以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<スロットマシンの外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
前扉3には、表示部5、操作部6および演出表示部7が設けられている。
表示部5は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rと対向する位置に設けられている。表示部5の中央部には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの周面の一部を視認可能にするためのリール窓8が設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓8内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓8内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
リール窓8の下方には、スロットマシン1にクレジットされているメダルの枚数(クレジット数)を表示するクレジット数表示器9と、内部抽選で当選した役の入賞時に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)を表示する払出枚数表示器10とが左右に並べて配置されている。クレジット数表示器9および払出枚数表示器10は、たとえば、2桁の数字を表示可能な7セグメント表示器からなる。
操作部6は、表示部5の下側に配置されている。操作部6には、メダル投入口11、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17が設けられている。
メダル投入口11からメダルが投入されると、その投入されたメダルがゲームにベット(BET)される。メダルがゲームにベットされると、入賞ラインが有効化される。1ゲームに対して、最大で3枚のメダルをベットすることができる。3枚のメダルがゲームにベットされている状態で、メダル投入口11からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。
3枚以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされている状態で、MAXベットボタン12が押操作されると、そのクレジットされているメダルから3枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が3だけ減る。そして、クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が3だけ減算された数に更新される。
1枚ベットボタン13が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから1枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が1だけ減る。そして、クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が1だけ減算された数に更新される。
また、2枚ベットボタン14が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから2枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が2だけ減る。クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が2だけ減算された数に更新される。
1枚以上のメダルがベットされた後、スタートレバー15が操作されると、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが回転し始める。左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rは、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rに対応して設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが回転し始めた後、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されると、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止する。すべての左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、1ゲームが終了である。
すべての左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止した時点で有効化されている入賞ライン上にいずれかの役に対応した図柄の組合せが並べば、その役の入賞となる。役によっては、所定枚数のメダルが払い出される。入賞に対して払い出されるメダルは、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口18からメダルトレイ19に排出される。
精算ボタン17が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルがメダル排出口18からメダルトレイ19に排出される。
