JP4966967B2 - 医療用具 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用具に関するものである。
近年、医療において、例えば、カテーテルと呼ばれる細長い中空管状の医療用具を用いて様々な形態の治療が行われている。
このようなカテーテルでは、管壁の内部に形成された流路(ルーメン)内に、造影剤を注入して、造影下に生体内における先端位置を視認すること(例えば、特許文献1参照)や、流路内に液体を注入して、先端部に設けられたバルーンを拡張させること(例えば、特許文献2参照)等が行われることがある。
特許文献1には、流路がカテーテルの両端で開口しており、基端にコックを設け、このコックを閉じることにより、流路内に造影剤を保持する構成のカテーテルが開示されている。
しかしながら、かかる構成のカテーテルでは、コックの誤動作により、コックが開状態となると、先端から造影剤が生体内に流出することになる。また、コックが閉じられている時であっても、カテーテル先端の開口に血液等の体液が接触することで、造影剤が容易に生体内に流出することがある。これらの場合、造影剤の種類や濃度等によっては、患者に悪影響を及ぼすことがある。
一方、特許文献2には、流路が先端で閉塞しており、基端が分岐ハブの開口部に開口した構成のカテーテル(バルーンカテーテル)が開示されている。
しかしながら、かかる構成のカテーテルでは、流路の一端が閉塞しているため、流路内に十分な量の液体を注入する場合、例えば、分岐ハブの開口部に三方活栓の付いたシリンジを接続し、流路内へ液体を注入する操作と、流路内から気体を除去する操作とを繰り返し行わざるを得ず煩雑である。
特表2002−516132号公報 特開2000−107293号公報
本発明の目的は、線状体の内部に形成された空間に、液体を容易かつ確実に供給し得る医療用具を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
先端から生体内に挿入して使用される長尺な線状体を備える医療用具であって、
前記線状体は、内管と、該内管の外周側に設けられた外管と、前記内管と前記外管との間に形成された空間とを備え、
前記外管は、外管本体と、前記外管本体の先端部に接合された外管先端部とを備え、前記外管先端部が多孔質部材で構成されており、
前記空間は、その内部の先端部に形成され、液体を収納可能な液体収納空間と、その内部の長手方向に沿って形成され、前記液体収納空間に連通し、前記液体を前記液体収納空間に導く流路とを備えており、
前記液体収納空間に、前記液体を吸収して保持する吸収剤が収納されていることを特徴とする医療用具である。
このような本発明によれば、線状体の内部に形成された空間が臨む部分の少なくとも一部を多孔質部材で構成したので、空間内に存在する気体を線状体外に排出する経路を確保することができ、このため、空間内に液体を注入すると、この液体を容易かつ確実に先端部にまで供給することができる。
また、液体収納空間に収納される液体が造影性を有する場合、その液体を吸収剤に吸収させることができ、液体収納空間内により確実に残存(保持)させることができる。
また、空間のうち先端部が液体収納空間として機能し、それより基端側の部分が流路として機能する。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、前記空間内を常圧とした状態で、その空孔率が10〜50%であるのが好ましい。
これにより、気体の通過を十分に許容しつつ、液体の通過をより確実に阻止することができる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、前記空間内を常圧とした状態で、その平均孔径が0.05〜0.5μmであるのが好ましい。
これにより、気体の通過を十分に許容しつつ、液体の通過をより確実に阻止することができる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、伸縮性に乏しいものであるのが好ましい。
これにより、空間内の圧力が不要に上昇した場合や、比較的粘度の高い液体を流路(空間)内に供給した場合等でも、多孔質部材の孔径等が極端に大きくなるのを防止することができ、液体収納空間内に供給された液体が、線状体の外に流出(逸流)するのを好適に防止することができる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、前記空間内の圧力を20気圧としたとき、孔径の拡大率が200%以下であるのが好ましい。
これにより、多孔質部材の伸縮率が十分に低くなるので、液体収納空間内に供給された液体が、線状体の外に流出するのをより確実に防止することができる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、その少なくとも前記空間に臨む面に疎水性を有するのが好ましい。
これにより、液体の通過を阻止する効果がより顕著に発揮される。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材は、超音波造影性を有するのが好ましい。
これにより、超音波画像により線状体の位置を確認することができる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材で構成される部分は、前記線状体の先端部に設けられているのが好ましい。
これにより、流路内に液体を注入した際、この液体により空間内の気体が先端方向に向かって押圧されるため、空間内の気体を線状体の外に効率よく排出することができる。
また、本発明の医療用具では、前記液体収納空間は、前記線状体の全周にわたって形成されているのが好ましい。
液体収納空間に収納される液体が造影性を有する場合、線状体を生体内に挿入する際に、液体収納空間に収納された液体により、線状体の位置がより視認し易くなる。
また、本発明の医療用具では、前記流路は、前記線状体の全周にわたって形成されているのが好ましい。
これにより、液体収納空間により均一に液体を供給し易くなる。
また、本発明の医療用具では、前記流路は、前記線状体の周方向の一部に形成されているのが好ましい。
流路を通過する液体が造影性を有する場合、流路を通過する液体により、生体内において線状体に生じた捩れの程度を視認(確認)することもできる。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材で構成される部分は、前記外管より内側に設けられているのが好ましい。
これにより、空間内の気体が内管側へ排出(排気)される。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材で構成される部分は、前記内管より外側に設けられているのが好ましい。
これにより、空間内の気体が外管側へ排出(排気)される。
また、本発明の医療用具では、前記線状体は、コア部と、該コア部の少なくとも先端側を覆うように設けられた被覆層とを備え、
前記空間は、前記コア部と前記被覆層との間に形成されているのが好ましい。
これにより、空間のうち先端部が液体収納空間として機能し、それより基端側の部分が流路として機能する。
また、本発明の医療用具では、前記多孔質部材で構成される部分は、前記コア部より外側に設けられているのが好ましい。
これにより、空間内の気体が外管側へ排出(排気)される。
また、本発明の医療用具では、さらに、前記線状体の基端側に設けられたハブを有し、
前記流路は、その基端側が前記ハブの側方に開放しているのが好ましい。
