JP2000010025A - 望遠光学装置 - Google Patents

望遠光学装置

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JP2000010025A
JP2000010025A JP10174455A JP17445598A JP2000010025A JP 2000010025 A JP2000010025 A JP 2000010025A JP 10174455 A JP10174455 A JP 10174455A JP 17445598 A JP17445598 A JP 17445598A JP 2000010025 A JP2000010025 A JP 2000010025A
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lens system
diopter
eyepiece
lens
objective lens
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JP10174455A
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Masato Kato
正人 加藤
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカスを合わせた後にズーム操作を行っ
た際にフォーカスのずれのない望遠光学装置を提供す
る。 【解決手段】 対物レンズ系1と、第1、第2、第3レ
ンズ群31、32、33を有して第1、第2レンズ群3
1、32の移動によって変倍を行う接眼レンズ系2とを
備えたズーム双眼鏡において、第3レンズ群33を所定
位置に配した変倍時に接眼レンズ系2の前側焦点位置2
a’が一定であるように第1、第2レンズ群31、32
の関係を設定して構成するとともに、該前側焦点位置2
a’と、無限遠にある観察対象の対物レンズ系1による
結像位置1aとを突起部12aとクリックバネ15によ
り一致させた状態で、第3レンズ群33をねじ部36a
で移動して視度を調節できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はズーム機能を有した
双眼鏡や単眼鏡などの望遠光学装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のズーム機能を有する望遠光学装置
において、単眼鏡の場合に、視度を補正する視度補正機
構は特に設けられておらず、鏡筒の接眼レンズ系を覗き
ながら観察対象のフォーカシング操作を行うと、観察者
の視度を含んでピントが合わせられる。
【0003】ズーム機能を有するズーム双眼鏡の場合
は、視度を補正する視度補正機構は左右の鏡筒の一方に
形成されている。視度補正操作は例えば左側に視度補正
機構が設けられている場合には、右側の鏡筒の接眼レン
ズ系を覗きながら観察対象のフォーカシング操作を行
う。この時に観察者の視度を含んでフォーカシングが行
われている。その後、左側の鏡筒に設けられた視度補正
機構によって右目との視度の差を調節するようになって
いる。
【0004】そして、上記単眼鏡及び上記双眼鏡におい
てズーム操作を行う際には第1、第2、第3レンズ群か
ら成る接眼レンズ系の第1、第2レンズ群間の距離を変
化させることでズームが行われるようになっている。
【0005】このような望遠光学装置のフォーカシング
が行われた状態の概略図を図1に示す。図1の(a)
は、視度が0ディオプタ(視度は距離の逆数で表し、単
位ディオプタは1/mと同じ)の人が見たフォーカシン
グ状態であり、図1の(b)は、視度が負(近視)の人
が見たフォーカシング状態である。feは接眼レンズ系
2の焦点距離を表している。なお、接眼レンズ系2には
前述の第1、第2、第3レンズ群が含まれている。
【0006】これらの図によると、視度が0ディオプタ
の観察者の時は対物レンズ系1の結像位置1aと接眼レ
ンズ系2の観察対象側の焦点位置(以下、「前側焦点位
置」という。)2aとが一致した時にピントがあってい
る。視度が負の観察者の場合は、対物レンズ系1の結像
位置1aに対して接眼レンズ系2の前側焦点位置2aが
ずれ量dだけずれた時にピントがあっている。このずれ
