JP2000002784A - 格納容器内雰囲気モニタ - Google Patents

格納容器内雰囲気モニタ

Info

Publication number
JP2000002784A
JP2000002784A JP11098795A JP9879599A JP2000002784A JP 2000002784 A JP2000002784 A JP 2000002784A JP 11098795 A JP11098795 A JP 11098795A JP 9879599 A JP9879599 A JP 9879599A JP 2000002784 A JP2000002784 A JP 2000002784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
oxygen
hydrogen
gas
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11098795A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Kamasu
晋 加増
Yasuhiro Aoki
康広 青木
Mitsuo Ishibashi
三男 石橋
Yorimasa Endo
順政 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP11098795A priority Critical patent/JP2000002784A/ja
Publication of JP2000002784A publication Critical patent/JP2000002784A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素と水素濃度等の測定を同一の測定ユニット
として縮小化すると共に、人間工学的な考慮により監視
対象側が要因のエラーを防止し、保守と監視等の作業員
の負担を軽減する。また、サンプリングガス圧力や温度
による補正で、測定精度の高い格納容器内雰囲気モニタ
の水素・酸素測定装置を提供する。 【解決手段】酸素検出器11および水素検出器12と放射線
検出器34a,34b等の各種検出器からの検出信号を入力
して濃度等を測定する各種測定部と、この各種測定部か
らの出力に対して酸素および水素濃度測定値を補正する
濃度補正演算部48と、前記酸素検出器11と水素検出器12
に対する校正作業を制御する校正制御部45等を設けた測
定器37が冗長化による分離機能とデータ交換による監視
のバックアップ機能とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所にお
ける原子炉格納容器内の水素濃度および酸素濃度等の測
定と監視を行う格納容器内雰囲気モニタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の原子炉格納容器内雰囲気モニタ
(CAMS)は、図12のブロック構成図に示すように、
原子炉格納容器1内の雰囲気ガスをサンプリングガス2
(実線矢印)として、各種測定関連機器を納めたサンプ
リングラック3内に吸引ポンプ8にて吸引し、水素およ
び酸素の濃度等を測定し、監視する。
【0003】サンプリングラック3内へ吸引されたガス
は、図示しない外部冷却水装置から循環される冷却水4
(白矢印)により、冷却器5と除湿器6において冷却さ
れると共に水分が除去され、ガス切替弁7を経て吸引ポ
ンプ8にて吸引される。この吸引ポンプ8により吸引さ
れたサンプリングガスは、ガス減圧弁9とガス流量制御
指示計10により圧力および流量を一定に維持され、酸素
検出器11および水素検出器12において、それぞれの濃度
検出が行われる。
【0004】ガス減圧弁9の後段には、ガス温度計13と
ガス圧力計14が接続されており、また、酸素検出器11と
水素検出器12に対する校正は、別途校正ガスラック15に
設置したボンベに貯蔵された窒素ガス(N2 )16と酸素
ガス(O2 )17、および水素ガス(H2 )18を適宜引き
出して行う。この酸素検出器11および水素検出器12に対
する校正作業は、サンプリングラック3内のガス切替弁
7を閉じ、校正切替弁19を開にすると共に、校正ガスラ
ック15内の窒素ガス弁20と酸素ガス弁21、および水素ガ
ス弁22の内の1つを開いて、それぞれのガスを校正ガス
23(点線矢印)として流出させ、酸素検出器11および水
素検出器12の校正を行う。
【0005】また、サンプリングラック3外で、測定ユ
ニットの一つである酸素測定器24は、酸素検出器11から
の酸素検出信号S1 を、同じく水素測定器25は水素検出
器12からの水素検出信号S2 を入力して、それぞれ濃度
測定を行い、この結果を表示すると共に、記録等のため
に濃度信号を外部に出力する。なお、測定が終了したサ
ンプリングガス2および校正ガス23は、排気ポンプ26に
より原子炉格納容器1内に返送される。
【0006】さらに、除湿器6の除湿温度計27には除湿
温度警報判定器28が、ガス温度計13にはガス温度測定部
29が、またガス圧力計14には圧力健全性確認部であるガ
ス圧力警報判定器30が、ガス流量制御指示計10にはガス
流量警報判定器31が、それぞれサンプリングラック3外
で接続されていて、さらに、酸素測定器24と水素測定器
25およびガス温度測定部29は、湿分補正をする演算部32
と接続している。
【0007】ところで、格納容器内雰囲気モニタのシス
テムとしての他の目的は、原子炉格納容器1内のガンマ
線線量率を測定することであり、このために、1系統当
たり2チャンネルの放射線検出器33a,33bに対し、放
射線測定器34a,34bが接続されていて、2チャンネル
で放射線測定を行っている。
【0008】前記した酸素検出器11は磁気風式と呼ばれ
る方式を用いており、その原理は酸素の常磁性が温度に
反比例するという現象を利用し、酸素検出器11において
ある強磁界と弱磁界の不均一磁界を設け、加熱素子によ
り高温域と低温域の温度勾配を作る。この酸素検出器11
に酸素が入ってくると、この酸素は強磁界に吸引され
て、そこにある加熱素子の加熱により常磁性を弱めるた
めに、加熱されていない酸素に押し出されて弱磁界域に
流れる。この流れを磁気風と呼び、風の強さはサンプリ
ングガス2の酸素量に比例し、風の強さは加熱素子の抵
抗値変化として検出される。
【0009】また、水素検出器12は熱伝導度式と呼ばれ
る方式を用いており、その原理は水素の熱伝導度が他の
窒素や酸素と比較して大きいことから、サンプリングガ
ス2の濃度比率により加熱素子から奪う熱量が異なるこ
ととなり、その奪う熱量の差が抵抗値変化として検出さ
れることを利用して測定する方式である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】通常、格納容器内雰囲
気モニタにおける測定システムの目的は、水素および酸
素の濃度測定する以外にも、格納容器内雰囲気モニタに
おける異常を検知し、正常状態を維持するために校正手
段や、温度や圧力および流量等のプロセス量の測定・監
視が必要である。また、格納容器内雰囲気モニタにおけ
る測定システムの他の目的は、放射線の測定があるの
で、測定システム全体では多数の測定対象がある。
【0011】したがって、これら全ての対象について測
定を行うためには、酸素測定器24と水素測定器25、除湿
温度警報判定器28やガス温度測定器29、およびガス圧力
警報判定器30とガス流量警報判定器31、さらに放射線測
定器34a,34b等、多数の測定ユニットが必要になる。
【0012】このために、これら多数の測定ユニット
は、サンプリングラック3の外部にまとめて盤を製作し
て設置するとしても、大きなスペースを必要とすること
から、設置場所の確保が支障となっていた。
【0013】また、格納容器内雰囲気モニタにおける保
守と試験、および監視等を実施する上においても、それ
ぞれの測定ユニットが多数あることは、作業工数と共に
作業時間が増加する原因となり、その煩雑作業から作業
員が作業ミスを起こし易くなるという問題があった。
【0014】さらに、酸素検出器11および水素検出器12
は、加熱素子の抵抗変化を測定する方式のために、酸素
検出器11が水素ガスの影響を受けて、同一の酸素濃度の
ガスを測った場合でも、サンプリングガス2における水
素ガスの混入程度が、測定結果に誤差が生ずる要因とな
っていた。また、酸素および水素の濃度測定に際して、
サンプリングガス2の圧力や温度等の変動によっても測
定誤差が生じるという支障があった。
【0015】これらの問題を解決するために、それぞれ
の測定対象を同一の測定ユニットで測定し、測定機器の
占有部分を縮小化すると共に、監視対象側が原因となる
ヒューマンエラーを防止するために人間工学的に考慮
し、保守・監視等の作業負荷を軽減化することが求めら
れていた。
【0016】本発明(請求項1乃至請求項16対応)は、
上記状況に対処するためになされたもので、その目的は
酸素や水素濃度等の測定対象を同一の測定ユニットで測
定することにより測定機器を縮小化すると共に、人間工
学的な考慮により監視対象側が原因となるヒューマンエ
ラーを防止し、保守および監視等に携わる作業員の負担
を軽減する格納容器内雰囲気モニタを提供することにあ
る。
【0017】本発明(請求項4、請求項5、請求項7、
請求項14および請求項15対応)の他の目的は、サンプリ
ングガス圧力や温度による補正により、圧力や温度変動
による測定誤差がなく高精度で測定できる格納容器内雰
囲気モニタを提供することにある。
【0018】また、本発明(請求項1乃至請求項16対
応)のさらに他の目的は、水素と酸素を同時に測定誤差
のない高精度で測定することができ、さらに水素検出器
・酸素検出器の精度を悪化させる要因であるその他の変
動(圧力)についても測定誤差のない高精度で測定する