演出表示部7は、表示部5の上側に配置されている。演出表示部7には、ゲームの進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器20が設けられている。また、演出表示部7には、液晶表示器20の左側および右側に、ゲーム中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力するスピーカ21が配置されている。
前扉3には、操作部6とメダルトレイ19との間に、スロットマシン1の機種名などを表示する表示パネル22が装着されている。
メダル排出口18の左側および右側には、スピーカ21とともに効果音などを出力するスピーカ23が配置されている。
また、スロットマシン1には、操作部6に、天井チャレンジボタン24が設けられている。天井チャレンジボタン24が有効化された状態で、遊技者は、天井チャレンジボタン24を押操作し、天井チャレンジボタン24がオンになった状態で、スタートレバー15を操作することにより、天井チャレンジゲームを楽しむことができる。
<スロットマシンの電気的構成>
図2は、スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行するメイン基板31と、ゲームに付随する演出のための制御を行う演出サブ基板32と、光と音による電飾のための制御を行う電飾サブ基板33とを備えている。
メイン基板31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46が備えられている。
CPU41は、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46と接続されている。
ROM42には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU41によって実行される。また、ROM42には、抽選テーブル47および停止テーブル48が格納されている。
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
入出力ポート44には、クレジット数表示器9、払出枚数表示器10、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rをそれぞれ回転させるためのステッピングモータ51L,51C,51Rと、メダル投入口11から投入されるメダルの排出先を本体2内のメダル貯留部(図示せず)とメダルトレイ19とに切り替えるためのメダルブロックソレノイド52と、メダル貯留部からメダル排出口18を通してメダルトレイ19にメダルを排出するメダル排出モータ53とが制御対象として接続されている。
ステッピングモータ51L,51C,51R、メダルブロックソレノイド52およびメダル排出モータ53は、本体2(図1参照)内に設けられている。
また、入出力ポート44には、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16R、精算ボタン17、天井チャレンジボタン24、リール位置検出センサ54L,54C,54R、メダル投入センサ55およびメダル排出センサ56が接続されている。
MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16R、精算ボタン17および天井チャレンジボタン24が押操作されると、それらに内蔵されたスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれリール位置検出センサ54L,54C,54Rから検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
スタートレバー15が操作されると、CPU41は、ステッピングモータ51L,51C,51Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、ステッピングモータ51L,51C,51Rのステップ数およびリール位置検出センサ54L,54C,54Rの検出信号に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されると、CPU41は、停止テーブル48を参照し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置に基づいて、ステッピングモータ51L,51C,51Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する(リール停止制御)。
リール停止制御では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されてから、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rを所定の最大引込コマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲で回転させた後に、その回転を停止させることができる。
メダル投入口11から投入されたメダルがメダル貯留部に1枚入る度に、メダル投入センサ55から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
メダル排出モータ53によってメダルがメダルトレイ19に1枚排出される度に、メダル排出センサ56から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
スロットマシン1に預けられているメダルの枚数(クレジット数)は、RAM43に設けられたカウンタによって計数されている。CPU41は、メダルブロックソレノイド52を制御して、クレジット数が50に達するまでは、メダル投入口11から投入されるメダルの排出先をメダル貯留部にし、クレジット数が50に達すると、その排出先をメダルトレイ19にする。また、クレジット数が50に達した後、メダルの払出(配当)がある役に入賞した場合、CPU41は、メダル排出モータ53を制御して、メダルをメダルトレイ19に排出させる。
