JP2000009738A - 検体ラック取扱装置 - Google Patents
検体ラック取扱装置Info
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Abstract
体を組み付ける際の高さ調整作業の労力を大幅に軽減す
るのに適した検体ラック取扱装置を提供する。 【解決手段】前方に向かって張り出している張り出し部
材45を有するラック搬送用組立体30は、ラック搬送
面が好ましい高さ位置となるように、複数のアジャスタ
48,49により床の上に固定される。張り出し部材は
上向きの第1の基準面55を有する。ラック移動エリア
を有する処理ユニット構造体70は、下面に第2の基準
面63を備える。高さ調整可能なキャスタにより第2の
基準面が第1の基準面より高くなるように上昇させた状
態で、処理ユニット構造体をラック搬送用組立体の方へ
押し込む。次いで、第1の基準面に第2の基準面が載る
ように処理ユニット構造体を下降し、複数のアジャスタ
でもって処理ユニット構造体の前面側の高さを調整す
る。
Description
置に係り、特に臨床検査分野における検体検査のための
前処理を自動的に行うのに適した検体ラック取扱装置に
関する。
部が内蔵されている種々の処理ユニット(遠心分離,開
栓,分注,バーコードラベリング,閉栓,分類,分析
等)とそれらの処理ユニットを結合する搬送ラインとを
含み、処理ユニットと処理ユニット,搬送ラインと処理
ユニット、あるいは搬送ラインと搬送ラインを直列に接
続して処理システムを構築している。
第167〜172頁(1992年)"は、検体を搬送する
ための搬送ラインを複数の搬送ルートで構成し、搬送ラ
インを複数に分岐することによって検体を種々の処理ユ
ニットに分配するような自動検体取扱システムを教示し
ている。
は、血液を血清と沈殿物に分離するための自動遠心分離
ユニット,検体容器上の蓋を自動的に除去するための開
栓ユニット,親検体容器から子検体容器へ血清を分注す
るための分注ユニット,子検体容器に対し親検体と同じ
検体IDを有するバーコードラベルを貼り付けるための
バーコードラベラユニット,検体容器に蓋をするための
閉栓ユニット,検体容器を検査別グループに分類する検
体分類ユニット,検体を自動的に化学分析するための化
学分析計ユニットなどである。
搬送部と複数の分析ユニットを有する自動分析装置を記
載している。この自動分析装置では、ラック搬送部上で
停止された検体ラックから分析ユニットへピペッタによ
り検体が分注される。各分析ユニットは、ラック搬送部
に対して複数の位置決めピンによって接続される。
ew,Vol.41,No.4及び特開平3−285175 号公報に
示されたようなシステムにおいては、分析ユニットなど
の処理ユニット及びラック搬送部に各々独立した高さ調
整機構が必要とされる。そして、システムを構築すると
きには、処理ユニット及びラック搬送部のそれぞれに関
し、設置すべき施設の床面を基準にして高さの調整を行
う必要がある。
み合わされる処理ユニットが、検体ラックの入口と出口
を有するラック移動エリアを有するのであれば、検体ラ
ックは、ラック搬送部からラック移動エリアへ、またそ
の逆に、ラック移動エリアからラック搬送部へと円滑に
移動されなければならない。しかしながら、高さの基準
となるべき床面には凹凸があるため、床面からかなり離
れた高さに位置する検体ラックの入口及び出口とラック
搬送部の搬送面との高さを一致させることは簡単ではな
い。すなわち、ラック搬送部と処理ユニットとの間の検
体ラックの移動時に検体ラックの引っ掛かりや転倒を防
止するには、細かい高さ調整が要求されるため、そのよ
うな調整作業に多大な労力がかかる。
理ユニット構造体とが分離可能に組み付ける構成である
場合に、双方の間の高さ調整作業を少ない労力で行うこ
とができ、簡単に双方の間の検体ラックの円滑な移動を
可能にすることができる検体ラック取扱装置を提供する
ことにある。
る検体ラックを搬送し得る通路を有しており床面の上に
設置されるラック搬送用組立体と、該通路との間で検体
ラックの引渡しが行われるラック移動エリアを有してお
