JP2000001117A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000001117A JP966299A JP966299A JP2000001117A JP 2000001117 A JP2000001117 A JP 2000001117A JP 966299 A JP966299 A JP 966299A JP 966299 A JP966299 A JP 966299A JP 2000001117 A JP2000001117 A JP 2000001117A
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貴博 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水入口から温水出口へ向かって全チューブ
を温水が一方向に流れるタイプのヒータコア23を用い
るものにおいて、ヒータコア23の温水入口側と温水出
口側との間の吹出空気温度差による空調フィーリングの
悪化を解消する。 【解決手段】 一方向流れタイプのヒータコア23の温
水入口側部位を空調ケース21内においてフェイス開口
部27およびデフロスタ開口部28側に配置するととも
に、ヒータコア23の温水出口側部位をフット開口部2
6側に配置し、そして、ヒータコア23をバイパスして
空調空気が流れる冷風バイパス通路32およびこの冷風
バイパス通路32を開閉する冷風バイパスドア33を、
ヒータコア23の温水入口側に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暖房用熱交換器に
循環する温水の流量を制御する温水弁を備え、この温水
弁により車室内への吹出空気温度を調整するとともに、
暖房用熱交換器として、温水入口側から温水出口側に向
かって全部のチューブを一方向のみに温水が流れる一方
向流れタイプを用いる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置においては、暖房
用熱交換器として前後(もしくは左右)Uターン方式の
暖房用熱交換器が吹出空気温度分布の均一化のために使
用されてきた。しかし、近年は、Uターン方式に比し
て、構成の簡略化によるコスト低減、温水流路の低圧損
等の面で優れている一方向流れタイプの暖房用熱交換器
が主流になってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一方向流れタ
イプの暖房用熱交換器では、熱交換用コア部全体を温水
が入口側から出口側へ向かって一方向のみに流れるの
で、温水入口側と温水出口側とで、温水温度低下により
吹出空気温度に差が発生する。特に、温度制御のため
に、温水流量が低流量に絞られているときは、温水入口
側と温水出口側との吹出空気温度差が顕著となり、空調
フィーリング悪化の大きな要因となっている。
【0004】この不具合を解消するために、一方向流れ
タイプの暖房用熱交換器の温水入口側で発生する高温の
温風と、温水出口側で発生する低温の温風とを混合する
エアガイドを暖房用熱交換器の空気下流側の通路内に設
置することが考えられるが、この対策では、温水流量に
よる温度制御方式の本来の利点(すなわち、空気通路の
小スペース化、空気通路の低圧損化等の利点)がエアガ
イドの追加設置により失われることになり、実用的とは
言えない。
【0005】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
温水入口側から温水出口側に向かって全部のチューブを
一方向のみに温水が流れる一方向流れタイプの暖房用熱
交換器を用いる車両用空調装置において、エアガイドの
追加設置なしで、暖房用熱交換器の温水入口側と温水出
口側との間の吹出空気温度差による空調フィーリングの
悪化を解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の点に着眼
して上記目的を達成するための技術的手段を案出したも
のである。すなわち、温水流量による温度制御方式を採
用している車両用空調装置においては、冷風量を増加し
て最大冷房能力を向上するために、暖房用熱交換器をバ
イパスして冷風を流す冷風バイパス通路、およびこの冷
風バイパス通路を開閉する冷風バイパスドアを設け、最
大冷房時には、冷風バイパスドアにより冷風バイパス通
路を開くようにしている。
【0007】本発明では、上記の冷風バイパス通路によ
る最大冷房能力向上効果を維持しつつ、冷風バイパス作
用をうまく活用して、暖房用熱交換器の温水入口側と温
水出口側との間の吹出空気温度差による空調フィーリン
グの悪化を解消するものである。すなわち、請求項1記
載の発明では、一方向流れタイプの暖房用熱交換器(2
3)の温水入口側部位を空調ケース(21)内において
フェイス開口部(27)側に配置するとともに、暖房用
熱交換器(23)の温水出口側部位をフット開口部(2
6)側に配置し、そして、暖房用熱交換器(23)をバ
イパスして空調空気が流れる冷風バイパス通路(32)
およびこの冷風バイパス通路(32)を開閉する冷風バ
イパスドア(33)を、暖房用熱交換器(23)の温水
入口側に配置したことを特徴としている。
【0008】これによると、冷風バイパス通路(32)
およびフェイス開口部(27)がいずれも暖房用熱交換
器(23)の温水入口側に配置され、近接しているの
で、フェイス吹出モードの最大冷房時には、冷風バイパ
ス通路(32)を冷風バイパスドア(33)により全開
することにより、冷風バイパス通路(32)の冷風をそ
の直後のフェイス開口部(27)に小さい通風抵抗で導
入でき、冷風量を効果的に増加し、最大冷房能力を向上
できる。
【0009】また、フット吹出モードの最大暖房時に
