JP4746291B2 - 静電容量型超音波振動子、及びその製造方法 - Google Patents

静電容量型超音波振動子、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンマイクロマシーニング技術を用いてシリコン半導体基板を加工した静電容量型超音波振動子に関する。
体腔内に超音波を照射し、そのエコー信号から体内の状態を画像化して診断する超音波診断法が普及している。この超音波診断法に用いられる機材の1つに超音波内視鏡がある。超音波内視鏡は、体腔内へ挿入する挿入部の先端に超音波振動子(超音波トランスデューサ)が取り付けてあり、このトランスデューサは電気信号を超音波に変換し体腔内へ照射したり、また体腔内で反射した超音波を受信して電気信号に変換したりするものである。
従来、超音波トランスデューサでは、電気信号を超音波に変換させる圧電素子として、セラミック圧電材PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)が使用されてきたが、シリコンマイクロマシーニング技術を用いてシリコン半導体基板を加工した静電容量型超音波トランスデューサ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer(以下、c−MUTと称する))が注目を集めている。これは、マイクロマシン(MEMS:Micro Electro−Mechanical System 、超小型電気的・機械的複合体)と総称される素子の1つである。
MEMS素子は、シリコン基板、ガラス基板等の基板上に微細構造体として形成されており、機械的駆動力を出力する駆動体と、駆動体を駆動する駆動機構と、駆動機構を制御する半導体集積回路等とを電気的に、更には機械的に結合させた素子である。MEMS素子の基本的な特徴は、機械的構造として構成されている駆動体が素子の一部に組み込まれていることであって、駆動体の駆動は、電極間のクーロン引力などを応用して電気的に行われる。
さて、静電容量型超音波トランスデューサ(c−MUT)は、2つの平面状の電極が向かい立った素子であり、その間には空洞(キャビティ)があり、DCバイアスに重畳したRF信号を送ると、そのうちの一方の電極を含んだ層(メンブレン)が調和的に振動して、超音波を発生させるものである(例えば、特許文献1)。
図21(a)は、従来の静電容量型超音波振動子310のセル構造を示す。同図において、シリコン基板312の底面(背面)に下部電極322が形成され、メンブレン314がメンブレン支持部316によって支持されている。メンブレン314上には上部電極320が形成され、これらによって空隙部318が形成される。
図21(b)は、図21(a)の動作説明図である。下部電極312を接地し、上部電極320に端子326からの超音波発生の為のRF信号を、端子324からDCバイアス電圧VBを両信号が重畳するように印加する。この様に超音波送信時にも受信時にもDCバイアス電圧が必要であった。
特表2004−503313号公報
図21(b)に示すように、超音波の送信時、送信及び受信時において、端子326からのRFパルス信号に重畳させてDCバイアス電圧VBを必要とした。
図22は、従来の駆動電圧のタイムチャートを示す。超音波診断は通常RFパルス信号を送受信することによって、パルスエコー信号をもとに、これを画像信号に変換して診断像を得ている。しかし、図22(a)において、送信パルス信号送信期間が数μsecに対し、パルスエコー信号を受信する受信期間は0.1〜1.0msecと長い。送信パルス信号送信期間の数μsecだけであれば送信パルス電圧が数百Vあっても実効電圧は微々たるものである。しかしながら、図22(b)に示すように、受信期間の全てに亘って通常数百VDCのDC電圧を印加し続けることは駆動電圧の実効値が大きくなり過ぎて好ましくない。
上記の課題に鑑み、本発明では、DC電圧を用いないで、RFパルス信号のみで駆動する静電容量型超音波振動子を提供する。
本発明に係る、少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子は、当該静電容量型超音波振動子の一部が帯電しており、前記静電容量型超音波振動子の一部は、誘電体膜であって、該誘電体膜のうち少なくとも一層が表面電位形成されており、前記表面電位を有する前記誘電体膜が、前記シリコン基板と前記第1の電極との間に配設されることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記誘電体膜に形成された表面電位の極性が、当該静電容量型超音波振動子を構成するいずれの前記誘電体膜においても同方向であることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記誘電体膜の表面電位の絶対値が、飽和値で50V以上であることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記帯電している前記静電容量型超音波振動子の一部は、前記メンブレンであることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記表面電位形成された前記誘電体膜が、前記メンブレンに支持された前記第2の電極の表面上に形成されていることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記第2の電極は、前記メンブレンの表面のうち前記第1の電極と対向する側の面に配設されていることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記誘電体膜は、2層以上からなることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記誘電体膜は、SiO2膜とSi34膜の2層からなることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記誘電体膜は、SiO2膜とSi34膜とSiO2膜の3層からなることを特徴とする。
前記静電容量型超音波振動子において、前記第2の電極は、高誘電率誘電体膜により被覆されていることを特徴とする。
本発明に係る、少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法は、前記シリコン基板の表面に誘電体膜を形成する工程と、前記シリコン基板を接地し、前記誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う工程と、前記表面電位を有する前記誘電体膜の表面に前記第1の電極を形成する工程と、前記メンブレンと該メンブレンを支持するための支持部とを形成する工程と、前記メンブレンに前記第2の電極を形成する工程と、からなることを特徴とする。
