JP2002218594A - シリコン酸化膜エレクトレットの製造方法、同製造方法によって得られたシリコン酸化膜エレクトレット、および、同シリコン酸化膜エレクトレットを備えたエレクトレットコンデンサマイクロホン - Google Patents

シリコン酸化膜エレクトレットの製造方法、同製造方法によって得られたシリコン酸化膜エレクトレット、および、同シリコン酸化膜エレクトレットを備えたエレクトレットコンデンサマイクロホン

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JP2002218594A
JP2002218594A JP2001014332A JP2001014332A JP2002218594A JP 2002218594 A JP2002218594 A JP 2002218594A JP 2001014332 A JP2001014332 A JP 2001014332A JP 2001014332 A JP2001014332 A JP 2001014332A JP 2002218594 A JP2002218594 A JP 2002218594A
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silicon oxide
oxide film
electret
silicon
oxygen
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Mamoru Yasuda
護 安田
Yasuo Sugimori
康雄 杉森
Tetsuo Sano
哲生 佐野
Isao Serita
功 芹田
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Hosiden Corp
Enya Systems Ltd
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Hosiden Corp
Enya Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分や水素等の挟雑物が少なく、十分に高い
成膜速度が得られるシリコン酸化膜エレクトレットの製
造方法、同製造方法によって得られたシリコン酸化膜エ
レクトレット、および、同シリコン酸化膜エレクトレッ
トを備えたECMを提供する。 【解決手段】 基板100が配置された真空の処理チャ
ンバー2内に酸素を導入する工程と、導入された酸素を
プラズマ処理によってイオン化する工程、シリコン単体
乃至はシリコンと酸素を主成分とする固体状のシリコン
化合物に電子を衝突させて気体状シリコンを生成させる
工程、気体状シリコンをプラズマ処理によってイオン化
する工程、イオン化された酸素とシリコンとの反応に基
づいてシリコン酸化膜を基板100上に成膜する工程、
シリコン酸化膜を分極する工程を備えたシリコン酸化膜
エレクトレットの製造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン酸化膜エ
レクトレットの製造方法、同製造方法によって得られた
シリコン酸化膜エレクトレット、および、同シリコン酸
化膜エレクトレットを備えたエレクトレットコンデンサ
マイクロホンに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトレットコンデンサマイクロホン
(ECM)用の誘電体として用いることのできるシリコ
ン酸化膜エレクトレットは、そこに形成されている誘電
膜が、従来のFEPフィルム等の有機材料で形成された
エレクトレット(150℃前後の温度環境によって誘電
特性が劣化してしまう)と異なり、高い耐熱性を備えて
いる。したがって、ECMの基板への実装を、予めEC
Mの電極部と基板の間に設けたハンダ層を熱風で再溶融
させるリフロー法によって実施できるという非常に有利
な特性を有する。リフロー法は迅速で確実な実装を可能
にし、形成される接合部の電気抵抗も、導電性接着剤な
どによるものに比して低い。
【0003】また、シリコン酸化膜エレクトレットは、
FEPフィルム等の有機材料製のエレクトレット(1
2.5μm〜25μm以下の薄膜化は困難)よりも大幅
に薄く(2μm〜3μmの薄膜化が可能)成膜された誘
電膜で構成することができるため、このように薄い誘電
膜を備えたシリコン酸化膜エレクトレットを用いたEC
Mは感度特性が優れているという利点をも有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のエレ
クトレット用のシリコン酸化膜の製法としては、シラン
(SiH4)やTEOS等のガスをシリコン源にしたC
VD法が知られている。しかし、この方法で製造された
シリコン酸化膜は、シリコン源として用いられる原料の
構成成分のために、若干の水分や水素等の不純物を挟雑
物として不可抗力的に含んでしまい、十分に高い特性を
備えたシリコン酸化膜エレクトレットが得られなかっ
た。
【0005】また、水素や水分などの挟雑物の少ないシ
リコン酸化膜エレクトレットの製造方法として、純粋な
固体状シリコンをシリコン源とした高周波マグネトロン
スパッタリング法がある。この方法では、固体状シリコ
ンを備えた上部電極と、下部電極上の基板との間に高周
波電力を印加することによって、酸素とアルゴンガスの
存在下で固体状シリコンからシリコン原子を飛び出さ
せ、このシリコン原子を酸素と反応させることによっ
て、1.0μm〜5.0μmの厚さのシリコン酸化膜を
基板上に成膜する。しかし、この方法は、十分に高い成
膜速度が得られなかった。
【0006】したがって、本発明の目的は、上に例示し
た各従来技術によるシリコン酸化膜エレクトレットの製
法の持つ前述した欠点に鑑み、水分や水素等の不純物を
挟雑物として実質的に含まず、十分に高い誘電特性を備
え、しかも、十分に高い成膜速度が得られるシリコン酸
化膜エレクトレットの製造方法を提供することにある。
また、同時に、本発明の目的は、同製造方法によって得