は、冷風バイパスドア(18)を冷風バイパス通路(1
7)の全閉位置に操作することにより最大暖房能力を支
障なく発揮できる。さらに、温水弁(25)が中間開度
位置に操作される温度制御領域では、冷風バイパスドア
(33)により冷風バイパス通路(32)を所定開度開
くことにより、暖房用熱交換器(23)の温水入口側部
位を通過した高温の温風に冷風バイパス通路(32)
を通過した冷風を混合できる。また、暖房用熱交換器
(23)の温水入口側を通過した高温の温風と暖房用
熱交換器(23)の温水出口側を通過した低温の温風
とを混合できる。
【0010】このため、温水出口側で温水温度が大きく
低下する温度制御領域でも、高温の温風と冷風との
混合、および高温の温風と低温の温風との混合を行
うことにより、暖房用熱交換器(23)の温水入口側部
位からの吹出空気温度と温水出口側部位からの吹出空気
温度とを適切な温度差に設定することが可能となり、空
調フィーリングを快適に維持できる。
【0011】しかも、冷風バイパス作用をうまく活用し
て、暖房用熱交換器(23)の温水入口側と温水出口側
との間の吹出空気温度差を低減することができるから、
エアガイドのような特別の部品を追加設置する必要がな
い。そのため、温水流量による温度制御方式の本来の利
点である、空気通路の小スペース化、空気通路の低圧損
化を何ら損なうことがない。また、エアガイドを設けな
い簡素な構成によりコスト低減を図ることができる。
【0012】また、請求項2記載の発明では、温度制御
された空調空気を車両窓ガラス内面に向けて吹き出すデ
フロスタ開口部(28)を、暖房用熱交換器(23)の
温水入口側に配置したことを特徴としている。これによ
ると、デフロスタ吹出モードの最大暖房時には、冷風バ
イパスドア(18)を冷風バイパス通路(17)の全閉
位置に操作することにより最大暖房能力を支障なく発揮
できる。
【0013】さらに、デフロスタ吹出モードの温度制御
領域でも、冷風バイパスドア(18)の開度調整によ
り、暖房用熱交換器(23)の温水入口側部位からの吹
出空気温度と温水出口側部位からの吹出空気温度とを適
切な温度差に設定することが可能となり、空調フィーリ
ングを快適に維持できる。また、請求項3記載の発明で
は、暖房用熱交換器(23)の温水出口側およびフット
開口部(26)を空調ケース(21)の下方側に配置
し、暖房用熱交換器(23)の温水入口側、フェイス開
口部(27)および冷風バイパス通路(32)を空調ケ
ース(21)の上方側に配置したことを特徴としてい
る。
【0014】これによると、空調ケース(21)の下方
側に位置するフット開口部(26)からの吹出空気温度
と、空調ケース(21)の上方側に位置するフェイス開
口部(27)からの吹出空気温度との差(上下吹出温度
差)を冷風バイパスドア(33)の開度調整により良好
に設定できる。また、請求項4記載の発明では、フット
開口部(26)およびデフロスタ開口部(28)の両方
から空調空気を吹き出す吹出モードにおいて、温水弁
(25)が最大暖房状態にあるとき、冷風バイパスドア
(33)を全閉位置に操作し、温水弁(25)が最大暖
房状態から温度制御領域に操作されると、冷風バイパス
ドア(33)を冷風バイパス通路(32)の中間開度位
置に操作することを特徴としている。
【0015】これによると、フット開口部(26)およ
びデフロスタ開口部(28)の両方から空調空気を吹き
出す吹出モード(フットモード、フットデフロスタモー
ド)において、温度制御領域におけるフット開口部(2
6)とデフロスタ開口部(28)との上下吹出温度差を
冷風バイパスドア(33)の開度調整により良好に設定
できる。
【0016】また、請求項5記載の発明では、フェイス
開口部(27)から空調空気を吹き出すフェイス吹出モ
ードにおいて、温水弁(25)が最大冷房状態にあると
き、冷風バイパスドア(33)を全開位置に操作し、温
水弁(25)が最大冷房状態から温度制御領域に操作さ
れると、冷風バイパスドア(33)を冷風バイパス通路
(32)の中間開度位置に操作することを特徴としてい
る。
【0017】これによると、フェイス吹出モードにおい
て、温度制御領域におけるフェイス開口部(27)から
の吹出温度のばらつきを冷風バイパスドア(33)の開
度調整により効果的に低減できる。また、請求項6記載
の発明では、フット開口部(26)およびフェイス開口
部(27)の両方から空調空気を吹き出すバイレベル吹
出モードにおいて、温水弁(25)を最大暖房状態と最
大冷房状態との間の温度制御領域に操作するとともに、
冷風バイパスドア(33)を冷風バイパス通路(32)
の中間開度位置に操作することを特徴としている。
【0018】これによると、バイレベル吹出モードにお
いて、フット開口部(26)とフェイス開口部(27)
との上下吹出温度差を冷風バイパスドア(33)の開度
調整により良好に設定できる。また、請求項7記載の発
明では、空調ケース(21)内において、暖房用熱交換
器(23)を車両前方側に配置すると共に、冷風バイパ
ス通路(32)を車両後方側に配置し、フェイス開口部
(27)を、フット開口部(26)よりも車両後方側
で、かつ冷風バイパス通路(32)の上方に配置したこ
とを特徴としている。
【0019】これによると、冷風バイパス通路(32)
の冷風がその上方のフェイス開口部(27)に向けて直
線的に流れるため、冷風バイパス通路(32)からフェ
イス開口部(27)に至る間の通風抵抗が著しく小さく
なる。従って、冷風バイパス通路(32)が全開となる
フェイス吹出モードの最大冷房時に、冷風の風量がより
一層増加し、最大冷房能力をさらに増加できる。
【0020】なお、上記各手段に付した括弧内の符号
は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を