本発明に係る、少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法、第1の前記シリコン基板に前記第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の表面に誘電体膜を形成する第1の誘電体膜形成工程と、前記第1の電極を接地し、前記第1の誘電体膜形成工程により形成された誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第1の放電工程と、前記メンブレンを支持するための支持部を形成する工程と、によって第1の構造体を生成する第1の構造体生成工程と、表面を酸化処理した第2のシリコン基板を接地し、該表面の酸化膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第2の放電工程と、前記第2の放電工程により表面電位を有した前記酸化膜に前記第2の電極を形成する工程と、によって第2の構造体を生成する第2の構造体生成工程と、前記第1の構造体生成工程によって生成した前記第1の構造体と、前記第2の構造体生成工程によって生成した前記第2の構造体とを接合する工程と、を行うことを特徴とする。
本発明に係る、少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法は、前記第1の前記シリコン基板の表面に誘電体膜を形成する第1の誘電体膜形成工程と、前記誘電体膜の表面に前記第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の表面に誘電体膜を形成する第2の誘電体膜形成工程と、前記第1のシリコン基板を接地し、前記第1及び第2の誘電体膜形成工程により形成された誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第1の放電工程と、前記メンブレンを支持するための支持部を形成する工程と、によって第1の構造体を生成する第1の構造体生成工程と、表面を酸化処理した第2のシリコン基板の表面の酸化膜に前記第2の電極を形成する工程と、前記第2の電極表面に誘電体膜を形成する工程と、前記第2の電極表面に形成した前記誘電体膜の表面に、高誘電率誘電体膜を形成する工程と、前記第2のシリコン基板を接地し、前記第2のシリコン基板の表面の前記酸化膜、前記第2の電極表面に形成した前記誘電体膜、及び前記高誘電率誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第2の放電工程と、によって第2の構造体を生成する第2の構造体生成工程と、前記第1の構造体生成工程によって生成した前記第1の構造体と、前記第2の構造体生成工程によって生成した前記第2の構造体とを接合する工程と、を行うことを特徴とする
前記静電容量型超音波振動子の製造方法において、前記誘電体膜は、rfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、又は真空アークプラズマによって形成されることを特徴とする。
静電容量型超音波振動子の製造方法において、前記誘電体を形成後、熱処理を行うことを特徴とする。
静電容量型超音波振動子の製造方法において、前記コロナ放電処理後に枯化を行う工程を含むことを特徴とする。
超音波内視鏡装置は、前記静電容量型超音波振動子を備えたことを特徴とする
超音波内視鏡装置は、前記製造方法によって製造された静電容量型超音波振動子を備えたことを特徴とする
本発明を用いることにより、DCバイアス電圧を印加したのと同様の効果を得ることができる。したがって、DCバイアス電圧を印加しなくても、RF信号のみ又は送信時直流パルスを重畳させるだけで本発明にかかる静電容量型超音波振動子を駆動させることができる。
本発明は、静電容量型超音波振動子の所定部分に誘電体膜(絶縁体膜)を成膜し、その誘電体膜を帯電させることにある。このようにすることで、この静電容量型超音波振動子について、DCバイアス電圧を印加したのと同様の効果を得ることができる。したがって、DCバイアス電圧を印加しなくても、RF信号のみで本発明にかかる静電容量型超音波振動子を駆動させることができる。この効果は、帯電させるための誘電体膜の成膜位置や材質・組成によって調整することができるので、様々なバリエーションの静電容量型超音波振動子を製造することができる。それでは、以下に本発明にかかる実施形態を以下に示す。
<第1の実施の形態>
図1は、本実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板2、誘電体膜9、下部電極4、メンブレン支持部3、メンブレン6、空隙部7、上部電極5、導通孔(ビアホール)8、配線膜15から構成され、静電容量型超音波振動子1は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。
メンブレン6は、端部がメンブレン支持部3で固定された振動膜である。メンブレン6の上表面には、上部電極5が配設されている。メンブレン支持部3間におけるシリコン基板2の表面(凹部の底部分)には誘電体膜9(例えば、SiO2)が形成され、その上に下部電極4が配設されている。下部電極4には、下部電極4とシリコン基板2とを電気的に導通させるためのビアホール8が設けられ、更に、下部電極と同じ材質の導電体が埋設されている。上部電極5には配線膜15がパターン化され、静電容量型超音波振動子を構成するセル外部まで引き出されている。配線膜15は、上部電極5に電気信号を入出力する為の金属膜である。
なお、空隙部7は、メンブレン6とメンブレン支持部3と下部電極4及び誘電体膜9とで囲まれた空間のことをいう。なお、メンブレン6は、図2で後述するように、製造工程上複数のメンブレン膜から構成されている。
静電容量型超音波振動子1の動作について説明すると、上部電極5と下部電極4の一対の電極に電圧をかけることで電極間が引っ張りあい、電圧を0にすると元に戻る。この振動動作によってメンブレン6が振動した結果、超音波が発生し、上部電極5の上方向に超音波が照射される。
図2(図2A、図2B)は、本実施形態における静電容量型超音波振動子1の製造工程を示す。なお、図2Bは図2A(d)の工程の詳細を示す図である。まず、低抵抗のシリコン基板2上に熱酸化、rfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、真空アークプラズマ、ゾルゲル等の手段でシリコン酸化膜を形成する。次いで、300℃〜800℃の空気中または窒素雰囲気中で最初の熱処理を行う(図2A(a))。
次に、シリコン基板2を接地し(12)、これと、ワイヤ状の電極10との間に数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせてシリコン酸化膜9を帯電させる(図2A(b)、図3)。シリコン酸化膜9の表面側には−電荷、シリコン基板側には+電荷が帯電する。このことについて、図3で詳述する。
図3は、本実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。同図では、ワイヤ状の電極10が、図面に対して垂直方向に伸びている。高電圧DC電圧11のマイナス側が電極10に接続され、プラス側は12で接地されている。シリコン酸化膜9が形成されたシリコン基板の上方に電極10が設置されている。