りラック搬送用組立体に対し組み付けることが可能な処
理ユニット構造体とを備えた検体ラック取扱装置に適用
される。
よりも下方に形成されており該ラック搬送用組立体の前
方へ張り出している張り出し部材と、この張り出し部材
の上表面において上向きに形成されている第1の基準面
と、該張り出し部材よりも下方に取り付けられている高
さ調整用の複数のアジャスタと、を具備する。
エリアよりも下方にあり当該処理ユニット構造体の背面
の近くに下向きに形成されている第2の基準面と、この
第2の基準面よりも下方に配置されており処理ユニット
構造体が床面を移動するときに該床面に接触するように
使用されるキャスタと、組み付けにより第2の基準面を
第1の基準面に接触させた後の処理ユニット構造体の前
面側の床面からの高さを調整し得る高さアジャスタと、
を具備する。
ット構造体におけるキャスタは、処理ユニット構造体が
ラック搬送用組立体に対し組み付け完了されたときその
ラック搬送用組立体に接触しない位置に取り付けられて
いる。また、処理ユニット構造体におけるラック移動エ
リアは、ラック入口およびラック出口を有するものであ
り、処理ユニット構造体とラック搬送用組立体との組み
付け完了後においては、ラック入口のラック移動面の高
さがラック搬送用組立体の通路のラック搬送面の高さと
同じか又はそれより低く、ラック出口のラック移動面の
高さが該通路のラック搬送面の高さと同じか又はそれよ
り高く、ラック搬送面と各ラック移動面との高さの差は
5mmを超えない。
1台のラック搬送用組立体に対し、複数台の処理ユニッ
ト構造体が組み付けられる。また、ラック搬送用組立体
は、張り出し部材及び複数のアジャスタを有する架台を
含み、該架台の上に取り付けられるラック搬送機構とを
含む。さらに、処理ユニット構造体は、その前面表面に
等間隔に形成されている複数の縦方向ストライプを有
し、処理ユニット構造体の幅の寸法は、ストライプの間
隔の整数倍である。
が適用される検体ラック取扱装置の一配置例の全体構成
を概念的に説明する。
ラック搬送用のラインユニット1a〜1iを含むラック
搬送系1と、複数の処理ユニット2a,2b,3〜9を
具備する。ラインユニット1a〜1iのそれぞれは、後
述するラック搬送用組立体を形成する。各処理ユニット
は、処理ユニット構造体を構成する。それぞれの処理ユ
ニット構造体は、対応するラック搬送用組立体に対し、
着脱可能すなわち互に分離可能に接続される。ラック搬
送系1の始端側にはラック投入部50が配置され、ラッ
ク搬送系1の終端側にはラック収納部60が配置され
る。
ニット3〜9のそれぞれは、自ユニットの動作を制御す
るユニット制御部を内蔵しており、自ユニットの動作情
報をそれぞれ対応してペアをなす部分的ラインユニット
1a〜1iに送信する機能を有する。搬送ラインとして
のラック搬送系1に沿って配置されている複数の処理ユ
ニット3〜9の内、遠心分離ユニット3,オンライン分
注ユニット5及び分析ユニット9は、検体ラックに保持
されている検体に対し物理的処理を施すユニットであ
る。分析ユニット9は、それに加えて、採取した検体に
対し化学的処理をも施す。また、開栓ユニット4,バー
コードラベラーユニット6,閉栓ユニット7及び検体分
類ユニット8は、検体を収容している容器に対し何らか
の作用をするユニットである。ここでは、これらの動作
を総称して検体処理と呼ぶ。分析ユニットに代えてオフ
ライン分注ユニットを配置してもよい。
分を構成しているラック投入部50とラック収納部60
とラック搬送系1は、通信ケーブル53a〜53jを介
して接続されている。コア構成部分を管轄するラック投
入部50は、通信ケーブル52を介して中央制御部17
に接続されている。各バッファーユニット2a,2b及
び各処理ユニット3〜9は、それぞれ対応してペアをな
すラインユニット1a〜1iに通信ケーブル71〜79
を介して接続されている。従って、各処理ユニットの検
体ラックの搬送に関わる動作情報は、ペアをなすライン
ユニットを介して中央制御部に伝達される。
情報は、必要な処理ユニットと中央制御部17との間
で、通信ケーブル81〜84を介して交信される。
ンユニットとの交信(通信)と、ペアをなす処理ユニッ
