JPH08229263A - 下糸巻回装置 - Google Patents

下糸巻回装置

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JPH08229263A
JPH08229263A JP6514195A JP6514195A JPH08229263A JP H08229263 A JPH08229263 A JP H08229263A JP 6514195 A JP6514195 A JP 6514195A JP 6514195 A JP6514195 A JP 6514195A JP H08229263 A JPH08229263 A JP H08229263A
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JP
Japan
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bobbin
thread
shaft
case
lower thread
Prior art date
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Application number
JP6514195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisanobu Shinozuka
寿信 篠塚
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸抵抗を低減し、下糸巻回時の巻き張力を最
適に設定して、良好にボビンに下糸を巻回する。 【構成】 下糸供給源200からの下糸150に、糸張
力を可変に設定可能な糸張力可変手段F3,F4と、下
糸供給により回転される回転体54を備え回転体54の
回転を検出することにより下糸のボビン軸への絡み付き
及び下糸巻回量の少なくとも一方を検出可能とした検出
手段F2と、から少なくともなる糸張力付与手段Fによ
り張力を付与し、糸張力付与手段Fからの下糸端部を案
内手段によりボビンケース開口部を介してボビンケース
内に案内し、案内された下糸端部を、ボビン駆動手段に
より回転されるボビン軸の回転によってボビン軸に絡み
付かせて下糸をボビン軸に巻回する一方で、糸張力可変
手段F3,F4及び検出手段F2をユニット化して纏
め、下糸供給経路を短くすると共に糸案内等による折り
曲げ部を減少するよう構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボビンに下糸を巻回す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシ
ン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシンにあって
は、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要があ
る。一般には、下糸が消費された時にミシンの運転を一
旦停止し、ボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビ
ンに下糸を巻回し、この下糸が新たに巻回されたボビン
をボビンケースに収容して該ボビンケースを釜内に装着
する一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな人手によるボビンへの下糸の巻回作業及びボビンケ
ースの交換作業は極めて非能率的であり、生産性の低下
の原因となっている。そこで、本出願人は、先に出願し
た特願平6−285932号明細書において、ボビンへ
の糸巻き及びボビン交換を自動的に行う装置を提案し、
上記問題点の解決を図っている。
【0004】この特願平6−285932号明細書記載
の下糸巻回装置は、繰り出しローラ駆動手段としての例
えば繰り出しモータを駆動することによって繰り出しロ
ーラを回転させ、この繰り出しローラの回転によって下
糸供給源から下糸を繰り出し、この繰り出された下糸
を、下糸の張力を可変とする糸張力可変手段を介してエ
アー案内手段のエアーによりボビンケース開口部に案内
し、このボビンケース開口部に案内された下糸を繰り出
しローラによりさらに繰り出すと共にエアー案内手段の
エアーによってボビンケース内に送り込み、ボビン駆動
手段によるボビン回転とエアーとの共働によって、ボビ
ンケース内に送り込まれた下糸をボビン軸に確実に絡み
付かせて下糸をボビン軸に自動的に巻回可能としたもの
である。
【0005】従って、ボビンケース内に送り込まれた下
糸がボビン軸に確実に絡み付くことから、本出願人が先
に出願した特願平4−188688号明細書記載の下糸
巻回装置に比して、ボビンケース外に下糸端部が出た後
絡んで良好な縫目形成ができなくなったり、場合によっ
ては上糸切れが発生したり、下糸がボビンを回転させる
ための巻取軸以外のものに巻回されて装置を停止せざる
を得ないということが起こらないようになっている。
【0006】また、下糸供給源からの下糸が一巻きされ
て当該下糸を繰り出している繰り出しローラのその回転
を検出し、下糸の絡み付き前と後での繰り出しローラの
回転変化に基づいて下糸のボビン軸への絡み付きを判定
し、この下糸のボビン軸への絡み付きが検出されたら以
降の下糸供給量(繰り出しローラ回転量)を実際の下糸
巻回量とし、この実際の下糸巻回量が設定された下糸巻
回量となったらボビン回転を停止するようにしているの
で、下糸のボビン軸への絡み付きを考慮しないものやボ
ビン軸の回転を検出して実際の下糸巻回量とするものに
比して高精度に設定下糸巻回量をボビン軸に巻回するこ
とが可能となっている。すなわち、繰り出しローラは下
糸のボビン軸への絡み付き及び下糸巻回量を検出できる
ようになっている。
【0007】加えて、特願平6−285932号明細書
記載の装置にあっては、特願平4−188688号明細
書等に記載されているボビン交換装置が備えられてお
り、上記下糸巻回装置によって自動的に下糸が巻回され
たボビンを収容するボビンケースを釜に自動的に装着す
ることが可能であり、また残糸の少なくなったボビンを
収容したボビンケースを釜内から自動的に取り出すこと
も可能となっている。
【0008】しかしながら、この特願平6−28593
2号明細書記載の装置にあっても以下の問題点があっ
た。すなわち、糸張力可変手段や下糸絡み付き検出手段
としての繰り出しローラ(以降これらを糸張力付与手段
と記す)が分散していることから、下糸供給経路が長く
なると共に糸案内等により供給経路を多数折り曲げる必
要があり、従って糸抵抗が増大し、下糸巻回時の巻き張
力を最適に設定できないといった問題がある。
【0009】また、繰り出しローラからの下糸端部を、
作業者がミシンの面部方向に対向する方向から該面部方
向に向かって手を差し入れることにより、エアー案内手
段の吸引器の吸引口に挿入し、この吸引口に挿入された
下糸端部をエアーによってボビンケース開口部に案内す
るようになっているが、当該吸引器にあっては、直線状
をなすエアー通路に対して下糸が挿入される吸引口が斜
めに連設されており、この吸引口から挿入された下糸は
折り曲げられてボビンケース開口部に案内される構成と
なっていることから、糸抵抗が増大し、下糸巻回時の巻
き張力を最適に設定できないといった問題がある。
【0010】また、上記ボビン駆動手段、エアー案内手
段、糸張力付与手段の配置関係がはっきりと言及されて
いないことから、これらの配置によっては糸抵抗が増大
し、下糸巻回時の巻き張力を最適に設定できないといっ
た問題がある。
【0011】また、上述のように、繰り出しローラから
の下糸端部を、作業者がミシンの面部方向に対向する方
向から該面部方向に向かって手を差し入れることによ
り、エアー案内手段の吸引器の吸引口に挿入し、この吸
引口に挿入された下糸端部をエアーによってボビンケー
ス開口部に案内するようになっており、しかも該吸引口
がその配置上、面部方向に直交する方向に向いているこ
とから、吸引口への下糸挿入動作がし難く、作業が煩雑
になるといった問題もある。
【0012】そこで本発明は、糸抵抗が低減され、下糸
巻回時の巻き張力が最適に設定されて、良好にボビンに
下糸が巻回される下糸巻回装置を提供することを第1の
目的とする。
【0013】また、本発明は、エアー案内手段を構成す
る吸引器の吸引口への下糸挿入動作が簡易になされ、作
業性が向上される下糸巻回装置を提供することを第2の
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の下糸巻回装置は、下糸供給源から
の下糸に張力を付与する糸張力付与手段と、この糸張力
付与手段からの下糸端部をボビンケース開口部を介して
ボビンケース内に案内する案内手段と、ボビンケース内
のボビンを回転させるボビン駆動手段と、を備え、前記
案内手段よりボビンケース内に案内された下糸端部を、
ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転によっ
て、該ボビン軸に絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻回可
能とした下糸巻回装置であって、前記糸張力付与手段は
少なくとも、糸張力を可変に設定可能な糸張力可変手段
と、下糸の供給により回転される回転体を備え、この回
転体の回転を検出することによって、ボビン軸への下糸
の絡み付き及びボビン軸に巻回される下糸量の少なくと
も一方を検出可能とした検出手段と、からなり、これら
糸張力可変手段及び検出手段をユニット化して纏めたこ
とを特徴としている。
【0015】上記第1の目的を達成するために、請求項
2の下糸巻回装置は、下糸供給源からの下糸に張力を付
与する糸張力付与手段と、この糸張力付与手段からの下
糸端部をボビンケース開口部を介してボビンケース内に
案内する案内手段と、ボビンケース内のボビンを回転さ
せるボビン駆動手段と、を備え、前記案内手段よりボビ
ンケース内に案内された下糸端部を、ボビン駆動手段に
より回転されるボビン軸の回転によって、該ボビン軸に
絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻回可能とした下糸巻回
装置であって、前記ボビン駆動手段、案内手段、糸張力
付与手段を、この順で作業者の作業位置より奥側に向か
って配設したことを特徴としている。
【0016】上記第1の目的を達成するために、請求項
3の下糸巻回装置は、下糸供給源からの下糸に張力を付
与する糸張力付与手段と、この糸張力付与手段からの下
糸端部をボビンケース開口部を介してボビンケース内に
案内する案内手段と、ボビンケース内のボビンを回転さ
せるボビン駆動手段と、を備え、前記案内手段よりボビ
ンケース内に案内された下糸端部を、ボビン駆動手段に
より回転されるボビン軸の回転によって、該ボビン軸に
絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻回可能とした下糸巻回
装置であって、前記案内手段は、糸張力付与手段からの
下糸端部をエアーによって吸引口から吸引する吸引器
と、この吸引口から吸引された下糸端部をエアーによっ
てボビンケース開口部に案内する案内経路と、からな
り、該吸引器を、吸引口と案内経路の吸引器側開放端と
を直線状に結ぶ直線状経路と、この直線状経路に対して
外方から案内経路側に向かって斜めに連設されるエアー
通路と、から構成したことを特徴としている。
