JP2000005478A - 下糸巻回装置 - Google Patents

下糸巻回装置

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JP2000005478A JP17494698A JP17494698A JP2000005478A JP 2000005478 A JP2000005478 A JP 2000005478A JP 17494698 A JP17494698 A JP 17494698A JP 17494698 A JP17494698 A JP 17494698A JP 2000005478 A JP2000005478 A JP 2000005478A
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健二 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸掛けが完了しボビンケースより延出する下
糸の糸切り処理において、下糸を切断位置に導く途中
で、糸切れが発生したり、保持している下糸が外れたり
することを低減する下糸巻回装置を提供する。 【解決手段】 回動自在に保持され、下糸供給源からの
下糸Lを導出すると共に該下糸Lをボビンケース10内
のボビン15に供給する糸供給ノズルと、ボビンケース
10の周側面に沿って回動自在に保持され、ボビン15
に下糸Lが供給された状態において、回動することによ
って、ボビンケース10の糸導出部10dから延出する
下糸Lをすくい上げ、該下糸Lを固定メス45との間に
挟み込んで切断する動メス付糸捌き40と、を備えた下
糸巻回装置である。ボビンケース10の糸導出部10d
から延出する下糸Lの糸切りに際して、下糸Lの糸経路
長をほぼ一定に保持しつつ、動メス付糸捌き40の動作
に対応して、糸供給ノズル36が動作する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボビンケース内の
ボビンに下糸を巻回する下糸巻回装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば特開平9−75570号公
報に、ボビンへの下糸巻回作業等を自動的に行うように
した下糸巻回装置の提案がなされている。このような下
糸巻回装置は、ボビンケース内のボビンに下糸を供給す
る下糸供給手段と、ボビンに下糸を巻き付けるためにボ
ビンを回転させるボビン回転手段と、ボビンに巻き付け
られた下糸の一端を該ボビンを保持したボビンケースに
糸掛けする糸掛け機構と、ボビンケースへの糸掛けを完
了し下糸供給源に連なる下糸を切断するための動メスと
を具備する構成となっている。
【0003】上記下糸供給手段は、先端部より下糸供給
源からの下糸を導出する糸供給ノズルと、この糸供給ノ
ズルを回動させ、その先端部の位置をボビンケースの開
口部に臨む初期作業位置、ボビンケースから離間した下
糸巻回位置、糸切り位置へと移動させる下糸供給回動モ
ータと、を備えている。動メスは、ボビンケースの周側
面に沿った形状に設けられ、該周側面に沿ってボビンケ
ースの周りを回動することにより、ボビンケースの内部
から延出する下糸をすくい上げ、該すくい上げた下糸を
固定メスとの間に挟み込んで、前記下糸を所定箇所で切
断するようになっている。
【0004】従来、糸掛けが完了しボビンケースより延
出する下糸を切断する糸切り処理では、下糸供給回動モ
ータの駆動により糸供給ノズルを回動させて、その先端
部を糸切り位置に移動させてから、該移動により生じた
下糸の弛みを取り除き、その後、糸供給ノズルを停止さ
せた状態のまま、ボビンケースの周側面に沿って動メス
を回動させて、該動メスの回動により、ボビンケースの
内部から延出する下糸を捕捉し、すくい上げ、固定メス
との間に挟み込むことによって、前記下糸を切断してい
た。
【0005】図9には、上記下糸巻回装置において行わ
れる糸切り処理のフローチャートを示す。この糸切り処
理は、ボビンに巻き付けられた下糸の一端をボビンケー
スの糸導出部(下糸張力調整バネ)に糸掛けする糸掛け
処理に続いて行われる。
【0006】この糸切り処理が開始されると、先ず、ス
テップR1において、下糸供給手段が糸供給ノズルを回
動させ、その先端部が糸切り位置に到達したところで回
動を停止して(ステップR2)、ステップR3へと移行
する。ステップR3では、糸供給ノズルの先端の下糸に
対して巻取モータを微少駆動して、ステップR1におけ
る糸供給ノズルの移動に伴い生じた糸の弛みを取り除い
てから、ステップR4へと移行する。ステップR4で
は、ボビンケースの周側面に沿って動メスを回動させ
て、ボビンケースの糸導出部より導出して糸供給ノズル
の先端部へと連なる下糸を動メスですくい上げ、該下糸
を動メスと固定メスとの間に挟み込むことによって、前
記下糸を所定箇所で切断してから、固定メスの回動を停
止して(ステップR5)、ステップR6へと移行する。
ステップR6では、下糸が切断されたか否かを確認する
糸切断確認処理を行い、該糸切断確認処理が完了した
ら、以上の糸切り処理を終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の下糸巻回装置では、ボビンに巻回された下糸の糸切
り処理に際して、先ず、糸供給ノズルを糸切り位置に移
動させてから、該移動により生じた下糸の弛みを取り除
き、その後、ボビンケースの周側面に沿って動メスを回
動させて、該動メスの回動により、下糸を捕捉し、すく
い上げ、固定メスとの間に挟み込んで下糸を切断してい
たため、動メスが回動するにしたがって、下糸の糸経路
