JPH1052879A - ガスバリア性樹脂フィルム - Google Patents

ガスバリア性樹脂フィルム

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JPH1052879A
JPH1052879A JP21172196A JP21172196A JPH1052879A JP H1052879 A JPH1052879 A JP H1052879A JP 21172196 A JP21172196 A JP 21172196A JP 21172196 A JP21172196 A JP 21172196A JP H1052879 A JPH1052879 A JP H1052879A
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JP
Japan
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gas barrier
film
layer
resin film
resin
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JP21172196A
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English (en)
Inventor
Shigeru Yoneda
茂 米田
Seiichiro Yokoyama
誠一郎 横山
Seiji Izeki
清司 伊関
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイル処理またはレトルト処理の前後のいず
れにおいても優れたガスバリア性と充分な強度とを有
し、好適な熱封緘および良好な防湿性を可能にする、透
明ガスバリア性樹脂フィルムを提供すること。 【解決手段】 基材上に、少なくとも無機蒸着物層およ
びシーラント層を順次有するガスバリア性樹脂フィルム
であって、該無機蒸着層側の該基材表面における水の接
触角が70゜以下であり、かつヨウ化メチレンの接触角
が35゜以下である、ガスバリア性樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂フィルムに関
し、さらに詳細には、ガスバリア性および防湿性が良好
であり、かつ取扱い性に優れた樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】流通販売過程における温度、水分、酸
素、紫外線、細菌、カビなどの微生物の影響から生じる
食品の品質低下は、食品衛生面上大きな問題であり、販
売上の損失を伴う場合がある。このような食品の品質低
下を防止するために、従来は、酸化防止剤、防腐剤など
の食品添加物が食品に直接添加されていた。しかし、最
近では、消費者を保護する立場から、これらの食品添加
物に対する規制が厳しくなり、その添加量を減少せざる
を得ない状況にある。さらに、近年では食品流通形態お
よび食生活の変革により食品の包装形態が大きく変化し
ている。
【0003】従って、食品添加物を使用することなく食
品の品質低下を防ぎ、かつ充分に満足し得る包装形態を
得るために、気体および水分を透過せず、さらに冷凍加
工、ボイル処理、レトルト処理などの工程を施しても、
食品の品質を低下させない包装用フィルムが所望されて
いる。
【0004】詳細には、包装用フィルムには、魚肉、畜
肉、貝類などの食品中に含まれる蛋白質、油脂などの成
分の酸化および変性を抑制し、鮮度および味覚を保持す
ることが所望されている。このような酸化および変性を
抑制する包装用フィルムとしては、食品内への空気の透
過を阻止するガスバリア性フィルムが挙げられる。ガス
バリア性フィルムは、食品の香気を保持すると共に、水
分の透過を阻止するので、乾燥した食品では吸湿劣化を
抑制し、含水性の食品においては、水分が揮発して食品
が変質および固化することを抑制して、包装時の新鮮な
風味を長時間保持し得る。
【0005】ガスバリア性フィルムはまた、その非常に
優れた防湿性により、例えば、かまぼこなどの練り製
品;バター、チーズなどの乳製品;味噌などの調味料;
茶、コーヒーなどの嗜好品;ハム、ソーセージなどの薫
製食品;カステラ、ビスケットなどの菓子類;およびイ
ンスタント食品の包装に用いられる。さらに、ガスバリ
ア性フィルムは、上記食品包装用フィルムに限定され
ず、無菌状態での取扱いを必要とする医薬品、および防
錆性を必要とする電子部品の包装用フィルムとしても極
めて有用である。
【0006】このようなガスバリア性に優れたフィルム
の一例として、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、延伸ナイロン(ONY)、延伸ポリプロピレン
(OPP)、および未延伸ポリプロピレン(CPP)の
ようなプラスチックフィルムの上にアルミニウムなどの
金属層を形成したフィルムが知られている。このような
金属層を形成したガスバリア性フィルムは、ガスバリア
