JP2000173511A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2000173511A
JP2000173511A JP10347043A JP34704398A JP2000173511A JP 2000173511 A JP2000173511 A JP 2000173511A JP 10347043 A JP10347043 A JP 10347043A JP 34704398 A JP34704398 A JP 34704398A JP 2000173511 A JP2000173511 A JP 2000173511A
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JP
Japan
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conductive film
neck
ray tube
electron gun
resistance conductive
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JP10347043A
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Fumito Suzuki
史人 鈴木
Shigeru Sugawara
繁 菅原
Takahiro Hasegawa
隆弘 長谷川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンバーゼンスドリフトを抑制する高抵抗導電
膜をネックの内壁に設け、且つ電子銃構体のグリッドな
どの金属部分とネック内壁との間のフィールドエミッシ
ョンを抑制することができる耐電圧特性が良好な陰極線
管を提供することを目的とする。 【解決手段】この陰極線管のネック部105の内壁に
は、内部導電膜117が被着形成され、この内部導電膜
117の端部に接触するとともに電子銃構体107が配
置されたネック部105の一部を覆うように、内部導電
膜117より高い電気抵抗を有する高抵抗導電膜114
が設けられている。内部導電膜117に接触している高
抵抗導電膜114の一端部側の内部導電膜117端部近
傍における管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度は、
高抵抗導電膜114の他端部116近傍より高くなるよ
うに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管な
どの陰極線管に係り、特に陰極線管のネック内壁に塗布
される高抵抗導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー受像管は、パネルと、フ
ァンネルと、ネックとが一体に接合された外囲器を有し
ている。この外囲器は、パネルの内面に、青、緑、赤に
それぞれ発光するストライプ状あるいはドット状の3色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーン(ターゲット)を備
えている。この蛍光体スクリーンに対向して、その内側
に多数のアパーチャを有するシャドウマスクが装着され
ている。
【0003】また、カラー受像管は、外囲器のネック内
に配設された、同一水平面上を通る一列配置の中央及び
2本の両サイドの3電子ビームを放出する電子銃構体を
備えている。この電子銃構体は、3本の電子ビームそれ
ぞれを蛍光体スクリーン上において集束すると同時に、
3本の電子ビームを蛍光体スクリーン上でコンバーゼン
スする。この電子銃構体から放出される3電子ビーム
は、ファンネルの外側に装着された偏向ヨークの発生す
る水平偏向磁界及び垂直偏向磁界により偏向され、シャ
ドウマスクを介して蛍光体スクリーンを水平走査、及び
垂直走査される。これにより、カラー画像が表示され
る。
【0004】図1に示すように、このようなカラー受像
管において、ファンネルからネック3にかけての内面に
は、ファンネルに設けられた陽極端子に導通する内部導
電膜7が被着形成されている。電子銃構体8のコンバー
ゼンス電極9は、バルブスペーサ10を介して内部導電
膜7に接触導通され、陽極端子から陽極電圧を供給され
る。
【0005】しかしながら、ネック3の内壁電位の変化
の影響で、3電子ビームのコンバーゼンス状態が経時変
化し、結果的に色ずれが生じるといった問題がある。こ