【0017】上記第2の目的を達成するために、請求項
4の下糸巻回装置は、下糸供給源からの下糸に張力を付
与する糸張力付与手段と、この糸張力付与手段からの下
糸端部をボビンケース開口部を介してボビンケース内に
案内する案内手段と、ボビンケース内のボビンを回転さ
せるボビン駆動手段と、を備え、前記案内手段よりボビ
ンケース内に案内された下糸端部を、ボビン駆動手段に
より回転されるボビン軸の回転によって、該ボビン軸に
絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻回可能とした下糸巻回
装置であって、前記案内手段は、糸張力付与手段からの
下糸端部をエアーによって吸引口から吸引する吸引器
と、この吸引口から吸引された下糸端部をエアーによっ
てボビンケース開口部に案内する案内経路と、からな
り、前記吸引器の吸引口を、ミシンの面部方向とは反対
の方向に向けたことを特徴としている。
【0018】
【作用】このような請求項1の下糸巻回装置によれば、
下糸供給源からの下糸は、糸張力を可変に設定可能な糸
張力可変手段と、下糸の供給により回転される回転体を
備え、この回転体の回転を検出することによって、下糸
のボビン軸への絡み付き及びボビン軸に巻回される下糸
量の少なくとも一方を検出可能とした検出手段とから少
なくともなる糸張力付与手段により張力が付与され、こ
の糸張力付与手段からの下糸端部は、案内手段によりボ
ビンケース開口部を介してボビンケース内に案内され、
このボビンケース内に案内された下糸端部は、ボビン駆
動手段により回転されるボビン軸の回転によって該ボビ
ン軸に絡み付き、下糸がボビン軸に巻回されるが、上記
糸張力可変手段及び検出手段がユニット化して纏められ
ていることから、下糸供給経路が短くされると共に糸案
内等による折り曲げ部が減少され、糸抵抗が低減され
る。従って、下糸巻回時の巻き張力が最適に設定され
る。
【0019】このような請求項2の下糸巻回装置によれ
ば、下糸供給源からの下糸は、糸張力付与手段により張
力が付与され、この糸張力付与手段からの下糸端部は、
案内手段によりボビンケース開口部を介してボビンケー
ス内に案内され、このボビンケース内に案内された下糸
端部は、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回
転によって該ボビン軸に絡み付き、下糸がボビン軸に巻
回されるが、ボビン駆動手段、案内手段、糸張力付与手
段が、この順で作業者の作業位置より奥側に向かって配
設されていることから、下糸供給経路が短くされると共
に糸案内等による折り曲げ部が減少され、糸抵抗が低減
される。従って、下糸巻回時の巻き張力が最適に設定さ
れる。
【0020】このような請求項3の下糸巻回装置によれ
ば、下糸供給源からの下糸は、糸張力付与手段により張
力が付与され、この糸張力付与手段からの下糸端部は、
案内手段の吸引器の吸引口からエアーによって吸引さ
れ、この吸引口から吸引された下糸端部は、エアーによ
って案内経路を介してボビンケース開口部からボビンケ
ース内に案内され、このボビンケース内に案内された下
糸端部は、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の
回転によって該ボビン軸に絡み付き、下糸がボビン軸に
巻回されるが、該吸引器が、吸引口と案内経路の吸引器
側開放端とを直線状に結ぶ直線状経路と、この直線状経
路に対して外方から案内経路側に向かって斜めに連設さ
れるエアー通路と、から構成されていることから、該吸
引器内の下糸は直線状にされ、糸抵抗が低減される。従
って、下糸巻回時の巻き張力が最適に設定される。
【0021】このような請求項4の下糸巻回装置によれ
ば、下糸供給源からの下糸は、糸張力付与手段により張
力が付与され、この糸張力付与手段からの下糸端部は、
案内手段の吸引器の吸引口からエアーによって吸引さ
れ、この吸引口から吸引された下糸端部は、エアーによ
って案内経路を介してボビンケース開口部からボビンケ
ース内に案内され、このボビンケース内に案内された下
糸端部は、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の
回転によって該ボビン軸に絡み付き、下糸がボビン軸に
巻回されるが、該吸引器の吸引口がミシンの面部方向と
は反対の方向に向けられていることから、吸引口に下糸
端部を挿入するにあたっては、作業者は面部方向に対向
する方向から該面部方向に向かって手の平を返すことな
く唯真っすぐに手を差し入れれば良い。従って、吸引口
への下糸挿入動作が非常に簡易になる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。本実施例の下糸自動供給装置は、図23に
示されるように、下糸巻回装置162と、残糸除去装置
161と、これら下糸巻回装置162の下糸巻回位置
C、残糸除去装置161の残糸除去位置B、釜位置(ボ
ビンケース着脱位置)A、ダミー軸(ボビンケース保持
手段)6のボビンケース着脱位置Dにボビンケース2を
移動可能なボビン交換装置160と、から概略が構成さ
れており、該下糸自動供給装置(糸張力付与手段F及び
下糸供給源200を除く;詳しくは後述)はミシンベッ
ド101の下部に設けられている。先ず、図24乃至図
28を参照しながら、ボビン交換装置160について以
下説明する。
【0023】図24乃至図28において、符号1はボビ
ンケース2が装着される釜を、1aは釜軸を、3はミシ
ン本体に取り付けられたメインベースに立設すると共に
釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれ
ぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な
軸心を有す搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4
はベース板3に片持ち支持された状態となっている。
【0024】この搬送軸4の先端4b側(反ベース板
側)には、中空円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所
切断し該切断面が同士が対向するよう形成された搬送ブ
ロック12(図24参照)が、当該搬送軸4に対して回
転可能且つ摺動可能に支持されている。
【0025】搬送ブロック12の各切断面には、L字状
に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の
板状部分がそれぞれ固定されており、L字を構成する他
方の板状部分は、図24に示されるように、軸線を挟ん
で互いに対向した状態となっている。
【0026】各搬送板10,10には、軸線方向に沿っ
て釜側に折曲された保持部11,11の一方の端部がそ
れぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方
の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持ま
たは開放可能なボビンケース把持手段(不図示)がそれ
ぞれ固定されている。このボビンケース把持手段として
は、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供
給装置や本出願人が先に出願した特願平5−12196
0号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されてい
る一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願
人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミ
シンの下糸自動供給装置に記載されているレバー爪によ
るもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボ
ビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)
に対して着脱できるものであれば良い。
【0027】上記搬送ブロック12の外周には回動歯車
13が固定されており、該回動歯車13には、図25に
示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の
駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、そ
の一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板2
1の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持され
ており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モ
ータ20の出力軸に直結された状態となっている。
【0028】従って、回動モータ20が回転すると、駆
動歯車19、回動歯車13を介して、搬送ブロック12
及び搬送板10,10並びに保持部11,11から構成
される回転手段としての回動アーム70が回転するよう
になっている。なお、この回動アーム70の回転動作
は、本実施例にあっては、該回動アーム70が退避位置
にある時(図25乃至図27参照)に、行われるように
なっている。また、搬送軸4は片持ち支持であるが、上
記駆動歯車19によりガイドされていることから、その
支持強度は充分となっている。
【0029】上記搬送ブロック12の外周における上記
回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されな
い例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロ
ック12の外周における回動歯車13とストップリング
との間には、直動カラー14が回転可能に支持されてい
る。
【0030】この直動カラー14には、図24乃至図2
6に示されるように、釜軸1aに平行に移動可能に支持
されたラック16の一端が固定されており、このラック
16の他端にはピニオン17が噛合している。このピニ
オン17は、ベース板3に取り付けられた移動モータ1
8の出力軸に固定されている。
【0031】従って、移動モータ18が駆動すると、ピ
ニオン17を介してラック16と共に直動カラー14、
回動アーム70が搬送軸4の軸線方向に沿って移動する
ようになっている。すなわち、回動アーム70は、搬送
軸4に対して回転できると共に、搬送軸4に沿って摺動
できるようになっている。
【0032】上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定
板33が取付けられており、このセンサ固定板33上に
は、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動セ
ンサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム
70には、図24及び図25に示されるように、センサ
板32が固定されており、該回動アーム70の回転時
に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bと
の間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固