示す。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明を図に示す実施形態に
ついて説明する。図1は本発明の第1実施形態における
空調装置通風系の概要を示しており、通風系は、大別し
て、送風機ユニット10と空調ユニット20の2つの部
分に分かれている。空調ユニット20部は、車室内の計
器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置され
るものである。一方、送風機ユニット10は図1の図示
形態では、空調ユニット20の車両前方側に配置する状
態を図示しているが、送風機ユニット10を車室内にお
いて空調ユニット20の側方(助手席側)にオフセット
配置するレイアウトとしてもよいことはいうまでもな
い。
【0022】送風機ユニット10の吸入口11には内気
(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入する内
外気切替箱(図示せず)が接続される。そして、吸入口
11から導入された内気または外気をファン12により
送風するようになっている。ファン12は周知の遠心多
翼ファン(シロッコファン)からなるものであって、図
示しない電動モータにて回転駆動される。
【0023】次に、空調ユニット20部は空調ケース2
1内に蒸発器(冷房用熱交換器)22とヒータコア(暖
房用熱交換器)23とを両方とも一体的に内蔵するタイ
プのものである。空調ケース21はポリプロピレンのよ
うな、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の
成形品からなり、複数に分割された分割ケースからな
る。この複数の分割ケース内に、上記熱交換器22、2
3、後述するドア等の機器を収納した後に、この複数の
分割ケースを金属バネクリップ、ネジ等の締結手段によ
り一体に結合することにより、空調ユニット20部が組
み立てられる。
【0024】空調ケース21内において車両下方側の部
位に蒸発器22が水平面より微小角度傾斜して配置され
ている。ここで、蒸発器22は空調ケース21内の空気
通路の全域にわたって配置されている。また、蒸発器2
2の下方空間には送風機ユニット10の吹出側が接続ダ
クト13により接続されている。蒸発器22は周知のご
とく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱
して、空調空気を冷却するものである。なお、蒸発器2
2は周知の積層型のものであって、アルミニュウム等の
金属薄板を最中状に2枚張り合わせて構成した偏平チュ
ーブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一
体ろう付けしたものである。この偏平チューブとコルゲ
ートフィンの積層方向を図1の紙面垂直方向に設定する
ことにより、空調空気は蒸発器22を下方から上方へ通
過する。
【0025】また、ヒータコア23は、蒸発器22の空
気流れ下流側(車両上方側)に隣接配置されており、こ
のヒータコア23は、蒸発器22を通過した冷風を再加
熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン
冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱する
ものである。このヒータコア23も蒸発器22と同様
に、水平面より微小角度傾斜して配置されている。より
具体的に述べると、ヒータコア23は、温水入口側タン
ク23aと温水出口側タンク23bとの間に熱交換用コ
ア部23cを構成し、このコア部23cは図2に示すよ
うに、アルミニュウム等の金属薄板を断面偏平状に形成
した偏平チューブ23dとコルゲートフィン23eとを
多数積層配置している。ヒータコア23全体は、組付後
に一体ろう付けにより接合される。
【0026】図2の温水回路に示すように、水冷式の車
両エンジン24により直接駆動される温水ポンプ24a
を有し、車両エンジン24で加熱された温水は温水ポン
プ24aにより図2の温水回路を循環する。車両エンジ
ン24から温水は温水弁25を介してヒータコア23の
温水入口側タンク23aに流入する。その後に、温水は
コア部23cの各チューブ23dに分配され、この全部
のチューブ23dを温水は温水出口側タンク23bへ向
かって一方向に流れる。すなわち、、ヒータコア23は
温水入口側タンク23aからの温水が熱交換コア部23
cの全部の偏平チューブ23dを一方向に流れる一方向
流れタイプ(全パスタイプ)として構成されている。
【0027】そして、温水弁25は、ヒータコア23に
流入する温水の流量を調整することによりヒータコア2
3の吹出空気温度(車室内への吹出空気温度)を調整す
る温度調整手段をなすものであって、この温水弁25は
周知の構成のものでよく、例えば、弁ハウジング内に弁
体を回動可能に収納し、この弁体の回動量を連続的に可
変することにより、弁ハウジング内の温水流路の開口面
積を連続的に可変して、温水流量を調整するものであ
る。
【0028】次に、ヒータコア23の空調ケース21内
での配置形態をより具体的に説明すると、ヒータコア2
3の温水出口側タンク23bが下方側に位置し、また、
温水入口側タンク23aが上方側に位置するようにし
て、ヒータコア23を傾斜配置している。その場合、ヒ
ータコア23の温水出口側タンク23bがフット開口部
26側に位置し、また、温水入口側タンク23aがフェ
イス開口部27およびデフロスタ開口部28側に位置す
るように、ヒータコア23の配置を設定している。
【0029】ここで、フット開口部26は、空調ケース
21の下方側で、車両後方側の部位に開口しており、こ