トとの交信と、中央制御部17との交信とをそれぞれ行
っている。この交信により、検体ラックの処理ユニット
への立ち寄りは、処理ユニットが検体ラックを受入れ可
能であるとの、中央制御部17による確認を得た上で、
中央制御部17によるラック搬送系1の制御のもとに実
行される。オンライン分注ユニット5は中央制御部17
と分注情報について交信を行っている。バーコードラベ
ラーユニット6は中央制御部17とラベル印字情報につ
いて交信を行っている。さらに、分類ユニット8は分類
情報について、分析ユニット9は分注および分析情報に
ついて中央制御部17とそれぞれ交信を行っている。
検体ラックがセットされ、更に緊急検体の検査が必要な
場合は緊急検体を保持した検体ラックもセットされる。
ラック投入部50にセットされた検体ラックはラック搬
送系1によって搬送される。この場合、緊急検体を保持
した検体ラックは一般検体を保持した検体ラックに優先
して搬送される。搬送された検体ラックは、読み取り部
(図示省略)に到ると、そこでラック種別(ラックI
D)及び検体識別番号(検体ID)が読み取られ、ラッ
ク搬送系1を制御する中央制御部17に登録される。そ
の登録を行った検体ラックは更に搬送され、遠心分離ユ
ニット3に立ち寄るべき検体ラックはまずバッファーユ
ニット2aに収納される。バッファーユニット2aが検
体ラックで満杯になるか、あるいは予め設定しているタ
イムアウト時間になると、検体ラックはバッファーユニ
ット2aからラック搬送系1に戻され、そして順次遠心
分離ユニット3内に搬送される。その搬送された検体ラ
ックは予め設定している時間だけ遠心分離処理され、そ
の処理後の検体ラックはラック搬送系1に戻される。遠
心分離ユニット3に立ち寄らない検体ラック10(図2
参照)はバッファーユニット2a及び遠心分離ユニット
3を通過する。バッファーユニット2aは、遠心処理中
に次に遠心処理する検体ラックの処理を終了させ、その
ラックを待機ラックにして処理速度を向上させるために
設けてある。
は開栓ユニット4に搬送される。遠心分離ユニット3で
は、所定の数の検体ラックが一度に遠心分離処理にかけ
られるので、搬入,搬出は連続して実施される。このた
め、搬出時、ラック搬送系1で検体ラックが停滞しない
ように、バッファーユニット2bが設けられている。開
栓ユニット4では、検体の試験管の栓が抜かれ、この開
栓処理が終了した検体ラックはラック搬送系1に戻され
る。開栓ユニット4に立ち寄らない検体ラック10は開
栓ユニット4を通過する。
検体ラックはオンライン分注ユニット5内に搬送され、
ここでは、血清を吸引し、その血清は、中央制御部17
からの指示により依頼のある検体のみについて別の容器
に分注される。分注終了後、検体ラックはラック搬送系
1に戻される。また、分注して作られた子検体ラックも
ラック搬送系1によって搬送される。オンライン分注ユ
ニット5に立ち寄らない検体ラックはオンライン分注ユ
ニット5を通過する。
べき検体ラックはここに搬送される。新たに供給された
子検体ラックに保持されている各試験管には分注した親
検体と全く同じ検体識別番号が貼り付けられ、読み取り
確認後、ラック搬送系1に戻される。バーコードラベラ
ーユニット6に立ち寄らない検体ラック10はバーコー
ドラベラーユニット6を通過する。
はここに搬送される。搬送された各試験管には栓がなさ
れ、その閉栓処理された検体ラックはラック搬送系1に
戻される。閉栓ユニット7に立ち寄らない検体ラックは
閉栓ユニット7を通過する。分類ユニット8に立ち寄る
べき検体ラックは分類ユニット8に搬送される。搬送さ
れた検体ラックの試験管のうち、依頼のある試験管のみ
指定ポジションに移載され、検体ラックはラック搬送系
1に戻される。分類ユニット8に立ち寄らない検体ラッ
ク分類ユニット8を通過する。
9に立ち寄るべき検体ラック10はここに搬送され、依
頼のある検体のみ指定の容器に分注され、分注終了後
に、ラック搬送系1に戻される。立ち寄らない検体ラッ
クはそこを通過する。最終的には検体ラックはラック収
納部60に搬送される。
配置例を示す図である。図1の場合と同じ機能を有する
部分は、図1と同じ符号で示してある。図2における各