乱数生成回路45は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。
スタートレバー15が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。内部抽選では、乱数生成回路45から乱数が取得される。また、ROM42から抽選テーブル47が読み出される。そして、乱数生成回路45から取得した乱数および抽選テーブル47に基づいて、内部抽選の当選役またははずれが決定される。
内部抽選の対象である役には、たとえば、ベル役、スイカ役およびリプレイ役が含まれる。
ベル役は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの押し順(押操作順)が予め定められた正解であった場合に入賞する押し順小役である。内部抽選でベル役に当選すると、入賞ライン上に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄が並んで停止表示されることが許容される。入賞ライン上に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄が並ぶと、ベル役に入賞となり、所定枚数のメダルが遊技者に付与される。
スイカ役は、内部抽選での当選確率が小役の中で最も低いレア小役である。内部抽選でスイカ役に当選すると、入賞ライン上に「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄が並んで停止表示されることが許容される。入賞ライン上に「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄が並ぶと、スイカ役に入賞となり、所定枚数のメダルが遊技者に付与される。
内部抽選でリプレイ役に当選すると、入賞ライン上に左から「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄が並んで停止表示されることが許容される。入賞ライン上に「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄が並ぶと、リプレイ役に入賞となり、メダルのベットなしで1ゲームの実行が許可される。
また、CPU41は、信号送出回路46を介して、演出サブ基板32および電飾サブ基板33にコマンドおよび制御に必要な信号を送出する。
演出サブ基板32には、CPU61、ROM62、RAM63、信号入力回路64および駆動回路65が備えられている。
CPU61は、ROM62、RAM63、信号入力回路64および駆動回路65と接続されている。
ROM62には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU61によって実行される。また、ROM62には、天井チャレンジゲームにおける天井チャレンジ抽選のための抽選テーブル66が格納されている。
RAM63は、CPU61によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
信号入力回路64には、メイン基板31の信号送出回路46からの信号が入力される。
CPU61は、ROM62に格納されているプログラムを実行し、信号入力回路64から入力される信号に基づき、駆動回路65を介して、液晶表示器20の表示を制御する。
電飾サブ基板33は、メイン基板31から送信されるコマンドに基づいて、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rなどに内蔵されたLED71の点灯を制御する。また、スピーカ21,23からの効果音の出力を制御する。
<ゲームフロー>
図3A、図3Bおよび図3Cは、各ゲームで実行される処理の流れ(ゲームフロー)を示すフローチャートである。
まず、メイン基板31のCPU41により、ゲームにメダルがベットされたか否かが判定される(ステップS1)。なお、前のゲームで、リプレイ役に入賞し、メダルのベットなしで1ゲームの実行が許可された場合も、ゲームにメダルがベットされたと判定される。
ゲームにメダルがベットされるまでは、以降の処理が実行されない(ステップS1のNO)。
ゲームにメダルがベットされると(ステップS1のYES)、次に、CPU41により、3枚のメダルがベット(MAXBET)されたか否かが判定される(ステップS2)。
スロットマシン1では、遊技状態として、通常遊技状態と、ART(アシストリプレイタイム)とが設けられている。ARTでは、リプレイ役の当選確率が通常遊技状態よりも高いうえに、内部抽選で押し順小役であるベル役が当選すると、液晶表示器20における表示やスピーカ21,23から出力される音声により、ベル役の正解押し順を案内する報知がなされる。そのため、ARTでは、遊技者は、所有するメダルの枚数(持ち玉数)を減らさずに、ベル役を取りこぼすことなく入賞させて、その入賞によるメダルを獲得することができる。したがって、ARTでは、通常遊技状態よりも遊技者に有利なゲームが実行されることになる。また、スロットマシン1は、天井機能を搭載している。天井機能は、通常遊技状態でゲーム数が消化されていき、天井に到達すると、遊技状態が通常遊技状態からARTに必ず移行する機能である。天井には、通常遊技状態で一定の天井ゲーム数(0から天井に達するまでに消化されるべき一定のゲーム数。たとえば、1000ゲーム。)が消化されることによって到達する。