定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされてい
る。
【0033】ベース板3には、図24及び図26に示さ
れるように、上記回動センサ31と同構造の直動センサ
41が取り付けられている。また、上記ラック16に
は、センサ板15が固定されており、該回動アーム70
の直動時に、センサ板15が直動センサ41の発光素子
41aと受光素子41bとの間を通過し得るように、直
動センサ41及びセンサ板15の位置調整がなされてい
る。
【0034】また、ベース板3における上記ボビンケー
ス把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図23に示
されるように、釜1直下の位置Dには、ボビンケース保
持手段としてのダミー軸6が固定されている。このダミ
ー軸6は、図28に示されるように、中釜軸5と同構造
となっており、ボビンが収容されたボビンケース2を押
し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになって
いる。そして、押し込められたボビンケース2の既設の
ボビン係止爪2dが、図23に示されるように、ダミー
軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に
係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース
2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっ
ている。
【0035】ところで、上記下糸巻回位置C、残糸除去
位置Bは、図23に示されるように、搬送軸4の下方の
範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベッド1
01を起こす際の回動支点103側の範囲Wであって、
ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置に配置され
ている。また、残糸除去位置Bは下糸巻回位置Cより下
方に配置されている。また、残糸除去位置Bの搬送軸線
方向(図23における紙面に垂直な方向)の位置はボビ
ンケース把持手段の退避位置にあり、下糸巻回位置Cの
搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置
から多少前進させた位置(図23における紙面に向かっ
て進めた位置)にある。
【0036】残糸除去位置Bには残糸除去装置161が
配設されている。この残糸除去装置161としては、例
えばボビンに巻かれた糸の先端を挟持または開放可能と
した挟持部材を有し、一軸線を中心に例えばモータの駆
動等によって回転することにより挟持部材により挟持し
たボビン糸を自動的に巻取可能としたものが用いられて
いるが、要はボビンケース2をボビンケース把持手段に
よって把持した状態若しくはボビンケースを保持できる
手段に該ボビンケース2が受け渡されて当該ボビンケー
ス2を保持した状態で、ボビンに巻かれボビンケースか
ら導出する(垂れる)糸を引き出す引き出し手段の糸引
き出し動作によって、ボビンが回転されて、ボビンに巻
回された糸が引き出されるようなものであればどのよう
なものであっても良く、例えば本出願人が先に出願した
特願平5−203610号明細書や特願平6−4035
1号明細書のボビンの残糸除去装置を始めとして、適宜
のものを採用することができる。
【0037】斯くの如く残糸除去装置は構成されてお
り、基本的にボビンに巻かれボビンケースより垂れる下
糸を引き出す構成となっていることから、その主要部は
残糸除去位置Bより下方に配置されている。
【0038】上記下糸巻回位置Cには下糸巻回装置16
2が配設されている。この下糸巻回装置162として
は、例えばモータの駆動等により自動的にボビンに下糸
が巻回可能で、その後ボビンケース2への糸掛け及び下
糸切断が可能なものが採用されている。以下、この下糸
巻回装置162について説明する。
【0039】この下糸巻回装置162は、概略ボビン駆
動機構(ボビン駆動手段)E及び案内機構(案内手段)
G並びに糸張力付与機構(糸張力付与手段)Fからな
る。糸張力付与手段Fは、下糸供給源としての糸巻き2
00からの下糸150に張力(抵抗)を付与するもので
あり(結果的に張力を与えてしまうものも含む;図5及
び図6参照)、案内機構Gは、該糸張力付与手段Fから
の下糸端部をボビンケース2の開口部2Aを介してボビ
ンケース2内に案内するものであり(図3、図4、図8
参照)、ボビン駆動機構Eは、ボビンケース2内のボビ
ン7を回転させるものである(図7参照)。
【0040】次に、ボビン駆動機構Eについて説明す
る。図7において、符号50は巻取り軸を示しており、
この巻取り軸50は図示されないベースに回転自在に支
承されている。巻取り軸50の一端にはボビン7に形成
された複数の既設の孔(図17参照)にクラッチ可能な
クラッチ機構50aが、他端にはプーリ50bがそれぞ
れ固定されている。上記ベースにはボビン駆動モータM
2も固定されている。このボビン駆動モータM2の出力
軸にはプーリ52が固定されており、このプーリ52と
プーリ50bとの間には、ベルト51が掛け渡されてい
る。
【0041】すなわち、回動アーム70の回転により下
糸巻回位置Cに至ったボビンケース2が該回動アーム7
0の前進動作により前進すると共にボビン駆動モータM
2が駆動すると、巻取り軸50が回転すると共、該クラ
ッチ機構50aとボビン7とが連結されるようになって
いる。なお、クラッチ機構は、上述のような孔に係合す
る構成のものに限定されるものではなく、他の構成のも
のであっても構わない。
【0042】次に、糸張力付与手段Fについて説明す
る。この糸張力付与手段Fは、図5及び図6に示される
ように、マニュアル操作により下糸張力を調整する糸張
力可変手段としての下糸張力調整機構F4と、ソレノイ
ド推力により下糸張力を調整する糸張力可変手段として
の下糸張力調整機構F3と、下糸150の供給により回
転されるローラ54を備えこのローラ54の回転を検出
することによってボビン軸7aへの下糸の絡み付き及び
ボビン軸7aに巻回される下糸量の両方を検出可能とし
た検出手段F2と、下糸150の緩みを取る下糸緩み取
り機構F1と、から構成されており、これら下糸張力調
整機構F4、下糸張力調整機構F3、検出手段F2、下
糸緩み取り機構F1は、下糸供給経路の上流から下流に
向かってこの順に配設されている。
【0043】下糸張力調整機構F4は、糸巻き200か
らの通過する下糸150を押圧する張力ばね205と、
この張力ばね205の押圧力をマニュアル操作により調
整する螺子206と、から構成されている。
【0044】下糸張力調整機構F3は、下糸張力調整機
構F4からの通過する下糸150に上記張力ばね205
の押圧力に抗するソレノイド推力を生ぜしめるソレノイ
ドを備えている。このソレノイドを駆動する電気回路
は、ソレノイドに電源Vを直列に接続し、その間にスイ
ッチを介した構成となっている。
【0045】従って、スイッチをオフした場合には、上
記ソレノイド推力が発生せず、下糸150には張力ばね
205の押圧力が最大限にかかり、下糸張力は最大とな
る。また、スイッチをオンした場合には、上記ソレノイ
ド推力が最大限に発生し、下糸150には張力ばね20
5の押圧力からソレノイド推力を減じたものがかかり、
下糸張力は最小となる。
【0046】検出手段F2は、基板655に回転自在に
支持されるローラ軸55を備えている。このローラ軸5
5の反面部方向側の端部には、下糸張力調整機構F3か
らの下糸150が巻回された(1巻きされた)回転体と
してのローラ54が固定されており、ローラ軸55の軸
線方向の略中央部にはセンサスリット(不図示)が固定
されている。このセンサスリットは円盤状をなし、外周
の一部に溝が設けられている。このセンサスリットの対
向位置には、フォトセンサ60が配設されており、セン
サスリットの溝を検出可能となっている。すなわち、フ
ォトセンサ60によりローラ54の回転を検出できるよ
うになっている。
【0047】そして、このように構成された検出手段F
2のフォトセンサ60には有効下糸巻回量検出手段61
が接続されている。この有効下糸巻回量検出手段61
は、フォトセンサ60の出力に基づいて下糸150のボ
ビン軸への絡み付きを検知すると共にボビン軸に巻回さ
れる有効下糸巻回量を検出するものである。また、この
有効下糸巻回量検出手段61には、判定手段61Bが接
続されている。この判定手段61Bは、外部に接続され
た下糸巻回量を入力設定できる手段61Aからの設定下
糸巻回量と有効下糸巻回量検出手段61からの実際にボ
ビンに巻回されている下糸量とを比較し、両下糸量が一
致したらボビン駆動モータM2のドライバ61Cに駆動
停止信号を送出するよう機能する。
【0048】上記緩み取り機構F1は、基板655に回
転自在に支持される回転軸62Aを備えており、この回
転軸62の反面部方向側の端部には、両端部に孔62
a,62bがそれぞれ形成された緩み取りレバー62の
その中央部分が固定されている。上記孔62a,62b
には、ローラ54からの下糸150が通されており、該
回転軸62は、捩じりコイルばね64により下糸150
の緩みを取る方向に付勢された状態となっている。
【0049】そして、これら下糸張力調整機構F4、下
糸張力調整機構F3、検出手段F2、下糸緩み取り機構
F1は、図5及び図6に示されるように、基板655に
ユニット化されて纏められて搭載されている。また、作
業者側に向かって下糸張力調整機構F4、下糸張力調整
機構F3、検出手段F2、下糸緩み取り機構F1の順に
ほぼ一直線上に配設されている。従ってこれら機構間の
下糸供給経路は極めて短くなっており、またこれら機構
間の糸案内等による折り曲げ部は最低限となっている。
【0050】また、上記下糸緩み取り機構F1の下流に
は、糸巻き200からの下糸150をボビンケース2の
開口部2Aに案内する案内機構Gが設けられている。こ
の案内機構Gについて以下説明する。図3、図4、図8
において、符号65は糸吸引器を示しており、この糸吸
引器65には、図8に示されるように、直線状経路とし
ての貫通孔65cが形成されている。貫通孔65cの一
方の開放口は下糸を吸引する吸引口65aとなってお
り、他方の開放口には案内経路としてのエアーチューブ
67が接続されている。このエアーチューブ67はその
途中部分がLの字状に折曲されており、その先端にはエ
アーノズル67aが設けられている。そして、このエア
ーチューブ67は耐摩耗性材料のパイプよりなり、例え
ばステンレスパイプ、例えば硬質アルマイト処理や窒化
処理の施された金属性パイプ等が用いられる。このた
め、下糸の摺動によるパイプ内径の摩耗を防止すること
ができる。
【0051】上記直線状の貫通孔65cに対しては、外
方からエアーチューブ67側に向かって斜めに連設され
るエアーを送り込むためのエアー通路65bが形成され
ており、このエアー通路65bの開放口には、図3及び
図4に示されるように、継ぎ手66aが接続されてい
る。この継ぎ手66にはエアーチューブ66の一端が接
続されており、該エアーチューブ66の他端には図示さ
れないエアー源の電磁弁が接続されている。また、電磁
弁のオン、オフを行う図示しない糸装着スイッチが備え
られている。
【0052】上記糸吸引器65は、平板状のノズルブラ
ケット69d上に搭載されている。、このノズルブラケ
ット69dの図示右側端部は回転軸69cの下端部に固