これにより、流路のハブの側方に開放した部分を介して、液体を流路内に注入できる。
また、本発明の医療用具では、前記空間の内面の少なくとも一部に、イオン化することによりMRI造影性を示す物質が付与されており、
必要時に、前記流路内に前記物質を溶解し得る溶解液を注入して使用されるのが好ましい。
これにより、必要時に空間に造影性が発現する。
また、本発明の医療用具では、必要時に、前記流路内に造影性を示す液状の造影剤を注入して使用されるのが好ましい。
これにより、造影剤を収納した状態で長期間保管するのを防止することができ、よって、線状体と造影剤とが長期接触することによる線状体や造影剤の変質・劣化等を好適に防止することができる。
また、本発明の医療用具では、当該医療用具は、カテーテル、ガイドワイヤまたは針体であるのが好ましい。
これにより、医療用具として好適なものとなる。
第1図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第1実施形態を示す縦断面図である。 第2図は、第1図中のA−A線断面図(a)およびB−B線断面図(b)である。 第3図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第2実施形態の先端部を示す縦断面図である。 第4図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第3実施形態の先端部を示す縦断面図である。 第5図は、第4図中のA−A線断面図(a)およびB−B線断面図(b)である。 第6図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第4実施形態の先端部を示す縦断面図である。 第7図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第5実施形態の先端部を示す縦断面図である。 第8図は、本発明の医療用具を適用したガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の医療用具を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<カテーテル>
まず、本発明の医療用具をカテーテルに適用した場合について説明する。
<<第1実施形態>>
まず、カテーテルの第1実施形態について説明する。
第1図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第1実施形態を示す縦断面図、第2図は、第1図中のA−A線断面図(a)およびB−B線断面図(b)である。なお、以下では、説明の都合上、第1図中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
第1図に示すカテーテル1は、可撓性を有するカテーテル本体(長尺な線状体)2と、カテーテル本体2の基端側に設けられたハブ3とを有している。
カテーテル本体2は、先端から生体(例えば血管等の管状器官)内に挿入して使用される部位である。
このカテーテル本体2は、その内部の先端部に形成され、液体を収納可能な液体収納空間41と、その内部の長手方向に沿って形成され、液体収納空間41に連通し、液体を液体収納空間41に導く流路42とを備える空間4を有している。
カテーテル1は、必要時に、例えば、MRI造影性を示す液状の造影剤(以下、単に「MRI造影剤」と言う。)を流路42に注入し、液体収納空間41に貯留して使用される。これにより、カテーテル1を生体内に挿入する際に、MRI造影によりカテーテル本体2の先端部を視認することができ、その操作を容易かつ正確に行うことができる。また、必要時に、MRI造影剤を空間4内に供給(注入)するので、すなわち、空間4内(カテーテル本体2内)にMRI造影剤を収納した状態で保管しないので、カテーテル本体2とMRI造影剤とが長期接触することによるカテーテル本体2やMRI造影剤の変質・劣化等を好適に防止することができる。
ここで、MRI造影剤としては、例えば、ガドテル酸メグルミン、ガドテリドール、フェルモキシデス、クエン酸鉄アンモニウム、ガドペンテト酸メグルミン等を、所定の溶媒(例えば、注射用水等)に溶解したものが挙げられる。
以下では、必要時に、空間4内にMRI造影剤を注入する形態のカテーテル1を一例に説明する。
本実施形態のカテーテル本体2は、第1図に示すように、内腔20を有する円管状の内管21と、この内管21の外周側に設けられた円管状の外管22と、先端部において内管21と外管22との間に設けられ、これらを接合する接着剤層(中間層)23とで構成されている。カテーテル本体2の内腔20には、例えば、ガイドワイヤやカテーテル等の長尺物が挿通される。
内管21と外管22とは、第2図に示すように、同心的に、かつ互いに離間して設けられており、これにより、内管21と外管22との間(カテーテル本体2の内部)に、カテーテル本体2の全周にわたって空間4が形成されている。
この空間4のうち先端部が液体収納空間41を構成し、それより基端側の部分(領域)が流路42を構成する。したがって、本実施形態では、液体収納空間41および流路42の双方が、カテーテル本体2の全周にわたって形成され、その横断面形状が円環状をなしている。
液体収納空間41がカテーテル本体2の全周にわたって形成されることにより、カテーテル1を生体内に挿入する際に、MRI造影によりカテーテル本体2の先端部の位置がより視認し易くなる。また、流路42がカテーテル本体2の全周にわたって形成されることにより、液体収納空間41により均一にMRI造影剤を供給し易くなる。
液体収納空間41の幅(内管21と外管22との隙間の先端部における幅)は、特に限定されないが、0.05〜0.5mm程度であるのが好ましく、0.1〜0.3mm程度であるのがより好ましい。
一方、流路42の幅(内管21と外管22との隙間の主たる部分における幅)は、特に限定されないが、0.05〜0.5mm程度であるのが好ましく、0.1〜0.3mm程度であるのがより好ましい。
本実施形態では、内管21は、内管本体212と、この内管本体212の先端部に接合された内管先端部211とを備え、この内管先端部(空間4に臨む部分の一部)211が多孔質部材で構成されている。なお、かかる構成においては、空間4のうち、先端から内管先端部211と内管本体212との接合部付近までの領域が液体収納空間41とされ、それより基端側の領域が流路42とされる。
ここで、本発明で用いられる多孔質部材とは、隣接する空孔同士が連結した連続空孔を含むものであり、気体の通過を許容するが、液体の通過を阻止する機能を有するものである。
カテーテル本体2の空間4に臨む部分の一部(本実施形態では、内管21の内管先端部211)を、このような多孔質部材で構成することにより、液体収納空間41内に流路42からMRI造影剤(液体)を注入したとき、空間4内の気体(例えば空気等)を多孔質部材(連続空孔)を介して、カテーテル本体2外に排出できるため、空間4内の圧力が高くなるのを防止することができる。このため、液体収納空間41内に容易かつ確実にMRI造影剤を供給することができ、カテーテル本体2の先端部の位置がより視認し易くなる。
本実施形態では、多孔質部材で構成される部分(内管先端部211)が外管22より内側(内周側)に設けられており、空間4内の気体は、カテーテル本体2の内腔20側に排出(排気)される。
なお、多孔質部材で構成される部分は、本実施形態のように、カテーテル本体2の先端部であることが好ましい。流路42内にMRI造影剤を注入した際、このMRI造影剤により空間4内の気体が先端方向に向かって押圧されるため、空間4内の気体をカテーテル本体2外に効率よく排出することができるためである。