のフット開口部26は車室内の乗員足元に温風を吹き出
すためのものである。このフット開口部26は、回転軸
29aにより回動自在な平板状のフットドア29により
開閉される。また、フェイス開口部27は空調ケース2
1の上面部において車両前方側の部位に開口しており、
このフェイス開口部27は図示しないフェイスダクトを
介して車両計器盤上方部のフェイス吹出口より乗員頭部
に向けて風を吹き出すためのものである。このフェイス
開口部27は、回転軸30aにより回動自在な平板状の
フェイスドア30により開閉される。
【0030】また、デフロスタ開口部28は空調ケース
21の上面部において車両前方側の部位に開口してお
り、このデフロスタ開口部28は図示しないデフロスタ
ダクトおよびデフロスタ吹出口を介して、車両窓ガラス
内面に向けて風を吹き出すためのものである。このデフ
ロスタ開口部28は、回転軸31aにより回動自在な平
板状のデフロスタドア31により開閉される。
【0031】さらに、空調ケース21内において、ヒー
タコア23は蒸発器22に比して図1の車両前後方向の
寸法が小さくなっており、これにより、ヒータコア23
の温水入口側タンク23aを空調ケース21の車両前方
側の内壁面より所定間隔だけ開けて配置して、温水入口
側タンク23aと空調ケース21の内壁面との間に、ヒ
ータコア23をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風
バイパス通路32を形成している。この冷風バイパス通
路32は冷風バイパスドア33により開閉される。冷風
バイパスドア33は回転軸33aにより回動自在な平板
状のドアからなる。
【0032】なお、フットドア29、フェイスドア3
0、およびデフロスタドア31は吹出モード切替用のド
ア手段であって、図示しないリンク機構等を介してサー
ボモータを用いたモード切替用アクチュエータ機構によ
り操作される。また、温水弁25は温度調整手段であっ
て、図示しないリンク機構等を介してサーボモータを用
いた温度調整用アクチュエータ機構により操作される。
同様に、冷風バイパスドア33も図示しないリンク機構
等を介してサーボモータを用いたアクチュエータ機構に
より独立に操作される。
【0033】上記アクチュエータ機構の各サーボモータ
等の機器は図示しない制御装置により作動が制御される
ようになっている。この制御装置は周知のごとくマイク
ロコンピュータとその周辺回路とから構成されるもので
あって、空調操作パネルに設けられた各種操作部材から
の操作信号および内外気温度、日射量、蒸発器吹出温
度、温水温度等の各種センサの検出信号が入力される。
そして、制御装置は予め設定された所定のプログラムに
基づいて、上記の操作信号および検出信号に対する演算
処理を行って、アクチュエータ機構の各サーボモータ等
の機器の作動を制御するようになっている。
【0034】次に、上記構成において本実施形態の作動
を吹出モード別に説明する。 (1)フット吹出モード 冬期の暖房時にフット吹出モードが選択されると、フッ
トドア29がフット開口部26を全開し、フェイスドア
30がフェイス開口部27を全閉する。デフロスタドア
31はデフロスタ開口部28を少量開放する。そして、
暖房始動時等において、最大暖房状態にあるときは、温
水弁25が全開状態となり、ヒータコア23に最大流量
の温水が循環する。また、冷風バイパスドア33は冷風
バイパス通路32の全閉位置に操作される。
【0035】これにより、送風機ユニット10からの送
風空気が全量ヒータコア23のコア部23cを通過する
とともに、温水流量が最大となることにより、温水から
の放熱量が最大となり、最大暖房能力が発揮される。そ
して、ヒータコア23で加熱された温風の大部分はフッ
ト開口部26から乗員足元部に吹き出し、残余の一部の
温風がデフロスタ開口部28から吹き出す。
【0036】ここで、ヒータコア23の温水入口側がデ
フロスタ開口部28側に位置し、温水出口側がフット開
口部26側に位置しているが、温水弁25の全開により
ヒータコア23に最大流量の温水が循環しているので、
ヒータコア23の温水入口側から温水出口側に温水が流
れる間での温水温度の低下度合いが僅少になる。そのた
め、フット開口部26からの吹出温度に比してデフロス
タ開口部28からの吹出温度が僅かに高くなるだけであ
り、実用上問題とならない。
【0037】次に、車室内温度(内気温度)が上昇し
て、暖房負荷が減少すると、吹出空気温度制御のため、
最大暖房状態から温度制御領域に移行する。すると、温
水弁25は車室内への目標吹出空気温度に対応した所定
の中間開度位置に操作される。また、冷風バイパスドア
33も温水弁25の中間開度位置に対応した中間開度位
置に操作される。これにより、送風機ユニット10から
の送風空気がヒータコア23を通過して加熱されると同
時に、冷風バイパス通路32を通過して流れる。
【0038】温水弁25が中間開度位置に操作される温
度制御領域では、ヒータコア23への循環温水流量が少
流量に制限されるため、ヒータコア23において温水入
口側部位に比して温水出口側部位の温水温度が大幅に低
下する。そのため、ヒータコア23の吹出空気温度も温
水入口側部位に比して温水出口側部位では大幅に低下す
る。
【0039】しかし、本実施形態によると、温度制御領
域では、冷風バイパスドア33により冷風バイパス通路
32を所定開度開くから、ヒータコア23の温水入口側
部位を通過した高温の温風に冷風バイパス通路32を
通過した冷風が混合される。そのため、デフロスタ開
口部28には、ヒータコア23の温水入口側を通過した
高温の温風と冷風バイパス通路32を通過した冷風
とを混合した温風が流れる。一方、フット開口部26に
は、ヒータコア23の温水入口側を通過した高温の温風
