10〜60重量%とポリオレフィン系繊維
90〜40重量%からなる不織布に、親水化処理がほど
こされている電池用セパレータに関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の微細繊維状パルプスラリ
ーは、つぎの方法で得ることができる。先ず原料のポリ
オレフィンパルプを水に懸濁させる。スラリーのパルプ
濃度は0.5〜5重量%が好ましい。懸濁が不安定であ
ると次の微細化に支障をきたすので、ポリオレフィンパ
ルプを適当に細断又は粉砕するのも良いし、スラリーを
ホモジナイジングの状態にして微細化工程に入るのも良
い。このポリオレフィンパルプのスラリーを少なくとも
300kg/cm2の圧力差で高速で小径オリフィスを
通過させ、器壁に衝突させて急速に減速させることによ
り、ポリオレフィンパルプに強い剪断力を与える。この
操作を繰り返し行ってパルプを微細化し、ポリオレフィ
ンパルプスラリーを微細繊維状パルプスラリー(I)とす
る。
【0012】小径オリフィス通過時の圧力差は大きい程
好ましいが、実用性を勘案し、300kg/cm2〜1
000kg/cm2が適当である。また高速で小径オリ
フィスを通過させ、器壁に衝突させる回数は多い程好ま
しいが、2〜40回程度が適当である。また小径オリフ
ィス以外にも叩解機により、微細繊維状パルプスラリー
(I)を得ることもできる。叩解機としては、通常用いら
れるダブルディスクレファイナーやシングルディスクレ
ファイナー、円筒型レファイナー等を用いることができ
る。この微細繊維状パルプスラリー(I)を得る工程で、
パルプの微細化処理の前あるいは後においてノニオン系
界面活性剤を繊維重量に対して0.1〜10重量%添加
する。次に得られた微細繊維状パルプスラリー(I)を脱
水して、水分60〜98重量%の水分濃縮固形物とす
る。脱水方法は特に限定されないが、フィルタープレ
ス、遠心脱液などが採用できる。この湿潤状態の水分濃
縮固形物を離解再分散し、微細繊維状パルプスラリー(I
I) を得る。なお以下の説明において、本発明の微細繊
維状パルプスラリー(II)中のパルプを「本発明の微細繊
維状パルプ」という。
【0013】ポリオレフィンパルプ原料のオレフィン樹
脂の種類としては、エチレン、プロピレンなどがあり、
原料オレフィンパルプとしては、たとえば三井石油化学
(株)製の「SWPE−400」(ポリエチレン繊
維)、同「SWPY−600」(ポリプロピレン繊維)
などの商品名で市販されているものを使用することがで
きる。またオレフィン樹脂の種類、グレードを1種類に
限定する必要はない。分散媒は水が基本であるが、親水
性の有機溶媒、たとえば1価アルコール類、多価アルコ
ール類、ケトン類などと水との混合物でも良い。
【0014】本発明で使用するパルプの微細化装置とし
ては、高圧ホモジナイザーが有効である。高圧ホモジナ
イザーとしては、たとえば「MANTON−GAULI
N」(商標)ホモジナイザーとして市販されているもの
が挙げられる。この装置は高圧ポンプ、高圧ポンプから
被処理液を高圧で吐出する弁装置、吐出液が衝突する弁
座装置及び処理液の高圧ポンプ吸入側への循環流路を備
えている。この種の装置と、その作動については公知の
文献、たとえばケミカル・エンジニアリング(Chem
ical Engineering,13(5),86
−92.1976)に記載されている。
【0015】本発明の微細繊維状パルプは、水に分散さ
せた状態で顕微鏡観察した時の平均繊維径が0.1μm
〜10μmの範囲にあり、繊維径の50〜2000倍以
上の長さを持つポリオレフィン繊維が結束しないで全体
として乱雑な方向で存在しているパルプである。繊維長
はKAJAANI社のFS−200型の装置による方法
で測定し、重量平均繊維長は100μm〜1000μm
の範囲が好ましい。またカナディアン−フリーネス値
は、水への分散安定性と濾過性能の指標であり、その測
定法はJIS P8121−1976によるものであ
り、100〜500mlである。
【0016】本発明にはノニオン系界面活性剤が用いら
れる。本発明は電池用セパレータに関するものであり、
酸化還元にかかわるものは電池性能の低下をまねくおそ
れがあるので避けなければならない。従ってカチオン
系、アニオン系の界面活性剤を用いることは出来ない。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤を例示する
と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、オキシエチレン-オキシプ
ロピレンブロックポリマー、ソルビタン(モノ、ジ、ト
リ)アルキレート、ポリオキシエチレンソルビタン(モ
ノ、ジ、トリ)アルキレート、グリセロールアルキレー
ト、グリセライドアルキレン、ポリオキシエチレングリ
コールアルキレート、ポリオキシエチレンアルキレー
ト、ポリオキシエチレンアルキルアミン等があげられる
が本発明者らの検討の結果本発明で使用するポリオレフ
