JPH0871155A - スライディングカテーテル - Google Patents

スライディングカテーテル

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JPH0871155A
JPH0871155A JP6211439A JP21143994A JPH0871155A JP H0871155 A JPH0871155 A JP H0871155A JP 6211439 A JP6211439 A JP 6211439A JP 21143994 A JP21143994 A JP 21143994A JP H0871155 A JPH0871155 A JP H0871155A
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catheter
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catheter tube
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Osamu Egawa
修 江川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライド管の操作時に、スライド管の相対回
転による筒状のバルーン膜の過度の捩れを防止し、カテ
ーテル管の先端部からバルーン膜を良好に反転させて突
出させることができ、しかも、筒状のバルーン膜の反転
突出方向の制御性に優れたスライディングカテーテルを
提供すること。 【構成】 体腔内に挿入されるカテーテル管4と、その
内部に軸方向移動に装着されるスライド管6と、これら
の先端部に両端部が接合される筒状のバルーン膜8とで
形成される内腔部に流体圧力を加えることにより、筒状
のバルーン膜8がカテーテル管4の先端内部から反転し
ながら繰り出されるスライディングカテーテル。カテー
テル管4の内周面およびスライド管6の外周面に、カテ
ーテル管4に対するスライド管6の相対回転が制限され
るように、凸部20,22,24または凹部26が形成
してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管などの体腔内に挿
入し、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは蛇
行した狭窄部または体腔内分岐部などでも、低摩擦力
で、しかも体腔内壁を傷つけることなく容易に通過させ
ることができるスライディングカテーテルの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血管、消化管、卵管、尿管などの体腔内
の特定部位に、薬液あるいは輸液を供給したり、あるい
は体液の圧力を測定したりする目的で、スライディング
カテーテルが使用されている。スライディングカテーテ
ルは、体腔内に挿入されるカテーテル管と、このカテー
テル管の内部に軸方向移動自在に装着されるスライド管
と、このスライド管の先端部に第1開口端部が接合さ
れ、前記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合さ
れる筒状のバルーン膜とを有する。
【0003】スライド管とカテーテル管との間の隙間に
圧力流体を封入した状態で、スライド管の基端部を操作
し、スライド管を軸方向に前進させることで、バルーン
膜がカテーテル管の先端部から反転しながら突出する。
このバルーン膜は適度な可撓性を有し、その表面が反転
しながら突出することで、このバルーン膜は、きわめて
狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは蛇行した狭窄部な
どでも、低摩擦力で狭窄部を傷つけることなく容易に通
過することができる。
【0004】バルーン膜が狭窄部を通過した後、さらに
スライド管を前進させれば、スライド管も、狭窄部を通
過することができる。したがって、このスライド管を通
して、薬液あるいは輸液を、狭窄部の背後の特定部位に
導入することができる。また、同様な理由から、その特
定部位の圧力などを検出することもできる。さらに特定
部位から検査用のサンプリングも行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスラ
イディングカテーテルでは、スライド管とカテーテル管
とは、バルーン膜のみを介して連結してあったため、相
互に自由に相対回転が可能であり、バルーン膜が捩れた
状態となることがあった。すなわち、スライド管がカテ
ーテル管に対して相対的に回転している位置にあるとし
ても、スライディングカテーテルの操作者は、判別し難
く、そのままの状態で、血管などの体腔内にスライディ
ングカテーテルを挿入するおそれがある。
【0006】ところが、このような状態でスライディン
グカテーテルを体腔内に挿入し、スライド管の基端を操
作し、スライド管を前進移動させようとしても、バルー
ン膜が捩れていることから、良好に前進させることがで
きない。また、前進移動させようとすると、過度の捩れ
からバルーン膜が破壊され易い状態になるおそれもあ
る。仮にバルーン膜が捩れた状態で、カテーテル管の先
端からバルーン膜を突出させることができたとしても、
バルーン膜の捩れがスライド管との接合部に集中し、ス
ライド管の先端開口部を塞ぐおそれもあった。その場合
には、スライド管を通しての薬液供給などを良好に行う
ことができない。
