JP2000006339A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
ガスバリア性積層フィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れたカスバリア性及び防湿性を有する積層
ポリアミドフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリアミドフィルムの少なくとも片面に
ガスバリア層(金属酸化物薄膜)が設けられ、しかもさ
らにその上にポリオレフィンフィルムを積層する積層フ
ィルム。
ポリアミドフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリアミドフィルムの少なくとも片面に
ガスバリア層(金属酸化物薄膜)が設けられ、しかもさ
らにその上にポリオレフィンフィルムを積層する積層フ
ィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食品、加工食
品、医薬品、医療機器、電子部品等の包装用フィルムに
おいて重要な特性とされるガスバリア性や防湿性に優
れ、且つ透明性および取扱性に優れた積層フィルムまた
はシートに関するものである。
品、医薬品、医療機器、電子部品等の包装用フィルムに
おいて重要な特性とされるガスバリア性や防湿性に優
れ、且つ透明性および取扱性に優れた積層フィルムまた
はシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品の流通形態や食生活の変革に
よって食品の包装形態も大幅に変わってきており、包装
用のフィルムやシート(以下フィルムで代表する)に対
する要求特性はますます厳しくなってきている。流通販
売過程における温度や湿分、酸素、紫外線、更には細菌
やカビ等の微生物の影響による製品の品質低下は、販売
上の損失を招くのみならず食品衛生面からも大きな問題
である。この様な品質低下を防止する方法として、従来
は酸化防止剤や防腐剤等を食品に直接添加していたが、
最近では、消費者保護の立場から食品添加物の規制が厳
しくなり、添加量の減少もしくは無添加が求められてお
り、この様な状況の下で、気体や水分の透過度が小さ
く、しかも冷凍加工や煮沸処理、レトルト処理等によっ
ても食品としての品質低下を起こさない様な包装フィル
ムへの要望が高まっている。即ち魚肉、畜肉、貝類等の
包装においては、蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制
し、味や鮮度を保持することが重要であり、そのために
は、ガスバリア性のよい包装材を用いて空気の透過を遮
断することが望まれる。しかもガスバリア性フィルムで
包装すると、内容物の香気が保持されると共に水分の透
過も阻止されるので、乾燥物では吸湿劣化が抑制され、
含水物の場合は水分の揮発による変質や固化が抑制さ
れ、包装時の新鮮な風味を長時間維持することが可能と
なる。こうした理由から、かまぼこ等の練り製品、バタ
ー、チーズ等の乳製品、味噌、茶、コーヒー、ハム・ソ
ーセージ類、インスタント食品、カステラ、ビスケット
等の菓子類の包装フィルムにおいては、前記ガスバリア
性や防湿性が極めて重要な特性とされている。これらの
特性は食品包装用フィルムに限られるものではなく、無
菌状態での取扱いが必要とされる医療品、あるいは防錆
性が必要な電子部品などの包装用フィルムとしても極め
て重要となる。ガスバリア性に優れたフィルムとして
は、プラスチックフィルム上にアルミニウム等の金属箔
を積層したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニルアル
コール共重合体をコーティングしたものが知られてい
る。また、無機質薄膜を利用したものとして、酸化珪素
や酸化アルミニウム等の蒸着膜を積層したものも知られ
ている。上記の様な従来のガスバリア性フィルムには、
それぞれ次の様な問題点が指摘されている。ガスバリア
層としてアルミニウム箔を積層したものは、経済性やガ
スバリア性において優れたものではあるが、不透明であ
るため包装した時に内容物が見えず、またマイクロ波を
透過しないため電子レンジによる処理ができない。ま
た、塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合
体をコーティングしたものは、水蒸気や酸素等に対する
ガスバリア性が十分でなく、特に高温処理による性能低
下が著しい。しかも塩化ビニリデン系については、焼却
時の塩素ガスの発生等により大気汚染を招くことも懸念
される。そこで、ガスバリア層として酸化珪素や酸化ア
ルミニウム等の無機質蒸着層を形成した樹脂フィルムが
提案された。酸化珪素や酸化アルミニウム等が蒸着され
る基材フィルムとしては、従来よりポリエステルフィル
ム(PET)が使用されてきたが、例えば、PET/蒸
着層/接着層/延伸ナイロン(ONY)/接着層/未延
伸ポリプロピレン(CPP)の様な積層構造の場合、ナ
イロンの収縮により煮沸処理やレトルト処理後のガスバ
リア性が劣化するという問題が生じてくる。そこで最近
では、PET/蒸着層/接着層/PET/接着層/未延
伸ポリプロピレン(CPP)の様な積層構造とするのが
通例となっているが、この様な積層構造のフィルムで
は、落下衝撃に対する強度不足が問題となる。この様に
酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機質蒸着層を設けた
積層構造のガスバリア性フィルムは強度が必ずしも十分
でなく、また煮沸処理やレトルト処理によるガスバリア
性の劣化が指摘される。そこで強度向上対策として、加
熱処理により予め収縮率を低減させた延伸ナイロンを蒸
着基材として使用した積層フィルム(特公平7−126
49)や、高温熱水処理時の収縮率を低減させたナイロ
ンを積層したフィルム(特開平7−276571)が提
案されているが、いずれも製造工程や搬送・保管時のプ
ロセスが繁雑になるため実用にそぐわない。また、高温
処理時の収縮率が小さいナイロン(特公平7−1264
9号では、120℃で5分間加熱したときの縦方向及び
横方向の寸法変化率の絶対値の和が2%以下)であって
も、高温熱水処理である煮沸処理では優れたガスバリア
性を維持できない。この他、透明で内容物を透視するこ
とができ且つ電子レンジへの適用が可能なガスバリアフ
ィルムとして、特公昭51−48511号には、合成樹
脂基材の表面にSixOy系(例えばSiO2 )を蒸着
したガスバリアフィルムが提案されている。ところが、
ガスバリア性の良好なSiOx系(x=1.3〜1.