3枚のメダルがゲームにベットされた場合には(ステップS2のYES)、CPU41により、天井ゲーム数のうちの所定の最低ゲーム数(たとえば、50ゲーム)以上のゲームを消化しているか否かが判定される(ステップS3)。
最低ゲーム数以上のゲームが消化されていれば(ステップS3のYES)、CPU41により、天井チャレンジボタン24が点灯される(ステップS4)。
つづいて、CPU41により、天井チャレンジボタン24が押操作によってオンされているか否かが調べられる(ステップS5)。
天井チャレンジボタン24の点灯後、天井チャレンジボタン24が押操作されると(ステップS5のYES)、天井チャレンジボタン24がオンとなり、演出サブ基板32のCPU61により、液晶表示器20が制御されて、天井チャレンジゲームの内容を案内するための天井チャレンジゲーム案内画面が液晶表示器20に表示される(ステップS6)。天井チャレンジゲーム案内画面では、たとえば、図4〜図11にそれぞれ示される画面構成要素81〜88が4行×2列の行列状に並べて一覧表示される。
天井チャレンジゲームは、天井ゲーム数のうちのこれまでに消化したゲーム数(以下、「消化ゲーム数」という。)を賭けて、天井チャレンジ抽選に挑戦するゲームである。天井チャレンジ抽選に当選する(天井チャレンジゲームに当たる)と、現時点から天井に到達するまでに消化されるべき残りゲーム数(天井ゲーム数から消化ゲーム数を減じたゲーム数)が0になり、遊技状態の通常遊技状態からARTへの移行が決定される。一方、天井チャレンジ抽選にはずれると、消化ゲーム数が0になり、天井に達するまでに消化されるべき残りゲーム数が天井ゲーム数に戻る。消化ゲーム数は、メイン基板31のRAM43に設けられたカウンタによって計数されている。
図4に示される画面構成要素81は、「チャレンジゲーム1」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム1」は、消化ゲーム数が50〜249であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム1」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が最も低く設定されている。そして、画面構成要素81には、「チャレンジゲーム1」の内容を表すため、竹槍を所持した人間が複数の飛行機や戦車を含む軍隊に戦いを挑むシーンの画像と、「死ぬ程運が強い人なら当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図5に示される画面構成要素82は、「チャレンジゲーム2」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム2」は、消化ゲーム数が250〜449であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム2」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム1」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素82には、「チャレンジゲーム2」の内容を表すため、人間がロボットに戦いを挑むシーンの画像と、「超絶運が強い人なら当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図6に示される画面構成要素83は、「チャレンジゲーム3」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム3」は、消化ゲーム数が450〜599であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム3」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム2」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素83には、「チャレンジゲーム3」の内容を表すため、人間が武装された兵士に戦いを挑むシーンの画像と、「ものすごく運が強い人なら当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図7に示される画面構成要素84は、「チャレンジゲーム4」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム4」は、消化ゲーム数が600〜699であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム4」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム3」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素84には、「チャレンジゲーム4」の内容を表すため、人間が熊に戦いを挑むシーンの画像と、「かなり運が強い人なら当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図8に示される画面構成要素85は、「チャレンジゲーム5」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム5」は、消化ゲーム数が700〜799であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム5」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム4」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