ィン繊維との親和性の理由からポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルが好ましい。ノニオン系界面活性
剤のパルプに対する添加量は0.1〜10重量%が好ま
しい。0.1重量%に満たないと微細繊維状パルプの再
分散性が劣り、逆に10重量%を超えると界面活性剤過
剰により泡が多発し地合不良を引き起こすため、いずれ
も好ましくない。
【0017】本発明の電池用セパレータは、ポリオレフ
ィン系繊維を構造体として使用し、分散性を改善した本
発明の微細繊維状パルプを特定量目止めに使用するとい
う構成を基本とし、それによって均一な地合い、十分な
機械的強度を満たし、微細繊維状ポリオレフィンパルプ
未離解物による品質低下を抑えたセパレータを得るもの
である。
【0018】ポリオレフィン系繊維としては、特に限定
はしないが、長さ0.5〜30mmに断裁された繊維径
が1〜30μmまでのポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレンとプロピレンとの共重合体、またはこれらを主
とて含む樹脂からなるサイドバイサイド型、芯鞘型の複
合繊維などが好ましい。
【0019】本発明のアルカリ電池用セパレータはポリ
オレフィン系繊維と本発明の微細繊維状パルプの合計重
量を100として、ポリオレフィン系繊維がシート中に
40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%使用さ
れる。また本発明の微細繊維状パルプは10〜60重量
%、好ましくは20〜50重量%使用される。本発明の
アルカリ電池用セパレータは、上記の両ポリオレフィン
成分以外の繊維として、更に用途に応じて全く異種の繊
維原料、たとえばアラミド繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、セルロース繊維等を混合しても良い。
【0020】湿式抄紙法は、生産速度が乾式抄紙法に比
べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類
の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。また繊維
の形態も、ステープル状、パルプ状等と選択の幅は広
く、使用可能な繊維径も7μm以下の極細繊維から太い
繊維まで使用可能で、他の方法と比べ極めて良好な地合
のウェブが得られる方法である。
【0021】本発明の電池用セパレータの製造方法も通
常の製紙に用いられる湿式抄造方法が用いられる。すな
わち、本発明の微細繊維状パルプの規定量と前記の長さ
に断裁したポリオレフィン系繊維の規定量を水中でそれ
ぞれ独立にか、もしくは混合して分散し、好ましくは固
形分濃度0.5重量%以下になるよう濃度調整したスラ
リーを長網式、円網式等の湿式抄紙機に適用し、連続し
たワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水し、その後ド
ライヤーで乾燥してシートを得る方法が用いられる。そ
の際得られたシートを構成するポリオレフイン系繊維同
士を熱融着させ、シート全体の強度を大幅に向上させる
ために、抄造装置ドライヤーの加熱温度の利用や熱カレ
ンダー等の加熱圧着装置を用いて交絡した繊維同士を接
合することが必要である。
【0022】本発明の電池用セパレータは、湿式抄紙さ
れた湿式不織布の段階で、親水化処理される。親水化処
理する方法については特に限定されず、例えば特公平6
−101323号公報などに開示されているようなポリ
オレフィンシートにスルホン基を導入する方法、特表昭
63−503074号公報及び特表平6−505756
号公報などに開示されているようなUV照射下にビニル
単量体をグラフト重合させる方法、特開平8−3139
9号公報に開示されているような高周波グロー放電によ
る親水化処理などが挙げられる。
【0023】また、特開平6−36753号公報に開示
の変性ポリビニルアルコール、特開平8−273748
号に開示されているエポキシ変性ポリビニルアルコー
ル、特開平4−233158号に開示されているエチレ
ン−不飽和カルボン酸にZnを導入したアイオノマー、特
開平6−187962に開示されているアクリルニトリ
ル−スチレン共重合体にカルボキシル基を導入、特開平
6−187963号に開示されているスルホン基含有塩
素化ポリオレフィンとカルボン酸共重合体、特開平7−
192715号に開示されているエチレン−アクリル酸
共重合体と酸素ガス、特開平6−338308号に開示
されているスチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共
重合体、特開平7−122256号に開示されているエ
チレン−ビニルアルコールとアクリル酸グラフト重合
体、または界面活性剤、コロイド状の酸化チタンゾル、
酸化ジルコニウムゾル、微粉末の酸化チタンとラテック