このとき、数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせると、電極10からは−電荷が放電されるために、シリコン酸化膜9の表面側には−電荷(20)、シリコン基板側には+電荷(21)が帯電する。
なお、帯電量は、誘電体膜の材質、組成比等により調整することができる。また、誘電体膜の帯電は、上部電極5−下部電極4間の電界の強度を強める方向に帯電させるようにする。例えば、上部電極5が負極で、下部電極4が正極であるとすると、電界は下部電極4から上部電極5への向きになるので、誘電体膜の帯電はこの電界を強める方向(図3でいえば上方向へ向かう方向)にするために、シリコン酸化膜9の表面側には−電荷(20)、シリコン基板側には+電荷(21)に帯電させる。なお、本実施形態では、このようなコロナ放電により誘電体膜を帯電させることをエレクトレット化処理という。なお、ムラなく帯電させるために、基板側を紙面の横方向に往復移動させながら、コロナ放電処理を行ってもよい。また、電極を帯電処理する対象物の間にクリッド電極を配置して、コロナ放電状況の安定性を向上させてもよい。それでは、引き続き、図2Aの説明をする。
次に、帯電したシリコン酸化膜9の電荷状態が安定化させるための処理(枯化処理)、例えば空気中で150℃で1時間の熱処理を行う(図2A(b))。帯電電荷の経時的安定性は重要で、安定化の為に上記熱処理と帯電処理後の枯化処理は不可欠である(図5で説明する)。
次に、シリコン酸化膜9にビアホール13を形成後、AuやAlからなる下部電極4を形成する(図2A(c))。この工程でビアホール13には、下部電極材であるAuやAlが堆積して埋っており、下部電極4とシリコン基板2の間の導通路を形成することになる。
次に、メンブレン支持部3(例えば、Si34膜)を形成する(図2B(d−1))。その後、Si34からなるメンブレン6cと空隙部7とを犠牲層エッチング等の手段で形成する。具体的には、空洞部等を形成するために犠牲になる(換言すると後で除去される一時的な層としての)犠牲層16を形成する(図2B(d−2))。この犠牲層16は、エッチング等で除去し易い、例えばポリシリコンで形成される。
次に、犠牲層16の上面を覆うようにメンブレン基材を用い、メンブレン膜となるメンブレン6cを形成する(図2B(d−3))。メンブレン6cからこの下の犠牲層16に届く犠牲層材料放出孔6aを形成する(図2B(d−4))。そして、エッチング等により、犠牲層16を除去する。更に犠牲層エッチングの際に設けた犠牲層材料放出孔6aを遮蔽するため第2のメンブレン膜6bを形成する(図2B(d−5))。第2のメンブレン膜の材質は、メンブレン支持部3(例えば、Si34)と同じでも良いが、SiO2であればより好ましい。
最後にAu,Alなどからなる上部電極5と配線膜15を形成する(図2(e))。
なお、誘電体膜9はシリコン酸化膜に限定されるものでなく、シリコン窒化膜でも良いし、最も好ましいのはSiO2とSi34の2層積層膜である(図4で説明する)。また、チタン酸バリウムBaTiO3、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、チタン酸バリウム・ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化ニオブ安定化五酸化タンタル、酸化アルミニウム、または酸化チタンTiO2等の高誘電率を有する材料を誘電体膜として用いてもよい。
図4は、本実施形態における日数経過に対する誘電体膜の表面電位の変化の様子を示す。表面電位(surface potential)とは、着目する系(例:誘電体膜)の内部と外部との静電的電位差のことである。固体の表面は、その表面で2相(例えば固体(誘電体)と気体(空気))が接しており、この状態でその界面には電子、イオンまたは双極子が不均一に分布して電気二重層が生じる。それとは別に固体中に遊離した電荷が、その電荷密度は様々であるが、存在するのが普通である。この様な状態(系)に対し、遠方(定義では無限遠)から荷電粒子を着目する系の内部に運び込むことを考えてみる(コロナ放電で両電極間に放電電流を流すことに相当)。無限遠から荷電粒子を着目する系の内部に運び込むのに必要な仕事量を電気化学ポテンシャルと呼び、前記した電気二重層も遊離電荷も無い状態の系があったとして、その系の内部に電荷を、運び込む時の仕事W’と、電気二重層と遊離電荷とのみからなる殻(材料の実体がなく、真空中に電気二重層と遊離電荷とが浮遊している状態)の内部に荷電粒子を運び込む時の仕事W”との和で表さすことができる。W’は荷電粒子と着目する系(例:誘電体膜)との間の真の相互作用であり、化学ポテンシャルと呼ばれ、材料の種類や格子の配列状態から決まる定数である。一方、W”は電荷が運びこまれる殻内部と無限遠との電位差φα(系の”内部電位”と呼ばれる)と電荷との積で表される。この内部電位は、更に、電気二重層による部分χαと遊離電荷による部分φαに分けることが出来る。このうち、電気二重層による部分χαが、内部と外部との静電的電位差であり、これを表面電位と呼ぶ。
同図では、Si基板上に各種薄膜を形成し、それぞれの薄膜の表面電位が時間の経過によってどのように変化するのかを追跡したものである。曲線30は、SiO2/SiNxからなる2層誘電体膜の表面電位の変化を示す。曲線31は、SiO2/SiNx/SiO2からなる3層誘電体膜の表面電位の変化を示す。曲線32は、SiO2誘電体膜の表面電位の変化を示す。曲線33は、SiON誘電体膜の表面電位の変化を示す。
帯電電荷は帯電処理直後の枯化によって多少は安定するものの、数年以上に亘る経時変化を問題にすると、誘電体膜の材質や熱処理条件が影響してくる。同図は誘電体膜の材質や層数を変えた時の表面電荷状態の劣化状態を比較プロットしたもので、SiO2-αα膜単層(33)は劣化が大きく、SiO2(32)、SiO2/SiNx/SiO2 3層積層膜(31)、SiO2/SiNx 2層膜(30)の順で劣化特性が良くなっている。表面電位が高いほど、メンブレンが振動する効率が高くなる。
誘電体膜の表面電位の低下は、このように、薄膜材料や層構造によって異なる。表面電位の変化が最も少ないのはSiO2/SiNx 2層構造膜(曲線30)である。単独でSiO2を使う場合に比較して、表面電位の劣化がはるかに少ない。
図5は、誘電体膜成膜後の熱処理有無の効果を示す。すなわち、成膜後に熱処理をした場合としていない場合とで、表面電位が時間の経過によってどのように変化するのかを追跡したものである。曲線40は、成膜後に熱処理及び枯化させた場合の表面電位の経時変化曲線を示す。曲線41は、成膜後に熱処理及び枯化をしなかった場合の表面電位の経時変化曲線を示す。
同図より、成膜後に熱処理及び枯化した場合の方が、熱処理及び枯化をしなかった場合よりも表面電位の劣化は少ない。図2では、成膜後に全て熱処理をしたものである。いずれの膜でもそうであるが、SiO2/SiNx積層膜で熱処理をしていない場合は、曲線38のように表面電位が大きく劣化する。