素85には、「チャレンジゲーム5」の内容を表すため、一側面にハートマークが付された六角鉛筆を転がすシーンの画像と、「引き強なら当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図9に示される画面構成要素86は、「チャレンジゲーム6」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム6」は、消化ゲーム数が800〜899であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム6」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム5」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素86には、「チャレンジゲーム6」の内容を表すため、じゃんけんをするシーンの画像と、「じゃんけんで勝てば当たるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図10に示される画面構成要素87は、「チャレンジゲーム7」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム7」は、消化ゲーム数が900〜969であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム7」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が「チャレンジゲーム6」の次に低く設定されている。そして、画面構成要素87には、「チャレンジゲーム7」の内容を表すため、コイントスをするシーンの画像と、「コイントスを当てると当選チャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
図11に示される画面構成要素88は、「チャレンジゲーム8」の内容を遊技者に案内する。「チャレンジゲーム8」は、消化ゲーム数が970〜1000であるときに実行可能な天井チャレンジゲームである。「チャレンジゲーム8」では、天井チャレンジ抽選の当選確率が最も高く設定されている。そして、画面構成要素88には、「チャレンジゲーム8」の内容を表すため、人間がゴキブリを退治するシーンの画像と、「運が悪いと負けることもあるチャレンジゲーム」の文言とが含まれる。
天井チャレンジゲーム案内画面では、その時点での消化ゲーム数で実行可能な天井チャレンジゲームの内容を案内する画面構成要素81〜88が相対的に明るく表示され、それ以外の画面構成要素81〜88が相対的に暗く表示される。これにより、遊技者は、「チャレンジゲーム1〜8」のいずれの天井チャレンジゲームを実行可能であるかを一目で把握することができる。また、将来的に実行可能となる天井チャレンジゲームの内容を把握することができる。
図3Aを再び参照して、天井チャレンジボタン24がオンであるか否かの判定の後、メイン基板31のCPU41により、スタートレバー15が操作されたか否かが判定される(ステップS7)。
スタートレバー15が操作されるまでは、CPU41により、天井チャレンジボタン24がオンであるか否かが繰り返し判定される。
スタートレバー15が操作されると(ステップS7のYES)、CPU41により、ベット操作が禁止される(ステップS8)。具体的には、メダルブロックソレノイド52が制御されて、メダル投入口11から投入されるメダルの排出先がメダルトレイ19とされる。また、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13および2枚ベットボタン14からの操作信号の入力が無効とされる。
スタートレバー15が操作されたタイミングで、CPU41により、乱数生成回路45から乱数が取得されて、その乱数および抽選テーブル47に基づいて、内部抽選が実行される(ステップS9)。
その後、図3Bに示されるように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が開始される(ステップS10)。
また、内部抽選の結果がメイン基板31から演出サブ基板32に通知されて、演出サブ基板32のCPU61により、内部抽選で特定役、たとえば、レア小役であるスイカ役に当選したか否かが判定される(ステップS11)。
内部抽選で特定役に当選した場合には(ステップS11のYES)、CPU61により、ART抽選が実行される(ステップS12)。
ART抽選の実行後、CPU61により、そのART抽選の結果が当選であるか否かかが判定される(ステップS13)。
ART抽選の結果が当選であった場合には(ステップS13のYES)、演出サブ基板32のRAM63に設けられたART当選フラグに1がセットされる(ステップS14)。
内部抽選で特定役に当選していな場合には(ステップS11のNO)、ステップS12〜S14の処理がスキップされて、ART抽選が実行されない。
その後、CPU61により、天井チャレンジボタン24がオンになっているか否かが判定される(ステップS15)。スタートレバー15が操作された時点で、メイン基板31から演出サブ基板32に、天井チャレンジボタン24がオンであるかオフであるかが通知されている。
