JPH11213911A - 電子銃構体および電子管 - Google Patents

電子銃構体および電子管

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JPH11213911A
JPH11213911A JP1402098A JP1402098A JPH11213911A JP H11213911 A JPH11213911 A JP H11213911A JP 1402098 A JP1402098 A JP 1402098A JP 1402098 A JP1402098 A JP 1402098A JP H11213911 A JPH11213911 A JP H11213911A
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JP
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layer
electron
electron gun
insulating support
conductor layer
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JP1402098A
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Nobuhiro Nagamachi
信宏 長町
Kenji Takahashi
憲治 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子放射による絶縁破壊を抑えて高
く製造コストが低廉な電圧分割用抵抗素子を備えた信頼
性に優れた電子銃構体を提供することを課題とする。 【解決手段】陰極構体21と、複数の陽極電極12と、
これら複数の陽極電極を支持し、且つ表面に抵抗体層1
6およびこの抵抗体層16に接続する導電体層17が形
成された絶縁支持体14とを具備し、前記陽極電極12
のうち所定の陽極電極が前記絶縁支持体14の導電体層
17に電気的に接続されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子銃構体およびこ
の電子銃構体を用いた電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウウン管に用いられる電子銃
構体は、近年その画質向上のために使用電圧が高くなっ
ており、またディスプレー管では管内放電によるスパー
ク電流による放電ノイズにより回路素子の破損が発生す
ることがある。
【0003】このため、実開昭56−67653号など
に示されるように放電防止や画質改善を図るためにカラ
ーブラウウン管やディスプレー管の内部に電子銃ととも
に分圧用の抵抗器を電子管用抵抗器として組み込み、こ
の抵抗器によって陽極電圧を分圧して夫々の電極に高電
圧を供給する方式が採用されている。
【0004】この電子管内蔵の電圧分割用抵抗器は、図
9に示すようにセラミックスからなる絶縁基板1の表面
には抵抗体層2および導電体層3が印刷により形成さ
れ、さらに電子管使用電圧の30〜32%KvDCに耐えら
れるように絶縁基板1の表面全体を覆うガラスコーテン
ィグ層4が形成されている。また、絶縁基板1の表面に
は抵抗体層2および導電体層3を外部回路と接続するた
めに金属板からなる電極端子5が取り付けられている。
【0005】すなわち、セラミックスはガラスと比較し
二次電子放出比が大きく、これが原因で使用中にグロー
放電(スパーク)を起こし、耐圧問題を引き起こすこと
がある。そこで、従来では絶縁基板1における抵抗体層
2および導電体層3を形成した表面にガラスを塗布して
コーテンィグ層4を形成してその二次電子の放出を抑え
ている。そして、この電圧分割用抵抗器は電子銃構体に
取り付けられ、さらに真空外囲器の内部にこの電子銃構
体を内蔵した電子管を製造している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の電
圧分割用抵抗器を用いた電子銃構体および電子管には次
の述べる問題がある。まず、電圧分割用抵抗器を製造す
る上では次に述べる問題がある。電圧分割用抵抗器を製
造する時に、絶縁基板1の表面全体にガラスを塗布する
