JP2000007853A - ポリオレフィン樹脂組成物及び透明ブロー成形体 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物及び透明ブロー成形体

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JP2000007853A
JP2000007853A JP18175398A JP18175398A JP2000007853A JP 2000007853 A JP2000007853 A JP 2000007853A JP 18175398 A JP18175398 A JP 18175398A JP 18175398 A JP18175398 A JP 18175398A JP 2000007853 A JP2000007853 A JP 2000007853A
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ethylene
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temperature
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weight
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JP18175398A
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English (en)
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Koji Sumitomo
孝司 住友
Masahiro Tange
昌洋 丹下
Masatoshi Toda
昌利 戸田
Takeshi Iwasaki
猛 岩崎
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブロックポリプロピレン共重合体と同等以上の
低温耐衝撃性を保持しつつ、透明性かつ剛性を併せ持つ
バランスのとれた樹脂組成物及びこれを用いたブロー成
形体を提供する。 【解決手段】昇温分別クロマトグラフによる下記の性状
を有するポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形
体。(A)常温(23℃)での可溶成分について成分
量、極限粘度〔η〕、GPC−FTIRの測定チャ
ート上でエチレン含有量が特定の範囲内であり、(B)
常温(23℃)で不溶であり100℃で可溶である成分
について成分量、屈折率が特定の範囲であり、
(C)100℃より高い温度で可溶となる成分について
成分量、溶出曲線上のピーク温度が特定の範囲であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂組成物およびそれを用いた透明ブロー成形体に関す
る。詳しくは、透明性、剛性、低温耐衝撃性のバランス
の優れたポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物およ
びそれを用いた透明ブロー成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は剛性、透明性に優
れた樹脂であり、様々な用途に使用されているが、反
面、耐衝撃性、とりわけ低温における耐衝撃性が劣ると
いう欠点がある。そこで、耐衝撃性を改良するため、エ
チレンと共重合させたランダムポリプロピレン共重合体
及びブロックポリプロピレン共重合体が検討されたが、
前者は常温において耐衝撃性、透明性にすぐれるもの
の、剛性が低下し、その上、低温での耐衝撃性が改良で
きておらず、後者は剛性と低温耐衝撃性のバランスに優
れるものの、透明性が低下し充分ではない。
【0003】また、他樹脂との組成物による改良も試み
られてきた。例えば、特公昭58−38459号公報に
は、ポリプロピレン40〜80重量%、エチレン・ブテ
ン−1共重合体15〜50重量%、及び低密度ポリエチ
レン0〜15重量%からなる樹脂組成物が開示されてい
る。該組成物は、透明性、耐衝撃性、及び低温脆化性の
改良が図れているが、剛性が低下している。
【0004】特公平4−10504号公報には、ポリプ
ロピレン100重量部に対して、エチレン・ブテン−1
共重合体0.5〜50重量部、ソルビトール誘導体0.
01〜4重量部を含む組成物が開示されている。該組成
物は、透明性、耐衝撃性の改良が図られているが、剛性
が低い。特開昭63−193945号公報には、エチレ
ン含有量0.5〜15重量%のランダムポリプロピレン
共重合体50〜95重量%、全エチレン含有量2〜15
重量%で且つゴム部分のエチレン含有量が50重量%以
下であるブロックポリプロピレン共重合体5〜40重量
%、及びメルトインデックスMIが1以上かつ密度が
0.880〜0.930g/cm3 であるエチレン・α
−オレフィン共重合体1〜15重量%からなる樹脂組成
物が開示されている。該組成物は、透明性、耐衝撃性、
曲げ剛性のバランスが良好であるが、実施例に示されて
いるように低温耐衝撃性が低い。
【0005】特開平1−247444号公報には、炭素
数6以上のα−オレフィン又はビニルシクロアルカンを
1〜10万ppm含む結晶性プロピレン重合体あるいは
共重合体40〜95重量%と、ポリプロピレンとの屈折
率差が−0.010〜0.0150である重合体5〜6
0重量%からなる組成物が開示されている。該組成物
は、透明性、弾性率、常温の耐衝撃性は良好であるもの
の低温耐衝撃性が低い。
【0006】以上のように、これらの樹脂組成物も、透
明性、剛性、低温耐衝撃性のバランスという点から充分
に満足しうるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、0℃以下に
おいてもブロックポリプロピレン共重合体と同等以上の
耐衝撃性を保持しつつ、ランダムポリプロピレン共重合
体並みの透明性かつブロックポリプロピレン共重合体並
みの剛性を併せ持った、透明性、剛性、低温耐衝撃性の
バランスに優れたポリオレフィン樹脂組成物、およびこ
の組成物から得られる成形体を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、プロピレン−エ
チレンブロック共重合体とエチレン−αオレフィン共重
合体とからなり、特定の性状を有するポリオレフィン樹
脂組成物が透明性、剛性、低温耐衝撃性のバランスに優
れていることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は以下に示す樹脂組成物
およびその成形体を提供するものである。 〔1〕プロピレン−エチレンブロック共重合体とエチレ
ン−αオレフィン共重合体からなり、昇温分別クロマト
グラフによる下記(A)〜(C)で示される性状を有す
るポリオレフィン樹脂組成物。 (A)常温(23℃)での可溶成分について 成分量が5〜15重量%であり、 極限粘度〔η〕が3dl/g以下であり、且つ GPC−FTIRの測定チャート上で平均エチレン含
有量が40重量%以下で且つ 同エチレン最大含有
量が60重量%以下である (B)常温(23℃)で不溶であり100℃で可溶であ
る成分について 成分量が15〜35重量%であり、且つ 屈折率が1.499〜1.511である (C)100℃より高い温度で可溶となる成分について 成分量が50〜80重量%であり、且つ 溶出曲線上のピーク温度が115℃以上である 〔2〕下記(a)成分と(b)成分とからなるポリオレ
フィン樹脂組成物。 (a)下記(a1)〜(a5)で示される性状を有する
プロピレン−エチレンブロック共重合体80〜95重量
% (a1)メルトフローレート(MFR)(230℃、
2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分であり、
(a2)常温キシレン不溶成分の極限粘度〔η〕が1.