られたシリコン酸化膜エレクトレット、および、同シリ
コン酸化膜エレクトレットを備えたECMを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るシリコン酸化膜エレクトレットの製造
方法は、特許請求の範囲の欄の請求項1から9に記され
た特徴構成を備えている。すなわち、本発明の請求項1
によるシリコン酸化膜エレクトレットの製造方法は、下
記の各工程を備えることを特徴構成としている、基板が
配置された真空の処理チャンバー内に酸素を導入する工
程と、導入された酸素をプラズマ処理によってイオン化
する工程、シリコン単体乃至はシリコンと酸素を主成分
とする固体状のシリコン化合物に電子を衝突させて前記
処理チャンバー内に気体状シリコンを生成させる工程、
前記気体状シリコンをプラズマ処理によってイオン化す
る工程、前記イオン化された酸素と前記イオン化された
気体状シリコンとの反応に基づいて生成されたシリコン
酸化膜を前記基板上に成膜する工程、および前記基板上
の前記シリコン酸化膜を分極する工程。
【0008】このような特徴構成を備えているために、
本発明の特許請求の範囲第1項によるシリコン酸化膜エ
レクトレットの製造方法では、シリコン単体乃至はシリ
コンと酸素を主成分とする固体状のシリコン化合物をシ
リコンソースとして用いているために、水分や水素等の
不純物を挟雑物として実質的に含まず、十分に高い誘電
特性を備えたシリコン酸化膜エレクトレットが得られ
る。また、プラズマ処理によってイオン化させたシリコ
ン原子と酸素原子の反応によって成膜するので、シリコ
ンと酸素のイオンの存在率を高めることによって、従来
の高周波マグネトロンスパッタリング法などに比して十
分に高い成膜速度が得られる。
【0009】前記処理チャンバー内に導入された酸素を
イオン化する前記工程と前記気体状シリコンをイオン化
する前記工程とは、ヘリコン波を用いた高密度プラズマ
処理に基づいて実施される構成とすることができる。こ
のように構成すれば、シリコン原子と酸素原子のイオン
化が、他のプラズマを用いた場合に比して特に効率的に
行われるので、より高い成膜速度が得られる。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明
に係るシリコン酸化膜エレクトレットは、特許請求の範
囲の欄の請求項10に記された特徴構成を備えている。
すなわち、本発明の請求項10によるシリコン酸化膜エ
レクトレットは、請求項1から9のいずれか1項に記載
の製造法によって得られたことを特徴構成としている。
このような特徴を備えているために、本発明の請求項1
0によるシリコン酸化膜エレクトレットは、FEP等の
有機材料からなるエレクトレットに比して耐熱性が高
く、しかも、高周波マグネトロンスパッタリング法など
で得られたシリコン酸化膜エレクトレットに比して十分
に高い成膜速度で得られるので、より安価なシリコン酸
化膜エレクトレットが得られる。また、本発明による製
造方法では、2μm〜3μmと薄く成膜することができ
るので、一般に12.5μm〜25μm程度の厚さを有
するFEPフィルム等の有機材料製のエレクトレットに
比して、誘電特性に優れたエレクトレットが得られ、こ
れを用いたECMも感度特性の優れたものとなる。
【0011】さらに、上記目的を達成するために、本発
明に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンは、特
許請求の範囲の欄の請求項11に記された特徴構成を備
えている。すなわち、本発明の請求項11によるエレク
トレットコンデンサマイクロホンは、請求項1から9の
いずれか1項に記載の製造法によって得られたシリコン
酸化膜エレクトレットを備えていることを特徴構成とし
ている。このような特徴を備えているために、本発明の
請求項11によるエレクトレットコンデンサマイクロホ
ンは、耐熱性のある無機材料であるシリコン酸化膜から
なるエレクトレットをコンデンサとして用いているの
で、有機材料のエレクトレットを用いたものと異なり、
リフロー法によって迅速に且つ確実にまた電気抵抗の小
さな接合部によって基板に実装することが可能である。
また、用いられているシリコン酸化膜は、シリコン単体
乃至はシリコンと酸素を主成分とする固体状のシリコン
化合物を唯一のシリコンソースとして用いたシリコン酸
化膜からなるので、シラン等のガスを原料として用いた
CVD法によって形成されたシリコン酸化膜に比して、
水分や水素等の不純物を挟雑物として実質的に含まず、
十分に高い誘電特性を備え、エレクトレットコンデンサ
マイクロホンとしてもより高性能の感度を発揮する。
【0012】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるシリコン酸化膜エレ
クトレットの製造方法、同製造方法によって得られたシ
リコン酸化膜エレクトレット、および、同シリコン酸化
膜エレクトレットを備えたエレクトレットコンデンサマ
イクロホンについて図面に照らして解説する。先ず、本
発明によるシリコン酸化膜エレクトレットは、基板10
0上に、厚さが2〜3μmの薄いシリコン酸化膜を成膜
する前工程と、この前工程によってシリコン基板上に得
られたシリコン酸化膜を分極する後工程とを経て作製さ
れる。尚、基板100としては、1000Å(オングス
トローム)程度の厚さのアルミニウム層が予め表面に蒸
着形成されたシリコン基板の他、アルミニウム、洋白、
ステンレススチール、チタンなど各種の金属材を用いる
ことができる。
【0014】(シリコン酸化膜の成膜装置)基板100
上に、シリコン酸化膜を成膜する前工程では、図1に示
すヘリコンプラズマ蒸着装置1(Helicon Ac
tivated ReactiveEvaporati
on装置とも称される場合がある)が用いられる。ヘリ
コンプラズマ蒸着装置1は、プロセスチャンバー2(処
理チャンバーの一例)と、前記基板としてのウエハをプ
ロセスチャンバー2内に配置するために、プロセスチャ
