JP2007073247A - 電子銃構体及び陰極線管 - Google Patents

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敏春 樋口
Sadao Matsumoto
貞雄 松本
Yoshihisa Kaminaga
善久 神長
Takahiro Hasegawa
隆弘 長谷川
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Abstract

【課題】 耐圧処理時に、電子銃の複数の電極を固定する絶縁支持体と抵抗器の絶縁被覆との間の放電を抑制する。
【解決手段】 絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間の少なくとも一部に絶縁体25が充填されている。絶縁体は、絶縁支持体の長手方向において、高電圧供給端子22aとサプレッサリング26との間の30%以上の領域に充填されている。絶縁体の軟化点は350℃以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カラー受像管などの陰極線管に関する。また、本発明は、この陰極線管に内蔵される、抵抗器を備えた電子銃構体に関する。
一般にカラー受像管は、図4に示すように、フェースパネル1と、このフェースパネル1に接合された漏斗状のファンネル2からなる真空外囲器を有する。フェースパネル1の内面には、青、緑、赤の各色に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が形成されている。蛍光体スクリーン3に対向して、シャドウマスク4がフェースパネル1の内壁に保持されている。ファンネル2のネック5内には、3電子ビーム6を放出する電子銃7が配設されている。電子銃7から放出される3電子ビーム6は、ファンネル2の外側に装着された偏向装置8が発生する磁界により偏向され、蛍光体スクリーン3を水平方向及び垂直方向に走査することにより、カラー画像が表示される。図4において、Z軸は管軸を意味する。
電子銃7としては、各種構造のものがあるが、その一例を図5に示す。この電子銃7は、紙面に垂直な方向に一列配置された3個のカソードK、3個のカソードKをそれぞれ加熱する3個のヒータH、上記カソードK側から蛍光体スクリーン側に順に配置された第1〜第6グリッドG1〜G6、第5グリッドG5と第6グリッドG6との間に配置された2個の中間電極Gm1,Gm2、及び第6グリッドG6の蛍光体スクリーン側端に取り付けられたコンバーゼンス電極Cを有する。コンバーゼンス電極C以外の各電極は、互いに対向して略平行に配された一対の棒状の絶縁支持体10に保持され一体化されている。
この電子銃7では、順に配されたカソードK及び第1〜第3グリッドG1〜G3が電子ビーム形成部を構成し、第5グリッドG5、2個の中間電極Gm1,Gm2、及び第6グリッドG6が、電子ビーム形成部で形成された電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ部を構成する。
主レンズ部の最終電極である第6グリッド(最終加速電極)G6には、25〜30kVの高電圧が印加され、集束電極である第5グリッドG5には、第4グリッドG4および電子ビーム形成部を構成する電極に印加される電圧よりは高く、第6グリッドG6に印加される電圧よりは低い電圧が印加される。
一般に陰極線管の電子銃の各電極への電圧の印加は以下のようにして行われる。最終加速電極に印加される電圧は、ファンネル2の径大部に設けられた陽極端子12、ファンネル2の内面に塗布形成された内面導電膜13、内面導電性膜13に圧接されたバルブスペーサ14、及びバルブスペーサ14が取り付けられたコンバーゼンス電極Cを順に介して供給される。これ以外の電極に印加される電圧は、ネック5の端部を気密に封止するステム15を貫通するステムピン16を介して供給される(図4、図5参照)。
しかし、第5グリッドG5や2個の中間電極Gm1,Gm2に印加される比較的高い中電圧をステムピン16を介して供給すると、ステム15でのステムピン16の間隔が狭いため、ステム15およびステムピン16に接続されるソケットの耐電圧が問題となる。そのため、図5に示した電子銃7では、一対の絶縁支持体10のうちの一方の、電極とは反対側(ネック5の内面と対向する側)に抵抗器18を配置し、第6グリッドG6に印加されている高電圧をこの抵抗器18により分割して得た電圧を、第5グリッドG5および2個の中間電極Gm1,Gm2に供給している。