【0007】また、体腔内分岐部の手前で、カテーテル
管の先端から筒状のバルーン膜を反転して突出させ、目
的とする分岐方向にバルーン膜を侵入させるためには、
カテーテル管内でスライド管を軸回りに回転させること
により、突出したバルーン膜の先端部を一定角度に曲げ
ることが必要である。ところが、カテーテル管内でスラ
イド管が自由に相対回転可能であると、カテーテル管の
先端から突出する筒状のバルーン膜の曲がる方向を制御
することが困難であり、目的とする分岐方向に筒状のバ
ルーン膜を侵入させることが困難である。
【0008】又、従来のスライディングカテーテルは、
スライド体が軸方向に自由に移動できる。しかし、スラ
イド体を遠位端方向へ相対的に押し込みすぎても、基端
方向へ相対的に引き出しすぎても、バルーン膜に過度の
力が働きバルーン膜が破壊する恐れがある。バルーン膜
の繰り出し距離又はスライド体遠位端とカテーテル管遠
位端との位置関係はX線透過像を観察して確認する。
【0009】しかし、従来のスライディングカテーテル
のX線透過像は鮮明でなく正確にバルーン膜の繰り出し
距離またはスライド体遠位端とカテーテル管遠位端との
位置関係を確認するのは困難であった。また、スライド
体が自由に移動するので、生体腔内の治療等を行ってい
る際に、不用意にスライド体に触れるとスライド体が動
いて、バルーン膜の繰り出し距離が変化するので、治療
作業中はスライド体とカテーテル管との相対位置を固定
するためにカテーテル管基端部に特別な固定装置を設け
る必要があった。
【0010】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、スライド管などのスライド体の操作時に、スライド
体の相対回転による筒状のバルーン膜の過度の捩れを防
止し、カテーテル管の先端部からバルーン膜を良好に反
転させて突出させることができ、しかも、筒状のバルー
ン膜の曲がる方向の制御性に優れたスライディングカテ
ーテルを提供することを第一の目的とする。また、本発
明はバルーン膜の繰り出し距離またはスライド体遠位端
とカテーテル管遠位端との位置関係を正確に確認でき、
しかも治療中にスライド体が移動しないように固定でき
るスライディングカテーテルを提供することを第二の目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討をし、スライド体の外周面に
凸部もしくは凹部が形成され、カテーテル管の内周面
に、スライド体の周方向の回転可能範囲もしくは軸方向
の移動可能範囲を限定する凹部もしくは凸部又は一定の
操作力以下ではスライド体を周方向に回転もしくは軸方
向に移動することができず一定の操作力を超えるとスラ
イド体を周方向に回転もしくは軸方向に移動することが
できる凹部もしくは凸部が形成されてなるスライディン
グカテーテルを用いることによって、上記目的を達成で
きることを見いだし、この知見に基づいて、本発明を完
成するに到った。
【0012】かくして本発明によれば、体腔内に挿入さ
れるカテーテル管と、このカテーテル管の内部に軸方向
移動自在に装着されるスライド体と、このスライド体の
先端部に第1開口端部が接合され、前記カテーテル管の
先端部に第2開口端部が接合される筒状のバルーン膜と
を有し、前記カテーテル管と前記筒状のバルーン膜およ
び前記スライド体とで形成される内腔部に圧力流体が封
入され、スライド体の外周面に凸部もしくは凹部が形成
され、カテーテル管の内周面に、スライド体の周方向の
回転可能範囲もしくは軸方向の移動可能範囲を限定する
凹部もしくは凸部又は一定の操作力以下ではスライド体
を周方向に回転もしくは軸方向に移動することができず
一定の操作力を超えるとスライド体を周方向に回転もし
くは軸方向に移動することができる凹部もしくは凸部が
形成されてなることを特徴とする、スライド体を軸方向
に移動することにより、前記筒状のバルーン膜が前記カ
テーテル管の先端内部から反転しながら繰り出されるス
ライディングカテーテルが提供される。
【0013】本発明において、前記カテーテル管の内周
面および前記スライド体の外周面に形成される凸部また
は凹部の具体的形状は特に限定されず、三角形、四角
形、半円形、半楕円形などの形状を採用することができ
る。スライド体の外周面に形成させる凸部又は凹部は、
少なくとも1個、好ましくは1〜10個形成する。スラ
イド体の外周面に形成させる2個以上の凸部又は凹部は
軸方向に概ね等間隔に形成してもよいし、周方向に概ね
等間隔に形成してもよい。軸方向に概ね等間隔に形成し
た場合には周方向全部にわたって、周方向に概ね等間隔
に形成した場合には軸方向全部にわたって、形成しても
よい。
【0014】カテーテル管の内周面に形成する凹部又は
凸部は、スライド体の周方向の回転可能範囲もしくは軸
方向の移動可能範囲を限定するもの又は一定の操作力以
下ではスライド体を周方向に回転もしくは軸方向に移動
することができず、一定の操作力を超えるとスライド体
を周方向に回転もしくは軸方向に移動することができる
ものである。スライド体の外周面に凸部が形成してある
場合には、カテーテル管の内周面には凸部又は凹部を形
成し、スライド体の外周面に凹部が形成してある場合に
は、カテーテル管の内周面には凸部を形成する。
【0015】カテーテル管の内周面に形成させる凸部又
は凹部は、少なくとも1個、好ましくは1〜10個形成
する。カテーテル管の内周面に形成させる2個以上の凸
部又は凹部は、軸方向に概ね等間隔に形成してもよい
し、周方向に概ね等間隔に形成してもよい。軸方向に概