図6は、本実施形態における大きな表面電位を有する誘電体膜を含む静電容量型超音波振動子を用いて行ったDCバイアス印加試験の結果を示す。251は、高周波側ピーク周波数のDCバイアス電圧依存性曲線(メンブレン表面電位が−100Vの時)を示している。250は、曲線251における振幅が最小になる電圧(=Vsurface1)を示している。254は、高周波側ピーク周波数のDCバイアス電圧依存性曲線(メンブレン表面電位が−150Vの時)を示している。253は、曲線254における振幅が最小になる電圧(=Vsurface2)を示している。矢印252はVsurfaceの増加を示している。矢印255は0Vにおける受信信号振幅の増加を示している。
この結果より、DCバイアス電圧に対しV字特性(曲線251、曲線254)を示すことを確認した。同図より、DCバイアス電圧が0Vの時に、大きな受信信号電圧が得られることを確認することができた。V字特性(251)の谷に相当するDCバイアス電圧は、誘電体膜の表面電位Vsurfaceに対応していて、Vsurfaceが50Vより小さい時は超音波振動子として機能しない。しかし、Vsurfaceが50V以上であれば、Vsurfaceが大きくなるに従って、V字曲線も曲線251から曲線254へシフトする。その結果、DCバイアス電圧0Vにおける受信信号の最大振幅が大きくなり、感度増加やS/Nの増加に繋がり、好ましくなる。図5において飽和時の表面電位が50V以上を示すのは、SiO2(32)、SiO2/SiNx/SiO2 3層積層膜(31)、SiO2/SiNx 2層膜(31)であり、これらの膜はいずれも成膜後の熱処理と帯電処理後の枯化処理を行っている。
以上より、誘電体膜を帯電することにより、DCバイアス電圧が0Vでも、大きな振幅の受信信号を得ることができる。そして、この効果は、表面電位が大きいほどDCバイアス電圧が0Vの時の振幅が大きくなる。
よって、表面電位を有する誘電体膜を静電容量型超音波振動子に構成することで、DCバイアス電圧を印加した場合と同様の作用を発揮することができるので、DCバイアス電圧を印加しなくでも、RF信号のみで静電容量型超音波振動子を駆動させることができる。
<第2の実施の形態>
図7は、本実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板52、誘電体膜58,59、下部電極54、メンブレン支持部53、メンブレン56、上部電極55、配線膜65から構成され、静電容量型超音波振動子51は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。第1の実施形態と異なるのは、シリコン基板52の上表面に下部電極54を配設した上から誘電体膜59を形成したことと、上部電極55の上から誘電体膜58を形成したことである。このとき、下部電極54はシリコン基板52に接しているのでビアホールを設ける必要はない。なお、57は空隙部である。なお、メンブレン56は、第1の実施形態と同様に、製造工程上複数のメンブレン膜から構成されている。
このように構成することにより、第1の実施形態よりもより安定な効果(すなわち、DCバイアス電圧が印加された状態に相当する状態)を得ることができる。
図8(図8A及び図8B)は、本実施形態における静電容量型超音波振動子51の製造工程を示す。まず、低抵抗のシリコン基板52上に白金等耐熱性のある金属からなる下部電極54を形成(図8A(a))し、その後、その上にrfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、真空アークプラズマ、ゾルゲル等の手段でシリコン酸化膜59を形成する(図8A(b))。次に、300℃〜800度空気中または窒素雰囲気中で熱処理を行う(図8A(c))。
次に、シリコン基板52を接地(12)し、これと、ワイヤ状の電極10との間に数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせて、シリコン酸化膜59を帯電させる。これによって膜の表面側に−電荷が帯電する(図8A(c)、図9)。このことについて、図9で詳述する。
図9は、本実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。同図では、ワイヤ状の電極10が、図面に対して垂直方向に伸びている。高電圧DC電圧11のマイナス側が電極10に接続され、プラス側は12で接地されている。シリコン酸化膜59が形成されたシリコン基板の上方に電極10が設置されている。
このとき、数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせると、電極10からは−電荷が放電されるために、シリコン酸化膜59の表面側には−電荷(60)、シリコン基板側には+電荷(61)が帯電する。なお、ムラなく帯電させるために、基板側を紙面の横方向に往復移動させながら、コロナ放電処理を行ってもよい。また、電極を帯電処理する対象物の間にクリッド電極を配置して、コロナ放電状況の安定性を向上させてもよい。それでは、引き続き、図8の説明をする。
次に、帯電したシリコン酸化膜59の電荷状態が電荷状態が安定する様に枯化処理、例えば空気中で150℃で1時間の熱処理を行う(図8A(c))。帯電電荷の経時的安定性は重要で、安定化の為に上記熱処理と帯電処理後の枯化処理は不可欠である(図5)。
次に、メンブレン支持部53(例えば、Si34膜)を形成する(図8B(d))。Si34からなるメンブレン56cと空隙部57とを犠牲層エッチング等の手段で形成する。56cと56aはそれぞれ、犠牲層エッチングプロセス時に必要なメンブレンと孔である。その後、この孔56aを遮蔽するための第2のメンブレン膜56bを形成する。なお、この工程は図2Bと同様である。
次に、Au,Alなどからなる上部電極55と配線膜65を形成する(図8B(e))。更にその上にSiO2からなる誘電体膜をrfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、真空アークプラズマ等の手段で形成する。次いで更にコロナ帯電処理を行う(図8B(f))。ここでは、上部電極55接地(12)して、図8A(c)と同様にコロナ帯電処理を行う。その後、枯化処理、例えば空気中で150℃で1時間の熱処理を行う。
なお、誘電体膜はシリコン酸化膜に限定されるものでなく、シリコン窒化膜(SiNx)でも良いし、最も好ましいのはSiO2とSi34の積層膜である(図4)。また、チタン酸バリウムBaTiO3、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、チタン酸バリウム・ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化ニオブ安定化五酸化タンタル、酸化アルミニウム、または酸化チタンTiO2等の高誘電率を有する材料を誘電体膜として用いてもよい。
<第3の実施の形態>