5dl/g以上であり、(a3)常温キシレン可溶成分
量が3〜25重量%であり(a4)常温キシレン可溶成
分のエチレン含有量が35%以下であり、且つ(a5)
常温キシレン可溶成分の極限粘度〔η〕が3dl/g以
下である (b)下記(b1)〜(b3)で示される性状を有する
エチレン−αオレフィン共重合体5〜20重量% (b1)メルトフローレート(MFR)(190℃、
2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分であり、
(b2)α−オレフィンの炭素数が3〜10であり、且
つ(b3)密度が0.895〜0.915g/cm3
ある 〔3〕プロピレン−エチレンブロック共重合体とエチレ
ン−αオレフィン共重合体からなり、ヘイズが70%以
下であり、低温アイゾット衝撃強度(0℃)が10(KJ
/m2)以上、同(−5℃)が5(KJ/m2)以上であり、
及び引張弾性率が1000(MPa)以上であるポリオ
レフィン樹脂組成物。 〔4〕上記〔3〕記載の要件を充足する上記〔1〕記載
のポリオレフィン樹脂組成物。 〔5〕上記〔3〕記載の要件を充足する上記〔2〕記載
のポリオレフィン樹脂組成物。 〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成
物を用いて成形した透明ブロー成形体。
【0010】
【発明の実施の形態】〔第1の発明のポリオレフィン樹
脂組成物〕本発明の第1の発明は、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体とエチレン−αオレフィン共重合体
からなり、昇温分別クロマトグラフで特定されるポリオ
レフィン樹脂組成物である。 〔プロピレン−エチレンブロック共重合体〕本発明に用
いるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、主成分
としてのプロピレン単独重合体とエチレン−プロピレン
共重合体及びエチレン単独重合体とからなる組成物であ
る。典型的にはプロピレン−エチレンブロック共重合に
より製造できるがこれに限定されるものではなく、上記
各重合体のブレンド物であってもよい。 〔エチレン−αオレフィン共重合体〕本発明に用いるエ
チレン−αオレフィン共重合体は、主成分としてのエチ
レンと共重合モノマーのαオレフィンとのランダム共重
合体であり、典型的にはチーグラー系触媒により製造で
きるがこれに限定されるものでなく、メタロセン系触媒
により製造できるものであってよい。なお、α−オレフ
ィンとしては、炭素数が3〜10のものを使用でき、特
にオクテン−1を好ましく用いることができる。
【0011】〔昇温分別クロマトグラフで特定される樹
脂組成物〕先ず、本発明の樹脂組成物を特定するのに用
いる昇温分別クロマトグラフについて、その操作方法、
装置および測定条件について説明する。 (操作方法)試料溶液を温度135℃に調節したTRE
Fカラムに導入し、ついで速度5℃/時間にて徐々に0
℃まで降温し、試料を充填剤に吸着させる。その後カラ
ムを速度40℃/時間にて135℃まで昇温し、溶出曲
線(図2)を得る。 (装置) TREFカラム:GLサイエンス社製 シリカゲルカラム(4.6φ×150 mm) フローセル :GLサイエンス社製 光路長 1mm KBrセル 送液ポンプ :センシュウ科学社製 SSC−3100ポンプ バルブオーブン:GLサイエンス社製 MODEL554オーブン TREFオーブン:GLサイエンス社製 二系列温度調節器:理学工業社製 REX−C100温度調節器 検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A CVF 10方バルブ :バルコ社製 電動バルブ ループ :バルコ社製 500μリットルループ (測定条件) 溶媒 :O−ジクロルベンゼン 試料濃度 :7.5g/リットル 注入量 :500マイクロリットル 上記した昇温分別クロマトグラフにより、本発明の樹脂
組成物は、(A)常温(23℃)での可溶成分、(B)
常温で不溶であるが100℃で可溶である成分、および
(C)100℃より高い温度で可溶となる成分の3成分
で特定されるポリオレフィン樹脂組成物である。(A)
成分は、常温(23℃)での可溶成分であり、主にプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体由来のエチレン・プ
ロピレンラバー(以下「EPR」という)等の立体規則
性の低い共重合体成分や低分子量成分が相当し、その他
僅かであるがエチレン−αオレフィン共重合体の可溶成