ことができる格納容器内雰囲気モニタを提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1は、酸素検出器および水素検出器
と放射線検出器からの検出信号を受け取って当該格納容
器内の雰囲気状態を監視する格納容器内雰囲気モニタに
おいて、前記酸素検出器および水素検出器と前記放射線
検出器等の各種検出器からの検出信号を入力して濃度等
を測定する各種測定部と、この各種測定部からの出力に
対して酸素および水素濃度測定値を補正する濃度補正演
算部と、前記酸素検出器と水素検出器に対する校正作業
を制御する校正制御部等を設けた測定器が冗長化による
分離機能とデータ交換による監視のバックアップ機能と
を備えたことを特徴とする。
【0020】請求項1によると、酸素検出器に対する酸
素測定部のように、各検出器に対してそれぞれの測定部
等が同一測定器内に設けられているので小形化できる。
また、冗長化した分離機能を維持したままでデータ交換
による監視のバックアップ機能を備えたので、互いの系
統における測定結果の共用化と比較により健全性の確認
ができる。
【0021】本発明の請求項2は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記測定器が、同一区分
に設けた酸素と水素および放射線測定機能等の各チャン
ネルにて各々独立にチャンネルをバイパスする機能を備
えると共に、各検出器の保守時に他のチャンネルへ影響
を与えずに特定チャンネルの保守を可能としたことを特
徴とする。請求項2によると、各々独立にチャンネルを
バイパスできるので、特定チャンネルを切り離して他の
チャンネルに影響させずに保守を行うことができる。
【0022】本発明の請求項3は、請求項1または請求
項2記載の格納容器内雰囲気モニタにおいて、前記測定
器等が、分離独立した少なくとも2つ以上の冗長系でバ
ックアップ機能を備えていて、前記バックアップ機能は
同種類の測定系にて他系統のチャンネルを同時にバイパ
スしないことを特徴とする。
【0023】請求項3によると、複数の冗長系において
バックアップする際に、酸素と酸素や水素と水素および
放射線と放射線のように、同種類の他系統のチャンネル
が同時にバイパスされないので、測定系の不用意な欠測
が生じない。
【0024】本発明の請求項4は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記濃度補正演算部が、
酸素濃度測定に際して他のガス等による誤差の補正を行
うことを特徴とする。
【0025】請求項4によると、濃度補正演算部により
酸素濃度測定時に、サンプリングガスにおいて酸素と共
に含まれる水素濃度に応じて測定値を補正することによ
り、酸素濃度の測定誤差を小さくする。
【0026】本発明の請求項5は、請求項4記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記濃度補正演算部が、
酸素濃度測定における誤差の補正式を水素濃度に係る多
項式とすることを特徴とする。請求項5によると、濃度
補正演算部における酸素濃度の補正が、水素ガス濃度の
多項式により、酸素濃度の測定誤差が少くなる。
【0027】本発明の請求項6は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記酸素検出器および水
素検出器の上流でサンプルガスと校正ガスとの合流地点
との間に、ガス圧力を一定化する第1段減圧弁と吸引ポ
ンプおよび第2段減圧弁を順次設置したことを特徴とす
る。
【0028】請求項6によると、吸引ポンプを挟んで前
段の第1段減圧弁と、後段の第2段減圧弁により、酸素
検出器および水素検出器に供給されるサンプリングガス
および校正ガスの測定圧力を一定化する。
【0029】本発明の請求項7は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記酸素検出器および水
素検出器の前段にガス圧力計を接続すると共にこのガス
圧力計で検出したガス圧力変動により、前記濃度補正演
算部において酸素濃度および水素濃度測定値の補正を行
うことを特徴とする。
【0030】請求項7によると、酸素検出器および水素
検出器の前段で検出したガス圧力に応じて、濃度補正演
算部で酸素濃度および水素濃度濃度測定値を補正して測
定誤差を少なくする。
【0031】本発明の請求項8は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記校正操作部と校正制
御部が、前記酸素検出器および水素検出器の校正時に校
正ガス選択等の各種弁の開閉をシーケンシャルに行う自
動校正機能を備えたことを特徴とする。請求項8による
と、校正操作部と校正制御部により、酸素検出器および
水素検出器の校正時に、校正ガス選択等の各種弁の開閉
を自動的に行う。
【0032】本発明の請求項9は、請求項8記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記校正制御部が、前記
酸素検出器および水素検出器に対する校正頻度を、原子
炉通常運転時は長間隔で原子炉非常時は短間隔で実施す
ると共に、各校正ガス弁の開時間からガス消費量とガス
ボンベ交換時期の予測と予告を可能としたことを特徴と
する。
【0033】請求項9によると、原子炉通常運転時には
長間隔で、また原子炉非常時には短間隔の頻度で酸素検
出器および水素検出器に対する校正を実施することによ
り、校正ガスの使用量が節約される。さらに、各種ガス
弁の開き時間を累積して、ガスボンベの交換時期の予測
と予告を行う。
【0034】本発明の請求項10は、請求項8記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記測定器が、前記酸素
検出器および水素検出器における校正結果を累積記録す
ると共に、その時系列情報により前記酸素検出器および
水素検出器における測定機能の劣化兆候から保全情報を
提供することを特徴とする。請求項10によると、酸素検
出器および水素検出器における校正結果の累積記録か
ら、酸素検出器および水素検出器の機能劣化兆候を知り
予防保全を図る。
【0035】本発明の請求項11は、請求項1記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記酸素検出器および水
素検出器等からの出力信号を入力してそれぞれの測定結
果を伝送出力する現場酸素濃度測定部および現場水素濃
度測定部等を設けた現場伝送ユニットと、この現場伝送
ユニットから測定器との間を多重伝送によりデータ授受
を行うことを特徴とする。
【0036】請求項11によると、酸素検出器および水素
検出器等の検出信号は、近傍に設置した現場伝送ユニッ
トの現場酸素濃度測定部および現場水素濃度測定部等に
て濃度測定等を行い、この測定データは多重伝送により
現場から離れた測定器との間で、データ授受をすること
でケーブルの敷設本数を削減できる。
【0037】本発明の請求項12は、水素検出器および酸
素検出器と放射線検出器からの検出信号を受け取って当
該格納容器内の雰囲気状態を監視する格納容器内雰囲気
モニタにおいて、前記水素検出器および酸素検出器と前
記放射線検出器からの検出信号を受け取る同一測定器内
に水素濃度測定部と酸素濃度測定部と放射線測定部を備
え、その測定結果を同一の記録計上に記録することによ
り、原子力発電プラントの事故時及び事故後の状況把握
を容易にすることを特徴とする。
【0038】請求項12によると、水素検出器と酸素検出
器のそれぞれに加え、放射線検出器に対する共通の測定
器を有し、その測定器内に水素濃度測定部、酸素濃度測
定部、放射線測定部を備えていることにより、水素濃度
と酸素濃度及び放射線線量を単一の測定器にて測定する
ことができ、その測定結果を同一の記録計に出力するこ
とができる。
【0039】本発明の請求項13は、請求項12記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、相互に分離独立した2つ
の冗長系をアイソレータで結んで操作以外の信号のみを
伝送するバックアップ機能を備え、水素と水素、酸素と
酸素、放射線と放射線のように同種類の他系統のチャン
ネルを同時に監視することにより、自系統と他系統の水
素と酸素と放射線のすべての測定結果を同時に比較する
ことで、測定結果の健全性を確認できることを特徴とす
る。
【0040】請求項13によると、2つの冗長をアイソレ
ータで結び操作以外の信号(例えば表示信号)のみを伝
送するバックアップ機能を有していることにより、同種
類の他系統のチャンネルを同時に監視することができ
る。
【0041】本発明の請求項14は、酸素検出器および水
素検出器と放射線検出器からの検出信号を受け取って当
該格納容器内の雰囲気状態を監視する格納容器内雰囲気
モニタにおいて、同一区分の同一測定器に、水素ガスお
よび酸素ガス測定機能を有し、酸素検出器の前段または
後段に水素検出器を設け、前記水素検出器と酸素検出器
からの双方の検出信号を受ける共通の測定部に、水素濃
度測定部と酸素濃度測定部と濃度補正演算部を備え、前
記水素検出器の出力信号の他ガス干渉分を容易に補正す
ることを特徴とする。
【0042】請求項14によると、酸素検出器の前段また
は後段に水素検出器を有し、水素検出器及び酸素検出器
のそれぞれに対し共通の測定器を有し、その測定器内に
水素濃度測定部及び酸素濃度測定部を備え、酸素濃度に
応じて水素濃度を補正することにより水素濃度の測定誤
差を少なくすることができる。
【0043】本発明の請求項15は、請求項14記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記濃度補正演算部の補
正式は酸素ガス濃度の多項式で表現されていることを特
徴とする。
【0044】請求項15によると、濃度補正演算部におい
て、酸素ガス濃度の多項式となっている補正式により補
正することにより水素濃度の測定誤差を少なくすること