量dは、 d=D・fe2 ・・・(1) d (m):ずれ量 D (ディオプタ):視度 fe(m):接眼レンズ系の前側焦点距離 という近似式で表される。
【0007】ここで対物レンズ系1の結像位置1aが複
数のレンズ群から成る接眼レンズ系2の内部にある場
合、対物レンズ系1からの光は接眼レンズ系2によって
屈折されるので実際の結像位置は本来の位置と異なる。
上記ずれ量dにおける対物レンズ系1の結像位置1aと
は接眼レンズ系2による光の屈折を含まない位置を指し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な単眼鏡及びズーム双眼鏡においてフォーカシング後ズ
ーム操作を行うと、第1、第2レンズ群が移動して接眼
レンズ系2の前側焦点位置2aが移動してピントがずれ
ることになり、それに応じて再度フォーカシング操作が
必要になって操作を煩雑にしていた。
【0009】また、ズーム時に接眼レンズ系2の前側焦
点位置2aが移動しないようにズーム用レンズ群(第
1、第2レンズ群)を移動させるようにすることができ
る。このようにすると、視度が0ディオプタの人にとっ
てはピントをずれないようにすることができる。しか
し、ズームによって接眼レンズ系2の焦点距離feが変
化するために視度が0ディオプタ以外の観察者の場合
は、ズーム前後で上述の近似式(1)で求められるピン
トの合うずれ量dが変化する。
【0010】対物レンズ系1の結像位置1a及び前側焦
点位置2aはズーム操作前後で変化しないのでズーム操
作前のずれ量になっており、ズーム操作後のピントの合
うべきずれ量dと異なることになり、この場合において
もズームを行う度にフォーカシング操作が必要になって
操作が煩雑になっていた。
【0011】第1、第2レンズ群を接眼レンズ系2の前
側焦点位置2aが移動しないような関係に設定した場合
におけるズーム時のピントのずれは、観察者の視度補正
が対物レンズ系1の移動によるフォーカシングによって
同時に行われてずれ量dが発生し、このずれ量dが一定
であるのに対して、ズーム位置によってピントの合うた
めに必要なずれ量が変化するために生じるものである。
【0012】本発明は、あらゆる視度の観察者に対して
ズーム操作によってピントがずれないようにし、操作性
に優れた望遠光学装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、1つの対物レンズ系と、第1、第
2、第3レンズ群を有して第1、第2レンズ群の移動に
よって変倍を行う1つの接眼レンズ系とを備えた望遠光
学装置において、第3レンズ群を所定位置に配した変倍
時に前記接眼レンズ系の観察対象側の焦点位置が一定で
あるように第1、第2レンズ群の関係を設定して構成す
るとともに、第3レンズ群を移動して視度を調節できる
ようにしたことを特徴としている。
【0014】この構成によると、第3レンズ群を所定位
置に配したときの接眼レンズ系の観察対象側の焦点位置
と、観察対象の対物レンズ系による結像位置とが一致し
た状態の時にピントが合うように、第3レンズ群を移動
させて観察者の視度に合わせて焦点が調節される。該焦
点位置は変倍に際して変化しないように第1、第2レン
ズ群が移動されるように構成されているので、該焦点位
置と前記結像位置とは変倍しても一致している。そし
て、視度調節によって変化した接眼レンズ系の観察対象
側の焦点位置と前記結像位置とは所望の距離だけ離れて
いる。ここで対物レンズ系による結像位置とは接眼レン
ズ系による光の屈折を含まない位置を指している。
【0015】また請求項2の発明は、請求項1に記載の
望遠光学装置において、前記焦点位置と前記対物レンズ
系による結像位置との相対的な距離を調整するフォーカ
シング手段と、前記フォーカシング手段によって前記焦
点位置と所定距離にある観察対象の前記対物レンズ系に
よる結像位置とが一致した状態にあることを観察者に告
知する告知手段とを備えたことを特徴としている。この
構成によると、第3レンズ群を所定位置に配したときの
接眼レンズ系の観察対象側の焦点位置と、所定距離にあ
る観察対象の対物レンズ系による結像位置とがフォーカ
シング手段によって一致されたときに、告知手段によっ
て観察者に告知され、この状態で第3レンズ群を移動さ
せて前記所定距離の観察対象にピントを合わせることに
よって、観察者の視度に合わせて焦点が調節される。こ