長(糸供給ノズルの先端部からボビンケースの導出部ま
での下糸の経路長)が大きくなって下糸の張力が徐々に
高められていくと共に、すくい上げられた下糸が動メス
の下糸捕捉部分でしごかれた状態となって、下糸が途中
で切れてしまうことがあった。また、糸供給ノズルが下
糸巻回位置にあるときに、動メスで下糸を捕捉し、その
後、糸供給ノズルを糸切り位置に移動させると、上記糸
切れの心配はなくなるものの、下糸に弛みが生じて下糸
が動メスから外れてしまい、下糸の切断ができなくなる
ことがあった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、糸掛けが完了しボビンケース
より延出する下糸の糸切り処理において、下糸を切断位
置に導く途中で、糸切れが発生したり、保持している下
糸が外れたりすることを低減する下糸巻回装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、回動自在に保持され、下糸
供給源からの下糸を導出すると共に該下糸をボビンケー
ス内のボビンに供給する糸供給ノズルと、前記ボビンケ
ースの周側面に沿って回動自在に保持され、前記ボビン
に下糸が供給された状態において、回動することによっ
て、前記ボビンケースの糸導出部から延出する下糸をす
くい上げ、該下糸を固定メスとの間に挟み込んで切断す
る動メスと、を備えた下糸巻回装置において、前記ボビ
ンケースの前記糸導出部から延出する下糸の糸切りに際
して、前記動メスの動作に対応して、前記糸供給ノズル
が動作する構成とした。
【0010】この請求項1記載の発明によれば、ボビン
ケースの糸導出部より延出する下糸の切断に際して、動
メスの動作に対応して、糸供給ノズルが動作するため、
動メスの動作に伴い前記下糸の張力が増加するのを、糸
供給ノズルが動作することによって抑えることができ
る。従って、糸切り処理の途中、例えば、動メスが回動
して下糸をすくっている際に、糸切れが発生したり、保
持している下糸が外れたりすることが低減される。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の下
糸巻回装置において、前記ボビンケースの前記糸導出部
から前記糸供給ノズルの先端までの下糸の糸経路長を、
ほぼ一定に保持しつつ、前記糸供給ノズルが動作する構
成とした。
【0012】この請求項2記載の発明によれば、ボビン
ケースの糸導出部から糸供給ノズルの先端までの下糸の
糸経路長を、ほぼ一定に保持しつつ、糸供給ノズルが回
動するため、前記下糸の張力をほぼ一定に保つことがで
きる。従って、糸切り処理の途中、例えば、動メスが回
動して下糸をすくっている際に、糸切れが発生したり、
保持している下糸が外れたりすることをさらに低減でき
る。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の下糸巻回装置において、前記動メス及び前記糸供
給ノズルは、回動と停止を繰り返しながら、間欠的に動
作すると共に、何れか一方が停止している間にもう一方
が回動することによって、両者が交互に動作する構成と
した。
【0014】この請求項3記載の発明によれば、動メス
及び糸供給ノズルが回動と停止を繰り返しながら間欠的
に動作すると共に、何れか一方が停止している間にもう
一方が回動することによって両者が交互に動作するよう
にしたため、動メスの回動に伴い生じる下糸の前記糸経
路長の変化を、その直後の糸供給ノズルの回動によって
相殺することにより、前記糸経路長をほぼ一定に保つこ
とができる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1又は2に
記載の下糸巻回装置において、前記動メス及び前記糸供
給ノズルは、回動と停止を繰り返しながら、間欠的に動
作すると共に、何れか一方が回動又は停止している間
に、もう一方も同時に回動又は停止する構成とした。
【0016】この請求項4記載の発明によれば、動メス
及び糸供給ノズルが回動と停止を繰り返しながら間欠的
に動作すると共に、何れか一方が回動又は停止している
間に、もう一方も同時に回動又は停止するようにしたた
め、動メスの一回の回動動作に伴い生じる下糸の前記糸
経路長の変化を想定して、糸供給ノズルの一回の動作に
よる回動量を調整すれば、動メスが動作している状態に
おいても下糸の前記糸経路長を変化させずに、前記糸経
路長をほぼ一定に保つことができる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1又は2に
記載の下糸巻回装置において、前記動メス及び前記糸供
給ノズルは、同時に且つ連続的に動作する構成とした。
【0018】この請求項5記載の発明によれば、動メス
及び糸供給ノズルは、同時に且つ連続的に動作するよう
にしたため、動メスの移動速度に応じて、糸供給ノズル
の移動速度を調整すれば、動メスが動作している状態に
おいても下糸の前記糸経路長を変化させずに、前記糸経
路長をほぼ一定に保つことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図8の図面を参照しながら説明する。
【0020】[第1の実施の形態]図1は、本発明に係
る下糸巻回装置を備え付けた下糸自動供給装置の正面図
である。同図中、Kはミシン釜、Tはミシンベッドであ
る。図2及び図3は、下糸巻回装置を示す正面図で、図
2が下糸巻回時の状態、図3が糸切り時(下糸を切断す
る直前)の状態を示している。図4は、下糸巻回装置に
備わる動メス付き糸捌きを示すもので、(a)はその平