分で構成される。
【0012】この常温可溶成分の極限粘度〔η〕(13
5℃デカリン溶液)は3dl/g以下であり、しかもG
PC−FTIRの測定チャート(図1)上で、平均エチ
レン含有量が40重量%以下であり、且つ同最大エチレ
ン含有量が60重量%以下であることが必要である。こ
れは、プロピレン−エチレンブロック共重合体の重合工
程でエチレン含有量を増大させるとEPR中の結晶性ポ
リエチレン生成量が増大する傾向にあり、この結晶性ポ
リエチレン生成量に上限を設けることを意図したもので
ある。すなわち、結晶性ポリエチレンの生成量の増大
は、ベース樹脂のプロピレン単独重合体との屈折率の差
の増大を意味し、透明性を損なう結果となるからであ
る。また、EPR成分のゴム弾性を低下させ、耐衝撃性
を損なう結果となるからである。
【0013】従って、(A)成分の極限粘度〔η〕が3
dl/gを超え、及び平均エチレン含有量が40重量
%、且つ最大エチレン含有量が60重量%を超えると透
明性、耐衝撃性が低下する。そして、このような常温
(23℃)での可溶成分が5〜15重量%含まれている
ことが樹脂組成物全体の耐衝撃性を発現させる上で必要
である。
【0014】5重量%より小さければ、耐衝撃性は低下
し、15重量%より多ければ剛性が低下し、物性バラン
スをとることが難しい。(B)成分は、常温で不溶であ
るが100℃で可溶である成分であり、主にエチレン−
αオレフィン共重合体が相当し、その他僅かであるがプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体由来の結晶性ポリ
エチレンで構成される。
【0015】この成分は、屈折率が1.499〜1.5
11であることを要する。それは、前記した透明性を向
上させるためであり、当範囲から外れると透明性が低下
する。エチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィン
の炭素数が3〜10である)の屈折率は、密度に比例す
るから、密度が0.895〜0.915g/cm3 であ
れば、当該成分の屈折率が1.499〜1.511の範
囲にある。
【0016】このように、(B)成分は、プロピレン−
エチレンブロック共重合体由来の密度の高い結晶性ポリ
エチレンが少なく、代わって密度の範囲が低めにコント
ロールされたエチレン−αオレフィン共重合体を主成分
とする方が好ましい。また、このような常温で不溶であ
るが100℃で可溶である成分が15〜35重量%含ま
れていることが樹脂組成物全体の低温耐衝撃性を発現さ
せる上で必要である。
【0017】すなわち、15重量%より小さければ、低
温耐衝撃性が低下し、35重量%より多ければ剛性が低
下する。(C)成分は、100℃より高い温度で可溶と
なる成分であり、主にプロピレン−エチレンブロック共
重合体由来のプロピレン単独重合体成分が相当し、エチ
レン−αオレフィン共重合体由来の成分はほぼ皆無であ
る。
【0018】かかる成分は樹脂全体の剛性を発現させる
上で必要であり、そのために溶出曲線上(図2)のピー
ク温度(溶出量の極大になる温度)が115℃以上(分
子量の大きさに比例する)あること及び成分量が50〜
80重量%、好ましくは60〜80重量%であることが
必要である。上記説明してきたポリオレフィン樹脂組成
物は、透明性、剛性、低温耐衝撃性の物性バランスがと
れている。そのレベルは、ヘイズが70%以下であり、
且つ低温アイゾット衝撃強度(0℃)が10(KJ/m2
以上、同(−5℃)が5(KJ/m2)以上で引張弾性率が
1000(MPa)以上であるのがよい。
【0019】この物性レベルおよびバランスが要求され
るのは、この樹脂組成物を用いてブロー成形体にした場
合、内容物の視認性を高める上で必要な透明性を有し、
且つ冷蔵庫から取り出した直後や厳冬期に落として割れ
たり、裂けたりしない容器であることが必要だからであ
る。
【0020】〔第2の発明のポリオレフィン樹脂組成
物〕本発明の第2の発明である特定のプロピレン−エチ
レンブロック共重合体と特定のエチレン−αオレフィン
共重合体からなるポリオレフィン樹脂組成物について以
下説明する。〔特定のプロピレン−エチレンブロック共
重合体〕 (a)下記(a1)〜(a5)で示される性状を有する
プロピレン−エチレンブロック共重合体であることが必
要である。 (a1)メルトフローレート(MFR)(230℃、
2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分であり、
(a2)常温キシレン不溶成分の極限粘度〔η〕が1.