この多孔質部材は、空間4内を常圧とした状態で、その空孔率が10〜50%程度であるのが好ましく、35〜45%程度であるのがより好ましい。これにより、気体の通過を十分に許容しつつ、液体の通過をより確実に阻止することができる。なお、空孔率が前記上限値を超えると、空間4内に注入する液体の粘度や、多孔質部材の伸縮性の程度等によっては、空間4内に注入した液体が多孔質部材を介してカテーテル本体2外に漏出(流出)するおそれが高くなる。一方、空孔率が前記下限値未満であると、空間4内の気体を排出するのに時間を要すること、すなわち、液体収納空間41に液体を収納するのに時間を要することがある。また、液体収納空間41にMRI造影剤が十分に充填されない可能性もある。
また、多孔質部材は、空間4内を常圧とした状態で、その平均孔径が0.05〜0.5μm程度であるのが好ましく、0.05〜0.15μm程度であるのが好ましい。これにより、気体の通過を十分に許容しつつ、液体の通過をより確実に阻止することができる。なお、平均孔径が前記上限値を超えると、空間4内に注入する液体の粘度や、多孔質部材の伸縮性の程度等によっては、空間4内に注入した液体が多孔質部材を介してカテーテル本体2外に漏出するおそれが高くなる。一方、平均孔径が前記下限値未満であると、空間4内の気体を排出するのに時間を要すること、すなわち、液体収納空間41に液体を収納するのに時間を要することがある。また、液体収納空間41にMRI造影剤が十分に充填されない可能性もある。
なお、以上のような空孔率および平均孔径は、それぞれ、例えば、水銀ポロシメーター等により測定することができる。
また、多孔質部材は、伸縮性に乏しいものであるのが好ましい。これにより、空間4内の圧力が不要に上昇した場合や、比較的粘度の高い液体を流路42(空間4)内に供給した場合等でも、多孔質部材の孔径等が極端に大きくなるのを防止することができ、液体収納空間41内に供給された液体が、カテーテル本体2外に流出(逸流)するのを好適に防止することができる。
ここで、多孔質部材の伸縮性の程度は、空間4内を所定の圧力にしたときに、多孔質部材の孔径が拡大する度合いを目安とすることができる。
具体的には、多孔質部材は、空間4内の圧力を20気圧としたとき、孔径の拡大率が200%以下であるのが好ましく、170%以下であるのがより好ましい。これにより、多孔質部材の伸縮率が十分に低くなるので、液体収納空間41内に供給された液体が、カテーテル本体2外に流出するのをより確実に防止することができる。
なお、「空間4内の圧力を20気圧としたとき」としたのは、空間4内に液体を注入した際、空間4内の圧力は、通常、最大で10気圧程度となるため、この数値に若干の余裕をもって規定したものである。
また、前述したように、多孔質部材の平均孔径は、空間4内に圧力を付与しない状態で、その最大値が好ましくは0.5μm程度とされる。しかしながら、多孔質部材は、その構成材料等によらず、平均孔径が1μmを上回ると、液体の通過を阻止する効果が低下する傾向を示す。このため、空間4内の圧力を20気圧としたとき、孔径の拡大率を200%以下の多孔質部材を用いると、液体収納空間41内に供給された液体の、カテーテル本体2外への流出を実質的に生じないようにすることができる。
多孔質部材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(3−メチルブテン−1)、ポリ(4−メチルペンテン−1)のようなポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、多孔質部材(内管先端部211)の構成材料は、内管本体212の構成材料を含有するのが好ましい。これにより、内管先端部211の内管本体212に対する融着による接合をより容易に行うことができるとともに、内管先端部211と内管本体212との接合強度をより向上させることができる。
このような多孔質部材は、その少なくとも空間4に臨む面に疎水性を有するのが好ましい。これにより、液体の通過を阻止する効果がより顕著に発揮される。
かかる多孔質部材としては、例えば、前述した材料の中でも疎水性ポリマー(例えば、フッ素系樹脂等)で構成したもの、前述した材料で構成された基材の空間4に臨む面に疎水化処理を施したもの等が挙げられる。
疎水化処理としては、例えば、疎水性を示す官能基を有するカップリング剤による表面処理、フッ素原子を含む物質のプラズマによる表面処理、疎水性材料による被膜の形成等が挙げられる。
さらに、多孔質部材は、超音波造影性(超音波画像における視認性)を有するものが好ましい。これにより、空間4内にMRI造影剤を注入しない状態では、超音波画像によりカテーテル本体2の先端部の位置を確認することができる。すなわち、カテーテル本体2の先端部の位置を確認する方法として、MRI造影と超音波造影との2つの方法を場合に応じて使い分けることができる。
ここで、多孔質部材は、多くの気泡を含むため、固相と気相とにおいて超音波の反射率が大きく異なり、固相−気相界面において超音波の反射が生じ易く、一般に超音波造影性を有するが、その構成材料、空孔率(気孔率)、平均孔径等の条件を適宜設定することにより、特に優れた超音波造影性を示すものとなる。
このような多孔質部材で構成される内管先端部211を、内管本体212に対して固定する方法としては、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
なお、多孔質部材の形態としては、例えば、スポンジ状、網目(複数の線材を織った織布)状、細孔板(複数の貫通孔が形成された板体)状、不織布状等が挙げられる。
内管本体212の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリイミド、フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
特に、内管本体212の構成材料としては、摩擦抵抗の小さい材料(低摩擦材料)を用いるのが好ましい、これにより、ガイドワイヤやカテーテル等の長尺物を、カテーテル本体2の内腔20へ挿入する操作や、内腔20から引き抜く操作等を容易かつ確実に行うことができるようになる。
かかる低摩擦材料としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等が挙げられる。
また、内管本体212の内面には、シリコーン樹脂等による被膜を形成するようにしてもよい。これにより、内管本体212の内面は、摩擦力がさらに低減される。
以上のような内管21の各部の寸法は、特に限定されないが、それぞれ、例えば、次のように設定される。
内管先端部211の外径は、0.5〜3.1mm程度であるのが好ましく、1.0〜2.4mm程度であるのがより好ましい。
内管先端部211の内径は、0.4〜2.9mm程度であるのが好ましく、0.9〜2.2mm程度であるのがより好ましい。
内管先端部211の長さは、5〜100mm程度であるのが好ましく、10〜50mm程度であるのがより好ましい。
内管本体212の外径は、0.5〜3.1mm程度であるのが好ましく、1.0〜2.4mm程度であるのがより好ましい。
内管本体212の内径は、0.4〜2.9mm程度であるのが好ましく、0.9〜2.2mm程度であるのがより好ましい。
内管本体212の長さは、150〜3000mm程度であるのが好ましく、500〜1500mm程度であるのがより好ましい。
内管先端部211と内管本体212との接合部の長さは、1〜20mm程度であるのが好ましく、5〜15mm程度であるのがより好ましい。