8)蒸着膜はやや褐色を有しており、透明ガスバリアフ
ィルムとしては、品質において十分なものとは言えな
い。特開昭62−101428号には、酸化アルミニウ
ムを主体とする無機質蒸着層を設けたものが記載されて
おり、これはガスバリア性が不十分であるばかりでな
く、またAl2 O3 ・SiO2 系のガスバリア層は耐煮
沸性や耐レトルト性においても優れたものであるが、ガ
スバリア層としてAl2 O3 とSiO2 を積層したもの
であり、ガスバリア層の形成が煩雑で且つ大掛かりな装
置を必要とする。しかもこれら無機質薄膜をガスバリア
層とするフィルムも、ガスバリア特性と耐屈曲性を両立
させるという観点からすると依然として不十分と言わざ
るを得ない。即ち優れた耐煮沸性や耐レトルト性を与え
るには、ある程度以上(例えば2,000Å程度以上)
の膜厚が要求されるのに対し、膜厚を厚くすると耐屈曲
性が劣化して落下衝撃に耐えなくなるという問題があ
り、十分なガスバリア性や防湿性を備え、且つ耐煮沸性
や耐レトルト性も良好であり、更には耐屈曲性に優れ落
下衝撃にも十分に耐え得る様なガスバリアフィルムは現
在のところ提案されていない。
よって食品の包装形態も大幅に変わってきており、包装
用のフィルムやシート(以下フィルムで代表する)に対
する要求特性はますます厳しくなってきている。流通販
売過程における温度や湿分、酸素、紫外線、更には細菌
やカビ等の微生物の影響による製品の品質低下は、販売
上の損失を招くのみならず食品衛生面からも大きな問題
である。この様な品質低下を防止する方法として、従来
は酸化防止剤や防腐剤等を食品に直接添加していたが、
最近では、消費者保護の立場から食品添加物の規制が厳
しくなり、添加量の減少もしくは無添加が求められてお
り、この様な状況の下で、気体や水分の透過度が小さ
く、しかも冷凍加工や煮沸処理、レトルト処理等によっ
ても食品としての品質低下を起こさない様な包装フィル
ムへの要望が高まっている。即ち魚肉、畜肉、貝類等の
包装においては、蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制
し、味や鮮度を保持することが重要であり、そのために
は、ガスバリア性のよい包装材を用いて空気の透過を遮
断することが望まれる。しかもガスバリア性フィルムで
包装すると、内容物の香気が保持されると共に水分の透
過も阻止されるので、乾燥物では吸湿劣化が抑制され、
含水物の場合は水分の揮発による変質や固化が抑制さ
れ、包装時の新鮮な風味を長時間維持することが可能と
なる。こうした理由から、かまぼこ等の練り製品、バタ
ー、チーズ等の乳製品、味噌、茶、コーヒー、ハム・ソ
ーセージ類、インスタント食品、カステラ、ビスケット
等の菓子類の包装フィルムにおいては、前記ガスバリア
性や防湿性が極めて重要な特性とされている。これらの
特性は食品包装用フィルムに限られるものではなく、無
菌状態での取扱いが必要とされる医療品、あるいは防錆
性が必要な電子部品などの包装用フィルムとしても極め
て重要となる。ガスバリア性に優れたフィルムとして
は、プラスチックフィルム上にアルミニウム等の金属箔
を積層したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニルアル
コール共重合体をコーティングしたものが知られてい
る。また、無機質薄膜を利用したものとして、酸化珪素
や酸化アルミニウム等の蒸着膜を積層したものも知られ
ている。上記の様な従来のガスバリア性フィルムには、
それぞれ次の様な問題点が指摘されている。ガスバリア
層としてアルミニウム箔を積層したものは、経済性やガ
スバリア性において優れたものではあるが、不透明であ
るため包装した時に内容物が見えず、またマイクロ波を
透過しないため電子レンジによる処理ができない。ま
た、塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合
体をコーティングしたものは、水蒸気や酸素等に対する
ガスバリア性が十分でなく、特に高温処理による性能低
下が著しい。しかも塩化ビニリデン系については、焼却
時の塩素ガスの発生等により大気汚染を招くことも懸念
される。そこで、ガスバリア層として酸化珪素や酸化ア
ルミニウム等の無機質蒸着層を形成した樹脂フィルムが
提案された。酸化珪素や酸化アルミニウム等が蒸着され
る基材フィルムとしては、従来よりポリエステルフィル
ム(PET)が使用されてきたが、例えば、PET/蒸
着層/接着層/延伸ナイロン(ONY)/接着層/未延
伸ポリプロピレン(CPP)の様な積層構造の場合、ナ
イロンの収縮により煮沸処理やレトルト処理後のガスバ
リア性が劣化するという問題が生じてくる。そこで最近
では、PET/蒸着層/接着層/PET/接着層/未延
伸ポリプロピレン(CPP)の様な積層構造とするのが
通例となっているが、この様な積層構造のフィルムで
は、落下衝撃に対する強度不足が問題となる。この様に
酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機質蒸着層を設けた
積層構造のガスバリア性フィルムは強度が必ずしも十分
でなく、また煮沸処理やレトルト処理によるガスバリア
性の劣化が指摘される。そこで強度向上対策として、加
熱処理により予め収縮率を低減させた延伸ナイロンを蒸
着基材として使用した積層フィルム(特公平7−126
49)や、高温熱水処理時の収縮率を低減させたナイロ
ンを積層したフィルム(特開平7−276571)が提
案されているが、いずれも製造工程や搬送・保管時のプ
ロセスが繁雑になるため実用にそぐわない。また、高温
処理時の収縮率が小さいナイロン(特公平7−1264
9号では、120℃で5分間加熱したときの縦方向及び
横方向の寸法変化率の絶対値の和が2%以下)であって
も、高温熱水処理である煮沸処理では優れたガスバリア
性を維持できない。この他、透明で内容物を透視するこ
とができ且つ電子レンジへの適用が可能なガスバリアフ
ィルムとして、特公昭51−48511号には、合成樹
脂基材の表面にSixOy系(例えばSiO2 )を蒸着
したガスバリアフィルムが提案されている。ところが、
ガスバリア性の良好なSiOx系(x=1.3〜1.