天井チャレンジボタン24がオンになっている場合には(ステップS15のYES)、CPU61により、遊技者が天井チャレンジゲームの実行を指示したと判断されて、メイン基板31から演出サブ基板32に通知される消化ゲーム数に応じた天井チャレンジゲームにおける天井チャレンジ抽選が実行される(ステップS16)。また、それに伴い、消化ゲーム数に応じた天井チャレンジゲームの内容を案内する画面構成要素81〜88が液晶表示器20に表示された後、その画面構成要素81〜88の内容(シーン)に沿ったアニメーションが液晶表示器20に表示される。アニメーションの最後には、天井チャレンジ抽選の結果を報知する画像が表示される。たとえば、消化ゲーム数が300であるときに、天井チャレンジボタン24がオンにされて、スタートレバー15が操作された場合には、図5に示される画面構成要素82が液晶表示器20に表示される。その後、液晶表示器20には、人間とロボットとの戦闘シーンのアニメーションが表示された後、天井チャレンジ抽選に当選した場合には、人間がロボットに勝ったことを表す画像が表示され、天井チャレンジ抽選にはずれた場合には、人間がロボットに負けたことを表す画像が表示される。
天井チャレンジ抽選では、演出サブ基板32のROM62に格納されている抽選テーブル66が参照される。抽選テーブル66は、最低ゲーム数以上かつ残りゲーム数の最大数以下の数値範囲に、つまり最低ゲーム数から天井ゲーム数までの数値範囲が複数の確率設定範囲に区分されて、確率設定範囲ごとに設定された当選確率に基づいて作成されている。具体的には、最低ゲーム数から天井ゲーム数までの数値範囲が「確率設定範囲1〜8」の8つの確率設定範囲に区分されている。「確率設定範囲1〜8」の数値範囲は、それぞれ「チャレンジゲーム1〜8」を実行可能な消化ゲーム数の範囲と同一である。そして、「確率設定範囲1〜8」に対して、当選確率として、それぞれ0.1%、1%、4%、10%、17%、33%、50%および80%が設定されており、「チャレンジゲーム1〜8」における天井チャレンジ抽選において、それぞれ0.1%、1%、4%、10%、17%、33%、50%および80%の確率で当選するように、抽選テーブル66が作成されている。
「確率設定範囲1〜8」の当選確率は、残りゲーム数を指数として、1からART抽選の当選確率(たとえば、1/256)を減じた値を冪乗して得られる天井確率以下であり、かつ、その天井確率に天井ゲーム数に対する消化ゲーム数の割合を乗じて得られる天井確率投資割を指標に設定されている。つまり、天井確率は、次式(1)に従って求めることができ、天井確率投資割は、次式(2)に従って求めることができる。天井確率および天井確率投資割の算出結果は、図12に表で示されるとともに、図13にグラフで示されている。そして、「確率設定範囲1〜8」の当選確率は、図13に示されるグラフにおいて、「確率設定範囲1〜8」の各当選確率を示す直線が天井確率を示す曲線よりも右側の領域に含まれ、かつ、「確率設定範囲1〜8」の各当選確率を示す直線が天井確率投資割を示す曲線よりも右側の領域に含まれるように設定されている。
天井確率=(1−ART抽選の当選確率)^(天井ゲーム数−消化ゲーム数)
・・・(1)
天井確率投資割=天井確率×(消化ゲーム数/天井ゲーム数) ・・・(2)
天井チャレンジ抽選の実行後は、その天井チャレンジ抽選の結果が当選であるか否かが判定される(ステップS17)。
天井チャレンジ抽選の結果が当選であった場合には(ステップS17のYES)、ART当選フラグに1がセットされる(ステップS18)。
一方、天井チャレンジ抽選の結果がはずれであった場合には(ステップS17のNO)、ART当選フラグの状態が変更されず、消化ゲーム数が0にされる(ステップS19)。言い換えれば、天井チャレンジ抽選の結果がはずれであった場合には、残りゲーム数が天井ゲーム数に増加する。
また、スタートレバー15が操作された時点で、天井チャレンジボタン24がオンでない場合、つまりオフになっている場合には(ステップS15のNO)、消化ゲーム数が天井ゲーム数に達しているか否かが判定される(ステップS20)。
消化ゲーム数が天井ゲーム数に達している場合には(ステップS20のYES)、ART当選フラグに1がセットされる(ステップS18)。
一方、消化ゲーム数が天井ゲーム数に達していない場合には(ステップS20のNO)、ART当選フラグの状態は変更されない。
その後、メイン基板31のCPU41により、図3Cに示されるように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を停止させるためのリール停止制御が実行される(ステップS21)。
リール停止制御により、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止されると、入賞ライン上に内部抽選での当選役に対応した図柄が並んでいるか否かが判定される。すなわち、内部抽選での当選役が入賞したか否かの入賞判定が行われる(ステップS22)。
入賞判定後、演出サブ基板32のCPU61により、ARTを開始させるか否かが決定される(ステップS23)。すなわち、ART当選フラグに1がセットされているか否かが判定される。
ARTの開始が決定された場合には(ステップS23のYES)、遊技状態が通常遊技状態からARTに移行される(ステップS24)。
遊技状態がARTに移行(ARTに突入)すると、ART当選フラグが0にリセットされる(ステップS25)。
そして、ベット操作の禁止が解除されて(ステップS26)、1ゲームにおける処理が終了される。
ARTを開始させないと決定された場合には(ステップS23のNO)、ステップS24,S25の処理がスキップされて、遊技状態が通常遊技状態のまま、また、ART当選フラグの状態が変えられずに、ベット操作の禁止が解除されて(ステップS26)、1ゲームにおける処理が終了される。
<作用効果>
以上のように、通常遊技状態で天井に到達するまでゲームが消化されると、遊技状態が通常遊技状態からARTに移行する。