ね等間隔に形成した場合には周方向全部にわたって、周
方向に概ね等間隔に形成した場合には軸方向全部にわた
って、形成してもよい。
【0016】スライド体外周面及びカテーテル管内周面
に形成する凸部(又は凹部)の高さ(又は深さ)を低く
(浅く)することにより、ある一定の操作力以下ではス
ライド体を周方向に回転もしくは軸方向に移動すること
ができず、ある一定の操作力を超えるとスライド体を周
方向に回転もしくは軸方向に移動することができるよう
にできるので突出したバルーン膜の先端部の曲げ方向又
はバルーン膜の繰り出し距離を操作する手に伝わる抵抗
感により確認できるから好ましい。
【0017】スライド体外周面及びカテーテル管内周面
に凸部または凹部を形成する方法は特に限定されず、例
えば、凸部又は凹部を有する管を形成する口金を用いて
押出成形する方法や、凸部又は凹部のない管を形成する
口金を用いて押出成形して管を得、別に凸部用の錘形
状、角形状、球形状などの樹脂又は金属を管の内周面又
は外周面に接着あるいは溶着する方法や、凸部又は凹部
のない管を形成する口金を用いて押出成形して管を得、
切削機等で所定箇所を削り凸部又は凹部を形成する方法
などが挙げられる。
【0018】なお、本発明において、スライド体とは、
スライド管を含む概念で用い、スライド管のように内部
が中空である必要は必ずしもない。たとえば、スライド
体として、中実の可撓性棒材を用い、棒材の先端にセン
サなどを取り付けても良い。また、スライド体としての
棒材を光ファイバーとすることもできる。
【0019】本発明スライディングカテーテルの好適な
態様を以下に示す。 (1)体腔内に挿入されるカテーテル管と、このカテー
テル管の内部に軸方向移動自在に装着されるスライド体
と、このスライド体の遠位端に第1開口端部が接合さ
れ、前記カテーテル管の遠位端に第2開口端部が接合さ
れる筒状のバルーン膜とを有し、前記カテーテル管、前
記筒状のバルーン膜及び前記スライド体で形成される内
腔部に圧力流体が封入され、スライド体の外周面に凸部
もしくは凹部が形成され、カテーテル管の内周面に、ス
ライド体の周方向の回転可能範囲もしくは軸方向の移動
可能範囲を限定する凹部もしくは凸部又は一定の操作力
以下ではスライド体を周方向に回転もしくは軸方向に移
動することができず一定の操作力を超えるとスライド体
を周方向に回転もしくは軸方向に移動することができる
凹部もしくは凸部が形成されてなることを特徴とする、
スライド体を軸方向に移動することにより、前記筒状バ
ルーン膜が前記カテーテル管の遠位端内部から反転しな
がら繰り出されるスライディングカテーテル。
【0020】(2)スライド体の外周面の軸方向又は周
方向に一定間隔で2個以上の凸部もしくは凹部を形成
し、カテーテル管の内周面の少なくとも1箇所にスライ
ド体の周方向の回転可能範囲もしくは軸方向の移動可能
範囲を限定する凹部もしくは凸部又は一定の操作力以下
ではスライド体を周方向に回転もしくは軸方向に移動す
ることができず一定の操作力を超えるとスライド体を周
方向に回転もしくは軸方向に移動することができる凸部
もしくは凹部が形成されてなることを特徴とする、前記
(1)のスライディングカテーテル。
【0021】(3)スライド体の外周面の少なくとも1
箇所に凸部もしくは凹部を形成し、カテーテル管の内周
面の周方向もしくは軸方向に一定間隔でスライド体の周
方向の回転可能範囲もしくは軸方向の移動可能範囲を限
定する2個以上の凹部もしくは凸部又は一定の操作力以
下ではスライド体を周方向に回転もしくは軸方向に移動
することができず一定の操作力を超えるとスライド体を
周方向に回転もしくは軸方向に移動することができる2
個以上の凸部もしくは凹部が形成されてなることを特徴
とする、前記(1)のスライディングカテーテル。
【0022】
【作用】本発明に係るスライディングカテーテルでは、
カテーテル管の内周面および前記スライド体の外周面に
形成された凸部または凹部により、カテーテル管に対す
るスライド体の相対回転または長軸方向移動が制限され
る。そのため、バルーン膜が過度に捩れ又は引張られる
ことはなくなる。したがって、バルーン膜の捩れにより
スライド体の前進移動が妨害されたりすることはない。
また、スライド体を前進移動させた結果、バルーン膜が
捩れ又は引張られることにより破壊されることもない。
さらに、バルーン膜の捩れによりスライド管の先端開口
端が閉塞されることもない。
【0023】たとえばカテーテル管の内周面に凸部を形
成すると共に、スライド体の外周面に凸部を形成し、ス
ライド体の所定角度範囲内での相対回転を許容した本発
明では、所定の角度範囲内で、スライド体をカテーテル
管に対して回転させることもできる。体腔内分岐部の手
前で、筒状のバルーン膜の突出曲がり方向を変化させた
い場合などには、スライド体の基端を操作し、スライド
体をカテーテル管に対して相対回転させることで、バル
ーン膜の突出先端部の曲がり方向を自由に変化させるこ
とができる。
【0024】また、本発明は、カテーテル管の内周面に
凸部(または凹部)を形成すると共に、これら凸部(ま
たは凹部)に係合するように、スライド体の外周面に凹
部(または凸部)を形成し、カテーテル管内でのスライ
ド体の相対回転または軸方向移動を適度に制御したこと
により、次に示す作用を有する。カテーテル管の内周面
の凸部または凹部が、スライド体の外周面の凹部または
凸部に係合した状態では、スライド体は、カテーテル管
の内部で、その軸回りの相対回転又は長軸方向移動が制