性に優れ、かつ低コストで製造されるという利点を有す
る。しかし、このガスバリア性フィルムは不透明である
ために、包装された内容物を確認することができず、さ
らに、マイクロ波を透過しないので、このフィルムで包
装した内容物を電子レンジを用いて加熱することができ
ないという問題がある。
【0007】他のガスバリア性フィルムの例として、P
ET、ONY、OPP、およびCPPのようなプラスチ
ックフィルムの上に塩化ビニリデンまたはエチレンビニ
ルアルコール共重合体をコーティングしたフィルムが知
られている。しかし、このフィルムは、水蒸気および酸
素に対するガスバリア性が不充分であり、特に高温下で
処理される場合には、ガスバリア性が著しく低下すると
いう問題がある。また、このフィルムは、焼却時に塩化
ビニリデンから塩素ガスを発生するので、地球環境に対
する汚染の影響が懸念されている。
【0008】さらに別のガスバリア性フィルムの例とし
ては、PETのようなポリエチレンフィルムの上に酸化
珪素、酸化アルミニウムなどの無機蒸着膜を積層したフ
ィルムが知られている。このようなガスバリア性フィル
ムは、例えば、ポリエステルポリウレタンを接着剤層に
用いて、PETフィルム上に、無機蒸着層、接着剤層、
ONYフィルム、接着剤層、およびCPPフィルムを順
次形成することにより得られる。しかし、このガスバリ
ア性フィルムは、ボイル処理またはレトルト処理を行う
と、延伸ナイロン層が収縮してガスバリア性が劣化する
という問題があった。
【0009】それ故、一般には、PETフィルム上に、
無機蒸着層、接着剤層、PETフィルム、接着剤層、C
PPフィルムを順次形成したガスバリア性フィルムが用
いられる。しかし、このガスバリア性フィルムは、強度
が不充分であり、例えば、落下させた場合に、フィルム
自身が破れるという問題がある。
【0010】特公平7−12649号公報は、ガスバリ
ア性フィルムの強度を向上させるために、基材フィルム
として、加熱処理により予め熱収縮率を低減させた(す
なわち、120℃で5分間加熱した場合に、縦方向およ
び横方向の寸法変化率の絶対値の和が2%以下である)
延伸ナイロンフィルムを用いることを開示している。し
かし、このような延伸ナイロンフィルムを基材に用いた
としても、得られるガスバリア性フィルムは、高温熱水
下で行われるボイル処理に対して、充分なガスバリア性
を保持し得ないという問題がある。さらに、このガスバ
リア性フィルムは、製造プロセスが繁雑であり、かつ搬
送および保管時の吸湿を防ぐために、アルミ箔で梱包す
るなどの防湿処理を施すことが必要になるという問題が
ある。
【0011】特開平7−276571号公報は、基材上
に、無機蒸着層、ナイロンフィルム層、およびシーラン
ト層を順次有する積層体を開示しており、この積層体
は、基材とは別にナイロンフィルムを調製してこれを積
層する必要があるので、製造コストが上昇する。この積
層体はまた、積層回数が増加する毎に歩止まりが悪くな
り、工程管理上、高価でかつ複雑な装置などが必要にな
る。さらにこの積層体は、搬送および保管時の吸湿を防
ぐためにアルミ箔で梱包するなどの防湿処理を施すこと
が必要になる点、および熱固定操作により基材の機械的
強度が低下する点で問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題の解決を課題とするものであり、その目的とすると
ころは、ボイル処理またはレトルト処理の前後のいずれ
においても優れたガスバリア性と充分な強度とを有し、
好適な熱封緘および良好な防湿性を可能にする、透明ガ
スバリア性樹脂フィルムを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に、少
なくとも無機蒸着物層およびシーラント層を順次有する
ガスバリア性樹脂フィルムであって、該無機蒸着層側の
該基材表面における水の接触角が70゜以下であり、か
つヨウ化メチレンの接触角が35゜以下であるガスバリ
ア性樹脂フィルムであり、そのことにより上記課題が解
決される。
【0014】好適な実施態様では、上記無機蒸着層と上
記シーラント層との間に接着剤層を有し、該接着剤層
は、−10℃以上40℃以下のガラス転移温度および1
0当量/106g以上の酸価を有する熱硬化性ポリエス
テル樹脂でなる。
【0015】好適な実施態様では、上記シーラント層の
40℃における圧縮弾性率は10kgf/mm2以上で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、基材上に少なくとも無
機蒸着層およびシーラント層を順次有するガスバリア性
樹脂フィルムであって、無機蒸着層側の基材表面におけ
る水の接触角は70゜以下、好ましくは60゜以下、さ
らに好ましくは40゜以上50゜以下である。同時に本
発明のガスバリア性樹脂フィルムにおいては、無機蒸着
層側の基材表面におけるヨウ化メチレンの接触角が35
゜以下、好ましくは10゜以上20゜以下である。これ
らの接触角で規定される基材表面では、この基材を構成