このような構成において、さらに、内管先端部(多孔質部材)211の構成材料として内管本体212の構成材料より柔軟なものを選択することにより、カテーテル本体2の先端部をそれより基端側の部分よりも柔軟性に富むものとすることができる。これにより、カテーテル本体2を、血管等の生体内へ挿入する際の安全性をより向上させることができる。
このような内管21の外周側には、外管22が設けられている。
この外管22の構成材料としては、前記内管本体212で挙げた材料と同様のものを用いることができる。
また、外管22の外面の少なくとも一部(好ましくは、ハブ3から露出する部分)には、親水化処理が施されていてもよい。これにより、カテーテル本体2の外面が、血液や生理食塩水等の液体に接触した際に潤滑性が発現し、カテーテル本体2の摩擦抵抗が減少して、摺動性が一段と向上して、特に蛇行した血管等の管状器官への挿入操作がより容易となる。
この親水化処理は、例えば、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性化処理の他、界面活性剤、水溶性シリコン、親水性高分子材料の付与(塗布)等により行うことができる。
ここで、親水性高分子材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(例えば、ポリエチレングリコール等)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、アクリルアミド−グリシジルメタクリレート共重合体等)、水溶性ナイロン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、このような親水性高分子材料を用いて、外管22自体を構成するようにしてもよい。この場合、外管22の外面への親水化処理を省略することもできる。
以上のような外管22の寸法は、特に限定されないが、それぞれ、例えば、次のように設定される。
外管22の外径は、0.7〜3.4mm程度であるのが好ましく、1.3〜2.7mm程度であるのがより好ましい。
外管22の内径は、0.6〜3.3mm程度であるのが好ましく、1.2〜2.6mm程度であるのがより好ましい。
外管22の長さは、150〜3000mm程度であるのが好ましく、500〜1500mm程度であるのがより好ましい。
このような外管22は、先端部において内管21(内管先端部211)に接着剤層23を介して接合されている。
この接着剤層23の構成材料(接着剤)としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、接着剤層23は、X線不透過性材料(放射線不透過性材料)で構成された粒子を含有してもよい。これにより、空間4内にMRI造影剤を注入しない状態では、X線画像によりカテーテル本体2の先端部の位置を確認することができる。すなわち、カテーテル本体2の先端部の位置を確認する方法として、MRI造影とX線造影との2つの方法を場合に応じて使い分けることができる。
このようなX線不透過性材料としては、例えば、金、白金、タングステン、イリジウムまたはこれらを含む合金のような金属材料、酸化ビスマス、硫酸バリウムのような金属酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、かかる構成に代えて、接着剤層23と内管21との間や、接着剤層23と外管22との間に、前記X線不透過性材料で構成したリング状(円環状)またはフィラメント状のX線不透過性マーカー(放射線不透過性マーカー)を設けるようにしてもよい。
このようなカテーテル本体2の先端部は、外径が先端方向に向かって縮径している。換言すれば、その角が切り取られたような形状(テーパ形状)をなしている。これにより、カテーテル本体2を血管等の生体内に挿入する際に、穿刺抵抗を低下させることができ、挿入をより円滑に行うことができる。また、血管内壁へダメージを与えることも防止することができる。このようなことから、カテーテル本体2の挿入の操作性および安全性を向上させることができる。
カテーテル本体2の基端側には、第1のポートと第2のポート(サイドポート)とを備え、全体形状がY字状をなすハブ3が設けられている。術者は、このハブ3を把持することにより、カテーテル1を容易に操作(押し込み、ねじり等)することができる。
ハブ3は、内管21の基端部に固定された内管ハブ31と、外管22の基端部に固定された外管ハブ32とを有し、これらが接合されて構成されている。
内管ハブ31は、ほぼ円筒状の部材で構成されている。
内管ハブ31は、その先端部において内径が拡径した先端側拡径部311を有している。先端側拡径部311の内径は、内管21(内管本体212)の外径とほぼ等しく設定されている。
この先端側拡径部311に、内管21の基端部が挿入され、内管21が内管ハブ31に対して固定(固着)されている。これにより、内管ハブ31の内腔と、内管21(カテーテル本体2)の内腔20とが連通している。
内管21の内管ハブ31に対する固定の方法としては、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
一方、内管ハブ31は、その基端部において内径が拡径した基端側拡径部312を有しており、この基端側拡径部312がハブ3の第1のポートを構成している。
この基端側拡径部(第1のポート)312を介して、カテーテル本体2の内腔20内に、ガイドワイヤやカテーテル等の長尺物が挿入される。
また、内管ハブ31は、その先端部において外径が縮径した内管ハブ側接続部313を有している。この内管ハブ側接続部313が、後述する外管ハブ32の外管ハブ側接続部323内に挿入される。
外管ハブ32は、ほぼ円筒状の部材で構成されている。
外管ハブ32は、その先端部において内径が拡径した先端側拡径部321を有している。先端側拡径部321の内径は、外管22の外径とほぼ等しく設定されている。
この先端側拡径部321に、外管22の基端部が挿入され、外管22が外管ハブ32に対して固定(固着)されている。
外管22の外管ハブ32に対する固定の方法としては、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
外管ハブ32の基端部側方には、筒状の突出部322が突出形成されている。この突出部322は、その内腔が外管ハブ32の内腔と連通しており、ハブ3の第2のポート(サイドポート)を構成している。
また、外管ハブ32は、その基端部に外管ハブ側接続部323を有している。この外管ハブ側接続部323に、前述した内管ハブ31の内管ハブ側接続部313が挿入され、これにより、内管ハブ31と外管ハブ32とが液密に接合されている。
外管ハブ32の内管ハブ31に対する固定の方法としては、例えば、嵌合、カシメ、螺合、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。なお、これらの方法を組み合わせてもよい。
また、内管ハブ31と外管ハブ32とは、射出成形等により予め一体的に形成されたものであってもよい。
また、外管ハブ32の内径は、内管21(内管本体212)の外径より大きく、かつ外管22の外径より小さく(またはほぼ等しく)設定されており、第1図に示すように、外管ハブ32と内管21との間には、空間30が形成(確保)されている。