定されており、この回転軸69cの上端部はベースブラ
ケット501に回転自在に支承されている。回転軸69
cにはアイドラギヤ69bが固定されており、このアイ
ドラギヤ69bにはモータギヤ69aが噛合している。
そして、このモータギヤ69aは、上記ベースブラケッ
ト501に搭載されたエアーノズル退避モータとしての
ステッピングモータ69の出力軸に固定されている。
【0053】従って、ステッピングモータ69を駆動す
ると、該ノズルブラケット69d、糸吸引器65、エア
ーチューブ67が回転軸69cを回動支点として回動す
るようになっている。そして、該ステッピングモータ6
9の駆動によって、エアーノズル67aは、ボビン軸7
aへの下糸絡み付け時に、図3に点線で示されるボビン
ケース2の開口部2Aに対向する位置(作業位置)に位
置し、糸掛け時、下糸切断時、下糸巻回時に、図3に実
線で示される退避位置に位置するようになっている。
【0054】また、作業者が下糸を吸引口65aに挿入
する際には、エアーノズル67aは退避位置にあり、こ
の時、吸引口65aが面部方向NNに対向する方向に凡
そ向くように各配置設定がなされている。
【0055】ところで、上記作業位置に停止しているエ
アーノズル67a先端の下糸案内方向(エアー吹き付け
方向)は、ボビン軸下糸巻き付け側にある。ここで言う
ボビン軸下糸巻き付け側とは、図12に示されるよう
に、ボビン軸7a中心とエアーノズル67a先端とを結
ぶ線分YYにより2分割されるボビン軸7a外周の一方
向、すなわち下糸150をボビン軸7aに絡み付かせる
側(図中の符号XX方向)である。また、エアーノズル
67a先端の下糸案内方向は、好ましくはボビン軸下糸
巻き付け側XXのボビン軸7a外周に交差する方向で、
特に好ましくはボビン軸7a外周に接する方向である。
【0056】このエアーノズル67aから導出される下
糸長さ(LL)は、この導出された下糸端部をボビン軸
に絡み付かせるのに必要な長さとする。そして、この必
要長さは、{(作業位置にあるエアーノズルからボビ
ン軸外周に到達するまでの長さ)+〔ボビン軸一周長さ
×(1.1〜2.0)〕}の範囲にあると好ましく、
{(作業位置にあるエアーノズルからボビン軸外周に到
達するまでの長さ)+〔ボビン軸一周長さ×(1.25
〜1.8)〕}の範囲にあるとより好ましい。
【0057】上記の範囲より長いと、導出する下糸端
部がボビンケース2の開口部2Aから入り難くなった
り、入ったとしてもボビン軸7aを1周以上周回して自
ら結び目を形成してボビン軸7aを縛ってしまう畏れが
あり、またまたはの範囲より短いと、下糸端部がボ
ビン軸7aに絡み付かない畏れがある。
【0058】本実施例にあっては、必要長さを55mm
に設定した。すなわち、エアーノズル67a先端とボビ
ンケース2の開口部2Aとの間隔Hを7mmとし、ボビ
ンケース開口部2Aからボビン軸外周に接する長さ7m
mと、(ボビン軸周25mm×1.64)=31mmか
ら求めた。
【0059】そして、電磁弁68がオンすると、エアー
源からエアーが供給されて当該エアーはエアーチューブ
66、糸吸引器65、エアーチューブ67を介して、エ
アーノズル67aから吹き出し、糸吸引器65の吸引孔
65aより挿入された下糸端部はエアーノズル67aか
ら導出される。
【0060】また、この時、対向位置に停止している
(作業位置にある)エアーノズル67a先端とボビンケ
ース2の開口部2Aとの間隔H(図8参照)は、好まし
くは10mm以下で、特に好ましくは3〜7mmであ
る。この範囲により、下糸150の吹き出しエアーによ
るばたつきが抑えられると共に、ボビンケース2内で下
糸150がボビン軸7aに絡み付くのに必要な渦流を形
成することができる。
【0061】ところで、ボビンケース2が下糸巻回位置
Cにセットされた際の該ボビンケース2の周囲には、糸
掛け手段及び切断手段を構成する動メス付き糸捌き11
6が固定されている(図13参照)。
【0062】この動メス付き糸捌き116は、図14に
示されるように、先端(図14における手前側)及び後
端(図14における奥側)に下糸を導き入れるV字状の
切込み部116C,116Dがそれぞれ形成された動メ
ス板116Aを有しており、V字状の切込み部116
C,116Dは、図19及び図22に示されるように、
切込み部116Cの頂点が切込み部116Dの頂点に対
して図14における左側にずれて形成されている。動メ
ス板116A上面の、切込み部116Cの頂点と切込み
部116Dの頂点とを凡そ結ぶ線上には、切断用の目玉
(動メス)116Eが形成されており、その上には、図
13及び図22に示される固定メス91を通過させる小
さな間隙を空け且つ縁を少しずらした糸分け用羽116
Bが設けられている。動メス板116A及び糸分け用羽
116Bは、共に巻取り軸50を中心とする円弧状に湾
曲しており(図13及び図14参照)、動メス付き糸捌
き116がボビンケース2の周囲を回転して固定メス9
1の位置に達すると、動メス板116Aの背部の動メス
116Eが固定メス91の先端に擦れるように、各位置
関係が調節されている。
【0063】該動メス付き糸捌き116は、複数の歯車
(不図示)を介して正転・逆転可能なモータ(不図示)
により回転駆動される。すなわち、モータを駆動するこ
とにより、動メス付き糸捌き116が正・逆方向に回動
するようになっている。
【0064】そして、下糸巻回、糸掛け(詳しくは後
述)がなされた後に、ボビンケース2の下糸張力ばね2
D下の下糸導出孔2E(図13及び図17参照)から導
出される下糸の該下糸導出孔2Eから下糸切断点S(詳
しくは動メス116Eと固定メス91との擦り合う点)
までの下糸長さが、上糸との絡み合いによる縫目形成に
必要な長さ、すなわち40mm程度となるように、ボビ
ンケース2、固定メス91、下糸切断点S等の各配置が
決定されている(図13参照)。
【0065】ところで、上記エアーノズル67aは、上
述のように、ステッピングモータ69により図11に示
される作業位置と図3及び図13に示される退避位置と
に移動可能であり、エアーノズル67aが退避位置に位
置した時に、上記切断時の下糸切断点Sとエアーノズル
67a先端との間の距離が、図13に示されるように、
上述したボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さ
LL(本実施例にあっては55mm程度)に略一致する
ように、ボビンケース2、下糸切断点S、エアーノズル
67aの退避位置等の各配置が決定されている。そし
て、上記エアーノズル67aの退避位置の設定は、上述
のようにステッピングモータ69によりなされるように
なっているので、その位置調整は極めて容易になってい
る。
【0066】また、ボビンケース2が下糸巻回位置Cに
セットされた際の該ボビンケース2の上方で、且つ上記
動メス付き糸捌き116の回動軌跡より下方には、図1
5、図16、図18乃至図22に示されるように、糸掛
けレバー124が、段螺子124aにより図16におけ
る紙面に直交する面において回動可能に支持されてい
る。この糸掛けレバー124には、図15に示されるよ
うに、先端部にフック124Aと、このフック124A
に連設し図15における上方から右下方に向かって傾斜
する傾斜面124Bと、が形成されている。該糸掛けレ
バー124は、捩じりばね125により、図15におけ
る反時計方向に付勢されており、通常時は、図15の実
線で示される状態にある。
【0067】また、上記巻取り軸50の先端部の図18
における手前側には、回動可能に支持されたワイパ13
0が配設されている。このワイパ130は、途中が屈曲
した棒状をなし、ロータリー式のエアーシリンダ(不図
示)により回動されるようになっている。
【0068】ところで、上記ボビン駆動機構E及び案内
機構Gは、上記ボビン交換装置160及び残糸除去装置
161と共にミシンベッド101の下部に設けられてお
り、図1及び図2に示されるように、カバー650によ
り覆われた状態となっている。従って、ミシン頭部AA
を引き起こすと、これらボビン駆動機構E、案内機構
G、ボビン交換装置160、残糸除去装置161は、ミ
シンベッド101と共に回動支点103(図23参照)
を中心として上方に回動されて引き起こされるようにな
っている。上記カバー650はミシン面部方向NNに対
向する方向に向かって開放されており、この開放部分6
50aから手の挿入が可能となっている(詳しくは後
述)。
【0069】また、上記糸張力付与機構F及び糸巻き2
00は、図1及び図2に示されるように、ミシンの固定
部材としての例えばミシンテーブル102に配設されて
おり、該糸張力付与機構Fは随時下糸張力の調整を行う
ことからカバー等に覆われておらず剥きだしになってい
る。
【0070】そして、これら糸張力付与機構F及び糸巻
き200は、図1に示されるように、上記ボビン駆動機
構E及び案内機構Gより反面部方向側に設けられてお
り、またボビン駆動機構E、案内手段G、糸張力付与手
段Fは、図2及び図23に示されるように、この順で作
業者位置より奥側に向かって配設されている。
【0071】すなわち、糸張力付与手段Fは、その剥き
だしになっている下糸供給経路中の下糸が作業者に引っ
掛からないような奥側の位置に配設されている。また、
ボビン駆動機構E、案内手段G、糸張力付与手段Fは、
下糸供給路の折り曲げ箇所を極力少なくし得る順番で配
置されている。
【0072】なお、上記残糸除去装置161、下糸巻回
装置162が、図23乃至図28のベース板3に接触す
る場合には、該ベース板3は適宜切欠かれる。また、図
23にあっては、残糸除去位置Bと下糸巻回位置Cとダ
ミー軸6に対するボビン着脱位置Dが近接しており、保
持部11が誇張されて記載されている。このため、保持
部11が残糸除去装置161や下糸巻回装置162に接
触することも心配されるが、実際には、このような接触
が生じないように充分なスペースが確保されている。
【0073】ところで、本実施例にあっては、ボビンケ
ース把持手段は、移動モータ18により、ボビンケース
着脱位置(釜位置;ダミー軸の位置)A,Dと反釜側に
移動した退避位置(図24乃至図28参照)とに移動可
能である。すなわち、ボビンケース把持手段が退避位置
に移動すると、上記センサ板15が上記直動センサ41
の発光素子41aと受光素子41bとの間を遮蔽するこ
とになり、これによってボビンケース把持手段の退避位
置への移動が検出される。そして、今度は当該退避位置
で、原点位置が検索される。すなわち、ボビンケース把
持手段を退避位置で回動させ、センサ板32が発光素子
31aと受光素子31bとの間を遮蔽した位置を例えば
原点位置としておけば、この位置にボビンケース把持手
段を回動すれば原点位置に復帰することになる。また、
上記回動モータ20として例えばパルスモータを用いた
場合には、このパルスモータのパルス数をカウントする
ことによって、該ボビンケース把持手段を、上記釜位置
A、下糸巻回位置C、残糸除去位置B、ダミー位置D
に、回動制御することができる。
【0074】次に、このように構成された下糸自動供給
装置の動作について、以下説明する。先ず、例えば一方
のボビンケース把持手段に、下糸巻回済みのボビンを収
容したボビンケースを把持させるために、上記カバー6
50の開放部分650aから手を差し込んで、該下糸巻
回済みのボビンを収容したボビンケースを、中釜軸5に
装着するのと同様に、手の平を返すことなくダミー軸6
に押し込んで、ボビンケースをダミー軸6に装着する。
ここで、説明の都合上、このボビンケースの符号2Xと