処理ユニットについては、図1よりも一層具体的に示し
てある。図2の配置例では、図1の配置例に比べ、バッ
ファーユニット2a,遠心分離ユニット3、及びバッフ
ァーユニット2bを欠く。ラック投入部50は、一般検
体用のラック投入部分50aと、緊急検体用のラック投
入部分50bと、ラックID及び検体IDのバーコード
を読み取る読取器12を含む。
ら取り込んだ検体ラック10を移動するラック移動エリ
ア24〜29を有する。各ラック移動のエリアは、ラッ
ク入口およびラック出口を有する。これらのラック入口
及びラック出口は、図2において矢印で示される。開栓
ユニット4において、ラック移動エリア24の入口でラ
インユニット1dから受け取った検体ラックは、栓抜き
位置34へ移動され、栓を抜かれた後、ラック移動エリ
ア24の出口へ移動される。そして、検体ラックはラッ
ク出口からラインユニット1dへ引き渡される。このよ
うなラック入口から処理位置を経てラック出口に到る検
体ラックの移動動作は、他の処理ユニット5〜9におい
ても同様である。
供給する供給部5aと、ピペッタを具備する分注処理部
5bとを含む。分注処理部5bにおいて、ラインユニッ
ト1eからラック入口を経てラック移動エリア25に入
った検体ラックは、検体吸入位置35にて吸入処理され
た後、ラック出口を経てラック移動エリア25からライ
ンユニット1eへ出る。バーコードラベラーユニット6
において、ラインユニット1fからラック入口を経てラ
ック移動エリア26に入った検体ラックは、バーコード
ラベルの貼り付け位置36で処理された後、ラック出口
を経てラック移動エリア26からラインユニット1fへ
出る。
1gからラック入口を経てラック移動エリア27に入っ
た検体ラックは、位置37にて閉栓処理を受けた後、ラ
ック出口を経てラック移動エリア27からラインユニッ
ト1gへ出る。分類ユニット8において、ラインユニッ
ト1hからラック入口を経てラック移動エリア28に入
った検体ラックは、位置38にて選択された試験管の抜
き取り処理を受けた後、ラック出口を経てラック移動エ
リア28からラインユニット1hへ出る。分析ユニット
9において、ラインユニット1iからラック入口を経て
ラック移動エリア29に入った検体ラックは、位置39
にて検体吸入処理を受けた後、ラック出口を経てラック
移動エリア29からラインユニット1iへ出る。
トもラック入口とラック出口が互いに異なる場所に設け
られているが、複数の処理ユニットの内の一部について
は、必要上、入口と出口を共通にしてもよい。図1又は
図2のような検体ラック取扱装置では、個々の処理ユニ
ットの配列順番を変更でき、相互に入れ替えることも可
能である。更に、処理ユニットは、それらの数を減らす
ことや、増設することもできる。
て、ラック搬送系1から切り離された状態で、運搬する
ことが可能である。各処理ユニットにおけるラック搬送
系1上の検体ラックの移動方向に沿った長さ、すなわち
処理ユニット構造体の幅は、2種類又は3種類だけに統
一されている。図2の例では、各処理ユニットの幅の寸
法は、450mm及び600mmの内のいずれかである。こ
の寸法は、システムのコンセプトとして、システム構築
後の全体装置の前表面に検体ラック進行方向に沿って等
間隔に設けられた縦方向ストライプ(後述する)の間隔
の整数倍になっている。具体的には、ストライプ間隔は
150mmである。
装置では、ラック搬送系1に対し各処理ユニット構造体
を組み付ける前に、ラック投入部50及びラック収納部
60がラック搬送系1と一体化されている。このように
ラック投入部及びラック収納部と一体化されたラック搬
送系をコア構成部と称することがある。
体と処理ユニット構造体との相対的な高さ位置の関係に
つき説明する。1台のラック搬送用組立体に対し1台の
処理ユニット構造体を組み付けるように構成することも
できるが、望ましくは、図7にて後述するように、1台
のラック搬送用組立体に対し複数台の処理ユニット構造
体が組み付けられる。
は、ラック搬送機構42および架台41を有する。架台
41の骨組みは、直方体の箱又はL字形金具と板により
形成されている張り出し部材45と、上端枠56と、そ