図10は、本実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板72、誘電体膜79、下部電極74、メンブレン支持部73、メンブレン76、上部電極75、配線膜85から構成され、静電容量型超音波振動子71は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。なお、77は空隙部である。第1の実施形態と異なるのは、シリコン基板72の上表面に下部電極74を配設した上から誘電体膜79を形成したことと、メンブレン76の下表面(空隙部77側の表面)に上部電極75を形成したことである。このとき、下部電極74はシリコン基板72に接しているのでビアホールを設ける必要はない。
このように構成することにより、第1の実施形態よりもより安定な効果(すなわち、DCバイアス電圧が印加された状態に相当する状態)を得ることができる。
図11(図11A、図11B、及び図11C)は、本実施形態における静電容量型超音波振動子71の製造工程を示す。図11(a)−(c)までは、第2の実施の形態(図8(a)−(c))と同様である。
その後、Si34等の絶縁膜からなるメンブレン支持部73をrfマグネトロンスパッタ等の成膜手段で形成する(図11B(d))。
以上のプロセス図11(a)〜(d)(図11(a)〜(d)で作成したものを構造体Aという)とは別途のプロセスで、図11Cに示すもの(これを構造体Bという)を作成する。まず、構造体Aとは異なる別のシリコン基板80の表面に、熱酸化、rfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、真空アークプラズマ、ゾルゲル等の手段で高誘電率誘電体膜、例えばシリコン窒化膜76を形成する(図11C(a−1))。この膜76を300〜800℃で熱処置後、コロナ放電法による帯電処理により表面電荷を形成する(図11C(b−1))。なお、この場合、高誘電率誘電体膜76の表面(図11C(b−1)の上面側)は正(+)に帯電した方が良いので、コロナ放電電圧の極性は逆極性となる(図12)。このことについて、図12で詳述する。
図12は、本実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。同図では、ワイヤ状の電極10が、図面に対して垂直方向に伸びている。高電圧DC電圧11のプラス側が電極10に接続され、マイナス側は12で接地されている。高誘電率誘電体膜76が形成されたシリコン基板80の上方に電極10が設置されている。
このとき、数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせると、電極10からは+電荷が放電されるために、高誘電率誘電体膜76の表面側には+電荷(82)、シリコン基板側には−電荷(81)が帯電する。なお、図11A(c)と比較して逆電圧を印加するのは、第1の実施形態で説明したように電界強度を強める向きに帯電させるためである。後に示すように、この構造体Bは図11C(d−1)でひっくり返して構造体Aと接合させるので、ひっくり返したときに、電界を強める向きに帯電させたのである。なお、ムラなく帯電させるために、基板側を紙面の横方向に往復移動させながら、コロナ放電処理を行ってもよい。また、電極を帯電処理する対象物の間にクリッド電極を配置して、コロナ放電状況の安定性を向上させてもよい。それでは、引き続き、図11Cの説明をする。
次に、帯電したシリコン窒化膜76の電荷状態が安定する様に枯化処理、例えば空気中で150℃で1時間の熱処理を行う(図11C(c−1))。帯電電荷の経時的安定性は重要で、安定化の為に上記熱処理と帯電処理後の枯化処理は不可欠である(図5)。
次に、Au,Alなどからなる上部電極75と配線膜85を高誘電率誘電体膜76の上に形成する(図11C(c−1))。ここで出来上がった構造体Bをひっくり返して(図11C(d−1))、上記した別工程で作成した構造体Aに接合し、空隙部77が形成される(図11(e))。更にKOHなどのシリコンエッチング液を用いて、シリコン酸化膜76表面をエンドポイントとしたエッチングをして、シリコン酸化膜76と上部電極75からなるメンブレンが形成される(図11(f))。
なお、誘電体膜はシリコン窒化膜に限定されるものでなく、シリコン以外の金属化合物膜でも良いし、最も好ましいのはSiO2とSi34の2層積層膜である(図4)。また、チタン酸バリウムBaTiO3、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、チタン酸バリウム・ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化ニオブ安定化五酸化タンタル、酸化アルミニウム、または酸化チタンTiO2等の高誘電率を有する材料を誘電体膜として用いてもよい。
<第4の実施の形態>
図13は、本実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板92、誘電体膜98,99、下部電極94、メンブレン支持部93、メンブレン96、上部電極95、配線膜90から構成され、静電容量型超音波振動子91は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。なお、97は空隙部である。第3の実施形態と異なるのは、上部電極95の表面を誘電体膜95で被覆したことである。
このように構成することにより、第1の実施形態よりもより安定な効果(すなわち、DCバイアス電圧が印加された状態に相当する状態)を得ることができる。
図14(図14A、図14B、及び図14C)は、本実施形態における静電容量型超音波振動子91の製造工程を示す。第3の実施の形態と異なる点は別工程で準備する構造体B(図14C参照)が、シリコン基板100上に誘電体膜96を形成し、上部電極95を形成した後に、更に他の誘電体膜98(例えば、チタン酸バリウムBaTiO3、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、チタン酸バリウム・ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化ニオブ安定化五酸化タンタル、酸化アルミニウム、または酸化チタンTiO2等の高誘電率誘電体膜)を形成し、熱処理を行った(図14C(a−1))。
次に、コロナ放電法などの手段で、シリコン酸化膜96と高誘電率誘電体膜98について一気に帯電処理を行い表面電位を形成させる(図14C(b−1))。なお、この場合、高誘電率誘電体膜98の表面(図14C(b−1)の上面側)は、正に帯電した方が良いので、コロナ放電電圧の極性は逆極性となる(図15)。このことについて、図15で詳述する。
図15は、本実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。同図では、ワイヤ状の電極10が、図面に対して垂直方向に伸びている。高電圧DC電圧11のプラス側が電極10に接続され、マイナス側は12で接地されている。シリコン酸化膜96誘電体膜98が形成されたシリコン基板100の上方に電極10が設置されている。