ができる。
【0045】本発明の請求項16は、請求項12記載の格納
容器内雰囲気モニタにおいて、前記放射線検出器からの
放射線の測定結果のトレンドから原子力発電所の事故時
状況を把握し、適当な頻度で前記水素検出器及び酸素検
出器の校正を実施する校正制御部を設けたことを特徴と
する。請求項16によると、放射線測定結果と連動して校
正を実施する頻度を使い分けることにより、自動的に適
当な頻度で校正を行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分に
ついては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。図
1は本発明の第1実施の形態(請求項1対応)のブロッ
ク構成図である。なお、この図1は以下の第2実施の形
態乃至第11実施の形態と共に総合的に示したものであ
る。
【0047】図に示すように、本実施例の格納容器内雰
囲気モニタは、各種測定関連機器を納めたサンプリング
ラック35と、校正ガスラック15と、冗長化した放射線検
出器33a,33bと、前置増幅器36a,36b、および各種
測定部を電子計算機化した測定器37とから構成されてい
る。なお、前記各部は、それぞれ冗長化に対応して複数
を設置すると共に、相互に接続して必要に応じて切替え
等による連携運転を可能としている。たとえば、前記放
射線検出器33a,33bは、原子炉格納容器1に対して冗
長化して設置されており、前置増幅器36a,36bを介し
て測定器37に接続している。
【0048】サンプリングラック35は、原子炉格納容器
1内から吸引したサンプリングガス2(実線矢印)を冷
却、除湿する冷却器5および除湿器6が設置されてい
て、この除湿器6からはガス切替弁7を介して、第1段
ガス減圧弁38と吸引ポンプ8、第2段ガス減圧弁39と酸
素検出器11、および水素検出器12とが順次接続されてい
る。また、水素検出器12からはガス流量制御指示計10と
排気ポンプ26を経由して原子炉格納容器1に接続されて
おり、第2段ガス減圧弁39の後段には、ガス温度計13と
ガス圧力計14が設置され、除湿器6には除湿温度計27が
設置されている。
【0049】また、校正ガスラック15には、それぞれ窒
素ガス弁20と酸素ガス弁21および水素ガス弁22を取り付
けた校正ガス23である窒素ガス(N2 )16と酸素ガス
(O2)17、および水素ガス(H2 )18を貯溜した各ボ
ンベが設置されている。この校正ガスラック15は、各窒
素ガス弁20と酸素ガス弁21および水素ガス弁22を介し
て、サンプリングラック35内で、ガス切替弁7の後段に
接続された校正切替弁19と接続されている。
【0050】測定器37には、前記サンプリングラック35
内の酸素検出器11に接続された酸素濃度測定部40と、同
じく水素検出器12に接続された水素濃度測定部41と、同
じくガス圧力計14に接続されたガス圧力測定部42と、同
じくガス流量制御指示計10に接続したガス流量測定部43
と、ガス温度計13および除湿温度計27に接続された温度
測定部44が設けられている。
【0051】また、測定器37には、サンプリングラック
35における校正切替弁19に接続された校正制御部45およ
び校正操作部46と、放射線検出器33a,33bに接続され
た前置増幅器36a,36bに接続された放射線測定部47
a,47bが設けられており、さらに、酸素濃度測定部40
と水素濃度測定部41とガス圧力測定部42とガス流量測定
部43、および温度測定部44と校正制御部45に接続された
濃度補正演算部48が設けられており、各測定部はチャン
ネルごとにバイパス機能によりバイパス可能としてい
る。
【0052】なお、冗長化としてのサンプリングラック
35bおよび測定器37bは、その構成内容がサンプリング
ラック35および測定器37と同様であり、必要に応じてサ
ンプリングラック35および測定器37との切り替えによ
り、互いにバックアップが可能としている。
【0053】従って、サンプリングラック35bおよび測
定器37bは、それぞれサンプリングラック35および測定
器37が故障した時のバックアップ用のみならず、互いの
測定値を比較することで、相互監視としての役割り機能
を備えている。
【0054】次に、上記構成の本実施例の作用について
説明する。サンプリングラック35は、原子炉格納容器1
内の雰囲気ガスの一部をサンプリングガス2として吸引
ポンプ8により吸引し、図示しない外部冷却水装置から
循環される冷却水4(白矢印)により冷却器5および除
湿器6において、サンプリングガス2を冷却すると共に
水分を除去する。このサンプリングガス2は、ガス切替
弁7と第1段ガス減圧弁38、および第2段ガス減圧弁39
を経由し、酸素検出器11から水素検出器12とガス流量制
御指示計10を通って排気ポンプ26により、再び原子炉格
納容器1内に戻される。
【0055】この間にサンプリングガス2は、前記第1
段ガス減圧弁38および第2段ガス減圧弁39とガス流量制
御指示計10等により監視され、温度と圧力および流量の
変動を小さく維持すると共に、酸素検出器11および水素
検出器12において、それぞれの濃度検出がなされる。
【0056】この酸素検出器11および水素検出器12が出
力する酸素濃度検出信号S1 および水素濃度検出信号S
2 は、それぞれ測定器37内の酸素濃度測定部40および水
素濃度測定部41で濃度の測定がされると共に、濃度補正
演算部48にも入力される。
【0057】同様に前記除湿器6における除湿温度計27
による信号や、ガス温度計13による酸素検出器11の入口
温度信号S3 は、温度測定部44を介して前記濃度補正演
算部48に送られる。また、ガス圧力計14およびガス流量
制御指示計10によるサンプリングガス2の圧力と流量の
検出結果も、それぞれガス圧力信号S4 としてガス圧力
測定部42に、またガス流量信号S5 としてガス流量測定
部43に送られ、さらに濃度補正演算部48に入力される。
【0058】この濃度補正演算部48では、湿分補正の他
に前記酸素検出器11および水素検出器12で検出された酸
素および水素の濃度について、サンプリングガス2の状
態に応じて補正演算することにより、精度の高い濃度測
定結果が得られる。この濃度測定結果は、酸素濃度測定
部40および水素濃度測定部41において表示されると共
に、記録等のために外部に出力される。
【0059】また、前記酸素検出器11および水素検出器
12の校正については、測定器37内の校正操作部46の操作
により、校正制御部45を介して出力される切替操作信号
6および校正ガス操作信号S7 とにより、校正ガスラ
ック15のボンベに貯蔵された、窒素ガス(N2 )16と酸
素ガス(O2 )17、および水素ガス(H2 )18を用いて
実施する。
【0060】この酸素検出器11および水素検出器12の校
正に際しては、サンプリングラック35内のガス切替弁7
を閉じた後に、切替操作信号S6 により校正切替弁19を
開にし、校正ガス操作信号S7 で校正ガスラック15内の
窒素ガス弁20と酸素ガス弁21、および水素ガス弁22のう
ち1つを開き、選択したガスを校正ガス23(点線矢印)
として、校正切替弁19を経由して酸素検出器11および水
素検出器12に流す。
【0061】この際、酸素検出器11および水素検出器12
が検出した結果の、酸素濃度検出信号S1 および水素濃
度検出信号S2 により、それぞれ酸素濃度測定部40およ
び水素濃度測定部41にて濃度測定され、この測定濃度が
表示される。
【0062】また、原子炉格納容器1から冗長化した放
射線検出器33a,33bにより検出した放射線量は、それ
ぞれ前置増幅器36a,36bを介して測定器37内の放射線
測定部47a,47bにおいて測定すると共に表示される。
【0063】なお、濃度補正演算部48にて補正演算され
た酸素濃度および水素濃度の測定結果については、いず
れも前記各測定部である酸素濃度測定部40および水素濃
度測定部41と、ガス圧力測定部42とガス流量測定部43、
温度測定部44と放射線測定部47a,47b等で、それぞれ
設定値との比較等と共に表示される他、記録等の必要に
応じて外部に出力される。
【0064】このように、酸素濃度および水素濃度測定
に係る測定部の酸素濃度測定部40および水素濃度測定部
41、ガス圧力測定部42とガス流量測定部43、および温度
測定部44と、校正用の校正制御部45と校正操作部46、さ
らに、放射線測定に係る放射線測定部47a,47b等の各
種測定部については、測定器37において一括して電子計
算機化されて管理されている。
【0065】従って、格納容器内雰囲気モニタとして、
原子炉格納容器1内の酸素濃度と水素濃度およびガンマ
線線量率等の全てについて、1台の測定器37により測定
することが可能となり、これにより、測定器37を収納す
る盤のスペースが小さくなり、装置全体が縮小化され
る。
【0066】また、冗長化されたシステムとしているこ
とから、各測定チャンネルと、他系統のサンプリングラ
ック35bおよび測定器37bは共に、電気的および物理的
な分離要求の仕様を満足して、他系統との測定結果の情
報の共有化が容易である。
【0067】これにより、各測定チャンネルおよび自系
統および他系統における各機能のバックアップと、それ
ぞれの酸素および水素等の各種測定結果を比較して、測
定結果の健全性が確認できるので、高精度の測定結果と
共にシステム全体の監視が可能となり、全体としての信
頼性がより向上する。
【0068】図2は本発明の第2実施の形態(請求項2
および請求項3対応)の要部ブロック構成図であり、図
1の測定器とサンプリングラックとの関係を示したもの
である。なお、図1の第1実施の形態と同様の構成部分
と作用および効果については詳細説明を省略し、相違す
る構成について説明する。
【0069】図2に示すように、サンプリングラック35
内の酸素検出器11および水素検出器12と接続された測定
器37における酸素濃度測定部40および水素濃度測定部4