抵抗器18は、図6に示すように、アルミナセラミックからなる絶縁基板20と、絶縁基板20の一方の面に蛇行状に形成された高抵抗の抵抗素子21と、抵抗素子21に接続されて絶縁基板20の一方の面に形成された低抵抗の複数個の端子22と、抵抗素子21及び絶縁基板20を覆う一定厚さのガラス絶縁被膜23と、各端子22に接続された金属タブ24とを含む。絶縁支持体10と対向する側のガラス絶縁被膜23の厚さは、耐電圧特性を高めるために50μm以上である。
さらに、図5に示すように、電子銃7が配設されているネック5の内壁の帯電電位を安定させる目的で、ネック5の内壁面の所定領域に導電膜25が形成される。導電膜25は、抵抗器18及び絶縁支持体10を跨いで第5グリッドG5に取り付けられたサプレッサリング26の材料を蒸着することにより形成される。
上記のような従来のカラー受像管は以下のような問題を有していた。すなわち、一般に高電圧が印加されるカラー受像管の製造では、耐電圧特性を良好にするため、真空外囲器の排気工程の終了後に、電子銃の電極に通常の動作電圧の2〜3倍程度のピーク電圧をもつパルス状の高電圧を印加して強制的に放電を起こさせ、その放電エネルギにより耐電圧低下の原因となる電極のバリや付着物などを取り除く耐電圧処理がおこなわれる。
この耐電圧処理の際、上記パルス状高電圧によって、図7に示すように、絶縁支持体10と抵抗器18を覆うガラス絶縁被膜23との間に電位差が生じ、これらの間に放電28が発生する。この放電28が発生した部分では、電子の衝突により温度が上昇し、ガス放出が起こる。このガス放出により局部的に真空度が劣化するので、さらに放電が継続される。耐電圧処理の際、サプレッサリング26は低電圧側に接続されるため、サプレッサリング26の近くまで抵抗器18が高電圧に帯電するようになると、抵抗器18の両面間に大きな電位差が生じる。この電位差が抵抗器18の絶縁破壊電圧を越えると、ガラス絶縁被膜23を貫通する絶縁破壊が起き、この絶縁破壊によりガラス絶縁被膜23が欠落して生じたガラス被膜片29の一部がシャドウマスク4の電子ビーム通過孔に付着して、画面品位を劣化させる。さらにこの異常放電によって抵抗器18の抵抗素子21の抵抗値が変化して、電極に抵抗器18を介して供給される電圧が変化し、フォーカス品位を悪化させる。
上記のような絶縁支持体10と抵抗器18との間の放電、抵抗器18のガラス絶縁被膜23の破壊、抵抗器18の抵抗素子21の抵抗値の変化を防止するため、各種提案がなされている。
特許文献1には、抵抗器の絶縁支持体に対向する側の絶縁被覆を、サプレッサリング近傍でその膜厚が厚く、かつこのサプレッサリング近傍と高電圧供給端子との間に膜厚の厚い凸部を有するように形成することが記載されている。特許文献1には、これにより、抵抗器と絶縁支持体と間の隙間が小さくなるので、放電を低減することができると記載されている。しかしながら、この構成では、抵抗器と絶縁支持体と間の隙間は小さいながらも残存しており、従って、放電路を完全に遮断することはできない。
特許文献2には、抵抗器の絶縁被膜の表面電位と抵抗素子の電位との間の電位差が大とされる部分で、抵抗器の絶縁被膜の厚さを他の部分に比して大きくすることが記載されている。特許文献2には、これにより、耐圧処理時の絶縁被膜の破壊を効果的に回避できると記載されている。しかしながら、上記特許文献1と同様に、この構成では、抵抗器と絶縁支持体と間の放電路を完全に遮断することはできない。
特許文献3には、絶縁被膜の表面を凹凸状にすることが記載されている。特許文献3には、凹凸状表面により絶縁被膜の表面距離が長くなるので、抵抗器表面の沿面放電を防止することができると記載されている。しかしながら、上記特許文献1と同様に、この構成では、抵抗器と絶縁支持体と間の放電路を完全に遮断することはできない。
特許文献4には、抵抗器を絶縁支持体(ビードガラス)に埋設固定することが記載されている。この構成では、抵抗器と絶縁支持体との間の隙間が完全に無くなるため、抵抗器と絶縁支持体と間の放電路は完全に遮断される。しかしながら、抵抗器を絶縁支持体に埋設するために、抵抗器を絶縁支持体の材料であるビードガラスが軟化する温度まで加熱しなければならない。この温度はビードガラスの種類により異なるが、一般的には1200℃程度である。一方、抵抗素子の焼成温度は850℃であり、両者の間には大差がある。抵抗素子の材料(酸化ルテニウムなど)の抵抗値はその焼成温度に非常に敏感であり、焼成温度が100℃変われば抵抗値は約1桁も変化する。したがって、特許文献4の構成では、抵抗器の抵抗値の公差(精度)を保証できない。