するポリマーの極性および該ポリマーの分子間力が大き
いため、その上に緻密な構造の無機蒸着層が形成され
得、基材と該無機蒸着層との間における後述の密着強度
が高くなる。その結果、得られる樹脂フィルムは良好な
ガスバリア性を示す。基材表面と水との接触角が70゜
を上回るか、またはヨウ化メチレンとの接触角が35゜
を上回るかのいずれかであれば、得られる樹脂フィルム
のガスバリア性は低くなる。
【0017】本発明に用いられる上記接触角を有する基
材はポリアミド系樹脂フィルムでなる。このポリアミド
系樹脂フィルムは、特に限定されないが、例えば以下の
(i)または(ii):
【0018】
【化1】
【0019】に示されるアミド反復単位を有するホモポ
リアミド、コポリアミド、またはこれらの混合物、ある
いはこれらの架橋体でなるポリアミド系樹脂で主として
なる。
【0020】ホモポリアミドの例としては、ポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸
(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミ
ンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジ
パミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミ
ド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド
(ナイロン10,10)、ポリドデカメチレンドデカミ
ド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6
ナイロン(MXD6)などが挙げられる。
【0021】コポリアミドの例としては、カプロラクタ
ム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリ
ンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/
へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エ
チレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/
メタキシレンジアンモニウムアジペート共重合体などが
挙げられる。
【0022】特に、カプロラクタム/メタキシレンジア
ンモニウムアジペートが好ましい。
【0023】これらの架橋体としては、ジグリシジルエ
ーテルなどで上記ホモポリアミドまたはコポリアミドを
架橋した化合物が挙げられる。
【0024】本発明においては、得られる基材フィルム
に柔軟性を付与する目的で、上記ポリアミド系樹脂に、
芳香族スルホンアミド類;p−ヒドロキシ安息香酸;エ
ステル類などの可塑剤;低弾性率のエラストマー成分;
またはラクタム類が配合され得る。ポリアミド系樹脂に
配合されるエラストマー成分の例としては、アイオノマ
ー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレ
タン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロ
ックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマ
ー、ポリエステル系エラストマー、変性スチレン系熱可
塑性エラストマー、変性アクリルゴム、変性エチレンプ
ロピレンゴムなどが挙げられる。
【0025】上記ポリアミド系樹脂フィルムは、好まし
くは5μm〜50μm、より好ましくは10μm〜30
μmの厚みを有する。ポリアミド系樹脂フィルムの厚み
が5μm未満では、得られるガスバリア性樹脂フィルム
を用いて製袋した場合に、充填される内容物の重量に耐
えきれず破袋する場合がある。ポリアミド系樹脂フィル
ムの厚みが50μmを上回ると、得られる樹脂フィルム
の屈曲性が損なわれる場合がある。
【0026】上記基材に用いられるポリアミド系樹脂フ
ィルムは、未延伸フィルム、あるいは一軸または二軸延
伸されたフィルムからなる。このようなフィルムは、当
業者に公知の方法を用いて作製される。さらに、このフ
ィルムを作製する場合、任意の延伸倍率、延伸時の加熱
温度、および緩和率が選択され得る。
【0027】本発明に用いられる基材としては、上記接
触角、および無機蒸着層との密着強度を向上させるため
に、必要に応じてコロナ処理、火炎処理、低温プラズマ
処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理な
どの表面処理が施されたポリアミド系樹脂フィルムが用
いられ得るか、あるいは上記ポリアミド系樹脂層上にア
ンカーコート層が形成され得るが、特にこれらに限定さ
れない。
【0028】アンカーコート層は、例えば、以下からな
る群より選択される任意の樹脂を用いて形成される:反
応性ポリエステル樹脂;油変性アルキド樹脂;ウレタン
アルキド樹脂;メラミンアルキド樹脂;エポキシ硬化ア