作業は、基板1の表面に少しでも露出部が残ると絶縁破
壊による信頼性が大幅に低下するために、基板表面全体
にもれなくガラスを塗布するので非常に大変な作業であ
る。しかも、この作業は自動化が困難であり、電子銃構
体を製作する上でコスト低減の大きな壁となっていた。
【0007】また、電極端子5は金属板を加工して形成
しているが、この加工時に電極端子5に発生する「ば
り」や破断面は非常に電子の放射が容易に生じる。この
ため、電極端子5における「ばり」や破断面を無くすた
めに化研により仕上げを行い、あるいは電極端子5にオ
ーバーコート層を形成するなどの対策する実施してお
り、この点でも電子銃構体を製作する上でコスト高とな
っている。
【0008】また、電圧分割用抵抗器を取り付けた電子
銃構体を組込んだ電子管を製造する上で次に述べる問題
がある。電子管を製造する工程では.真空外囲器の耐圧
特性を向上させるために高電圧による耐圧処理が行われ
る。この耐圧処理では、二次電子放出比の大きいセラミ
ックからなる絶縁基板の露出部分からの放電が徐々に大
きくなり、最終的にはスパークに発展して、絶縁基板に
形成した抵抗体層、ガラスコーティング層および絶縁基
板の絶縁破壊が発生する。この場合、抵抗体の破壊が原
因で電子銃構体の分割比が変化しフォーカス不良を発生
し、またガラスコーティング層や絶縁基板の絶縁破壊に
より発生した遊離粒子が電子管に設けたシャドウマスク
ヘ付着して孔詰り不良が発生するという欠点がある。
【0009】さらに、電子管の動作中にも状況によって
は絶縁基板の露出部分から徐々に放電が大きくなり、最
終的にはスパークに発展し、耐圧処理工程と同様に電子
銃構体のフォーカス不良や孔詰り不良が生じる。
【0010】本発明は、電子放射による絶縁破壊を抑え
て製造コストが低廉な電圧分割用抵抗素子を備えた信頼
性に優れた電子銃構体を提供することを課題とする。ま
た、本発明は製造行程中や使用中に放電による絶縁破壊
を生じることがない電子銃構体を搭載した電子管を提供
することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電子銃
構体は、陰極構体と、複数の陽極電極と、これら複数の
陽極電極を支持し、且つ表面に抵抗体層およびこの抵抗
体層に接続する導電体層が形成された絶縁支持体とを具
備し、前記陽極電極のうち所定の陽極電極が前記絶縁支
持体の導電体層に電気的に接続されていることを特徴と
する。
【0012】この構成によれば、高価な電子放射発生抑
制処理を施すことなく、電子放射発生を抑えて電圧分割
用抵抗素子の絶縁破壊を抑制し、且つ小型化を図ること
ができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載の電子
銃構体において、前記抵抗体層は前記絶縁支持体の一方
の面に形成され、前記導電体層は前記絶縁支持体の一方
の面で前記抵抗体層に接続されるとともに前記一方の面
からこれとは反対側の他方の面にわたって形成され、且
つ前記所定の電極は前記抵抗体層の他方の面で前記導電
体層に接続されていることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、絶縁支持体に設けた抵
抗体層に陽極電極に簡素な構成で接続することができ
る。請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電子
銃構体において、前記抵抗体層および前記導電体層はル
テニウム酸鉛を含んだ鉛ガラスからなることを特徴とす
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項1または2に記
載の電子銃構体において、前記導電体層は耐酸化性金属
または貴金属からなることを特徴とする。請求項3およ
び請求項4の発明によれば、抵抗体層および導電体層を
適切な材料で形成することができる。
【0016】請求項5の発明の電子管は、パネル部を有
する真空外囲器と、この真空外囲器の前記パネル部の内
面に設けられた蛍光体層と、前記真空外囲器の内部で前
記パネル部に対向して配置された請求項1または2に記
載の電子銃構体と、前記真空外囲器の内部で前記蛍光体
層と前記電子銃構体との間に配置されたシャドウマスク