8)蒸着膜はやや褐色を有しており、透明ガスバリアフ
ィルムとしては、品質において十分なものとは言えな
い。特開昭62−101428号には、酸化アルミニウ
ムを主体とする無機質蒸着層を設けたものが記載されて
おり、これはガスバリア性が不十分であるばかりでな
く、またAl2 O3 ・SiO2 系のガスバリア層は耐煮
沸性や耐レトルト性においても優れたものであるが、ガ
スバリア層としてAl2 O3 とSiO2 を積層したもの
であり、ガスバリア層の形成が煩雑で且つ大掛かりな装
置を必要とする。しかもこれら無機質薄膜をガスバリア
層とするフィルムも、ガスバリア特性と耐屈曲性を両立
させるという観点からすると依然として不十分と言わざ
るを得ない。即ち優れた耐煮沸性や耐レトルト性を与え
るには、ある程度以上(例えば2,000Å程度以上)
の膜厚が要求されるのに対し、膜厚を厚くすると耐屈曲
性が劣化して落下衝撃に耐えなくなるという問題があ
り、十分なガスバリア性や防湿性を備え、且つ耐煮沸性
や耐レトルト性も良好であり、更には耐屈曲性に優れ落
下衝撃にも十分に耐え得る様なガスバリアフィルムは現
在のところ提案されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
着目してなされたものであり、その目的は、優れた透明
性とガスバリア性を有し、煮沸処理や印刷工程後におい
てもその優れたバリア性を損なうことがなく、また、耐
屈曲性も良好で落下衝撃にも十分に耐える強度特性を備
え、更には熱封緘性にも優れたガスバリア性積層フィル
ムまたはシートを提供することある。
着目してなされたものであり、その目的は、優れた透明
性とガスバリア性を有し、煮沸処理や印刷工程後におい
てもその優れたバリア性を損なうことがなく、また、耐
屈曲性も良好で落下衝撃にも十分に耐える強度特性を備
え、更には熱封緘性にも優れたガスバリア性積層フィル
ムまたはシートを提供することある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリア性積
層フィルムはA/BまたはA/B/Aの層構成のポリア
ミドフィルムの一方又は両方のA層上に金属酸化物薄膜
層からなるガスバリア層が形成され、さらに該金属酸化
物薄膜層上にポリオレフィンフィルムを積層したフィル
ムであって、ガスバリア層が接するA層表面に滑剤が存
在しないことを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
該A層およびB層が以下に示す樹脂からなることが好ま
しい。Aで表されるポリアミド樹脂組成物は以下のXを
100重量部に対してYを0〜10重量部配合して得られ
る。 (X):テレフタル酸またはイソフタル酸と脂肪族ジア
ミンからなる芳香族ポリアミド樹脂成分(a1 )と脂肪
族ポリアミド系樹脂(b)の混合体及び/又は共重合体
あるいは、キシリレンジアミン成分と炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミド樹脂
成分(a2 )と脂肪族ポリアミド系樹脂(b)の混合体
及び/又は共重合体で、芳香族ポリアミド成分(a1 )
若しくは(a2 )を10モル%以上含有した樹脂組成物 (Y):耐屈曲疲労性改良剤 B層に用いられるポリアミド樹脂組成物は脂肪族ポリア
ミド樹脂を主成分とするものである。
層フィルムはA/BまたはA/B/Aの層構成のポリア
ミドフィルムの一方又は両方のA層上に金属酸化物薄膜
層からなるガスバリア層が形成され、さらに該金属酸化
物薄膜層上にポリオレフィンフィルムを積層したフィル
ムであって、ガスバリア層が接するA層表面に滑剤が存
在しないことを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
該A層およびB層が以下に示す樹脂からなることが好ま
しい。Aで表されるポリアミド樹脂組成物は以下のXを
100重量部に対してYを0〜10重量部配合して得られ
る。 (X):テレフタル酸またはイソフタル酸と脂肪族ジア
ミンからなる芳香族ポリアミド樹脂成分(a1 )と脂肪
族ポリアミド系樹脂(b)の混合体及び/又は共重合体
あるいは、キシリレンジアミン成分と炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミド樹脂
成分(a2 )と脂肪族ポリアミド系樹脂(b)の混合体
及び/又は共重合体で、芳香族ポリアミド成分(a1 )
若しくは(a2 )を10モル%以上含有した樹脂組成物 (Y):耐屈曲疲労性改良剤 B層に用いられるポリアミド樹脂組成物は脂肪族ポリア
ミド樹脂を主成分とするものである。
【0005】該A層と該無機金属薄膜層の間に密着強度
向上のため易接着層を積層していることが好ましく、さ
らに該金属酸化物薄膜層が酸化珪素と酸化アルミニウム
の混合物薄膜層であることが好ましく、さらに酸化珪素
と酸化アルミニウムの混合物中の酸化アルミニウムが5
重量%以上45重量%以下であることがさらに好ましい。
向上のため易接着層を積層していることが好ましく、さ
らに該金属酸化物薄膜層が酸化珪素と酸化アルミニウム
の混合物薄膜層であることが好ましく、さらに酸化珪素
と酸化アルミニウムの混合物中の酸化アルミニウムが5
重量%以上45重量%以下であることがさらに好ましい。
【0006】上記の構成から成る本発明のガスバリア性
積層フィルムは、初期及びボイル処理後においても優れ
たガスバリア性を有し、且つ、透明性、耐ピンホール性
に優れたガスバリア性積層フィルムである。
積層フィルムは、初期及びボイル処理後においても優れ
たガスバリア性を有し、且つ、透明性、耐ピンホール性
に優れたガスバリア性積層フィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明で規定する各層構成
材について詳細に説明すると共に、上記特性を定めた理
由について詳述する。
材について詳細に説明すると共に、上記特性を定めた理
由について詳述する。
【0008】本発明のガスバリア性積層フィルムはA/
BまたはA/B/Aの層構成のポリアミドフィルムの一
方又は両方のA層上に金属酸化物薄膜層からなるガスバ
リア層が形成され、さらに該金属酸化物薄膜層上にポリ
オレフィンフィルムを積層したフィルムであって、ガス
バリア層が接するポリアミドフィルム表面に滑剤が存在
しないことを特徴とするガスバリア性積層フィルムであ
る。さらに該A層およびB層が以下に示す樹脂からなる
ことが好ましい。Aで表されるポリアミド樹脂組成物は
以下のXを 100重量部に対してYを0〜10重量部配合し
て得られる。 (X):テレフタル酸またはイソフタル酸と脂肪族ジア
ミンからなる芳香族ポリアミド樹脂成分(a1 )と脂肪
族ポリアミド系樹脂(b)の混合体及び/又は共重合体
あるいは、キシリレンジアミン成分と炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミド樹脂
成分(a2 )と脂肪族ポリアミド系樹脂(b)の混合体
及び/又は共重合体で、芳香族ポリアミド成分(a1 )
を10モル%以上含有した樹脂組成物 (Y):耐屈曲疲労性改良剤 B層に用いられるポリアミド樹脂組成物は脂肪族ポリア
ミド樹脂を主成分とするものである。
BまたはA/B/Aの層構成のポリアミドフィルムの一
方又は両方のA層上に金属酸化物薄膜層からなるガスバ
リア層が形成され、さらに該金属酸化物薄膜層上にポリ
オレフィンフィルムを積層したフィルムであって、ガス
バリア層が接するポリアミドフィルム表面に滑剤が存在
しないことを特徴とするガスバリア性積層フィルムであ
る。さらに該A層およびB層が以下に示す樹脂からなる
ことが好ましい。Aで表されるポリアミド樹脂組成物は
以下のXを 100重量部に対してYを0〜10重量部配合し
て得られる。 (X):テレフタル酸またはイソフタル酸と脂肪族ジア
ミンからなる芳香族ポリアミド樹脂成分(a1 )と脂肪
族ポリアミド系樹脂(b)の混合体及び/又は共重合体
あるいは、キシリレンジアミン成分と炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミド樹脂
成分(a2 )と脂肪族ポリアミド系樹脂(b)の混合体
及び/又は共重合体で、芳香族ポリアミド成分(a1 )
を10モル%以上含有した樹脂組成物 (Y):耐屈曲疲労性改良剤 B層に用いられるポリアミド樹脂組成物は脂肪族ポリア
ミド樹脂を主成分とするものである。
【0009】本発明で使用される脂肪族ポリアミドとし
ては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン612 、ナ