クリル樹脂;硬化剤としてアミン、カルボキシル基末端
ポリエステル、フェノール、イソシアネートなどを用い
たエポキシ系樹脂;硬化剤としてアミン、尿素、カルボ
ン酸などを用いたイソシアネート系樹脂;ウレタン−ポ
リエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;フェノール樹脂;
ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;反応性アクリル樹
脂;塩化ビニル系樹脂;およびこれらを水に対して可溶
化または分散化させた樹脂;シランカップリング剤など
の無機系コート剤。
【0029】本発明において、使用され得るアンカーコ
ート層の厚みは、好ましくは、0.01μm〜10μm
であり、より好ましくは0.02μm〜5μmである。
アンカーコート層の厚みが0.01μm未満では、接触
角の改善の効果がなくなる場合がある。アンカーコート
層の厚みが10μmを越えると、ラミネートしたときの
強度が低下し、ポリアミド系樹脂層上に形成することが
困難となる場合がある。
【0030】本発明に用いられる無機蒸着層は、得られ
るガスバリア性樹脂フィルムに高いガスバリア性を付与
し、かつ廃棄しても環境に影響を及ぼすことのない蒸着
材料でなる。この蒸着材料の例としては、ケイ素酸化
物、および酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物が
挙げられる。二酸化ケイ素、または二酸化ケイ素と酸化
アルミニウムとの混合物が好ましい。蒸着材料が混合物
である場合には、無機蒸着層の重量全体の70重量%以
下の酸化アルミニウムと30重量%以上の二酸化ケイ素
とでなる混合物が特に好ましい。無機蒸着層は、上記蒸
着材料の少なくとも2層でなる積層体であってもよく、
あるいは少量であれば他の金属または金属酸化物が混入
していてもよい。
【0031】上記無機蒸着層は、好ましくは10オング
ストローム〜5000オングストローム、より好ましく
は50オングストローム〜2000オングストロームの
厚みを有する。無機蒸着層の厚みが10オングストロー
ム未満では、得られるガスバリア性樹脂フィルムが充分
なガスバリア性を有さない場合がある。反対に無機蒸着
層の厚みが5000オングストロームを上回っても、得
られるガスバリア性樹脂フィルムのガスバリア性および
防湿性はそれ以上改善されず、むしろ耐屈曲性が低下
し、かつ製造コストが高くなる場合がある。
【0032】本発明において、基材と無機蒸着層との間
の密着強度は、好ましくは500g/15mm以上であ
り、より好ましくは800g/15mm以上であり、さ
らにより好ましくは1100g/15mm以上であり、
さらにより好ましくは1300g/15mm以上であ
る。この密着強度が高いほど、得られるガスバリア性樹
脂フィルムは、ガスバリア性が向上し、ボイル処理また
はレトルト処理後であってもそのガスバリア性は維持さ
れる。ここで、本明細書中に用いられる用語「ボイル処
理」とは、所定温度(例えば、95℃)の熱水中に浸漬
することをいい、本明細書中に用いられる用語「レトル
ト処理」とは、所定の温度および圧力(例えば、120
℃で1.5atm)下で行われる熱水中での加熱殺菌処
理をいう。密着強度が500g/15mm未満である
と、得られるガスバリア性樹脂フィルムはボイル処理ま
たはレトルト処理によってガスバリア性を損なう場合が
ある。
【0033】このような密着強度は、例えば以下のよう
にして測定される:得られた樹脂フィルムについて、J
IS K6854に準拠した90゜剥離試験方法によ
り、テンシロンUTM2(東洋測器社製)を用いて、基
材と無機蒸着層との間のS−Sカーブを求め、このS−
Sカーブから基材と無機蒸着層との間の密着強度(g/
15mm)を算出する。
【0034】本発明に用いられるシーラント層は、任意
のポリオレフィン系樹脂でなる。このポリオレフィン系
樹脂の好適な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、およびポリビニルアルコールが挙げられる。さら
に、これらのポリオレフィン系樹脂を構成するモノマー
から得られる共重合体、該ポリオレフィン系樹脂の変性
物、またはこれらのブレンドが用いられてもよい。
【0035】本発明において、シーラント層は、単層ま
たは複合層のいずれでもあり得る。ポリオレフィン系樹
脂層が複合層である場合、各層が異なるポリオレフィン
系樹脂から形成され得る。さらに、この複合層は、ヒー
トシール性を向上させるために、ポリオレフィン系樹脂
でなる少なくとも1つの層上に、該ポリオレフィン系樹
脂よりも低いガラス転移温度(以下、Tgと省略する)
および融点を有する低密度ポリエチレンなどのポリマー
でなる層が形成されていてもよい。あるいは、耐熱性を
提供するために、この複合層は、ポリオレフィン系樹脂
でなる少なくとも1つの層上に、該ポリオレフィン系樹
脂よりも高いTgおよび融点を有するグラフト化ポリプ
ロピレンなどのポリマーでなる層が形成されていてもよ
い。