5dl/g以上であり(a3)常温キシレン可溶成分量
が3〜25重量%であり(a4)常温キシレン可溶成分
のエチレン含有量が35%以下であり、且つ(a5)常
温キシレン可溶成分の極限粘度〔η〕が3dl/g以下
である すなわち、MFRが0.1g/10分より小さいと成形
性が悪く、10g/10分より大きいと耐衝撃性が低下
する。常温キシレン不溶成分の極限粘度〔η〕が1.5
dl/gより小さいと剛性低下する。常温キシレン可溶
成分量が3重量%より少ないと耐衝撃性が低下し、25
重量%より多ければ透明性が低下する。常温キシレン可
溶成分のエチレン含有量が35%を超えると透明性が低
下する。また、常温キシレン可溶成分の極限粘度〔η〕
が3dl/gを超えると透明性が低下する。
【0021】本発明に用いるプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体の製造方法は、特に限定されない。連続法
でもバッチ法でもよく、更にバルク法、スラリー法、気
相法もしくはこれらの組み合わせであってもよい。触媒
系も特に限定されないが、エチレン及びプロピレンのラ
ンダム共重合部で副生する結晶性ポリエチレンの生成が
出来るだけ抑制される触媒系が好ましい。また、剛性を
高くする観点から、立体規則性を高める触媒を選択でき
ることが好ましい。例えば、(A)(a)マグネシウム
化合物と(b)チタン化合物とを、(c)電子供与性化
合物および(d)ケイ素化合物の存在下、120〜15
0℃で接触させた後、100〜150℃にて不活性溶媒
により洗浄して得られる固体触媒成分、(B)有機アル
ミニウム化合物及び(C)第3成分としての電子供与性
化合物を含む触媒を好適に用いることができる。特に
(C)第3成分としての電子供与性化合物として、1,
1,2−トリメチルプロピル−シクロペンチルジメトキ
シシラン〔(Thexyl)(Cyclopenty
l)Si(OMe)2 〕を好適に用いることができる。
【0022】なお、ブロック共重合体の製法は、バッチ
法又は連続法のいずれも一般的には先ずプロピレン単独
重合部を作り、次いで共重合部を作る。例えば連続法で
製造する場合は、前段の重合槽に原料プロピレンガスに
分子量調整剤の水素ガス、触媒を供給し、重合時間で重
合量をコントロールしてプロピレン単独重合部を製造
し、次いで後段の重合槽に移動して更に原料プロピレン
ガスにエチレン、水素ガス、及び必要に応じて触媒を加
えて共重合部を製造し、ブロック共重合体を得ることが
できる。
【0023】更に、反応条件については、その重合圧
は、特に制限はなく、重合活性の面から、通常、大気圧
〜80kg/cm2 G、好ましくは2〜50kg/cm
2 G、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは、
30〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料
の組成や重合温度によって左右され一概に定めることが
できないが、通常、5分〜20時間、好ましくは、10
分〜10時間程度である。
【0024】〔特定のエチレン−αオレフィン共重合
体〕 (b)下記(b1)〜(b3)で示される性状を有する
エチレン−αオレフィン共重合体であることが必要であ
る。 (b1)メルトフローレート(MFR)(190℃、
2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分であり、
(b2)α−オレフィンの炭素数が3〜10であり、且
つ(b3)密度が0.895〜0.915g/cm3
ある すなわち、MFRが0.1g/10分より小さければ、
成形性が悪く、20g/10分より大きければ耐衝撃性
が低下する。α−オレフィンの炭素数が3より小さく、
又は10を超える場合は、所定の密度を得るのが困難で
ある。また、密度が0.895g/cm3 より小さけれ
ば透明性、剛性が低下し、0.915g/cm3 より大
きければ透明性、耐衝撃性が低下する。
【0025】本発明に用いるエチレン−αオレフィン共
重合体の製造法は、特に限定されない。連続法でもバッ
チ法でもよく、更に溶液法、スラリー法、気相法もしく
はこれらの組み合わせであってもよい。触媒系も特に限
定されないが、エチレンとα−オレフィンが均一に共重
合していることが好ましい。不均一に共重合すると、エ
チレン濃度の高い共重合体とエチレン濃度の低い共重合
体が混在することになり、透明性が低下する。従って、
バナジウム系触媒あるいはメタロセン系触媒等の均一系
触媒を用いることが好ましい。
【0026】なお、メタロセン系触媒としては、一般的
にはシクロペンタジエニル環を有する周期律表第4族の
遷移金属化合物及びメチルアルミノキサンあるいは周期
律表第4族の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体
を形成する化合物と有機アルミニウム化合物からなる触
媒をいう。更に、重合条件については、重合温度は通
常、−50〜250℃、好ましくは、0〜200℃の範
囲であり、重合時間は通常、1〜10時間の範囲であ
り、圧力は通常、常圧〜300kg/cm2-Gの範囲で
ある。
【0027】〔配合〕上記特定のプロピレン−エチレン
ブロック共重合体80〜95重量%と同特定のエチレン
−αオレフィン共重合体5〜20重量%を配合して、ポ
リオレフィン樹脂組成物を製造する。上記特定のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体が80重量%より少な
ければ、剛性が低下し、95重量%より多ければ、耐衝
撃性が低下する。