ンバー2の上部に連結されたウエハ搬送部(不図示)と
を有する。前記ウエハ搬送部は、ウエハを一枚ずつセッ
ト可能なスペースを備えたロードロックチャンバーと、
前記ロードロックチャンバーにセットされたウエハをプ
ロセスチャンバー2内に運び込むトランスファーチャン
バーとで構成されている。
【0015】プロセスチャンバー2は、最も下部に配置
された電子銃チャンバー3と、電子銃チャンバー3の上
端に気密状に接続されたヘリコンソース部4と、ヘリコ
ンソース部4のさらに上端に気密状に接続された拡散チ
ャンバー5(デポジションチャンバーと称しても良い)
とからなる。電子銃チャンバー3とヘリコンソース部4
と拡散チャンバー5はいずれも、基本的に、共通の垂直
軸芯Xに関して回転対称な内面形状を備えた円筒容器状
を呈している。電子銃チャンバー3を構成する第1筒状
体31内には、出力が10kVの電子銃32が収納され
ており、この電子銃32はヘリコンソース部4に向けて
上向きに配置されている。ヘリコンプラズマ蒸着装置1
の円筒容器内を実質的な真空状態に保持することが可能
なように、電子銃チャンバー3の底部には高能力の排気
手段が接続されている。前記排気手段は、電子銃チャン
バー3の底部に接続された排気速度が1200L/se
cのターボ分子ポンプ10aと、ターボ分子ポンプ10
aの排気出口にバックアップとして接続された排気速度
が600L/minのロータリポンプ10bとからな
る。電子銃32には、プロセスチャンバー2の外に設け
られた電子銃電源35から電力が供給される。前記供給
電力は、電子銃電源35と接続された電子銃制御装置3
6によって制御することができる。
【0016】ヘリコンソース部4は、第2筒状体41
と、第2筒状体41内に収納されたヘリコンアンテナ4
2と、第2筒状体41の上下の2箇所の外周を取り囲む
ように水平に延びた一対のソースコイル43a,43b
とからなる。ヘリコンアンテナ42の中心には固体ソー
スを配置することができる。ここでは、シリコンと酸素
を主成分とする固体ソースとして、石英製のチューブ
(不図示)を配置する。装置としてのヘリコンプラズマ
蒸着装置1によるシリコン酸化膜の成膜工程では、シラ
ン、TEOS等の反応性の気体をシリコンソースとして
用いる必要がない点で、製造プロセスとしての安全性が
より確保される。ヘリコンアンテナ42には、プロセス
チャンバー2の外に設けられた高周波電源46によって
13.56MHz、2.0kWのRF電力を印加するこ
とができ、ヘリコンアンテナ42と高周波電源46の間
には、マッチングネットワーク45が介装されている。
尚、電子銃チャンバー3の第1筒状体31とヘリコンソ
ース部4の第2筒状体41との境界部は、中心に円形の
開口部を備えた薄いプレート状オリフィス33によって
気体通路が狭められている。このように、電子銃チャン
バー3とヘリコンソース部4の間の気体通路が狭められ
た構造と、前記排気手段が電子銃チャンバー3の底部に
接続されている構造とによって、ヘリコンプラズマ蒸着
装置1の円筒容器内に軸芯方向に沿った差圧を生じさ
せ、その結果、プロセスチャンバー2をヘリコンソース
部4よりも僅かに高圧に保持することができる。
【0017】拡散チャンバー5は、第3筒状体51と、
第3筒状体51の上端部の外周を取り囲むように水平に
延びた閉じ込め用コイル52とからなる。第3筒状体5
1の天井部の中心には、平面視で円形を呈する開口部5
1aが形成されており、この開口部51aには、基板ホ
ルダー53が気密状に着脱自在に接続されている。さら
に第3筒状体51には、拡散チャンバー5内に導入する
ための気体導入口54a,54b、拡散チャンバー5内
の真空度を測定する真空計55、蒸着状態モニター用の
エリプソメータを挿入するための少なくとも4つのモニ
ター用ポート56、拡散チャンバー5内を観察するため
の石英窓57が設けられている。また、第3筒状体51
の天井部には、基板100の露出面をヘリコンソース部
4から遮蔽する遮蔽位置と開放した開放位置の間で切り
換え可能なシャッター58が設けられている。基板ホル
ダー52は、長さが最大6インチの基板100を水平に
取付けることの可能なメカニカルクランプ式の基板保持
装置である。基板ホルダー52によって保持された基板
100の中心は、垂直軸芯Xに一致するように配置され
る。基板ホルダー52は成膜中の基板100を冷却(約
200℃に冷却可能)する水冷式の冷却装置を備えてお
り、また、基板ホルダー52上で成膜中の基板100に
対して、13.56MHz、1.5kWのバイアスを加
えることの可能な手段が設けられている。成膜中の基板
100にバイアスを加えることによって、基板100に
衝突するイオンの衝撃エネルギーを制御することがで
き、結果的に、基板100上でのシリコンイオンと酸素
イオンの反応が促進され、より緻密なシリコン酸化膜が
成膜される。
【0018】(シリコン酸化膜エレクトレットの製造方
法)本発明によるシリコン酸化膜エレクトレットの製造
方法は、一例として以下の各工程によって構成すること
ができる。 <1>基板ホルダー52に基板100を取付け、この基板
ホルダー52を拡散チャンバー5の開口部51aに気密
状に閉じる。シャッター58は閉鎖位置に保持してお
く。 <2>着脱ターボ分子ポンプ10aとロータリポンプ10
bを運転して、拡散チャンバー5内の圧力を10-4から
10-5Paに保持する。 <3>基板100に13.56MHz、100Wのバイア
スを加え、気体導入口54bからアルゴンガスのみを導
入しながら、このアルゴンのプラズマ処理を行うために
ヘリコンアンテナ42に13.56MHz、400Wの
高周波電力を印加するという前処理を10min実施す
る。 <4>気体導入口54a,54bから夫々、酸素(流量:
15sccm)とアルゴン(流量:2sccm)とを同
時に拡散チャンバー5内に導入し、ヘリコンアンテナ4
2に13.56MHz、400Wの高周波電力を印加す
る。同時に、ヘリコンソース部4の上部ソースコイル4
3aには0.4Aの、下部ソースコイル43bには0.