イロン46およびこれらの共重合体、ブレンド物等が挙
げられるが、ナイロン6およびナイロン66が好まし
い。
ては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン612 、ナ
イロン46およびこれらの共重合体、ブレンド物等が挙
げられるが、ナイロン6およびナイロン66が好まし
い。
【0010】本発明のポリアミド系積層フィルムは公知
の製造方法により製造することができる。すなわち、各
層を構成する重合体を別々の押出し機を用いて溶融し、
共押出しにより製造する方法、各層を構成する重合体を
ラミネートにより積層する方法、およびこれらを組み合
わせた方法などをとることができる。更に、本発明のポ
リアミド系積層フィルムは、未延伸フィルムと延伸フィ
ルムのどちらでも使用することができるが、フィルムの
加工適性を向上させる為に一軸又は二軸方向に延伸して
使用することが望ましい。延伸方法としては、テンター
式逐次二軸延伸方法、テンター式同時二軸延伸方法、チ
ューブラー法などの公知の方法を用いることができる。
また、本発明の積層ポリアミドフィルムの目的、性能を
損なわない限り各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候
剤、ゲル化防止剤、ブロッキング防止剤、顔料、帯電防
止剤などを適宜配合しても良い。また、本発明の積層ポ
リアミドフィルムに印刷性や接着性を付与するためにフ
ィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照
射処理、火焔処理を施したり、コーティング等の手段に
よりポリマー層を塗布することができる。また、ポリオ
レフィン等のシーラント材料を表面に積層することがで
き,表面層Aと基材層Bとの密着性を向上させるために
表面層と基材層の間にさらに一層Cを設けA/C/Bの
構造としても良い。
の製造方法により製造することができる。すなわち、各
層を構成する重合体を別々の押出し機を用いて溶融し、
共押出しにより製造する方法、各層を構成する重合体を
ラミネートにより積層する方法、およびこれらを組み合
わせた方法などをとることができる。更に、本発明のポ
リアミド系積層フィルムは、未延伸フィルムと延伸フィ
ルムのどちらでも使用することができるが、フィルムの
加工適性を向上させる為に一軸又は二軸方向に延伸して
使用することが望ましい。延伸方法としては、テンター
式逐次二軸延伸方法、テンター式同時二軸延伸方法、チ
ューブラー法などの公知の方法を用いることができる。
また、本発明の積層ポリアミドフィルムの目的、性能を
損なわない限り各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候
剤、ゲル化防止剤、ブロッキング防止剤、顔料、帯電防
止剤などを適宜配合しても良い。また、本発明の積層ポ
リアミドフィルムに印刷性や接着性を付与するためにフ
ィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照
射処理、火焔処理を施したり、コーティング等の手段に
よりポリマー層を塗布することができる。また、ポリオ
レフィン等のシーラント材料を表面に積層することがで
き,表面層Aと基材層Bとの密着性を向上させるために
表面層と基材層の間にさらに一層Cを設けA/C/Bの
構造としても良い。
【0011】次にガスバリア層を構成する無機質蒸着層
としては、酸化珪素と酸化アルミニウム酸化酸化マグネ
シウムやこれらの混合物などが挙げられる。ここでいう
酸化珪素とは、SiOやSiO2 等の各種珪素酸化物の
混合物からなり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl
2 O3 等の各種アルミニウム酸化物の混合物からなり、
各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの作製条件
によって異なってくる。
としては、酸化珪素と酸化アルミニウム酸化酸化マグネ
シウムやこれらの混合物などが挙げられる。ここでいう
酸化珪素とは、SiOやSiO2 等の各種珪素酸化物の
混合物からなり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl
2 O3 等の各種アルミニウム酸化物の混合物からなり、
各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの作製条件
によって異なってくる。
【0012】本発明においては、ガスバリア層中に占め
る酸化アルミニウムの含有率が5重量%以上45重量%
以下の酸化珪素と酸化アルミニウムの混合物が好まし
い。酸化珪素・酸化アルミニウム系蒸着膜中の酸化アル
ミニウム量が5重量%未満なるものでは、蒸着膜中に格
子欠陥が生じ十分なガスバリア性が得られないといった
問題が生じ、また酸化珪素・酸化アルミニウム系蒸着膜
中の酸化アルミニウム量が45重量%超になると、膜の
柔軟性が低下し、熱水処理時における寸法変化によって
膜の破壊(割れや剥離)が生じ易くなってバリア性が低
下するといった問題が生じ、本発明の目的にそぐわなく
なる。酸化アルミニウムのより好ましい比率は10重量%
以上35重量%以下、更に好ましくは15重量%以上25重量
%以下である。尚該ガスバリア層中には、その特性を損
なわない範囲で更に他の酸化物等を微量(せいぜい3重
量%まで)含んでいても構わない。
る酸化アルミニウムの含有率が5重量%以上45重量%
以下の酸化珪素と酸化アルミニウムの混合物が好まし
い。酸化珪素・酸化アルミニウム系蒸着膜中の酸化アル
ミニウム量が5重量%未満なるものでは、蒸着膜中に格
子欠陥が生じ十分なガスバリア性が得られないといった
問題が生じ、また酸化珪素・酸化アルミニウム系蒸着膜
中の酸化アルミニウム量が45重量%超になると、膜の
柔軟性が低下し、熱水処理時における寸法変化によって
膜の破壊(割れや剥離)が生じ易くなってバリア性が低
下するといった問題が生じ、本発明の目的にそぐわなく
なる。酸化アルミニウムのより好ましい比率は10重量%
以上35重量%以下、更に好ましくは15重量%以上25重量
%以下である。尚該ガスバリア層中には、その特性を損
なわない範囲で更に他の酸化物等を微量(せいぜい3重
量%まで)含んでいても構わない。
【0013】上記酸化珪素と酸化アルミニウムとからな
るガスバリア層の膜厚は、通常10〜5,000Å、好
ましくは50〜2,000Åであり、膜厚が10Å未満
では満足のいくガスバリア性が得られ難く、また5,0
00Åを超えて過度に厚くしても、それに相当するガス
バリア性向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの
点で却って不利となる。酸化珪素・酸化アルミニウム系
蒸着膜の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいはCVD
等の化学蒸着法等が適宜用いられる。たとえば真空蒸着
法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2 とAl2
O3 の混合物、あるいはSiO2 とAlの混合物等が用
いられる。加熱には、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱
等を採用することができ、また、反応ガスとして酸素、
窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入した
り、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応
性蒸着を採用することも可能である。更に、基板にバイ
アスを印加したり、基板を加熱したり冷却する等、成膜
条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反
応ガス、基板バイアス、加熱・冷却等は、スパッタリン
グ法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能であ
る。
るガスバリア層の膜厚は、通常10〜5,000Å、好
ましくは50〜2,000Åであり、膜厚が10Å未満
では満足のいくガスバリア性が得られ難く、また5,0
00Åを超えて過度に厚くしても、それに相当するガス
バリア性向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの
点で却って不利となる。酸化珪素・酸化アルミニウム系
蒸着膜の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいはCVD
等の化学蒸着法等が適宜用いられる。たとえば真空蒸着
法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2 とAl2
O3 の混合物、あるいはSiO2 とAlの混合物等が用
いられる。加熱には、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱
等を採用することができ、また、反応ガスとして酸素、
窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入した
り、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応
性蒸着を採用することも可能である。更に、基板にバイ
アスを印加したり、基板を加熱したり冷却する等、成膜
条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反
応ガス、基板バイアス、加熱・冷却等は、スパッタリン
グ法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能であ
る。
【0014】また、蒸着の前あるいは蒸着中に、基層と
なるポリアミド系樹脂フィルムの表面にコロナ処理、火
炎処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッ
タ処理、粗面化処理などを施し、蒸着膜の密着強度向上
を図ることも有効である。この様な成分組成の酸化珪素
・酸化アルミニウム系薄膜とすることにより透明で、煮
沸処理やゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐え得る優れ
た性能のガスバリアフィルムを得ることが可能となる。
尚、本発明にかかる積層フィルムのガスバリア性には、
基層となるポリアミド系樹脂フィルムと上記ガスバリア
層との密着強度が大きく関係しており、密着強度が大き
いほどガスバリア性は向上する。そして本発明者らの検
討結果によれば、優れたガスバリア性を有し、且つ煮沸
処理後においてもその優れたガスバリア性を維持させる
には、煮沸処理後の密着強度を 100g/15mm以上に
すべきであることを確認している。より好ましい密着強
度は 150g/15mm以上、さらに好ましくは 200g/
15mm以上、一層好ましくは 250g/15mm以上で
ある。密着強度が 100g/15mmに満たない場合は、
煮沸処理によってガスバリア性が悪くなる傾向が現われ
てくる。
なるポリアミド系樹脂フィルムの表面にコロナ処理、火
炎処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッ
タ処理、粗面化処理などを施し、蒸着膜の密着強度向上
を図ることも有効である。この様な成分組成の酸化珪素
・酸化アルミニウム系薄膜とすることにより透明で、煮
沸処理やゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐え得る優れ
た性能のガスバリアフィルムを得ることが可能となる。
尚、本発明にかかる積層フィルムのガスバリア性には、
基層となるポリアミド系樹脂フィルムと上記ガスバリア
層との密着強度が大きく関係しており、密着強度が大き
いほどガスバリア性は向上する。そして本発明者らの検
討結果によれば、優れたガスバリア性を有し、且つ煮沸
処理後においてもその優れたガスバリア性を維持させる
には、煮沸処理後の密着強度を 100g/15mm以上に
すべきであることを確認している。より好ましい密着強
度は 150g/15mm以上、さらに好ましくは 200g/
15mm以上、一層好ましくは 250g/15mm以上で
ある。密着強度が 100g/15mmに満たない場合は、
煮沸処理によってガスバリア性が悪くなる傾向が現われ
てくる。
【0015】この理由は、密着強度が大きければ、煮沸
処理やレトルト処理によって蒸着基材に若干の収縮が起
こった場合でも、無機質蒸着層の剥離が起こり難くなる
ためと考えられる。
処理やレトルト処理によって蒸着基材に若干の収縮が起
こった場合でも、無機質蒸着層の剥離が起こり難くなる
ためと考えられる。
【0016】この様に優れた密着強度を得るための手段
としては、無機質蒸着層の基層となるポリアミド系樹脂
フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、グロー
放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理等を施したり、
あるいはポリアミド系樹脂フィルム上に密着力向上の為
のアンカーコート層を形成する等の方法があるが、勿論
これらの方法に限定されるものではない。
としては、無機質蒸着層の基層となるポリアミド系樹脂
フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、グロー
放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理等を施したり、
あるいはポリアミド系樹脂フィルム上に密着力向上の為
のアンカーコート層を形成する等の方法があるが、勿論
これらの方法に限定されるものではない。
【0017】密着強度向上の為に好ましく使用される上
記アンカーコート剤としては、反応性ポリエステル樹
脂、油変性アルキド樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、
メラミン変性アルキド樹脂、エポキシ硬化アクリル樹
脂、エポキシ系樹脂(アミン、カルボキシル基末端ポリ
エステル、フェノール、イソシアネート等を硬化剤とし
て用いたもの)、イソシアネート系樹脂(アミン、尿
素、カルボン酸等を硬化剤として用いたもの)、ウレタ
ン−ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、反応性アク
リル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等及び
これらの共重合体が例示される。これらは水に可溶化乃
至分散化した水性樹脂として用いることもできる。この
他、シランカップリング剤などの無機系コート剤をアン
カーコート剤として使用することも有効である。
記アンカーコート剤としては、反応性ポリエステル樹
脂、油変性アルキド樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、
メラミン変性アルキド樹脂、エポキシ硬化アクリル樹
脂、エポキシ系樹脂(アミン、カルボキシル基末端ポリ
エステル、フェノール、イソシアネート等を硬化剤とし
て用いたもの)、イソシアネート系樹脂(アミン、尿
素、カルボン酸等を硬化剤として用いたもの)、ウレタ
ン−ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、反応性アク
リル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等及び
これらの共重合体が例示される。これらは水に可溶化乃
至分散化した水性樹脂として用いることもできる。この
他、シランカップリング剤などの無機系コート剤をアン
カーコート剤として使用することも有効である。
【0018】上記アンカーコート層の形成法としては、
ポリアミド系樹脂フィルムの製造時に塗布するインライ
ン方式、ポリアミド系樹脂フィルムの製造とは別工程で
塗布するオフライン方式のいずれを採用することもでき
る。また、塗布には公知の塗工法、たとえばロールコー
ト法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレ
ーコート法、エアーナイフコート法、グラビアコート
法、含浸法、カーテンコート法等を採用することができ
る。
ポリアミド系樹脂フィルムの製造時に塗布するインライ
ン方式、ポリアミド系樹脂フィルムの製造とは別工程で
塗布するオフライン方式のいずれを採用することもでき
る。また、塗布には公知の塗工法、たとえばロールコー
ト法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレ
ーコート法、エアーナイフコート法、グラビアコート
法、含浸法、カーテンコート法等を採用することができ
る。
【0019】また、本発明者らの検討結果によると、該
アンカーコート層の形成による基層と無機質蒸着層との
密着強度の向上には、コスト、衛生性の点からから水系
ポリエステル樹脂の使用が好ましい。この様なポリエス