限される。スライド体を不注意に触れて、移動させるこ
とがない。スライド体の基端部を操作し、それを軸回り
に回転操作又は長軸方向に移動操作すれば、これらの係
合状態が解除され、クリック感をもって回転操作又は移
動操作することができる。又、スライド体の移動距離を
確認できる。
【0025】体腔内分岐部の手前で、筒状のバルーン膜
の突出曲げ方向を変化させたい場合などには、スライド
体の基端を操作し、スライド体をカテーテル管に対して
相対回転させることで、バルーン膜の突出先端部の曲げ
方向を自由に変化させることができる。スライド体の基
端を操作し、スライド体をカテーテル管に対して相対回
転させると、カテーテル管の内周面に形成してある凸部
または凹部が、スライド体の外周面に形成してある次の
凹部または凸部に係合する。その状態では、スライド体
は、カテーテル管の内部で、その軸回りの相対回転が再
度制限される。したがって、本発明では、スライド体の
相対回転が適度に制限されるので、体腔内分岐部におい
て、任意の分岐方向に筒状のバルーン膜を反転して突出
させる操作が容易である。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係るスライディングカテーテ
ルを、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図
1は本発明の一実施例に係るスライディングカテーテル
の概略断面図、図2(A)は図1に示すII−II線に沿う
要部断面図、図2(B−1),(C)は本発明の他の実
施例に係るスライディングカテーテルの要部断面図、図
2(B−2)は図2(B−1)に示すB−2,B−2線
に沿う断面図、図3は本発明のその他の実施例に係るス
ライディングカテーテルの概略断面図、図4は本発明の
他の実施例に係るスライディングカテーテルの要部側面
図である。
【0027】図1に示すように、スライディングカテー
テル2は、血管などの体腔内に挿入されるカテーテル管
4を有する。このカテーテル管4は中空管で構成され、
その内部には、スライド体としてのスライド管6が、軸
方向移動自在に装着してある。
【0028】このスライド管6の遠位端部外周には、筒
状のバルーン膜8の第1開口端8aが接着または熱融着
してある。また、カテーテル管4の遠位端部外周には、
バルーン膜8の第2開口端8bが接着または熱融着して
ある。スライド管6の内部は、中空であり、第1ルーメ
ン15が形成してある。
【0029】なお、スライド管6とカテーテル管4との
間の隙間には、第2ルーメン17が形成してある。この
第2ルーメン17は、バルーン膜8とカテーテル管4と
で囲まれる内腔に連通している。カテーテル管4は、あ
る程度の可撓性を有する材質で構成されることが好まし
く、たとえばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル(PV
C)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレ
タン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミ
ド、ポリイミドエラストマー、フッ素樹脂、シリコー
ン、天然ゴムなどで構成され、好ましくは、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル又はシ
リコーンで構成される。このカテーテル管4の内表面に
は、ハイドローマー被覆層などの摩擦低減層が被覆して
あることが好ましい。カテーテル管4の内部で、低摩擦
力でスライド管6が軸方向にスライド移動できるように
するためである。このような観点からは、スライド管6
の外表面にも、低摩擦層を形成することが好ましい。
【0030】スライド管6は、カテーテル管4と同様
に、ある程度の可撓性を有する材質で構成されることが
好ましく、たとえばポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラ
ストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリ
コーン、天然ゴム、金属(ステンレス、Ni−Ti合
金)などで構成され、好ましくは、ポリウレタン、ポリ
エチレン、ポリアミド、シリコーン又はポリ塩化ビニル
で構成される。また、このスライド管6は、カテーテル
管4と異なり、肉厚の薄い細径の金属チューブ、たとえ
ばステンレス、Ni−Ti合金で構成することもでき
る。細径の金属チューブであれば、ある程度の可撓性を
有し、しかも、スライド管6をスライド移動させるため
の操作力が伝達され易いことから好ましい。
【0031】筒状のバルーン膜8は、カテーテル管4お
よびスライド管6よりもさらに柔軟性を有する材質で構
成されることが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミ
ド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミド
エラストマー、シリコーン、天然ゴムなど、好ましく
は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリウレタン又はシリコーンで構成される。
【0032】カテーテル管4およびスライド管6の外
径、肉厚、軸方向長さなどの寸法は、このスライディン
グカテーテル2の使用目的に応じて種々に改変される
が、一般に、次の寸法であることが好ましい。カテーテ