特開平8−315749号公報 特開昭60−107242号公報 特開昭61−147442号公報 特開昭61−171039号公報
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、耐圧処理時の、絶縁支持体と抵抗器の絶縁被覆との間の放電、絶縁破壊による絶縁被覆の欠落、及び抵抗素子の抵抗値の変化を抑制することにある。
本発明の電子銃構体は、複数のグリッド電極を保持するための棒状の絶縁支持体と、前記絶縁支持体に対して前記複数のグリッド電極とは反対側に、前記絶縁支持体と対向して配された抵抗器と、前記抵抗器に高電圧を供給する高電圧供給端子と、前記抵抗器及び前記絶縁支持体を跨いで前記複数のグリッド電極のうちの1つに取り付けられたサプレッサリングとを備える。前記絶縁支持体と前記抵抗器との間の隙間の少なくとも一部に絶縁体が充填されている。前記絶縁体は、前記絶縁支持体の長手方向において、前記高電圧供給端子と前記サプレッサリングとの間の30%以上の領域に充填されている。前記絶縁体の軟化点が350℃以下である。
本発明の陰極線管は、略矩形状のフェースパネルと、前記フェースパネルに接合された漏斗状のファンネルと、前記フェースパネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、前記蛍光体スクリーンに向かって電子ビームを放出する電子銃構体とを少なくとも備える。そして、前記電子銃構体が上記の本発明の電子銃構体である。
本発明によれば、絶縁支持体と抵抗器との間の隙間の少なくとも一部に絶縁体が充填されているので、絶縁体が充填された領域では放電経路を完全に遮断することができる。従って、耐圧処理時に絶縁支持体と抵抗器との間の放電を抑制することができる。よって、絶縁被覆の絶縁破壊による欠落、及び抵抗素子の抵抗値の変化を抑制することができる。
以下、本発明の陰極線管を、カラー受像管を例に図面を参照して説明する。
図3は本発明の一実施形態に係るカラー受像管の断面図である。このカラー受像管は、フェースパネル1と、このフェースパネル1に接合された漏斗状のファンネル2からなる真空外囲器を有する。フェースパネル1の内面には、青、緑、赤の各色に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が形成されている。蛍光体スクリーン3に対向して、シャドウマスク4がフェースパネル1の内壁に保持されている。ファンネル2のネック5内には、3電子ビーム6を放出する電子銃7及び抵抗器18が配設されている。ファンネル2の径大部31には陽極端子12が設けられている。径大部31からネック5の近傍に至るファンネル2の内面には、陽極端子12と電気的に接続された内面導電膜13が塗布形成されている。電子銃7から放出される3電子ビーム6は、ファンネル2の外側に装着された偏向装置8が発生する磁界により偏向され、蛍光体スクリーン3を水平方向及び垂直方向に走査することにより、カラー画像が表示される。図3において、Z軸は管軸を意味する。
図1は、電子銃7及び抵抗器18からなる電子銃構体の概略構成を示した斜視図である。電子銃7は、一列配置された3個のカソードK(図示せず)、3個のカソードKをそれぞれ加熱する3個のヒータH(図示せず)、上記カソードK側から蛍光体スクリーン側に順に配置された第1〜第6グリッドG1〜G6、Z軸方向に2分割された第5グリッドG5間に配置された第1中間電極GM1、第5グリッドG5と第6グリッドG6との間に配置された第2中間電極GM2、及び第6グリッドG6の蛍光体スクリーン側端に取り付けられたコンバーゼンス電極Cを有する。コンバーゼンス電極C以外の各電極は、互いに対向して略平行に配された一対の棒状の絶縁支持体10(一方の絶縁支持体10は図示せず)に保持され一体化されている。
後述する抵抗器18及び絶縁支持体10を跨いで第5グリッドG5にサプレッサリング26が取り付けられている。電子銃構体をネック5内に配置して、外囲器を排気した後、電磁誘導加熱などの方法によりサプレッサリング26を加熱してその材料をネック5の内壁面に蒸着して導電膜を形成する。これにより、ネック5の内壁の帯電電位を安定化させることができる。