【0028】本発明の樹脂組成物を得るに必要な各成分
の配合例は、前記した成分のほか本発明の樹脂組成物の
有する物性バランス効果を損なわない範囲で、各種充填
剤、添加剤等を配合してもよく、これらを同時に混練機
にかけて混合する方法でも、一部を予め混合し、次いで
残りの成分を加えて混練する方法でもよい。具体的に
は、各成分をヘンシェルミキサーを使用してドライブレ
ンドした後、混合物を二軸押出機でシリンダー温度を2
00℃〜280℃に設定して、混練し、ペレットを製造
する。
【0029】なお、各種充填剤としてはガラス繊維、カ
ーボン繊維、ガラスビーズ、マイクロビーズ、タルク、
炭酸カルシウム、雲母、マイカ等無機充填剤、ポリエス
テル繊維、アラミド繊維などの補強繊維などであり、添
加剤としてはフェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、離形剤、可塑剤、顔料
などである。
【0030】上記説明してきたポリオレフィン樹脂組成
物は、透明性、剛性、低温耐衝撃性の物性バランスがと
れている。そのレベルは、ヘイズが70%以下であり、
且つ低温アイゾット衝撃強度(0℃)が10(KJ/m2
以上、同(−5℃)が5(KJ/m2)以上で引張弾性率が
1000(MPa)以上であるのがよい。この物性レベ
ルおよびバランスが要求されるのは、この樹脂組成物を
用いてブロー成形体にした場合、内容物の視認性を高め
る上で必要な透明性を有し、且つ冷蔵庫から取り出した
直後や厳冬期に落として割れたり、裂けたりしない容器
であることが必要だからである。
【0031】〔本発明の樹脂組成物を用いたブロー成形
体〕透明性、剛性、低温耐衝撃性の物性バランスにすぐ
れる本発明の樹脂組成物は、ブロー成形や射出成形し
て、洗剤、化粧品等の家庭用品の容器やフイルム、シー
ト状に加工して食品等の包装容器に利用することができ
る。特にトイレタリー用品向け中小型容器類にそのブロ
ー成形用材料として好適に用いられる。内容物がよく見
え、冷蔵庫から出した直後や厳冬期に落としても割れた
り、裂けたりしない容器のブロー成形体を提供すること
ができる。
【0032】
【実施例】本発明について、更に、実施例を用いて詳細
に説明する。なお、実施例で用いる試験方法は、以下の
とおりである。 (1)メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K7210に準拠し、ブロックポリプロピレン
共重合体は230℃、2.16kg荷重で、エチレン−
αオレフィン共重合体は190℃、2.16kg荷重で
測定する。 (2)密度の測定 JIS K7112に準拠する。 (3)極限粘度〔η〕の測定 デカリンに溶解し、135℃で測定した。
【0033】(4)常温キシレン可溶成分量の測定 常温(23℃)キシレン可溶成分及び不溶成分は、次の
ようにして取得した。 試料を5±0.05g精秤して1000ミリリットル
ナス型フラスコに入れ、さらにBHT(酸化防止剤)1
±0.05gを添加したのち、回転子及びパラキシレン
700±10ミリリットルを投入する。 次いでナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を
作動させながら、140±5℃のオイルバスでフラスコ
を120±30分間加熱して、試料をパラキシレンに溶
解させる。次に、1000ミリリットルビーカーにフ
ラスコの内容物を注いだのち、ビーカー内の溶液をスタ
ーラーで攪拌しながら、室温(23℃)になるまで放冷
(8時間以上)後、析出物を金網でろ取する。 ろ液は、さらにろ紙にてろ過したのち、このろ液を3
000ミリリットルビーカーに収容されたメタノール2
000±100ミリリットル中に注ぎ、この液を室温
(23℃)にてスターラーで攪拌しながら、2時間以上
放置する。 次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾
後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間
乾燥して、23℃キシレン可溶成分を回収する。 一方、上記において金網でろ取した析出物を、再度
上記及びの方法に準じてパラキシレンに溶解したの
ち、3000ミリリットルビーカーに収容されたメタノ
ール2000±100ミリリットル中に素早く熱いまま
移し、2時間以上スターラーで攪拌後、一晩室温(23
℃)にて放置する。 次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾
後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間
乾燥して、23℃キシレン不溶成分を回収する。23℃
キシレンに対する可溶成分の含有量(w)は、試料重量
をAg、前記(5)で回収した可溶成分の重量をCgと
すれば、 w(重量%)=100×C/A で表され、また不溶成分の含有量は(100−w)重量
%で表される。
【0034】(5)常温キシレン可溶成分の13C−NM
Rによるエチレン含有量の測定13 C−NMRの測定はすべて下記の方法による。すなわ
ち、NMR試料管に試料220mgを採取し、これに
1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン混合溶媒
(容量比90/10)3ミリリットルを加えたのち、キ
ャップをして130℃で均一に溶解後、13C−NMRの
測定を次に示す測定条件で行う。 装置: 日本電子(株)製JNM−EX400 パルス幅: 9μs(45°) パルス繰り返し時間:4秒 スペクトル幅: 20000Hz 測定温度: 130℃ 積算回数: 1000〜10000回 また、23℃キシレンに対する可溶成分のエチレン単位