【0036】上記シーラント層は、40℃における圧縮
弾性率が好ましくは10kgf/mm2以上、より好ま
しくは20kgf/mm2以上、さらにより好ましくは
30kgf/mm2以上100kgf/mm2以下である
ことにより、得られる樹脂フィルムのガスバリア性をさ
らに向上し得る。40℃における圧縮弾性率が10kg
f/mm2未満では、ボイル処理を施したときに上記シ
ーラント層が熱収縮して、形成された無機蒸着層の破壊
または剥離を生じ、その結果、得られる樹脂フィルムの
ガスバリア性を低下させる恐れがある。このような圧縮
弾性率を有するシーラント層は、ヒートシール性に優れ
る上記ポリオレフィン系樹脂およびより高い圧縮弾性率
を有する上記ポリオレフィン系樹脂を共押出し成型する
ことにより得られる。
【0037】本発明に用いられるシーラント層は、好ま
しくは20μm〜100μm、より好ましくは30μm
〜80μmの厚みを有する。シーラント層の厚みが20
μm未満では、ボイル処理によってガスバリア性が大き
く低下する場合がある。シーラント層の厚みが100μ
mを上回ると、ヒートシール性、すなわちシール強度が
低下する場合がある。
【0038】上記シーラント層は、未延伸フィルムであ
り得る。このようなフィルムは、当業者に公知の方法を
用いて作製される。
【0039】本発明に用いられる接着剤層は、硬化前に
おいて−10℃以上40℃以下、好ましくは0℃以上3
0℃以下のTgを有し、そして10当量/106g以
上、好ましくは50当量/106g以上5000当量1
6g以下の酸価を有する熱硬化性ポリエステル樹脂か
ら構成される。接着剤層を構成する熱硬化性ポリエステ
ル樹脂のTgまたは酸価がこれらの範囲外であると、得
られるガスバリア性樹脂フィルムが充分なガスバリア性
を有さず、特にボイル処理およびレトルト処理におい
て、ガスバリア性が著しく低減する。
【0040】接着剤層に用いられる熱硬化性ポリエステ
ル樹脂は、結晶性または非晶性のポリエステルであり、
さらにある特定の温度領域においてエステル化による高
分子化および架橋構造化が可能な、通常、反応性の基を
有するポリエステル樹脂である。この熱硬化性ポリエス
テル樹脂を用いることにより、得られるガスバリア性樹
脂フィルムの耐水性および耐熱性が向上する。
【0041】上記ポリエステルは、好ましくはジカルボ
ン酸またはトリカルボン酸と、グリコールとを公知の方
法を用いて重縮合して作製されるポリエステル樹脂であ
る。ジカルボン酸またはトリカルボン酸の例としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、およびトリ
メリット酸が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。グリコールの例としては、エチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、ブタンジオール、およびエチレ
ングリコール変性ビスフェノールAが挙げられるが、特
にこれらに限定されない。
【0042】上記熱硬化性ポリエステル樹脂は、例え
ば、アクリル酸基を有するグラフトポリマーであり、こ
れは上記結晶性または非結晶性のポリエステルと、アク
リル酸基を有するモノマーまたはオリゴマーとのグラフ
ト反応により得られる。あるいは、熱硬化性ポリエステ
ル樹脂は、上記結晶性または非結晶性のポリエステル
と、カルボン酸基、(メタ)アクリル酸基、または(メ
タ)アクリル酸エステル基を有する化合物およびそれら
の酸無水物;グリシジル基またはグリシジルエーテル基
を有するエポキシ化合物;もしくはオキサゾリン基、イ
ソシアネート基、アミノ基、水酸基などを含有する硬化
剤との混合であり得る。本発明において、接着剤層は、
接着性をさらに向上させるために、好ましくは、Tgが
高くかつ微結晶性を有する上記熱硬化性ポリエステル樹
脂、およびTgが低くかつ非晶性を有する上記熱硬化性
ポリエステル樹脂のような2種以上の上記熱硬化性ポリ
エステル樹脂を混合溶融して作製され得る。
【0043】上記基材、シーラント層、および接着剤層
には、それぞれ必要に応じて公知の添加剤が任意の量で
ブレンドされ得る。このような添加剤の例としては、可
塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、
フィラー、帯電防止剤、抗菌剤、滑剤、耐ブロッキング
剤、耐ピンホール剤などの他の樹脂が挙げられる。
【0044】本発明のガスバリア性樹脂フィルムは、以
下のようにして作製される。
【0045】まず、上記ポリアミド系樹脂フィルムに、
必要に応じてコロナ処理、火炎処理、低温プラズマ処
理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理など
の表面処理が施され得る。次いで、この表面処理された
ポリアミド系樹脂フィルム(ポリアミド系樹脂層)上に
アンカーコート層が必要に応じて形成される。アンカー
コート層は、上記のようにポリアミド系樹脂フィルムの