8Aの電流を通電する。また、拡散チャンバー5の閉じ
込め用コイル52にも、0.5Aの電流を通電する。
【0019】<5>ヘリコンアンテナ42の中心に配置さ
れた石英製のチューブ(固体のシリコンソース)に、電
子銃32から電子ビームを照射開始する。これによっ
て、石英製チューブからのシリコンの蒸発が開始され
る。
【0020】<6>電子銃32からの電子ビームの電流を
徐々に高め(300〜400mA)、電流が480mA
に達して、シリコンの蒸発量が所定量に達したら、基板
100に13.56MHz、100Wのバイアスを加
え、シャッター58を開放位置に切り換える。これによ
って、気体導入口54aから導入された酸素がヘリコン
プラズマによってイオン化し、前記差圧に基づいて基板
100に導かれる作用と、石英製チューブから蒸発した
原子状のシリコンが、更にヘリコンプラズマによってイ
オン化し、前記差圧に基づいて基板100に導かれる作
用とが進行し、これらイオン化したシリコンと酸素とが
反応してシリコン酸化物を生成しつつ、基板100上に
デポジットすることで、シリコン酸化膜の成膜工程が開
始される。
【0021】<7>厚さが2〜3μmのシリコン酸化膜が
基板100上に形成されるまで、前記成膜反応を進行さ
せるために、<6>の工程を約30minにわたって継続
する。これによって、200〜500Å/minの成膜
速度が得られる(ANU測定によれば約450Å/mi
nの成膜速度)。尚、成膜工程中は、高周波電力を印加
されたヘリコンアンテナ42からヘリコン波が発射さ
れ、プラズマ中に伝播し、気体状の酸素およびシリコン
を効率的にイオン化する。ヘリコン波プラズマを用いて
いるので、通常の容量型プラズマや誘導容量型プラズマ
に比して低圧の条件で、高密度プラズマを形成すること
ができる。 <8>複数のモニター用ポート56から挿入されている蒸
着状態モニター用のエリプソメータが、基板100上の
シリコン酸化膜の厚さが2〜3μmに達していることを
示したら、シャッター58を閉鎖位置に切り換え、アル
ゴンガスの導入を停止することで、前記成膜工程を終了
する。
【0022】<9>引き続き、拡散チャンバー5内に気体
導入口54aから酸素のみを導入しつつ、ヘリコンアン
テナ42に13.56MHz、400Wの高周波電力を
10minにわたって印加することで、前記酸素をプラ
ズマ処理する後処理工程。 <10>ヘリコンプラズマ蒸着装置1のプロセスチャンバ
ー2内の真空状態を解いて、基板100を取出し、基板
100上のシリコン酸化膜をエレクトレット化するため
に下記の操作を行う。ヘリコンプラズマ蒸着装置1から
取出された基板100上のシリコン酸化膜は、6インチ
ウエハー内の膜厚分布が5%、屈折率が1.46〜1.
48(面内分布:0.01)、テンシルストレスが0.