こで対物レンズ系による結像位置とは接眼レンズ系によ
る光の屈折を含まない位置を指している。
【0016】また請求項3の発明は、請求項2に記載の
望遠光学装置において、前記所定距離は無限遠であるこ
とを特徴としている。この構成によると、この構成によ
ると、第3レンズ群を所定位置に配したときの接眼レン
ズ系の観察対象側の焦点位置と、無限遠にある観察対象
の対物レンズ系による結像位置とがフォーカシング手段
によって一致されたときに、告知手段によって観察者に
告知され、この状態で第3レンズ群を移動させて無限遠
の観察対象にピントを合わせることによって、観察者の
視度に合わせて焦点が調節される。ここで対物レンズ系
による結像位置とは接眼レンズ系による光の屈折を含ま
ない位置を指している。
【0017】また請求項4の発明は、請求項1乃至請求
項3のいづれかに記載の望遠光学装置において、前記対
物レンズ系及び前記接眼レンズ系を左右1対備えて双眼
鏡として構成され、左右の第3レンズ群の移動により個
別に左右の視度を調整するようにしたことを特徴として
いる。
【0018】この構成によると、第3レンズ群を所定位
置に配したときの接眼レンズ系の観察対象側の焦点位置
と、観察対象の対物レンズ系による結像位置とが一致し
た状態の時にピントが合うように、第3レンズ群を移動
させて観察者の左右の視度に合わせて独立して焦点が調
節される。該焦点位置は変倍に際して変化しないように
第1、第2レンズ群が移動されるように構成されている
ので、該焦点位置と前記結像位置とは変倍しても一致し
ている。そして、左右の視度調節によって変化した接眼
レンズ系の観察対象側の焦点位置と前記結像位置とはそ
れぞれ所望の距離だけ離れている。ここで対物レンズ系
による結像位置とは接眼レンズ系による光の屈折を含ま
ない位置を指している。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明にかかる望遠光学装置の実
施形態を図を参照して説明する。図2はズーム双眼鏡の
構成を示す概略上面図である。2つの鏡筒内の構成はほ
ぼ同一であるので、一方の鏡筒について示している。同
図によると、フォーカス操作を行う回転可能なフォーカ
スリング14には同軸で回転する駆動軸13が固着さ
れ、駆動軸13に形成されたネジ部13aとナット12
とが噛合する。ナット12の一端には突起部12aが設
けられて鏡筒(不図示)に固定されたクリックバネ15
と係合するようになっており、ナット12が所定位置に
くるとクリックされる。
【0020】ナット12の他端には対物レンズ系1が保
持されたレンズ枠11が取り付けられており、フォーカ
スリング14の回転によって対物レンズ系1が移動して
フォーカシングが行われるようになっている。対物レン
ズ系1の観察者側にはポロプリズム20が設置されてお
り、図4に示すように2つの三角柱形のプリズムを組み
合わせて構成され、正立像が得られるようになってい
る。ポロプリズム20の更に観察者側には接眼レンズ系
2が設置されている。
【0021】接眼レンズ系2は第1、第2、第3レンズ
群31、32、33によって構成されており、夫々レン
ズ枠34、35、36によって保持されている。接眼レ
ンズ系2の外周は、接眼筒37及びカム環38で覆われ
ており、接眼筒37には直進案内溝37a、37b、カ
ム環38にはカム溝38a、38bが形成されている。
【0022】レンズ枠34、35にはガイドピン40、
41が一体化され、カム環38の回転によってガイドピ
ン40、41が直進案内溝37a、37bに直進案内さ
れながらカム溝38a、38bと係合して第1、第2レ
ンズ群31、32を所望位置に移動させてズームが行わ
れるようになっている。接眼筒37の外周端部には雄ね
じ部37cが形成されており、レンズ枠36の内周に形
成された雌ねじ部36aと噛合し、第3レンズ群33が
前後移動可能になっている。
【0023】また、図3に示すように、2つの接眼部5
0a、50bは、カム環38,38がベルト42で連結
されており、ズーム操作によって連動して回転されるよ
うになっている。
【0024】このようなズーム双眼鏡において、第3レ
ンズ群33を所定位置に配置したときに、ズーム操作に
よって第1、第2レンズ群31、32の位置が変わって
も、接眼レンズ系2の前側焦点位置2aが変化しないよ
うにカム溝38a、38bが形成されている(以下、こ