製造工程後に別工程で形成されたアンカーコート層用の
フィルムが積層されてもよく(オフライン方式)、ある
いはポリアミド系樹脂フィルムの製造工程の間に形成さ
れてもよい(インライン方式)。本発明において、アン
カーコート層は公知の方法を用いて形成され得、例とし
ては、ロールコート法、リバースコート法、ロールブラ
ッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、
グラビアコート法、含浸法、およびカーテンコート法が
挙げられる。このようにして表面処理された、あるいは
必要に応じてアンカーコート層を有する基材が作製され
る。
【0046】次いで、基材を任意の手段(例えば、抵抗
加熱手段、誘導加熱手段、および電子線加熱手段)で加
熱して、該基材表面に(アンカーコート層を有する場合
にはアンカーコート層)上に上記蒸着化合物が蒸着され
る。蒸着化合物の蒸着には公知の方法が用いられる。こ
のような蒸着方法の例としては、真空蒸着層、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着方
法;PECVD(プラズマエンハンスト化学蒸着法)な
どの化学蒸着方法;上記蒸着化合物とともに、反応ガス
として例えば、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガ
ス、または水蒸気を導入する手段、またはオゾン添加、
イオンアシストなどの手段を用いる反応性蒸着方法が挙
げられる。さらに、この蒸着時には、基材への任意のバ
イアス電圧の印加が行われ得る。上記蒸着化合物が蒸着
された基材は任意の手段を用いて冷却され得る。本発明
において、上記蒸着化合物および反応ガスの種類、バイ
アス電圧、加熱および冷却温度などの設定条件は、任意
に変更され得る。
【0047】次いで、無機蒸着層上に接着剤層が必要に
応じて公知の方法で形成される。接着剤層の形成方法の
例としては、ドライラミネート法;上記接着性樹脂のエ
マルジョンを用いるウェットラミネート法;溶融押出し
ラミネート法および;共押出しラミネート法が挙げられ
る。このような方法を用いて形成される接着剤層の量
は、好ましくは0.1g/m2〜30g/m2であり、よ
り好ましくは0.5g/m2〜15g/m2であり、さら
により好ましくは1.0g/m2〜10g/m2である。
形成される接着剤の量が0.1g/m2未満では、接着
剤層として充分な接着性を示さない場合がある。反対に
30g/m2を上回る接着剤層は形成することが困難と
なる場合がある。
【0048】次いで、接着剤層または無機蒸着層上にシ
ーラント層が形成される。シーラント層は、ドライラミ
ネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネ
ーション法などの当業者に公知の方法により形成され得
る。
【0049】以上のようにして作製された本発明のガス
バリア性樹脂フィルムは、透明性およびガスバリア性に
優れ、そしてボイル処理またはレトルト処理を行った後
でもそのガスバリア性が損なわれない。従って、本発明
のガスバリア性樹脂フィルムは、当業者に公知の方法に
よって任意の形状に切断され、味噌、漬け物、惣菜、ベ
ビーフード、佃煮、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾、水産加
工品、ミートボール、ハンバーグ、ジンギスカン、ハ
ム、ソーセージ、その他の畜肉加工品、茶、コーヒー、
紅茶、鰹節、とろろ昆布、油菓子(例えば、ポテトチッ
プスおよびバターピーナッツ)、米菓子、ビスケット、
クッキー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、
切り餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品
用包装材料;練り歯磨きなどのトイレタリー製品用包装
材料;ならびにペットフード、農薬、肥料、輸血パッ
ク、半導体、精密機器などの化学、医療、電子、機械分
野における産業用包装材料として、袋、フタ材、カッ
プ、チューブ、スタンディングバックなどに用いるのに
有用である。
【0050】
【実施例】本発明の実施例と以下に説明するが、特にこ
れらに限定されない。各評価項目は以下の方法に従っ
た。
【0051】<ガラス転移温度(Tg)>接着剤層とし
て用いられる熱硬化性ポリエステル樹脂の吸熱曲線を、
示差熱測定計(DSC−50:島津製作所製)から測定
し、この吸熱曲線から該接着剤層のTgを算出した。
【0052】<酸価>接着剤層として用いられる熱硬化
性ポリエステル樹脂1.0gを、30ccのジメチルホ
ルムアミドに溶解してサンプル溶液を作製した。このサ
ンプル溶液を0.1N KOHエチルアルコール溶液で
滴定し、同様にジメチルホルムアミド単独でなるブラン
ク溶液の滴定を行った。接着剤層として用いられる樹脂
の酸価A(当量/106g)を以下の式から算出した。
【0053】
【数1】
【0054】ここで、Vは、サンプル溶液の滴定量(m
l)からブランク溶液の滴定量(ml)を引いた値であ
