JP3287229B2 - ガスバリア性樹脂フィルム - Google Patents

ガスバリア性樹脂フィルム

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JP3287229B2 JP21849096A JP21849096A JP3287229B2 JP 3287229 B2 JP3287229 B2 JP 3287229B2 JP 21849096 A JP21849096 A JP 21849096A JP 21849096 A JP21849096 A JP 21849096A JP 3287229 B2 JP3287229 B2 JP 3287229B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性樹脂
フィルムに関し、さらに詳細には、ガスバリア性および
防湿性が向上し、かつ取扱性および透明性に優れたガス
バリア性樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品流通形態および食生活の変革
により、食品の包装形態も大きく変化し、包装用フィル
ムまたはシート(以下、フィルムという)に対する要求
はますます厳しくなってきている。
【0003】流通販売過程における温度、水分、酸素、
紫外線、細菌およびカビなどの微生物の影響から生じる
食品の品質低下は、販売上の損失を伴うだけでなく、食
品衛生面からも大きな問題である。このような食品の品
質低下を防止するために、従来は、酸化防止剤、防腐剤
などの食品添加物が食品に直接添加されていた。しか
し、最近では、消費者を保護する立場から、これらの食
品添加物に対する規制が厳しくなり、その添加量を減少
せざるを得ない状況にある。
【0004】このような状況下で、気体および水分を透
過せず、さらに冷凍加工、ボイル処理、レトルト処理な
どの工程により、食品の品質を低下させない包装用フィ
ルムを提供することが所望されている。
【0005】すなわち、包装用フィルムには、魚肉、畜
肉、貝類などの食品中に含まれる蛋白質、油脂などの成
分の酸化および変性を抑制し、味覚および鮮度を保持す
ることが所望されている。このような酸化および変性を
抑制する包装用フィルムとしては、食品内への空気の透
過を阻止するガスバリア性フィルムが挙げられる。ガス
バリア性フィルムは、食品の香気を保持すると共に、水
分の透過を阻止するので、乾燥した食品では吸湿劣化を
抑制し、含水性の食品においては、水分が蒸発して食品
が変性および固化することを抑制して、包装時の新鮮な
風味を長時間保持し得る。
【0006】ガスバリア性フィルムはまた、その非常に
優れた防湿性により、例えば、かまぼこなどの練り製
品;バター、チーズなどの乳製品;味噌などの調味料;
茶、コーヒーなどの嗜好品;ハム、ソーセージなどの薫
製食品;カステラ、ビスケットなどの菓子類;およびイ
ンスタント食品の包装に用いられる。さらに、ガスバリ
ア性フィルムは、上記食品包装用フィルムに限定され
ず、無菌状態での取扱いを必要とする医薬品、および防
錆性を必要とする電子部品の包装用フィルムとしても極
めて有用である。
【0007】このようなガスバリア性に優れたフィルム
の一例として、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ナイロン(Ny)、ポリプロピレン(PP)およ
びポリエチレン(PE)のようなプラスチックフィルム
の上にアルミニウムなどの金属層を形成したフィルムが
知られている。このような金属層を形成したガスバリア
性フィルムは、ガスバリア性に優れ、かつ低コストで製
造されるという利点を有する。しかし、このガスバリア
性フィルムは不透明であるために、包装された食品を確
認することができず、さらに、マイクロ波を透過しない
ので、このフィルムで包装した食品を電子レンジを用い
て加熱することができないという問題がある。
【0008】別のガスバリア性フィルムの例として、P
ET、Ny、PPおよびPEのようなプラスチックフィ
ルムの上に塩化ビニリデンまたはエチレンビニルアルコ
ール共重合体をコーティングしたフィルムが知られてい
る。しかし、このフィルムは、水蒸気および酸素に対す
るガスバリア性が不充分であり、特に高温下で処理され
る場合には、ガスバリア性が著しく低下するという問題
がある。また塩化ビニリデン系をコーティングしたフィ
ルムは、その焼却時に塩素ガスを発生するため、地球環
境に悪影響を及ぼし得るという問題もある。
【0009】さらに別のガスバリア性フィルムの例とし
ては、PETのようなポリエチレンフィルムの上に酸化
珪素、酸化アルミニウムなどの無機蒸着膜を形成したフ
ィルムが知られている。このようなガスバリア性フィル
ムは、例えば、ポリエステルウレタン系ポリマーを接着
剤層に用いて、PETフィルム上に、無機蒸着層、接着
剤層、延伸ナイロン(ONY)フィルム、接着剤層、未
延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを順次形成する
ことにより得られる。しかし、このガスバリア性フィル
ムは、ボイル処理またはレトルト処理を行うと、延伸ナ
イロンフィルムが収縮してガスバリア性が劣化するとい