面図、(b)は側面図である。図5は、下糸巻回装置で
扱うボビンケース及びボビンの概要を示すもので、
(a)はその斜視図、(b)はボビンケース周側面にお
ける要部の平面図である。
【0021】この下糸自動供給装置100は、ミシン釜
K内のボビンの下糸が消費されて所定量より少なくなっ
た場合に、ミシン釜K内のボビンおよびボビンケース1
0を自動的に下糸のセットされたボビンおよびボビンケ
ース10と交換すると共に、下糸の消費されたボビンお
よびボビンケース10に自動的に下糸を供給する装置で
ある。
【0022】この下糸自動供給装置100は、ボビンケ
ース10を把持又は開放可能な把持手段2、および、こ
の把持手段2を支軸3aを支点として回動させると共に
支軸3aの軸線方向に直動させる回動アーム3等からな
るボビン交換装置1や、図示略の残糸除去装置、並び
に、ボビンに下糸を供給する下糸巻回装置等から構成さ
れる。図1中、Aは残糸除去装置によりボビンの下糸の
残りを除去するための残糸除去位置、Bはボビンに下糸
を巻き付ける下糸巻回位置、Cは下糸が供給されたボビ
ンを一時的に待機させるダミー位置である。残糸除去位
置A、下糸巻回位置B、ダミー位置C、及びミシン釜K
は、把持手段2の回動軌道上に設けられ、これら位置の
間を、ボビン交換装置1の搬送により、ボビンケース1
0が移動する。
【0023】この下糸自動供給装置100の構成の内、
下糸巻回装置は、図1や図2に示すように、ボビン回転
手段20、下糸供給手段30、また、図2に示すように
(図1では省略)、下糸供給後の糸切りを行う動メスと
して例示する動メス付き糸捌き40、固定メス45、糸
掛け機構50等から構成されている。
【0024】ボビン回転手段20は、巻取モータM1を
駆動することにより、この回転駆動力を、モータ軸プー
リ21、タイミングペルト22、図示省略の巻取プーリ
及び巻取クラッチ板等を介して、ボビンケース10内の
ボビンに伝達して、ボビンを回転させるものである。
【0025】下糸供給手段30は、下糸供給源からの下
糸Lを内部に配した糸吸引器32及び糸供給ノズル36
と、電磁弁の開動作により上記糸吸引器32内の下糸供
給経路にエアーを供給するエアー源と、上記糸吸引器3
2を軸33を支点として回動させることにより、糸供給
ノズル36を初期作業位置N0、下糸巻回位置N1、糸
切り開始位置N2、糸切り終了位置N3に移動させる下
糸供給回動モータM2と、を備えている。
【0026】この下糸供給手段30によれば、予め糸供
給ノズル36の先端から絡み付けに必要な長さの下糸L
を導出しつつ、上記下糸供給回動モータM2の駆動によ
り上記糸供給ノズル36の先端36aをボビンケース開
口部10a近傍の初期作業位置N0に位置させ、この時
エアーを供給して糸供給ノズル36の先端36aから当
該エアーを吹き出すことによって、導出糸をボビンケー
ス開口部10aから内部に案内し、さらにこの時、上述
した巻取モータM1の駆動により回転しているボビン1
5に上記エアーを吹き込んで、ボビン軸の周りに渦流を
形成することにより、ボビンケース10内部に案内され
た上記下糸Lをボビン軸に絡み付け、その後所謂均一巻
を行い得るように上記下糸供給回動モータM2を駆動し
て上記糸供給ノズル36の先端36aを下糸巻回位置N
1に移動し、下糸巻回を行うようになっている。また、
糸掛けが完了しボビンケース10内部より延出する下糸
Lを切断する糸切り処理時には、先ず、下糸供給回動モ
ータM2の駆動により上記糸供給ノズル36の先端36
aを糸切り開始位置N2に位置させ、この時糸供給ノズ
ル36の先端36aから導出している下糸Lの弛みを巻
取モータM1を微少駆動することで取り除き、その後、
糸供給ノズル36の先端から糸切り用の切欠部40cま
での下糸Lの糸経路長を一定(例えば、100mm)に
保持しながら、動メス付き糸捌き40の回動に応じて、
下糸供給回動モータM2を駆動して上記糸供給ノズル3
6の先端36aを糸切り終了位置N3に微量ずつ間欠的
に移動させることにより、下糸Lの張力をほぼ一定に保
つようになっている。ここで、糸供給ノズル36は、同
じく間欠的に微量ずつ移動する動メス付き糸捌き40と
交互に移動する。
【0027】動メス付き糸捌き40は、図4に示すよう
に、ボビン軸を中心とする円弧上に湾曲した形状に形成
され、糸掛け、糸切り、糸ガイドの各構成が一体的に形
成された構成となっている。また、この動メス付き糸捌
き40は、機枠に対して回転可能な状態で支持されてい
て、動メス付糸捌き回動モータ(図示省略)の駆動によ
り下糸巻回位置Bで把持されているボビンケース10の
周側面に沿って回動する。特に、後述の糸切り処理時に
は、前記糸供給ノズル36の動きと同期して、微動、停
止を繰り返し、ボビンケース10の周りを間欠的に回動
するようになっている。
【0028】この動メス付き糸捌き40は、その先端側
(図4(a)で左側)に、下糸供給時に下糸Lをガイド
する下糸ガイド用の切欠部40aが、その隣の中腹部
に、下糸供給後に糸供給ノズル36とボビン15に渡る
下糸Lを捌いてボビンケース10の開口部10aからス
リット10b(図5)まで導くU字状に形成された糸捌
き用の切欠部40bが、後端側(図4(a)で右側)
に、V字状に形成された糸切り用の切欠部40cと、こ
の切欠部40cの頂点から周面に沿う延長線上に切断用
の目玉(切断部)40dとが設けられている。この糸切
り用の切欠部40cと糸捌き用の切欠部40bとは、動
メス付き糸捌き40の左右方向(図4(a)で上下方
向)に位置がずらされて形成されており(上記糸切り用
の切欠部40cが糸捌き用の切欠部40bに対してボビ
ンケース10の反開放端縁側にずらされて形成されてい