と、ヒータコア23の温水出口側を通過した低温の温
風とを混合した温風が流れる。
【0040】このとき、冷風バイパスドア33による冷
風バイパス通路32の開度、温風のデフロスタ開口部
28への流入割合等を適切に設定することにより、フッ
ト開口部26からの吹出温度に比してデフロスタ開口部
28からの吹出温度を低くすることができる。なお、フ
ット吹出モードでは、通常、フット開口部26からの吹
出風量が略80%程度で、デフロスタ開口部28からの
吹出風量が略20%程度である。
【0041】(2)フットデフロスタ吹出モード フットデフロスタ吹出モードでは、フット開口部26か
らの吹出風量と、デフロスタ開口部28からの吹出風量
とを略同等(50%づつ)とするため、フットドア26
によりフット開口部26を全開するとともに、デフロス
タドア31によりデフロスタ開口部28を全開する。
【0042】フットデフロスタ吹出モードでは上記風量
割合の点でフット吹出モードと相違しているだけであ
り、最大暖房時および温度制御領域の双方において作動
は同じであるので、詳細説明を省略する。 (3)デフロスタ吹出モード デフロスタ吹出モードにおいては、フェイスドア30が
フェイス開口部27を、また、フットドア29がフット
開口部26をそれぞれ全閉する。また、デフロスタドア
31がデフロスタ開口部28を全開する。また、冷風バ
イパスドア33は、最大暖房時には冷風バイパス通路3
2の全閉位置に操作される。
【0043】従って、最大暖房時には、送風機ユニット
10からの送風空気が全量ヒータコア23のコア部23
cを通過して加熱され、温風となる。この温風は、デフ
ロスタ開口部28を通して窓ガラス内面のみに吹き出し
て、窓ガラスの曇り止めを行う。これに対し、温度制御
領域では、冷風バイパスドア33を中間開度位置または
全開位置に操作する。なお、デフロスタ開口部28に接
続されるデフロスタダクトの長さが長いので、このデフ
ロスタダクト内部で冷風、温風が十分混合されるので、
デフロスタ吹出モードではヒータコア23の吹出空気の
温度ばらつきが問題となることはない。 (4)フェイス吹出モード フェイス吹出モードにおいては、フェイスドア30がフ
ェイス開口部27を全開し、デフロスタドア31がデフ
ロスタ開口部28を、またフットドア29がフット開口
部26をそれぞれ全閉する。そして、空調装置の冷凍サ
イクルを運転すると、送風機ユニット10からの送風空
気は蒸発器22により冷却、除湿されて冷風となる。
【0044】ここで、冷房始動時のごとく最大冷房状態
が設定されているときは、温水弁25が全閉されてヒー
タコア23への温水循環が遮断され、ヒータコア23の
加熱作用を停止する。これと同時に、冷風バイパスドア
33は、冷風バイパス通路32の全開位置に操作され
る。従って、蒸発器22により冷却された冷風はヒータ
コア23と冷風バイパス通路32の両方を通過した後
に、フェイス開口部27を経て車室内乗員の頭部側へ吹
き出す。
【0045】最大冷房時には、冷風バイパス通路32の
全開により空調ケース21内の通風抵抗(圧損)が低下
して冷風の風量を増加できるので、最大冷房能力を増加
できる。次に、車室内温度の低下により冷房負荷が低下
すると、吹出空気温度制御のため、最大冷房状態から温
度制御領域に移行する。すると、温水弁25は車室内へ
の目標吹出空気温度に対応した所定の中間開度位置に操
作される。また、冷風バイパスドア33も温水弁25の
中間開度位置に対応した中間開度位置に操作される。こ
れにより、蒸発器22からの冷風がヒータコア23を通
過して加熱されると同時に、冷風バイパス通路32を通
過して流れる。
【0046】温水弁25が中間開度位置に操作される温
度制御領域では、ヒータコア23への循環温水流量が少
流量に制限されるため、ヒータコア23において温水入
口側部位に比して温水出口側部位の温水温度が大幅に低
下する。そのため、ヒータコア23の吹出空気温度も温
水入口側部位に比して温水出口側部位では大幅に低下す
る。
【0047】しかし、前述のフット吹出モード時と同様
に、温度制御領域では、冷風バイパスドア33により冷
風バイパス通路32を所定開度開くから、ヒータコア2
3の温水入口側部位を通過した高温の温風に冷風バイ
パス通路32を通過した冷風が混合される。従って、
前述したように高温の温風と低温の温風との混合、
および、高温の温風と冷風との混合を2箇所で行う
ことにより、冷温風の混合性を向上して、フェイス開口
部27からの吹出空気温度分布の均一化を図ることがで
きる。 (5)バイレベル吹出モード バイレベル吹出モードにおいては、フェイスドア30が
フェイス開口部27を全開するとともに、フットドア2
9がフット開口部26を全開する。デフロスタドア31
はデフロスタ開口部28を全閉する。従って、フェイス
開口部27とフット開口部26を通して、車室の上下両
方から同時に風を吹き出すことができる。
【0048】バイレベル吹出モードは通常、春秋の中間
シーズンで使用されるので、温水弁25は車室内への目
標吹出空気温度に対応した所定の中間開度位置に操作さ
れる。また、冷風バイパスドア33も温水弁25の中間
開度位置に対応した中間開度位置に操作される。これに
より、蒸発器22からの冷風がヒータコア23を通過し
て加熱されると同時に、冷風バイパス通路32を通過し
て流れる。
【0049】そのため、ヒータコア23の温水入口側部
位を通過した高温の温風に冷風バイパス通路32を通
過した冷風が混合される。その結果、フェイス開口部
27には、高温の温風と冷風バイパス通路32を通過
した冷風とを混合した風が流れ、フット開口部26に
は、ヒータコア23の温水入口側を通過した高温の温風
と、ヒータコア23の温水出口側を通過した低温の温
風とを混合した風が流れる。