365GPa、P−etchが8.8Å/minの特性
を示す。プロセスチャンバー2を構成している電子銃チ
ャンバー3とヘリコンソース部4と拡散チャンバー5が
いずれも、基本的に共通の垂直軸芯Xに関して回転対称
な内面形状を備えた円筒容器状を呈している事実は、上
記のシリコン酸化膜の膜厚分布や屈折率の面内分布の均
一性に大きく寄与していると考えられる。
【0023】<11>シリコン酸化膜を備えた基板100
を400℃から500℃の温度範囲にて2時間から4時
間にわたって焼成する工程。 <12>シリコン酸化膜をスチーム酸化させるために、シ
リコン酸化膜を備えた基板100を、約60℃で相対湿
度が約90%の養生槽内に保持する工程。 <13>基板100上のシリコン酸化膜を、分極電圧が−
5.3kV、グリッド電圧が−1.0kV、分極距離が
3〜9mm、分極速度が1.6mm/secの条件で分
極する工程。分極法としては、導電性ワイヤからコロナ
放電させて発生した電荷をシリコン酸化膜に導入するコ
ロナ分極法や、シリコン酸化膜に電子ビームを照射して
帯電させる電子ビーム分極法、その他の分極法を用いる
ことができる。これによって、基板100上にシリコン
酸化膜エレクトレットが得られる。
【0024】(ECMの第1実施例)図3は、本発明に
よるシリコン酸化膜エレクトレットを用いたECM(エ
レクトレットコンデンサマイクロホン)の一例として挙
げられるホイルエレクトレットタイプのECMの外観を
示す。図2(b)は、図3のECMに用いられている薄
膜振動膜11の断面を示し、この薄膜振動膜11は、基
材としてのニッケル製の薄膜11a(基板100の一
例)の一方の面の周囲にステンレス材(他に、真鍮材な
どが使用可能である)からなる導電性リング状部材12
を熱硬化性エポキシ剤で接着、または、圧着、溶接、半
田付けし、薄膜11aの他方の面に、前述のヘリコンプ
ラズマ蒸着法によってシリコン酸化膜エレクトレット1
3が成膜形成されている。尚、実際の成膜操作では、成
膜用のダミーのシリコンウエハー等に、導電性リング状
部材12と接合された薄膜11a(図2(a)に示され
たもの)を多数仮止めし、このダミーのシリコンウエハ
ーを基板100に見立てて基板ホルダー52に取付け、
ヘリコンプラズマ蒸着装置1の拡散チャンバー5に設置
し、成膜後、或いは、分極工程の終了後にダミーのシリ
コンウエハーから処理済みの薄膜振動膜11を取り外せ
ば良い。薄膜振動膜11の基材としては、ニッケルの他
に、チタン材、アルミ材、その他の金属材が使用可能で
ある。
【0025】図3のECMは、天面中央に音響導入孔1
5aが形成されたアルミの有底筒状部材15を有し、音
響導入孔15aは、防塵クロス14によって閉じられて
いる。有底筒状部材15の内部には、音響導入孔15a
に対向する状態で、振動膜11が導電性リング状部材1
2を介して配置されている。また、背極17がリング状
絶縁スペーサ16を介してエレクトレット面13に対向
配置してある。背極17は、有底筒状の樹脂ホルダー1
8の開口部端縁に形成された内側切欠段部18aに嵌入
支持され、さらに、樹脂ホルダー18の底部に有底筒状
部材15の開口端部を内側に折り曲げ支持されたプリン
ト基板19を配置してある。樹脂ホルダー18の中空内
部には、背極17と振動膜11との間で形成されるコン
デンサに生じる音響に起因する電気信号を低インピーダ
ンス信号に変換するインピーダンス変換素子としてのF
ET20を設けてあり、FET20のゲート電極(入力
電極)20gが背極17に電気的に接続され、ドレイン
電極20dとソース電極20sがプリント基板19に半
田接続されている。一方、振動膜11は、導電性リング
状部材12、有底筒状部材15を介してプリント基板1
9にアース接続されている。
【0026】(ECMの第2実施例)図5は、本発明に
よるシリコン酸化膜エレクトレットを用いたECMの一
例として挙げられるバックエレクトレットタイプのEC
Mの外観を示す。図4(a)に示される、基材としての
ステンレススチール製の背極17(基板100の一例)
を、ECMの第1実施例の記載内容と同様にダミーのウ
エハーに多数取付けて、背極17の一面に前述のヘリコ
ンプラズマ蒸着法でシリコン酸化膜13pを成膜形成し
ている。図4(b)は、シリコン酸化膜13pを成膜形
成後の背極17を示す。基材としての背極17には、ス
テンレススチールの他に、真鍮、洋白、その他の金属材
が使用可能である。背極17は、厚さ0.2〜0.4m
mの板状体を直径2.0から6.0mmの円盤状で中央
部に直径1.0mm前後の複数の圧力調整用の通気孔1
7aを形成するようにプレス加工される。これをECM
の第1実施形態で記載したと同様の方法で分極処理する
ことによって、シリコン酸化膜13pをシリコン酸化膜
エレクトレット13とする。
【0027】図5に示されたバックエレクトレットタイ
プのECMは、天面中央に音響導入孔15aが形成され
たアルミの有底筒状部材15を備え、音響導入孔15a
は防塵クロス14によって閉じられている。有底筒状部
材15の内部には、振動膜11が導電性リング状部材1
2を介して音響導入孔15aに対向するように配置さ
れ、背極17は、そのエレクトレット面13が振動膜1
1に対向するようにリング状絶縁スペーサ16を介して
配置してある。背極17は、有底筒状の樹脂ホルダー1
8の開口部端縁に形成された内側切欠段部18aに嵌入
支持され、さらに、樹脂ホルダー18の底部には、有底
筒状部材15の開口端部を内側に折り曲げすることで、
プリント基板19が支持されている。
【0028】樹脂ホルダー18の中空内部には、背極1
7と振動膜11との間で形成されるコンデンサに生じる
音響に起因する電気信号を低インピーダンス信号に変換
するインピーダンス変換素子としてのFET20を設け