ル管4の外径は、好ましくは0.3〜15mm、さらに好
ましくは1〜5mmであり、その肉厚は、好ましくは50
〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μ
m、その軸方向長さは、好ましくは10〜3000mm、
さらに好ましくは50〜1000mmである。スライド管
6の外径は、好ましくは0.1〜10mm、さらに好まし
くは0.5〜4mmであり、その肉厚は、好ましくは50
〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μ
m、その軸方向長さは、カテーテル管4よりも長く、好
ましくは20〜6000mm、さらに好ましくは100〜
2000mmである。
【0033】バルーン膜8の両端開口部8a,8bは、
それぞれスライド管6の遠位端部とカテーテル管4の遠
位端部とに接合される。したがって、バルーン膜8の外
径は、必ずしも軸方向に一定である必要はなく、その第
1開口端8aがスライド管6の遠位端部に接続され、そ
の第2開口端8bがカテーテル管4の遠位端部内周に接
続されるように都合の良い外径を有する。バルーン膜8
の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは10〜10
00μm、さらに好ましくは50〜500μmである。
また、バルーン膜8の軸方向長さは、スライディングカ
テーテルの使用目的に応じて種々に変えることができる
が、好ましくは50〜1000mm、さらに好ましくは1
00〜500mmである。
【0034】図1に示すように、カテーテル管4の基端
部には、分岐部10が設けられ、カテーテル管4内の第
2ルーメン17と連通する分岐管12が装着してある。
図1に示す実施例では、分岐管12が直接カテーテル管
4の基端部外周に装着してあるが、カテーテル管4の基
端に分岐用ハブを接続し、この分岐用ハブに対して分岐
管12を接続することもできる。分岐管及び分岐ハブ
は、患者の体外側に位置するので、カテーテル管4に比
較して剛性の高い材質で構成することができる。
【0035】分岐管12からは、カテーテル管4の第2
ルーメン17を通して、バルーン膜8とカテーテル管4
とで囲まれた内腔に液体が導入される。封入される液体
としては、特に限定されないが、たとえば放射線不透過
性媒体と生理食塩水との50/50混合水溶液などが用
いられる。放射線不透過性媒体を含ませるのは、スライ
ディングカテーテル2の使用時に、放射線を用いてバル
ーン膜8およびカテーテル管4の位置を造影するためで
ある。封入時の圧力としては、特に限定されないが、ゲ
ージ圧で好ましくは0.5〜2気圧程度である。
【0036】カテーテル管4の最基端部には、フランジ
状のカテーテル用ハブ14が装着してある。このカテー
テル用ハブ14は、カテーテル管4の最基端部外周に、
接着ないし融着してあり、カテーテル管4よりも剛性の
高い材質で構成することができる。このハブ14は、具
体的には、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、シリコーン樹脂、ABS樹
脂、好ましくはポリ塩化ビニル、ポリカーボネート又は
ABS樹脂で構成される。このハブ14の外径は、カテ
ーテル管4の外径に対して100〜1000%大きいこ
とが好ましい。
【0037】なお、このハブ14は、前記分岐ハブと一
体に形成することもできる。カテーテル用ハブ14が装
着されたカテーテル管4の内側には、密封用パッキン1
6が装着してある。密封用パッキン16は、バルーン膜
8の内部と、カテーテル管4の内部の第2ルーメン17
とを密封する。しかも、スライド管6を、カテーテル管
4の内部で軸方向にスライド移動自在とするために、密
封用パッキン16は、スライド管6の外周との摺動性に
優れた材質であることが好ましい。このような観点か
ら、密封用パッキンは、好ましくはシリコーンゴム、ポ
リイソプレン、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、さらに好ましくはシリコーンゴ
ム、天然ゴムで構成される。
【0038】スライド管6の最基端にも、フランジ状の
スライド用ハブ18が装着してある。スライド用ハブ1
8は、スライド管6の最基端外周に、接着または融着し
てある。スライド用ハブ18は、カテーテル用ハブと同
様な材質で構成される。スライド管6の内部に形成され
た第1ルーメン15は、その遠位端部に装着されたバル
ーン膜8によっても遠位端開口部が閉塞されず、その基
端部に装着されたハブ18によっても基端開口部が閉塞
されない。
【0039】本実施例では、図1および図2(A)に示
すように、カテーテル管4の内周面に、周方向略等間隔
の4箇所に、軸方向に伸びる断面四角形状の凸部20が
形成してある。また、これに対応して、スライド管6の
外周面には、周方向略等間隔の4箇所に、軸方向に伸び
る断面四角形状の凸部22が形成してある。
【0040】カテーテル管4の内周面に形成してある凸
部20は、カテーテル管4の軸方向に沿ってほぼ全長に
わたり形成してあるが、部分的に形成しても良い。ま
た、スライド管6の外周面に形成してある凸部22は、
スライド管6の軸方向に沿ってほぼ全長にわたり形成し
てあるが、部分的に形成しても良い。なお、密封用パッ
キン16での密封性を向上させる観点からは、密封用パ
ッキンと摺接するスライド管6の基端部分には、凸部2
2を形成しない方が好ましい。