遊技者は、スロットマシン1での遊技を天井への到達を待たずに中止せざるを得ない場合、天井チャレンジゲーム(天井チャレンジ抽選)を実行することができる。天井チャレンジ抽選で当選した場合には、天井に到達していなくても、遊技状態が通常遊技状態からARTに直ちに移行する。一方、天井チャレンジ抽選の結果がはずれであった場合には、天井に達するまでに消化されるべき残りゲーム数が増加する。
天井チャレンジ抽選は、天井に達するまでに消化されるべき残りゲーム数が少ないほど高い確率で当選する。したがって、遊技者が天井チャレンジ抽選にチャレンジした場合、それまでに消化されたゲーム数が天井チャレンジ抽選の当選確率に反映される。よって、遊技者は、天井チャレンジ抽選を実行することにより、それまでに消化したゲーム数の恩恵を享受することができる。そのため、遊技者がスロットマシン1での遊技を天井への到達を待たずに中止せざるを得ない場合であっても、その遊技者に天井機能による不公平感を感じさせることを防止できる。その結果、遊技者が天井機能を搭載したスロットマシン1での遊技を敬遠することを抑制できる。
天井チャレンジ抽選は、天井チャレンジ抽選の前回の実行から最低ゲーム数以上のゲームが消化された後に実行可能である。
これにより、遊技者が天井チャレンジ抽選を頻繁に実行することを抑制できる。また、天井チャレンジ抽選の前回の実行から最低ゲーム数以上のゲームが消化されるまでの間は、天井チャレンジ抽選が新たに実行されないので、その間に遊技者が遊技を中止することを抑制できる。
最低ゲーム数から天井ゲーム数までの数値範囲が「確率設定範囲1〜8」の8つの確率設定範囲に区分され、「確率設定範囲1〜8」に対して、当選確率として、それぞれ0.1%、1%、4%、10%、17%、33%、50%および80%が設定されている。そして、「チャレンジゲーム1〜8」における天井チャレンジ抽選において、それぞれ0.1%、1%、4%、10%、17%、33%、50%および80%の確率で当選するように、天井チャレンジ抽選に用いられる抽選テーブル66が作成されている。
天井チャレンジ抽選の実行時には、消化ゲーム数に応じた天井チャレンジゲームの内容を案内する画面構成要素81〜88が液晶表示器20に表示された後、その画面構成要素81〜88の内容(シーン)に沿ったアニメーションが液晶表示器20に表示される。
これにより、天井チャレンジ抽選の雰囲気を盛り上げることができる。その結果、スロットマシン1における遊技の興趣を増大させることができる。
また、3枚のメダルがゲームにベットされた後、最低ゲーム数以上のゲームが消化されていれば、天井チャレンジボタン24が点灯される。この天井チャレンジボタン24の点灯後、天井チャレンジボタン24が押操作されると天井チャレンジゲームの内容を案内するための天井チャレンジゲーム案内画面が液晶表示器20に表示される。天井チャレンジゲーム案内画面では、画面構成要素81〜88が4行×2列の行列状に並べて一覧表示される。
これにより、液晶表示器20に表示される天井チャレンジゲーム案内画面に基づいて、遊技者が天井チャレンジ抽選を実行するタイミングを決定することができる。その結果、遊技者にスロットマシン1における遊技を長く続けさせることができる。
「確率設定範囲1〜8」の各当選確率は、残りゲーム数を指数として、1からART抽選の当選確率を減じた値を冪乗して得られる天井確率以下であるように設定されている。
これにより、天井チャレンジ抽選を天井に達するまでに消化されるべき残りゲーム数が少ないほど高い確率で当選する抽選とすることができる。
また、「確率設定範囲1〜8」の各当選確率は、天井確率に天井ゲーム数に対する消化ゲーム数の割合を乗じて得られる天井確率投資割を指標に設定されている。
これにより、天井チャレンジ抽選を実行することにより、スロットマシン1の出玉率が著しく低下することを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、天井チャレンジ抽選の結果がはずれであった場合には、残りゲーム数が天井ゲーム数に増加するとした。しかしながら、天井チャレンジ抽選の結果がはずれであった場合に、残りゲーム数が1以上かつ天井ゲーム数未満の範囲内の所定のゲーム数だけ増加される仕様とされてもよい。
また、天井チャレンジゲームは、消化ゲーム数のすべてを賭けて、天井チャレンジ抽選に挑戦するゲームであるとした。しかしながら、天井チャレンジゲームは、消化ゲーム数のうちで遊技者の任意で決められたゲーム数を賭けて、天井チャレンジ抽選に挑戦するゲームであってもよい。この場合、天井チャレンジ抽選の当選確率は、天井チャレンジゲームに賭けられたゲーム数が多いほど高くなるように設定されるとよい。そして、天井チャレンジ抽選にはずれた場合には、その天井チャレンジゲームに賭けられたゲーム数だけ残りゲーム数が増加されるとよい。
天井チャレンジゲーム案内画面では、画面構成要素81〜88が4行×2列の行列状に並べて一覧表示されるとした。しかしながら、天井チャレンジゲーム案内画面では、現時点での消化ゲーム数に応じて実行可能な「チャレンジゲーム1〜8」の内容を案内する1つの画面構成要素81〜88が表示されてもよい。また、天井チャレンジゲーム案内画面では、現時点での消化ゲーム数に応じて実行可能な「チャレンジゲーム1〜8」の内容を案内する1つの画面構成要素81〜88と、ゲーム数の消化が進むことによって将来的に実行可能となる1以上の「チャレンジゲーム1〜8」の内容を案内する画面構成要素82〜88とが表示されてもよい。
特別遊技状態の一例として、ARTを取り上げた。しかしながら、特別遊技状態は、ARTに限らず、一種BBゲーム、二種BBゲームなど、通常遊技状態よりも遊技者に有利なゲームが実行される状態であればよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。