1、放射線検出器33a,33bの前置増幅器36a,36bと
接続されている放射線測定部47a,47b等の各部は、い
ずれも各チャンネルが独立されている。
【0070】これにより、たとえば酸素濃度測定部40の
保守に際して、水素濃度測定部41とは、分割線Aにおい
てバイパス可能としている。従って、酸素濃度測定部40
のバイパス時に、水素濃度測定部41を始め、測定器37等
に影響を与えないような構成としている(請求項2)。
【0071】また、冗長化のためにサンプリングラック
35と測定器37および放射線検出器33a,33bに対応して
設置されたサンプリングラック35bと測定器37bおよび
放射線検出器33c,33dにおいて、測定器37と測定器37
bとは信号授受が可能に接続されている。
【0072】さらに、サンプリングラック35と測定器3
7、および前置増幅器36a,36bと測定器37とは、互い
に分割線Bにおいて図示しないバックアップ機能を備え
ると共に、冗長化している同種類の他系統のチャンネル
が同時にバイパスされることを許可しないインターロッ
クを備えた構成としている(請求項3)。
【0073】上記構成による作用としては、測定器37に
おける酸素測定系と水素測定系および放射線測定系の各
チャンネルは、各々独立にチャンネルをバイパスする機
能を備えているので、各検出器である酸素検出器11と水
素検出器12、および放射線検出器33a,33b等の保守を
する際に、測定器37内で他の測定チャンネルまで機能を
停止する等の影響を与えることなく、ある特定チャンネ
ルの検出器をシステムから切り離して保守することがで
きる。
【0074】また、サンプリングラック35と測定器37お
よび放射線検出器33a,33bに対して、サンプリングラ
ック35bと測定器37bおよび放射線検出器33c,33d
が、互に分離独立した冗長系としてバックアップする。
【0075】従って、例えばサンプリングラック35にお
けるバックアップとして、酸素検出器11の酸素検出信号
1 を測定器37bの酸素濃度測定部40bに、水素検出器
12の水素検出信号S2 を水素濃度測定部41bに接続す
る。他方、サンプリングラック35bにおける酸素検出器
11bの酸素検出信号S1bを測定器37の酸素濃度測定部40
b に、水素検出器12bの水素検出信号S2bを水素濃度測
定部41b に接続することができる。
【0076】また、それぞれの信号を分割線Aにおいて
切り離した場合に、酸素と酸素の測定系、水素と水素の
測定系、放射線と放射線の測定系のように、同種類の他
系統のチャンネルを同時にバイパスすることは、警報を
発する等と共に、これを許可しないインターロックによ
り、冗長化された格納容器内雰囲気モニタのシステム全
体として、不用意な欠測を防止するように構成してい
る。これにより、各部の保守作業性を良好にすると共
に、保守に際して不用意な欠測がなく信頼性が向上す
る。
【0077】図3は本発明の第3実施の形態(請求項4
および請求項5対応)の要部ブロック構成図であり、図
1の測定器とサンプリングラックとの関係を示したもの
である。なお、図1の第1実施の形態と同様の構成部分
と作用および効果については詳細説明を省略し、相違す
る構成について説明する。
【0078】図3に示すように、サンプリングラック35
内で酸素検出器11の後段に水素検出器12等が設けられて
いる。なお、酸素検出器11の前段に水素検出器12を配置
する場合もある。
【0079】この酸素検出器11からの酸素検出信号S1
と、水素検出器12からの水素検出信号S2 は、それぞれ
測定器37における酸素濃度測定部40および水素濃度測定
部41に入力されて、酸素濃度および水素濃度の測定が行
われる。
【0080】また、酸素濃度測定部40および水素濃度測
定部41は、酸素濃度および水素濃度測定に際して、予
め、水素濃度変動時の酸素検出器11の出力変動量のデー
タを入力しておき、サンプリングガス2等の濃度変動等
を補正して、測定精度を高める濃度補正演算部48を接続
している(請求項4)。さらに、濃度補正演算部48にお
ける補正式を、後記するように水素ガス濃度の多項式と
するように構成している(請求項5)。
【0081】上記構成による作用としては、サンプリン
グラック35における酸素検出器11および水素検出器12で
検出された、それぞれの酸素検出信号S1 および水素検
出信号S2 から、酸素濃度および水素濃度の双方が1台
の測定器37において測定することができる。
【0082】これにより、酸素検出器11および水素検出
器12について、それぞれ個々に酸素測定器24および水素
測定器25を設ける必要がないので、測定器37を収納する
盤のスペースを小さくできる。また、同一の測定器37に
おいて補正演算を実施することが可能となることから測
定精度が向上する。
【0083】なお、測定器37には、時々刻々の酸素およ
び水素濃度が同時に入力されるが、濃度補正演算部48
に、予め、サンプリングガス2における水素濃度変動時
に対応した、酸素検出器11の出力変動量のデータを入力
しているので、酸素検出器11にて検出された酸素検出信
号S1 が、サンプリングガス2中の水素濃度の変化によ
り変動する場合でも、濃度補正演算部48においては、前
記水素検出信号S2 により水素濃度の変動量が分かるの
で、この変動分で酸素濃度の測定値を補正するようにし
たものである。
【0084】これにより、サンプリングガス2の水素濃
度が変動しても、測定器37における測定精度を常に一定
に保つようにして、高精度で酸素濃度の測定をすること
ができる。
【0085】また、濃度補正演算部48においては、酸素
検出器11の検出出力について、水素ガスに対する補正方
法に多項式を用いた方法を採用する。即ち、原子炉格納
容器1内の雰囲気ガスを酸素および水素以外は窒素であ
ると考え、予め、濃度が既知である窒素ベースの水素ガ
ス濃度に対する酸素検出器11における酸素検出出力を測
定しておく。その酸素検出器11の出力特性は、水素濃度
に比例して酸素検出器出力が変動することから、次の
(1)式で表すことができる。 O2=O1+k×H ………(1)
【0086】ここで、O1は補正前酸素検出器出力、O
2は補正後酸素濃度出力、Hは水素検出器出力、kは比
例定数とする。なお、この比例定数kの値の実例とし
て、酸素検出器11および水素検出器12共に、測定レンジ
0〜30%に対して、酸素濃度測定部40および水素濃度測
定部41に入力1〜5Vを与えている時に、水素4%ガス
を測定時に酸素検出器出力が0.9 Vを得た。
【0087】この場合には、(1−0.9 )/4×4/30
=0.053 より、次の(2)式のように具体的補正演算式
を与えることができる。これにより、測定器37における
酸素濃度測定値の水素ガスによる影響の誤差を小さくす
ることができる。 O2=O1+0.053 (H−1) …(2)
【0088】図4は本発明の第4実施の形態(請求項6
対応)の要部ブロック構成図であり、図1のサンプリン
グラックと校正ガスラックとの関係を示したものであ
る。なお、図1の第1実施の形態と同様の構成部分と作
用および効果については詳細説明を省略し、相違する構
成について説明する。
【0089】図4に示すように、サンプリングラック35
においては、ガス切替弁7の後段で校正ガスラック15か
ら校正ガス23(点線矢印)を供給する校正切替弁19との
接続点から下流側に、第1段ガス減圧弁38と吸引ポンプ
8、および第2段ガス減圧弁39と酸素検出器11、さらに
水素検出器12を順次設けて構成している。
【0090】上記構成による作用としては、酸素検出器
11は酸素検出に際して、測定圧力の変動量に応じて検出
出力が変動することから、サンプリングガス2による測
定圧力を一定化する必要がある。
【0091】しかしながら、原子炉格納容器1内の雰囲
気ガスは、含まれる水蒸気の影響等から変動して、サン
プリングガス2におけるサンプリングラック35の入口圧
力は、一般に−0.14〜4.35kg/cm2 に変動することか
ら、その変動幅が測定圧力が変動する原因となってい
た。
【0092】従って、原子炉格納容器1内から吸引ポン
プ8により吸引されたサンプリングガス2を、吸引ポン
プ8と、この前段における第1段減圧弁38により圧力を
一定に調整する。これにより、酸素検出器11および水素
検出器12における測定圧力の変動を、所定の範囲に抑制
することができる。特に酸素検出器11においは変動のな
い酸素検出ができるので測定精度が向上する。
【0093】さらに、酸素検出器11および水素検出器12
の校正に際して、校正ガスラック15から供給する校正ガ
ス23の圧力は、窒素ガス弁20と酸素ガス弁21および水素
ガス弁22により通常2kg/cm2 に設定されている。
【0094】従って、酸素検出器11および水素検出器12
に対する校正時にも、測定圧力を一定とするために、第
1段減圧弁38において校正ガス23の圧力調整を行うこと
から、校正作業の場合にも高い測定精度が得られるの
で、測定および校正結果に対する信頼性が向上する。
【0095】図5は本発明の第5実施の形態(請求項7
対応)の要部ブロック構成図であり、図1のサンプリン
グラックと測定器との関係を示したものである。なお、
図1の第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効
果については詳細説明を省略し、相違する構成について
説明する。
【0096】図5に示すように、サンプリングラック35
内で酸素検出器11の後段に水素検出器12が設けられてお
り、また、酸素検出器11の前段にはガス圧力計14が接続
されている。この酸素検出器11からの酸素検出信号S1
と、水素検出器12からの水素検出信号S2 、およびガス
圧力計14からのガス圧力信号S4 は、それぞれ測定器37
の酸素濃度測定部40と水素濃度測定部41、およびガス圧
力測定部42に入力されて、酸素濃度と水素濃度およびガ
ス圧力の測定が行われる。