このとき、数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせると、電極10からは+電荷が放電されるために、誘電体膜98の表面側には+電荷(104)、上部電極95側には−電荷(103)が帯電する。また、上部電極95側に帯電した−電荷(103)に誘起されて、誘電体膜96の上部電極95側には+電荷(102)、シリコン基板側には−電荷(101)が帯電する。このようにすることで、シリコン酸化膜96と誘電体膜98を一括して帯電させることができる。これ以降は第3の実施形態と同様である。
なお、高誘電率誘電体膜98は必ずしもエレクトレット化処理により帯電させる必要はなく、シリコン酸化膜96のみエレクトレット化処理により帯電させてもよい。また、逆にシリコン酸化膜96は必ずしもエレクトレット化処理により帯電させる必要はなく、高誘電率誘電体膜98のみエレクトレット化処理されていてもよい。なぜなら、高誘電率誘電体膜98またはシリコン酸化膜96を成膜するだけでも、帯電の効果を増加させることができるからである。前者の場合には、構造体Bの製造に関し、図11C(c−1)の後、図14(a−1)をして図14(c−1)の工程を行えばよい。後者の場合には、図11C(c−1)の後、高誘電率誘電体膜98を形成し、図14C(c−1)以降の工程を行えばよい。また、帯電電荷の経時的安定性は重要で、安定化の為に上記熱処理と帯電処理後の枯化処理は不可欠である(図5)。
なお、誘電体膜はシリコン酸化膜に限定されるものでなく、シリコン窒化膜でも良いし、最も好ましいのはSiO2とSi34の積層膜である(図4)。また、チタン酸バリウムBaTiO3、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、チタン酸バリウム・ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化ニオブ安定化五酸化タンタル、酸化アルミニウム、または酸化チタンTiO2等の高誘電率を有する材料を誘電体膜として用いてもよい。
<第5の実施の形態>
図16は、本実施形態における静電容量型超音波振動子の基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板112、誘電体膜119、下部電極114、メンブレン支持部113、メンブレン116(犠牲層材料放出孔116a、メンブレン116b,116c)、上部電極115、配線膜110から構成され、静電容量型超音波振動子111は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。なお、117は空隙部である。
このように構成することにより、第1の実施形態よりもより安定な効果(すなわち、DCバイアス電圧が印加された状態に相当する状態)を得ることができる。
図17は、本実施形態における静電容量型超音波振動子111の製造工程を示す。まず、低抵抗のシリコン基板112上にAu,Ptなどの金属からなる下部電極114を形成(図17(a))する。その後、熱酸化、rfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、真空アークプラズマ、ゾルゲル等の手段でシリコン酸化膜等の誘電体膜119を形成して、300℃〜1000℃の空気中または窒素雰囲気中で熱処理を行う(図17(b))。
次に、シリコン基板112を接地(12)し、これと、ワイヤ状の電極10との間に数kVの高電圧DC電圧11を印加し、コロナ放電をさせてシリコン酸化膜を帯電させる(図17(c))。膜の表面側には−電荷が帯電する(図3)。なお、ムラなく帯電させるために、基板側を紙面の横方向に往復移動させながら、コロナ放電処理を行ってもよい。また、電極を帯電処理する対象物の間にクリッド電極を配置して、コロナ放電状況の安定性を向上させてもよい。この電荷状態が安定する様に枯化処理、例えば空気中で150℃で1時間の熱処理を行う。
次に、メンブレン支持部(例えば、Si34膜)を形成する(図17(d))。Si34からなるメンブレン116cと空隙部117とを犠牲層エッチング等の手段で形成する。なお、116aは犠牲層エッチングで犠牲層材料を放散させる為の孔であり、メンブレン116bは孔116aを塞ぐ為の層である。なお、この工程は図2Bと同様である。
その後にAu,Alなどからなる上部電極115と配線膜110を形成する(図17(e))。
なお、誘電体膜はシリコン酸化膜に限定されるものでなく、シリコン窒化膜でも良いし、最も好ましいのはSiO2とSi34の積層膜である(図4)。また、帯電電荷の経時的安定性は重要で、安定化の為に上記熱処理と帯電処理後の枯化処理は不可欠である(図5)。
<第6の実施の形態>
図18は、本実施形態における静電容量型超音波振動子の基本構造の全体断面図を示す。静電容量型超音波振動子セルは、シリコン基板122、シリコン窒化膜128a,高誘電率誘体膜128b,誘電体膜129a,129b、下部電極124、メンブレン支持部123、メンブレン126(犠牲層材料放出孔126a、メンブレン126b,126c)、上部電極125、配線膜130から構成され、静電容量型超音波振動子121は複数の静電容量型超音波振動子セルから構成されている。なお、127は空隙部である。第4の実施形態と異なるのは、下部電極124とシリコン基板122の間に誘電体膜を設けたことと、上部電極125を被覆している誘電体膜をさらに被覆したことである。
このように構成することにより、第1の実施形態よりもより安定な効果(すなわち、DCバイアス電圧が印加された状態に相当する状態)を得ることができる。
構造体Aの製造工程は第4の実施形態の構造体Aの製造方法とほとんど同じで(但し、下部電極124とシリコン基板122の間に誘電体膜を成膜する工程が追加される。具体的には図14A(a)で誘電体膜を成膜後、下部電極を成膜する)、構造体Bの製造工程が異なる。即ち、図14Cにおいてシリコン基板(100に相当する)上にシリコン酸化膜126(96に相当する)を形成し、その上に上部電極125(95に相当する)及び配線膜130(90に相当する)を形成後、シリコン窒化物膜128a(98に相当する)を形成し、更にその上に高誘電率誘電体膜128bを形成する。
次にシリコン基板(100に相当する)を接地(12)し、高誘電率誘電体膜128b側に配置した線状電極に高電圧の直流電圧を印加し、コロナ放電法によって高誘電率誘電体膜128bの表面を帯電させる(図14C(b−1)に相当する)。
図19に示すように、この帯電電荷の極性は、構造体Aの下部電極124上に形成した誘電体膜129bを帯電して形成した表面電荷の極性と異なる極性の表面電荷132を形成する。かかる後、構造体Aに上記した工程によって得られた構造体Bを裏返しに接合する。接合以降の工程は続いて、第4の実施形態と同様である。
図20(図20A,図20B,図20C,図20D)では、本実施形態における静電容量型超音波振動子の製造工程について説明する。