れらを接続する複数の柱57,58を含む。上端枠56
の前面側には位置決めピン14cが取り付けられてい
る。張り出し部材45は、架台41のベースを兼ねてい
る。張り出し部材45は、処理ユニット構造体70の一
部を乗せることができるように、ラック搬送用組立体3
0の前方へ張り出している。この張り出し部材45にお
ける柱57よりも前方側への張り出し距離は、位置決め
ピン14cの長さよりも大きい。
スタ46,47および複数のアジャスタ48,49が取
り付けられている。キャスタの数およびアジャスタの数
は1台の架台41において4個以上であることが好まし
い。キャスタ46,47は、ラック搬送用組立体30を
検査室の床上で移動させるときに、そのローラが床面に
接触して回転することにより、円滑な移動をもたらす。
ラック搬送用組立体30の移動時には、アジャスタ4
8,49は、その下端がキャスタ46,47の下端より
も上方に位置するように張り出し部材45側へ引っ込め
られる。アジャスタ48,49は、ラック搬送用組立体
30のセット位置が決まった後に、床上に固定するとき
の高さを調整するために用いられる。固定時には、アジ
ャスタ48,49の下端が床面に接触するようにアジャ
スタ48,49が延びるので、キャスタ46,47の下
端は床面から離れる。
り出した部分における上表面が、架台41の幅方向に沿
った横に長い長方形のエリアを形成するように構成され
る。この張り出し部材45のエリアの上表面は平滑とな
るように研磨加工されている。この平滑面が第1の基準
面55である。つまり、高さ方向における第1の基準面
55は、上向きに形成されている。
送機構42が取り付けられる。この架台41の上端枠5
6の上には、ラック搬送機構42が取り付けられる。こ
のラック搬送機構42は、ラック供給ライン用の通路4
3aとラック帰還ライン用の通路43bと、検体ラック
を載せて移動し得るコンベアベルトと、それらのコンベ
アベルトを駆動するためのモータを備える。通路43a
において張設されているコンベアベルトの表面が検体ラ
ックの下面と接触するので、ベルト表面はラ0ック搬送
面44となる。ベルトを用いずに検体ラックを移動させ
る手段、例えば、通路43aに沿って往復動可能なフッ
クによって検体ラックを搬送する場合には、通路43a
の底表面上を検体ラックが滑動することになるので、該
底表面がラック搬送面になる。
対応している処理ユニット構造体70は、前述したよう
に、ラック移動エリアを有する。ラック移動エリア上で
は、可動フック又はラック押し出し機構により検体ラッ
クが移動される。この場合、ラック移動エリアの表面が
ラック移動面65になる。箱状の処理ユニット構造体7
0の下面61には、表面が平滑な面に磨かれている1つ
以上の突起部62が設けられている。突起部62は、キ
ャスタ67の取付位置よりも、処理ユニット構造体70
の背面64に近い位置に形成される。突起部62を複数
設ける場合には、それらの突起部は背面64の下端の稜
線に沿ってほぼ平行となるように配置される。突起部6
2における平滑な下面が高さ方向の第2の基準面63と
なる。つまり、第2の基準面63は下向きに形成されて
いる。
複数のキャスタ66,67及び複数のアジャスタ68が
取り付けられている。1台の処理ユニット構造体70に
おけるキャスタ66,67の数は3個以上であることが
好ましい。1台の処理ユニット構造体70におけるアジ
ャスタ68の数は2個以上である。複数のアジャスタ6
8は、処理ユニット構造体70の前面69の下端稜線に
対しほぼ平行となるように配置される。
移動されるとき、アジャスタ68は、高さ調整用ねじ7
1によって下面61の方へ引っ込められているので、ア
ジャスタ68の下端は床面に接触されない。しかしなが
ら、キャスタ66,67の下端のローラは、床面に接触
し、回転によって円滑な移動をもたらす。アジャスタ6
8の下端およびキャスタ66,67の下端は、基準面よ
りも床面に近い。アジャスタ68は、キャスタ66より
も前面69の下端に近い位置に設けられている。キャス
タ66,67は、高さ調整部72,73により伸縮可能
である。
体30に対して、処理ユニット構造体70を組み付ける