この電子銃7では、順に配されたカソードK及び第1〜第3グリッドG1〜G3がカソードKからの電子放出を制御し、かつ放出された電子を集束して電子ビームを形成する電子ビーム形成部を構成し、第3〜第6グリッドG3〜G6が、電子ビーム形成部で形成された電子ビームを蛍光体スクリーンに対して加速し収束する電子レンズを形成する。特に、第5グリッドG5、中間電極GM1,GM2、及び第6グリッドG6が、電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ部を構成する。
主レンズ部の最終電極である第6グリッド(最終加速電極)G6には、25〜30kVの高電圧が印加され、集束電極である第5グリッドG5には、第6グリッドG6に印加される電圧よりは低い電圧が印加される。中間電極GM1,GM2は互いに接続され、これらには、第5グリッドG5に印加される電圧よりは高く、第6グリッドG6に印加される電圧よりは低い電圧が印加される。第6グリッドG6に印加される電圧は、ファンネル2の径大部31に設けられた陽極端子12、内面導電膜13、内面導電性膜13に圧接されるバルブスペーサ14、及びバルブスペーサ14が取り付けられたコンバーゼンス電極Cを順に介して供給される。第5グリッドG5及び中間電極GM1,GM2に印加される電圧は、第6グリッドG6に印加されている高電圧が印加された抵抗器18を介して供給される。
抵抗器18は、一対の絶縁支持体10うちの一方の、電極とは反対側(ネック5の内面と対向する側)に、該一方の絶縁支持体10と対向して配置されている。抵抗器18は、図6に示すように、アルミナセラミックからなる絶縁基板20と、絶縁基板20の一方の面に蛇行状に形成された酸化ルテニウム及びガラスを主成分とする相対的に高抵抗の抵抗素子21と、抵抗素子21に接続されて絶縁基板20の一方の面に形成された酸化ルテニウムを主成分とする相対的に低抵抗の複数個(図示例では3個)の端子22と、複数個の端子22を除いて抵抗素子21及び絶縁基板20のほぼ全面を覆うガラス絶縁被膜23と、各端子22の形成部分に形成された絶縁基板23を貫通する開孔に固定され、各端子22に接続された金属製タブ24とを含む。複数個の端子22のうちの1つは抵抗素子21の一端に高電圧を供給するための高電圧供給端子であり、他の1つは抵抗素子21の他端をアース接続するためのアース接続端子であり、残りは抵抗素子21により上記高電圧を分割して得られる電圧を電子銃の所定の電極に供給するための電極接続端子である。
図2は、抵抗器18及び絶縁支持体10の近傍の概略構成を示した側面図である。図では、電極に関しては、第5グリッドG5、中間電極GM2、第6グリッドG6、コンバーゼンス電極Cのみを示し、他を省略している。図示したように、絶縁支持体10と抵抗器18とは、略平行に離間して配置されている。抵抗器18の蛍光体スクリーン側端近傍の端子(高電圧供給端子)22aに接続された金属製タブ24がコンバーゼンス電極Cに接続されている。サプレッサリング26が抵抗器18及び絶縁支持体10を跨いで第5グリッドG5に固定されている。
絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間の少なくとも一部にフリットガラス(絶縁体)30が充填されている。絶縁支持体10の長手方向(Z軸方向)において、フリットガラス30の充填領域の蛍光体スクリーン側端は高電圧供給端子22a(位置A)に達していることが好ましい。抵抗器18と絶縁支持体10との間の隙間の高電圧が供給される側にフリットガラス30が充填されていることにより、絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間での放電の抑制効果が増大する。
上記の電子銃構体の一実施例を示す。
公知の方法により電子銃7及び抵抗器18を作成した。電子銃7の絶縁支持体10上に抵抗器7を公知の方法で取り付けた。次に、軟化点が350℃のB23・PbO系フリットガラスを有機溶剤に混入させて得たペーストを絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間に塗布した。Z軸方向における塗布領域は、図2に示すように、高電圧供給端子22a(位置A)から位置Cまでとした。位置Cは、位置Aとサプレッサリング26の位置A側端の位置Bとのほぼ中間に位置する。次いで、空気中120℃に加熱し、有機溶剤を乾燥させた。次いで、空気中360℃に加熱しフリットガラス30を焼成して、実施例に係る電子銃構体を得た。