スからなるペースト状物などをオレフィン系樹脂の不織
布や織布に含浸、コーティングする方法などがある。
【0024】電池セパレータ用のシートには均一な地合
い、目付を有し、十分な機械的強度を保ちながら、更に
均一な孔径と分布のコントロールが要求されるが、良好
な耐アルカリ性、耐酸化性を有するポリオレフィン系繊
維は、疎水性が強く、保水性が非常に劣るため、湿式抄
紙機を使って均一な地合い、目付を得ることが非常に難
しい。また細繊度の繊維を多く使用しシート化を検討し
ても、均一な地合い、目付のものを得ることはできるも
のの、電池用セパレータとして十分な機械的強度が得ら
れない。本発明によれば、電池用セパレータに要求され
る前記特性を兼備したシートが提供される。
【0025】更に電池の高容量化に即して、セパレータ
の薄物化が要求されているが、その要求に応えるために
は、厚さをコントロールする方法としてスーパーカレン
ダー、グロスカレンダー、チルドカレンダーなどを採用
することができる。熱をかけても良い。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 ポリオレフィンパルプとして、SWPY−600(ポリ
プロピレン繊維:三井石油化学(株)製)を濃度1%と
なるように水中に分散し、次いでホモジナイザー(M
8)を使用して、500kg/cm2×5パス処理し、
重量平均繊維長0.89mm、平均繊維径0.35μ
m、カナディアンフリーネス400mlの微細繊維状パ
ルプスラリー(I)を得た。このスラリーに対してポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルを繊維重量に対
し2重量%添加した後、遠心脱水装置で固形分濃度20
%に脱水し、水分濃縮固形物を得た。次にこの湿潤状態
のパルプを濃度1%となるようにパルパーにより分散
し、微細繊維状パルプスラリー(II)を得た(分散液Aと
する)。次に水1000gにポリプロピレンチョップ5
g及びポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘繊維5gを計
量し、分散濃度1%で分散し、ポリオレフィン系繊維ス
ラリーを得た(分散液Bとする)。
【0028】分散液A:分散液B=1:1の割合で分取
し、さらに水で10倍に希釈し、密度0.25g/cm
3、目付40g/m2の湿式不織布シ−トを手漉きした。
得られたシートをドラムドライヤで乾燥し、電池セパレ
ータ基材を得た。次にこの電池セパレータ基材をN2 ガ
スを使用したバッチ式の大気圧プラズマ表面処理装置
(高周波パルス電源:150W,5KHZ,ハイデン研
究所製)によって平行平板電極の間隔を5mmに調節
し、その間にサンプルを鋏み、照射時間を10secと
してプラズマ照射を行って親水化処理し、電池用セパレ
ータを得た。
【0029】実施例2 ポリオレフィンパルプとして、SWPE−400(ポリ
エチレン繊維:三井石油化学(株)製)を濃度1%とな
るように水中に分散し、さらにポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルを繊維重量分に対して1重量%添
加した後、ホモジナイザー(M8)を使用して、500
kg/cm2×5パス処理した。重量平均繊維長0.8
0mm、平均繊維径0.30μm、カナディアンフリー
ネス350mlの微細繊維状パルプのスラリー(I)を得
た。このスラリーを遠心脱水装置で固形分濃度20%に
脱水し、水分濃縮固形物を得た。次にこの湿潤状態のパ
ルプを濃度1%となるようにパルパーにより分散し、微
細繊維状パルプスラリー(II)を得た(分散液Aとす
る)。次に水1000gにポリプロピレンチョップ5g
及びポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘繊維5gを計量
し、分散濃度1%で分散し、ポリオレフィン系繊維スラ
リーを得た(分散液Bとする)。
【0030】分散液A:分散液B=1:1の割合で分取
し、さらに水で10倍に希釈し、密度0.25g/cm
3、目付40g/m2の湿式不織布シ−トを手漉きした。
得られたシートをドラムドライヤで乾燥し、電池セパレ
ータ基材を得た。アクリル酸63重量%、トリアリルイ
ソシアヌレート5重量%、光重合開始剤である1−(4
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン(商品名:ダラカー1116、メ
ルク社製)5重量%、水27重量%の溶液を上記基材に
含浸し、次に500Wの中圧水銀UVランプ(ハノヴィ
ア・タイプUVS500)の照射下を通過させて光重合
した。照射後、メタノール中、及び水中で洗浄し、未反
応モノマー、光重合開始剤を除去した後乾燥して、電池
用セパレータを得た。
【0031】比較例1 実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルを添加せずに遠心脱水装置で脱水する以外は