う問題があった。
【0010】それ故、一般には、PETフィルム上に、
無機蒸着層、接着剤層、PETフィルム、CPPフィル
ムを順次形成した積層体でなるガスバリア性フィルムが
用いられる。しかし、このガスバリア性フィルムは、強
度が不充分(例えば、製袋した場合で、落下時に、破袋
する)であるという問題がある。
【0011】特公平7−12649号公報は、ガスバリ
ア性フィルムの強度を向上させるために、基材として、
加熱処理により予め熱収縮率を低減させた(すなわち、
120℃で5分間加熱した場合に、縦方向および横方向
の寸法変化率の絶対値の和が2%以下である)延伸ナイ
ロンフィルムを用いることを開示している。しかし、こ
のような延伸ナイロンフィルムを基材に用いたとして
も、得られるガスバリア性フィルムは、高温の熱水中で
行われるボイル処理に対して、充分なガスバリア性を満
足しないという問題がある。さらに、このガスバリア性
フィルムは、製造プロセスが繁雑であり、かつ搬送およ
び保管時の吸湿を防ぐために、アルミ箔で梱包するなど
の防湿処理を施すことが必要になるという問題がある。
【0012】特開平7−276571号公報は、基材樹
脂層上に、無機蒸着層、ナイロンフィルムおよびシーラ
ント層を順次有する積層体を開示しており、この積層体
は高湿時のナイロンフィルムの収縮率を低減させる。し
かし、この積層体は、基材とは別にナイロンフィルムを
調製してこれを積層する必要があり、製造コストが上昇
する。この積層体はまた、積層回数が増加する毎に歩止
まりが悪くなり、工程管理上、高価でかつ複雑な装置な
どが必要になる。さらにこの積層体は、搬送および保管
時の吸湿を防ぐためにアルミ箔で梱包するなどの防湿処
置を施すことが必要になる点、および熱固定操作により
基材の機械的強度が低下する点で問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題の解決を課題とするものであり、その目的とすると
ころは、ボイル処理またはレトルト処理の前後のいずれ
においても優れたガスバリア性と充分な強度とを有し、
好適な熱封緘および良好な防湿性を可能にする、包装用
透明樹脂フィルムでなるガスバリア性樹脂フィルムを提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリア性樹
脂フィルムは、基材上に、無機蒸着層、接着剤層、およ
びポリオレフィン系樹脂層を順次有するガスバリア性樹
脂フィルムであって、該基材が主としてポリアミド系樹
脂でなるフィルムであり;そして該基材と無機蒸着層と
の間の密着強度が500g/15mm以上であり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0015】好適な実施態様では、上記基材と上記無機
蒸着層との間の密着強度は、95℃で30分間ボイル処
理した場合、100g/15mm以上である。
【0016】好適な実施態様では、このガスバリア性樹
脂フィルムは、上記基材と上記無機蒸着層との間にアン
カーコート層を有する。
【0017】好適な実施態様では、上記アンカーコート
層は、熱硬化性ポリエステル樹脂で構成され、該熱硬化
性ポリエステル樹脂は、0℃以上90℃以下のガラス転
移温度および10当量/106g以上の酸価を有する。
【0018】好適な実施態様では、40℃における上記
ポリオレフィン系樹脂層の圧縮弾性率は、10kgf/
mm2以上である。
【0019】
【発明の実施の形態】本明細書中に用いられる用語「ボ
イル処理」とは、所定温度(例えば、95℃)の熱水中
に浸漬することをいい、本明細書中に用いられる「レト
ルト処理」とは、所定の温度および圧力(例えば、12
0℃で1.5atm)下で行われる加熱殺菌処理をい
う。
【0020】本発明のガスバリア性樹脂フィルムは、基
材上に、無機蒸着層、接着剤層およびポリオレフィン系
樹脂層を順次形成した積層体でなる透明樹脂フィルムで
ある。
【0021】(基材)本発明のガスバリア性樹脂フィル
ムの基材は、主としてポリアミド系樹脂でなるフィルム
である。
【0022】このポリアミド系樹脂でなるフィルムは、
以下の(i)または(ii):
【0023】
【化1】
【0024】ここで、R1、R2、およびR3は、それぞ
れ独立して、脂肪族基(例えば、アルキレン基)、脂環
族基、または芳香族基である:で示されるアミド反復単
位を有するホモポリアミド、コポリアミド、またはこれ
らの架橋体、あるいはこれらの混合物でなるポリアミド
系樹脂でなるフィルムから構成される。これらの架橋体
としては、エポキシ化合物などで上記ホモポリアミドま
たはコポリアミドを架橋した化合物が挙げられる。
【0025】ホモポリアミドの例としては、ポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸
(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミ
ンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジ
パミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミ
ド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド
(ナイロン10,10)、ポリドデカメチレンドデカミ
ド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6
ナイロン(MXD6)などが挙げられる。
【0026】コポリアミドの例としては、カプロラクタ
ム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリ
ンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/
へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エ
チレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体などが挙げられる。
特にカプロラクタム/メタキシレンジアンモニウムアジ
ペートが好ましい。
【0027】本発明においては得られる基材用のフィル
ムに柔軟性を付与する目的で、上記ポリアミド系樹脂
に、芳香族スルホンアミド類、エステル類、p−ヒドロ
キシ安息香酸などの可塑剤、低弾性率のエラストマー成
分、またはラクタム類が配合され得る。
【0028】ポリアミド系樹脂に配合されるエラストマ
ー成分の例としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレ
フィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブ
ロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエー
テルエステルアミド系エラストマー、ポリエステル系エ
ラストマー、変性スチレン系熱可塑性エラストマー、変
性アクリルゴム、変性エチレンプロピレンゴムなどが挙
げられる。
【0029】上記ポリアミド系樹脂の厚みは、好ましく
は5μm〜60μm、より好ましくは10μm〜40μ
m以下である。ポリアミド系樹脂でなるフィルムの厚み
が5μm未満では、得られるガスバリア性樹脂フィルム
の強度が不十分であり、製袋した場合、充填される内容
物の重量に耐えられず破袋する場合がある。ポリアミド
系樹脂でなるフィルムの厚みが60μmを上回ると、得
られるガスバリア性樹脂フィルムの柔軟性が損なわれる
場合がある。
【0030】上記ポリアミド系樹脂でなるフィルムは、
未延伸フィルム、あるいは一軸または二軸延伸されたフ
ィルムであり得る。このようなフィルムは、当業者に公
知の方法を用いて作製される。さらに、上記ポリアミド
系樹脂でなるフィルムを作製する場合、任意の延伸倍
率、延伸時の加熱温度、および緩和率が選択され得る。
【0031】本発明のガスバリア性樹脂フィルムに用い
られる基材には、後述の無機蒸着層との密着強度を向上
させるために、必要に応じてコロナ処理、火炎処理、低
温プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗
面化処理などの表面処理が施されたポリアミド系樹脂で
なるフィルムが用いられ得る。あるいは上記ポリアミド
系樹脂でなるフィルム上にさらにアンカーコート層が形
成され得るが、特にこれらに限定されない。
【0032】アンカーコート層は、無機蒸着層と接する
ように、ポリアミド系樹脂でなるフィルム上に形成さ
れ、基材と無機蒸着層との間の化学結合を増強して密着
強度を向上させる。
【0033】アンカーコート層は、例えば、以下からな
る群より選択される任意の樹脂を用いて形成される:反
応性ポリエステル樹脂;油変性アルキド樹脂;ウレタン
アルキド樹脂;メラミンアルキド樹脂;エポキシ硬化ア
クリル樹脂;硬化剤としてアミン、カルボキシル基末端
ポリエステル、フェノール、イソシアネートなどを用い
たエポキシ系樹脂;硬化剤としてアミン、尿素、カルボ
ン酸などを用いたイソシアネート系樹脂;ウレタン−ポ
リエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;フェノール樹脂;
ポリエステル樹脂;ポリアミド系樹脂;反応性アクリル
樹脂;塩化ビニル系樹脂;ならびにこれらを水に対して
可溶化または分散化させた樹脂。あるいは、アンカーコ
ート層は、シランカップリング剤などの公知の無機系コ
ート剤から形成され得る。
【0034】アンカーコート層は、硬化前に0℃以上9
0℃以下、好ましくは10℃以上50℃以下のガラス転
移温度(以下Tgと省略する)、および10当量/10
6g以上、好ましくは10当量/106g以上5000当
量106g以下の酸価を有する熱硬化性ポリエステル樹
脂であり得る。アンカーコート層を構成する熱硬化性ポ
リエステル樹脂のTgまたは酸価がこれらの範囲外であ
ると、基材と無機蒸着層との間で充分な密着強度が得ら
れにくく、ガスバリア性樹脂フィルムのガスバリア性も
低減する傾向にある。
【0035】アンカーコート層に用いられる熱硬化性ポ
リエステル樹脂は、結晶性または非晶性のポリエステル
であり、特定の条件において架橋反応を行う、通常、架
橋性の基を有するポリエステル樹脂である。この熱硬化
性樹脂を用いることにより、得られるガスバリア性樹脂
フィルムの耐水性および耐熱性が向上する。