テル系樹脂は、ジカルボン酸またはトリカルボン酸とグ
リコール類を重縮合することによって得られる。該重縮
合に用いられる成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸、トリメリット酸等の酸成分、および
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタン
ジオール、エチレングリコール変性ビスフェノールA等
のグリコール成分が挙げられるが、勿論これらに限られ
るものではない。またこのポリエステル系樹脂は、アク
リル系モノマーをグラフト共重合したものであっても構
わない。該アンカーコート層の好ましい厚みは0.01
〜10μm、より好ましくは0.02〜5μmであり、
厚さが0.02μm未満では密着強度向上効果が十分に
発揮され難くなる傾向があり、また5μmを超えて過度
に厚くしてもそれ以上の密着性向上効果は発揮されず、
経済的にも不利となる。
アンカーコート層の形成による基層と無機質蒸着層との
密着強度の向上には、コスト、衛生性の点からから水系
ポリエステル樹脂の使用が好ましい。この様なポリエス
テル系樹脂は、ジカルボン酸またはトリカルボン酸とグ
リコール類を重縮合することによって得られる。該重縮
合に用いられる成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸、トリメリット酸等の酸成分、および
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタン
ジオール、エチレングリコール変性ビスフェノールA等
のグリコール成分が挙げられるが、勿論これらに限られ
るものではない。またこのポリエステル系樹脂は、アク
リル系モノマーをグラフト共重合したものであっても構
わない。該アンカーコート層の好ましい厚みは0.01
〜10μm、より好ましくは0.02〜5μmであり、
厚さが0.02μm未満では密着強度向上効果が十分に
発揮され難くなる傾向があり、また5μmを超えて過度
に厚くしてもそれ以上の密着性向上効果は発揮されず、
経済的にも不利となる。
【0020】上記無機質蒸着層の表面には、主たる目的
として、熱接着性を与える為のポリオレフィン系樹脂よ
りなるヒートシール層が形成されるが、該ヒートシール
層は無機質蒸着層の保護層としての機能も有しており、
その機能を有効に果たす上で、該無機質蒸着層とヒート
シール層との接着力を高めることは極めて有効であり、
その為の手段として、無機質蒸着層とヒートシール層と
の間に接着剤層を設けることは極めて有効である。
として、熱接着性を与える為のポリオレフィン系樹脂よ
りなるヒートシール層が形成されるが、該ヒートシール
層は無機質蒸着層の保護層としての機能も有しており、
その機能を有効に果たす上で、該無機質蒸着層とヒート
シール層との接着力を高めることは極めて有効であり、
その為の手段として、無機質蒸着層とヒートシール層と
の間に接着剤層を設けることは極めて有効である。
【0021】ヒートシール層を構成するポリオレフィン
系樹脂は、必ずしも単層である必要はなく複層であって
もよく、複層構造とするときの各層を構成する樹脂も、
同種の樹脂の組合せはもとより、異種ポリマーの共重合
物や変性物、ブレンド物などを積層したものであっても
よい。たとえば、ラミネート性やヒートシール性を高め
るため、ベースとなる熱可塑性ポリオレフィン系樹脂の
ガラス転移温度(Tg)や融点よりも低いポリマーを複
合したり、耐熱性を付与するため逆にTgや融点の高い
ポリマーを複合することも可能である。ヒートシール層
を構成する上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じ
て各種の添加剤、たとえば可塑剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、帯電防止剤、抗
菌剤、滑剤、耐ブロッキング剤、他の樹脂などをブレン
ドすることも可能である。
系樹脂は、必ずしも単層である必要はなく複層であって
もよく、複層構造とするときの各層を構成する樹脂も、
同種の樹脂の組合せはもとより、異種ポリマーの共重合
物や変性物、ブレンド物などを積層したものであっても
よい。たとえば、ラミネート性やヒートシール性を高め
るため、ベースとなる熱可塑性ポリオレフィン系樹脂の
ガラス転移温度(Tg)や融点よりも低いポリマーを複
合したり、耐熱性を付与するため逆にTgや融点の高い
ポリマーを複合することも可能である。ヒートシール層
を構成する上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じ
て各種の添加剤、たとえば可塑剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、帯電防止剤、抗
菌剤、滑剤、耐ブロッキング剤、他の樹脂などをブレン
ドすることも可能である。
【0022】接着剤層を構成する樹脂として特に好まし
いのは、ガラス転移温度が−10℃〜40℃の範囲の樹
脂、たとえばポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、アクリル系樹脂などであり、これらは単
独で使用し得るほか、必要により2種以上を併用したり
溶融混合して使用し、あるいは官能基として例えば、カ
ルボン酸基、酸無水物、(メタ)アクリル酸や(メタ)
アクリル酸エステル骨格を有する化合物;グリシジル基
やグリシジルエーテル基を含むエポキシ化合物;オキサ
ゾリン基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基等の反
応性官能基を有する硬化剤もしくは硬化促進剤を配合し
た接着剤組成物を使用することも有効である。
いのは、ガラス転移温度が−10℃〜40℃の範囲の樹
脂、たとえばポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、アクリル系樹脂などであり、これらは単
独で使用し得るほか、必要により2種以上を併用したり
溶融混合して使用し、あるいは官能基として例えば、カ
ルボン酸基、酸無水物、(メタ)アクリル酸や(メタ)
アクリル酸エステル骨格を有する化合物;グリシジル基
やグリシジルエーテル基を含むエポキシ化合物;オキサ
ゾリン基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基等の反
応性官能基を有する硬化剤もしくは硬化促進剤を配合し
た接着剤組成物を使用することも有効である。
【0023】そしてポリオレフィン系樹脂の積層は、接
着剤を用いたドライラミネート法やウェットラミネート
法、更には溶融押し出しラミネート法や共押し出しラミ
ネート法などによって、無機質蒸着層の上にヒートシー
ル層として形成される。
着剤を用いたドライラミネート法やウェットラミネート
法、更には溶融押し出しラミネート法や共押し出しラミ
ネート法などによって、無機質蒸着層の上にヒートシー
ル層として形成される。
【0024】かくして得られる本発明のガスバリア性積
層フィルムまたはシートは、その優れたガスバリア性お
よび煮沸処理やレトルト処理によるガスバリア持続性お
よび2次加工特性を生かし、包装材料として味噌、漬
物、惣菜、ベビーフード、佃煮、こんにゃく、ちくわ、
蒲鉾、水産加工品、ミートボール、ハンバーグ、ジンギ
スカン、ハム、ソーセージ、その他の畜肉加工品、茶、
コーヒー、紅茶、鰹節、昆布、ポテトチップス、バター
ピーナッツなどの油菓子、米菓、ビスケット、クッキ
ー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り
餅、スープ、ソース、ラーメン、わさび、また、練り歯
磨きなどの包装に有効に利用することができ、更にはペ
ットフード、農薬、肥料、輸液パック、或は半導体や精
密材料包装など医療、電子、化学、機械などの産業材料
包装にも有効に活用することができる。また包装材料の
形態にも特に制限がなく、袋、フタ材、カップ、チュー
ブ、スタンディングパック等に幅広く適用できる。
層フィルムまたはシートは、その優れたガスバリア性お
よび煮沸処理やレトルト処理によるガスバリア持続性お
よび2次加工特性を生かし、包装材料として味噌、漬
物、惣菜、ベビーフード、佃煮、こんにゃく、ちくわ、
蒲鉾、水産加工品、ミートボール、ハンバーグ、ジンギ
スカン、ハム、ソーセージ、その他の畜肉加工品、茶、
コーヒー、紅茶、鰹節、昆布、ポテトチップス、バター
ピーナッツなどの油菓子、米菓、ビスケット、クッキ
ー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り