てあり、FET20のゲート電極(入力電極)20gが
背極17に電気的に接続され、ドレイン電極20dとソ
ース電極20sがプリント基板19に半田接続されてい
る。一方、振動膜11は、導電性リング状部材12、有
底筒状部材15を介してプリント基板19にアース接続
されている。
【0029】(ECMの第3実施例)図7は、本発明に
よるシリコン酸化膜エレクトレットを用いたECMの一
例として挙げられるフロントエレクトレットタイプのE
CMの外観を示す。図6(a)に示される絞り加工で形
成された基材としての厚さ0.3mmの有底筒状部材1
5(基板100の一例)を、ECMの第1実施例の記載
内容と同様にダミーのウエハーに多数取付けて、前述の
ヘリコンプラズマ蒸着法によって、有底筒状部材15の
天面内側部の一面に図6(b)に示されるようにシリコ
ン酸化膜13pを成膜形成し、成膜後、或いは、分極工
程の終了後にダミーのシリコンウエハーから成膜された
有底筒状部材15を取り外せば良い。有底筒状部材15
の天面中央には、音響導入孔15aが形成されている。
シリコン酸化膜13pは分極工程を経てシリコン酸化膜
エレクトレット13となる。有底筒状部材15は、アル
ミニウム、洋白などの金属で構成すれば良い。
【0030】図7に示されるフロントエレクトレットタ
イプのECMには、シリコン酸化膜エレクトレット13
を備えた有底筒状部材15が、防塵クロス14が貼られ
た状態で用いられている。有底筒状部材15の内部に
は、金属製の振動膜11が、リング状絶縁スペーサ16
を介して音響導入孔15aに対向配置され、金属製の振
動膜11の他面には、導電性リング状スペーサ12を介
して、金属製筒状部材22が配置されている。そして、
金属製筒状部材22の底部に、有底筒状部材15の内側
に折り曲げられた開口端部に支持された状態でプリント
基板19が配置されている。金属製筒状部材22の中空
内部には、有底筒状部材15の天面と振動膜11との間
で形成されるコンデンサに生じる音響に起因する電気信
号を低インピーダンス信号に変換するインピーダンス変
換素子としてのFET20を設けてあり、FET20の
ゲート電極20gがプリント基板19の配線パターン、
金属製筒状部材22、導電性リング状スペーサ16aを
介して振動膜11に電気的に接続され、ドレイン電極2
0dとソース電極20sがプリント基板19に電気的に
接続されている。一方、有底筒状部材15の天面は、有
底筒状部材15の周壁を介してプリント基板19にアー
ス接続されている。
【0031】(ECMの第4実施例)図10は、本発明
によるシリコン酸化膜エレクトレットを用いたECMの
一例として挙げられる、バックエレクトレットタイプの
半導体ECMの外観を示す。この半導体ECMは下記の
ような構成からなる。先ず、図8(a)から(c)に示
すように、5〜6インチのシリコンウェハ20を2mm
角の半導体チップに区画し、各半導体チップ23a毎
に、周囲に公知のリソグラフィー技術等を用いて集積回
路部24を製造し、中央部に絶縁膜27を介して直径
1.4mm程度の円形の固定電極25をアルミ蒸着法等
により形成するとともに、アース電極パット26a、固
定電極25と接続される固定電極パット23b、電源電
極パット26c、出力電極パット26dを形成する。集
積回路部22は、後述の振動膜と固定電極との間で構成
されるコンデンサに誘起される電気信号を低インピーダ
ンス信号に変換するFETや、必要に応じてカスタマイ
ズ設計される信号処理回路で構成され、アース電極パッ
ト26aと電源電極パット26cを介して電源が供給さ
れ、出力電極パット26dから信号が出力される。
【0032】次に、基材としてのアルミ薄膜からなる固
定電極25(基板100の一例)上に、前述のヘリコン
プラズマ蒸着法によって、2.0μm〜5.0μmの膜
厚のシリコン酸化膜13pを形成する。さらに、ECM
の第1実施形態で記載したと同様の方法で熱処理、酸化
処理、および、分極処理することによって、シリコン酸
化膜13pをシリコン酸化膜エレクトレット13とす
る。最後に、図9(a)から(b)に示すように、各半
導体チップ23a上の絶縁膜27上の対角部位4個所に
10μm〜15μm厚さのポリイミド材でなるスペーサ
29を形成する。上述した半導体チップ23aは、図1
0に示すように、有底筒状のセラミックパッケージ60
の底部に接着剤65で固定される。半導体チップ23a
のスペーサ29上には、上面にタングステン/ニッケル
膜64が蒸着された振動膜63を配置し、さらに、その
上に、導電性リング状部材66を介して、音響導入孔6
1aが形成された金属キャップ61が圧接されている。
振動膜63は、導電性リング状部材66、金属キャップ
61の表面に配された導電パターン(不図示)、セラミ
ックパッケージ60の内周及び端部縁部に配された導電
パターン(不図示)、ボンディングワイヤ67を介し
て、アース電極パット26aに接続されている。
【0033】(ECMの第5実施例)図11は、本発明
によるシリコン酸化膜エレクトレットを用いたECMの
一例として挙げられる、ホイルエレクトレットタイプの
半導体ECMの外観を示す。この半導体ECMは、固定
電極25上にシリコン酸化膜エレクトレットを形成する
のではなく、振動膜63(基板100の一例)上に本発
明によるシリコン酸化膜エレクトレット13を構成した
点で、図10のバックエレクトレットタイプの半導体E
CMと異なる。
【0034】以上の各ECMは、基板100に成膜され
た無機材料からなるシリコン酸化膜をエレクトレット
(誘電体)として用いているので、有機材料(FEPフ
ィルム等)からなるエレクトレットを備えた従来のEC
Mに比して耐熱性が高い。したがって、ハンダを用いた
リフロー法によって基板上に簡単に実装することができ