【0050】このとき、冷風バイパスドア33による冷
風バイパス通路32の開度、温風のフェイス開口部2
7への流入割合等を適切に設定することにより、フット
開口部26からの吹出温度に比してフェイス開口部27
からの吹出温度を低くすることができる。ここで、バイ
レベル吹出モードにおいて、冷風バイパスドア33の開
度を乗員の設定信号に基づいて調整することにより、フ
ェイス開口部27への冷風の流入割合を調整して、上
下の吹出空気温度を独立に調整することができる。
【0051】次に、本発明による効果を実験データに基
づいて説明すると、実験条件はヒータコア23の温水入
口温度=88°C、吸込空気温度=5°C、送風機ユニ
ット10の風速=中速(Me設定)である。図3は図1
の空調装置のフット吹出モードにおいて、冷風バイパス
ドア33を冷風バイパス通路32の全閉位置に維持した
場合における、フット開口部26およびデフロスタ開口
部28からの吹出温度と、温水弁開度との関係を示す実
験データであり、この場合はフット吹出温度よりもデフ
ロスタ吹出温度の方が高くなり、頭寒足熱と逆の温度分
布となり、空調フィーリングが悪い。
【0052】これに対し、図4は図1の空調装置のフッ
ト吹出モードにおいて、温水弁開度=100(%)の最
大暖房時以外では、冷風バイパスドア33を中間開度位
置に開くようにした本発明の効果を示すものである。冷
風バイパスドア33を図4中のAで示す中間開度位置に
開くことにより、温水弁開度=20〜80%の広範囲に
わたって、8°程度の適切な上下温度差(フット吹出温
度>デフロスタ吹出温度)を得ることができる。
【0053】次に、図5は図1の空調装置のフェイス吹
出モードにおいて、冷風バイパスドア33を冷風バイパ
ス通路32の全閉位置に維持した場合における、フェイ
ス吹出温度と、温水弁開度との関係を示す実験データで
ある。ここで、フェイス吹出温度は、複数のセンターフ
ェイス吹出口および複数のサイドフェイス吹出口から吹
き出す空気温度のうち、最低温度と最高温度を示してい
るので、各温水弁開度におけるフェイス吹出温度の温度
ばらつきを示していることにもなる。
【0054】例えば、図5の実験データによると、温水
弁開度=20%の温度制御領域において、9°Cの比較
的大きな温度ばらつきが発生している。これに対し、図
6は本発明によるもので、図1の空調装置のフェイス吹
出モードにおいて、温水弁開度=0%の最大冷房時に冷
風バイパスドア33を全開(開度=100%)し、温水
弁開度=50%で冷風バイパスドア33を全閉(開度=
0%)し、そして、この温水弁開度=0〜50%の間の
中間温度制御領域で、冷風バイパスドア33を図6中の
Bで示す中間開度位置に開くことにより、フェイス吹出
温度の温度ばらつきを良好に低減できる。具体的には、
温水弁開度=20%の温度制御領域において、温度ばら
つきを6.5°Cに低減できる。
【0055】次に、図7、図8はバイレベル吹出モード
における上下の吹出温度と冷風バイパスドア開度との関
係を示す実験データであり、いずれも、温水弁開度=5
0%に固定している。図7は本発明の比較例として、図
1の空調装置においてヒータコア23の温水出入口を逆
転させた場合(すなわち、フット開口部26側に温水入
口側タンク23aを配置し、冷風バイパス通路32側に
温水出口側タンク23bを配置した場合)における上下
の吹出温度を示している。
【0056】図7から分かるように、比較例の場合に
は、上下の吹出温度差が19〜34°Cという過大な温
度差(フェイス吹出温度の過剰低下)が発生して、空調
フィーリングが悪化する。これに対し、図8は本発明に
よるもので、冷風バイパスドア33の開度=30〜10
0%の範囲において、7°C〜22°C程度の上下温度
差を設定でき、実用上、空調フィーリングの点から好ま
しい温度差を得ることができる。
【0057】また、図8の実験データから理解されるよ
うに、冷風バイパスドア33の開度調整によりバイレベ
ル吹出モードにおける上下の吹出温度を独立に調整する
ことができる。 (第2実施形態)図9は本発明の第2実施形態における
空調装置通風系の概要を示すもので、第1実施形態との
主な相違点は、送風機ユニット10、空調ユニット2
0、各開口部26、27、28、ヒータコア23等の位
置関係と、吹出モード切替用のドア手段をフィルムドア
方式に変更した点である。
【0058】まず、空調ユニット20は、第1実施形態
と同じく計器盤下方で車両左右方向の略中心部に配置さ
れ、送風機ユニット(図示せず)は、空調ユニット20
の側方(助手席側)にオフセット配置するレイアウトと
している。空調ケース21の上面部には、車両後方側か
ら車両前方側に向かって順に、フェイス開口部27、デ
フロスタ開口部28、フット開口部26が開口してい
る。このフット開口部26は、空調ケース21とは別体
のダクト40に連通し、このダクト40の端部のフット
吹出口41が車室内の乗員足元に開口している。また、
フェイス開口部27は冷風バイパス通路32の上方に配
置されている。
【0059】一方向流れタイプのヒータコア23は、空
調ケース21内において車両前方側に寄せて配置されて
おり、温水出口側タンク23bが空調ケース21の内壁
に接して、この温水出口側タンク23bがフット開口部
26の下方に位置している。一方、温水入口側タンク2
3aは、フェイス開口部27およびデフロスタ開口部2
8の下方に位置している。
【0060】冷風バイパス通路32は、温水入口側タン
ク23aと空調ケース21の車両後方側内壁との間に形
成されている。この冷風バイパス通路32を開閉する冷
風バイパスドア33は、中間部を回転軸33aにて回動
自在に支持された板状のドアである。吹出モード切替用
のドア手段は、次のように構成されている。
【0061】空調ケース21内には、駆動軸50と従動