【0041】これら凸部20,22の突出高さは、任意
に設定することが可能であるが、好ましくは0.1〜5
mm、さらに好ましくは0.2〜2mmである。これら凸部
20,22の突出高さが低すぎると、スライド管6の回
転制御が困難になる傾向にある。また、これら凸部2
0,22の突出高さが高すぎると、スライド管6の軸方
向スライド移動を阻害する傾向にあり好ましくない。こ
れら凸部20,22は、それぞれカテーテル管4または
スライド管6と一体に形成することができる。
【0042】図2(A)に示す実施例では、カテーテル
管4の内周面とスライド管6の外周面とに、それぞれ4
つの凸部を周方向等間隔に形成することで、カテーテル
管4に対するスライド管6の回転が制限される。すなわ
ち、スライド管6は、スライド管6の外周面に形成して
ある凸部22が、カテーテル管6の内周面に形成してあ
る凸部20と係合しない範囲(45度の範囲)におい
て、自由に回転できるが、それ以上の回転はできない。
【0043】そのため、本実施例に係るスライディング
カテーテル2では、図1に示すバルーン膜8が過度に捩
れることはなくなる。したがって、バルーン膜8の捩れ
によりスライド管6の前進移動が妨害されたりすること
はない。また、スライド管6を無理に前進移動させた結
果、バルーン膜8が捩れにより破壊され易い状態になる
こともない。さらに、バルーン膜8の捩れによりスライ
ド管6の遠位端開口部が閉塞されることもない。
【0044】また、本実施例に係るスライディングカテ
ーテル2では、45度の角度範囲内で、スライド管6を
カテーテル管4に対して回転させることができる。体腔
内分岐部の手前で、筒状のバルーン膜8の突出移動方向
を変化させたい場合などには、スライド管6の基端を操
作し、スライド管6をカテーテル管4に対して相対回転
させることで、バルーン膜8の突出先端部の曲げ方向を
自由に変化させることができる。
【0045】次に、本実施例に係るスライディングカテ
ーテル2の使用例について説明する。まず、カテーテル
管4の先端からスライド管6の遠位端が最大限に引っ込
んだ状態で、スライディングカテーテル2を、その遠位
端部から、血管、卵管、消化管、尿管あるいはその他の
体腔内に挿入する。スライディングカテーテル2を、た
とえば動脈血管などの体腔内に挿入するには、セルジン
ガー法などを採用すれば良い。
【0046】なお、その挿入の前後に、カテーテル管4
とスライド管6との間の隙間の第2ルーメン17には、
図1に示す分岐管12から流体を封入しておく。封入流
体としては、たとえば生理食塩水+造影剤などの液体が
用いられ、その圧力としては、好ましくは0.5気圧か
ら2気圧である。
【0047】カテーテル管4の遠位端が、体腔内狭窄部
あるいは体腔内分岐部の手前にきた場合に、図1に示す
スライド管6の基端部に装着されたハブ18を操作し、
スライド管6をカテーテル管4内で前進させる。その結
果、カテーテル管4の遠位端から、筒状のバルーン膜8
が、その表裏面が反転するように突出する。
【0048】このように筒状のバルーン膜8が突出する
のは、バルーン膜8の内部に流体が加圧封入してあると
共に、スライド管6が前進移動するからである。封入流
体の圧力は、スライド管6の前進移動に応じて上昇し、
その圧力により、バルーン膜8が、カテーテル管4の遠
位端部から突出する。バルーン膜8の突出量は、スライ
ド管6の前進移動量の約1/2である。
【0049】バルーン膜8は、可撓性を有すると共に、
その表裏面が反転しながら突出するので、体腔との摩擦
がほとんどなく、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部
あるいは蛇行した狭窄部または体腔内分岐部などでも、
体腔30の内壁を傷つけることなく容易に通過させるこ
とができる。
【0050】特に本実施例では、スライド管6が、カテ
ーテル管4に対して、周方向45度の角度範囲内で自由
に回転可能であるので、スライド管6を前進させると共
に、スライド管6の回転角度を調節することで、筒状の
バルーン膜8の突出曲がり角度を制御し、このバルーン
膜8を、目的とする方向の分岐体腔内に侵入させる操作
が容易である。
【0051】その後、さらにスライド管6を前進させれ
ば、バルーン膜8は、その表裏面が完全に逆転し、その
内側を通して、スライド管6の先端がカテーテル管4の
遠位端から突出し、スライド管6の遠位端は、生体腔狭
窄部分岐部を完全に通過する。
【0052】その後、このスライド管6の第1ルーメン
15を通して、薬液や輸液を送り込めば、体腔内狭窄部
または分岐部の背後の特定部位に対して良好に、これら
を送り込むことができる。また、その特定部位からの体
液のサンプリング、体液の圧力測定などが可能である。
【0053】また、スライド管6の前進移動を途中で止
め、その後スライド管6を後退移動させることで、いっ
たん突出させたバルーン膜8をカテーテル管4の遠位端
内に後退移動させることで、バルーン膜8により、体腔
内異物(たとえば結石)を取り込むこともできる。
【0054】さらには、本実施例に係るスライディング
カテーテル2は、内視鏡と組み合わせて用いることもで
きる。内視鏡は、スライディングカテーテル2のスライ
ド管6に形成された第1ルーメン15を通して送り込む
ことができる。また、PTCA(経皮的冠動脈形成術)
用バルーンカテーテルが挿入し難い狭窄部に、まず本実
施例に係るスライディングカテーテル2を通すことで、
その狭窄部にガイドワイヤを通し、その後スライディン
グカテーテル2を抜取り、PTCAバルーンカテーテル