の原因は、ネック内壁の帯電電位が電子銃構体の主電子
レンズに浸透し、主電子レンズを形成する電界に影響を
与え、両サイドビームの軌道を変えることによるもので
ある。すなわち、ネックは、絶縁体、例えばガラスによ
って形成されているため、帯電すなわち電荷が蓄積され
やすく、放電を生じやすい。このため、陽極電圧を印加
した直後のネック内壁は、内部導電膜7や、電子銃構体
8のコンバーゼンス電極9などの影響を受けて、ある一
定の電位分布状態に到達するが、ネック内に発生した浮
遊電子が帯電したネック内壁に衝突し、ネックから2次
電子を放出させてネック電位を徐々に上昇させる。その
結果、このネック電位が電子銃構体9の主電子レンズを
形成する電界に悪影響を及ぼし、両サイドビームの軌道
が変化する。このように、電子銃構体では、コンバーゼ
ンス状態が経時変化するいわゆるコンバーゼンスドリフ
トが起こり、色ずれが起こる。
【0006】このような問題を解決するために、特開昭
64−12449号公報、及び特開平5−205560
号公報によれば、図1に示すように、ネック3の内面に
電子放出係数が1より小さい高抵抗導電膜17を内部導
電膜7に接触するように被着形成することによって、2
次電子による帯電を防止しているとともに、コンバーゼ
ンスドリフトによる色ずれを抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64−12449号公報、及び特開平5−205660
号公報に示されているように、ネック内面に高抵抗導電
膜を内部導電膜に接触させて被着形成したカラー受像管
においては、図1における高抵抗導電膜17のように、
管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度、すなわち高抵
抗導電膜を構成する絶縁性物質と導電性物質との総量に
対する導電性物質の割合が一定の場合、高抵抗導体膜1
7の管軸方向の単位長さあたりの抵抗値が、管軸方向で
一定となり、高抵抗導電膜17の他端部18近傍のネッ
ク内壁の電位は、高抵抗導電膜が設けられていない場合
と比較して相対的に高く、電子銃構体に備えられた電極
などの金属部分からフィールドエミッションが発生しや
すいという問題がある。
【0008】そこで、この発明は、上述した従来技術の
問題点に鑑みて、コンバーゼンスドリフトを抑制する高
抵抗導電膜をネックの内壁に設け、且つ電子銃構体のグ
リッドなどの金属部分からのフィールドエミッションを
抑制することができる耐電圧特性が良好な陰極線管を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の陰極線管は、同一水平面上を通る一列に
配列された複数の電子ビームを放出してターゲット上に
集束する電子銃構体と、この電子銃構体から放出された
電子ビームをターゲット上の水平方向及び垂直方向に偏
向する磁界を発生する偏向ヨークと、前記電子銃構体を
配置するネック部、前記ターゲットが形成されるパネル
部及びネック部からパネル部にわたって内径が拡張され
たファンネル部を含む外囲器と、前記ファンネル部から
ネック部の内壁にかけて被着形成された内部導電膜と、
前記ネック部の内壁に被着形成された前記内部導電膜の
端部に接触するとともに前記電子銃構体が配置されたネ
ック部の少なくとも一部を覆うように形成された、前記
内部導電膜より高い電気抵抗を有する高抵抗導電膜と、
を備え、前記高抵抗導電膜は、実質的に絶縁性物質中に
導電性物質を分散した膜であり、前記内部導電膜に接触
している前記高抵抗導電膜の一端部の前記内部導電膜近
傍における管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度が、
前記高抵抗導電膜の他端部近傍の管軸方向の長さあたり
の導電体濃度より高いことを特徴としている。
【0010】この発明の陰極線管によれば、ネック部の
内壁において、内部導電膜の端部に接触する位置から電
子銃構体が配置された位置の一部にかけて、内部導電膜
より高い電気抵抗を有する高抵抗導電膜が形成されてい
るため、2次電子の放出によるネック電位の変化を抑制
し、コンバーゼンスドリフトによる色ずれを防止するこ
とが可能となる。
【0011】また、管軸方向の単位長さあたりの導電体
濃度が、高抵抗導電膜の一端部側の内部導電膜端部近傍
における導電体濃度と比較して、高抵抗導電膜の他端部
近傍において、相対的に低いため、この部分の抵抗値が