軸51が空調ケース21に対して回転自在に支持されて
いる。これらの軸50、51には、可撓性部材(具体的
には、ポリエチレン樹脂のように可撓性、強度に優れた
樹脂製フィルム)よりなるフィルムドア52の両端が連
結され、巻回されている。駆動軸50と従動軸51の中
間部位にはガイド軸53が配置されており、このガイド
軸53は、空調ケース21の内壁面に沿ってフィルムド
ア52を屈曲させてフィルムドア52の移動をガイドす
る。
【0062】駆動軸50と従動軸51にはそれぞれプー
リー(図示せず)が連結され、この両プーリーにワイヤ
ー(図示せず)の両端が巻架されている。そして、駆動
軸50がサーボモータ(図示せず)にてフィルムドア5
2を巻き取る方向に回転すると、駆動軸50がフィルム
ドア52を巻き取り、逆に、駆動軸50がフィルムドア
52を送りだす方向に回転すると、駆動軸50の回転が
上記両プーリーおよびワイヤーを介して従動軸51に伝
わり、従動軸51がフィルムドア52を巻き取る方向に
回転する構成となっている。
【0063】フィルムドア52には、空気を通過させる
ための開口部(図示せず)が形成されており、サーボモ
ータにより駆動軸50を正逆両方向に回転させてフィル
ムドア52の開口部を任意の位置で停止させることによ
って、フィルムドア52の開口部と空調ケース21に形
成した各開口部26〜28との連通、遮断が切り換えら
れ、吹出モードが切り換えられる。
【0064】この第2実施形態においても、ヒータコア
23は一方向流れタイプであるため、ヒータコア23で
加熱された空気の温度は、温水出口側タンク23bより
も温水入口側タンク23aに近い方が高くなる。そし
て、温水出口側タンク23bがフット開口部26側に位
置し、温水入口側タンク23aがフェイス開口部27お
よびデフロスタ開口部28側に位置しているため、冷風
バイパスドア33で冷風バイパス通路32を全閉した状
態では、第1実施形態と同様にフット吹出温度よりもデ
フロスタ吹出温度やフェイス吹出温度の方が高くなる。
【0065】そこで、第1実施形態と同様に、吹出モー
ドや温水弁25の開度位置に関連して、冷風バイパスド
ア33の開度位置を制御することにより、フット吹出モ
ード、フットデフロスタ吹出モードおよびバイレベル吹
出モード時に、フット吹出温度よりもデフロスタ吹出温
度やフェイス吹出温度の方を低くすることができる。な
お、第2実施形態においては、フェイス開口部27およ
び冷風バイパス通路32が、空調ケース21内において
共に車両後方側に位置して近接し、かつフェイス開口部
27が冷風バイパス通路32のほぼ真上に位置している
ため、冷風バイパス通路32の冷風がその上方のフェイ
ス開口部27に向けて直線的に流れる。従って、冷風バ
イパス通路32からフェイス開口部27に至る間の通風
抵抗が著しく小さくなり、冷風バイパス通路32が全開
となるフェイス吹出モードの最大冷房時に、冷風の風量
がより一層増加し、最大冷房能力をさらに増加できる。
【0066】また、吹出モード切替用のドア手段をフィ
ルムドア方式にしているため、空調ケース21の車両上
下方向の寸法を短くすることができる。 (第3実施形態)図10は本発明の第3実施形態におけ
る空調装置通風系の概要を示すもので、第2実施形態と
の相違点は、吹出モード切替用のフィルムドアを、板ド
アに変更した点である。
【0067】図10において、フットドア29は端部の
回転軸29aを支点に回動する平板状のドアで、フェイ
スドア30およびデフロスタドア31は、中間部に回転
軸30a,31aを有するバタフライドアである。 (他の実施形態)なお、上記の実施形態では、ヒータコ
ア23(暖房用熱交換器)に循環する温水の流量を制御
する温水弁25として、弁開度を連続的に調整するタイ
プのものについて説明したが、温水弁25を電磁的に開
閉を繰り返すタイプのものとして、温水弁25の開弁時
間と閉弁時間との時間比率(デューティ比)を制御する
ことにより、温水流量を制御するタイプのものを使用し
てもよい。
【0068】また、上記の実施形態では、温水弁25
と、冷風バイパスドア33をそれぞれサーボモータを用
いたアクチェータ機構により独立に操作する場合につい
て説明したが、温水弁25と冷風バイパスドア33を適
宜のリンク機構等を用いて連結し、温水弁25の操作に
連動して冷風バイパスドア33を開閉することもでき
る。この場合、空調操作パネルに設けられたマニュアル
式の温度調整部材の手動操作により、温水弁25と冷風
バイパスドア33を連動操作するようにしてもよい。
【0069】さらに、上記の実施形態では、送風機ユニ
ット10と空調ユニット20を計器盤近傍に配置する空
調装置の例を示したが、本発明は、送風機ユニットと空
調ユニットを車両後席周辺に配置して後席の空調を行う
空調装置にも適用可能で、この場合はデフロスタ開口部
28およびデフロスタドア31が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の通風系の全体構成を示
す概略断面図である。
【図2】第1実施形態における温水回路図である。
【図3】フット吹出モードにおける温水弁開度と吹出空
気温度の実験結果を示すグラフである。
【図4】フット吹出モードにおける温水弁開度と吹出空
気温度の実験結果を示すグラフである。
【図5】フェイス吹出モードにおける温水弁開度と吹出
空気温度の実験結果を示すグラフである。
【図6】フェイス吹出モードにおける温水弁開度と吹出
空気温度の実験結果を示すグラフである。
【図7】バイレベル吹出モードにおける冷風バイパスド
ア開度と吹出空気温度の実験結果を示すグラフである。
【図8】バイレベル吹出モードにおける冷風バイパスド
ア開度と吹出空気温度の実験結果を示すグラフである。
【図9】本発明の第2実施形態の通風系の全体構成を示