【0097】また、酸素濃度測定部40と水素濃度測定部
41およびガス圧力測定部42は、酸素濃度および水素濃度
の測定に際して、予め、サンプリングガス2や校正ガス
23のガス圧力変動時の酸素検出器11および水素検出器12
における出力変動量のデータを入力しておき、サンプリ
ングガス2等のガス圧力変動を補正して、測定精度を高
める濃度補正演算部48を接続した構成としている。
【0098】上記構成による作用としては、サンプリン
グラック35における酸素検出器11と水素検出器12および
ガス圧力計14で検出されたそれぞれの酸素検出信号
1 、水素検出信号S2 、ガス圧力信号S4 から、酸素
濃度および水素濃度と共に、サンプリングガス2等のガ
ス圧力について1台の測定器37により測定することがで
きる。
【0099】また、測定器37には、時々刻々の酸素濃度
および水素濃度と共に、ガス圧力が同時に入力されてお
り、濃度補正演算部48には、予め、サンプリングガス2
等の圧力変動時の酸素検出器11および水素検出器12の出
力変動量のデータが入力されている。
【0100】これにより、酸素検出器11および水素検出
器12から出力される酸素検出信号S1 および水素検出信
号S2 が、サンプリングガス2等の圧力変化により変動
した場合でも、濃度補正演算部48において、ガス圧力信
号S4 により、この時の圧力変動量がわかる。従って、
その変動分、酸素濃度および水素濃度の測定値を補正す
ることにより、ガス圧力が変動した場合でも、測定器37
における測定精度を常に一定に保つことで、酸素濃度お
よび水素濃度を高精度に測定することができるので、よ
り信頼性が向上する。
【0101】図6は本発明の第6実施の形態(請求項8
乃至請求項10対応)の要部ブロック構成図であり、図1
のサンプリングラックと測定器と校正ガスラックとの関
係を示したものである。なお、図1の第1実施の形態と
同様の構成部分と作用および効果については詳細説明を
省略し、相違する構成について説明する。
【0102】図6に示すように、サンプリングラック35
におけるガス切替弁7の後段には、校正ガスラック15か
ら校正ガス23(点線矢印)を供給する校正切替弁19が接
続されていて、その下流側に酸素検出器11および水素検
出器12等が設けられている。また、測定器37の濃度補正
演算部48には、酸素検出器11からの酸素検出信号S1
水素検出器12からの水素検出信号S2 が入力されると共
に、校正操作部46を備えた校正制御部45が接続されてい
る。
【0103】この校正制御部45は、校正操作部46からの
操作でサンプリングラック35の校正切替弁19に対して切
替操作信号S6 を、また、校正ガスラック15における窒
素ガス弁20と酸素ガス弁21および水素ガス弁22の各弁に
対しては、校正ガス操作信号S7 を出力する。
【0104】さらに、校正切替弁19および窒素ガス弁20
と、酸素ガス弁21および水素ガス弁22の開閉を、校正作
業の制御に必要なシーケンシャルとした自動校正機能を
備えた構成としている(請求項8)。
【0105】また、測定器37には、原子炉の通常運転時
である校正間隔の長い場合の校正プログラムと、原子炉
運転の非常時で校正間隔を短く要求される場合の校正プ
ログラムを備えると共に、窒素ガス弁20と酸素ガス弁2
1、および水素ガス弁22が、それぞれ開いていた時間を
累積して記録し、それぞれのガス消費量の把握と共に、
ガスボンベの交換時期を予告するように構成されている
(請求項9)。
【0106】さらに、測定器37には、前記酸素検出器11
および水素検出器12等における校正結果を累積して記録
すると共に、それぞれ校正結果の時系列推移から、各酸
素検出器11および水素検出器12等における機能の劣化兆
候を把握できるように構成している(請求項10)。
【0107】上記構成による作用としては、酸素検出器
11および水素検出器12の校正に際して、ガス切替弁7を
閉じた後に、校正操作部46からの指令により操作校正制
御部45は、校正ガスラック15におけるそれぞれ窒素ガス
16(N2 )と、酸素ガス17(O2 )および水素ガス18
(H2 )のボンベに備えた窒素ガス弁20と酸素ガス弁21
および水素ガス弁22の1つを適宜開いて、既知のガス濃
度の校正ガス23(点線矢印)を校正切替弁19から供給す
る。
【0108】この時の酸素検出器11および水素検出器12
に対する前記各種弁類の操作等の校正作業は、校正操作
部46に備えた自動校正機能により操作校正制御部45を介
して予期された酸素濃度および水素濃度が得られるよう
に、所定の手順により自動的に行う。
【0109】これにより、作業員の人手を介することな
く格納容器内雰囲気モニタにおける水素および酸素測定
システムの校正を自動的に実施されることから、校正作
業が効率化されて作業員の負担が軽減されると共に信頼
性が向上する。
【0110】また、格納容器内雰囲気モニタは、一般に
原子炉格納容器1内で蒸気漏れ等の雰囲気に異常が生じ
た場合等の非常時に使用することを目的としており、こ
の時には、雰囲気ガス監視のための測定精度も要求され
ることから、酸素検出器11および水素検出器12の校正も
頻繁に実施する必要がある。
【0111】しかし、原子炉の通常運転中で原子炉格納
容器1内に異常がない場合には、酸素測定器11および水
素測定器12の校正については、それぞれの動作確認が主
目的となる。
【0112】従って、校正制御部45に備えた、通常運転
時用の校正間隔が長い校正プログラムと、原子炉運転の
非常時用の校正間隔が短い校正プログラムとを使い分け
ることにより、校正ガスラック15において、それぞれの
ボンベに貯えた窒素ガス16(N2 )と、酸素ガス17(O
2 )および水素ガス18(H2 )の使用量を、節約して効
率良く使用することができる。
【0113】また、測定器37では、校正ガスラック15に
おける各窒素ガス弁20と酸素ガス弁21、および水素ガス
弁22が開いていた時間を累積して記録している。この各
窒素ガス弁20と酸素ガス弁21、および水素ガス弁22が開
いている時間は、当該弁のボンベからガスが一定流量で
流出している。
【0114】従って、各弁の開累積時間を監視すること
によりガスの消費量が把握できるので、各ガスボンベに
おける交換時期の予測および予告を容易に行うことがで
き、また、保守管理効率が向上して作業員の保守作業に
対する負担が軽減する。
【0115】さらに、測定器37において、酸素検出器11
および水素検出器12の校正結果を累積して記録している
ことから、酸素検出器11および水素検出器12における検
出出力値の時系列推移を比較することが容易である。
【0116】これにより、各酸素検出器11および水素検
出器12における機能特性の推移から、機能劣化の兆候が
容易に把握することができ、交換時期等の予測と早期に
予防保全を図ると共に、保守情報を提供することにより
信頼性が向上する。
【0117】図7は本発明の第7実施の形態(請求項11
対応)の要部ブロック構成図であり、図1のサンプリン
グラックと測定器と現場伝送ユニットとの関係を示した
ものである。なお、図1の第1実施の形態と同様の構成
部分と作用および効果については詳細説明を省略し、相
違する構成について説明する。
【0118】図7に示すように、サンプリングラック35
における酸素検出器11および水素検出器12は、当該サン
プリングラック35の近傍の現場に設けられた現場伝送ユ
ニット49内の現場酸素濃度測定部50および現場水素濃度
測定部51と接続されている。この現場伝送ユニット49
は、伝送ケーブル52を介して離れた位置に設置されてい
る測定器37と接続した構成としている。
【0119】従って、酸素検出器11が出力する酸素検出
信号S1 と、水素検出器12が出力する水素検出信号S2
は、現場伝送ユニット49内の現場酸素濃度測定部50およ
び現場水素濃度測定部51に入力される。
【0120】上記構成による作用としては、サンプリン
グラック35における酸素検出器11が出力した酸素検出信
号S1 と、水素検出器12が出力した水素検出信号S
2 は、サンプリングラック35に近い現場伝送ユニット49
内の現場酸素濃度測定部50および現場水素濃度測定部51
に入力され、この酸素濃度および水素濃度の測定結果
が、伝送ケーブル52を経由して、離れた位置に設置され
ている測定器37に対して多重伝送される。これにより、
遠く距離の離れた現場と測定器37間を結ぶケーブルの敷
設本数を削減することができると共に、敷設作業と保守
が容易となる。
【0121】図8は、本発明の第8実施の形態(請求項
12対応)のブロック構成図である。なお、図1の第1実
施の形態と同様の構成部分と作用および効果については
詳細説明を省略し、相違する構成について説明する。
【0122】図に示すように、本実施の形態では、水素
検出器12及び酸素検出器11の信号は共に同一の測定器37
に入力されている。測定器37内には酸素濃度測定部40と
水素濃度測定部41と放射線測定部47a,47bがあり、さ
らにこの測定器37内には測定結果出力部53を備えてい
る。この測定結果出力部53からの出力は記録計54に記録
されるように構成されている。
【0123】したがって、放射線検出器33a,33bから
の信号を測定器37に入力することにより、格納容器内の
酸素濃度・水素濃度・ガンマ線線量率のすべてについて
1台の同一測定器37にて測定可能であり、またその測定
結果を同一の記録計54上に記録することにより事故後の
状況把握を容易にすることができる。なお、図には後記
するように測定結果出力部53bと記録計54bの冗長系を
備えている。
【0124】図9は本発明の第9実施の形態(請求項13
対応)の要部ブロック構成図であり、図8の第9実施の
形態のサンプリングラックと測定器との関係を示したも
のである。なお、図8の第8実施の形態と同様の構成部
分と作用および効果については詳細説明を省略し、相違
する構成について説明する。
【0125】図に示すように、本実施の形態では、サン