とを具備することを特徴とする。この構成によれば、電
子管製造工程および電子管使用中における電子放射発生
を抑えて電圧分割用抵抗素子の絶縁破壊を抑制すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本願発明の一実施の形態について
図面を参照して説明する。本願発明の電子銃構体につい
て図1ないし図6について説明する。図1(a)(b)
は本願発明の電子銃構体を示す図である。図1において
11は陰極構体、12は陽極電極、13はコンバージェ
ンス電極である。これら陰極構体11、陽極電極12お
よびコンバージェンス電極13は夫々同一軸線上に位置
するように並べて配置されている。これら陰極構体1
1、12およびコンバージェンス電極13は、従来から
公知のものが用いられている。
【0018】図中14、15は一対の絶縁支持体で、こ
れは電子銃構体に従来から用いられてきたものである。
すなわち、絶縁支持体14、15は陰極構体11、12
およびコンバージェンス電極13が並ぶ長さに対応する
横長の板形をななすもので、絶縁材料、例えばアルミナ
などにより形成されている。そして、この一対の絶縁支
持体は、夫々一方の面が陰極構体11、陽極電極12お
よびコンバージェンス電極13の列の対向する両側にお
いて、一方の面が電極に面するようにして電極が並ぶ方
向に沿って配置されている。一対の絶縁支持体14、1
5に挟まれた各電極は従来から行われている適宜な手段
により一対の絶縁支持体14、15に夫々取り付けられ
ている。
【0019】図2ないし図5は絶縁支持体において抵抗
体層および導電体層を形成した部分を示す図である。一
対の絶縁支持体14、15のうち一方の絶縁支持体14
における陽極電極12およびコンバージェンス電極13
に面しない側の一方の面14a(外面)には、図2ない
し図5に示すよう所定パターンをなす抵抗体層16と、
この抵抗体層16と接続する所定パターンをなす例えば
2個の導電体層17が形成されている。これら抵抗体層
16および導電体層17は陽極電圧を分圧し陽極電極1
2のうち所定の電極へ電圧を供給するためのもので、各
電極を形成する数およびパターンは前記の陽極電圧を分
圧し供給する仕様によって決定される。なお、各導電体
層17は陽極電極12のうち電圧を供給する電極、例え
ば陽極電極12A、12Bに対応して形成されている。
【0020】そして、図2ないし図5に示すように絶縁
支持体14における陽極電極12およびコンバージェン
ス電極13に面しない側の一方の面14a(外面)に形
成された各導電体層17の一部は、一方の面14a(外
面)から絶縁支持体14の縁部を経て面14a(外面)
とは反対側の面である陽極電極12およびコンバージェ
ンス電極13に面する側の他方の面14b(内面)にわ
たって延伸して形成されている。このため、絶縁支持体
14の他方の面14b(内面)には一方の面14a(外
面)の各導電体層17に夫々対向する位置に延伸部17
aが形成される。各導電体層17における電極に面する
側の他方の面14b(内面)に形成された延伸部17a
の大きさは、電圧を供給する陽極電極12A、12Bの
端子が貫通して絶縁支持体14に挿入できる大きさであ
る。
【0021】また、図3ないし図5に示すように陽極電
極12A、12Bは夫々端子18を有しており、これら
の端子18は絶縁支持体14における面14b(内面)
に向けて突出している。また、絶縁支持体14には他方
の面14b(内面)で開口する孔19が各延伸部17a
に対向して形成されている。そして、陽極電極12A、
12Bの各端子18は、絶縁支持体14の面14b(内
面)に形成されている各導電体層17の延伸部17aを
貫通して絶縁支持体14bに形成した孔18に挿入され
ている。これにより陽極電極12A、12Bの一部は、
導電体層17の延伸部17aと電気的に接続されてい
る。従って、導電体層17と陽極電極12A、12Bと
が電気的に接続されて陽極電極12A、12Bへ電圧を
供給することができる。
【0022】このように構成した電子銃構体を製造する
方法について説明する。まず、第一の製造方法について
図6を参照して説明する。有機フィルム21の一面に所
定パターンの抵抗体層16および導電体層17を印刷法
により形成する。この有機フィルム21は、抵抗体層1