まず、シリコン基板201の上下表面に酸化膜(SiO2)202を付与して(ステップ1)、ビアホール202a(SiO2)を設ける(ステップ2)。次に、スパッタ(suppter)によりPi/Tiで電極203を成膜する(ステップ3)。次に、レジスト204(例えば、フォトレジスト材料)を成膜した電極表面に塗布してパターンニングをする(ステップ4)。次に、エッチングを行い、レジストが塗布されていないPt/Tiを除去した後、レジスト204を除去する(ステップ5)。こうして下部電極が生成される。
次に、SiNx(例えば、Si34)205で成膜する(ステップ6)。次に、レジスト206を成膜したSiNx205に塗布してパターンニングをする(ステップ7)。パターンニングは、下部電極203の上方にレジスト206が塗布されないように行う。次に、エッチングを行い、レジストが塗布されていないSiNxを除去した後、レジスト206を除去する(ステップ8)。そうすると、下部電極表面がSiNxで被覆された状態になっている。
次に、熱処理、コロナ放電(基板側を図面内の横方向に移動させて全体的にムラなく帯電させる)、及び枯化を行う(ステップ9)。これらは、上記した実施形態と同様の処理を行う。これにより、SiNx205が帯電する。次に、ポリシリコン207を成膜する(ステップ10)。このとき、下部電極のある部分が盛り上がるようにポリシリコン207を成膜する。次に、ステップ10でポリシリコン207を盛り上げた部分にレジストを塗布してパターンニングする(ステップ11)。
次に、エッチングを行い、レジストが塗布されていないポリシリコン207を除去した後、レジスト208を除去する(ステップ12)。次に、レジスト209を塗布した(ステップ13)後、ポリシリコン207の両端部分のみレジスト209を残すようにパターンニングする(ステップ14)。
次に、スパッタ(suppter)によりPi/Tiで電極210を成膜した(ステップ15)後に、レジスト209を除去する(ステップ16)。次に、SiNx(例えば、Si34)211で成膜する(ステップ17)。
次に、レジスト212を塗布して、犠牲層207(ポリシリコン)を外部へ放出するための犠牲層放散孔213を設けるためにパターンニングしてエッチングする(ステップ18)。次に、エッチング(例えば、ICP−RIE法によるエッチング)を行い、犠牲層放散孔213から犠牲層207(ポリシリコン)を除去した後、レジスト212を除去する(ステップ19)。次に、SiO2により成膜214して犠牲層放散孔213を封止する(ステップ20)。最後に、コロナ放電及び枯化をすることで、SiNx膜211及びSiO2膜214が帯電する。
第1の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第1の実施形態における静電容量型超音波振動子1の製造工程を示す図である。 図2A(d)の詳細な工程を示す図である。 第1の実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。 第1の実施形態における日数経過に対する誘電体膜の表面電位の変化の様子を示す図である。 第1の実施形態における誘電体膜成膜後の熱処理有無の効果を示す図である。 第1の実施形態におけるDCバイアス印加試験の結果を示す図である。 第2の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第2の実施形態における静電容量型超音波振動子51の製造工程を示す図(その1)である。 第2の実施形態における静電容量型超音波振動子51の製造工程を示す図(その2)である。 第2の実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。 第3の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第3の実施形態における静電容量型超音波振動子71の製造工程を示す図(その1)である。 第3の実施形態における静電容量型超音波振動子71の製造工程を示す図(その2)である。 第3の実施形態における静電容量型超音波振動子71の製造工程を示す図(その3)である。 第3の実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。 第4の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第4の実施形態における静電容量型超音波振動子91の製造工程を示す図(その1)である。 第4の実施形態における静電容量型超音波振動子91の製造工程を示す図(その2)である。 第4の実施形態における静電容量型超音波振動子91の製造工程を示す図(その3)である。 第4の実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。 第5の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第5の実施形態における静電容量型超音波振動子111の製造工程を示す図である。 第6の実施形態における静電容量型超音波振動子セルの基本構造の全体断面図である。 第6の実施形態におけるコロナ放電を説明するための図である。 第7の実施形態における静電容量型超音波振動子の製造工程を示す図(その1)である。 第7の実施形態における静電容量型超音波振動子の製造工程を示す図(その2)である。 第7の実施形態における静電容量型超音波振動子の製造工程を示す図(その3)である。 第7の実施形態における静電容量型超音波振動子の製造工程を示す図(その4)である。 従来の静電容量型超音波振動子に関する説明図である。 従来の駆動電圧のタイムチャートを示す図である。
符号の説明
1 静電容量型超音波振動子
2 シリコン基板
3 メンブレン支持部
4 下部電極
5 上部電極
6 メンブレン
7 空隙部
8 導通孔(ビアホール)
9 誘電体膜
15 配線膜
51 静電容量型超音波振動子
52 シリコン基板
53 メンブレン支持部
54 誘電体膜下部電極
55 上部電極
56 メンブレン
57 空隙部
65 配線膜
71 静電容量型超音波振動子
72 シリコン基板
73 メンブレン支持部
74 誘電体膜下部電極
75 上部電極
76 メンブレン
77 空隙部
85 配線膜
90 配線膜
91 静電容量型超音波振動子
92 シリコン基板
93 メンブレン支持部
94 下部電極
95 上部電極
96 メンブレン
97 空隙部
98,99誘電体膜
110 配線膜
111 静電容量型超音波振動子
112 シリコン基板
113 メンブレン支持部
114 下部電極
115 上部電極
116 メンブレ
116a 犠牲層材料放出
116b,116c メンブレン
117 空隙
119 誘電体膜
121 静電容量型超音波振動子
122 シリコン基板
123 メンブレン支持部
124 下部電極
125 上部電極
126 メンブレン
126a 犠牲層材料放出孔
126b,126c メンブレン
127 空隙部
128a シリコン窒化膜
128b 高誘電率誘体膜
129a,129b 誘電体膜
130 配線膜

Claims (18)

  1. 少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子であって、