る。すなわち、リフロー法に際して150℃を超える温
度に数十分間にわたって曝されても、エレクトレットの
分極性能が実質的に劣化することがない。リフロー法で
実装するには、予めECMの電極部の各々に、或いは、
回路構成部材として基板に設けられている一対の銅箔の
各々に、メッキなどでハンダ層を形成しておくと良い。
そして、実装に際しては、ECMを一対の電極部が一対
の銅箔の各々に接当するように載置固定しておき、EC
Mと基板との境界面を中心に、適切な温度の熱風を一定
時間にわたって供給すれば、ハンダ層が再溶融して再び
固化し、この再溶融から再固化の間に、一旦流動性を得
たハンダがECMの一対の電極部と基板の銅箔とを接合
して、実装が完了する。
【0035】また、このECMにエレクトレットとして
用いられているシリコン酸化膜は、シリコンと酸素を主
成分とするシリコン化合物である石英をシリコンの原料
として用いた一種のプラズマ蒸着によって製造されてい
るので、シラン(SiH4)やTEOS等をシリコン源
にしたCVD法で製造されたシリコン酸化膜と異なり、
水分や水素等の挟雑物を実質的に含有していない。した
がって、本発明の方法によって得られたシリコン酸化膜
からは、より理想的な分極特性を持ったエレクトレット
を作ることができ、より高性能のECMを構成する部品
となる。さらに、このECMにエレクトレットとして用
いられているシリコン酸化膜は、ヘリコンプラズマ蒸着
法によって製造されているので、他のプラズマ蒸着法に
よって製造されたシリコン酸化膜に比して、密度の高い
高品位の薄膜となる。したがって、本発明の方法によっ
て得られたシリコン酸化膜からは、この意味からも、よ
り理想的な分極特性を持ったエレクトレットを作ること
ができ、より高性能のECMを構成する部品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリコンプラズマ蒸着装置の概略断面図
【図2】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレット
を備えた薄膜振動膜の製造工程図
【図3】図2の薄膜振動膜を用いたホイルエレクトレッ
トタイプのECMの断面図
【図4】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレット
を備えた背極の製造工程図
【図5】図4の背極を用いたバックエレクトレットタイ
プのECMの断面図
【図6】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレット
を備えた有底筒状部材の製造工程図
【図7】図6の有底筒状部材を用いたフロントエレクト
レットタイプのECMの断面図
【図8】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレット
を備えた半導体チップの製造工程の一部の説明図
【図9】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレット
を備えた半導体チップの製造工程の一部の説明図
【図10】図9の半導体チップを用いた半導体バックエ
レクトレット型のECMの断面図
【図11】本願発明によるシリコン酸化膜エレクトレッ
トを備えた半導体ホイルエレクトレット型のECMの断
面図
【符号の説明】
100 基板 13 シリコン酸化膜エレクトレット 1 ヘリコンプラズマ蒸着装置 2 プロセスチャンバー(処理チャンバー) 3 電子銃チャンバー 10a ターボ分子ポンプ 10b ロータリポンプ 32 電子銃 35 電子銃電源 36 電子銃制御装置 33 プレート状オリフィス 4 ヘリコンソース部 42 ヘリコンアンテナ 43 ソースコイル 45 マッチングネットワーク 46 高周波電源 5 拡散チャンバー 52 閉じ込め用コイル 53 基板ホルダー 54 気体導入口 55 真空計 56 モニター用ポート 57 石英窓 58 シャッター X 垂直軸芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉森 康雄 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 (72)発明者 佐野 哲生 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 (72)発明者 芹田 功 埼玉県川越市芳野台2丁目8番36号 株式 会社エンヤシステム内 Fターム(参考) 5D021 CC03 CC06 CC20 (54)【発明の名称】 シリコン酸化膜エレクトレットの製造方法、同製造方法によって得られたシリコン酸化膜エレク トレット、および、同シリコン酸化膜エレクトレットを備えたエレクトレットコンデンサマイク ロホン

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板が配置された真空の処理チャンバー内
    に酸素を導入する工程と、導入された酸素をプラズマ処
    理によってイオン化する工程、 シリコン単体乃至はシリコンと酸素を主成分とする固体
    状のシリコン化合物に電子を衝突させて前記処理チャン
    バー内に気体状シリコンを生成させる工程、 前記気体状シリコンをプラズマ処理によってイオン化す
    る工程、 前記イオン化された酸素と前記イオン化された気体状シ
    リコンとの反応に基づいて生成されたシリコン酸化膜を
    前記基板上に成膜する工程、および前記基板上の前記シ
    リコン酸化膜を分極する工程を備えたシリコン酸化膜エ
    レクトレットの製造方法。
  2. 【請求項2】前記処理チャンバー内に導入された酸素を
    イオン化する前記工程と前記気体状シリコンをイオン化