を挿入し、PTCA治療を行うこともできる。
【0055】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、カテーテル管4の内周面および
スライド管6の外周面に形成される凸部20,22の形
成数は、特に限定されず、図2(B−1)に示すよう
に、カテーテル管4aの内周面およびスライド管6aの
外周面に、それぞれ単一の凸部20,22を形成しても
良い。その実施例の場合には、スライド管6aがカテー
テル管4aに対して360度の回転が可能になる。な
お、図2(B−1)および同図(B−2)に示すよう
に、スライド管6aにおいて凸部22が形成される側と
反対側の外周には、凹部29が形成してある。この凹部
29は、凸部20との干渉を避けるために形成してあ
る。
【0056】また、図2(A)に示すカテーテル管4の
内周面およびスライド管6の外周面に形成される凸部2
0,22の突出高さを低めに設定し、スライド管6の凸
部22がカテーテル管4の凸部20に係合したとして
も、さらに強い操作力でスライド管を回転させること
で、その係合を乗り越えてスライド管6を回転できるよ
うに構成しても良い。その実施例の場合には、スライド
管6は、カテーテル管4に対して、角度制限なく回転で
きる。ただし、スライド管6を45度回転させる毎に、
凸部20,22間の係合状態を乗り越える必要があり、
操作力にクリック感を伴う。
【0057】また、別の実施例として、図2(C)に示
す実施例がある。この実施例では、カテーテル管4bの
内周面に、周方向略等間隔の4箇所に、軸方向に伸びる
断面三角形状の凸部24が形成してある。また、これに
対応して、スライド管6の外周面には、周方向略等間隔
の4箇所に、軸方向に伸びる断面三角形状の凹部26が
形成してある。凸部24は、凹部26内にそれぞれ係合
可能になっている。
【0058】凸部24の突出高さは、任意に設定するこ
とが可能であるが、好ましくは0.1〜5mm、さらに好
ましくは0.2〜2mmである。凹部26の溝深さは、任
意に設定することが可能であるが、好ましくは0.05
〜2mm、さらに好ましくは0.1〜0.15mmである。
【0059】本実施例のスライディングカテーテルで
は、カテーテル管4bの内周面の凸部24が、スライド
管6bの外周面の凹部に係合した状態では、スライド管
6bは、カテーテル管4bの内部で、その軸回りの相対
回転が制限される。スライド管6bの基端部を操作し、
それを軸回りに回転操作すれば、これらの係合状態が解
除され、クリック感をもって回転操作することができ
る。
【0060】体腔内分岐部の手前で、筒状のバルーン膜
8の突出曲がり方向を変化させたい場合などには、図2
(C)に示すスライド管6bの基端を操作し、スライド
管6bをカテーテル管4bに対して相対回転させること
で、バルーン膜8の突出先端部の曲げ方向を自由に変化
させることができる。スライド管6bの基端を操作し、
スライド管6bをカテーテル管4bに対して相対回転さ
せると、カテーテル管4bの内周面に形成してある凸部
24が、スライド管6bの外周面に形成してある次の凹
部26に係合する。その状態では、スライド管6bは、
カテーテル管4bの内部で、その軸回りの相対回転が再
度制限される。したがって、本実施例では、スライド管
6bの相対回転が適度に制限されるので、体腔内分岐部
の任意の分岐体腔に筒状のバルーン膜8を反転して突出
させる操作が容易である。
【0061】別の実施例として、図3に示すスライディ
ングカテーテル2Aがある。この実施例では、スライド
管6cの外周面の1箇所に周方向に伸びる断面三角形状
の凸部30を形成してあり、カテーテル管4c内周面の
軸方向略等間隔5箇所に周方向に伸びる断面三角形状の
凹部32を形成してある。凸部30はいずれの凹部32
にも係合可能になっており、一定の操作力以下ではスラ
イド体を軸方向に移動することができないものである。
凹部32の両側には、凸部30との係合がスムーズにな
るように案内用傾斜面34を形成することが好ましい。
【0062】凸部30の突出高さは、任意に設定するこ
とが可能であるが、好ましくは0.1〜5mm、さらに
好ましくは0.2〜2mmである。凹部の溝深さも任意
に設定できるが、好ましくは0.05〜2mm、さらに
好ましくは0.1〜0.15mmである。
【0063】また、カテーテル管4cの遠位端部及び基
端部の内周面には断面四角形状のストッパ用凸部36、
38を形成してある。このストッパ用凸部36、38は
スライド管6cの移動可能範囲を限定するためのストッ
パーとして機能するものである。
【0064】本実施例のスライディングカテーテル2A
は、スライド管6cの凸部30がカテーテル管4cの凹
部32に係合すると一定の操作力以下ではスライド管4
cを軸方向に移動することができず、一定の操作力を超
えるとスライド管4cを軸方向に移動することができ
る。スライド管4cの凸部30が係合していたカテーテ
ル管4cの凹部32から隣の凹部32に移動し新たに係
合するまでの間は移動操作力は小さくてすむので比較的
自由に移動でき、隣の凹部32に到達すると新たに係合
状態になり、一定の操作力以下ではスライド管6cを軸
方向に移動することができない。
【0065】これにより、スライド管6cの移動距離
を、操作する手に伝わる操作抵抗感により判断でき、ま
た、スライド管6cをカテーテル管4cに押し込みすぎ
又は引き出しすぎを生じることがないので、バルーン膜
8に過度の引張力がかからない。
