JP5355777B2 - 超音波トランスデューサおよびそれを用いた超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波トランスデューサ、および、それを用いた超音波診断装置に関するものである。特に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により製造した超音波トランスデューサと、それを用いた超音波診断装置に関する。
超音波トランスデューサは超音波を送信、受信することにより、人体内の腫瘍などの診断や、構造物の非破壊検査などに用いられている。これまでは、圧電体の振動を利用した超音波トランスデューサが用いられてきたが、近年のMEMS技術の進歩により、振動部をシリコン基板上に作製した容量検出型超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が実用化を目指して盛んに開発されている。例えば、米国特許第6320239B1号公報(特許文献1)には、単体のCMUTとアレイ状に配置したCMUTが開示されている。
従来の圧電体を用いたトランスデューサと比較して、CMUTは、使用できる超音波の周波数帯域が広い、あるいは高感度であるなどの利点がある。また、LSI加工技術を用いて作製するので微細加工が可能である。特に、超音波素子をアレイ状に並べて、それぞれの素子を独立に制御を行う場合には、CMUTは必須となると考えられる。何故ならば、各素子への配線が必要になり、アレイ内の配線数は膨大な数になることが考えられるが、CMUTはLSI加工技術を用いて作製するので、それらの配線が容易であるからである。さらには超音波送受信部からの信号処理回路の1チップへの混載も、CMUTでは可能だからである。
ここで、図1を用いて、CMUTの基本的な構造および動作を説明する。下部電極101の上層に絶縁膜103に囲まれた空洞部102が配置されている。空洞部102上には絶縁膜103を介して上部電極104が配置されている。上部電極104と下部電極101の間に直流電圧と交流電圧を重畳すると、静電気力が上部電極104と下部電極101の間に働き、空洞部102上の絶縁膜103と上部電極104で構成されるメンブレン105が印加した交流電圧の周波数で振動することで、超音波が発信される。逆に、受信の場合は、メンブレン105の表面に到達した超音波の圧力により、メンブレン105が振動する。すると、上部電極104と下部電極101との間の距離が変化するため、静電容量の変化として超音波が検出される。この動作原理では、上部電極104と下部電極101の間に直流電圧を印加することにより、両電極間に静電力が働き、メンブレンは変形し、変形したことによるバネ復元力と静電力が釣合う変形量でメンブレンは安定する。
通常は、電極間の静電力とメンブレンのバネ復元力が釣合う直流電圧で駆動を行うが、メンブレンの変形量が電極間隔の約3分の1となるようなカラプス電圧と呼ばれる電圧よりも大きな直流電圧を印加すると、電極間の静電力がメンブレンのバネ復元力よりも大きくなり、メンブレンが一定位置に安定することができず、空洞部の上面106が空洞部の下面107に接触することになる。この場合、絶縁膜103は空洞部を介さずに上部電極と下部電極に挟まれる構造となる。その結果、接触部では絶縁膜中の電界強度が大きくなり、電極から電荷が注入されることで、絶縁膜中に固定電荷が生じる。そして、直流電圧を遮断後、再度、両電極間に直流電圧を印加しても、絶縁膜中の固定電荷に電極間の電界が遮られ、CMUTを最適に使用する電圧が変動することになる。また、絶縁膜への電荷の注入量により、絶縁膜の絶縁性が低下し、上部電極と下部電極が短絡する恐れもある。したがって、前記特許文献1に開示されたCMUTでは、空洞部の上面が、空洞部下面に接触することを防止するために、通常、カラプス電圧よりもかなり低い電圧で使用することとなる。
一方、特開2009−272824号公報(特許文献2)には、CMUT駆動のための直流電圧の低減あるいは常時印加を不要とするために、電極間の絶縁膜に浮遊電極を埋め込んだ構造が開示されている。
米国特許第6320239B1号公報 特開2009−272824号公報
一般的に、超音波の受信感度を向上させるためには、CMUT使用中の両電極の間隔をできるだけ狭くする必要があり、したがって両電極間に印加する電圧をカラプス電圧にできるだけ近くすることが重要である。また、超音波の送信音圧を向上させるためには、メンブレン105の振幅を最大限にすることが望ましい。しかし、振動中に、空洞部の上面106が空洞部の下面107に接触し、絶縁膜へ電荷が注入されることを防止するために、直流電圧に重畳する交流電圧も、空洞部の上面106が空洞部の下面107に接触する電圧よりもかなり低い電圧に設定する必要がある。
特許文献2では、上下電極間に挟まれる絶縁膜に浮遊電極を埋め込む構造が開示されている。予め電荷を蓄積した浮遊電極と、上部あるいは下部電極間の電位差によりCMUTを駆動する構成であるが、電荷を蓄積した浮遊電極から電荷が抜けないように、浮遊電極の周囲を絶縁膜で覆う、つまり、浮遊電極を絶縁膜に埋め込む必要がある。そして、空洞部の上面が空洞部の下面に接触した場合は、予め浮遊電極に電荷が蓄積されているため、浮遊電極と、上部あるいは下部電極の間に挟まれた絶縁膜への電荷の蓄積や、絶縁膜の絶縁耐圧の低下は免れない。
上述の通り、これまでの技術では、空洞部の上面と下面が接触することに起因する課題があったために、直流電圧や交流電圧を大きくすること、すなわち受信感度の向上や送信音圧の向上を図ることが困難であった。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、第一電極と、第一電極上に配置された第一絶縁膜と、第一絶縁膜上に配置された空洞部と、空洞部上に配置された第二絶縁膜と、第二絶縁膜上に配置された第二電極と、第一電極と第二電極との間に配置され、電気的に孤立された導電膜と、を備え、導電膜は、上面から見て、駆動時に空洞部の上面と下面が接触する領域と重なる位置に配置され、導電膜は、空洞部に露出している超音波トランスデューサである。