の第3レンズ群33が所定位置の時の接眼レンズ系2の
前側焦点位置2aを「基準前側焦点位置2a’」とい
う。)。従って、対物レンズ系1の結像位置1aを基準
前側焦点位置2a’に一致させた時に、第3レンズ群3
3が前記所定位置に配置されていると、結像位置1a上
の点像は第3レンズ群33から平行光束として射出さ
れ、ズーム操作を行っても同様に平行光束として射出さ
れることになる。
【0025】対物レンズ系1の結像位置1aを基準前側
焦点位置2a’に一致させるために、接眼レンズ系2を
観察者が覗いてピントを合わせると観察者の視度による
ずれ量dだけずれてしまう(図1の(b)及び近似式
(1)参照)ので、所定距離にある観察対象の対物レン
ズ系1による結像位置1aが基準前側焦点位置2a’に
一致する対物レンズ系1の位置をクリックバネ15によ
って観察者が判断できるようにしている。このようにす
ることで、接眼レンズ系2を観察者が覗くことなく、基
準前側焦点位置2a’と、対物レンズ系1の結像位置1
aとを一致させることができる。
【0026】この状態で、観察者は観察対象を接眼レン
ズ系2から見て視度を調節する。この際に、観察対象と
の距離が前記所定距離になっているかを検知するような
検知手段を別途必要とするが、前記所定距離を無限遠と
すると該検知手段を必要としないので望ましい。
【0027】観察者の視度が0ディオプタの場合は、第
3レンズ群33が前記所定位置にあると観察対象のピン
トが合って見えるが、第3レンズ群33は位置が自由に
変えられるのでピントのあった位置に第3レンズ群33
を移動すると、このとき前側焦点位置2aは対物レンズ
系1の結像位置1aと一致している。
【0028】観察者の視度が0ディオプタ以外の場合
は、接眼レンズ系2を覗きながら第3レンズ群33を移
動させてピントを合わせることによって、視度を補正す
ることができる。この時接眼レンズ系2の前側焦点位置
2aは対物レンズ系1の結像位置1a(つまり基準前側
焦点位置2a’)に対してずれ量d1だけずれている
(近似式(1)参照)。
【0029】そして観察対象が変わった時に接眼レンズ
系2を覗きながらフォーカスリング14を回してピント
を合わせると、接眼レンズ系2に変化はないので接眼レ
ンズ系2の前側焦点位置2aと対物レンズ系1の結像位
置1a(基準前側焦点位置2a’)とのずれ量は同じず
れ量d1になる。
【0030】その後、ズームを行うと対物レンズ系1の
結像位置1aと基準前側焦点位置2a’とは一致したま
ま第1、第2レンズ群31、32が移動される。この時
ズームによる接眼レンズ系2の焦点距離feの変化に伴
って前述の近似式(1)で求められるピントの合うべき
ずれ量dが変化し、対物レンズ系1の結像位置1aに対
して接眼レンズ系2の前側焦点位置2aがその変化する
ずれ量dに追随して移動するようになる。従ってズーム
を行ってもピントがずれないようになる。
【0031】前側焦点位置2aの移動が、変化するピン
トの合うべきずれ量dに合致しているかを確認した結果
を図5を参照して説明する。図5の(a)は結像状態を
示す概略図であり、図5の(b)は、以下の条件による
計算結果である。各変数は以下の通りであり、各位置は
観察対象側を正としている。
【0032】L1(mm):前側焦点位置2aの第1レンズ
群31からの位置 L2(mm):第1レンズ群31の第2レンズ群32からの
位置 L3(mm):第2レンズ群32の第3レンズ群33からの
位置 φ1(1/mm):第1レンズ群31のパワー φ2(1/mm):第2レンズ群32のパワー φ3(1/mm):第3レンズ群33のパワー d(mm),D(ディオプタ),fe(mm)は近似式(1)参照
【0033】ここでφ1=−0.03(1/mm),φ2=
0.04(1/mm),φ3=0.035(1/mm),D=0(デ
ィオプタ)とし、図5の(b)に示す通り高倍率にし
て、L3=5.2mm,L2=40.2mmとすると、
前側焦点位置2aは第1レンズ群31に対して観察者側
に15.453mmの位置にあり、第3レンズ群33か
らは29.974mm(L1+L2+L3)の位置にあ
る。
【0034】低倍率への操作でL3=21.2mm,L
2=17.861mmとなるように第1、第2レンズ群
31、32を移動すると、前側焦点位置2aは第1レン
ズ群31に対して観察者側に9.114mmの位置にあ