ときの順序を説明する。検査室内に運ばれたラック運送
用組立体30は、キャスタ46,47の働きによりセッ
ト場所まで移動される。複数のアジャスタ48,49の
下端をキャスタ46,47の下端より下げることによ
り、アジャスタ下端が床面に接触される。このとき、ラ
ック搬送用組立体30は、前後および左右が水平を保つ
ように、アジャスタ48,49により高さが調整され
る。
ック搬送用組立体30の前面側の近くまで移動されてき
た処理ユニット構造体70は、図4(A)に示されるよ
うに、張り出し部材45の上向きの基準面55よりも突
起部62の下向きの基準面63の方が高くなるように、
キャスタ66,67の高さ調整部72,73の操作によ
り上昇される。次いで、図4(B)に示されるように、
既に固定されているラック搬送用組立体30の前面に向
けて処理ユニット構造体70の背面64を対向させ、処
理ユニット構造体70の前面69側からラック搬送用組
立体30の方へ押し込み、プレート15bの縦長溝内に
位置決めピン14cを入れる。
理ユニット構造体70のキャスタ66,67の高さ調整
部を操作することにより、処理ユニット構造体70は下
降される。突起部62の下面が張り出し部材45の上面
に接触した時点で、キャスタ66,67の高さ調整作業
を停止する。これにより、第1の基準面55と第2の基
準面63とが合致する。次いで、背面64側の高さに前
面69側の高さが一致するように、かつ、幅方向の左右
に設けられている複数のアジャスタ68をその下端が床
面に接触するように、アジャスタ68の高さ調整用ねじ
を操作する。図4(C)の如く組み付け完了されたと
き、背面64に近い方のキャスタ67が張り出し部材4
5に接触しないように、下面61に対するキャスタ67
の取り付け位置が定められている。
2の基準面63とラック移動面65との間の高さ寸法a
(図3参照)と、ラック搬送用組立体30における張り
出し部材45の基準面55とラック搬送面44との間の
高さ寸法b(図3参照)との相対的な関係を一定に保っ
ておくことにより、検体ラックの円滑な移動を計るため
の高さ調整作業は簡単になる。なお、図4(B)および
図4(C)においては、簡略化のため、符号が省略され
ている。
造体70との組み付け又は接続に当たっては、その組み
付け完了後における検体ラックの円滑な搬送又は移動が
図られるように特別の配慮がなされている。すなわち、
各処理ユニット構造体70において、検体ラックが出入
りする入り口及び出口が互いに異なる場合は、ラック搬
送用組立体30の基準面55とラック搬送面44との間
の寸法bと、各処理ユニット構造体70の基準面63と
ラック移動面(各検体処理ユニットの入り口及び出口に
おける、ラック底面が接触する面)65との間の寸法a
とは、式(1),(2)で示される関係にある。
43aから各処理ユニット構造体70のラック移動エリ
アの入口に移動させる(搬入する)場合、(2)式は検体
ラックを各処理ユニット構造体のラック移動エリアの出
口からラック搬送用組立体30の通路43aに移動させ
る(搬出する)場合の式である。(1)式は、ラック搬
送面44が入口のラック移動面65以上の高さではある
がそれよりも5mmを越えない高さをもっていることを意
味する。bがa以上であるのは、その逆であるならば、
その部分に検体ラック進行方向に逆段差が生じて検体ラ
ックの引っ掛かりを招き、それによって検体ラックの円
滑な移動ないしは搬送が妨げられ、更には検体ラックに
保持されている検体の飛散が生じる可能性があるからで
ある。また、bがa+5mm以下であるのは、それを越え
ると、その部分に大きな段差が生じて検体の倒れや飛散
を生じる可能性があるからである。(2)式は、出口の
ラック移動面65がラック搬送面44以上の高さではあ
るがそれよりも5mmを越えない高さをもっていることを
意味する。その理由は(1)式の場合と同じである。
対し、2台の処理ユニット構造体70a,70bを組み
付けるときの幅方向及び奥行方向の位置決めを説明する
ための概略平面図である。図5においては、高さ方向を
Z軸とし、高さ方向に直交する、通路43aに沿う幅方
向をX軸とし、高さ方向及び幅方向の両方に対して直交