し、以降に説明のあるボビンケースの符号2Yとする。
【0075】次いで、電源スイッチがオンされたら、回
動アーム70を原点位置に復帰させ、スタートスイッチ
のオンにより、回動アーム70を回動させて一方のボビ
ンケース把持手段をダミー位置Dに対向させる。そし
て、該回動アーム70を前進させて、該ダミー軸6に保
持されている下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケ
ース2Xを一方のボビンケース把持手段に把持させる。
この時、他方のボビンケース把持手段は何ら障害物に干
渉することなく釜に向かう。
【0076】ここで、ダミー軸6を、残糸除去位置Bま
たは下糸巻回位置Cの搬送軸4を中心とした反対側の位
置に設けた場合には、該残糸除去位置Bは、上述のよう
に、その搬送軸線方向の位置がボビンケース把持手段の
退避位置にあり、下糸巻回位置Cの搬送軸線方向の位置
はボビンケース把持手段を退避位置から多少前進させた
位置にあることから、一方のボビンケース把持手段をダ
ミー軸6に向かわせると、他方のボビンケース把持手段
は残糸除去装置161、下糸巻回装置162に衝突して
しまうことになる。しかしながら本実施例にあっては、
ダミー軸6を、上述のように、ボビンケース把持手段の
回転軌跡の対向位置であって、釜1直下の位置に配置し
ているので、問題はない。
【0077】そうしたら、回動アーム70を後退させる
と共に回動させて、ボビンケース2Xを把持した一方の
ボビンケース把持手段を釜1に対向させると共に前進さ
せ、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2X
を釜内に装着する。この時、他方のボビンケース把持手
段は何ら障害物に干渉することなくダミー軸6に向か
う。そして、回動アーム70を後退させる。この時、作
業者は上記と同様にして再度回動アーム側(反面部方向
側)から手を差し込んで、下糸巻回済みのボビンを収容
したボビンケース2Yをダミー軸6に装着する。
【0078】次いで、縫製が開始されたら、その縫製中
に、上記と同様な動作によって、何れか一方のボビンケ
ース把持手段に、ダミー軸6に保持されている下糸巻回
済みのボビンを収容したボビンケース2Yを把持させる
と共に、回動アーム70を後退させる。
【0079】そして、例えば釜内のボビンの残糸が少な
くなった等の理由でボビンの交換指令が発せられたら、
ミシンの縫製動作を禁止して、ボビンケースを把持して
いないボビンケース把持手段を前進させ、残糸の少なく
なったボビンを収容するボビンケース2Xを釜内から取
り出して、該回動アーム70を後退させる。
【0080】次いで、回動アーム70を回動させ、下糸
巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Yを釜1に
対向させると共に前進させ、下糸巻回済みのボビンを収
容したボビンケース2Yを釜内に装着し、該回動アーム
70を後退させる。
【0081】そして、縫製が開始されたら、その縫製中
に、回動アーム70を回動させ、残糸の少なくなったボ
ビンを収容したボビンケース2Xを残糸除去位置Bに移
動する。そして、そこの残糸除去装置161によってボ
ビンケース2X内に収容されたボビンの残糸を除去し、
そのボビンを糸のない空ボビンとする。
【0082】次いで、回動アーム70を回動させ、空ボ
ビンを収容したボビンケース2Xを下糸巻回装置162
に対向させると共に、回動アーム70を前進させ、そこ
の下糸巻回装置162によって空ボビンに下糸を巻回す
る。次に、この下糸巻回装置162の動作について、図
1乃至図22を参照しながら、以下説明する。
【0083】先ず、ローラ54に、糸巻き200、下糸
張力調整機構F4,F3からの下糸150を1巻きする
と共に、この1巻きした下糸を緩み取りレバー62の両
端部の孔62a,62bにそれぞれ通しておく。この時
点で、下糸張力調整機構F3のスイッチをオンにし、上
記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最小
とする。
【0084】次いで、上記カバー650の開放部分65
0aから手を差し込んで、該下糸150の糸端を糸案内
651を介して糸吸引器65の吸引口65aに挿入し、
少々押し込む。ここで、吸引口65aは、上述のよう
に、面部方向NNに対向する方向に凡そ向くように配置
されていることから、作業者は面部方向NNに向かって
手の平を返すことなく唯真っすぐに手を差し入れれば下
糸端部を吸引口65aに挿入できる。
【0085】次いで、電磁弁を一時オンにしてエアーチ
ューブ66、糸吸引器65a、エアーチューブ67にエ
アー源からのエアーを流し、吸引口65aに挿入し押し
込まれていた下糸150を、エアーの流れによってエア
ーノズル67aに導いてその糸端を該エアーノズル67
aより露出して導出させる。
【0086】この時、糸吸引器65の下糸供給経路を構
成する貫通孔65cが、上述のように直線状経路となっ
ている(経路が曲げられていない)ことから、吸引口6
5aに挿入し押し込まれていた下糸150は糸抵抗が極
力少なくされてエアーノズル67aに向う。
【0087】上記エアーノズル67aからの下糸導出長
LLは、上述のように、下糸端部をボビン軸に絡み付か
せるのに必要な長さであって、本実施例にあっては、5
5mm程度である。この吸引口65aに挿入し押し込ま
れていた下糸150をエアーにより糸吸引器65から搬
送してエアーノズル67aから露出して導出させるにあ
たっては、作業者が手作業で糸巻き200から下糸を凡
そ必要な分量予め引っ張って弛ましておいたり、手作業
により送り出していくと、より良好に下糸の搬送がなさ
れる。
【0088】また、上記吸引口65aに挿入し押し込ま
れていた下糸端部をエアーノズル67aから上記所定量
LL導出させるための電磁弁制御は、例えばタイマ等に
より所定時間電磁弁をオンすることによりなされる。こ
の電磁弁のオンの時間は、例えば実験等により求められ
る。また、作業者が下糸端部の導出を目視により確認し
て電磁弁のオン・オフを制御し、エアーノズル67aか
らの導出長LLを微調整するようにしても良い。
【0089】そして、回動アーム70の回転により下糸
巻回位置Cに至ったボビンケース2を該回動アーム70
の前進動作により前進させると共にボビン駆動モータM
2を一時駆動して、クラッチ機構50aとボビン7とを
連結する。
【0090】そして、図9(b)に示されるように、ボ
ビン駆動モータM2を低速駆動しボビンを低速回転させ
る。次いで、図9(d)に示されるように、ステッピン
グモータ69に前進信号を与え、エアーノズル67aを
ボビンケース2の開口部2A近傍の作業位置に向わせる
と共に、図9(a)に示されるように、電磁弁をオンし
てエアーチューブ66、糸吸引器65、エアーチューブ
67にエアー源からのエアーを流す。
【0091】すると、図11に示されるように、エアー
ノズル67aから導出する下糸端部は、ばたつき等が抑
えられた状態でボビンケース2の開口部2Aから良好に
ボビンケース2内に挿入(案内)されると共にボビン軸
下糸巻き付け側XXに案内され、ボビン軸7aの回転と
エアーにより形成される渦流との共働によってボビン軸
7aに絡み付く。
【0092】このようにして、糸巻き200からの下糸
150がボビン軸7aに絡み付くと、ローラ54が回転
を始め、フォトセンサ60からは、図9(e)に示され
るように、パルス波が出力され始める。そして、有効下
糸巻回量検出手段61にあっては、このパルス波が所定
の数カウントされたら、下糸150がボビン軸7aに絡
み付いたと判定する。ここで、本実施例においては、パ
ルス波が3個検出された時に下糸150がボビン軸7a
に絡み付いたと判定するようになっている。この3個と
いうパルス波の数は安全率を見込んだ値であり、この個
数に限定されるものではない。
【0093】そして、このようにして、下糸150のボ
ビン軸7aへの絡み付きが検出されたら、有効下糸巻回
量検出手段61では、これ以降のパルス波を有効下糸巻
回量としてカウントしていく。また、この時、図9
(a)に示されるように、電磁弁をオフしてエアー源か
らのエアーを停止し、図9(c)に示されるように、若
干のタイムラグをもってステッピングモータ69に後退
信号を与えて、エアーノズル67aを、図13に示され
るように、退避位置に退避させる。
【0094】ところで、下糸150がボビン軸7aに絡
み付かずに、図10(e)に示されるように、フォトセ
ンサ60からパルス波が出力されない場合には、図10
(a)に示されるように、電磁弁をオフしてエアー源か
らのエアーを停止し、図10(c)に示されるように、
若干のタイムラグをもってステッピングモータ69に後
退信号を与えて、エアーノズル67aを退避位置に退避
させて初期の状態に戻す。
【0095】そして、再度、図10(d)に示されるよ
うに、ステッピングモータ69に前進信号を与え、エア
ーノズル67aをボビンケース2の開口部2A近傍の作
業位置に向わせると共に、図10(a)に示されるよう
に、電磁弁をオンしてエアーチューブ66、糸吸引器6
5、エアーチューブ67にエアー源からのエアーを流
す。すなわち、リトライ動作を行わせる。このリトライ
動作の実行は、本実施例にあっては、3回までとなって
おり、3回リトライ動作を実行させても下糸のボビン軸
7aへの絡み付きが検出されない場合には何らかの不具
合が発生したとして、例えばアラーム等の警報を発令
し、作業者が介入してその不具合に対処できるようにな
っている。
【0096】さて、上記で説明したように、下糸150
のボビン軸7aへの絡み付きが検出され、エアーノズル
67aを、図13に示されるように、退避位置に退避さ
せたら、ボビン駆動モータM2を低速から加速して高速
にして下糸をボビン軸7aに巻回していく。このよう
に、エアーノズル67a先端とボビン軸7aとの間の距
離を長くして下糸を巻回していくと、下糸150はボビ
ン軸7a全域に渡って略均一に巻回されることになる。
【0097】そして、判定手段61Bにより、有効下糸
巻回量検出手段61で検出されている実際の下糸巻回量
と下糸巻回量設定手段61Aから入力された設定下糸巻
回量とが比較され、両下糸量が一致したらボビン駆動モ
ータM2のドライバ61Cに駆動停止信号が送出され
て、ボビン駆動モータM2が停止される。すなわち、下
糸巻回量設定手段61Aから入力された設定下糸巻回量
がボビン軸7aに巻回されることになる。
【0098】なお、設定下糸巻回量の所定量手前でボビ
ン駆動モータM2を高速から減速して低速にしてこの低
速駆動を続行し、設定下糸巻回量でボビン駆動モータM
2を停止するようにすれば、ボビン軸7aの回転がオー
バーランすることなく設定下糸巻回量をそのまま実際の
下糸巻回量とすることができる。
【0099】このようにボビン7への下糸150の巻回
動作が自動的になされたら、下糸張力調整機構F3のス
イッチをオフにし、上記ソレノイド推力をなくして下糸
張力を最大にした状態で、該ボビンケース2の開口部2
Aより導出する下糸150のボビンケース2に対する糸
掛け動作を行う。この糸掛け動作について以下説明す
る。
【0100】先ず、動メス付き糸捌き116を、図18
に示される初期位置から半回転させ図19に示される位
置に回動する。すると、ボビンケース2の開口部2Aか
ら導出する下糸150(図17参照)が、V字状の切込
み部116Dの頂点に捕らえられて、該ボビンケース2
の下糸張力ばね側の糸掛け位置2Bに向かって移動する