高くなり、ネック部の内壁の電位を相対的に低く抑える
ことが可能となり、電子銃構体における電圧が印加され
ている金属部分からの間のフィールドエミッションを抑
制することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
陰極線管、例えばカラー陰極線管の実施の形態について
説明する。
【0013】図2には、この発明の陰極線管の一例とし
てのカラー陰極線管が示されている。このカラー陰極線
管は、図2に示すように、パネル101と、ファンネル
102と、ネック105とが接合された外囲器を有して
いる。このパネル101は、その内面に、赤(R)、緑
(G)、青(B)にそれぞれ発光するストライプ状ある
いはドット状の3色蛍光体層及びメタルバック層からな
る蛍光体スクリーン103(ターゲット)を備えてい
る。また、このカラー陰極線管は、蛍光体スクリーン1
03に対向する位置に所定の間隔をおいて装着されたシ
ャドウマスク104を有している。このシャドウマスク
104は、その内側に、電子ビームを通過させるための
多数のアパーチャを有している。
【0014】ネック105は、略円筒状に形成され、そ
の内径の断面形状も略円形である。このネック105
は、その内部に、同一水平面上を通る一列配置の3電子
ビーム106B、106G、106Rを放出する電子銃
構体107、いわゆるインライン型電子銃構体を備えて
いる。この電子ビーム106G、106B、106R
は、一列配置され、管軸方向すなわち円筒状のネック1
05の中心軸と平行な方向に向けて放出される。センタ
ービームとしての電子ビーム106Gは、ネック105
の中心軸に最も近接した軌道を進行する。サイドビーム
としての電子ビーム106B、106Rは、センタービ
ーム106Gの両サイドを進行する。この電子銃構体1
07は、3電子ビーム106R、106G、106Bを
それぞれ蛍光体スクリーン103面上において集束する
と同時に、3電子ビームを蛍光体スクリーン103面上
でコンバーゼンスする。
【0015】また、このカラー受像管は、ファンネル1
02の外側に装着された偏向ヨーク108と、ファンネ
ル102の外側に形成された外部導電膜113と、ファ
ンネル102からネック105の一部にわたる内面に被
着形成された内部導電膜117と、を有している。内部
導電膜117は、陽極電圧を供給する陽極端子に導通さ
れている。
【0016】このような構造のカラー陰極線管では、電
子銃構体107から放出された3電子ビーム106B,
106G,106Rは、偏向ヨーク108によって発生
された水平偏向磁界および垂直偏向磁界により偏向さ
れ、シャドウマスク104を介して蛍光体スクリーン1
03を水平走査及び垂直走査される。これにより、カラ
ー画像が表示される。
【0017】図3は、図2に示したカラー陰極線管のネ
ック部を拡大した図である。
【0018】図3に示すように、カラー陰極線管は、ネ
ック部105に配設されたインライン型電子銃構体10
7を備えている。この電子銃構体107は、インライン
方向、すなわち水平方向に一列配置された3電子ビーム
106B,106G,106Rを放出する3個のカソー
ドK、及びこれらのカソードKをそれぞれ個別に加熱す
る3個のヒータを備えている。
【0019】また、この電子銃構体107は、カソード
Kから順次蛍光体スクリーン(ターゲット)方向に所定
の間隔に離間されて配置された第1乃至第6グリッドG
1〜G6、及びその第6グリッドG6の蛍光体スクリー
ン側に位置する端部に取り付けられたコンバーゼンス電
極119を有している。第1および第2グリッドG1、
G2は、それぞれ一体構造の板状電極によって形成さ
れ、第3乃至第6G3〜G6は、一体構造の筒状電極に
よって形成されており、各々の電極には、3つの電子ビ
ーム通過孔が形成されている。
【0020】これらのヒーター、カソードKおよび第1
乃至第6グリッドG1〜G6は、インライン方向に直交
する垂直方向に対向して配置された一対の絶縁支持体、
すなわちビードガラス112によって一体に支持されて
いる。このビードガラス112は、図3に示すように、
管軸方向に延出されている。
【0021】第1および第2グリッドG1、G2は、イ
ンライン方向に沿って一列に形成された、比較的小さな
3個のほぼ円形の電子ビーム通過孔を有している。
【0022】第3グリッドG3の第2グリッドG2側に
位置する電極は、第2グリッドG2との対向面にインラ
イン方向に沿って一列に形成された、第2グリッドG2