6および導電体層17が印刷されていない側の面には薄
く糊が塗布されており、この糊の粘着力で有機フィルム
21を絶縁支持体14の面14aから面14bにわたっ
て貼り付ける。この際、有機フィルム21と絶縁支持体
14との間に空気泡が残ると、抵抗値不良や断線などの
不良事故が発生するるために注意して行う必要がある。
【0023】なお、抵抗体層16と導電体層17はルテ
ニュウム酸鉛を含んだ鉛ガラスの印刷用ペーストを用い
て形成しており、抵抗体層16は10MΩ/□、導電体
層17は1kΩ/□のものを使用して、抵抗値が70±
25MΩとなるようにパターンの設計を行っている。
【0024】次いで、所定の陽極電極を絶縁支持体14
の面14aにおける導電体層17を貫いて絶縁支持体1
4に埋込む。その後、バーナにより絶縁支持体14を焼
込む。この絶縁支持体14の焼込みは、例えば抵抗体層
配置側の面14aを800℃、陽極電極12の電極18
を埋込む側の面14bを1200℃の温度に夫々なるよ
うにバーナの条件を調整した。この焼付けにより絶縁支
持体14に貼り付けられた有機フィルム21を燃焼して
焼失し、印刷されていたルテニュウム酸鉛を含んだ鉛ガ
ラスでできた抵抗体層16および導電体層17は、この
時点で焼成されて絶縁支持体14に焼付けられる。
【0025】なお、抵抗体層16の焼付け温度は、抵抗
体層16の安定性から考えて800±30℃が適当であ
り、これより低いと電子管の製造工程の熱履歴により抵
抗値が変化し、また高いと抵抗値の低下が大きくなり、
電子管の製造工程で種々不都合が発生する。導電体層1
7の焼付け温度は、1200±50℃が適当であり、こ
れより低いと陽極電極の絶縁支持体14への埋め込みが
充分になり、高すぎると絶縁支持体14との反応を起こ
し抵抗が高くなる弊害が出てくる。すなわち、絶縁支持
体を製造する時に、抵抗体層16と導電体層17はバー
ナにより加熱すると、加熱条件によっては抵抗値が変化
するため、抵抗体層16と導電体層17を形成するため
のには適切な材料の選択と加熱条件を適正化することが
必要となる。従って、抵抗体層16と導電体層17を形
成する材料にルテニュウム酸鉛を含んだ鉛ガラスを用い
る場合の焼き温度を抵抗体層配置側を800±30℃に
調節し、陽極電極の一部を埋む込側の焼込み温度を12
00±50℃に加熱温度を調節する必要がある。
【0026】前述した実施の形態では、抵抗体層16お
よび導電体層17の絶縁支持体14への形成に有機フィ
ルム21を採用し、また抵抗体層16および導電体層1
7の焼成を絶縁支持体14を組立てる時に行っている。
しかし、抵抗体層16および導電体層17の絶縁支持体
14への形成を、フィルムを採用せずに、絶縁支持体1
4の表面へ印刷または塗布などの方法により直接成形し
ても良い。また、焼成は、抵抗値の安定化のために絶縁
支持体14の組立て前に焼成工程を入れても特に問題は
ない。また、前述した実施の形態では、焼成済みの絶縁
支持体14を使用したが、これに限定されずに絶縁支持
体14の仮焼成後に有機フィルムを張付け、絶縁支持体
14の焼成と同時に抵抗体層16および導電体層17の
焼成を行っても良い。
【0027】ここで、導電体層17を形成する材料とし
てニッケル系ペーストと白金系ペーストを用いた第二の
製造方法について説明する。前述の方法と同様に有機フ
ィルムに、ルテニュウム酸鉛を含んだ鉛ガラスペースト
により抵抗体層16を印刷し、ニッケル系ペーストと白
金系ペーストを用いて導電体層17を印刷する。絶縁支
持体14を組立てる工程において前記有機フィルムを焼
成して、絶縁支持体14に陽極電極12の端子18を埋
込む作業を行う。
【0028】ニッケル系ペーストで導電体層17を形成
した場合には、絶縁支持体14の組立て工程における焼
成時に導電体層17は表面酸化を起こすが、端子の埋め
込み時に表面の酸化膜が破壊されて、導電体層17内部
の金属部分と陽極電極との電気的接続が行われる。この
ため、特に電気的問題は発生せず高い信頼性を得ること
ができる。また、導電体層17の材料として白金系ペー
ストを用いた場合は、導電体層17に表面酸化が起きず
充分な信頼性を確保することかできる。
【0029】このようにこの実施の形態の電子銃構体
は、絶縁支持体上に抵抗体層を直接形成するために電子
銃構体の外径は従来に比べ大幅に小さくすることができ