【0036】上記ポリエステルは、ジカルボン酸または
トリカルボン酸のような酸成分と、グリコール成分とを
公知の方法を用いて重縮合して作製されるポリエステル
樹脂である。このような酸成分の例としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、アジピン酸、およびトリメリット
酸が挙げられるが、特にこれらに限定されない。グリコ
ールの例としては、エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ブタンジオール、およびエチレングリコー
ル変性ビスフェノールAが挙げられるが、特にこれらに
限定されない。
【0037】上記熱硬化性ポリエステル樹脂は、例え
ば、アクリル酸基を有するグラフトポリマーであり、こ
れは上記結晶性または非結晶性のポリエステルと、アク
リル酸基を有するモノマーまたはオリゴマーとのグラフ
ト反応により得られる。あるいは、熱硬化性ポリエステ
ル樹脂は、上記結晶性または非結晶性のポリエステル
と、イソシアネート、エポキシ、アクリル、メラミン、
アミノ基、水酸基などを含有する硬化剤との混合物であ
り得る。
【0038】このような熱硬化性樹脂を上記基材にコー
トすることによって、基材と無機蒸着物との間の化学的
結合が増強され、密着強度を向上させ得る。
【0039】本発明のガスバリア性樹脂フィルムにおい
て、使用され得るアンカーコート層の厚みは、好ましく
は、0.01μm〜10μmであり、より好ましくは
0.02μm〜5μmである。これに対して、アンカー
コート層の厚みが0.01μm未満では、基材と無機蒸
着層との間に、充分な密着強度が得られない場合があ
る。また、アンカーコート層の厚みが10μmを越える
と、ポリアミド系樹脂でなるフィルム上に形成すること
が困難となる場合がある。
【0040】(無機蒸着層)本発明のガスバリア性樹脂
フィルムに用いられる無機蒸着層には、得られるガスバ
リア性樹脂フィルムに高いガスバリア性を付与し、かつ
廃棄しても環境に影響を及ぼすことのない蒸着化合物で
なる。この蒸着化合物の例としては、ケイ素酸化物、お
よび酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物が挙げら
れる。二酸化ケイ素、または二酸化ケイ素と酸化アルミ
ニウムとの混合物が好ましい。蒸着化合物が混合物であ
る場合には、無機蒸着層の重量全体の70重量%以下の
酸化アルミニウムと30重量%以上の二酸化ケイ素とで
なる混合物が特に好ましい。上記二酸化ケイ素と酸化ア
ルミニウムとの混合物の重量組成比が上記の範囲外であ
ると、加湿下においてガスバリア性が劣化する場合があ
る。無機蒸着層は、上記蒸着化合物の少なくとも2層で
なる積層体であってもよく、あるいは少量であれば他の
金属または金属酸化物が混入していてもよい。
【0041】上記無機蒸着層は、好ましくは10オング
ストローム〜5000オングストローム、より好ましく
は50オングストローム〜2000オングストロームの
厚みを有する。無機蒸着層の厚みが10オングストロー
ム未満では、得られるガスバリア性樹脂フィルムが充分
なガスバリア性を有さない場合がある。反対に無機蒸着
層の厚みが5000オングストロームを上回っても、得
られるガスバリア性樹脂フィルムのガスバリア性および
防湿性はそれ以上改善されず、むしろ耐屈曲性が低下
し、かつ製造コストが高くなる場合がある。
【0042】(密着強度)本発明のガスバリア性樹脂フ
ィルムにおいて、基材と無機蒸着層との間の密着強度
は、500g/15mm以上であり、好ましくは800
g/15mm以上であり、より好ましくは1100g/
15mm以上であり、さらにより好ましくは1300g
/15mm以上である。この密着強度が高いほど、得ら
れるガスバリア性樹脂フィルムは、ガスバリア性が向上
し、ボイル処理またはレトルト処理後であってもそのガ
スバリア性は維持される。この密着強度が500g/1
5mm未満であると、得られるガスバリア性樹脂フィル
ムはボイル処理またはレトルト処理によってガスバリア
性を損なう場合がある。
【0043】さらに、本発明のガスバリア性樹脂フィル
ムを95℃で30分間ボイル処理した場合、上記基材と
無機蒸着層との間の密着強度は、好ましくは100/1
5mm以上であり、より好ましくは400/15mm以
上であり、さらに好ましくは700g/15mm以上で
あり、最も好ましくは1000/15mm以上である。
95℃で30分間ボイル処理した場合の密着強度が10
0g/mm未満であれば、得られるガスバリア性樹脂フ
ィルムのボイル処理またはレトルト処理後のガスバリア
性および防湿性は向上する。さらに、上記密着強度が1
00g/15mm未満では、ボイル処理またはレトルト
処理における基材樹脂中のポリアミド系樹脂でなる基材
フィルムの熱収縮により、形成された無機蒸着層の破壊
または剥離を生じ、その結果、得られるフィルムのガス
バリア性が低下する恐れがある。
【0044】(接着剤層)本発明のガスバリア性樹脂フィ
ルムにおいて、上記無機蒸着層上に接着剤層が形成され
得る。
【0045】接着剤層は、好ましくは硬化前において−
10℃以上40℃以下、より好ましくは0℃以上30℃
以下のTgを有する当業者に公知の熱可塑性樹脂または