を通過した3電子ビームの通過を許容するために、第2
グリッドG2の電子ビーム通過孔よりも大きい3個のほ
ぼ円形の電子ビーム通過孔を有している。また、この第
3グリッドG3の第4グリッドG4側に位置する電極
は、第4グリッドG4との対向面にインライン方向に沿
って一列に形成された、第2グリッドG2との対向面の
電子ビーム通過孔よりも更に大きい3個のほぼ円形の電
子ビーム通過孔を有している。
【0023】第4グリッドG4を構成する電極は、第3
グリッドG3および第5グリッドG5との対向面にイン
ライン方向に沿って一列に形成された、第3グリッドG
3の第4グリッドG4側の対向面に形成された電子ビー
ム通過孔と同じ大きさの3個のほぼ円形の電子ビーム通
過孔を有している。
【0024】第5グリッドG5を構成する電極は、第4
グリッドG4および第6グリッドG6との対向面にイン
ライン方向に沿って一列に形成された、第4グリッドG
4の電子ビーム通過孔とほぼ同じ大きさの3個のほぼ円
形の電子ビーム通過孔を有している。
【0025】第6グリッドG6を構成する電極は、第5
グリッドG5およびコンバーゼンス電極119に対向す
る面にインライン方向に沿って一列に形成された、第5
グリッドG5の電子ビーム通過孔とほぼ同じ大きさの3
個のほぼ円形の電子ビーム通過孔を有している。
【0026】コンバーゼンス電極119は、その底部、
すなわち第6グリッドG6に対向する面にインライン方
向に沿って一列に形成された、第6グリッドG6の電子
ビーム通過孔とほぼ同じ大きさの3個のほぼ円形の電子
ビーム通過孔を有している。また、このコンバーゼンス
電極119は、バルブスペーサー110を介して陽極電
圧Ebが供給される内部導電膜117に接続されてい
る。
【0027】次に、図3を参照して、この電子銃構体に
含まれる各グリッドの接続関係について説明する。
【0028】この電子銃構体のカソードKは、図示しな
い直流電源及び映像信号源に電気的に接続される。この
カソードには、100〜200Vの直流電圧に映像信号
を重畳した電圧が印加される。第1グリッドG1は、接
地されている。
【0029】第2グリッドG2とG4グリッドG4と
は、管内で互いに接続されているとともに、直流電源に
電気的に接続されている。そして、これら第2グリッド
G2及び第4グリッドG4には、500〜1000Vの
電圧が印加される。
【0030】第3グリッドG3と第5グリッドG5と
は、管内で互いに接続されているとともに、直流電源に
電気的に接続されている。そして、これら第3グリッド
G3及び第5グリッドG5には、第6グリッドG6に印
加される陽極電圧Ebの約20〜35%の直流電圧すな
わちフォーカス電圧Vfが印加される。
【0031】第6グリッドG6には、25〜35kVの
陽極電圧Ebがバルブスペーサ110及び内部導電膜1
17を通して印加される。
【0032】このようなレベルの電圧を印加することに
より、この電子銃構体においては、カソードKおよび第
1乃至第3グリッドG1〜G3によってカソードKから
の電子放出を制御し、かつ放出された電子を加速・集束
して電子ビームを形成する電子ビーム発生部GEが形成
される。また、第3グリッドG3、第4グリッドG4、
第5グリッドG5、第6グリッドG6によって、電子ビ
ーム発生部GEで形成された電子ビームを蛍光体スクリ
ーン上に加速・集束する主電子レンズ部MLが形成され
る。
【0033】ところで、このカラ−陰極線管は、図2及
び図3に示すように、ファンネル部102からネック部
105の一部にかけて内面に設けられた内部導電膜11
7が塗布されており、この膜よりも高抵抗の高抵抗導電
膜114を有している。この高抵抗導電膜114は、そ
の一端部115側で内部導電膜117に接触している。
この高抵抗導電膜114は、導電性物質としてのATO
すなわち酸化錫にアンチモンをドープした酸化物導電体
と、絶縁性物質としてのバインダとなるエチルシリケー
トなどのシランカップリング剤とをエチルアルコールな
どの有機溶媒に分散した溶液をスプレー方式などで塗布
した後、乾燥・焼成することによって形成される。この
方式で形成される高抵抗導電膜114は、その膜厚が極
めて薄く、1μm未満である。
【0034】この高抵抗導電膜114を設けることによ
り、電子ビームのコンバーゼンス状態が経時変換するい
わゆるコンバーゼンスドリフトを抑制している。すなわ
ち、陽極電圧Ebを印加した直後のネック内壁の電位が
内部導電膜117や電子銃構体107のコンバーゼンス