また、別の本発明は、第一電極と、第一電極上に配置された第一絶縁膜と、第一絶縁膜上に配置された空洞部と、空洞部上に配置された第二絶縁膜と、第二絶縁膜上に配置された第二電極と、第一電極と第二電極との間であって、上面から見て、駆動時に空洞部の上面と下面が接触する領域と重なる位置に配置された導電膜と、導電膜に接続され、導電膜と接地電位とのオンオフを制御するスイッチを備えている超音波トランスデューサである。
また、さらに別の本発明は、第一電極と、第一電極上に配置された第一絶縁膜と、第一絶縁膜上に配置され、電気的に孤立された第一導電膜と、第一導電膜上に配置された空洞部と、空洞部上に配置され、電気的に孤立された第二導電膜と、第二導電膜上に配置された第二絶縁膜と、第二絶縁膜上に配置された第二電極と、を備え、第一導電膜および第二導電膜は、駆動時に空洞部の上面と下面とが接触する領域に配置され、第一導電膜および第二導電膜は、上面から見て、この領域で互いに重なっていない超音波トランスデューサである。
また、さらに別の本発明は、上記いずれかの超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、超音波探触子を制御する制御部を備えている超音波診断装置である。
本発明は、CMUTにおいて、空洞部の上面と下面が接触しても、上下電極間に挟まれる絶縁膜の電荷蓄積や絶縁耐圧の低下を抑制する構造およびそれを用いた超音波診断装置を提供するものである。また、本発明は、信頼性を確保した上で、従来よりも、受信感度や送信音圧を向上させることができるCMUTおよびそれを用いた超音波診断装置を提供するものである。
本発明者らが検討した超音波トランスデューサの断面図である。 本発明の実施形態1における超音波トランスデューサを示した上面図であり、空洞部の形状が上面からみて6角形の場合である。 (a)は図2のA−A’線で切断した断面図であり、(b)は図2のB−B’線で切断した断面図である。 実施形態1の超音波トランスデューサの駆動時に、空洞部の上面と下面が接触している状態での接触領域の拡大図であり、(a)は導電膜が配置されていない場合であり、(b)は導電膜221が空洞部に露出するように配置されている場合を示している。 (a)は図2のA−A’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図2のB−B’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図5(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図5(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図6(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図6(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図7(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図7(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図8(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図8(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図9(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図9(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図10(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図10(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図11(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図11(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図12(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図12(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図13(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図13(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 実施形態1における超音波トランスデューサを示した上面図であり、空洞部の形状が上面からみて6角形の場合である。また、上面から見て、導電膜が空洞部よりも小さい構成を示すものである。 実施形態1における超音波トランスデューサを示した上面図であり、空洞部の形状が上面からみて6角形の場合である。また、上面から見て、導電膜が空洞部よりも大きい構成を示すものである。 実施形態2における超音波トランスデューサを示した上面図であり、空洞部の形状が上面からみて6角形の場合である。 (a)は図17のA−A’線で切断した断面図であり、(b)は図17のB−B’線で切断した断面図である。 実施形態3の第一実施例における超音波トランスデューサを示した上面図であり、空洞部の形状が上面からみて矩形の場合である。 (a)は図19のA−A’線で切断した断面図であり、(b)は図19のB−B’線で切断した断面図である。 (a)は実施形態3の超音波トランスデューサの駆動時に空洞部の上面と下面が接触している状態での接触領域の拡大図であり、(b)は本実施形態3の超音波トランスデューサの駆動時に空洞部の上面と下面が接触している状態での等価回路図である。 (a)は図19(a)のA−A’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図19(a)のB−B’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図22(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図22(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図23(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図23(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図24(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図24(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図25(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図25(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図26(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図26(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図27(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図27(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 実施形態3の第二実施例における超音波トランスデューサを示した図であり、(a)は図19のA−A’線で切断した断面図であり、(b)は図19のB−B’線で切断した断面図である。 (a)は図29で示した超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図29で示した超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図30(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図30(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図31(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図31(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図32(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図32(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図33(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図33(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図34(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図34(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図35(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図35(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図36(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図36(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図37(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図37(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 (a)は図38(a)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図38(b)に続く超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 実施形態3の第三実施例における超音波トランスデューサを示した上面図である。 (a)は図40(a)のA−A’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図40(a)のB−B’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 実施形態3の第四実施例における超音波トランスデューサを示した上面図である。 (a)は図42(a)のA−A’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図であり、(b)は図42(a)のB−B’線で切断した断面での超音波トランスデューサの製造工程を示した断面図である。 実施形態4における超音波トランスデューサをアレイ状に配置したチップの上面図である。 実施形態5における超音波トランスデューサの模式的な断面図である。 実施形態5における超音波トランスデューサを用いた超音波診断時の上部電極と下部電極の間の実効的な電位差と、導電膜の電位、直流電圧と交流電圧のON/OFFの状態、ならびに、スイッチの開閉の状態を示すものである。 実施形態6における超音波診断装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下の実施形態においては、便宜上、その必要があるときは、複数のセクションまたは実施例に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。なお、平面図であっても理解を容易にするため、ハッチングを付す場合がある。
下記の実施形態の記載では、空洞部の上面が空洞部の下面へ接触しても、絶縁膜への電荷注入や絶縁耐圧の低下を抑制するという目的を、空洞部の上面あるいは下面、あるいは上面、下面の両面に露出するように導電膜を配置することで実現している。
実施形態1