熱硬化性樹脂から構成される。このような樹脂の例とし
ては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メラミン系
樹脂などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
あるいは、接着剤層は、接着性をさらに向上させるため
に、2種以上の上記接着剤を混合溶融して作製され得
る。さらにあるいは、上記熱可塑性樹脂でなる接着剤
と、カルボン酸基、(メタ)アクリル酸基、または(メ
タ)アクリル酸エステル基を有する化合物およびそれら
の酸無水物;グリシジル基またはグリシジルエーテル基
を有するエポキシ化合物;もしくはオキサゾリン基、イ
ソシアネート基、アミノ基、水酸基などを含有する化合
物でなる硬化剤とを混合した熱硬化性接着組成物が用い
られ得る。
【0046】(ポリオレフィン系樹脂層)本発明のガス
バリア性樹脂フィルムに用いられるポリオレフィン系樹
脂層は、任意のポリオレフィン系樹脂でなるシーラント
層である。このポリオレフィン系樹脂の好適な例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリビニル
アルコールが挙げられる。さらに、これらのポリオレフ
ィン系樹脂層を構成するモノマーから得られる共重合
体、該ポリオレフィン系樹脂の変性物、またはこれらの
ブレンドが用いられてもよい。
【0047】本発明において、ポリオレフィン系樹脂層
は、単層または複合層のいずれであもあり得る。ポリオ
レフィン系樹脂層が複合層である場合、各層が異なるポ
リオレフィン系樹脂から形成され得る。さらに、この複
合層は、ポリオレフィン系樹脂層と後述の接着剤層との
間のラミネート性およびヒートシール性を向上させるた
めに、この複合層は、ポリオレフィン系樹脂でなる少な
くとも1つの層上に、該ポリオレフィン系樹脂よりも高
いTgおよび融点を有するポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリマーでなる層が形成されていてもよい。
【0048】上記ポリオレフィン系樹脂層は、好ましく
は10μm〜120μm、より好ましくは20μm〜8
0μmの厚みを有する。ポリオレフィン系樹脂層の厚み
が10μm未満では、強度が十分でない場合がある。ポ
リオレフィン系樹脂層の厚みが120μmを上回るとヒ
ートシール性が低下する場合がある。
【0049】上記ポリオレフィン系樹脂層は、40℃に
おける単位断面積当たりの圧縮弾性率が好ましくは10
kgf/mm2以上、より好ましくは20kgf/mm2
以上、さらにより好ましくは30kgf/mm2以上1
00kgf/mm2以下を有することにより、得られる
ガスバリア性樹脂フィルムのガスバリア性をさらに向上
し得る。40℃における単位断面積当たりの圧縮弾性率
が10kgf/mm2未満では、ボイル処理における上
記基材の熱収縮に対してポリオレフィン系樹脂層が緩衝
的に作用せず、形成された無機蒸着層の破壊または剥離
を生じる場合がある。その結果、得られるガスバリア性
樹脂フィルムのガスバリア性が低下する恐れがある。こ
のような圧縮弾性率を有するポリオレフィン系樹脂層
は、分子鎖運動を抑制するためにポリマー鎖中の置換基
が同じ立体配置であるような構造にすることにより得ら
れる。
【0050】(添加剤)上記基材、接着剤層、およびポ
リオレフィン系樹脂層には、それぞれ必要に応じて公知
の添加剤が任意の量でブレンドされ得る。このような添
加剤の例としては、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、着色剤、フィラー、帯電防止剤、抗菌剤、
滑剤、耐ブロッキング剤および他の樹脂が挙げられる。
【0051】(ガスバリア性樹脂フィルムの作製)本発
明のガスバリア性樹脂フィルムは、以下のようにして作
製される。
【0052】まず、ポリアミド系樹脂でなるフィルム上
に、アンカーコート層が必要に応じて形成される、この
アンカーコート層は、ポリアミド系樹脂でなるフィルム
の製造工程の間(インライン方式)、またはポリアミド
系樹脂でなるフィルムの製造工程後の別工程(オフライ
ン方式)のいずれで形成されてもよい。本発明におい
て、アンカーコート層は公知の方法を用いて形成され
得、例としては、ロールコート法、リバースコート法、
ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ
コート法、グラビアコート法、含浸法、およびカーテン
コート法が挙げられる。このようにして基材用のフィル
ムが作製される。
【0053】次いで、基材用のフィルムを任意の手段
(例えば、抵抗加熱手段、誘導加熱手段、および電子線
加熱手段)で加熱して、該フィルム中のポリアミド系樹
脂でなるフィルムまたはアンカーコート層上に上記蒸着
化合物が蒸着され、無機蒸着層が形成される。蒸着化合
物の蒸着には公知の方法が用いられる。このような蒸着
方法の例としては、真空蒸着層、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法などの物理蒸着方法;PECVD
(プラズマエンハンスト化学蒸着法)などの化学蒸着方