る。)、糸捌き用の切欠部40bに下糸Lを掛け、該下
糸Lが動メス付き糸捌き40の先端から後端に架けて渡
った場合に、その後端側において該下糸Lが切断用のメ
ス部40dに触れないようになっている。
【0029】この動メス付き糸捌き40は、糸捌き用の
切欠部40bからその後端(図4(a)で右端)に架け
て所定の幅長Hを有しており、糸捌き処理の際に、糸捌
き用の切欠部40bに掛けられた下糸Lが先端側から後
端側に渡されて、この後端部で下糸Lが保持されるよう
になっている。この保持により、糸供給ノズル36側の
下糸Lの軌道がボビンケース10から離隔されるように
なっている。
【0030】糸掛け機構50は、動メス付糸捌き40に
より、ボビンケース10の周側面に既設されたスリット
10bまで下糸Lが導かれた後、この下糸Lを引っ掛け
て誘導し、下糸Lを下糸張力調整バネ11(図5)とボ
ビンケース10周側面との間に通して糸導出部10d
(図5)まで導くものであり、例えば、図2に示すよう
に、下糸自動供給装置100の基枠等に固定されたベー
ス48、このベース48に支点48aを中心に回動可能
(図2で前後方向)に取り付けられているワイパー4
7、並びに、ワイパー47を回動駆動させる駆動手段等
から構成されている。ワイパー47は、糸供給ノズル3
6の先端からボビンケース10に導出された下糸Lを、
後述の糸捌き処理中に保持する一方、この糸捌き処理後
に下糸Lを引っ掛けて糸掛けを行うようになっている。
【0031】次に、上記構成の下糸自動供給装置100
により行われる下糸自動供給処理について説明する。
【0032】先ず、縫製中に下糸が消費されてミシン釜
K内のボビン15の下糸が所定量より少なくなりミシン
側の糸切りがなされると、下糸の自動供給処理が開始さ
れ、ミシンの駆動が一時的に停止される。下糸の自動供
給処理が開始されると、回動アーム3の回動および支軸
3aに沿った直動、並びに、把持手段2の把持動作によ
り、釜K内のボビンケース10が把持手段2に把持され
て、釜K内から取り出され、残糸除去位置Aに移動され
る。次いで、ダミー位置Cのボビンケース10(予め下
糸が巻き付けられた状態にある)が釜K内に装着され、
下糸が補充されたことが作業者に報知されミシンの駆動
停止が解除される。作業者は、この報知により再び縫製
作業を続行する。
【0033】ボビンケース10が釜K中に装着される
と、次いで、下糸の消費されたボビン15およびボビン
ケース10から残糸を除去する残糸除去処理が開始され
る。残糸除去処理が開始されると、残糸除去装置が作動
し、例えば、エアー吸引並びにローラによる挟み付けお
よび回転により、ボビン15中の残糸が全て抜き取られ
る。残糸除去処理が完了すると、回動アーム3の回動及
び支軸3aに沿った直動、並びに、把持手段2の把持動
作により、残糸除去位置Aのボビンケース10が把持手
段2に把持されて、残糸除去位置Aから取り出され巻回
処理位置Bに移され、下糸巻回処理が開始される。
【0034】下糸巻回処理が開始されると、下糸供給手
段30の糸供給ノズル36が初期作業位置N0に移され
ボビン15内にエアー出力すると共に、巻取りモータM
1が駆動してボビン15を回転させ、下糸Lをボビン軸
に絡み付かせる。この絡み付きにより下糸Lが送られて
糸供給検出手段(図示省略)に検出されると、この検出
に基づき下糸供給回動モータM2が駆動されて糸供給ノ
ズル36が下糸巻回位置N1に移される。
【0035】その後、動メス付糸捌き40が図2の反時
計方向に回動して、下糸ガイド用の切欠部40aに下糸
Lを掛け、該下糸Lをガイドしながら、ボビン15に下
糸Lを巻き付けていく。所定量の下糸Lがボビン15に
巻回されると、巻取モータM1の駆動が停止されると共
に、動メス付糸捌き40が図2の時計方向に回動して、
一旦、下糸Lから離され、その後、ボビンケース開口部
10aから延出された下糸Lをボビンケース10周側面
に既設されたスリット10bまで捌いて導く、糸捌き処
理が開始される。
【0036】糸捌き処理が開始されると、先ず、動メス
付糸捌き40が図2の反時計方向に回動して、糸捌き用
の切欠部40bに下糸Lを掛け、該下糸Lを掛けた状態
で、動メス付糸捌き40が図2の反時計方向に回動する
と共に、回動アーム3の直動によりボビンケース10が
図2の前後方向(図2に対して垂直方向)に移動するこ
とによって、ボビンケース開口部10aから延出された
下糸Lが、ボビンケース開放端10gとボビンフランジ
15Aとの間を通されて、ボビンケース10のスリット
10bまで導かれる。その後、動メス付糸捌き40が初
期位置に戻されて、糸捌き処理が完了となり、続いて、
糸掛け処理が開始される。
【0037】糸掛け処理が開始されると、ワイパー47
が支点48aを中心に回動駆動されて、その先端部に引
っ掛けた下糸Lがボビンケース10周側面に沿って横方
に誘導される。そして、この誘導により、スリット10
bを経由して下糸張力調整バネ11の下に通された下糸
Lが糸導出部10dまで導かれる。その後、ワイパー4
7が元の位置に戻されて、糸掛け処理が完了となり、続
いて、糸切り処理が開始される。
【0038】糸切り処理が開始されると、先ず、下糸供
給回動モータM2の駆動により、糸供給ノズル36が、
図3の反時計方向に回動されて、下糸巻回位置N1から
糸切り開始位置N2へと移動する。糸供給ノズル36が
停止したら、巻取モータM1が微少駆動して、糸供給ノ
ズル36が移動したことにより生じた糸の弛みを取り除
く。その後、動メス付糸捌き回動モータ(図示省略)の
駆動により、下糸巻回位置Bで把持されているボビンケ
ース10の周側面に沿って、動メス付糸捌き40が図3