する奥行方向をY軸としている。処理ユニット構造体の
数及び種類が違ったとしても、同じように位置決めされ
るので、図5では処理ユニット構造体の数を2台だけ示
してある。
は、Y方向の位置決め用の基準面を有するプレート14
a及び14bを備えており、プレート14bはX方向の
位置決め用のピン14cを有する。処理ユニット構造体
70a及び70bは、それぞれY方向の位置決め用の基
準面を有するプレート15a及び15bを備える。その
内、プレート15bはZ方向に縦長の溝を持っており、
この溝内に位置決めピン14cを受け入れることによ
り、プレート14bの面とプレート15bの面が接触さ
れ、これによりX方向の位置決めがなされる。
図5の矢印の方向に押し込むと、プレート15a及び1
5bはそれぞれプレート14a及び14bと接触して位
置決め用の基準面が合致し、かつピン14cが縦長溝に
嵌まり込む。この状態は処理ユニット構造体70aの如
き接続状態を参照することで理解できる。これによっ
て、搬送される検体ラック10との関連における、ラッ
ク搬送用組立体と各処理ユニット構造体とのX方向及び
Y方向の位置決めが自動的に行われ、したがって、それ
らの方向の無調整化も図られる。
とのX方向及びY方向における相対位置決め誤差は5mm
以下であることが望ましい。それによれば、Z軸方の場
合と同様に、検体ラックの搬送又は移動が円滑に行わ
れ、検体ラックの倒れや検体の飛散防止が図られるから
である。
装置の別の配置例における外観図である。ラック投入部
50とラック収納部60の間に複数の処理ユニット構造
体が隙間なく配列されている。図6では、処理ユニット
構造体の複数からなる集合体を符号20で示している。
集合体20を背面に沿ってラック搬送系1が配置され
る。
ット構造体の各々の前面表面には、ラック搬送系1にお
ける検体ラックの搬送方向に沿う方向に等しく間隔づけ
られた、スリットからなる縦方向ストライプ16が設け
られている。検体ラックの、搬送方向に沿う方向の長さ
寸法は一般的に120mmであるが、各処理ユニットの検
体ラック受入れ側のトレイ及び送り出し側のトレイの搬
送方向に沿う方向(幅)の寸法は一般的に150mmであ
る。この寸法を最小単位とし、縦方向ストライプ16の
間隔はその最小寸法単位に合わせて150mmと定められ
ている。また、各処理ユニットの、幅の寸法はストライ
プ間隔の整数倍にされている。これは、そのようにする
ことによりシステムが処理ユニットの連続体であること
を表現し得るというデザイン的効果が得られることによ
るものである。
対し複数台の処理ユニット構造体70を組み付けるとき
のラック搬送機構部の組み合わせ例を示す概略平面図で
ある。1台のラック搬送用組立体30の架台としては、
幅寸法が1050mmの架台41aと、幅寸法が1200
mmの架台41bと、幅寸法が1650mmの架台41cの3
種類を準備する。各架台の上に取り付けられるラック搬
送機構としては、架台に対して組み付けられるべき処理
ユニット構造体70の幅の寸法に合致する長さを有する
2種類のラック搬送機構42a及び42bを準備する。
これらのラック搬送機構は、図1及び図2におけるライ
ンユニット1a〜1iに対応する。ラック搬送機構42
aの長さは450mmであり、ラック搬送機構42bの長
さは600mmである。
個のラック搬送機構を取り付けた例を示し、図7(D)
〜図7(F)は、1台の架台に3個のラック搬送機構を
取り付けた例を示す。長さが450mmのラック搬送機構
42aの前面側には幅寸法が450mmの処理ユニット
4,6,7が取り付けられ、長さが600mmのラック搬
送機構42bの前面側には幅寸法が600mmの処理ユニ
ット5a,5b,8,9が取り付けられることになる。
いずれのラック搬送機構も、最小寸法単位150mmの整
数倍の長さ(すなわち通路43a,43bの長さ)を有
する。図7(A)〜図7(F)の各例のラック搬送組立
体は、ラック投入部50とラック収納部60の間に収め
るように、単独で又は組み合わせた接続状態で用いられ
る。
対し処理ユニット構造体を分離可能に組み付ける際の高
さ調整作業の労力が大幅に軽減され、それにもかかわら