法;上記蒸着化合物とともに、反応ガスとして例えば、
酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、または水蒸気
を導入する手段、またはオゾン添加、イオンアシストな
どの手段を用いる反応性蒸着方法が挙げられる。さら
に、この蒸着時には、基材への任意のバイアス電圧の印
加が行われ得る。上記蒸着化合物が蒸着された基材は任
意の手段を用いて冷却され得る。本発明において、上記
蒸着化合物および反応ガスの種類、加熱および冷却温度
などの作製条件は、任意に変更され得る。
【0054】さらに、蒸着前および蒸着中に基板表面を
コロナ処理、火炎処理、低温プラズマ処理、グロー放電
処理、逆スパッタ処理、粗表面化などの表面処理を施し
得る。 次いで、無機蒸着層上に接着剤層が公知の方法
を用いて形成される。接着剤層の形成方法の例として
は、ドライラミネート法;接着剤層に用いられる熱硬化
性ポリエステル樹脂を含むエマルジョンを用いるウェッ
トラミネート法;溶融押出しラミネート法および;共押
出しラミネート法が挙げられる。
【0055】次いで、接着剤層上にポリオレフィン系樹
脂層が形成される。ポリオレフィン系樹脂層は、ドライ
ラミネート法、ホットメルトラミネーション法、押し出
しコーティングラミネーション法などの当業者に公知の
方法により形成され得る。ポリオレフィン系樹脂層を形
成した後、エージングが行われ、本発明のガスバリア性
樹脂フィルムが作製される。
【0056】以上のようにして作製されたガスバリア性
樹脂フィルムは、透明性およびガスバリア性に優れ、そ
してボイル処理またはレトルト処理を行った後でもその
ガスバリア性が損なわれない。従って、本発明のガスバ
リア性樹脂フィルムは、当業者に公知の方法によって任
意の形状に切断され、味噌、漬け物、惣菜、ベビーフー
ド、佃煮、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾、水産加工品、ミ
ートボール、ハンバーグ、ジンギスカン、ハム、ソーセ
ージ、その他の畜肉加工品、茶、コーヒー、紅茶、鰹
節、とろろ昆布、油菓子(例えば、ポテトチップスおよ
びバターピーナッツ)、米菓子、ビスケット、クッキ
ー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り
餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品用包
装材料;練り歯磨きなどのトイレタリー製品包装材料;
ならびにペットフード、農薬、肥料、輸血パック、半導
体、精密機器などの化学、医療、電子、機械分野におけ
る産業用包装材料として、袋、フタ材、カップ、チュー
ブ、スタンディングバックなどに有用に用いられる。
【0057】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明するが、特にこ
れらに限定されない。各評価項目は以下の方法に従っ
た。
【0058】<ガラス転移温度(Tg)>実施例3〜7
において、アンカーコート層として用いた熱硬化性ポリ
エステル樹脂の吸熱曲線を、示差熱測定計(DSC−5
0:島津製作所製)を用いて描き、この吸熱曲線から該
アンカーコート層のTgを算出した。 <酸価>実施例3〜7において、アンカーコート層とし
て用いた熱硬化性ポリエステル樹脂1.0gを、30m
lのジメチルホルムアミドに溶解してサンプル溶液を作
製した。このサンプル溶液を0.1N KOHエチルア
ルコール溶液で滴定し、同様にジメチルホルムアミド単
独でなるブランク溶液の滴定を行った。アンカーコート
層として用いた樹脂の酸価A(当量/106g)を以下
の式から算出した。
【0059】
【数1】
【0060】ここで、Vは、サンプル溶液の滴定量(単
位ml)からブランク溶液の滴定量(単位ml)を引い
た値であり、そしてfは、0.1N KOHエチルアル
コール溶液の活量係数である。
【0061】<圧縮弾性率>実施例1〜7および比較例
1で用いたポリオレフィン系樹脂層の95℃における圧
縮弾性率(kgf/mm2)を、S−S TAM測定器
(理学電機社製)を用いてJIS K 7208に準拠
して測定した。 <密着強度>実施例1〜7および比較例1で作製したフ
ィルムを、JIS K6854に準拠した90°剥離試
験方法により、テンシロンUTM2(東洋測器社製)を
用いて、基材と無機蒸着層との間のS−Sカーブを求
め、このS−Sカーブから基材と無機蒸着層との間の密
着強度(g/15mm)を算出した。
【0062】次いで、このフィルムを、95℃で30分
間ボイル処理し、ボイル処理したフィルムについて、上
記と同様にして密着強度を測定した。
【0063】<酸素透過度>作製したフィルムの単位面
積当たりの1日の酸素透過度(cc/m2/atm/
日)を、酸素透過度測定装置(OX−TRAN 10/
50A:ModernControls社製)を用い
て、湿度0%および温度25℃下で測定した。次いで、
このフィルムを、95℃で30分間ボイル処理し、ボイ
ル処理したフィルムについて、上記と同様にして酸素透
過度を測定した。酸素透過度の値が小さいほど、該フィ
ルムがガスバリア性に優れていることを示す。
【0064】<水蒸気透過度>作製したフィルムの単位