の時計方向に回動されて、ボビンケース10の糸導出部
10dからワイパー47に渡された下糸Lを、糸切り用
の切欠部40cで捕捉する位置(糸切り用の切欠部40
cの先端から切欠部40cの底部までの4/5程の位
置)まで移動する。
【0039】次いで、糸供給ノズル36が、糸切り開始
位置N2から糸切り終了位置N3へと、微動して停止す
るという動作を繰り返して間欠的に移動していくと共
に、動メス付糸捌き40が、前記糸切り用の切欠部40
cで下糸Lを捕捉した位置から、糸切り用の切欠部40
cが固定メス45と重なる位置へと、糸供給ノズル36
と同期して、同じく間欠的に移動していく。ここで、糸
供給ノズル36及び動メス付糸捌き40は、一方が移動
中に、もう一方が停止することによって、交互に微量宛
移動していく。また、糸供給ノズル36の一回の移動量
は、動メス付糸捌き40が一回移動することによって生
じる糸経路長(糸供給ノズル36の先端36aからボビ
ンケース10の糸導出部10d(下糸張力調整バネ1
1)までの下糸Lの経路長)の変化量とほぼ同一となる
ように設定されている。即ち、動メス付糸捌き40と糸
供給ノズル36が、前記糸経路長をほぼ一定(例えば、
100mm)に保ちながら交互に微量ずつ移動していく
ことによって、下糸Lの張力がほぼ一定に保たれて、動
メス付糸捌き40の糸切り用の切欠部40cから下糸L
が外れたり、下糸Lが糸切り用の切欠部40cにしごか
れた状態となって途中で切れたりすることがないように
なっている。
【0040】こうして、糸供給ノズル36が糸切り終了
位置N3に到達したら、動メス付糸捌き回動モータ(図
示省略)の駆動により、動メス付糸捌き40が図3の時
計方向に回動されて、該動メス付糸捌き40が固定メス
45と重なることで、糸切り用の切欠部40cに保持さ
れた下糸Lが固定メス45と目玉40dとの間に挟み込
まれ、下糸Lが所定の箇所(例えば、糸導出部10dか
ら導出する糸の長さが40〜45mmとなる位置)で切
断される。そして、下糸Lが切断されたら、糸切断確認
処理が行われて、以上の下糸自動供給処理が完了され
る。
【0041】なお、糸供給ノズル36の糸切り終了位置
N3は、糸供給ノズル36の先端36aから下糸Lの切
断位置までの長さに応じて設定され、また、糸切り開始
位置N2は、糸切り終了位置N3から所定量(動メス付
糸捌き40が下糸Lを捕捉してから切断するまでに移動
する量に対応して、前記糸経路長を一定に保持しつつ、
糸供給ノズル36が移動する量)戻した位置に設定され
ている。
【0042】図6には、この実施の形態の下糸巻回装置
において行われる糸切り処理のフローチャートを示す。
この糸切り処理は、前述したように、糸掛け処理に続い
て行われる。
【0043】この糸切り処理が開始されると、先ず、ス
テップS1において、下糸供給回動モータM2の駆動に
より、下糸巻回位置N1にある糸供給ノズル36を図3
の反時計方向に回動させ、糸切り開始位置N2に到達し
たところで回動を停止して(ステップS2)、ステップ
S3へと移行する。ステップS3では、巻取モータM1
を微少駆動して、ステップS1における糸供給ノズル3
6の移動に伴い生じた糸の弛みを取り除いてから、ステ
ップS4へと移行する。ステップS4では、動メス付糸
捌き回動モータ(図示省略)の駆動により、下糸巻回位
置Bで把持されているボビンケース10の周側面に沿っ
て動メス付糸捌き40を回動させ、ボビンケース10の
糸導出部10dから導出してワイパー47を介し糸供給
ノズル36の先端36aへと連なる下糸Lを、糸切り用
の切欠部40cで捕捉可能な位置に到達したところで回
動を停止して(ステップS5)、ステップS6へと移行
する。
【0044】ステップS6では、糸供給ノズル36を図
3の反時計方向に回動させて、所定量(微量)進んだと
ころで回動を停止して(ステップS7)、ステップS8
へと移行する。ステップS8では、動メス付糸捌き40
を図3の時計方向に回動させて、所定量(微量)進んだ
ところで回動を停止して(ステップS9)、ステップS
10へと移行する。ここで、糸供給ノズル36の回動量
は、糸供給ノズル36の先端36aから糸導出部10d
(下糸張力調整バネ11)までの下糸Lの糸経路長を一
定(例えば、100mm)に保持すべく、動メス付糸捌
き40の回動量に応じて設定される。
【0045】ステップS10では、動メス付糸捌き40
の移動回数、又は糸供給ノズル36の移動回数が設定値
に達したか否かを判定して、移動回数が設定値に達する
場合には、ステップS11へと移行し、一方、移動回数
が設定値に達しない場合には、ステップS6へと戻る。
即ち、ステップS10では、糸切り位置に動メス付き糸
捌き40が到達したか否か(或いは糸供給ノズル36が
糸切り終了位置N3に到達したか否か)を判定してい
る。
【0046】ステップS11では、動メス付糸捌き40
を図3の時計方向に回動させて、所定量進んだところで
回動を停止して(ステップS12)、ステップS13へ
と移行する。上記ステップS11では、動メス付糸捌き
40を回動させて該動メス付糸捌き40を固定メス45
に重なり合わせることで、糸切り用の切欠部40cで保
持している下糸Lを固定メス45と目玉40dとの間に
挟み込んで、下糸Lを所定の箇所で切断している。ステ
ップS13では、下糸Lが切断されたか否かを確認する
糸切断確認処理を行い、該糸切断確認処理が完了した
ら、以上の糸切り処理を終了する。
【0047】以上のように、この実施の形態の下糸巻回
装置によれば、糸掛けが完了しボビンケース10より延
出する下糸Lを切断する糸切り処理に際して、動メス付