実施例1と同様にして電池用セパレータを得た。
【0032】比較例2 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルを添加せずに遠心脱水装置で脱水する以外は
実施例2と同様にして電池用セパレータを得た。
【0033】以上得られた4種類の電池用セパレータを
下記の評価項目について以下の試験方法にて評価した。
結果を表1に示す。試験方法 (1)保液率:10cm×10cmのサンプルを採取
し、小数点以下4桁まで秤量する(W1 )。次に、30
%KOH中に浸漬し、2分後サンプルを引き上げ、1分
間液体を切り、重量を測定する(W2 )。 保液率(%)=〔(W2 −W1 )/W1 〕×100 (2)吸液度:サンプルをロール方向に幅20mm×長
さ150mmを採取する。このサンプルを35%KOH
中に端から5mmまで浸し、30分後の電解液上昇距離
を読み取った。 (3)自己放電による容量低下の測定:実施例及び比較
例記載の方法で得られた電池用セパレータと、正極にペ
ースト式Ni極、負極にペースト式MH極及びアルカリ
電解液を用いて、容量2300mAHのサブCサイズ密
閉型ニッケル水素電池を10個作製し、0.1Cで12
0%充電し、45℃で2週間後のそれぞれの容量保持率
(%)を測定し、各セパレータの性能評価を行った。 (4)短絡率:上記試験(3)において作製したサブC
サイズ密閉型ニッケル水素電池10個中での短絡発生率
を示した。 (5)異物(凝集物)の個数の計測:同様にして作成し
た電池用セパレータを、蛍光燈を裏面より透視し、表面
より観察し、0.3mm2以上の異物(凝集物)の個数をカウ
ントし、その個数をm2当たりに換算した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】湿式不織布製造時に微細繊維化したポリ
オレフィンパルプを使用する際、微細繊維化ポリオレフ
ィンの再分散性を改善することによりシートに異物(凝
集物)が少なくなるとともに、地合い不良および親水化
処理の不均一化などの問題を解決するものである上記の
如く構成された本発明に係るセパレータは、保液率及び
吸液度も高く、さらに短絡発生率の改善された電池性能
の低下ない良好な電池用セパレータとして使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 5/00 Z Fターム(参考) 4L055 AF16 AF17 AF44 AF46 AF47 AG34 AG65 AG71 AG89 AH29 BB03 BE10 EA04 EA32 FA09 GA39 GA50 5H021 BB13 CC01 CC02 EE04 EE11 EE34 HH01 5H028 AA02 BB02 BB06 EE06 EE08 EE09 HH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記の工程を含む電池セパレー
    タ用微細繊維状パルプスラリーの調成方法。 工程1.ポリオレフィンパルプを水に懸濁させ、パルプ
    スラリーとする工程。 工程2.微細化処理前または後にノニオン系界面活性剤
    を添加し、スラリー状パルプを微細化し、微細繊維状パ
    ルプスラリー(I)を得る工程。 工程3.微細繊維状パルプスラリー(I)を脱水し、水分
    濃縮固形物を得る工程。 工程4.水分濃縮固形物を離解再分散し、微細繊維状パ
    ルプスラリー(II)を得る工程。
  2. 【請求項2】前記ノニオン系界面活性剤をポリオレフイ
    ンパルプに対して0.1〜10重量%添加する請求項1
    に記載の微細繊維状パルプスラリーの調成方法。
  3. 【請求項3】前記ノニオン系界面活性剤がポリオキシエ
    チレンアルキルフェニルエーテルである請求項1又は2
    に記載の微細繊維状パルプスラリーの調成方法。
  4. 【請求項4】前記請求項1〜3のいずれかの方法で調成
    された微細繊維状パルプスラリーのパルプ10〜60重
    量%とポリオレフィン系繊維90〜40重量%からなる
    不織布に、親水化処理がほどこされている電池用セパレ
    ータ。
JP10178617A 1998-06-25 1998-06-25 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ Pending JP2000011985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10178617A JP2000011985A (ja) 1998-06-25 1998-06-25 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10178617A JP2000011985A (ja) 1998-06-25 1998-06-25 