面積当たりの1日の水蒸気透過度(g/m2/日)を、
水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN:Mode
rn Controls社製)を用いて、湿度0%およ
び温度25℃下で測定した。次いで、このフィルムを、
95℃で30分間ボイル処理し、ボイル処理したフィル
ムについて、上記と同様にして水蒸気透過度を測定し
た。水蒸気透過度の値が小さいほど、該フィルムがガス
バリア性に優れていることを示す。
【0065】(実施例1) ε−カプロラクタムを主原料とするナイロン6を、18
0℃で真空乾燥し、押出し機に供給し、260℃で溶融
した。次いで、溶融したナイロン6をTダイから吐出
し、冷却ドラムにキャストして未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを50℃に加熱し、縦方向に3.2
倍延伸した。次いで、120℃で横方向に4.0倍延伸
し、続けて220℃で熱固定を行って、厚み15μmの
二軸延伸ナイロン6フィルムを得た。この二軸延伸ナイ
ロン6フィルムにコロナ処理を行って、基材用のフィル
ムを作製した。この基材用のフィルムの120℃で5分
間加熱した際の収縮率は、縦方向が0.6%そして横方
向が1.0%であった。
【0066】基材用のフィルムを100kwの電子銃を
備えた電子ビーム加熱型真空蒸着装置の巻き出しロール
上に配置した。次いで、この基材用のフィルムを、蒸着
源上で走行させて、該蒸着装置内で加熱気化した、二酸
化ケイ素60重量部と酸化アルミニウム40重量部とで
なる蒸着化合物で蒸着して無機蒸着層を形成した。形成
した無機蒸着層の厚みは200オングストロームであっ
た。
【0067】次いで、無機蒸着層上に、接着剤層として
2液型ポリウレタン系接着剤(A310/A10(武田
薬品社製))をドライラミネート法によって5g/m2
形成した。さらに、この接着剤層上に40℃における圧
縮弾性率が9kgf/mm2のポリエチレンフィルム
(厚み55μm)をドライラミネートして、ポリオレフ
ィン系樹脂層とし、その後エージングを行い、透明なフ
ィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0068】(実施例2)ポリオレフィン系樹脂層とし
て40℃における圧縮弾性率が15kgf/mm2のポ
リエチレンフィルム(厚み55μm)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして透明なフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0069】(実施例3)実施例1と同様の基材用のフ
ィルム上に、アンカーコート層として厚み0.1μmの
2液型ポリエステル系コート剤{バイロン50AS(T
g:9℃および酸価15当量/106g;東洋紡績
(株)社製)とイソシアネート系架橋剤K−2(日本ポ
リウレタン工業社製)との混合物(重量比5:1)}を
形成した。アンカーコート層全体としてのTgは9℃で
あり、酸価は3当量/106gであった。次いで、この
アンカーコート層上に、無機蒸着層として二酸化ケイ素
60重量部および酸化アルミニウム40重量部でなる無
機蒸着物(厚み200オングストローム)を形成し、さ
らに、ポリオレフィン系樹脂層として40℃における圧
縮弾性率が9kgf/mm2のポリエチレンフィルム
(厚み55μm)を形成したこと以外は、実施例1と同
様にして透明なフィルムを得た。得られたフィルムの評
価結果を表1に示す。
【0070】(実施例4)実施例1と同様の基材用のフ
ィルム上に、アンカーコート層として厚み0.1μmの
2液型ポリエステル系コート剤{バイロン50AS(T
g:9℃および酸価15当量/106g;東洋紡績
(株)社製)とイソシアネート系架橋剤K−2(日本ポ
リウレタン工業社製)との混合物(重量比5:1)}を
形成した。アンカーコート層全体としてのTgは9℃で
あり、酸価は3当量/106gであった。次いで、この
アンカーコート層上に、無機蒸着層として二酸化ケイ素
99重量部および酸化アルミニウム1重量部でなる無機
蒸着物(厚み200オングストローム)を形成し、さら
に、ポリオレフィン系樹脂層として40℃における圧縮
弾性率が15kgf/mm2のポリエチレンフィルム
(厚み55μm)を形成したこと以外は、実施例1と同
様にして透明なフィルムを得た。得られたフィルムの評
価結果を表1に示す。
【0071】(実施例5)実施例1と同様の基材用のフ
ィルム上に、アンカーコート層として厚み0.1μmの
2液型ポリエステル系コート剤{バイロン50AS/バ
イロン20SS(Tg:34℃および酸価15当量/1
6g;東洋紡績(株)社製)とイソシアネート系架橋
剤K−2(日本ポリウレタン工業社製)との混合物(重
量比5:1)}を形成した。アンカーコート層全体とし
てのTgは12℃であり、酸価は3当量/106gであ
った。次いで、このアンカーコート層上に、無機蒸着層
として二酸化ケイ素60重量部および酸化アルミニウム
40重量部でなる無機蒸着物(厚み200オングストロ
ーム)を形成し、さらに、ポリオレフィン系樹脂層とし
て40℃における圧縮弾性率が9kgf/mm2のポリ
エチレンフィルム(厚み55μm)を形成したこと以外