(図19参照)
【0101】この時、糸掛け位置2Bに向かって移動す
る下糸は、糸掛けレバー124の傾斜面124Bに当接
し、該糸掛けレバー124を進行方向に押すが、該糸掛
けレバー124は、上述のように、捩じりばね125に
より進行方向とは逆方向に付勢されているので、図19
に示されるように、下糸150は糸掛けレバー124を
所定量進行方向に押した後に糸掛け位置2Bのスリット
2Cへと案内されることになる。その後、動メス付き糸
捌き116を逆半回転させて、該動メス付き糸捌き11
6を元の位置に戻す(図20参照)。
【0102】次いで、ワイパ130を、図21に示され
るように、初期位置から凡そ180°回転する。する
と、スリット2Cから導出する糸部分が、このワイパ1
30に引っ掛けられ、スリット2Cに進入していた下糸
部分は下糸張力ばね2Dの下に潜り込み導出孔2Eから
導出する。その後、ワイパ130を初期状態の位置に戻
す。
【0103】なお、本実施例に用いられるボビンケース
2には、図17に示されるように、開口部2Aより導出
する糸150を、該ボビンケース2の下糸張力ばね側の
糸掛け位置2Bに移動させやすくするために、面取り2
aが施されているが、この面取り2aに起因する縫い品
質の変化はない。また、開口部2Aより導出する糸15
0が糸掛け位置2Bに良好に移動するというのであれ
ば、この面取り2aはなくても良い。
【0104】このようにしてボビンケース2への糸掛け
動作が自動的になされたら、次いで、この糸掛けがなさ
れたボビンケース2へ供給される下糸の切断動作を行
う。
【0105】先ず、下糸張力調整機構F3のスイッチを
オンし、上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸
張力を最小とする。
【0106】次いで、動メス付き糸捌き116を図19
の時とは逆方向に回転させる。すると、図22に示され
るように、ボビンケース2の下糸張力ばね8D下の導出
孔2Eから導出する下糸150が、V字状の切込み部1
16Cの頂点に捕らえられて、糸が引き出される。
【0107】この引き出される糸は、V字状の切込み部
116Cの頂点に捕捉されると共に、糸分け用羽116
Bにより図22における右側へ捌かれる。
【0108】そして、さらに動メス付き糸捌き116を
同方向に回転させる。すると、動メス付き糸捌き116
の動メス116Eと固定メス91とが対向し、その間の
下糸150が切断される(図13及び図22参照)。
【0109】すなわち、ボビンケース2側の下糸は、上
述のように、上糸との絡み合いによる縫目形成に必要な
長さ、すなわち40mm程度が下糸張力ばね2D下の導
出孔2Eから導出されて切断される。
【0110】また、糸巻き200側の下糸は、上述のよ
うに、ボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さL
L、すなわち35mm程度がエアーノズル67a先端か
ら導出されて切断される。
【0111】そして、このようにして下糸切断動作が自
動になされたら、回動アーム70を後退させて待機状態
とし、次のボビンの交換指令が発せられたら、ミシンの
縫製動作を禁止して、回動アーム70を回動させ、ボビ
ンケースを把持していないボビンケース把持手段を釜1
に対向させると共に前進させ、残糸の少なくなったボビ
ンを収容したボビンケース2Yを釜内から取り出して、
該回動アーム70を後退させる。
【0112】次いで、回動アーム70を回動させると共
に前進させて、下糸巻回装置162によって下糸が巻回
されたボビンを収容したボビンケース2Xを釜内に装着
し、該回動アーム70を後退させる。以降は、上記動作
が繰り返される。
【0113】また、ボビンケース把持手段に把持されて
いるボビンケース2(2X,2Y)を取り出す場合若し
くは色違いの下糸を使用するためにボビンケース2を一
時的にダミー軸6に保持させておく場合にあっては、ボ
ビンケース2を把持したボビンケース把持手段をダミー
軸6に対向させると共に、前進させれば、該ボビンケー
ス把持手段に把持されていたボビンケース2をダミー軸
6に受け渡すことができる。
【0114】そして、ダミー軸6に保持されたボビンケ
ース2を取り出す場合には、中釜軸5からボビンケース
2を取り出すのと同様に、回動アーム側から手を差し込
めば、手の平を返すことなくダミー軸6に保持されてい
るボビンケースを取り出すことができる。この手作業に
よるボビンケースのダミー軸6からの取り出しは非常に
容易である。
【0115】ところで、作業者は必要に応じてミシン頭
部AAを引き起こすことがある。すると、上記ボビン交
換装置160、残糸除去装置161と共に案内機構G及
びボビン駆動機構Eも、回動支点103(図23参照)
を中心として上方に回動されて引き起こされる。しかし
ながら、下糸150に張力を付与する機構Fは、上述の
ようにミシンテーブル102に固定されていることか
ら、糸張力付与機構Fより下流側の下糸は案内手段Gの
エアーチューブ67、糸吸引器65から離脱し下方に落
ちることになる。従って、作業者はこの離脱した下糸
を、上記したと同様な手順で再度糸吸引器65の吸引口
65aに挿入すれば、下糸自動供給装置を再動作させる
ことができる。また、作業者が離脱した下糸を再度糸吸
引器65の吸引口65aに挿入するのを忘れて下糸自動
供給装置を再動作させても、下糸150が供給されない
ことから、糸絡り等の不具合を招来することはない。
【0116】このように、本実施例においては、ミシン
頭部AAを引き起こした後に元に戻しても、糸張力付与
機構Fから下流の下糸が弛んで何らかの部材に絡まると
いうことがなく、この糸絡りに起因する不具合の発生を
防止できるようになっており、信頼性を向上することが
可能となっている。
【0117】また、糸張力付与機構Fをユニット化して
纏め、下糸供給経路を短くすると共に糸案内等による折
り曲げ部を減少し、糸抵抗を低減するよう構成している
ので、下糸巻回時の巻き張力を最適に設定できるように
なっており、良好にボビンに下糸を巻回することが可能
となっている。なお、本実施例にあっては、糸張力付与
機構Fを、下糸張力調整機構F4,F3及び検出手段F
2並びに下糸緩み取り機構F1より構成するようにして
いるが、下糸緩み取り機構F1はなくても良い。
【0118】また、ボビン駆動機構E、案内機構G、糸
張力付与機構Fを、この順で作業者の作業位置より奥側
に向かって配設し、下糸供給経路を短くすると共に糸案
内等による折り曲げ部を減少し、糸抵抗を低減するよう
構成しているので、下糸巻回時の巻き張力を最適に設定
できるようになっており、良好にボビンに下糸を巻回す
ることが可能となっている。なお、上記順番を入れ替え
た場合には、下糸供給経路が長くなると共に折り曲げ部
が増え、糸抵抗が増大するというのはいうまでもない。
【0119】また、糸吸引器65を、吸引口65aとエ
アーチューブ67の吸引器側開放端とを直線状に結ぶ直
線状経路65c、この直線状経路65cに対して外方か
らエアーチューブ67側に向かって斜めに連設されるエ
アー通路65bと、から構成し、該糸吸引器65内の下
糸を直線状にして糸抵抗を低減するよう構成しているの
で、下糸巻回時の巻き張力を最適に設定できるようにな
っており、良好にボビンに下糸を巻回することが可能と
なっている。
【0120】また、糸吸引器65の吸引口65aをミシ
ンの面部方向NNとは反対の方向に向け、吸引口65a
に下糸端部を挿入するにあたって、作業者が面部方向N
Nに対向する方向から該面部方向NNに向かって手の平
を返すことなく唯真っすぐに手を差し入れれば良いとい
うように構成しているので、吸引口65aへの下糸挿入
動作を非常に簡易できるようになっており、作業性を向
上することが可能となっている。
【0121】また、糸張力付与機構Fを、ミシンベッド
101の下部に配設されたボビン駆動機構Eより反作業
者側に配設し、露出する下糸を作業者が引っ掛ける畏れ
を低減するよう構成しているので、この下糸引っ掛けに
起因する不具合の発生を防止できるようになっており、
信頼性を向上することが可能となっている。
【0122】さらにまた、本実施例の装置によれば以下
の効果もある。すなわち、糸巻き200からの下糸端部
を、案内機構Gによりボビン軸7aに絡み付くのに必要
な長さLLエアーノズル67a先端から導出してボビン
ケース開口部2Aからボビンケース2内に挿入し、この
案内機構Gによりボビンケース2内に挿入された下糸端
部を、エアーとボビン駆動機構Eによるボビン回転との
共働によって、ボビン軸7aに絡み付かせ、ボビン駆動
機構Eにより下糸端部が絡み付いたボビン軸7aを回転
することによってボビンケース2内に収納されたボビン
7に下糸を巻回し、特願平6−285932号明細書記
載のような強制的に下糸を繰り出す下糸繰り出し機構が
なくとも、糸巻き200からの下糸をボビン軸7aに確
実に絡み付かせて下糸巻回を可能とするようにしている
ので、下糸繰り出し機構が不要となった分、装置の低コ
スト化が可能となっていると共に、下糸繰り出し機構に
起因して発生する下糸絡まり等がなくなって信頼性の向
上を図ることが可能となっている。
【0123】また、上述のように、エアーノズル67a
先端からはボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長
さLLが導出されている。従って、次回(次次回以降も
勿論同様)のボビンケースに下糸を巻回する場合に、上
記と同様に、ボビン駆動モータM2を低速駆動してボビ
ンを低速回転させ、該エアーノズル67aを作業位置に
移動すると共に、電磁弁をオンしてエアーチューブ6
6、糸吸引器65、エアーチューブ67にエアー源から
のエアーを流せば、ボビン軸7aの回転とエアーにより
形成される渦流との共働によって、ボビン軸7aにエア
ーノズル67a先端から導出する下糸を絡み付かせるこ
とができるようになっている。すなわち、特願平6−2
85932号明細書記載の装置のような繰り出しモータ
がなくとも自動的にボビンに下糸を巻回できるようにな
っている。
【0124】また、ボビン軸7aへの下糸巻回をする際
に、エアーノズル67a先端を作業位置から退避位置に
離間移動し、ボビン軸7aとの間の距離を長くするよう
にしているので、下糸150をボビン軸全域に渡って略
均一に巻回することが可能となっている。
【0125】また、ボビンケース開口部2Aより導出す
る下糸をボビンケース2に糸掛けする際に、エアーノズ
ル67aを作業位置から退避位置に離間移動し、エアー
ノズル67aと動メス付き糸捌き116とが干渉しない
ようにしているので、装置の信頼性を向上することが可
能となっている。
【0126】また、下糸切断を行う際に、エアーノズル
67aを作業位置から退避位置に離間移動し、エアーノ
ズル67aと動メス付き糸捌き116とが干渉しないよ
うにしているので、装置の信頼性を向上することが可能
となっている。
【0127】また、エアーノズル67aによるエアー吹
き付け方向を、ボビン軸中心とエアーノズル67a先端
とを結ぶ線分YYよりも、ボビン軸外周の下糸巻き付け
側XXとし、ボビンケース2内に挿入された下糸が、エ
アーとボビン軸回転との共働により良好にボビン軸に絡
み付くようにしているので、装置の信頼性を向上するこ
とが可能となっている。
【0128】また、下糸のボビン軸7aへの絡み付き
を、有効下糸巻回量検出手段61により検出可能として
いるので、その絡み付き以降のものを実際の下糸巻回量
として検出することができるようになっており、下糸を