餅、スープ、ソース、ラーメン、わさび、また、練り歯
磨きなどの包装に有効に利用することができ、更にはペ
ットフード、農薬、肥料、輸液パック、或は半導体や精
密材料包装など医療、電子、化学、機械などの産業材料
包装にも有効に活用することができる。また包装材料の
形態にも特に制限がなく、袋、フタ材、カップ、チュー
ブ、スタンディングパック等に幅広く適用できる。
【0025】(実施例)次に本発明を実施例により具体
的に説明する。本発明はもとより下記実施例によって制
限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る
範囲で適当に変更を加えて実施することももちろん可能
であり、それらはいずれも本発明技術的範囲に包含され
る。また、下記実施例で採用した各種の性能試験は次の
方法によって行った。
的に説明する。本発明はもとより下記実施例によって制
限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る
範囲で適当に変更を加えて実施することももちろん可能
であり、それらはいずれも本発明技術的範囲に包含され
る。また、下記実施例で採用した各種の性能試験は次の
方法によって行った。
【0026】酸素透過率:酸素透過度測定装置(「OX
−TRAN 10/50A」ModernControls社製)を使
用し、湿度0%、温度25℃で測定した。
−TRAN 10/50A」ModernControls社製)を使
用し、湿度0%、温度25℃で測定した。
【0027】水蒸気透過率:水蒸気透過度測定装置
(「PERMATRAN」ModernControls社製)を使用
し、湿度0%、温度25℃で測定した。
(「PERMATRAN」ModernControls社製)を使用
し、湿度0%、温度25℃で測定した。
【0028】密着強度:ラミネートしたものを東洋測器
社製「テンシロンUTM2」を用いて、界面に水を付着
させながら90度剥離し、ガスバリア層と基層材間のS
−Sカーブを測定して求めた。
社製「テンシロンUTM2」を用いて、界面に水を付着
させながら90度剥離し、ガスバリア層と基層材間のS
−Sカーブを測定して求めた。
【0029】耐屈曲疲労試験:耐屈曲疲労試験(以下、
ゲルボ試験)は、理学工業社製のゲルボフレックステス
ターを用いて評価した。条件としては、(MIL−B1
31H)12インチ×8インチの試験片を直径3(1/
2)インチの円筒状とし、両端を保持し、初期把握間隔
7インチとし、ストロークの3(1/2)インチで、4
00度のひねりを加える。この動作の繰り返し往復運動
を40回/minの速さで行なう。測定雰囲気は、20
℃、相対湿度は65%である。
ゲルボ試験)は、理学工業社製のゲルボフレックステス
ターを用いて評価した。条件としては、(MIL−B1
31H)12インチ×8インチの試験片を直径3(1/
2)インチの円筒状とし、両端を保持し、初期把握間隔
7インチとし、ストロークの3(1/2)インチで、4
00度のひねりを加える。この動作の繰り返し往復運動
を40回/minの速さで行なう。測定雰囲気は、20
℃、相対湿度は65%である。
【0030】(実施例1)A層として 100重量部の滑剤
を含まないナイロン6、B層として 100重量部の滑剤を
含むナイロン6をTダイから積層しながら溶融共押出し
し、20℃の回転ドラム上で冷却して厚さ 150μm の未延
伸ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを50
℃で 3.1倍に縦延伸した。次いで 125℃で横方向に 3.3
倍延伸し、215 ℃で熱固定を行い、厚み15μm の2軸延
伸フィルムを得た。又同時にポリエステル系コート剤
(東洋紡積株式会社製「AGN131」)を約0.1 μm コート
した。このフィルムは、耐屈曲疲労性、接着性のいずれ
もすぐれたものであった。このフィルムを真空蒸着装置
へ送り、チャンバー内を1×10-5 Torr の圧力に保持
し、SiO2 と70重量%とAl2 O3 :30重量%混合酸
化物を15Kwの電子線加熱によって蒸発させ、厚さ 200Å
の無色透明な無機酸化物層をコーティング面に蒸着さ
せ、無機蒸着層を形成させた。次いでこの無機蒸着層上
に、シーラント層として無延伸ポリエチレン(厚さ:55
μm )を接着剤(武田薬品社製「A310/A10」、
塗布量2g/m2 ドライラミネートし、45℃で4日間エージ
ングしてガスバリア性樹脂フィルムを得た。このガスバ
リア性樹脂フィルムについて、
を含まないナイロン6、B層として 100重量部の滑剤を
含むナイロン6をTダイから積層しながら溶融共押出し
し、20℃の回転ドラム上で冷却して厚さ 150μm の未延
伸ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを50
℃で 3.1倍に縦延伸した。次いで 125℃で横方向に 3.3
倍延伸し、215 ℃で熱固定を行い、厚み15μm の2軸延
伸フィルムを得た。又同時にポリエステル系コート剤
(東洋紡積株式会社製「AGN131」)を約0.1 μm コート
した。このフィルムは、耐屈曲疲労性、接着性のいずれ
もすぐれたものであった。このフィルムを真空蒸着装置
へ送り、チャンバー内を1×10-5 Torr の圧力に保持
し、SiO2 と70重量%とAl2 O3 :30重量%混合酸
化物を15Kwの電子線加熱によって蒸発させ、厚さ 200Å
の無色透明な無機酸化物層をコーティング面に蒸着さ
せ、無機蒸着層を形成させた。次いでこの無機蒸着層上
に、シーラント層として無延伸ポリエチレン(厚さ:55
μm )を接着剤(武田薬品社製「A310/A10」、
塗布量2g/m2 ドライラミネートし、45℃で4日間エージ
ングしてガスバリア性樹脂フィルムを得た。このガスバ
リア性樹脂フィルムについて、
【0031】(1) 未処理フィルムの酸素透過度(cc/m2・
atm ・day) (2) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの酸素透過度(cc/m2・atm ・day) (3) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの水蒸気透過度(g/m2 ・day) (4) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの剥離界面に水を滴下した ときの密着力(g/15mm) (5) 耐屈曲疲労試験後のピンホール数(個)を測定し
た。
atm ・day) (2) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの酸素透過度(cc/m2・atm ・day) (3) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの水蒸気透過度(g/m2 ・day) (4) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの剥離界面に水を滴下した ときの密着力(g/15mm) (5) 耐屈曲疲労試験後のピンホール数(個)を測定し
た。
【0032】(実施例2)実施例1の方法において、A
層として滑剤を含まないメタキシレンアジパミド(MXD
6)(共重合比70/30 )100 重量部の混合物とする以外
は、実施例1と全く同様におこなった。
層として滑剤を含まないメタキシレンアジパミド(MXD
6)(共重合比70/30 )100 重量部の混合物とする以外
は、実施例1と全く同様におこなった。
【0033】(実施例3)実施例1の方法において、滑
剤を含まないナイロン6T/ナイロン6共重合体(共重
合比50/50 )100 重量部の混合物とする以外は、実施例
1と全く同様におこなった。
剤を含まないナイロン6T/ナイロン6共重合体(共重
合比50/50 )100 重量部の混合物とする以外は、実施例
1と全く同様におこなった。
【0034】(比較例1)実施例1の方法において、A
層として 100重量部の滑剤を含む(4500ppm)ナイロン6
とする以外は、実施例1と全く同様にした。
層として 100重量部の滑剤を含む(4500ppm)ナイロン6
とする以外は、実施例1と全く同様にした。
【0035】
【表1】
【0036】(1) 未処理フィルムの酸素透過度(cc/m2・