り、そしてfは、0.1N KOHエチルアルコール溶
液の活量係数である。
【0055】<圧縮弾性率>接着剤層の40℃における
圧縮弾性率(kgf/mm2)を、S−S TAM測定
器(理学電機社製)を用いてJIS K 7208に準
拠して測定した。
【0056】<基材における水の接触角>基材を、無機
蒸着物層を形成する面が上方を向くように静置し、その
上に25℃および60RH%にて、蒸留水の小滴を直径
1.5mmとなるように滴下した。この基材表面の小滴
の接触角(゜:θ/H2O)を、ゴニオメーターで測定し
た。
【0057】<基材におけるヨウ化メチレンの接触角>
基材を、無機蒸着物層を形成する面が上方を向くように
静置し、その上に25℃および60RH%にて、ヨウ化
メチレンの小滴を直径1.5mmとなるように滴下し
た。この基材表面の小滴の接触角(゜:θ/CH2
2)を、ゴニオメーターで測定した。
【0058】<酸素透過度>作製された樹脂フィルムの
単位面積当たりの1日の酸素透過度(cc/m2/at
m/日)を、酸素透過度測定装置(OX−TRAN 1
0/50A:Modern Controls社製)を
用いて、湿度0%および温度25℃下で測定した。次い
で、この樹脂フィルムを、95℃の熱水中に30分間浸
漬し、その後、熱水から取り出して乾燥し、上記と同様
にして酸素透過度を測定した。酸素透過度の値が小さい
ほど、樹脂フィルムがガスバリア性に優れていることを
示す。
【0059】<水蒸気透過度>作製された樹脂フィルム
の単位面積当たりの1日の水蒸気透過度(g/m2
日)を、水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN:
Modern Controls社製)を用いて、湿度
0%および温度25℃下で測定した。 次いで、この樹
脂フィルムを、95℃の熱水中に30分間浸漬し、その
後、熱水から取り出して乾燥し、上記と同様にして水蒸
気透過度を測定した。水蒸気透過度の値が小さいほど、
樹脂フィルムがガスバリア性に優れていることを示す。
【0060】<実施例1>ε−カプロラクタムを主原料
とするナイロン6を、180℃で真空乾燥し、押出し機
に供給し、260℃で溶融した。次いで、溶融したナイ
ロン6をTダイから吐出し、冷却ドラムにキャストして
未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを50℃に
加熱し、長手方向に3.2倍延伸した。次いで、120
℃で幅方向に4.0倍延伸し、続けて220℃で熱固定
を行って、厚み15μmの二軸延伸ナイロン6フィルム
を得た。この二軸延伸ナイロン6フィルムにコロナ処理
を行って、基材用のフィルムを作製した。この基材用フ
ィルムは、120℃で5分間加熱した際に、長手方向に
1.5%および幅方向に1.0%収縮した。
【0061】基材用フィルムを100kW直進型電子銃
を備えた電子ビーム加熱形真空蒸着装置の巻き出しロー
ル上に配置した。次いで、このフィルムを、蒸着源上で
走行させて、該蒸着装置内で加熱気化した、二酸化ケイ
素60重量部と酸化アルミニウム40重量部とでなる蒸
着材料で蒸着して無機蒸着層を形成した。形成した無機
蒸着層の厚みは200オングストロームであった。
【0062】次いで、無機蒸着層上に接着剤層として2
液型ポリウレタン系接着剤{A310/A10(武田薬
品社製);接着剤層全体としてのTgは−12℃であ
り、そして酸価は3当量/106gであった}をナイフ
オーバーロールコーターを用いて5g/m2の割合で形
成した。
【0063】さらに、この接着剤層上にポリオレフィン
系樹脂層として厚み55μmのポリエチレンフィルム
(40℃における圧縮弾性率は15kgf/mm2であ
った)をドライラミネートして、その後、45℃で3日
間エージングを行い、ガスバリア性樹脂フィルムを得
た。得られたガスバリア性樹脂フィルムの評価結果を表
1に示す。
【0064】<実施例2>接着剤層として2液型ポリエ
ステル系コート剤{バイロン(Tg:−7℃および酸価
200当量/106g;東洋紡績(株)製)とイソシア
ネート系硬化剤(コロネートL;東洋紡績(株)製)と
の、重量比で10:1の混合物(接着剤層全体としての
Tgは0℃であり、そして酸価は3当量/106gであ
った)}を5g/m2の割合で用いたこと以外は、実施
例1と同様にしてガスバリア性樹脂フィルムを得た。得
られたガスバリア性樹脂フィルムの評価結果を表1に示
す。
【0065】<実施例3>メタキシレンジアミンを主原
料とするMXD−6(三菱化学(株)製)を、180℃
で真空乾燥し、押出し機に供給し、300℃で溶融し
た。次いで、溶融したMXD−6をTダイから吐出し、
冷却ドラムにキャストして未延伸フィルムを得た。この
未延伸フィルムを110℃に加熱し、長手方向に3.2
倍延伸した。次いで、160℃で幅方向に4.0倍延伸
し、続けて260℃で熱固定を行って、厚み15μmの
二軸延伸MDX−6フィルムを得た。この基材用フィル
ムは、120℃で5分間加熱した際に、長手方向に1.