プリングラック35と測定器37に対してサンプリングラッ
ク35bと測定器37bの冗長化されたシステムを採用して
いる。このような構成によりバックアップ機能を有する
ので、測定器37内の水素・酸素・放射線の各チャンネル
の測定値は、他系統の測定結果の情報を共有化可能とな
る。したがって、本実施の形態によれば、水素・酸素・
放射線のすべてを同時に自系統と他系統との測定結果を
比較することにより、測定結果の健全性の確認をするこ
とができる。
【0126】図10は本発明の第10実施の形態(請求項14
及び請求項15対応)の要部ブロック構成図であり、図8
の第8実施の形態のサンプリングラックと測定器との関
係を示したものである。なお、図8の第8実施の形態と
同様の構成部分と作用および効果については詳細説明を
省略し、相違する構成について説明する。
【0127】図に示すように、本実施の形態では、酸素
検出器11の後段または前段に水素検出器12を設け、水素
検出器12及び酸素検出器11の検出信号は共に測定器37に
入力されている。測定器37内には、酸素濃度測定部40と
水素濃度測定部41があり、これにより酸素濃度・水素濃
度の双方とも1台の測定器37により測定可能となる。
【0128】したがって、酸素検出器11、水素検出器12
に対しそれぞれ個々に測定器を設ける必要がなく、測定
器37を収納する盤のスペースを小さくすることが可能と
なり、また同一の測定器37にて後述する補正演算も実施
可能となる。また、濃度補正演算部48には、予め水素濃
度変動時の酸素検出器11の出力変動量のデータを入力し
ておく。これにより測定器には時々刻々の酸素・水素濃
度が同時に入力されており、酸素濃度の変動により水素
検出器の出力信号が変動した場合であっても酸素濃度変
動量が分るので、その分の水素濃度の値を補正する。こ
のことにより、酸素濃度が変動しても、測定器での水素
精度は一定に保つことができる(請求項14)。また、本
実施の形態では、水素検出器12の出力の酸素ガスに対す
る補正方法を下記のように多項式を用いた補正式による
補正を用いている(請求項15)。
【0129】予め、濃度が既知である窒素ベースの酸素
ガス濃度に対する水素検出器12の出力を測定しておく。
その水素検出器11の出力特性は、酸素濃度に比例して、
酸素検出器出力が変動することから、次の(3)式とな
る。すなわち H2=H1+k×O (3)式 ここで、H1は補正前水素検出器出力、H2は補正後濃
度出力、Oは酸素検出器出力、kは比例定数である。
【0130】kの値の実例としては、酸素検出器、水素
検出器共に、測定レンジ0〜30%に対して、1〜5V
を与えている時に、酸素5%ガスを測定時に酸素検出器
出力が1.1Vを得た場合には、次の(4)式となる。
すなわち (1−1.1)÷4÷5×30=−0.15より H2=H1−0.15(O−1) (4)式 となり、この(4)式により具体的補正演算式を与える
ことができる。
【0131】図11は本発明の第11実施例(請求項16対
応)の要部ブロック構成図であり、図8の第8実施の形
態のサンプリングラックと測定器と校正ガスラックとの
関係を示したものである。なお、図8の第8実施の形態
と同様の構成部分と作用および効果については詳細説明
を省略し、相違する構成について説明する。
【0132】図に示すように、本実施の形態では、サン
プリングラック35におけるガス切替弁7の後段には、校
正ガスラック15から校正ガス23(点線矢印)を供給する
校正切替弁19が接続されていて、その下流側に酸素検出
器11および水素検出器12等が設けられている。また、測
定器37の濃度補正演算部48には、酸素検出器11からの酸
素検出信号S1 と水素検出器12からの水素検出信号S2
が入力されると共に、校正操作部46を備えた校正制御部
45が接続されている。
【0133】この校正制御部45は、校正操作部46からの
操作でサンプリングラック35の校正切替弁19に対して切
替操作信号S6 を、また、校正ガスラック15における窒
素ガス弁20と酸素ガス弁21および水素ガス弁22の各弁に
対しては、校正ガス操作信号S7 を出力する。さらに、
校正切替弁19および窒素ガス弁20と、酸素ガス弁21およ
び水素ガス弁22の開閉を、校正作業の制御に必要なシー
ケンシャルとした自動校正機能を備えた構成としてい
る。また、放射線検出器33で検出された放射線測定信号
も前置増幅器36を経て測定器37の放射線測定部47に入力
されている。
【0134】格納容器内雰囲気モニタは、非常時に測定
することを目的としていることから、測定精度が必要な
のは非常時のみであるといえる。このことから、通常時
の校正を実施する目的は、センサの動作確認が主目的と
なる。したがって、非使用時と使用時(通常時と非常
時)にて校正を行う頻度を使い分けることで(通常時−
校正間隔長く、非常時−校正間隔短く)、校正ガスの使
用量を節約することができる。
【0135】本実施の形態によると、水素・酸素の測定
信号は勿論、放射線の測定信号も同一の測定器37に入力
されていることから、放射線測定値により応答性の早い
事故状況が監視できることになる。したがって、事故状
況に応じた校正頻度で、水素検出器及び酸素検出器の校
正を実施することができる。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
乃至請求項11対応)によれば、格納容器内雰囲気モニタ
の測定機器が縮小化されて、設置スペースが削減可能と
なると共に、測定チャンネルのバイパスやバックアップ
により保守および監視等の作業負担を軽減することがで
きる。また、酸素検出器および水素検出器に対する混入
ガスや圧力変動等の測定条件を補正することにより、測
定条件の変動に影響されずに高精度の濃度測定を行うこ
とができる。
【0137】また、本発明(請求項12乃至請求項16対
応)によれば、測定機器の占有量を縮小化し、保守、監
視等の作業負荷を軽減することができ、酸素検出器及び
水素検出器の測定条件の変動によらず、より正確な酸素
濃度を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態のブロック構成図。
【図2】本発明の第2実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図3】本発明の第3実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図4】本発明の第4実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図5】本発明の第5実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図6】本発明の第6実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図7】本発明の第7実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図8】本発明の第8実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図9】本発明の第9実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図10】本発明の第10実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図11】本発明の第11実施の形態の要部ブロック構成
図。
【図12】従来の格納容器内雰囲気モニタのブロック構
成図。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、2…サンプリングガス(実線矢
印)、3,35,35b…サンプリングラック、4…冷却水
(白矢印)、5…冷却器、6…除湿器、7…ガス切替
弁、8…吸引ポンプ、9…ガス減圧弁、10…ガス流量制
御指示計、11…酸素検出器、12…水素検出器、13…ガス
温度計、14…ガス圧力計、15…校正ガスラック、16…窒
素ガス(N2 )、17…酸素ガス(O2 )、18…水素ガス
(H2 )、19…校正切替弁、20…窒素ガス弁、21…酸素
ガス弁、22…水素ガス弁、23…校正ガス(点線矢印)、
24…酸素測定器、25…水素測定器、26…排気ポンプ、27
…除湿温度計、28…除湿温度警報判定器、29…ガス温度
測定部、30…ガス圧力警報判定器、31…ガス流量警報判
定器、32…演算部、33a〜33d…放射線検出器、34a,
34b…放射線測定器、36a〜36d…前置増幅器、37,37
b…測定器、38…第1段ガス減圧弁、39…第2段ガス減
圧弁、40…酸素濃度測定部、41…水素濃度測定部、42…
ガス圧力測定部、43…ガス流量測定部、44…温度測定
部、45…校正制御部、46…校正操作部、47a〜47d…放
射線測定部、48…濃度補正演算部、49…現場伝送ユニッ
ト、50…現場酸素濃度測定部、51…現場水素濃度測定
部、49…現場伝送ユニット、52…伝送ケーブル、53…測
定結果出力部、54…記録計、S1 ,S1b…酸素検出信
号、S2 ,S2b…水素検出信号、S3 …入口温度信号、
4 …ガス圧力信号、S5 …ガス流量信号、S6 …切替
操作信号、S7 …校正ガス操作信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 三男 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 遠藤 順政 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素検出器および水素検出器と放射線検
    出器からの検出信号を受け取って当該格納容器内の雰囲
    気状態を監視する格納容器内雰囲気モニタにおいて、前
    記酸素検出器および水素検出器と前記放射線検出器等の