次にこの電子銃構体を陰極線管に組み込み、通常の方法で真空排気およびカソードの活性化処理を行った。その後、耐電圧処理を行った。耐電圧処理は、第1〜第3グリッドG1〜G3、サプレッサリング26、カソードK、およびヒータ電極をアース電位とし、陽極端子12に80kVのパルス電圧(パルス幅200μS、繰り返し周波数60Hz)を5分間印加することにより行った。
比較例として、絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間にフリットガラス含有ペーストを塗布しない以外は上記実施例と同様にして陰極線管を作成した。
比較例では、耐電圧処理において、絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間内であって、サプレッサリング26と高電圧供給端子22aとの間の範囲に放電が生じた。これに対して、実施例では放電は生じなかった。
耐電圧処理後、陰極線管を分解し抵抗器18の抵抗素子21の抵抗値およびガラス絶縁被膜23の絶縁破壊の状況を調べた。その結果、比較例では抵抗値変化が−1.5%、ガラス絶縁被膜23の絶縁破壊が3ケ所あったが、実施例では抵抗値変化が−0.02%、ガラス絶縁被膜23の絶縁破壊は皆無であった。
更に、フリットガラス30の充填による効果を確かめるために、フリットガラス30の軟化点及び充填領域を変えて実験を行った。
フリットガラス30の軟化点は、300℃、350℃および380℃の3通りに変えた。フリットガラスの組成は、軟化点が300℃のものはSnO・P25系、350℃および380℃のものはB23・PbO系とした。フリットガラスの焼成温度は、使用したフリットガラスの軟化点より10℃高い温度とした。
フリットガラス30の充填領域に関しては、図2に示すように、高電圧供給端子22aとサプレッサリング26との間の間隔をD、フリットガラス30の充填領域のZ軸方向における長さをLとしたとき、(L/D)×100で定義される充填率(単位:%)を、0%、10%、20%、30%、50%、100%の6通りに変えた。
上記の条件を組み合わせて得た18種類の電子銃構体をそれぞれ陰極線管に組み込み、耐電圧処理を行った。耐電圧処理は、第1〜第3グリッドG1〜G3、サプレッサリング26、カソードK、およびヒータ電極をアース電位とし、陽極端子12に80kVのパルス電圧(パルス幅200μS、繰り返し周波数60Hz)を5分間印加することにより行った。
各組み合わせ条件ごとに10本の陰極線管を製作し、以下の(a)エミッション特性、(b)抵抗値の変化率、(c)ガラス絶縁被膜の欠け、の3項目で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007073247
(a)エミッション特性
ヒータ電圧を定格の6.3Vとし、第2〜第6グリッドG2〜G6及び中間電極GM1,GM2に200Vを印加し、第1グリッドG1を0Vにした時のカソード電流を測定した。カソードの電子放射能力が十分であれば、電極寸法および電極間の寸法を補正すれば、ある一定値の電流となる。この電流をパービアンス電流と称する。パービアンス電流値に対する補正前の電流値の比を計算した。この比が95%以上のものを「○」、90%以下のものを「×」、90%を超え95%未満のものを「△」とした。表1に示したように、フリットガラス30の軟化点が高くなる程(すなわち、フリットガラス30の焼成温度が高くなる程)、電子銃の金属製電極部品の表面酸化の程度が大きくなるので、エミッション特性が悪くなる。表1によると、軟化点が380℃以上ではエミッション特性に悪影響が認められる。
(b)抵抗値の変化率
耐電圧処理後の抵抗器18の抵抗素子21の抵抗値を測定し、耐電圧処理前の抵抗値と比較し、その変化率(絶対値)を求めた。変化率が0.1%以下のものを「○」、0.5%以上のものを「×」、0.1%を越え0.5%未満のものを「△」とした。表1によると、フリットガラスの充填領域が大きくなればなるほど抵抗値の変化率は小さい。フリットガラスの充填率が30%以上では抵抗値の変化は問題ないレベルであること分かる。