実施形態1では、駆動時に空洞部の上面が空洞部の下面に接触しても、絶縁膜への電荷注入や絶縁耐圧の低下を抑制する目的を、空洞部の下面に露出するように導電膜を配置することで実現している。
図2は、実施形態1における超音波トランスデューサ(CMUT)を示した上面図である。図2では、1つのCMUTセルを示している。CMUTセルは、下部電極202と、下部電極202上に配置された空洞部204と、空洞部204上に配置された上部電極208などを備えて構成される。210は空洞部を形成するためのエッチング孔である。すなわち、エッチング孔210は、空洞部204に接続されている。212は下部電極202へ接続する開口部、213は上部電極208へ接続する開口部である。なお、下部電極202と空洞部204の間に下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜203が形成されており、上部電極208と空洞部204の間に、空洞部204と下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が形成されているが、空洞部204、下部電極202を示すために図示していない。また、空洞部204に露出するように導電膜221が形成されているが、図示していない。
図3(a)は図2のA−A’線で切断した断面図を示しており、図3(b)は図2のB−B’線で切断した断面図を示している。図3(a)および図3(b)に示すように、半導体基板200上に形成されたシリコン酸化膜による絶縁膜201上にCMUTの下部電極202が配置されている。下部電極202の上層にはシリコン酸化膜による絶縁膜203を介して空洞部204が配置されている。また、空洞部204に露出するように導電膜221が空洞部と上面から見て重なる位置に配置されている。205は空洞部の下面、206は空洞部204の上面である。そして、空洞部204、導電膜221を囲むようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が配置され、絶縁膜207の上層に上部電極208が配置されている。上部電極208の上層にはシリコン窒化膜による絶縁膜209と絶縁膜211が配置されている。また、絶縁膜207および絶縁膜209には、これらの膜を貫通するエッチング孔210が形成され、絶縁膜211によって埋め込まれている。このエッチング孔210は、空洞部204を形成するために形成されたものである。実施形態1におけるメンブレン214は絶縁膜207、209、211と上部電極208で構成される。
実施形態1の特徴を、図4を用いて説明する。図4は、CMUTセルを駆動して、メンブレン214が振動し、空洞部204の上面206が空洞部204の下面205に接触している状態の接触部の拡大図である。図4(a)は導電膜が配置されていない場合であり、図4(b)は本実施形態1における導電膜221が配置されている場合である。この導電膜221は、電気的に孤立された膜である。
図4(a)において、駆動時に空洞部204の上面206が空洞部204の下面205に接触する領域301では、絶縁膜203と絶縁膜207のみが下部電極202と上部電極208に挟まれる構造となり、その他の領域では、上部電極と下部電極の間に絶縁膜203、207に加えて空洞部204が挟まれる構造となる。その結果、接触領域301での絶縁膜203、207中の電界強度が、接触領域301を除いた領域の絶縁膜203、207中の電界強度より大きくなる。したがって、絶縁膜203、207を介して流れる下部電極202と上部電極208の間の微小なリーク電流が接触領域301に集中し、絶縁膜203、207ともに絶縁耐性の劣化が生じることになる。
一方、図4(b)に示すように、空洞部204に露出するように導電膜221を配置した場合、導電膜221が電気的に孤立した導電膜であるため、下部電極202と上部電極208に挟まれる絶縁膜203、207と空洞部204の静電容量により、導電膜221は、下部電極202と上部電極208の電位差が分配された電位となり、かつ、導電膜全体が等電位となる。したがって、導電膜221と下部電極202の間に挟まれる絶縁膜203においては、接触領域301とその他の領域での電界強度が等しくなり、リーク電流が接触領域301に集中することを抑制でき、絶縁膜203への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を抑制できる。一方、接触領域301での絶縁膜207中の電界強度は、接触領域301を除く領域よりも大きいままであるが、電流の流れる方向、つまり上部電極と下部電極の電位の極性を考慮すれば、絶縁膜207の劣化も抑制可能である。図2、図3および図4(b)に示した実施形態1においては、例えば、下部電極、上部電極の材料を金属とした場合、下部電極を上部電極よりも低い電位とすればよい。この場合、リーク電流は電子により生じ、電位が低い電極から高い電極へ電子が流れることになるので、電子の経路は、下部電極202から、絶縁膜203、導電膜221、絶縁膜207を介して上部電極の順となるが、本実施例では、絶縁膜203の絶縁耐性が劣化し難いことから、リーク電流となる電子の流れ量自体も低減できる。したがって、絶縁膜207中の接触領域301での電界強度が、接触領域301を除く領域よりも大きいままであっても、接触領域301に集中する電子の流れ量(電流量)自体を小さくすることができるので、絶縁膜207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を抑制できる。すなわち、導電膜が下部電極側に配置されている場合には、上部電極と下部電極との間で、下部電極が上部電極よりも低い電位となるよう直流電圧を印加することにより、絶縁膜203および207の絶縁耐性の劣化を抑制することができる。また、空洞部の上面と下面とが接触した場合でも絶縁膜203および207の絶縁耐性の劣化を抑制することができるため、空洞部の上面と下面が接触するまでメンブレンを振動させることができ、つまり、空洞部の厚さの範囲を最大限に活用してメンブレンを振動させることができ、送信音圧を向上させることができる。また、空洞部の厚さを、診断に必要な送信音圧が得られるメンブレンの振幅を確保可能な最低限の厚さまで薄くすることができ、受信感度を向上させたりすることができる。