糸捌き40及び糸供給ノズル36が回動と停止を繰り返
しながら間欠的に動作すると共に、何れか一方が停止し
ている間にもう一方が回動することによって両者が交互
に動作するため、動メス付糸捌き40の回動に伴い生じ
る下糸Lの前記糸経路長の変化を、その直後の糸供給ノ
ズル36の回動によって相殺することにより、前記糸経
路長をほぼ一定に保つことができる。即ち、糸切り処理
に際して、下糸Lの糸経路長をほぼ一定に保持しつつ、
動メス付糸捌き40及び糸供給ノズル36が動作するこ
とにより、ボビンケース10の糸導出部10dから延出
して糸供給ノズル36の先端36aへと連なる下糸Lの
張力をほぼ一定に保つことができる。従って、糸切り処
理の途中、例えば、動メス付糸捌き40が回動して下糸
Lをすくっている最中に、糸切れが発生したり、保持し
ている下糸Lが糸切り用の切欠部40cより外れたりす
ることが低減される。
【0048】[第2の実施の形態]この実施の形態で
は、糸掛けが完了しボビンケース10より延出する下糸
Lを切断する糸切り処理に際して、動メス付糸捌き40
及び糸供給ノズル36が微量ずつ間欠的に、かつ両者が
同時に移動するようになっている。この第2の実施の形
態特有の部分以外は、上記第1の実施の形態におけると
同様である。この第2の実施の形態において、前述の第
1の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0049】この実施の形態では、動メス付糸捌き40
が、糸切り処理に際して、糸切り用の切欠部40cで下
糸Lを捕捉可能な位置から、糸切り位置(糸切り用の切
欠部40cが固定メス45と重なる位置)へと、微動し
て停止するという動作を繰り返して間欠的に移動してい
くと同時に、糸供給ノズル36が、糸切り開始位置N2
から糸切り終了位置N3へと、同じく間欠的に移動して
いくようになっている。また、糸供給ノズル36の一回
の移動量は、前述の第1の実施の形態と同様、動メス付
糸捌き40が一回移動することによって生じる糸経路長
(糸供給ノズル36の先端36aからボビンケース10
の導出部10d(下糸張力調整バネ11)までの下糸L
の経路長)の変化量とほぼ同一となるように設定されて
いる。即ち、動メス付糸捌き40と糸供給ノズル36
が、前記糸経路長をほぼ一定(例えば、100mm)に
保ちながら同時に微量ずつ移動していくことによって、
下糸Lの張力がほぼ一定に保たれて、動メス付糸捌き4
0の糸切り用の切欠部40cから下糸Lが外れたり、下
糸Lが糸切り用の切欠部40cでしごかれた状態となっ
て途中で切れたりすることがないようになっている。
【0050】図7には、この実施の形態の下糸巻回装置
において行われる糸切り処理のフローチャートを示す。
この糸切り処理は、前述したように、糸掛け処理に続い
て行われる。
【0051】この糸切り処理が開始されると、先ず、ス
テップS101において、下糸供給回動モータM2の駆
動により、下糸巻回位置N1にある糸供給ノズル36を
図3の反時計方向に回動させ、糸切り開始位置N2に到
達したところで回動を停止して(ステップS102)、
ステップS103へと移行する。ステップS103で
は、巻取モータM1を微少駆動して、ステップS101
における糸供給ノズル36の移動に伴い生じた糸の弛み
を取り除いてから、ステップS104へと移行する。ス
テップS104では、動メス付糸捌き回動モータ(図示
省略)の駆動により、ボビンケース10の周側面に沿っ
て動メス付糸捌き40を回動させ、ボビンケース10の
糸導出部10dから導出して糸供給ノズル36の先端3
6aへと連なる下糸Lを、糸切り用の切欠部40cで捕
捉可能な位置に到達したところで回動を停止して(ステ
ップS105)、ステップS106へと移行する。
【0052】ステップS106では、糸供給ノズル36
を図3の反時計方向に回動させると同時に、動メス付糸
捌き40を図3の時計方向に回動させて、それぞれ所定
量(微量)進んだところで回動を停止して(ステップS
107)、ステップS108へと移行する。ここで、糸
供給ノズル36の回動量は、糸供給ノズル36の先端か
ら糸導出部10d(下糸張力調整バネ11)まで下糸L
の糸経路長を一定(例えば、100mm)に保持すべ
く、動メス付糸捌き40の回動量に応じて設定される。
【0053】ステップS108では、動メス付糸捌き4
0の移動回数、又は糸供給ノズル36の移動回数が設定
値に達したか否かを判定して、移動回数が設定値に達す
る場合には、ステップS109へと移行し、一方、移動
回数が設定値に達しない場合には、ステップS106へ
と戻る。即ち、ステップS108では、糸切り位置に動
メス付き糸捌き40が到達したか否か(或いは糸供給ノ
ズル36が糸切り終了位置N3に到達したか否か)を判
定している。
【0054】ステップS109では、動メス付糸捌き4
0を図3の時計方向に回動させて、所定量進んだところ
で回動を停止して(ステップS110)、ステップS1
11へと移行する。上記ステップS109では、動メス
付糸捌き40を回動させて該動メス付糸捌き40を固定
メス45に重なり合わせることで、糸切り用の切欠部4
0cで保持している下糸Lを固定メス45と目玉40d
との間に挟み込んで、下糸Lを所定の箇所で切断してい
る。ステップS111では、下糸Lが切断されたか否か
を確認する糸切断確認処理を行い、該糸切断確認処理が
完了したら、以上の糸切り処理を終了する。
【0055】以上のように、この実施の形態の下糸巻回
装置によれば、動メス付糸捌き40及び糸供給ノズル3
6が回動と停止を繰り返しながら間欠的に動作すると共
に、何れか一方が回動又は停止している間にもう一方も