(c)ガラス絶縁被膜の欠け
耐電圧処理後の抵抗器18を取り出し、抵抗器18のガラス絶縁被膜23の直径50μm以上の欠け(絶縁破壊)の個数を数えた。欠けが無いものを「○」、1ケ所のものを「△」、2ケ所以上のものを「×」とした。表1によると、(b)項の抵抗値の変化率と同一の評価結果が得られた。
以上の結果より総合評価すると、フリットガラスの軟化点が350℃以下であり、且つ、フリットガラスの充填率が30%以上であることが好ましいことが分かる。
本発明の電子銃及び陰極線管の構成は、上記の実施形態及び実施例に限定されず、種々に変更可能である。
上記の実施形態及び実施例では、絶縁支持体10と抵抗器18との間の隙間に充填される絶縁体としてフリットガラスを例に説明したが、本発明の絶縁体はこれに限定されず、例えば以下の材料を使用することができ、いずれも上記と同様の効果を奏する。
(1)シリコーン樹脂
(2)ポリイミド樹脂
(3)アルミナ粉末とシリコーン樹脂との混合物
(4)ガラス粉末とシリコーン樹脂との混合物
(5)酸化シリコンとシリコーン樹脂との混合物
(6)酸化マグネシウムとシリコーン樹脂との混合物
(7)アルミナ粉末とポリイミド樹脂との混合物
(8)ガラス粉末とポリイミド樹脂との混合物
(9)酸化シリコンとポリイミド樹脂との混合物
(10)酸化マグネシウムとポリイミド樹脂との混合物
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えばテレビジョン受像機やコンピュータディスプレイ等に使用されるかラー陰極線管に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る陰極線管に搭載される電子銃構体の概略構成を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る陰極線管に搭載される電子銃構体において、抵抗器と絶縁支持体との間の隙間に充填された絶縁体の近傍の概略構成を示した側面図である。 本発明の一実施形態に係る陰極線管の概略構成を示した断面図である。 従来の陰極線管の概略構成を示した断面図である。 従来の陰極線管に搭載される電子銃の概略構成を示した断面図である。 抵抗器の一般的構成を示した一部切り欠き斜視図である。 従来の陰極線管の製造において発生する放電を説明するための図である。
符号の説明
1 フェースパネル
2 ファンネル
3 蛍光体スクリーン
4 シャドウマスク
5 ネック
6 電子ビーム
7 電子銃
8 偏向装置
10 絶縁支持体
12 陽極端子
13 内部導電膜
14 バルブスペーサ
15 ステム
16 ステムピン
18 抵抗器
20 絶縁基板
21 抵抗素子
22 端子
22a 高電圧供給端子
23 ガラス絶縁被膜
24 金属製タブ
25 導電膜
26 サプレッサリング
28 放電
30 フリットガラス(絶縁体)

Claims (3)

  1. 複数のグリッド電極を保持するための棒状の絶縁支持体と、
    前記絶縁支持体に対して前記複数のグリッド電極とは反対側に、前記絶縁支持体と対向して配された抵抗器と、
    前記抵抗器に高電圧を供給する高電圧供給端子と、
    前記抵抗器及び前記絶縁支持体を跨いで前記複数のグリッド電極のうちの1つに取り付けられたサプレッサリングと
    を備えた電子銃構体であって、
    前記絶縁支持体と前記抵抗器との間の隙間の少なくとも一部に絶縁体が充填されており、
    前記絶縁体は、前記絶縁支持体の長手方向において、前記高電圧供給端子と前記サプレッサリングとの間の30%以上の領域に充填されており、
    前記絶縁体の軟化点が350℃以下であることを特徴とする電子銃構体。
  2. 前記絶縁体がフリットガラスを含む請求項1に記載の電子銃構体。
  3. 略矩形状のフェースパネルと、前記フェースパネルに接合された漏斗状のファンネルと、前記フェースパネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、前記蛍光体スクリーンに向かって電子ビームを放出する電子銃構体とを少なくとも備えた陰極線管であって、
    前記電子銃構体が請求項1又は2に記載の電子銃構体であることを特徴とする陰極線管。
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