電極119などの影響を受けてある一定の電位分布状態
に到達した後、ネック部105内に発生した浮遊電子が
帯電したネック内壁に衝突してネック部105から2次
電子が放出されることを抑制している。
【0035】ネック部105から2次電子が放出される
と、ネック電位が徐々に上昇し、ネック内壁の帯電によ
る電位が電子銃構体107の主電子レンズ部MLに浸透
し、主電子レンズ部MLを形成する電界に影響を与え、
両サイドビームの軌道を変化させてしまう。これによ
り、3電子ビームのコンバーゼンス状態が経時変化し、
色ずれを発生する原因となる。
【0036】また、この高抵抗導電膜114は、その一
端部115側において、内部導電膜117の端部に接触
するとともに、その他端部116側において、電子銃構
体107が配置されたネック部105の一部の内面を覆
うように設けられている。高抵抗導電膜114の一端部
側における内部導電膜117との接触部近傍115で
は、管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度、すなわち
高抵抗導電膜114を構成する絶縁性物質と導電性物質
との総量に対する導電性物質の割合が、高抵抗導電膜1
14の他端部116近傍より高くなるように設定されて
いる。
【0037】すなわち、この高抵抗導電膜114の管軸
方向単位長さあたりの導電体濃度は、高抵抗導電膜11
4の他端部116から内部導電膜117端部との接触部
115に向かうにしたがって次第に高くなり、内部導電
膜117端部との接触部115において、最高となる。
そして、高抵抗導電膜114の管軸方向単位長さあたり
の導電体濃度は、内部導電膜117端部との接触部11
5から高抵抗導電膜114の他端部116に向かうにし
たがって次第に低くなり、他端部116において、最低
となる。
【0038】このような導電体濃度の分布を形成するこ
とにより、電子銃構体107に備えられた複数のグリッ
ドのうち、フォーカス電圧Vfが印加されているグリッ
ドなどの金属部分に近接する付近で、導電体濃度の分布
が一定の場合と比較して、高抵抗導電膜114のネック
内電位を相対的に低く抑えることができ、グリッドから
のフィールドエミッションを抑制することができる。
【0039】次に、上述したようにして導電体濃度の分
布が形成された高抵抗導電膜を設けたカラー陰極線管の
ネック内電位をシミュレーションした。ネック内電位
と、高抵抗導電膜が設けられていない陰極線管のネック
内電位、及び導電体濃度の分布が一定の陰極線管のネッ
ク内電位とを比較した。
【0040】図4の(a)は、ネック内電位の測定結果
を示す図であり、図4の(b)は、図3に示した構造の
カラー陰極線管における内部導電膜117端部近傍の高
抵抗導電膜114の導電体濃度分布120を概略的に示
す断面図であり、図4の(c)は、図1に示した高抵抗
導電膜17の導電体濃度が一定となるカラー陰極線管に
おける高抵抗導電膜17の導電体濃度分布121を概略
的に示す断面図であり、図4の(d)は、高抵抗導電膜
が設けられていないカラー陰極線管における内部導電膜
117端部近傍の断面図である。
【0041】図4の(a)には、図4の(b)に示した
ような導電体濃度分布120を有する高抵抗導電膜11
4を設けた場合のその管軸方向に沿ったネック内電位の
分布曲線19(b)と、図4の(c)に示したような一
定の導電体濃度分布121を有する高抵抗導電膜を設け
た場合のその管軸方向に沿ったネック内電位の分布曲線
20(c)と、図4の(d)に示したような高抵抗導電
膜が設けられていない場合のその管軸方向に沿ったネッ
ク内電位の分布曲線21(d)とが、それぞれ示されて
いる。
【0042】図4の(b)に示したような導電体濃度分
布120を有する高抵抗導電膜114の他端部116近
傍におけるネック内電位22は、図4の(c)に示した
ような一定の導電体濃度分布を有する高抵抗導電膜を設
けた場合のネック内電位23より相対的に小さく、ま
た、図4の(d)に示したような高抵抗導電膜が設けら
れていない場合のネック内電位23に近似できるほど小
さい。
【0043】このため、電子銃構体に備えられた複数の
グリッドのうち、フォーカス電圧などの高電圧が印加さ
れているグリッドなどの金属部分と、高抵抗導電膜の端
部付近との電位差は、図4の(b)に示したような導電
体濃度分布120を有するように形成された陰極線管の
方が、図4の(c)に示したような導電体濃度分布12