り、第3レンズ群33から29.974mmの位置にあ
る。従って高倍率の時と同じ位置になり、対物レンズ系
1の結像位置1aがこの位置にあればズームを行っても
視度が0ディオプタでピントが合っている。
【0035】次に観察者の視度に合わせて第3レンズ群
を4mm観察対象側へ移動させた時に、高倍率において
L3=1.2mm、L2=40.2mmとなる。この
時、前側焦点位置2aと結像位置1aとはずれ量d=
0.295mmだけずれており、この状態でピントがあ
って見える観察者の視度は約−5.2ディオプタであ
る。そして、前述の視度が0ディオプタの場合と同じ量
だけ第1、第2レンズ群31、32を移動して低倍率に
すると、L3=17.2mm,L2=17.861mm
になる。
【0036】この時前側焦点位置2aと結像位置1aと
はずれ量d=1.195mmだけずれており、ピントの
合う視度は約−5.2ディオプタになっている。このよ
うに観察者の視度(−5.2ディオプタ)でピントが合
う状態から変倍してもピントの合う視度は変化しない。
従って、視度調節後ズームを行ったときに視度に合った
ずれ量dとなるように前側焦点位置2aが移動してい
る。
【0037】以上の説明によると、所定位置の第3レン
ズ群33の時にフォーカシングによって対物レンズ系1
による像は基準前側焦点位置2a’に結像されているの
で、左右の鏡筒に設けられた第3レンズ群33の移動機
構による視度調節によって第3レンズ群33からは観察
者の左右の眼の視度に応じた光束が射出される。
【0038】そしてズーム操作を行っても基準前側焦点
位置2a’は変化せずに、前側焦点位置2aがピントの
合うべきずれ量dに合致するように移動する。このた
め、常に第3レンズ群33から観察者の視度にあった光
束が射出され、ズーム操作によるピントのずれがなくな
ってフォーカシング操作を必要としないので操作性を向
上させることができるようになる。そして視度の調節
は、無限遠あるいは所定距離の観察対象に対して一度行
えばよく、簡単に操作性のよいズーム双眼鏡を得ること
ができる。
【0039】また、本実施形態では対物レンズ系1によ
る結像位置1aが基準前側焦点位置2a’と一致した状
態で、観察対象を見てピントが合うように第3レンズ群
33を移動させて視度を調節しているが、観察者の視度
が既知の場合には第3レンズ群33のレンズ枠36に複
数の視度に対応した位置を記した指標を設けてもよい。
【0040】そして、観察者の視度に応じた位置に第3
レンズ群33を配置することによって対物レンズ系1に
よる結像位置1aが基準前側焦点位置2a’と一致した
状態の時に該視度の観察者にとってピントが合うにする
ことが可能となる。その状態からフォーカシングによっ
て観察対象にピントを合わせると対物レンズ系1による
結像位置1aが基準前側焦点位置2a’と一致し、その
後変倍しても基準前側焦点位置2a’が変化しないので
ピントがずれないようにすることができる。
【0041】尚、フォーカシング時に対物レンズ系1を
移動させているが接眼レンズ系2全体を移動させてもよ
いし、他のレンズ群を設置してこの他のレンズ群を移動
させるようにしてもよい。本発明はズーム双眼鏡を用い
て説明を行ったが、ズーム機能を有した単眼鏡において
も同様に構成することができ、フォーカシング後変倍し
てもピントのずれがなくなって再度フォーカシング操作
を必要としない単眼鏡を得ることができる。
【0042】更に、本実施形態では所定距離にある観察
対象の対物レンズ系1による像が、基準前側焦点位置2
a’にできることを告知する手段としてクリック機構を
用いているが、フォーカスリング14に指標を設けてそ
の位置により告知してもよいし、フォーカシングの範囲
は無限遠と略至近距離との間で行うので前記所定距離が
無限遠の場合にはフォーカシングの可動範囲を制限する
ストッパでもよい。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によると、フォーカシン
グによってピントがあった状態で対物レンズ系の結像位
置と接眼レンズ系の前側焦点位置とは所望のずれ量だけ
ずれており、第3レンズ群からは観察者の視度に応じた
光束が射出される。そしてズーム操作を行っても接眼レ
ンズ系の前側焦点位置は所望のずれ量に合致した量移動
するので、常に第3レンズ群からは該視度に応じた光束