    する前記工程とは、ヘリコン波を用いた高密度プラズマ
    処理に基づいて実施される請求項1に記載のシリコン酸
    化膜エレクトレットの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ヘリコン波は、前記処理チャンバー内
    に配置されたヘリコンアンテナに400Wから1000
    Wの高周波電力を印加することに基づいて発生する請求
    項2に記載のシリコン酸化膜エレクトレットの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記処理チャンバー内に酸素を導入する前
    記工程より前に、予め前記処理チャンバー内を10-4
    ら10-5Paの真空状態にしておいて、前記ヘリコンア
    ンテナに高周波電力を印加する工程が含まれ、 前記処理チャンバー内に酸素を導入する前記工程では、
    酸素と同時にアルゴンが導入される請求項3に記載のシ
    リコン酸化膜エレクトレットの製造方法。
  5. 【請求項5】前記処理チャンバー内に気体状シリコンを
    生成させる工程は、電子銃からの電子ビームを前記固体
    状のシリコン化合物に衝突させることに基づいて実施
    し、 前記基板上にシリコン酸化膜を成膜する前記工程は、前
    記電子ビームの電流を次第に増大させて、前記処理チャ
    ンバー内の気体状シリコンの量に応じて、前記基板にR
    Fバイアスを印加する工程を含む請求項1に記載のシリ
    コン酸化膜エレクトレットの製造方法。
  6. 【請求項6】前記成膜工程では、前記処理チャンバー内
    に酸素とアルゴンとを導入しつつ、前記気体状シリコン
    と前記酸素がイオン化され、前記成膜工程の終了後に、
    前記処理チャンバー内に酸素のみを導入しつつこれを前
    記ヘリコン波によってイオン化する工程が含まれる請求
    項4に記載のシリコン酸化膜エレクトレットの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記分極工程より前に、前記成膜工程によ
    って前記基板上に得られた前記シリコン酸化膜を400
    ℃から500℃の温度範囲にて2時間から4時間にわた
    って焼成する工程が含まれる請求項1に記載のシリコン
    酸化膜エレクトレットの製造方法。
  8. 【請求項8】前記焼成工程に引き続き、前記シリコン酸
    化膜を約60℃で相対湿度が約90%の養生槽内に保持
    することによってスチーム酸化させる工程が含まれる請
    求項7に記載のシリコン酸化膜エレクトレットの製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記分極工程は、分極電圧が−5.3k
    V、グリッド電圧が−1.0kV、分極距離が3〜9m
    m、分極速度が1.6mm/secの各条件下で実施さ
    れる請求項1に記載のシリコン酸化膜エレクトレットの
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1から9のいずれか1項に記載の
    製造法によって得られたシリコン酸化膜エレクトレッ
    ト。
  11. 【請求項11】請求項1から9のいずれか1項に記載の
    製造法によって得られたシリコン酸化膜エレクトレット
    を備えたエレクトレットコンデンサマイクロホン。
  12. 【請求項12】天面に音響導入孔が形成された有底筒状
    部材の内部に、振動膜電極と背極とをリング状絶縁スペ
    ーサを介して対向配置してなるコンデンサを備え、前記
    振動膜電極表面であって前記背極の対向面に前記シリコ
    ン酸化膜エレクトレットを形成した請求項11に記載の
    エレクトレットコンデンサマイクロホン。
  13. 【請求項13】天面に音響導入孔が形成された有底筒状
    部材の内部に、振動膜電極と背極とをリング状絶縁スペ
    ーサを介して対向配置してなるコンデンサを備え、前記
    背極表面であって前記振動膜電極の対向面に前記シリコ
    ン酸化膜エレクトレットを形成してなる請求項11に記
    載のエレクトレットコンデンサマイクロホン。
  14. 【請求項14】天面に音響導入孔が形成された金属製の
    有底筒状部材の前記天面と振動膜電極とをリング状絶縁
    スペーサを介して対向配置してなるコンデンサを備え、
    シリコン酸化膜エレクトレットを、前記天面内側面であ
    って前記振動膜電極の対向面に形成してなる請求項11
    に記載のエレクトレットコンデンサマイクロホン。
  15. 【請求項15】少なくともインピーダンス変換素子が形
    成された半導体チップの所定領域に金属薄膜を形成する
    とともに、前記金属薄膜上に前記シリコン酸化膜エレク
    トレットを形成して、前記金属薄膜電極と振動膜とをス
    ペーサを介して対向配置してなるコンデンサを備えた請
    求項11に記載のエレクトレットコンデンサマイクロホ
    ン。
  16. 【請求項16】少なくともインピーダンス変換素子が形
    成された半導体チップの所定領域に固定電極となる金属
    薄膜を形成し、前記金属薄膜と振動膜電極とをスペーサ
    を介して対向配置してなるコンデンサを備え、前記振動
    膜上であって、前記金属薄膜の対向面に前記シリコン酸
    化膜エレクトレットを形成してなる請求項11に記載の
    エレクトレットコンデンサマイクロホン。
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