同時に回動又は停止するようにしたため、動メス付糸捌
き40の一回の回動に伴い生じる下糸の前記糸経路長の
変化を想定して、糸供給ノズル36の一回の動作による
回動量を調整すれば、前記第1の実施の形態と同様に、
動メス付糸捌き40が回動している状態においても下糸
Lの前記糸経路長を変化させずに、前記糸経路長をほぼ
一定に保つことができる。
【0056】[第3の実施の形態]この実施の形態で
は、糸掛けが完了しボビンケース10より延出する下糸
Lを切断する糸切り処理に際して、動メス付糸捌き40
及び糸供給ノズル36が連続的に、かつ同時に移動する
ようになっている。この第3の実施の形態特有の部分以
外は、上記第1の実施の形態におけると同様である。こ
の第3の実施の形態において、前述の第1の実施の形態
と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】この実施の形態では、動メス付糸捌き40
が、糸切り処理に際して、糸切り用の切欠部40cで下
糸Lを捕捉可能な位置から、糸切り位置(糸切り用の切
欠部40cが固定メス45と重なる位置)へと、所定の
速度で連続的に移動していくと同時に、糸供給ノズル3
6が、糸切り開始位置N2から糸切り終了位置N3へ
と、所定の速度で、同じく連続的に移動していくように
なっている。また、糸供給ノズル36の移動速度は、糸
経路長(糸供給ノズル36の先端36aからボビンケー
ス10の導出部10d(下糸張力調整バネ11)までの
下糸Lの経路長)を一定に保持すべく、動メス付糸捌き
40の移動速度に基づいて設定されている。即ち、動メ
ス付糸捌き40と糸供給ノズル36が、前記糸経路長を
ほぼ一定(例えば、100mm)に保ちながら同時にか
つ連続的に移動していくことによって、下糸Lの張力が
ほぼ一定に保たれて、動メス付糸捌き40の糸切り用の
切欠部40cから下糸Lが外れたり、下糸Lが糸切り用
の切欠部40cにしごかれて途中で切れたりすることが
ないようになっている。
【0058】図8には、この実施の形態の下糸巻回装置
において行われる糸切り処理のフローチャートを示す。
この糸切り処理は、前述したように、糸掛け処理に続い
て行われる。
【0059】この糸切り処理が開始されると、先ず、ス
テップS201において、下糸供給回動モータM2の駆
動により、下糸巻回位置N1にある糸供給ノズル36を
図3の反時計方向に回動させ、糸切り開始位置N2に到
達したところで回動を停止して(ステップS202)、
ステップS203へと移行する。ステップS203で
は、巻取モータM1を微少駆動して、ステップS201
における糸供給ノズル36の移動に伴い生じた糸の弛み
を取り除いてから、ステップS204へと移行する。ス
テップS204では、動メス付糸捌き回動モータ(図示
省略)の駆動により、動メス付糸捌き40を図3の時計
方向に回動させ、ボビンケース10の糸導出部10dか
ら導出して糸供給ノズル36の先端36aへと連なる下
糸Lを、糸切り用の切欠部40cで捕捉可能な位置に到
達したところで回動を停止して(ステップS205)、
ステップS206へと移行する。
【0060】ステップS206では、糸供給ノズル36
を図3の反時計方向に連続的に回動させると同時に、動
メス付糸捌き40を図3の時計方向に連続的に回動させ
て、動メス付き糸捌き40が糸切り位置に到達したとこ
ろ(糸供給ノズル36が糸切り終了位置N3に到達した
ところ)で、それぞれの回動を停止して(ステップS2
07)、ステップS208へと移行する。ここで、糸供
給ノズル36の回動速度は、糸供給ノズル36の先端3
6aから糸導出部10d(下糸張力調整バネ11)まで
の糸経路長を一定(例えば、100mm)に保持すべ
く、動メス付糸捌き40の回動速度に応じて設定され
る。
【0061】ステップS208では、動メス付糸捌き4
0を図3の時計方向に回動させて、所定量進んだところ
で回動を停止して(ステップS209)、ステップS2
10へと移行する。上記ステップS208では、動メス
付糸捌き40を回動させて該動メス付糸捌き40を固定
メス45に重なり合わせることで、糸切り用の切欠部4
0cで保持している下糸Lを固定メス45と目玉40d
との間に挟み込んで、下糸Lを所定の箇所で切断してい
る。ステップS210では、下糸Lが切断されたか否か
を確認する糸切断確認処理を行い、該糸切断確認処理が
完了したら、以上の糸切り処理を終了する。
【0062】以上のように、この実施の形態の下糸巻回
装置によれば、動メス付糸捌き40及び糸供給ノズル3
6が、同時に且つ連続的に動作するようにしたため、動
メス付糸捌き40の移動速度に応じて、糸供給ノズル3
6の移動速度を調整すれば、前記第1及び第2の実施の
形態と同様に、動メス付糸捌き40が回動した状態にお
いても下糸Lの前記糸経路長を変化させずに、前記糸経
路長をほぼ一定に保つことができる。
【0063】なお、本発明は、以上の各実施の形態の下
糸巻回装置に限られるものでなく、ボビンケース10の
糸導出部10dから延出する下糸Lを切断する際に、前
記糸経路長をほぼ一定に保持しつつ、動メス付糸捌き4
0の動作に対応して糸供給ノズル36を動作させること
が可能であれば、その他の下糸巻回装置としてもよい。
また、下糸巻回装置の下糸供給手段および動メスの各構
成は、この実施の形態で示したものは一例であり、本発
明において特に限定されるものではない。その他、具体
的に示した細部構成、方法等は、発明の主旨を逸脱しな
い範囲で適宜変更可能である。
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ボビンケ