が射出される。従ってあらゆる視度の観察者に対してズ
ーム操作によるピントのずれがなくなり、フォーカシン
グ後にズームした時に再度フォーカシング操作を必要と
せず操作性を向上させることができる。しかも視度の調
節は一度行えばよく、簡単に操作性に優れた単眼の望遠
光学装置を得ることができる。
【0044】請求項2の発明によると、接眼レンズ系の
基準前側焦点位置と、所定距離にある観察対象の対物レ
ンズ系による結像位置とが一致したことが観察者に告知
されて、この状態で観察対象を見て観察者の視度に合わ
せて調節するので、観察者の視度を調節する操作を簡単
にすることができるようになる。
【0045】請求項3の発明によると、無限遠にある観
察対象を見て視度を調節することによってズーム時のピ
ントのずれが生じなくなるので、観察対象との距離を検
知する検知手段を別途必要とせず、コスト増加を抑制す
るとともに、より簡単に操作性に優れた望遠光学装置を
得ることができるようになる。
【0046】請求項4の発明によると、フォーカシング
によってピントがあった状態で対物レンズ系の結像位置
と接眼レンズ系の前側焦点位置とは所望のずれ量だけず
れており、第3レンズ群からは観察者の左右の眼の視度
に応じた光束が射出される。そしてズーム操作を行って
も接眼レンズ系の前側焦点位置は所望のずれ量に合致し
た量移動するので、常に第3レンズ群からは該視度に応
じた光束が射出される。従ってあらゆる視度の観察者に
対してズーム操作によるピントのずれがなくなり、フォ
ーカシング後にズームした時に再度フォーカシング操作
を必要とせず操作性を向上させることができる。しかも
視度の調節は一度行えばよく、簡単に操作性に優れた双
眼の望遠光学装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の望遠光学装置のフォーカシング状態
を説明する図である。
【図2】 本発明にかかる望遠光学装置の鏡筒内部の
概略構成図である。
【図3】 本発明にかかる望遠光学装置の接眼部の概
略斜視図である。
【図4】 ポロプリズムを示す斜視図である。
【図5】 本発明にかかる望遠光学装置の接眼レンズ
系の前側焦点位置の移動量を確認した結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 対物レンズ系 1a 結像位置 2 接眼レンズ系 2a 前側焦点位置 13 駆動軸 14 フォーカスリング 15 クリックバネ 20 ポロプリズム 31 第1レンズ群 32 第2レンズ群 33 第3レンズ群 37 接眼筒 38 カム環 38a,38b カム溝 42 ベルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの対物レンズ系と、第1、第2、第
    3レンズ群を有して第1、第2レンズ群の移動によって
    変倍を行う1つの接眼レンズ系とを備えた望遠光学装置
    において、第3レンズ群を所定位置に配した変倍時に前
    記接眼レンズ系の観察対象側の焦点位置が一定であるよ
    うに第1、第2レンズ群の関係を設定して構成するとと
    もに、第3レンズ群を移動して視度を調節できるように
    したことを特徴とする望遠光学装置。
  2. 【請求項2】 前記焦点位置と前記対物レンズ系による
    結像位置との相対的な距離を調整するフォーカシング手
    段と、前記フォーカシング手段によって前記焦点位置と
    所定距離にある観察対象の前記対物レンズ系による結像
    位置とが一致した状態にあることを観察者に告知する告
    知手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の望
    遠光学装置。
  3. 【請求項3】 前記所定距離は無限遠であることを特徴
    とする請求区2に記載の望遠光学装置。
  4. 【請求項4】 前記対物レンズ系及び前記接眼レンズ系
    を左右1対備えて双眼鏡として構成され、左右の第3レ
    ンズ群の移動により個別に左右の視度を調整するように
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいづれか
    に記載の望遠光学装置。
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