atm ・day) (2) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの酸素透過度(cc/m2・atm ・day) (3) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの水蒸気透過度(g/m2 ・day) (4) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの剥離界面に水を滴下したときの密着力(g/15mm) (5) 耐屈曲疲労試験後のピンホール数(個)
atm ・day) (2) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの酸素透過度(cc/m2・atm ・day) (3) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの水蒸気透過度(g/m2 ・day) (4) 95℃の熱水中に30分浸漬後、1h放置後のフィ
ルムの剥離界面に水を滴下したときの密着力(g/15mm) (5) 耐屈曲疲労試験後のピンホール数(個)
【0037】
【発明の効果】上記のような積層ポリアミドフィルムを
用いた本発明の包装材料は、ボイル処理においてもガス
バリア層の劣化が少ない。その理由として、ガスバリア
層が接するポリアミドフィルム表面上の突起が非常に少
ないため、ガスバリア層を構成する無機蒸着層に不連続
点(いわゆる欠陥)が少ない。そのため無機蒸着層への
応力の集中や水の浸入などが低減され、無機蒸着層の割
れ、積層ポリアミドフィルム表面からの剥離・浮きある
いは無機蒸着層の化学変化による劣化が抑制されると考
えられる。さらに、A層の硬度が大きいため無機蒸着層
は緻密で欠陥の少ないものとなると考えられる。そのた
め、ボイル時の積層フィルムの寸法変化にもかかわら
ず、良好なバリア性が維持されると考えられる。
用いた本発明の包装材料は、ボイル処理においてもガス
バリア層の劣化が少ない。その理由として、ガスバリア
層が接するポリアミドフィルム表面上の突起が非常に少
ないため、ガスバリア層を構成する無機蒸着層に不連続
点(いわゆる欠陥)が少ない。そのため無機蒸着層への
応力の集中や水の浸入などが低減され、無機蒸着層の割
れ、積層ポリアミドフィルム表面からの剥離・浮きある
いは無機蒸着層の化学変化による劣化が抑制されると考
えられる。さらに、A層の硬度が大きいため無機蒸着層
は緻密で欠陥の少ないものとなると考えられる。そのた
め、ボイル時の積層フィルムの寸法変化にもかかわら
ず、良好なバリア性が維持されると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 正規 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 横山 誠一郎 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊関 清司 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 森重 地加男 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA17D AA19D AA20D AK01D AK03E AK04 AK41 AK46A AK46B AK46C AK46J AK48 AL01A AL05A BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10E BA13 CA19 CA30A CB00 EH20 EH66 EJ38 GB23 GB41 GB66 JD02D JJ03 JK06 JL11D JM02D YY00A YY00D
Claims (5)
- 【請求項1】 A/B層またはA/B/A層の層構成か
らなるポリアミド積層フィルムの一方又は両方のA層上
に金属酸化物薄膜層からなるガスバリア層が形成され、
さらに該金属酸化物薄膜層上にポリオレフィンフィルム
を積層したフィルムであって、ガスバリア層が接するA
層表面には滑剤が存在しないことを特徴とするガスバリ
ア性積層フィルム。 - 【請求項2】 ポリアミド積層フィルムを構成するA層
及びB層が以下に示す樹脂からなる請求項1記載のガス
バリア性積層フィルム。A層に用いられるポリアミド樹
脂組成物は下記のX 100重量部に対してYを0〜10重量
部配合して得られるもの (X):テレフタル酸またはイソフタル酸と脂肪族ジア
ミンからなる芳香族ポリアミド樹脂成分(a1 )と脂肪
族ポリアミド系樹脂(b)の混合体及び/又は共重合
体、あるいはキシリレンジアミン成分と炭素数4〜12の
脂肪族ジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミド樹
脂成分(a2 )と脂肪族ポリアミド系樹脂(b)の混合
体及び/又は共重合体で、芳香族ポリアミド成分
(a1 )若しくは(a2 )を10モル%以上含有した樹脂
組成物 (Y):耐屈曲疲労性改良剤 B層に用いられるポリアミド樹脂組成物は脂肪族ポリア
ミド樹脂を主成分とするもの - 【請求項3】 ポリアミド積層フィルムと無機金属薄膜
層の間に密着強度を向上させるため易接着層を積層して
いる請求項1記載のガスバリア性積層フィルム。 - 【請求項4】 金属酸化物薄膜層が酸化珪素と酸化アル
ミニウムの混合物薄膜層である請求項2、3記載のガス
バリア性積層フィルム。 - 【請求項5】 金属酸化物薄膜層において酸化珪素と酸
化アルミニウムの混合物中の酸化アルミニウムの割合が
5重量%以上45重量%以下である請求項4記載のガスバ
リア性積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10172787A JP2000006339A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | ガスバリア性積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10172787A JP2000006339A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | ガスバリア性積層フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000006339A true JP2000006339A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=15948357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10172787A Pending JP2000006339A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | ガスバリア性積層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000006339A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010131992A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-06-17 | Gunze Ltd | バリア性多層延伸フィルム |
JP2010131993A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-06-17 | Gunze Ltd | バリア性多層延伸フィルム |
JP2018196929A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 昭和電工パッケージング株式会社 | ラミネート材 |
-
1998
- 1998-06-19 JP JP10172787A patent/JP2000006339A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010131992A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-06-17 | Gunze Ltd | バリア性多層延伸フィルム |
JP2010131993A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-06-17 | Gunze Ltd | バリア性多層延伸フィルム |
JP2018196929A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 昭和電工パッケージング株式会社 | ラミネート材 |
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