    各種検出器からの検出信号を入力して濃度等を測定する
    各種測定部と、この各種測定部からの出力に対して酸素
    および水素濃度測定値を補正する濃度補正演算部と、前
    記酸素検出器と水素検出器に対する校正作業を制御する
    校正制御部等を設けた測定器が冗長化による分離機能と
    データ交換による監視のバックアップ機能とを備えたこ
    とを特徴とする格納容器内雰囲気モニタ。
  2. 【請求項2】 前記測定器が、同一区分に設けた酸素と
    水素および放射線測定機能等の各チャンネルにて各々独
    立にチャンネルをバイパスする機能を備えると共に、各
    検出器の保守時に他のチャンネルへ影響を与えずに特定
    チャンネルの保守を可能としたことを特徴とする請求項
    1記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  3. 【請求項3】 前記測定器等が、分離独立した少なくと
    も2つ以上の冗長系でバックアップ機能を備えていて、
    前記バックアップ機能は同種類の測定系にて他系統のチ
    ャンネルを同時にバイパスしないことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  4. 【請求項4】 前記濃度補正演算部が、酸素濃度測定に
    際して他のガス等による誤差の補正を行うことを特徴と
    する請求項1記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  5. 【請求項5】 前記濃度補正演算部が、酸素濃度測定に
    おける誤差の補正式を水素濃度に係る多項式とすること
    を特徴とする請求項4記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  6. 【請求項6】 前記酸素検出器および水素検出器の上流
    でサンプルガスと校正ガスとの合流地点との間に、ガス
    圧力を一定化する第1段減圧弁と吸引ポンプおよび第2
    段減圧弁を順次設置したことを特徴とする請求項1記載
    の格納容器内雰囲気モニタ。
  7. 【請求項7】 前記酸素検出器および水素検出器の前段
    にガス圧力計を接続すると共にこのガス圧力計で検出し
    たガス圧力変動により、前記濃度補正演算部において酸
    素濃度および水素濃度測定値の補正を行うことを特徴と
    する請求項1記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  8. 【請求項8】 前記校正操作部と校正制御部が、前記酸
    素検出器および水素検出器の校正時に校正ガス選択等の
    各種弁の開閉をシーケンシャルに行う自動校正機能を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の格納容器内雰囲気
    モニタ。
  9. 【請求項9】 前記校正制御部が、前記酸素検出器およ
    び水素検出器に対する校正頻度を、原子炉通常運転時は
    長間隔で原子炉非常時は短間隔で実施すると共に、各校
    正ガス弁の開時間からガス消費量とガスボンベ交換時期
    の予測と予告を可能としたことを特徴とする請求項8記
    載の格納容器内雰囲気モニタ。
  10. 【請求項10】 前記測定器が、前記酸素検出器および
    水素検出器における校正結果を累積記録すると共に、そ
    の時系列情報により前記酸素検出器および水素検出器に
    おける測定機能の劣化兆候から保全情報を提供すること
    を特徴とする請求項8記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  11. 【請求項11】 前記酸素検出器および水素検出器等か
    らの出力信号を入力してそれぞれの測定結果を伝送出力
    する現場酸素濃度測定部および現場水素濃度測定部等を
    設けた現場伝送ユニットと、この現場伝送ユニットから
    測定器との間を多重伝送によりデータ授受を行うことを
    特徴とする請求項1記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  12. 【請求項12】 酸素検出器および水素検出器と放射線
    検出器からの検出信号を受け取って当該格納容器内の雰
    囲気状態を監視する格納容器内雰囲気モニタにおいて、
    前記水素検出器および酸素検出器と前記放射線検出器か
    らの検出信号を受け取る同一測定器内に水素濃度測定部
    と酸素濃度測定部と放射線測定部を備え、その測定結果
    を同一の記録計上に記録することにより、原子力発電プ
    ラントの事故時及び事故後の状況把握を容易にすること
    を特徴とする格納容器内雰囲気モニタ。
  13. 【請求項13】 相互に分離独立した2つの冗長系をア
    イソレータで結んで操作以外の信号のみを伝送するバッ
    クアップ機能を備え、水素と水素、酸素と酸素、放射線
    と放射線のように同種類の他系統のチャンネルを同時に
    監視することにより、自系統と他系統の水素と酸素と放
    射線のすべての測定結果を同時に比較することで、測定
    結果の健全性を確認できることを特徴とする請求項12
    記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  14. 【請求項14】 酸素検出器および水素検出器と放射線
    検出器からの検出信号を受け取って当該格納容器内の雰
    囲気状態を監視する格納容器内雰囲気モニタにおいて、
    同一区分の同一測定器に、水素ガスおよび酸素ガス測定
    機能を有し、酸素検出器の前段または後段に水素検出器
    を設け、前記水素検出器と酸素検出器からの双方の検出
    信号を受ける共通の測定部に、水素濃度測定部と酸素濃
    度測定部と濃度補正演算部を備え、前記水素検出器の出
    力信号の他ガス干渉分を容易に補正することを特徴とす
    る格納容器内雰囲気モニタ。
  15. 【請求項15】 前記濃度補正演算部の補正式は酸素ガ
    ス濃度の多項式で表現されていることを特徴とする請求
    項14記載の格納容器内雰囲気モニタ。
  16. 【請求項16】 前記放射線検出器からの放射線の測定
    結果のトレンドから原子力発電所の事故時状況を把握
    し、適当な頻度で前記水素検出器及び酸素検出器の校正
    を実施する校正制御部を設けたことを特徴とする請求項
    12記載の格納容器内雰囲気モニタ。
JP11098795A 1998-04-16 1999-04-06 格納容器内雰囲気モニタ Withdrawn JP2000002784A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11098795A JP2000002784A (ja) 1998-04-16 1999-04-06 格納容器内雰囲気モニタ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-105943 1998-04-16
JP10594398 1998-04-16
JP11098795A JP2000002784A (ja) 1998-04-16 1999-04-06 格納容器内雰囲気モニタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000002784A true JP2000002784A (ja) 2000-01-07

Family

ID=26439907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11098795A Withdrawn JP2000002784A (ja) 1998-04-16 1999-04-06 格納容器内雰囲気モニタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000002784A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107345A (ja) * 2000-10-03 2002-04-10 Showa Tansan Co Ltd 充填フイラー等の酸素濃度測定装置
KR100757257B1 (ko) 2006-04-28 2007-09-10 한국전력공사 원자력 발전소의 계측 시스템 및 이를 이용한 계측 방법
JP2012047659A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 湿度補正機能付き水素濃度測定装置
JP2013019883A (ja) * 2011-06-15 2013-01-31 Toshiba Corp 原子炉格納容器内雰囲気監視装置および原子炉格納容器内雰囲気監視方法
JP2013148529A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd サンプリングガスの水素濃度測定装置
KR101490178B1 (ko) 2013-09-17 2015-02-05 한국원자력연구원 수소 및 방사선 통합 센서 시스템
JP2015125138A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 株式会社東芝 水素酸素濃度計測装置、水素酸素濃度計測システム、および水素酸素濃度計測方法
CN105513654A (zh) * 2016-01-18 2016-04-20 中国工程物理研究院材料研究所 核电站安全壳事故后多点快速测氢的装置及其实现方法
JP2018179517A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 株式会社東芝 水素・酸素濃度計測装置、水素・酸素濃度計測システム、水素・酸素濃度計測方法及び水素・酸素濃度計測プログラム