この空間30は、その先端側において、カテーテル本体2の空間4に連通し、その基端側において突出部(第2のポート)322の内腔に連通している。換言すれば、カテーテル本体2の流路42は、その基端側が突出部322においてハブ3の側方に開放している。これにより、突出部322を介して、MRI造影剤をカテーテル本体2の流路42内に注入できるようになっている。
このような構成により、カテーテル本体2の内腔20内に、ガイドワイヤやカテーテル等の長尺物を挿入・抜去する部位(第1のポート)と、MRI造影剤を収納したシリンジ等が接続される部位(第2のポート)とを分けることができるようになる。これにより、カテーテル本体2に対する前記長尺物の挿入・抜去操作と、カテーテル本体2(空間4内)に液体を供給する操作とを、それぞれ独立して行うことができ、カテーテル1の操作性をより向上させることができる。
このようなハブ(Y型分岐コネクタ)3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンのような硬質な樹脂材料、各種金属材料、各種プラスチック材料等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、カテーテル1の使用時には、第2のポートの基端部には、図示しない逆止弁や多方活栓等が装着される。これにより、カテーテル本体2の空間4内に供給したMRI造影剤(液体)が、ハブ3側からカテーテル1外に流出するのを防止することができる。
このようなカテーテル1では、カテーテル本体2の空間4のほぼ全体に、MRI造影剤を供給することにより、カテーテル本体2のほぼ全体にMRI造影性を付与することができる。
<<第2実施形態>>
次に、カテーテルの第2実施形態について説明する。
第3図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第2実施形態の先端部を示す縦断面図である。なお、以下では、第3図中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態では、内管21および外管22の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、第3図に示すカテーテル本体2は、内管21は、1つの円管状の部材で構成されている。一方、外管22は、外管本体222と、この外管本体222の先端部に接合された外管先端部221とを備え、この外管先端部(空間4に臨む部分の一部)221が多孔質部材で構成されている。
本実施形態では、多孔質部材で構成される部分(外管先端部221)が内管21より外側(外周側)に設けられており、空間4内の気体は、カテーテル本体2外(外周側)に排出(排気)される。
また、内管21と外管22とが先端部において接着剤層23を介して接合されている。
また、外管先端部221および外管本体222の先端部は、それぞれ外径が先端方向に向かって縮径しており、カテーテル本体2の挿入の操作性および安全性の向上が図られている。
このような構成によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<<第3実施形態>>
次に、カテーテルの第3実施形態について説明する。
第4図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第3実施形態の先端部を示す縦断面図、第5図は、第4図中のA−A線断面図(a)およびB−B線断面図(b)である。なお、以下では、第4図中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態では、接着剤層23が省略され、また流路42の構成が異なり、それ以外は、前記第2実施形態と同様である。
すなわち、第4図に示すカテーテル本体2は、内管21と外管22とが先端部において直接接合(固定)されている。
内管21の外管22(外管先端部221)に対する固定の方法としては、例えば、融着等が挙げられる。この場合、外管先端部(多孔質部材)221の構成材料は、内管21および外管本体222の双方の構成材料を含有するのが好ましい。これにより、外管先端部221の外管本体222に対する融着による接合、および外管先端部221の内管21に対する融着による接合をより容易に行うことができるとともに、これらの間の接合強度をより向上させることができる。
また、流路42が外管22の内面に長手方向に沿って形成された溝と、内管21の外面とで画成されており、一直線状をなしている。なお、図示の構成では、溝の縁部の形状は、ほぼU字状をなしているが、これに限定されず、例えば、半円状、コ字状、V字状等であってもよい。
このような構成によっても、前記第1および第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
特に、第3実施形態では、内管21と外管22との接触面積を増大させることができるため、カテーテル本体2の機械的強度の向上を図る(剛性を高める)ことができ、さらに、カテーテル本体2の先端へのトルク伝達性を高めることができる。
また、流路42がカテーテル本体2の周方向の一部に形成されるため、流路42にMRI造影性を付与することにより、生体内においてカテーテル本体2に生じた捩れの程度を視認(確認)することもできる。
<<第4実施形態>>
次に、カテーテルの第4実施形態について説明する。
第6図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第4実施形態の先端部を示す縦断面図であり、(a)は吸収剤が液体を吸収する前の状態を示し、(b)は吸収剤が液体を吸収した後の状態を示す。なお、以下では、第6図中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
以下、第4実施形態について説明するが、前記第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第4実施形態では、空間4内に吸収剤5を収納し、それ以外は、前記第3実施形態と同様である。
すなわち、第6図に示すカテーテル本体2は、液体収納空間41内(空間4内の少なくとも先端部)に、液体を吸収して保持する機能を有する吸収剤5が収納されている(第6図(a)参照。)。これにより、液体収納空間41内に供給されたMRI造影剤を、吸収剤5に吸収させること(第6図(b)参照。)により、液体収納空間41内により確実に残存(保持)させることができる。
このため、空間4のほぼ全体に、MRI造影剤を供給した後、流路42内のMRI造影剤を第2のポートから吸引して除去することにより、液体収納空間41内に選択的にMRI造影剤を残存させることができる。
吸収剤5の形態としては、第6図に示すような粒状の他、例えば、塊状(ペレット状)、ブロック状等であってもよい。
なお、粒状の吸収剤5は、その平均粒径が20〜300μm程度であるのが好ましく、50〜150μm程度であるのがより好ましい。
また、吸収剤5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、でんぷん−アクリル二トリル、でんぷん−アクリル酸、でんぷん−アクリルアミド、でんぷん−ナトリウムアクリレートのようなアクリレート系のでんぷん(その加水分解物を含む)グラフト化物、部分ケン化したポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩系やアクリル酸−ビニルアルコール系重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロース系重合体、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド樹脂、アルファー化でんぷん、アクリル系重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような構成によっても、前記第1〜第3実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<<第5実施形態>>