ースの糸導出部より延出する下糸の切断に際して、動メ
スの動作に対応して、糸供給ノズルが動作するため、動
メスの動作に伴い前記下糸の張力が増加するのを、糸供
給ノズルが動作することによって抑えることができる。
従って、糸切り処理の途中、例えば、動メスが回動して
下糸をすくっている際に、糸切れが発生したり、保持し
ている下糸が外れたりすることが低減される。
【0065】請求項2記載の発明によれば、ボビンケー
スの糸導出部から糸供給ノズルの先端までの下糸の糸経
路長を、ほぼ一定に保持しつつ、糸供給ノズルが回動す
るため、前記下糸の張力をほぼ一定に保つことができ
る。従って、糸切り処理の途中、例えば、動メスが回動
して下糸をすくっている際に、糸切れが発生したり、保
持している下糸が外れたりすることをさらに低減でき
る。
【0066】請求項3記載の発明によれば、動メス及び
糸供給ノズルが回動と停止を繰り返しながら間欠的に動
作すると共に、何れか一方が停止している間にもう一方
が回動することによって両者が交互に動作するようにし
たため、動メスの回動に伴い生じる下糸の前記糸経路長
の変化を、その直後の糸供給ノズルの回動によって相殺
することにより、前記糸経路長をほぼ一定に保つことが
できる。
【0067】請求項4記載の発明によれば、動メス及び
糸供給ノズルが回動と停止を繰り返しながら間欠的に動
作すると共に、何れか一方が回動又は停止している間
に、もう一方も同時に回動又は停止するようにしたた
め、動メスの一回の回動動作に伴い生じる下糸の前記糸
経路長の変化を想定して、糸供給ノズルの一回の動作に
よる回動量を調整すれば、動メスが動作している状態に
おいても下糸の前記糸経路長を変化させずに、前記糸経
路長をほぼ一定に保つことができる。
【0068】請求項5記載の発明によれば、動メス及び
糸供給ノズルは、同時に且つ連続的に動作するようにし
たため、動メスの移動速度に応じて、糸供給ノズルの移
動速度を調整すれば、動メスが動作している状態におい
ても下糸の前記糸経路長を変化させずに、前記糸経路長
をほぼ一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下糸巻回装置を備え付けた下糸自
動供給装置の正面図である。
【図2】下糸巻回時における下糸巻回装置を示す正面図
である。
【図3】糸切り時における下糸巻回装置を示す正面図で
ある。
【図4】下糸巻回装置に備わる動メス付き糸捌きを示す
もので、(a)はその平面図、(b)は側面図である。
【図5】下糸巻回装置で扱うボビンケース及びボビンの
概要を示すもので、(a)はその斜視図、(b)はボビ
ンケース周側面における要部の平面図である。
【図6】第1の実施の形態の下糸巻回装置において行わ
れる糸切り処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の下糸巻回装置において行わ
れる糸切り処理のフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態の下糸巻回装置において行わ
れる糸切り処理のフローチャートである。
【図9】従来の下糸巻回装置において行われる糸切り処
理のフローチャートである。
【符号の説明】
10 ボビンケース 10d 糸導出部 11 下糸張力調整バネ 15 ボビン 30 下糸供給手段 32 糸吸引機 36 糸供給ノズル 40 動メス付糸捌き(動メス) 40a 糸ガイド用の切欠部 40b 糸捌き用の切欠部 40c 糸切り用の切欠部 40d 目玉 45 固定メス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回動自在に保持され、下糸供給源からの下
    糸を導出すると共に該下糸をボビンケース内のボビンに
    供給する糸供給ノズルと、 前記ボビンケースの周側面に沿って回動自在に保持さ
    れ、前記ボビンに下糸が供給された状態において、回動
    することによって、前記ボビンケースの糸導出部から延
    出する下糸をすくい上げ、該下糸を固定メスとの間に挟
    み込んで切断する動メスと、 を備えた下糸巻回装置において、 前記ボビンケースの前記糸導出部から延出する下糸の糸
    切りに際して、前記動メスの動作に対応して、前記糸供
    給ノズルが動作することを特徴とする下糸巻回装置。
  2. 【請求項2】前記ボビンケースの前記糸導出部から前記
    糸供給ノズルの先端までの下糸の糸経路長を、ほぼ一定
    に保持しつつ、前記糸供給ノズルが動作することを特徴
    とする請求項1記載の下糸巻回装置。
  3. 【請求項3】前記動メス及び前記糸供給ノズルは、回動
    と停止を繰り返しながら、間欠的に動作すると共に、 何れか一方が停止している間にもう一方が回動すること
    によって、両者が交互に動作することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の下糸巻回装置。
  4. 【請求項4】前記動メス及び前記糸供給ノズルは、回動
    と停止を繰り返しながら、間欠的に動作すると共に、 何れか一方が回動又は停止している間に、もう一方も同
    時に回動又は停止することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の下糸巻回装置。
  5. 【請求項5】前記動メス及び前記糸供給ノズルは、同時
    に且つ連続的に動作することを特徴とする請求項1又は
    2に記載の下糸巻回装置。
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