る。具体的には、直径で3mmないし4mmほど小さくで
き、後述するように真空外囲器のネック部内壁からの距
離が大きくなるため電子管の耐圧特性は大幅に向上ず
る。特に細ネックタイプの電子管には有効である。この
実施の形態では、ガラスからなる絶縁支持体14に印刷
法などにより抵抗体層16および導電体層17を直接設
けるため、従来のようにセラミックスからなる絶縁基板
からの二次電子が放出する問題、金属からなる部品にお
ける「ばり」や破断面などから電子が放射するという問
題を回避することができる。このことからこの実施の形
態では、二次電子放出を抑制するために面倒でコストが
かかる処理を施す必要がない。また、絶縁支持体14の
組立て時に、抵抗体層16および導電体層17を形成す
るペーストの焼成を行い、さらに絶縁支持体14への電
極の埋め込みも同時に行われるために大幅な工程省略が
できる。、従来より大幅に安価な電子銃構体を得ること
ができる。
【0030】なお、従来における抵抗体層の取付けは、
抵抗体層のタブを電子銃構体の所定位置にレーザ溶接な
どで固着し、抵抗体層の固定と電気的導通を得るように
しているが、必要によっては固定専用部材で固定してい
る。従って、従来における抵抗体層の取付けは大変面倒
である。
【0031】このような電子銃構体は陰極線管電子管の
内部に設けてこの電子管を構成するために用いられる。
図7は本願発明にかかわる陰極線管電子管の一例を示す
概略的断面図である。図7において、31は矩形状のパ
ネル部32と漏斗形のファンネル部33とネック部34
を有するガラス製の真空外囲器である。真空外囲器31
のパネル部32の内面には赤、緑および青に夫々発光す
る蛍光体層34がストライブ形に形成されており、ネッ
ク部34には赤、緑、青に対応する電子ビームRを発す
るインライン型電子銃36が設けられている。電子銃3
6は本発明が対象とするものである。ファンネル部33
には蛍光体層34に対向した位置には、多数の細孔を有
するシャドウマスク37がマスクフレーム38に取付け
て設けてある。図中39は電子銃36から発せられた電
子ビームを偏向走査する偏向装置である。
【0032】この電子管では、製造工程において耐圧処
理を行う場合に、電子銃構体から二次電子放出が発生す
ることがなく、この電子放出により電子銃構体における
抵抗体層の絶縁破壊が生じるこもとない。このため、
「電子銃構体の絶縁支持体における抵抗体層の破壊が原
因で電子銃構体の分割比が変化してフォーカス不良を発
生し、またガラスコーティング層や絶縁基板の絶縁破壊
により発生した遊離粒子が電子管に設けたシャドウマス
クヘ付着して孔詰り不良が発生する」という事態の発生
も防止できる。さらに、電子管の動作中に電子銃構体か
ら二次電子放出が発生することがなく、この電子放出に
より電子銃構体における抵抗体層の絶縁破壊が生じるこ
もとない。
【0033】図8は、前記のように製造した本発明の電
子管と比較例の電子管を夫々電子管をセットに組込んで
240時間のヒートランを実施した場合における、管内
スパーク発生回数を評価したことを示す線図である。こ
の線図によれば、本発明の電子管におけるスパーク発生
は従来の電子管におけるスパーク発生の約1/4に減少
したことが判る。
【0034】表1は、本発明の電子管と比較例の電子管
を夫々製造する工程における孔詰まり不良、フォーカス
不良率を評価したものである。この表によれば、本発明
の電子管を製造する工程における孔詰まり不良の発生
は、比較例の電子管を製造する工程における孔詰まり不
良の発生に比較して従来の約1/30に減少している。
本発明の電子管を製造する工程におけるフォーカス不良
の発生は、比較例の電子管を製造する工程の場合に比較
して約1/4に減少できることが判る。
【0035】
【表1】 なお、本発明は前述した実施の形態に限定されることが
なく、種々変形して実施することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明の電子銃構体によれば、
高価な電子放射発生抑制処理を施すことなく、電子放射
発生を抑えて電圧分割用抵抗素子の絶縁破壊を抑え、且
つ小型化を図ることができる。従って、経済的で信頼性
に富んだ電子銃構体を得ることができる。