1を有するように形成された陰極線管より小さい。すな
わち、図4の(b)に示したような陰極線管では、電子
銃構体における電圧が印加されているグリッドなどの部
分とこの部分に近接する高抵抗導電膜との間の電位差
は、高抵抗導電膜が設けられていない場合、すなわち図
4の(d)に示したような陰極線管の場合と実質的に近
似することができるほど小さい。
【0044】したがって、コンバーゼンスドリフトを抑
制する高抵抗導電膜を設けつつ、且つ電子銃構体のグリ
ッドなどの金属部分とネック内壁との間のフィールドエ
ミッションを抑制することが可能となる。これにより、
色ずれの発生を防止し、耐電圧特性の良好な陰極線管を
提供することができる。
【0045】次に、図3に示したような構造の陰極線管
における耐電圧特性の優位性について実験データを基に
して説明する。
【0046】図5は、カラー陰極線管の耐電圧評価の一
つであるフィールドエミッションを測定するための測定
回路図である。
【0047】図5に示したような回路構成において、電
流計Aに流れる電流が0.01μAとなる時の陽極定圧
電源の電圧値を測定し、耐電圧特性として評価した。な
お、この測定で使用した陰極線管のネック部の外径は、
直径が22.5mmである。図6に電圧値の測定結果を
示す。図6に示した電圧値は、10回の測定で得られた
測定値の平均値であり、この電圧が高いほど、耐電圧特
性が良いことを示す。る。
【0048】図6に示したように、本発明の陰極線管に
おける高抵抗導電膜の塗布状態すなわち図4の(b)に
示したような塗布状態では、陽極定圧電源の電圧値は、
33KVであるのに対して、従来の陰極線管における高
抵抗導電膜の塗布状態すなわち図4の(c)に示したよ
うな塗布状態では、26KVであり、約7KV程度高い
ことがわかる。このように、本発明の陰極線管は、図4
の(b)に示したような導電体濃度分布としたことによ
り、耐電圧特性として従来の陰極線管より優位であるこ
とがわかる。
【0049】以上説明したように、この発明の陰極線管
によれば、同一水平面上を通る一列に配列された複数の
電子ビームを放出してターゲット103上に集束する電
子銃構体107と、この電子銃構体107から放出され
た電子ビームをターゲット103上の水平方向及び垂直
方向に偏向する磁界を発生する偏向ヨーク108と、電
子銃構体107を配置するネック部105、ターゲット
103が形成されるパネル部101及びネック部105
からパネル部101にわたって内径が拡張されたファン
ネル部102を含む外囲器と、ファンネル部102から
ネック部105の内壁の一部にかけて被着形成された内
部導電膜117と、ネック部105の内壁に被着形成さ
れた内部導電膜117の端部に接触するとともに電子銃
構体107が配置されたネック部105の一部を覆うよ
うに形成された、内部導電膜117より高い電気抵抗を
有する高抵抗導電膜114と、を備え、高抵抗導電膜
は、実質的に絶縁性物質中に導電体物質を分散した膜で
あり、内部導電膜117に接触している高抵抗導電膜1
14の一端部に内部導電膜117近傍における管軸方向
の単位長さあたりの導電体濃度が、高抵抗導電膜114
の他端部116近傍より高いことを特徴としている。
【0050】この発明の陰極線管によれば、ネック部1
05の内壁において、内部導電膜117の端部に接触す
る位置から電子銃構体107が配置された位置の一部に
かけて、内部導電膜117より高い電気抵抗を有する高
抵抗導電膜114が形成されているため、ネック部10
5からの2次電子の放出を抑制し、コンバーゼンスドリ
フトによる色ずれを防止することが可能となる。
【0051】また、高抵抗導電膜114の他端部116
近傍において、管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度
が、高抵抗導電膜114の一端部側の内部導電膜117
端部近傍における導電体濃度と比較して相対的に低いた
め、ネック部105の高抵抗導電膜114の他端部11
6近傍の内壁の電位を相対的に低く抑えることが可能と
なり、電子銃構体107における金属部分との間のフィ
ールドエミッションを抑制することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、コンバーゼンスドリフトを抑制する高抵抗導電膜を
ネックの内壁に設け、且つ電子銃構体のグリッドなどの
金属部分とネック内壁との間のフィールドエミッション