す概略断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の通風系の全体構成を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
10…送風機ユニット、12…ファン、20…空調ユニ
ット、21…空調ケース、22…蒸発器、23…ヒータ
コア、23a…温水入口タンク、23b…温水出口タン
ク、25…温水弁、26…フット開口部、27…フェイ
ス開口部、28…デフロスタ開口部、29…フットド
ア、30…フェイスドア、31…デフロスタドア、32
…冷風バイパス通路、33…冷風バイパスドア。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調空気が流れる空気通路を形成する空
    調ケース(21)と、 この空調ケース(21)内に配置され、空調空気を加熱
    する暖房用熱交換器(23)と、 この暖房用熱交換器(23)に循環する温水流量を制御
    する温水弁(25)と、 前記暖房用熱交換器(23)を通過して温度制御された
    空調空気を車室内乗員の足元に向けて吹き出すフット開
    口部(26)と、 前記温度制御された空調空気を車室内乗員の頭部に向け
    て吹き出すフェイス開口部(27)とを備え、 前記暖房用熱交換器(23)は、温水入口側から温水出
    口側に向かって全部のチューブを一方向のみに温水が流
    れる一方向流れタイプであり、 前記空調ケース(21)内において、前記暖房用熱交換
    器(23)の温水入口側の部位を前記フェイス開口部
    (27)側に配置するとともに、前記暖房用熱交換器
    (23)の温水出口側の部位を前記フット開口部(2
    6)側に配置し、 前記暖房用熱交換器(23)をバイパスして空調空気が
    流れる冷風バイパス通路(32)を前記暖房用熱交換器
    (23)の温水入口側に配置し、 さらに、この冷風バイパス通路(32)を開閉する冷風
    バイパスドア(33)を具備することを特徴とする車両
    用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記温度制御された空調空気を車両窓ガ
    ラス内面に向けて吹き出すデフロスタ開口部(28)を
    備え、このデフロスタ開口部(28)を前記暖房用熱交
    換器(23)の温水入口側に配置したことを特徴とする
    請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記暖房用熱交換器(23)の前記温水
    出口側および前記フット開口部(26)を前記空調ケー
    ス(21)の下方側に配置し、 前記暖房用熱交換器(23)の前記温水入口側、前記フ
    ェイス開口部(27)および前記冷風バイパス通路(3
    2)を前記空調ケース(21)の上方側に配置したこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装
    置。
  4. 【請求項4】 前記フット開口部(26)および前記デ
    フロスタ開口部(28)の両方から空調空気を吹き出す
    吹出モードにおいて、前記温水弁(25)が最大暖房状
    態にあるとき、前記冷風バイパスドア(33)は全閉位
    置に操作され、 前記温水弁(25)が最大暖房状態から温度制御領域に
    操作されると、前記冷風バイパスドア(33)が前記冷
    風バイパス通路(32)を所定量開く中間開度位置に操
    作されることを特徴とする請求項2または3に記載の車
    両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記フェイス開口部(27)から空調空
    気を吹き出すフェイス吹出モードにおいて、前記温水弁
    (25)が最大冷房状態にあるとき、前記冷風バイパス
    ドア(33)は全開位置に操作され、 前記温水弁(25)が最大冷房状態から温度制御領域に
    操作されると、前記冷風バイパスドア(33)が前記冷
    風バイパス通路(32)を所定量開く中間開度位置に操
    作されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1つに記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記フット開口部(26)および前記フ
    ェイス開口部(27)の両方から空調空気を吹き出すバ
    イレベル吹出モードにおいて、前記温水弁(25)が最
    大暖房状態と最大冷房状態との間の温度制御領域に操作
    されるとともに、前記冷風バイパスドア(33)が前記
    冷風バイパス通路(32)を所定量開く中間開度位置に
    操作されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1つに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記空調ケース(21)内において、前
    記暖房用熱交換器(23)を車両前方側に配置すると共
    に、前記冷風バイパス通路(32)を車両後方側に配置
    し、 前記フェイス開口部(27)を、前記フット開口部(2
    6)よりも車両後方側で、かつ前記冷風バイパス通路
    (32)の上方に配置したことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の車両用空調装置。
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