精度良く巻回することが可能となっている。
【0129】また、有効下糸巻回量検出手段61により
下糸のボビン軸7aへの絡み付きが検出されないと、下
糸のボビン軸7aへの絡み付きに必要な動作を再度また
はそのまま行い、この動作により下糸のボビン軸7aへ
の絡み付きの可能性を高めるようにしているので、装置
の信頼性を向上することが可能となっている。
【0130】また、下糸自動供給装置をミシンベッド1
01の下部に設け、残糸除去位置B及び下糸巻回位置C
を、ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であっ
て、該ボビンケース把持手段と共に回転する搬送軸4の
下方の範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベ
ッド101を起こす際の回動支点103側の範囲Wに配
置し、残糸除去装置161及び下糸巻回装置162を、
ミシン頭部AAを引き起こす際の外周側の回動軌跡Xか
ら内方に遠ざかるよう構成しているので、ミシン頭部A
A引き起こし時に干渉が心配される装置(残糸除去装置
161、下糸巻回装置162)構成部品を小さく且つ精
巧にすることなくミシンテーブル102に対する干渉
(接触)を防止できるようになっており、装置の低コス
ト化を図ることが可能となっていると共に組立作業及び
配線、配管等の作業の簡易化及びメンテナンス性の向上
を図ることが可能となっている。また、同様にして装置
同士が接近するよう構成しているので、配線、配管等を
集中できスペース的に有利にすることが可能となってい
ると共に、ボビンケース把持手段の回動動作の無駄を低
減することが可能となっている。
【0131】因に、ボビンケース把持手段の回転軌跡の
対向位置であって、該ボビンケース把持手段と共に回転
する搬送軸4の上方の範囲には、図23に示されるよう
に、ミシンの下軸104,105が近接設置されている
ので、当該範囲に下糸巻回装置162、残糸除去装置1
61を配置することは難しい。
【0132】また、ボビンケース把持手段を軸線方向に
移動しボビンケース着脱位置(釜位置)Aに移動する
と、回動アーム70おけるボビンケース把持手段の搬送
軸4を中心とした反対側のボビンケース把持手段も同様
に軸線方向に移動することから、該反対側のボビンケー
ス把持手段の移動経路には当該反対側のボビンケース把
持手段の干渉しない逃げスペースが必要とされるが、ダ
ミー軸6をボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置
で釜の真下に配置し、ボビンケース把持手段を軸線方向
に移動して、ボビンケース着脱位置(釜位置)Aに移動
する場合及びダミー軸6に移動する場合共に、反対側の
ボビンケース把持手段が対向部材に干渉することがない
よう構成しているので、ダミー軸6を設ける際に必要と
される逃げスペースを新たに設ける必要がなくなってい
る。
【0133】また、残糸除去装置161は、概略、ボビ
ンに巻かれボビンケース2の糸導出部から垂れた糸を引
き出す引き出し手段の糸引き出し動作によりボビンを回
転して該ボビンの糸を引き出すよう構成したものである
から、その主要部が残糸除去位置Bより下方に配置され
ている。従って、残糸除去位置Bと下糸巻回装置Cとを
入れ換えると、残糸除去装置161の主要部を配置する
スペースがないが、本実施例においては、残糸除去位置
Bを下糸巻回位置Cより下方に配置し、残糸除去位置B
より下方のスペースを空きスペースにするよう構成して
いるので、この空きスペースを利用して残糸除去装置を
配設することが可能となっている。また、残糸除去位置
を下糸巻回位置より下方に配置していることから、残糸
除去装置により除去された残糸が他の例えば下糸巻回装
置に絡むことなく速やかに排出されるようになってい
る。
【0134】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施例においては、下糸巻回量の精度を向上す
べく、ボビン軸7aへの下糸の絡み付き及び実際の下糸
巻回量の両方をローラ54の回転により検出している
が、多少精度が落ちるが、実際の下糸巻回量の方は、例
えばボビン駆動モータM2にエンコーダ等の回転検出装
置を設けボビン回転により検出するようにしても良い
(ボビン軸7aへの下糸の絡み付きはローラ54の回転
により検出しこれを考慮する)。また、このボビン回転
により検出された下糸巻回量に対して例えば演算手段等
により補正(例えば巻回径が大きくなると回転数は同じ
でも巻回長さが長くなるというような補正)を施すこと
により、精度を上げることも可能である。
【0135】また、同様に多少精度が落ちるが、ローラ
54の回転によりボビン軸7aへの下糸の絡み付きは検
出せずに実際の下糸巻回量のみ(下糸の絡み付きを考慮
しない)を検出するようにしても良い。
【0136】また、上記実施例においては、ステッピン
グモータ69によりエアーノズル67aを作業位置と退
避位置との2位置に移動可能となっているが、例えば下
糸巻回時のみさらに遠方に退避させ、ボビン軸7aとの
間の距離が極力長くなるようにして、糸をボビン軸全域
に渡ってさらに均一に巻回するようにすることも可能で
ある。
【0137】また、上記実施例においては、案内機構G
により、糸巻き200からの下糸の先端をボビン軸7a
に絡み付くのに必要な長さLL導出した状態でボビンケ
ース2の開口部2Aよりボビンケース内に挿入するよう
にしているが、この案内機構Gを、例えば糸巻き200
からの下糸を短管状部材に挿入し、この挿入された下糸
を把持部材により把持または開放可能とし、この短管状
部材で下糸をボビン軸7aに絡み付くのに必要な長さL
L導出した状態で把持して作業位置に移動し、以降は常
に下糸を開放した状態にして、該短管状部材を上記実施
例と同様に作業位置と退避位置とで移動させる機構に代
えるようにしても、上記実施例と同様な効果を得ること
ができる。このように構成した場合には、短管状部材の
先端から導出する下糸をボビンケース2内に良好に導き
ボビン軸7aに絡み付けるためのエアー手段が別に必要
となる。
【0138】また、上記実施例においては、ボビン軸7
aに絡み付くのに必要な長さLLをボビンケース2内に
挿入した状態で、案内機構Gによるエアーとボビン駆動
機構Eによるボビン回転との共働によって、ボビン軸7
aに絡み付かせて下糸の巻回を可能としているが、該エ
アーを、例えば本出願人が先に出願した特願平5−23
9194号明細書記載の構成に代えることも可能であ
る。すなわち、ボビンケース2内に挿入されている下糸
を、ボビン駆動モータM2の低速回転に従って、ボビン
軸7aの外周に突出形成した鍵状の糸掛け部材の鍵状部
分に引っ掛けて、ボビン軸7aの糸掛け部材後方の外周
に形成され糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く
形成された環状溝内に侵入させ、糸端側の糸を供給側の
糸より下側にして重ね合わせていき、その結果下糸をボ
ビン軸に絡み付かせる構成に代えることも可能である。
【0139】また、上述の短管状部材及び糸掛け部材並
びに環状溝を組み合わせることにより、上記実施例と同
様な効果を得るようにすることも可能である。
【0140】また、上記実施例にあっては、糸巻き20
0からの下糸の先端をボビン軸7aに絡み付くのに必要
な長さLL導出した状態でボビンケース2の開口部2A
よりボビンケース内に挿入する手段と、この手段により
ボビンケース2内に挿入された下糸端部をボビン軸7a
に絡み付かせる手段(エアー)とを兼用にしているが、
勿論別体とすることも可能である。
【0141】また、上記実施例においては、ボビンケー
ス2の下糸張力ばね2D下の導出孔2Eから導出する下
糸を切断する場合に対する適用例が述べられているが、
勿論糸掛けを行わずに開口部2Aから導出する下糸を切
断する場合に対しても適用できるというのはいうまでも
ない。
【0142】また、上記実施例においては、糸掛け及び
下糸切断時に、動メス付き糸捌き116との干渉を避け
るべくエアーノズル67aを退避位置に退避するように
しているが、糸掛け及び下糸切断手段の構成を上記動メ
ス付き糸捌き116に代えて、糸掛け及び下糸切断時
に、エアーノズル67aに対して干渉しないものとすれ
ば、エアーノズル67aは作業位置に固定するようにし
ても良い。このように構成した場合には、切断時の下糸
切断点とエアーノズル67a先端との間の距離がボビン
軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さに略一致するよ
うに、固定メス91等を移動する必要がある。
【0143】また、上記実施例においては、ボビンケー
ス2を固定し、動メス付き糸捌き116を移動すること
によって下糸を切断するようにしているが、動メス付き
糸捌き116を固定とし、ボビンケース2を回動させた
り、またはボビンケース2を移動させたり、さらには両
者を移動させることにより下糸を切断するようにしても
良い。
【0144】また、上記実施例においては、動メス付き
糸捌き116に糸掛け及び下糸切断の機能を併せ持たせ
るようにしているが、別体としても勿論構わない。
【0145】また、上記実施例においては、ボビンケー
ス保持手段をダミー軸6としているが、該ダミー軸6に
限定されるものではなく、例えばマグネットによりボビ
ンケース2を磁気吸引してホルダ内に収容・保持するボ
ビンケース保持手段に代えることも可能である。
【0146】さらにまた、上記実施例においては、リト
ライ動作をするにあたって、エアーノズル67aを作業
位置から退避位置に退避させた後に、再度作業位置に移
動し、例えば運悪くボビン軸外周の下糸巻き付け側XX
側とは反対側に挿入されてしまった下糸を一旦抜いて再
度ボビンケース2内に挿入し直すようにしているが、こ
のような下糸の再挿入動作をエアーノズル67aを作業
位置に止めたままで行うことも可能である。すなわち、
図3に仮想線で示されるように、下糸供給経路に駆動モ
ータ(不図示)により正転・逆転可能に駆動される一対
のローラ600,600を配設し、且つこれらローラ6
00,600を下糸150に対して圧接または離間可能
とし、通常時は下糸150に対して離間しておいて、リ
トライ動作時になったら下糸150に圧接させると共に
回転させて下糸を糸巻き200側に所定量引き戻し、そ
の後ローラ600,600を逆回転させて上記所定量と
同量下糸をボビンケース2内に送り込むようにすれば、
リトライ動作時に、エアーノズル67aを作業位置を止
めたままとすることができる。そして、下糸150のボ
ビン軸7aへの絡み付きが検出されたら、該ローラ60
0,600は下糸150から離間するというのはいうま
でもない。
【0147】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の下糸巻回
装置によれば、下糸供給源からの下糸に、糸張力を可変
に設定可能な糸張力可変手段と、下糸の供給により回転
される回転体を備え、この回転体の回転を検出すること
によって、下糸のボビン軸への絡み付き及びボビン軸に
巻回される下糸量の少なくとも一方を検出可能とした検
出手段とから少なくともなる糸張力付与手段により張力
を付与し、この糸張力付与手段からの下糸端部を、案内
手段によりボビンケース開口部を介してボビンケース内
に案内し、このボビンケース内に案内された下糸端部
を、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転に