含有量(z)及び不溶成分のエチレン単位含有量(y)
は、下記の方法により求めた値である。
【0035】すなわち、試料の13C−NMRを測定し、
そのスペクトルにおける35〜21ppm〔テトラメチ
ルシラン(TMS)化学シフト基準〕領域の7本のピー
ク強度から、まずエチレン(E),プロピレン(P)の
triad連鎖分率(モル%)を次式により計算する。 fEPE =〔K(Tδδ)/T〕×100 fPPE =〔K(Tβδ)/T〕×100 fEEE =〔K(Sγδ)/4T+K(Sδδ)/2T〕
×100 fPPP =〔K(Tββ)/T〕×100 fPEE =〔K(Sβδ)/T〕×100 fPEP =〔K(Sββ)/T〕×100 ただし、T=K(Tδδ)+K(Tβδ)+K(Sγ
δ)/4+K(Sδδ)/2+K(Tββ)+K(Sβ
δ)+K(Sββ) ここで例えばfEPE はEPEtriad連鎖分率(モル
%)を、K(Tδδ)はTδδ炭素に帰属されるピーク
の積分強度を示す。次に、エチレン単位含有量(重量
%)を上記triad連鎖分率を用いて次式により計算
する。 エチレン単位含有量(重量%)=28{3fEEE +2
(fPEE +fEPE )+f PPE +fPEP }×100/〔2
8{3fEEE +2(fPEE +fEPE )+fPPE
PEP }+42{3fPPP +2(fPPE +fPEP )+f
EPE PEE }〕
【0036】(6)昇温分別法による測定 前記の通りであり、省略する。 (7)GPC−FTIRによる測定 GPCカラム:Shodex UT806L FTIR:ニコレイ MAGNA−IR560 (8)屈折率の測定 厚さ0.2mmのシートを溶融プレス法で作成し、アッ
ベ屈折計(アタゴ社製)により室温でナトリウムD線光
源にて測定する。 (9)透明性の測定 厚さ1mmの平板を溶融プレス法で作成し、JIS K
7105に準拠してヘイズを測定する。 (10)耐衝撃性の測定 厚さ3mmの平板を溶融プレス法で作成し、JIS K
7110に準拠して、0℃、−5℃でのアイゾット衝撃
強度を測定する。 (11)引張り弾性率の測定 JIS K7113に準じて測定した。金型は2号形試
験片の1/2縮小ダンベルを使用した。
【0037】実施例に用いるブロックポリプロピレン共
重合体とエチレン−αオレフィン共重合体の製造例を以
下に示す。 (ブロックポリプロピレン共重合体の製造) (1)第3成分としての電子供与性化合物、すなわち外
部ドナ−として用いる1,1,2−トリメチルプロピル
−シクロペンチルジメトキシシラン〔(Thexyl)
(Cyclopentyl)Si(OMe)2 〕の合成 300ミリリットルのオートクレーブに2,3−ジメチ
ル−2−ブテン(75ミリリットル、0.60モル)を
入れ、それにHSiCl3 (240g,1.8モル)、
2,2’−アゾイソブチロニトリル(18g,0.11
モル)を加え、120℃で22時間攪拌した。その後、
デカンテーションにより溶液を取り出し、減圧蒸留し
(76℃、6mmHg)、ThexylSiCl3 を得
た。
【0038】1リットルの三口フラスコにTHF(50
0ミリリットル)を入れ、それにLiAlH4 (67.
8g、1.84モル)を加えた(発熱)。次に、上記の
ThexylSiCl3 (131.9g、0.6モル)
のTHF溶液を滴下した。滴下後、65℃に加熱し、一
晩還流した。その後、過剰のLiAlH4 を加水分解
し、有機層を分離した。それを濃縮、蒸留(95〜98
℃)により、ThexylSiH3 を得た。
【0039】続いて、1リットルの二口フラスコにエー
テル(600ミリリットル)、ThexylSiH
3 (45.0g、0.39モル)を入れ、0℃に冷却し
たCucl2 (104.9g、0.78モル)、CuI
(1.56g、8.2ミリモル)を加え、室温で48時
間攪拌した。その溶液は、沈殿物をろ別した後、濃縮、
蒸留し(134〜142℃留分)、ThexylSiH
2 Clを得た。(34.3g、0.23モル)。
【0040】次に、100ミリリットルの二口フラスコ
にジエチルエーテル(50ミリリットル)、Thexy
lSiH2 Cl(3.0g,19.9ミリモル)を投入
し、攪拌しながら別途用意したCyclopentyl
MgBr/THF(30.0ミリモル)を加え、3時間
攪拌を続けた。過剰のCyclopentylMgBr
を加水分解し、有機層を分液した。それを濃縮、減圧蒸
留し(80〜150℃留分、1.0mmHg)、(Th
exyl)(Cyclopentyl)SiH 2 を得た
(1.93g,10.3ミリモル)。
【0041】続いて、50ミリリットルの二口フラスコ
にメタノール(10ミリリットル)、Na(23mg、
1.0ミリモル)を入れ、それに(Thexyl)(C
yclopentyl)SiH2 (1.8g、9.8ミ
リモル)を加えた。48時間還流後、濃縮、減圧蒸留し
(125℃留分、1.0mmHg)、(Thexyl)
(Cyclopentyl)Si(OMe)2 を得た
(1.75g、7.1ミリモル)。
(2)固体触媒成分の調整窒素で置換した
内容積500ミリリットルの攪拌器付三口フラスコにジ
エトキシマグネシウム16g(0.14モル)を投入
し、脱水処理したヘプタンを60ミリリットルを加え
た。40℃に加熱し、四塩化珪素2.45ミリリットル
(22.5ミリモル)を加えた、20分間攪拌した後、
ジ−n−ブチルフタレ−トを12.7ミリモル加えた。
【0042】この溶液を80℃まで昇温し、引き続き四
塩化チタンを滴下ロートを用いて77ミリリットル