3%および幅方向に0.8%収縮した。この二軸延伸M
DX−6フィルムを基材としてそのまま使用し、そして
アンカーコート層として厚み55μmのポリエチレンフ
ィルム(40℃における圧縮弾性率は9kgf/mm2
であった)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
ガスバリア性樹脂フィルムを得た。得られたガスバリア
性樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
【0066】<実施例4>接着剤層として2液型ポリエ
ステル系コート剤{バイロン(Tg:−7℃および酸価
200当量/106g;東洋紡績(株)社製)とイソシ
アネート系硬化剤(コロネートL;東洋紡績(株)製)
との、重量比で10:1の混合物(接着剤層全体として
のTgは0℃であり、そして酸価は3当量/106gで
あった)}を用いたこと以外は、実施例3と同様にして
ガスバリア性樹脂フィルムを得た。得られたガスバリア
性樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
【0067】<実施例5>接着剤層として2液型ポリエ
ステル系コート剤{バイロン(Tg:−7℃および酸価
200当量/106g;東洋紡績(株)社製)とイソシ
アネート系硬化剤(コロネートL;東洋紡績(株)製)
との、重量比で10:1の混合物(接着剤層全体として
のTgは0℃であり、そして酸価は3当量/106gで
あった)}を用い、そしてポリオレフィン系樹脂層とし
て厚み55μmのポリエチレンフィルム(40℃におけ
る圧縮弾性率は15kgf/mm2であった)を用いた
こと以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性樹脂フ
ィルムを得た。得られたガスバリア性樹脂フィルムの評
価結果を表1に示す。
【0068】<比較例1>コロナ処理を行っていない実
施例1に記載の二軸延伸ナイロン6フィルム(この二軸
延伸ナイロン6フィルムは120℃で5分間加熱した際
に、長手方向に1.0%および幅方向に0.6%収縮し
た)を基材として用いたこと以外は、実施例1と同様に
して透明樹脂フィルムを得た。得られた透明樹脂フィル
ムの評価結果を表1に示す。
【0069】<比較例2>コロナ処理の代わりに、当業
者に公知の方法でサンドブラスト処理を行った実施例1
に記載の二軸延伸ナイロン6フィルム(この二軸延伸ナ
イロン6フィルムは120℃で5分間加熱した際に、長
手方向に1.0%および幅方向に0.6%収縮した)を
基材として用いたこと以外は、実施例1と同様にして透
明樹脂フィルムを得た。得られた透明樹脂フィルムの評
価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1に示されるように、実施例1〜5で作
製されたガスバリア性樹脂フィルムは、酸素透過度の値
が非常に小さく、優れたガスバリア性を有していた。さ
らに、実施例1〜5で作製されたガスバリア性樹脂フィ
ルムは、比較例1および2の樹脂フィルムと比べて、熱
水処理前後の酸素透過度および水蒸気透過度の両方の値
の変化が小さかった。このことから、本発明のガスバリ
ア性樹脂フィルムがボイル処理またはレトルト処理を行
った後においても、優れたガスバリア性を保持し得るこ
とがわかる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリア性が向上し
た透明ガスバリア性樹脂フィルムが提供され得る。特
に、本発明のガスバリア性樹脂フィルムは、ボイル処理
またはレトルト処理の後においても優れたガスバリア性
を保持し、さらに充分な強度も有する。従って、本発明
のガスバリア性樹脂フィルムは、好適な熱封緘が所望さ
れる食品包装用フィルム、無菌状態の保持が所望される
医療物品包装用フィルム、および湿気に対して錆の形成
を防ぐことが所望される電子部品包装用フィルムとして
広範に用いられ得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 101 B32B 27/36 101 B65D 65/40 B65D 65/40 A (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、少なくとも無機蒸着物層およ
    びシーラント層を順次有するガスバリア性樹脂フィルム
    であって、 該無機蒸着層側の該基材表面における水の接触角が70
    ゜以下であり、かつヨウ化メチレンの接触角が35゜以
    下である、ガスバリア性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 前記無機蒸着層と前記シーラント層との
    間に接着剤層を有し、該接着剤層が、−10℃以上40
    ℃以下のガラス転移温度および10当量/106g以上
    の酸価を有する熱硬化性ポリエステル樹脂でなる、請求
    項1に記載のガスバリア樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 前記シーラント層の40℃における圧縮
    弾性率が10kgf/mm2以上である、請求項1また
    は2に記載のガスバリア性樹脂フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006137094A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Toyobo Co Ltd ガスバリア性積層フィルム
JP2008114444A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Toppan Printing Co Ltd 透明複層フィルムの製造方法及びその方法で製造したガスバリア性透明複層フィルム並びに封止フィルム
CN102502054A (zh) * 2011-10-20 2012-06-20 利辛县宏达铝塑包装有限公司 一种铝箔复合袋及其制备方法

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