よって該ボビン軸に絡み付かせて下糸をボビン軸に巻回
する一方で、上記糸張力可変手段及び検出手段をユニッ
ト化して纏め、下糸供給経路を短くすると共に糸案内等
による折り曲げ部を減少し、糸抵抗を低減するよう構成
したものであるから、下糸巻回時の巻き張力を最適に設
定でき、良好にボビンに下糸を巻回することが可能とな
る。
【0148】また、請求項2の下糸巻回装置によれば、
下糸供給源からの下糸に、糸張力付与手段により張力を
付与し、この糸張力付与手段からの下糸端部を、案内手
段によりボビンケース開口部を介してボビンケース内に
案内し、このボビンケース内に案内された下糸端部を、
ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転によっ
て該ボビン軸に絡み付かせて下糸をボビン軸に巻回する
一方で、ボビン駆動手段、案内手段、糸張力付与手段
を、この順で作業者の作業位置より奥側に向かって配設
し、下糸供給経路を短くすると共に糸案内等による折り
曲げ部を減少し、糸抵抗を低減するよう構成したもので
あるから、下糸巻回時の巻き張力を最適に設定でき、良
好にボビンに下糸を巻回することが可能となる。
【0149】また、請求項3の下糸巻回装置によれば、
下糸供給源からの下糸に、糸張力付与手段により張力を
付与し、この糸張力付与手段からの下糸端部を、案内手
段の吸引器の吸引口からエアーによって吸引し、この吸
引口から吸引された下糸端部を、エアーによって案内経
路を介してボビンケース開口部からボビンケース内に案
内し、このボビンケース内に案内された下糸端部を、ボ
ビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転によって
該ボビン軸に絡み付かせて下糸をボビン軸に巻回する一
方で、該吸引器を、吸引口と案内経路の吸引器側開放端
とを直線状に結ぶ直線状経路と、この直線状経路に対し
て外方から案内経路側に向かって斜めに連設されるエア
ー通路と、から構成し、該吸引器内の下糸を直線状にし
て糸抵抗を低減するよう構成したものであるから、下糸
巻回時の巻き張力を最適に設定でき、良好にボビンに下
糸を巻回することが可能となる。
【0150】また、請求項4の下糸巻回装置によれば、
下糸供給源からの下糸に、糸張力付与手段により張力を
付与し、この糸張力付与手段からの下糸端部を、案内手
段の吸引器の吸引口からエアーによって吸引し、この吸
引口から吸引された下糸端部を、エアーによって案内経
路を介してボビンケース開口部からボビンケース内に案
内し、このボビンケース内に案内された下糸端部を、ボ
ビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転によって
該ボビン軸に絡み付かせて下糸をボビン軸に巻回する一
方で、該吸引器の吸引口をミシンの面部方向とは反対の
方向に向け、吸引口に下糸端部を挿入するにあたって、
作業者が面部方向に対向する方向から該面部方向に向か
って手の平を返すことなく唯真っすぐに手を差し入れれ
ば良いというように構成したものであるから、吸引口へ
の下糸挿入動作を非常に簡易でき、作業性を向上するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における下糸巻回装置が採用
されたミシンの全体正面図である。
【図2】同上ミシンを面部に対向する方向から見た図で
ある。
【図3】同上下糸巻回装置における案内手段の上面図で
ある。
【図4】同上案内手段を面部に対向する方向から見た図
である。
【図5】同上下糸巻回装置における糸張力付与手段を面
部に対向する方向から見た図である。
【図6】同上糸張力付与手段を制御ブロックと共に表し
た下面図である。
【図7】同上下糸巻回装置におけるボビン駆動手段の概
略構成を表した斜視図である。
【図8】同上案内手段における下糸吸引器の横断面図で
ある。
【図9】同上下糸巻回装置の動作を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図10】同上下糸巻回装置のリトライ動作を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図11】同上案内手段のその先端の下糸絡み付け時に
おけるボビンケース及びボビン軸に対する位置関係を表
した説明図である。
【図12】ボビン軸の下糸巻き付け側を説明するための
図である。
【図13】同上案内手段のその先端の下糸切断時におけ
る切断手段及びボビンケースに対する位置関係を表した
説明図である。
【図14】同上下糸巻回装置に付設される動メス付き糸
捌きの斜視図である。
【図15】同上下糸巻回装置に付設される糸掛けレバー
の上面図である。
【図16】図15の横断面図である。
【図17】同上実施例に採用されたボビンケースの斜視
図である。
【図18】同上下糸巻回装置により下糸が巻回された状
態を表した下糸巻回装置の要部の正面図である。
【図19】ボビンケースのスリットへの下糸案内動作を
表した下糸巻回装置の要部の上面図である。
【図20】図19のスリットへの下糸案内動作に続く下
糸案内動作を表した下糸巻回装置の要部の上面図であ
る。
【図21】ボビンケースの下糸張力ばね下への下糸掛け
動作を表した下糸巻回装置の要部の正面図である。
【図22】下糸切断動作を表した下糸巻回装置の要部の
正面図である。
【図23】同上下糸巻回装置を適用した下糸自動供給装
置を面部に対向する方向から見た概略構成図である。
【図24】同上下糸自動供給装置に用いられるボビン交
換装置を面部に対向する方向から見た図である。
【図25】同上ボビン交換装置の上面図である。
【図26】同上ボビン交換装置の背面図である。
【図27】同上ボビン交換装置の正面図である。
【図28】ダミーポジション及びダミー軸を説明するた
めの概略正面図である。
【符号の説明】
2,2X,2Y ボビンケース 2A ボビンケース開口部 7 ボビン 7a ボビン軸 54 回転体 65 吸引器 65a 吸引口 65b エアー通路 65c 直線状経路 67 案内経路 150 下糸 162 下糸巻回装置 200 下糸供給源 E ボビン駆動手段 F 糸張力付与手段 F2 検出手段 F3,F4 糸張力可変手段 G 案内手段 NN ミシンの面部方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下糸供給源からの下糸に張力を付与する
    糸張力付与手段と、 この糸張力付与手段からの下糸端部をボビンケース開口
    部を介してボビンケース内に案内する案内手段と、 ボビンケース内のボビンを回転させるボビン駆動手段
    と、を備え、 前記案内手段よりボビンケース内に案内された下糸端部
    を、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転に
    よって、該ボビン軸に絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻
    回可能とした下糸巻回装置であって、 前記糸張力付与手段は少なくとも、 糸張力を可変に設定可能な糸張力可変手段と、 下糸の供給により回転される回転体を備え、この回転体
    の回転を検出することによって、ボビン軸への下糸の絡
    み付き及びボビン軸に巻回される下糸量の少なくとも一
    方を検出可能とした検出手段と、からなり、 これら糸張力可変手段及び検出手段をユニット化して纏
    めたことを特徴とする下糸巻回装置。
  2. 【請求項2】 下糸供給源からの下糸に張力を付与する
    糸張力付与手段と、 この糸張力付与手段からの下糸端部をボビンケース開口
    部を介してボビンケース内に案内する案内手段と、 ボビンケース内のボビンを回転させるボビン駆動手段
    と、を備え、 前記案内手段よりボビンケース内に案内された下糸端部
    を、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転に
    よって、該ボビン軸に絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻
    回可能とした下糸巻回装置であって、 前記ボビン駆動手段、案内手段、糸張力付与手段を、こ
    の順で作業者の作業位置より奥側に向かって配設したこ
    とを特徴とする下糸巻回装置。
  3. 【請求項3】 下糸供給源からの下糸に張力を付与する
    糸張力付与手段と、 この糸張力付与手段からの下糸端部をボビンケース開口
    部を介してボビンケース内に案内する案内手段と、 ボビンケース内のボビンを回転させるボビン駆動手段
    と、を備え、 前記案内手段よりボビンケース内に案内された下糸端部
    を、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転に
    よって、該ボビン軸に絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻
    回可能とした下糸巻回装置であって、 前記案内手段は、 糸張力付与手段からの下糸端部をエアーによって吸引口
    から吸引する吸引器と、 この吸引口から吸引された下糸端部をエアーによってボ
    ビンケース開口部に案内する案内経路と、からなり、 該吸引器を、吸引口と案内経路の吸引器側開放端とを直
    線状に結ぶ直線状経路と、 この直線状経路に対して外方から案内経路側に向かって
    斜めに連設されるエアー通路と、から構成したことを特
    徴とする下糸巻回装置。
  4. 【請求項4】 下糸供給源からの下糸に張力を付与する
    糸張力付与手段と、 この糸張力付与手段からの下糸端部をボビンケース開口
    部を介してボビンケース内に案内する案内手段と、 ボビンケース内のボビンを回転させるボビン駆動手段
    と、を備え、 前記案内手段よりボビンケース内に案内された下糸端部
    を、ボビン駆動手段により回転されるボビン軸の回転に
    よって、該ボビン軸に絡み付かせ、下糸をボビン軸に巻
    回可能とした下糸巻回装置であって、 前記案内手段は、 糸張力付与手段からの下糸端部をエアーによって吸引口
    から吸引する吸引器と、 この吸引口から吸引された下糸端部をエアーによってボ
    ビンケース開口部に案内する案内経路と、からなり、 前記吸引器の吸引口を、ミシンの面部方向とは反対の方
    向に向けたことを特徴とする下糸巻回装置。
JP6514195A 1995-02-27 1995-02-27 下糸巻回装置 Pending JPH08229263A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09192375A (ja) * 1996-01-17 1997-07-29 Juki Corp 下糸巻回装置
JPH1133262A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Juki Corp 下糸巻回装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09192375A (ja) * 1996-01-17 1997-07-29 Juki Corp 下糸巻回装置
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