【0037】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の電子銃構体において、絶縁支持体に設けた抵抗体層に
陽極電極に簡素な構成で接続することができる。請求項
3の発明によれば、請求項1または2に記載の電子銃構
体において、抵抗体層および導電体層を適切な材料で形
成することができる。
【0038】請求項4の発明によれば、請求項1または
2に記載の電子銃構体において、導電体層を適切な材料
で形成することができる。請求項5の発明の電子管によ
れば、電子管製造工程および電子管使用中における電子
放射発生を抑えて電圧分割用抵抗素子の絶縁破壊を抑制
することができる。従って、経済的で信頼性に富んだ電
子管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかわる一実施の形態の電子銃構体
を示す正面図。
【図2】同実施の形態の電子銃構体における絶縁支持体
の導電体層形成部を示す図。
【図3】同実施の形態の電子銃構体における絶縁支持体
の導電体層形成部を示す図。
【図4】同実施の形態の電子銃構体における絶縁支持体
の導電体層形成部を示す図。
【図5】同実施の形態の電子銃構体における絶縁支持体
の導電体層形成部を示す図。
【図6】同実施の形態の電子銃構体における絶縁支持体
に導電体層および抵抗体層を形成する方法を示す図。
【図7】本願発明の一実施の形態にかかわる電子管の概
略的構成を示す図。
【図8】電子管をセットに組込みヒートランを実施した
場合における管内スパーク発生回数を評価したことを示
す線図。
【図9】従来の電子銃構体を示す図。
【符号の説明】
11…陰極構体、 12…陽極電極、 14…絶縁支持体、 15…絶縁支持体、 16…抵抗体層、 17…導電体層、 17a…延伸部、 31…真空外囲器、 36…電子銃。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極構体と、複数の陽極電極と、これら
    複数の陽極電極を支持し、且つ表面に抵抗体層およびこ
    の抵抗体層に接続する導電体層が形成された絶縁支持体
    とを具備し、前記陽極電極のうち所定の陽極電極が前記
    絶縁支持体の導電体層に電気的に接続されていることを
    特徴とする電子銃構体。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体層は前記絶縁支持体の一方の
    面に形成され、前記導電体層は前記絶縁支持体の一方の
    面で前記抵抗体層に接続され形成されるとともに前記一
    方の面からこれとは反対側の他方の面にわたって形成さ
    れ、且つ前記所定の電極は前記抵抗体層の他方の面で前
    記導電体層に接続されていることを特徴とする請求項1
    に記載の電子銃構体。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体層および前記導電体層はルテ
    ニウム酸鉛を含んだ鉛ガラスからなることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子銃構体。
  4. 【請求項4】 前記導電体層は耐酸化性金属または貴金
    属からなることを特徴とする請求項1または2に記載の
    電子銃構体。
  5. 【請求項5】 パネル部を有する真空外囲器と、この真
    空外囲器の前記パネル部の内面に設けられた蛍光体層
    と、前記真空外囲器の内部で前記パネル部に対向して配
    置された請求項1または2に記載の電子銃構体と、前記
    真空外囲器の内部で前記蛍光体層と前記電子銃構体との
    間に配置されたシャドウマスクとを具備することを特徴
    とする電子管。
JP1402098A 1998-01-27 1998-01-27 電子銃構体および電子管 Pending JPH11213911A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100719085B1 (ko) * 2000-04-11 2007-05-17 엘지전자 주식회사 음극선관용 전자총

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