CN109857164A (zh) * 2017-11-30 2019-06-07 福建宁德核电有限公司 一种乏燃料水池液位监测系统校验平台及校验方法

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5566732A (en) * 1978-10-20 1980-05-20 Toshiba Corp Gas concentration detector
JPS58189023A (ja) * 1982-04-30 1983-11-04 Toshiba Corp 水分抽出装置
JPS6042690A (ja) * 1983-08-18 1985-03-06 株式会社東芝 原子炉格納容器内のガス分析装置
JPS60157085A (ja) * 1984-01-27 1985-08-17 株式会社東芝 原子炉格納容器内ガス監視装置
JPS60187893A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 東京電力株式会社 ガス濃度測定装置
JPS62119685U (ja) * 1986-01-23 1987-07-29
JPS63182597A (ja) * 1987-01-23 1988-07-27 株式会社東芝 プラント監視装置
JPS6413489A (en) * 1987-07-08 1989-01-18 Hitachi Ltd Radiation measurement system
JPH02108967A (ja) * 1988-10-19 1990-04-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水質異常検出装置
JPH02306141A (ja) * 1989-05-19 1990-12-19 Toshiba Corp 水素・酸素濃度自動測定装置
JPH0921784A (ja) * 1995-07-05 1997-01-21 Toshiba Corp ガス成分監視装置
JPH09178880A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Toshiba Corp 原子炉出力監視装置
JPH09292485A (ja) * 1996-04-30 1997-11-11 Toshiba Corp 原子炉診断装置
JPH1026668A (ja) * 1996-07-10 1998-01-27 Hitachi Ltd 校正装置および中性子束測定装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5566732A (en) * 1978-10-20 1980-05-20 Toshiba Corp Gas concentration detector
JPS58189023A (ja) * 1982-04-30 1983-11-04 Toshiba Corp 水分抽出装置
JPS6042690A (ja) * 1983-08-18 1985-03-06 株式会社東芝 原子炉格納容器内のガス分析装置
JPS60157085A (ja) * 1984-01-27 1985-08-17 株式会社東芝 原子炉格納容器内ガス監視装置
JPS60187893A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 東京電力株式会社 ガス濃度測定装置
JPS62119685U (ja) * 1986-01-23 1987-07-29
JPS63182597A (ja) * 1987-01-23 1988-07-27 株式会社東芝 プラント監視装置
JPS6413489A (en) * 1987-07-08 1989-01-18 Hitachi Ltd Radiation measurement system
JPH02108967A (ja) * 1988-10-19 1990-04-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水質異常検出装置
JPH02306141A (ja) * 1989-05-19 1990-12-19 Toshiba Corp 水素・酸素濃度自動測定装置
JPH0921784A (ja) * 1995-07-05 1997-01-21 Toshiba Corp ガス成分監視装置
JPH09178880A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Toshiba Corp 原子炉出力監視装置
JPH09292485A (ja) * 1996-04-30 1997-11-11 Toshiba Corp 原子炉診断装置
JPH1026668A (ja) * 1996-07-10 1998-01-27 Hitachi Ltd 校正装置および中性子束測定装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107345A (ja) * 2000-10-03 2002-04-10 Showa Tansan Co Ltd 充填フイラー等の酸素濃度測定装置
KR100757257B1 (ko) 2006-04-28 2007-09-10 한국전력공사 원자력 발전소의 계측 시스템 및 이를 이용한 계측 방법
JP2012047659A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 湿度補正機能付き水素濃度測定装置
JP2013019883A (ja) * 2011-06-15 2013-01-31 Toshiba Corp 原子炉格納容器内雰囲気監視装置および原子炉格納容器内雰囲気監視方法
JP2013148529A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd サンプリングガスの水素濃度測定装置
KR101490178B1 (ko) 2013-09-17 2015-02-05 한국원자력연구원 수소 및 방사선 통합 센서 시스템
JP2015125138A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 株式会社東芝 水素酸素濃度計測装置、水素酸素濃度計測システム、および水素酸素濃度計測方法
CN105513654A (zh) * 2016-01-18 2016-04-20 中国工程物理研究院材料研究所 核电站安全壳事故后多点快速测氢的装置及其实现方法
JP2018179517A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 株式会社東芝 水素・酸素濃度計測装置、水素・酸素濃度計測システム、水素・酸素濃度計測方法及び水素・酸素濃度計測プログラム
CN109857164A (zh) * 2017-11-30 2019-06-07 福建宁德核电有限公司 一种乏燃料水池液位监测系统校验平台及校验方法
CN109857164B (zh) * 2017-11-30 2022-04-26 福建宁德核电有限公司 一种乏燃料水池液位监测系统校验平台及校验方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4298955A (en) Method of and apparatus for the detection and analysis of hazards
US10031095B2 (en) Method for the quantitative analysis of the composition of a gas mixture and associated measuring device
JP2000002784A (ja) 格納容器内雰囲気モニタ
US4742227A (en) Mobile type inspection apparatus
JP3322939B2 (ja) プロセス計装ラック
JP4369313B2 (ja) 臨床検査システム
JP3334391B2 (ja) 分析装置の管理システム
CN213025417U (zh) 重水反应堆保护系统
JP2000266884A (ja) 核計測装置
JP2000227375A (ja) 電気絶縁用気体の圧力監視装置および圧力監視システム
JPH07253812A (ja) 校正機能付きプロセス計装ラック
JPH10104385A (ja) プラント内伝送器の監視方法及びシステム
JPH08286703A (ja) デジタル制御装置
US11676477B2 (en) Fire alarm system
JPH0552987A (ja) 原子力発電プラントのデイジタル計測制御装置
JPS6315317A (ja) 電子計算機の冷却システム
CN117554444A (zh) 一种缩短环氧乙烷气体传感器极化时间方法及系统
JP3604568B2 (ja) プラント監視装置
JPH01307807A (ja) 検出器検査方法
JPS61204590A (ja) 中性子束計測システム
Fowler et al. Traveling-wave maser closed-cycle refrigerator data acquisition and display system
Parry et al. A high reliability oxygen deficiency monitoring system
JPH01298917A (ja) 電力供給設備監視方法と電力供給設備監視装置
JP2007240172A (ja) 原子炉の炉心監視装置
JPS63269096A (ja) 格納容器漏洩監視装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060405