【0066】また、実施例のスライディングカテーテル
において、図4に示すように、カテーテル管4bに対す
るスライド管6bの相対回転位置を検出するために、カ
テーテル用ハブ14の外周に、中立位置合わせ用マーク
42および回転角度メモリ42aを形成することが好ま
しい。図1に示す筒状のバルーン膜8に捩れがない状態
のスライド管6bの相対回転位置(中立位置)を知るた
めである。また、スライド管6bの基端部外周には、ス
ライド管6bの軸方向移動量(バルーン膜8の突出量に
対応する)を検出するためのメモリ40を形成すること
ができる。
【0067】さらに、図2(C)に示す実施例におい
て、凸部24と凹部26との関係は、逆でも良く、カテ
ーテル管4bの内周面に凹部26を形成し、スライド管
6bの外周面に凸部24を形成しても良い。さらにま
た、凸部24および凹部26の断面形状は、三角形に限
らず、その他の形状でも良く、その形成数は4つに限定
されない。
【0068】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスラ
イディングカテーテルによれば、スライド管などのスラ
イド体の操作時に、スライド体の相対回転による筒状の
バルーン膜の過度の捩れを防止し、カテーテル管の先端
部からバルーン膜を良好に反転させて突出させることが
できる。しかも、本発明のスライディングカテーテル
は、筒状のバルーン膜の反転突出方向の制御性に優れ、
たとえば体腔内分岐部の任意の分岐方向にバルーン膜を
選択的に反転して押し進めることができる。また、一定
の操作力以下では軸方向の移動が不可能であるので、ス
ライド体を所定位置に固定でき、不注意によるスライド
体のずれが生じない。バルーン膜に過度の引張力が働か
ないように軸方向移動距離を限定できるので、バルーン
膜が破壊されることがない。また、スライド体の軸方向
移動距離を手に伝わる操作抵抗感によって判断できるの
で、バルーン膜の突出距離が確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るスライディング
カテーテルの概略断面図である。
【図2】図2(A)は図1に示すII−II線に沿う要部断
面図、図2(B−1),(C)は本発明の他の実施例に
係るスライディングカテーテルの要部断面図、図2(B
−2)は(B−1)のB−2〜B−2に沿う要部断面図
である。
【図3】図3は本発明の他の実施例に係るスライディン
グカテーテルの概略断面図である。
【図4】図4は本発明の他の実施例に係るスライディン
グカテーテルの要部側面図である。
【符号の説明】
2,2A… スライディングカテーテル 4,4a,4b,4c… カテーテル管 6,6a,6b,4c… スライド管 8… 筒状のバルーン膜 8a… 第1開口端 8b… 第2開口端 10… 分岐部 12… 分岐管 14… カテーテル用ハブ 15… 第1ルーメン 16… 密封用パッキン 17… 第2ルーメン 18… スライド用ハブ 20,22,24… 凸部 26… 凹部 30… 体腔 32… 狭窄部 34… 分岐部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入されるカテーテル管と、 このカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着される
    スライド体と、 このスライド体の遠位端に第1開口端部が接合され、前
    記カテーテル管の遠位端に第2開口端部が接合される筒
    状のバルーン膜とを有し、 前記カテーテル管、前記筒状のバルーン膜および前記ス
    ライド体で形成される内腔部に圧力流体が封入され、 スライド体の外周面に凸部もしくは凹部が形成され、 カテーテル管の内周面に、スライド体の周方向の回転可
    能範囲を限定する凹部もしくは凸部または一定の操作力
    以下ではスライド体を周方向に回転することができず一
    定の操作力を超えるとスライド体を周方向に回転するこ
    とができる凹部もしくは凸部が形成されてなることを特
    徴とする、 スライド体を軸方向に移動することにより、前記筒状バ
    ルーン膜が前記カテーテル管の遠位端内部から反転しな
    がら繰り出されるスライディングカテーテル。
  2. 【請求項2】 体腔内に挿入されるカテーテル管と、 このカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着される
    スライド体と、 このスライド体の遠位端に第1開口端部が接合され、前
    記カテーテル管の遠位端に第2開口端部が接合される筒
    状のバルーン膜とを有し、 前記カテーテル管、前記筒状のバルーン膜および前記ス
    ライド体で形成される内腔部に圧力流体が封入され、 スライド体の外周面に凸部もしくは凹部が形成され、 カテーテル管の内周面に、スライド体の軸方向の移動可
    能範囲を限定する凹部もしくは凸部または一定の操作力
    以下ではスライド体を軸方向に移動することができず一
    定の操作力を超えるとスライド体を軸方向に移動するこ
    とができる凹部もしくは凸部が形成されてなることを特
    徴とする、 スライド体を軸方向に移動することにより、前記筒状バ
    ルーン膜が前記カテーテル管の遠位端内部から反転しな
    がら繰り出されるスライディングカテーテル。
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