ず、双方の間の検体ラックの円滑な移動が可能になる。
例を概念的に示すブロック図である。
置例を示す図である。
における高さ位置の関係を説明するための概略側面図で
ある。
を組み付けるときの順序を説明するための図である。
を組み付けるときの幅方向および奥行方向の位置決めを
説明するための図である。
る配置例における外観図である。
機構部の各種組み合わせ例を説明するための概略平面図
である。
開栓ユニット、5…オンライン分注ユニット、6…バー
コードラベラーユニット、7…閉栓ユニット、8…検体
分類ユニット、9…分析ユニット、10…検体ラック、
16…縦方向ストライプ、24〜29…ラック移動エリ
ア、30…ラック搬送用組立体、34〜39…処理位
置、41…架台、42…ラック搬送機構、43a,43
b…通路、44…ラック搬送面、45…張り出し部材、
46,47,66,67…キャスタ、48,49,68
…アジャスタ、50…ラック投入部、55…基準面、6
0…ラック収納部、62…突起部、63…基準面、65
…ラック移動面、70…処理ユニット構造体。
Claims (6)
- 【請求項1】検体を保持する検体ラックを搬送し得る通
路を有しており床面の上に設置されるラック搬送用組立
体と、上記通路との間で検体ラックの引渡しが行われる
ラック移動エリアを有しており上記ラック搬送用組立体
に対し組み付けることが可能な処理ユニット構造体とを
備えた検体ラック取扱装置において、 上記ラック搬送用組立体において上記通路よりも下方に
形成されており該ラック搬送用組立体の前方へ張り出し
ている張り出し部材と、 上記張り出し部材の上表面において上向きに形成されて
いる第1の基準面と、 上記ラック搬送用組立体において上記張り出し部材より
も下方に取り付けられている高さ調整用の複数のアジャ
スタと、 上記ラック移動エリアよりも下方にあり上記処理ユニッ
ト構造体の背面の近くに下向きに形成されている第2の
基準面と、 上記処理ユニット構造体において上記第2の基準面より
も下方に配置されており上記処理ユニット構造体が床面
を移動するときに該床面に接触するように使用されるキ
ャスタと、 上記第2の基準面を上記第1の基準面に接触させた後の
上記処理ユニット構造体の前面側の床面からの高さを調
整し得る高さアジャスタと、を具備することを特徴とす
る検体ラック取扱装置。 - 【請求項2】請求項1記載の検体ラック取扱装置におい
て、上記処理ユニット構造体における上記キャスタは、
上記処理ユニット構造体が上記ラック搬送用組立体に対
し組み付け完了されたとき上記ラック搬送用組立体に接
触しない位置に取り付けられていることを特徴とする検
体ラック取扱装置。 - 【請求項3】請求項1記載の検体ラック取扱装置におい
て、上記ラック移動エリアは、ラック入口およびラック
出口を有するものであり、 上記処理ユニット構造体と上記ラック搬送用組立体との
組み付け完了後においては、上記ラック入口のラック移
動面の高さが上記ラック搬送用組立体の上記通路のラッ
ク搬送面の高さと同じか又はそれより低く、上記ラック
出口のラック移動面の高さが上記通路のラック搬送面の
高さと同じか又はそれより高く、上記ラック搬送面と上
記各ラック移動面との高さの差は5mmを超えないことを
特徴とする検体ラック取扱装置。 - 【請求項4】請求項1記載の検体ラック取扱装置におい
て、1台の上記ラック搬送用組立体に対し、複数台の処
理ユニット構造体が組み付けられることを特徴とする検
体ラック取扱装置。 - 【請求項5】請求項1記載の検体ラック取扱装置におい
て、上記ラック搬送用組立体は、上記張り出し部材及び
上記複数のアジャスタを有する架台と、上記通路を有し
上記架台の上に取り付けられるラック搬送機構とを含む
ことを特徴とする検体ラック取扱装置。 - 【請求項6】請求項1記載の検体ラック取扱装置におい
て、上記処理ユニット構造体は、その前面表面に等間隔
に形成されている複数の縦方向ストライプを有し、上記
処理ユニット構造体の幅の寸法は、上記ストライプの間
隔の整数倍であることを特徴とする検体ラック取扱装
置。
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