次に、カテーテルの第5実施形態について説明する。
第7図は、本発明の医療用具を適用したカテーテルの第5実施形態の先端部を示す縦断面図である。なお、以下では、第7図中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
以下、第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第5実施形態では、内管21の構成が異なり、また接着剤層23を省略し、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、第7図に示すカテーテル本体2は、内管21の全体が多孔質部材で構成されている。これにより、液体収納空間41内に流路42からMRI造影剤を注入するとき、空間4内の気体を内管21のほぼ全体から、カテーテル本体2外(内腔20)に排出できるため、空間4内の圧力が高くなるのをより確実に防止することができる。このため、液体収納空間41内に、より確実にMRI造影剤を供給することができ、カテーテル本体2全体のMRI造影性をより確実なものとすることができる。
このような構成によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
なお、内管21に代えて、外管22の全体を多孔質部材で構成するようにしてもよく、内管21および外管22の双方の全体を多孔質部材で構成するようにしてもよい。
また、カテーテル1は、前記第1〜第5実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、以上の各実施形態で示したカテーテル1では、カテーテル本体2の内部(管壁の内部)、すなわち、内管21と外管22との間に、補強部材を設置(埋設)するようにしてもよい。これにより、カテーテル1におけるトルク伝達性、押し込み性、耐キンク性、追従性等が向上し、カテーテル本体2を生体(例えば血管等)内へ挿入する際の操作性が向上するとともに、空間4の内圧(液圧)が高まった際の耐圧性が向上する。
この場合、補強部材は、好ましくはカテーテル本体2のほぼ全長にわたって配設するが、カテーテル本体2の先端部には、配設しないのが好ましい。これにより、カテーテル本体2の先端部の柔軟性を十分に確保することができ、生体内への挿入時の追従性、安全性を確保することができる。
また、補強部材は、その少なくとも一部が内管21の外面、または外管22の内面に埋入するよう配設するのが好ましい。
このような補強部材としては、網状またはコイル状に形成された線材で構成されたものが好ましい。このような補強部材は、線材の構成材料、線径、配設密度(網目の大きさやコイルの巻き数等に依存する)等の条件を適宜選択することにより、容易に、補強部材の強度を所望の強度に調整することができる。
線材の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、タングステン、Ti、Ni−Ti系合金等の金属材料や、高密度ポリエチレン、アラミド、ケブラー等の強化樹脂繊維、炭素繊維等が挙げられる。
なお、線材の構成材料として、タングステン等のX線不透過性材料を選択すれば、カテーテル本体2のほぼ全長にわたってX線造影性を付与することができる。
また、線材の線径は、特に限定されないが、3〜100μm程度であるのが好ましく、20〜60μm程度であるのがより好ましい。
<ガイドワイヤ>
次に、本発明の医療用具をガイドワイヤに適用した場合について説明する。
第8図は、本発明の医療用具を適用したガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、第8図中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
以下、ガイドワイヤについて説明するが、前記第1実施形態のカテーテル1との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第8図に示すガイドワイヤ100は、可撓性を有するガイドワイヤ本体(長尺な線状体)200と、ガイドワイヤ本体200の基端側に設けられたガイドワイヤ本体200と脱着可能なハブ300とを有している。
ガイドワイヤ本体200は、先端から生体(例えば血管等の管状器官)内に挿入して使用される部位である。
このガイドワイヤ本体200は、その内部の先端部に形成され、液体を収納可能な液体収納空間401と、その内部の長手方向に沿って形成され、液体収納空間401に連通し、液体を液体収納空間401に導く流路402とを備える空間400を有している。
本実施形態のガイドワイヤ本体200は、第8図に示すように、横断面形状が円形の線状をなすコア部(芯材)201と、このコア部201の少なくとも先端側(本実施形態では、全体)を覆うように設けられた被覆層202とで構成されている。
コア部201と被覆層202とは、第8図に示すように、それらの主たる部分が同心的に、かつ互いに離間して設けられており、基端部において接合部2000において接合(固定)されている。これにより、ガイドワイヤ本体2の接合部2000より先端側において、コア部201と被覆層202との間(ガイドワイヤ本体200の内部)に空間400が形成されている。
この空間400は、その主たる部分がガイドワイヤ本体の全周にわたって形成されるが、ガイドワイヤ本体200の先端部において合流して、一体となっている。
この空間400のうち先端部が液体収納空間401を構成し、それより基端側の部分(領域)が流路402を構成する。したがって、本実施形態では、液体収納空間401(先端部を除く)および流路402の双方が、ガイドワイヤ本体200の全周にわたって形成され、その横断面形状が円環状をなしている。
コア部201は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。
本実施形態では、コア部201は、その外径が一定である部分と、外径が先端方向へ向かって漸減している部分(外径漸減部)とを有する。後者は、1箇所でも2箇所以上でもよく、図示の実施形態では、1箇所の外径漸減部(テーパ部)2011を有している。
このような外径漸減部2011を有することにより、コア部201の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ本体200は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
図示の構成では、外径漸減部2011は、コア部201の長手方向の一部(先端部)に形成されているが、コア部201の全体が外径漸減部を構成していてもよい。また、外径漸減部2011のテーパ角度(外径の減少率)は、コア部201長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
コア部201の外径漸減部2011より基端側の部分は、その外径がコア部201の基端付近まで一定となっている。
コア部201の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、Ti、Ni−Ti系合金、タングステンなどの各種金属材料を使用することができる。