は、実施例1と同様にして透明なフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0072】(実施例6)実施例1と同様の基材用のフ
ィルム上に、アンカーコート層として厚み0.1μmの
2液型ポリエステル系コート剤{バイロン50AS/バ
イロン20SS(Tg:34℃および酸価15当量/1
6g;東洋紡績(株)社製)とイソシアネート系架橋
剤K−2(日本ポリウレタン工業社製)との混合物(重
量比5:1)}を形成した。アンカーコート層全体とし
てのTgは12℃であり、酸価は3当量/106gであ
った。次いで、このアンカーコート層上に、無機蒸着層
として二酸化ケイ素99重量部および酸化アルミニウム
1重量部でなる無機蒸着物(厚み200オングストロー
ム)を形成し、さらに、ポリオレフィン系樹脂層として
40℃における圧縮弾性率が15kgf/mm2のポリ
エチレンフィルム(厚み55μm)を形成したこと以外
は、実施例1と同様にして透明なフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0073】(実施例7)実施例1と同様の基材用のフ
ィルム上に、アンカーコート層として厚み0.5μmの
2液型ポリエステル系コート剤{バイロン50AS/バ
イロン20SS(Tg:34℃および酸価15当量/1
6g;東洋紡績(株)社製)とイソシアネート系架橋
剤K−2(日本ポリウレタン工業社製)との混合物(重
量比5:1)}を形成した。アンカーコート層全体とし
てのTgは12℃であり、酸価は3当量/106gであ
った。次いで、このアンカーコート層上に、無機蒸着層
として二酸化ケイ素60重量部および酸化アルミニウム
40重量部でなる無機蒸着物(厚み200オングストロ
ーム)を形成し、さらに、ポリオレフィン系樹脂層とし
て40℃における圧縮弾性率が15kgf/mm2のポ
リエチレンフィルム(厚み55μm)を形成したこと以
外は、実施例1と同様にして透明なフィルムを得た。得
られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0074】
【0075】
【表1】
【0076】表1に示されるように、実施例1〜4で作
製したフィルムは、ボイル処理前後で水蒸気透過度の値
はいずれも同程度であり、これは比較例1のフィルムと
同様であった。しかし、ボイル処理前および後の酸素透
過度の値は、比較例1と比較してそれぞれ小さかった。
さらに実施例5〜7のフィルムは、比較例1のフィルム
と比較して、ボイル処理前後の水蒸気透過度および酸素
透過度の両方の値の変化が、極めて小さいものであっ
た。以上から、本発明のガスバリア性樹脂フィルムがボ
イル処理を行った後においても、優れたガスバリア性を
保持し得ることがわかる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリア性が向上し
た透明な樹脂フィルムが提供され得る。特に、本発明の
透明なガスバリア性樹脂フィルムは、ボイル処理または
レトルト処理後においても優れたガスバリア性を保持
し、さらに充分な強度も有する。従って、本発明のガス
バリア性樹脂フィルムは、好適な熱封緘が所望される食
品包装用フィルム、無菌状態の保持が所望される医療物
品包装用フィルム、および湿気に対して錆の形成を防ぐ
ことが所望される電子部品包装用フィルムとして広範に
用いられ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森重 地加男 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 桑原 満 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平6−190961(JP,A) 実開 平6−59041(JP,U) 実開 昭57−11031(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、無機蒸着層、接着剤層、およ
    びポリオレフィン系樹脂層を順次有するガスバリア性樹
    脂フィルムであって、 該基材が主としてポリアミド系樹脂でなるフィルムであ
    り;そして該基材と該無機蒸着層との間にアンカーコー
    ト層を有し、該基材と該無機蒸着層との間の密着強度が
    500g/15mm以上であ該アンカーコート層が、熱硬化性ポリエステル樹脂で構
    成され、該熱硬化性ポリエステル樹脂が、0℃以上90
    ℃以下のガラス転移温度および10当量/10 6 g以上
    の酸価を有するポリエステル樹脂からなり、そして 40
    ℃における該ポリオレフィン系樹脂層の圧縮弾性率が、
    10kgf/mm 2 以上である、 ガスバリア性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記無機蒸着層との間の密着
    強度が、95℃で30分間ボイル処理した場合、100
    g/15mm以上である、請求項1に記載のガスバリア
    性樹脂フィルム。
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