    当該静電容量型超音波振動子の一部が帯電しており、
    前記静電容量型超音波振動子の一部は、誘電体膜であって、該誘電体膜のうち少なくとも一層が表面電位形成されており、
    前記表面電位を有する前記誘電体膜が、前記シリコン基板と前記第1の電極との間に配設される
    とを特徴とする静電容量型超音波振動子。
  2. 前記誘電体膜に形成された表面電位の極性が、当該静電容量型超音波振動子を構成するいずれの前記誘電体膜についても同方向であることを特徴とする請求項に静電容量型超音波振動子。
  3. 前記誘電体膜の表面電位の絶対値が、飽和値で50V以上であることを特徴とする請求項に記載の静電容量型超音波振動子。
  4. 前記帯電している前記静電容量型超音波振動子の一部は、さらに、前記メンブレンであることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型超音波振動子。
  5. 前記表面電位形成された前記誘電体膜が、前記メンブレンに支持された前記第2の電極の表面上に形成されていることを特徴とする請求項に記載の静電容量型超音波振動子。
  6. 前記第2の電極は、前記メンブレンの表面のうち前記第1の電極と対向する側の面に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型超音波振動子。
  7. 前記誘電体膜は、2層以上からなることを特徴とする請求項に記載の静電容量型超音波振動子。
  8. 前記誘電体膜は、SiO2膜とSi34膜の2層からなることを特徴とする請求項7に記載の静電容量型超音波振動子。
  9. 前記誘電体膜は、SiO2膜とSi34膜とSiO2膜の3層からなることを特徴とする請求項7に記載の静電容量型超音波振動子。
  10. 前記第2の電極は、高誘電率誘電体膜により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型超音波振動子。
  11. 少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法において、
    前記シリコン基板の表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記シリコン基板を接地し、前記誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う工程と、
    前記表面電位を有する前記誘電体膜の表面に前記第1の電極を形成する工程と、
    前記メンブレンと該メンブレンを支持するための支持部とを形成する工程と、
    前記メンブレンに前記第2の電極を形成する工程と、
    からなることを特徴とする静電容量型超音波振動子の製造方法。
  12. 少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法において、
    第1の前記シリコン基板に前記第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極の表面に誘電体膜を形成する第1の誘電体膜形成工程と、
    前記第1の電極を接地し、前記第1の誘電体膜形成工程により形成された誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第1の放電工程と、
    前記メンブレンを支持するための支持部を形成する工程と、
    によって第1の構造体を生成する第1の構造体生成工程と、
    表面を酸化処理した第2のシリコン基板を接地し、該表面の酸化膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第2の放電工程と、
    前記第2の放電工程により表面電位を有した前記酸化膜に前記第2の電極を形成する工程と、
    によって第2の構造体を生成する第2の構造体生成工程と、
    前記第1の構造体生成工程によって生成した前記第1の構造体と、前記第2の構造体生成工程によって生成した前記第2の構造体とを接合する工程と、
    を行うことを特徴とする静電容量型超音波振動子の製造方法。
  13. 少なくとも、シリコン基板と、該シリコン基板に配設された第1の電極と、該第1の電極と対向し所定の空隙を隔てて配設された第2の電極と、該第2の電極を支持するメンブレンとからなる静電容量型超音波振動子の製造方法において、
    前記第1の前記シリコン基板の表面に誘電体膜を形成する第1の誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜の表面に前記第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極の表面に誘電体膜を形成する第2の誘電体膜形成工程と、
    前記第1のシリコン基板を接地し、前記第1及び第2の誘電体膜形成工程により形成された誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第1の放電工程と、
    前記メンブレンを支持するための支持部を形成する工程と、
    によって第1の構造体を生成する第1の構造体生成工程と、
    表面を酸化処理した第2のシリコン基板の表面の酸化膜に前記第2の電極を形成する工程と、
    前記第2の電極表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記第2の電極表面に形成した前記誘電体膜の表面に、高誘電率誘電体膜を形成する工程と、
    前記第2のシリコン基板を接地し、前記第2のシリコン基板の表面の前記酸化膜、前記第2の電極表面に形成した前記誘電体膜、及び前記高誘電率誘電体膜が表面電位を有するようにするためのコロナ放電処理を行う第の放電工程と、
    によって第2の構造体を生成する第2の構造体生成工程と、
    前記第1の構造体生成工程によって生成した前記第1の構造体と、前記第2の構造体生成工程によって生成した前記第2の構造体とを接合する工程と、
    を行うことを特徴とする静電容量型超音波振動子の製造方法。
  14. 前記誘電体膜は、rfマグネトロンスパッタ、プラズマCVD、又は真空アークプラズマによって形成されることを特徴とする請求項11,12または13に記載の静電容量型超音波振動子の製造方法。
  15. 前記誘電体を形成後、熱処理を行うことを特徴とする請求項11,12または13に記載の静電容量型超音波振動子の製造方法。
  16. 前記コロナ放電処理後に枯化を行う工程を含むことを特徴とする請求項11,12または13に記載の静電容量型超音波振動子の製造方法。
  17. 請求項1−10のうちいずれか1項に記載の静電容量型超音波振動子を備えた超音波内視鏡装置。
  18. 請求項11,12または13に記載の製造方法によって製造された静電容量型超音波振動子を備えた超音波内視鏡装置。
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