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000011985A true JP2000011985A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16051588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10178617A Pending JP2000011985A (ja) 1998-06-25 1998-06-25 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000011985A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018502232A (ja) * 2014-11-20 2018-01-25 サン−ゴバン プラコ ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ 改善された固定強度を有する構造パネル
JP2020066830A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 オリベスト株式会社 疎水性ナノファイバーを含有してなる低密度化繊維紙

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018502232A (ja) * 2014-11-20 2018-01-25 サン−ゴバン プラコ ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ 改善された固定強度を有する構造パネル
JP2020066830A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 オリベスト株式会社 疎水性ナノファイバーを含有してなる低密度化繊維紙
JP7252435B2 (ja) 2018-10-24 2023-04-05 オリベスト株式会社 疎水性ナノファイバーを含有してなる低密度化繊維紙の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101702693B1 (ko) 리튬 2 차 전지용 기재 및 리튬 2 차 전지용 세퍼레이터
CN101573810B (zh) 碱电池用分隔件、其制造方法以及电池
US4205122A (en) Battery separator and method for battery separation
US4529677A (en) Battery separator material
US4330602A (en) Battery separator
JP5613063B2 (ja) リチウム二次電池用セパレータ
CN101523639B (zh) 碱性电池用隔离膜、其制造方法及碱性电池
US5298348A (en) Battery separator for nickel/metal hydride batteries
JPH056305B2 (ja)
JP5846449B2 (ja) 電池用セパレータの製造方法及び電池用セパレータ
WO2001093350A1 (fr) Separateur pour dispositif electrochimique, procede de production de ce dernier et dispositif electrochimique
US5436094A (en) Bulky synthetic pulp sheet useful as a separator for sealed lead batteries and process for preparing the same
JP2021503169A (ja) 制御された細孔径を有するアルカリ電池セパレーター
JP2000011985A (ja) 微細繊維状パルプスラリーの調成方法および該スラリーからつくられた電池用セパレータ
CN107326722A (zh) 一种锂电池隔膜纸的制备方法
JPH11219693A (ja) 電池用セパレータ
JP3678680B2 (ja) 電池用セパレータ
JP2012195162A (ja) リチウム二次電池用基材及びリチウム二次電池用セパレータ
JP2008262809A (ja) アルカリ二次電池用セパレータ
JP2960284B2 (ja) 電池セパレータおよびその製造方法
JP3372321B2 (ja) アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法
JP2001300225A (ja) フィルター材及びその製造方法
JP2003031200A (ja) セパレータ材料とその製造方法およびこれを組み込んだ電池
JP2003059482A (ja) セパレータ材料とその製造方法および電池
JP3372346B2 (ja) アルカリ電池セパレータ用不織布及びその製造方法