(0.70mol)滴下した。内温を110℃とし、2
時間攪拌して担持操作とした。その後脱水ヘプタンを用
いて充分に洗浄を行った。更に四塩化チタンを122ミ
リリットル(1.12モル)加え、内温を110℃と
し、2時間攪拌し、2回目の担持操作とした。その後、
脱水ヘプタンを用いて充分洗浄を行い固体触媒成分を得
た。
【0043】(3)予備重合 5リットルのガラス製攪拌機及び温度計付三口フラスコ
を用いて、モレキュラーシーブス(4A)及び窒素バブ
リングにより、脱水されたヘプタンを窒素気流下で4リ
ットル投入した後、常温(23℃)にて、先ずトリエチ
ルアルニウム(TEA)26.8ミリモル、次いで1,
1,2−トリメチルプロピル−シクロペンチルジメトキ
シシラン2.5ミリモル、更に固体触媒成分をTi原子
当たり5.3ミリモル(3.8g−固体触媒)を攪拌し
ながら添加した。次に、攪拌しながら、常温にてプロピ
レンを連続投入し、固体触媒重量当たり、0.3倍量の
ポリプロピレンが生成するように実施した。これを予備
重合触媒とした。
【0044】(4)プロピレン−エチレンブロック共重
合体の重合 よく窒素置換し、乾燥した10リットルの耐圧オートク
レーブにモレキラーシーブでよく脱水されたn−ヘプタ
ン6リットルを窒素気流中で仕込んだ。次いで、トリエ
チルアルミニウム(TEA)7.5ミリモル及び1,
1,2−トリメチルプロピル−シクロペンチルジメトキ
シシラン0.5ミリモルを加えたのち、80℃にて窒素
をプロピレンガスで置換した後、水素を0.15kg/
cm2 精密ゲージにて導入し、さらにプロピレンを8.
0kg/cm2 Gになるまで攪拌しながら導入した。
【0045】次に上記(3)で得られた予備重合触媒を
Ti原子換算で0.05ミリモル仕込んだのち、8.0
kg/cm2 Gになるようにプロピレンを連続的に導入
するとともに、重合温度を80℃に保持した。2時間重
合反応を行ったのち、大気圧まで脱圧した。引き続きオ
ートクレーブ内をプロピレンで置換し、水素を1.3k
g/cm2導入した後、エチレン/プロピレンを流量比
0.9/1.0(NLM/NLM)で連続的に導入し
(圧力はフリー状態)、57℃で40分間重合を行った
(なお、ここでNLMはnormal liters
per minuteを示す)。その後、大気圧まで脱
圧し、n−ヘプタンを含む重合パウダーをステンレス製
の400メッシュの金網を用いて、57℃で分離したの
ち、さらに57℃のヘプタン4リットルを用いて、30
分間、攪拌、洗浄後、ステンレス製の400メッシュの
金網を用いて重合パウダーを分離し、乾燥させて最後の
重合体を得た。
【0046】得られたブロックポリプロピレン共重合体
を溶融ペレット化し、前述した解析法に従って解析し
た。 (a’1)メルトフローレート(MFR)(230℃、
2.16kg荷重)が0.6g/10分であり、(a’
2)常温キシレン不溶成分の極限粘度〔η〕は3dl/
gであり(a’3)常温キシレン可溶成分量が9.5重
量%であり(a’4)常温キシレン可溶成分のエチレン
含有量が30%であり、(a’5)常温キシレン可溶成
分の極限粘度〔η〕が1.42dl/gであった。
【0047】(エチレン−αオレフィン共重合体の製
造)乾燥した1リットルの攪拌機付重合器内を乾燥アル
ゴンで置換したのち、乾燥したn−ヘキサン420ミリ
リットル、1−オクテン40ミリリットルを入れ、15
0℃まで昇温した。エチレン分圧を24kg/cm2
になるように系内にエチレンを導入した。触媒投入管に
トルエン20ミリリットル入れ、減圧乾燥固化処理した
MAOをアルミニウム換算で1ミリモル希釈した。投入
管にはトルエン20ミリリットルとペンタメチルシクロ
ペンタジエニルチタントリメトキシドをチタン換算で
0.01ミリモル加えた。各触媒投入管から触媒成分を
別々に重合系内に導入し、エチレン分圧を24kg/c
2 Gに保ちながら150℃で5分間重合した。重合は
メタノール15ミリリットルを導入することで停止し
た。重合反応器中の内容物を多量のメタノール中に投入
し、ろ別し、充分に乾燥してエチレン−1−オクテン共
重合体14.6gを得た。 (b’1)メルトフローレート(MFR)(190℃、
2.16kg荷重)が0.83g/10分であり、
(b’2)α−オレフィンの炭素数が8であり、(b’
3)密度が0.903g/cm3 であった。
【0048】〔実施例1〕上記ブロックポリプロピレン
共重合体を85重量%と上記エチレンαオレフィン共重
合体を15重量%とを二軸混練押出し機(東洋精機製ラ
ボプラストミル)を用いて溶融混練しペレット化した。
得られた組成物について前述の解析方法により測定し
た。解析例として昇温分別クロマトグラフィー法(以
下、TREFという))の常温可溶部のGPC−FTI
Rチャートを図1に示し、またTREFの溶出曲線を図
2に示す。さらに前述の方法により物性を測定したとこ
ろ表1 に示すように透明性、低温耐衝撃性、剛性のバラ
ンスの良い組成物が得られた。
【0049】〔実施例2〕実施例1においてエチレン−
αオレフィン共重合体としてIDEMITSU LL(出光石油化学
( 株) 製 タフテックV0398CN)(エチレン−オ
クテン共重合体で、MFRが2.2g/10分で、密度
が0.909g/cm3 である)に代えた以外は同様に
組成物を調整し、解析し、物性を測定した。その結果を
表1に示す。透明性、低温耐衝撃性、剛性のバランスの
良い組成物が得られた。
【0050】〔実施例3〕実施例1においてエチレン−
αオレフィン共重合体としてIDEMITSU LL(出光石油化学
( 株) 製 1014D)(エチレンブテン共重合体で、