を抑制することができる耐電圧特性が良好な陰極線管を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の陰極線管のネック部の構造を概
略的に示す平面図である。
【図2】図2は、この発明の陰極線管の一例としてのカ
ラー陰極線管の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図3は、この発明に係る高抵抗導電膜を備えた
陰極線管のネック部の構造を概略的に示す平面図であ
る。
【図4】図4の(a)は、ネック内電位の測定結果を示
す図であり、図4の(b)は、図3に示した本発明のカ
ラー陰極線管における内部導電膜端部近傍の高抵抗導電
膜の導電体濃度分布を概略的に示す断面図であり、図4
の(c)は、従来のカラー陰極線管における内部導電膜
端部近傍の高抵抗導電膜の導電体濃度分布を概略的に示
す断面図であり、図4の(d)は、高抵抗導電膜が設け
られていないカラー陰極線管における内部導電膜端部近
傍の断面図である。
【図5】図5は、高抵抗導電膜の内部導電膜端部との接
触部における導電体濃度分布が高抵抗導電膜の他端部の
導電体濃度より高くなるような膜抵抗値分布を有するカ
ラー陰極線管において、フィールドエミッションを測定
するための測定回路図である。
【図6】図6は、図5に示した回路構成において、電流
計Aに流れる電流が0.01μAとなる時に測定される
陽極定圧電源の電圧値を示す図である。
【符号の説明】
101…パネル部 102…ファンネル部 103…蛍光体スクリーン 104…シャドウマスク 105…ネック部 106(B、G、R)…電子ビーム 107…電子銃構体 108…偏向装置 110…バルブスペーサ 113…外部導電膜 114…高抵抗導電膜 117…内部導電膜
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 隆弘 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 Fターム(参考) 5C032 AA02 DD06 DE01 DG09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一水平面上を通る一列に配列された複数
    の電子ビームを放出してターゲット上に集束する電子銃
    構体と、 この電子銃構体から放出された電子ビームをターゲット
    上の水平方向及び垂直方向に偏向する磁界を発生する偏
    向ヨークと、 前記電子銃構体を配置するネック部、前記ターゲットが
    形成されるパネル部及びネック部からパネル部にわたっ
    て内径が拡張されたファンネル部を含む外囲器と、 前記ファンネル部からネック部の内壁にかけて被着形成
    された内部導電膜と、前記ネック部の内壁に被着形成さ
    れた前記内部導電膜の端部に接触するとともに前記電子
    銃構体が配置されたネック部の少なくとも一部を覆うよ
    うに形成された、前記内部導電膜より高い電気抵抗を有
    する高抵抗導電膜と、を備え、 前記高抵抗導電膜は、実質的に絶縁性物質中に導電性物
    質を分散した膜であり、前記内部導電膜に接触している
    前記高抵抗導電膜の一端部の前記内部導電膜近傍におけ
    る管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度が、前記高抵
    抗導電膜の他端部近傍の管軸方向の単位長さあたりの導
    電体濃度より高いことを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】前記高抵抗導電膜は、前記内部導電膜に接
    触している部分近傍で、管軸方向の単位長さあたりの導
    電体濃度が最高となり、前記高抵抗導電膜の他端部近傍
    で、管軸方向の単位長さあたりの導電体濃度が最低とな
    ることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】前記高抵抗導電膜は、高抵抗導電膜の一端
    部から前記内部導電膜に向かうにしたがって、前記導電
    体濃度が次第に高くなるとともに、前記内部導電膜端部
    から高抵抗導電膜の他端部に向かうにしたがって、前記
    導電体濃度が次第に低くなることを特徴とする請求項2
    に記載の陰極線管。
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