なお、コア部201は、その先端部(外径漸減部2011)の構成材料と、それより基端側の構成材料とに、それぞれ異なる材料を用いるようにしてもよい。
このコア部201(ガイドワイヤ本体200)の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましく、1500〜3000mm程度であるのがより好ましい。
コア部201(外径漸減部2011を除く)の外径は、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度であるのが好ましく、0.4〜0.8mm程度であるのがより好ましい。
このコア部201を覆うように被覆層202が設けられ、被覆層202は、基端部の接合部2000においてコア部201に固定(接合)されている。
この被覆層202は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ本体200の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ100の操作性を向上させることがある。
なお、被覆層202のコア部201に対する固定の方法としては、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
また、コア部201の基端部外面(表面)には、被覆層202の密着性を向上するための処理(粗面加工、化学処理、熱処理等)を施したり、被覆層202の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
この被覆層202は、被覆層本体2022と、この被覆層本体2022の先端部に接合されたキャップ状の被覆層先端部2021とを備え、この被覆層先端部(空間400に臨む部分の一部)2021が多孔質部材で構成されている。なお、かかる構成においては、空間400のうち、先端から被覆層先端部2021と被覆層本体2022との接合部付近までの領域が液体収納空間401とされ、それより基端側の領域が流路402とされる。
被覆層本体2022の基端側には、側方に開口する側孔2023が形成されている。
被覆層先端部2021は、前記第1実施形態のカテーテル1で説明した内管先端部211と同様の構成とすることができる。
本実施形態では、多孔質部材で構成される部分(被覆層先端部2021)がコア部201より外側(外周側)に設けられており、空間400内の気体は、ガイドワイヤ本体200外(外周側)に排出(排気)される。
また、被覆層本体2022は、前記第1実施形態のカテーテル1で説明した外管22と同様の構成とすることができる。
ガイドワイヤ本体200の基端側には、サイドポートを備えるガイドワイヤ本体200と脱着可能なハブ300が設けられている。術者は、このハブ300を把持することにより、ガイドワイヤ100を容易に操作(押し込み、ねじり等)することができる。
ハブ300は、ハブ本体301と、ハブ本体301の先端部および基端部に、それぞれ設けられた先端側蓋体302および基端側蓋体303とを有し、これらが螺合により固定されて構成されている。
ハブ本体301は、ほぼ円筒状の部材で構成されている。
ハブ本体301の長手方向の中央部には、筒状の突出部3011が側方に向かって突出形成されている。この突出部3011は、その内腔がハブ本体301の内腔と連通しており、ハブ300のサイドポートを構成している。
この突出部3011は、ガイドワイヤ本体200をハブ300に固定した状態で、被覆層本体2022に形成された側孔2023と対向配置される。これにより、ガイドワイヤ本体200の流路402は、その基端側が突出部3011においてハブ300の側方に開放し、この突出部3011を介して、MRI造影剤をガイドワイヤ本体200の流路402内に注入できるようになっている。さらに、突出部3011には、逆止弁や多方活栓(図示せず)等を装着することも可能である。
また、ハブ本体301の内面には、長手方向に所定の間隔をあけて、1対のリング状の凸部3012、3013が突出形成されている。各凸部3012、3013は、それぞれ、ハブ本体301に後述する弁体304、305を挿入した際に、各弁体304、305が必要以上に内側に移動するのを防止する機能(位置決め機能)を有する。
先端側蓋体302は、ほぼ円柱状の部材で構成され、そのほぼ中央部には、厚さ方向(第8図中左右方向)に貫通する貫通孔3021が形成されている。この貫通孔3021には、ガイドワイヤ本体200が挿通される。
先端側蓋体302の基端面には、円環状(リング状)の凹部3022が凹没形成されている。そして、凹部3022の外周側には、ネジ山が設けられており、ハブ本体301の先端側に設けられたネジ溝と螺合している。
また、先端側蓋体302の先端側には、外方に向かって円環状のフランジ3023が突出形成されている。
一方、基端側蓋体303は、ほぼ円柱状の部材で構成され、そのほぼ中央部には、厚さ方向(第8図中左右方向)に貫通する貫通孔3031が形成されている。この貫通孔3031には、ガイドワイヤ本体200が挿通される。
基端側蓋体303の先端面には、円環状(リング状)の凹部3032が凹没形成されている。そして、凹部3032の外周側には、ネジ山が設けられており、ハブ本体301の基端側に設けられたネジ溝と螺合している。
また、基端側蓋体303の基端側には、外方に向かって円環状のフランジ3033が突出形成されている。このフランジ3033と、前述した先端側蓋体302のフランジ3023とを把持し、先端側蓋体302および基端側蓋体303を、ハブ本体301に対して所定の方向に回転させることにより、弁体304、305が内側に圧迫されて、弁体304、305の内径が収縮する。これにより、ガイドワイヤ本体200をハブ300に固定することが可能である。
また、フランジ3023、3033を把持し、先端側蓋体302および基端側蓋体303を、ハブ本体301に対して、前記と逆の方向に回転させることにより、弁体304、305の圧迫が解除されて、弁体304、305の内径が拡大する。これにより、ガイドワイヤ本体200をハブ300から取り外すことが可能である。
ハブ300の構成材料には、前記第1実施形態のカテーテル1で説明したハブ3で挙げた材料と同様のものを用いることができる。
また、ハブ本体301内の先端側と基端側とには、それぞれ弁体304、305が設けられている。
各弁体304、305は、それぞれ、ほぼ円柱状の部材で構成され、そのほぼ中央部には、厚さ方向(第8図中左右方向)に貫通する貫通孔3041、3051が形成されている。各貫通孔3041、3051には、それぞれ、ガイドワイヤ本体200が挿通される。
各弁体304、305は、それぞれ、弾性材料で構成されている。したがって、前述の通り、フランジ3023、3033を把持し、先端側蓋体302および基端側蓋体303を、ハブ本体301に対して所定の方向に回転させることにより、各貫通孔3041、3051が収縮し、弁体304、305がガイドワイヤ本体200の外面に密着して、ガイドワイヤ本体200をハブ30に固定することが可能である。また、この状態で、ハブ300内のMRI造影剤が供給される空間(液溜まり)3000の液密性が確保される。
このような弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等が挙げられる。
以上のようなガイドワイヤ100には、前記第2〜第5実施形態のカテーテル1の任意の1以上の構成(特徴)を組み合わせてもよい。