MFRが9.0g/10分で、密度が0.911g/c
3 である)に代えた以外は同様に組成物を調整し、解
析し、物性を測定した。その結果を表1に示す。透明
性、低温耐衝撃性、剛性のバランスの良い組成物が得ら
れた。
【0051】〔比較例1〕実施例1においてエチレン−
αオレフィン共重合体としてエンゲージ(ダウ・デュポ
ン(株)製 EG8100)(エチレンオクテン共重合
体で、MFRが1.0g/10分で、密度が0.873
g/cm3 である)に代えた以外は同様に組成物を調整
し、解析し、物性を測定した。その結果を表1に示す。
透明性、耐衝撃性が悪いことが判明した。
【0052】〔比較例2〕市販のブロー用ポリプロピレ
ン樹脂(三井石油化学工業株式会社製 J-226EC)につい
て前述の解析方法により測定した。さらに前述の方法に
より物性を測定した。表1に示すように透明性が若干悪
く、また耐衝撃性が悪い。
【0053】〔比較例3〕市販の透明ブロックポリプロ
ピレン樹脂(三菱化学株式会社製X-1BM )について前述
の解析方法により測定した。さらに前述の方法により物
性を測定した。表1に示すように透明性が悪く、また耐
衝撃性が悪い。
【0054】〔比較例4〕市販の透明ブロックポリプロ
ピレン樹脂(ジャパンポリオレフィン株式会社製EY111
C)について前述の解析方法により測定した。さらに前
述の方法により物性を測定した。表1に示すように透明
性が悪く、また剛性が悪い。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、透明、剛性、低温耐衝
撃性の物性バランスがとれたポリプロピレン系樹脂組成
物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた昇温分別常温可溶成分のG
PC−FTIRチャート
【図2】実施例1で得られた樹脂組成物の昇温分別溶出
曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 96:04 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F208 AA03C AA04E AA04F AA11F AA12 AG07 AR06 AR15 AR17 AR18 AR20 LA05 LB01 LG01 4J002 BB05X BP02W

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン−エチレンブロック共重合体と
    エチレン−αオレフィン共重合体からなり、昇温分別ク
    ロマトグラフによる下記(A)〜(C)で示される性状
    を有するポリオレフィン樹脂組成物。 (A)常温(23℃)での可溶成分について 成分量が5〜15重量%であり、 極限粘度〔η〕が3dl/g以下であり、且つ GPC−FTIRの測定チャート上で平均エチレン含
    有量が40重量%以下で且つ 同エチレン最大含有
    量が60重量%以下である (B)常温(23℃)で不溶であり100℃で可溶であ
    る成分について 成分量が15〜35重量%であり、且つ 屈折率が1.499〜1.511である (C)100℃より高い温度で可溶となる成分について 成分量が50〜80重量%であり、且つ 溶出曲線上のピーク温度が115℃以上である
  2. 【請求項2】下記(a)成分と(b)成分とからなるポ
    リオレフィン樹脂組成物。 (a)下記(a1)〜(a5)で示される性状を有する
    プロピレン−エチレンブロック共重合体80〜95重量
    % (a1)メルトフローレート(MFR)(230℃、
    2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分であり、
    (a2)常温キシレン不溶成分の極限粘度〔η〕が1.
    5dl/g以上であり、(a3)常温キシレン可溶成分
    量が3〜25重量%であり(a4)常温キシレン可溶成
    分のエチレン含有量が35%以下であり、且つ(a5)
    常温キシレン可溶成分の極限粘度〔η〕が3dl/g以
    下である (b)下記(b1)〜(b3)で示される性状を有する
    エチレン−αオレフィン共重合体5〜20重量% (b1)メルトフローレート(MFR)(190℃、
    2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分であり、
    (b2)α−オレフィンの炭素数が3〜10であり、且
    つ(b3)密度が0.895〜0.915g/cm3
    ある
  3. 【請求項3】プロピレン−エチレンブロック共重合体と
    エチレン−αオレフィン共重合体からなり、ヘイズが7
    0%以下であり、低温アイゾット衝撃強度(0℃)が1
    0(KJ/m2)以上、同(−5℃)が5(KJ/m2)以上で
    あり、及び引張弾性率が1000(MPa)以上である
    ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の要件を充足する請求項1記
    載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項3記載の要件を充足する請求項2記
    載のポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成
    物を用いて成形した透明ブロー成形体。
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