なお、前記各実施形態では、空間4、400内に、MRI造影剤(MRI造影性を示す液状の造影剤)を注入(供給)して使用する形態について説明したが、空間4、400内には、X線造影性を示す液状の造影剤(X線造影剤)を注入して使用するようにしてもよい。
この場合、X線造影剤には、例えば、前述したX線不透過性材料(放射線不透過性材料)で構成された粒子を、所定の分散媒(例えば、注射用水等)に分散したものが好適に使用される。
また、空間4、400の内面の少なくとも一部あるいは第4実施形態においては吸収剤5に、イオン化することによりMRI造影性を示す物質を付与しておき、必要時に、流路42、402内に前記物質を溶解し得る溶解液を注入して使用する形態としてもよい。
この場合、前記物質と溶解液との組み合わせとしては、例えば、クエン酸鉄アンモニウムと注射用水との組み合わせ、ガドペンテト酸メグルミンと注射用水との組み合わせ等が挙げられる。
以上、本発明の医療用具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、医療用具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前記実施形態では、本発明の医療用具をカテーテルおよびガイドワイヤに適用した場合を代表に説明したが、本発明の医療用具は、例えば、バルーンカテーテル、留置カテーテル、留置針(針体)、イントロデューサーシースおよびダイレーター等に適用することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
A.カテーテルの製造
(実施例)
第1図に示すカテーテルを製造した。なお、各部の仕様は、以下に示す通りである。
1.カテーテル本体
1−1.内管
・内管先端部(多孔質部材)
空孔率 :40%(空間内を常圧とした状態)
平均孔径:0.1μm(空間内を常圧とした状態)
構成材料:ポリプロピレン
内径 :1.8mm
外径 :2.0mm
長さ :60mm
・内管本体
構成材料:ポリプロピレン
内径 :2.0mm
外径 :2.3mm
長さ :940mm
1−2.外管
構成材料:ポリエステル系熱可塑性エラストマー
内径 :2.4mm
外径 :2.7mm
長さ :980mm
2.ハブ
構成材料:ポリカーボネート
なお、液体収納空間の容積は、約0.08mLであり、流路の容積は、約0.4mLであった。また、空間内の圧力を20気圧としたとき、内管先端部の孔径の拡大率は、約150%であった。
(比較例)
内管先端部をポリプロピレン製の緻密質部材で構成した以外は、前記実施例と同様にしてカテーテルを製造した。
B.評価
実施例および比較例で製造したカテーテルのサイドポートに、それぞれMRI造影剤を収納したシリンジの先端部を接続し、カテーテルの空間内にMRI造影剤(ゲルベ社製、「マグネスコープシリンジ」)を注入した。
その結果、実施例のカテーテルでは、シリンジの押し子を移動させる1回の操作で、MRIを空間の先端部(液体収納空間)まで十分に注入することができた。また、MRI造影剤の流出は、確認されなかった。
これに対して、比較例のカテーテルでは、空間の先端部(液体収納空間)までMRI造影剤を注入するのに、シリンジからのMRI造影剤の注入操作、および他のシリンジを用いて空間内の空気の除去操作を繰り返し行う必要があった。
また、MRI造影下において、空間内に充填されたMRI造影剤の状態を確認したところ、実施例のカテーテルでは、空間内に均一にMRI造影剤が注入されていた。
これに対して、比較例のカテーテルでは、空間内に空気が残存する箇所が確認された。すなわちMRI造影剤の注入が不均一であった。
また、第3図、第4図、第6図および第7図に示すカテーテル、第8図に示すガイドワイヤを製造し、前記と同様にして、空間内にMRI造影剤を注入したところ、前記と同様の結果が得られた。
本発明の医療用具は、先端から生体内に挿入して使用される長尺な線状体を備える医療用具であって、前記線状体は、その内部の先端部に形成され、液体を収納可能な液体収納空間と、その内部の長手方向に沿って形成され、前記液体収納空間に連通し、前記液体を前記液体収納空間に導く流路とを備える空間を有し、前記線状体は、その前記空間に臨む部分の少なくとも一部が、気体の通過を許容し、かつ前記液体の通過を阻止する機能を有する多孔質部材で構成され、前記液体を前記流路内に注入したとき、前記多孔質部材を介して、前記空間内の気体が前記線状体外に排出されるよう構成されている。そのため、線状体の内部に形成された空間が臨む部分の少なくとも一部を多孔質部材で構成したので、空間内に存在する気体を線状体外に排出する経路を確保することができ、このため、空間内に液体を注入すると、この液体を容易かつ確実に先端部にまで供給することができる。また、多孔質部材の条件を適宜設定することにより、気体をより円滑に排出することができるとともに、液体の流出をより確実に防止することができる。従って、本発明の医療用具は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (14)

  1. 先端から生体内に挿入して使用される長尺な線状体を備える医療用具であって、
    前記線状体は、内管と、該内管の外周側に設けられた外管と、前記内管と前記外管との間に形成された空間とを備え、
    前記外管は、外管本体と、前記外管本体の先端部に接合された外管先端部とを備え、前記外管先端部が多孔質部材で構成されており、
    前記空間は、その内部の先端部に形成され、液体を収納可能な液体収納空間と、その内部の長手方向に沿って形成され、前記液体収納空間に連通し、前記液体を前記液体収納空間に導く流路とを備えており、
    前記液体収納空間に、前記液体を吸収して保持する吸収剤が収納されていることを特徴とする医療用具。
  2. 前記多孔質部材は、前記空間内を常圧とした状態で、その空孔率が10〜50%である請求項1に記載の医療用具。
  3. 前記多孔質部材は、前記空間内を常圧とした状態で、その平均孔径が0.05〜0.5μmである請求項1または2に記載の医療用具。
  4. 前記多孔質部材は、伸縮性に乏しいものである請求項1または2に記載の医療用具。
  5. 前記多孔質部材は、前記空間内の圧力を20気圧としたとき、孔径の拡大率が200%以下である請求項3に記載の医療用具。
  6. 前記多孔質部材は、その少なくとも前記空間に臨む面に疎水性を有する請求項1または2に記載の医療用具。
  7. 前記多孔質部材は、超音波造影性を有する請求項1または2に記載の医療用具。
  8. 前記液体収納空間は、前記線状体の全周にわたって形成されている請求項1または2に記載の医療用具。
  9. 前記流路は、前記線状体の全周にわたって形成されている請求項1または2に記載の医療用具。
  10. 前記流路は、前記線状体の周方向の一部に形成されている請求項1または2に記載の医療用具。
  11. さらに、前記線状体の基端側に設けられたハブを有し、
    前記流路は、その基端側が前記ハブの側方に開放している請求項1または2に記載の医療用具。
  12. 前記空間の内面の少なくとも一部に、イオン化することによりMRI造影性を示す物質が付与されており、
    必要時に、前記流路内に前記物質を溶解し得る溶解液を注入して使用される請求項1または2に記載の医療用具。
  13. 必要時に、前記流路内に造影性を示す液状の造影剤を注入して使用される請求項1または2に記載の医療用具。
  14. 当該医療用具は、カテーテル、ガイドワイヤまたは針体である請求項1または2に記載の医療用具。
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