次に、特許文献2に開示された従来技術との比較により、実施形態1の発明の効果について説明する。従来技術では、浮遊電極を絶縁膜中に埋め込み、この浮遊電極を帯電させることにより、直流電圧を不要または低減させることを開示している。一方、実施形態1の発明では、浮遊電極に相当する導電膜を絶縁膜中に完全に埋め込むことはせず、空洞部に露出している構造である。なお、導電膜と空洞部の間には絶縁膜を介しておらず、導電膜は、空洞部に露出する構造となっている。これは、実施形態1の発明では、前述の課題を解決するために、帯電していない若しくは帯電し難い導電膜を用いることが必須となるからである。そこで、導電膜が帯電し難くするために、このような構造とし、導電膜に電荷が蓄積されたとしても、蓄積された電荷が空洞部を通じて、放電され易い構造を採用している。
このように、導電膜に電荷が蓄積され難い構造とすることで、駆動時に空洞部の上面と下面とが接触した場合でも、蓄積された電荷が極めて少ないため絶縁膜207側へ流れることを抑制できる。よって、直流電圧を実効的に低減させる程度に帯電された浮遊電極を備えた特許文献2のCMUTよりも、浮遊電極と上部電極の間の電界により生じる絶縁膜207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を抑制できる。また、この従来技術では蓄積された電荷が経時変化により減っていく一方で、実施形態1ではこの放電作用により電荷蓄積量の変動が極めて少ないため、予め最適値に設定された直流電圧を必要以上に変更することなく、略最適値である良好な条件で長期間CMUTを使用することができる。
次に、図面を用いて本実施形態1に記載されたCMUTセルの製造方法を説明する。図5〜図14の(a)は、図2のA−A’方向の断面を示しており、図5〜図14の(b)は、図2のB−B’方向の断面を示している。
まず、図5(a)、(b)に示すように、半導体基板200上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法でシリコン酸化膜による絶縁膜201を400nm堆積する。次に、絶縁膜201上に、スパッタリング法で窒化チタン膜とアルミニウム合金膜と窒化チタン膜をそれぞれ100nm、600nm、100nm積層した後に、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術によりパターニングすることで、下部電極202を形成する(図6(a)、(b))。
続いて、図7(a)、(b)に示すように、下部電極202上にプラズマCVD法でシリコン酸化膜による絶縁膜203を100nm堆積し、その後、絶縁膜203の上面に、スパッタリング法で電気的に孤立された導電膜221となるアルミニウム合金膜を50nm堆積し、引き続き、プラズマCVD法で多結晶シリコン膜を100nm堆積し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、アルミニウム合金膜と多結晶シリコン膜をパターニングすることで、絶縁膜203上に導電膜221と多結晶シリコン膜からなる犠牲層701を形成する。犠牲層701は、その後の工程で空洞部となる。
続いて、導電膜221と犠牲層701と絶縁膜203を覆うように、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜による絶縁膜207を100nm堆積する(図8(a)、(b))。引き続き、CMUTセルの上部電極208を形成するため、スパッタリング法により窒化チタン膜とアルミニウム合金膜と窒化チタン膜の積層膜をそれぞれ50nm、300nm、50nm堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、上部電極208を形成する(図9(a)、(b))。
次にプラズマCVD法により、シリコン窒化膜による絶縁膜209を絶縁膜207、上部電極208を覆うように500nm堆積する(図10(a)、(b))。続いて、絶縁膜209および207に、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を使用して犠牲層701に到達するエッチング孔210を形成する(図11(a)、(b))。その後、エッチング孔210を介して、犠牲層701をフッ化キセノン(XeF)ガスで等方性エッチングすることにより空洞部204を形成する(図12(a)、(b))。
次に、エッチング孔210を埋め込むために、プラズマCVD法によりシリコン窒化膜による絶縁膜211を800nm堆積する(図13(a)、(b))。この工程により、絶縁膜203、209、211と上部電極208からなるメンブレン214が形成される。次に、下部電極202へ電気接続するための開口部212、上部電極208へ電気接続するための開口部213を、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を使用して形成する(図14(a)、(b))。このようにして、本実施形態1におけるCMUTセルを形成することができる。
ここで導電膜221の上面から見た際のサイズについて言及する。図2に示した実施例では、空洞部204と導電膜221は上面から見て同形状であり、重なるように配置されているが、この実施形態に限定されるものではない。少なくとも駆動時に空洞部の上面206と空洞部の下面205が接触する領域よりも大きければよい。言い換えれば、静的な状態であれば、メンブレンの垂直方向の変位量が最大となるような、メンブレンの重心を中心とした所定の範囲を含む様、この導電膜を設ければよい。導電膜がない場合に比べ電界集中を抑制することができるためである。仮に、設計上、空洞部の上面と下面とが点で接触する程度の電圧範囲で使用されるのであれば、この点を含む範囲で導電膜を設ければよい。一方、点ではなく面で接触する程度の電圧範囲で使用されるのであれば、この面を含む範囲で導電膜を設ければよい。例えば、導電膜221の形状が、図15の点線に示すように、上面から見て、空洞部204の上面206と空洞部204の下面205が接触する領域301よりも大きければよい。一方、導電膜221の形状が、図16の点線に示すように、上面から見て、空洞部204よりも大きくてもよい。この場合は、導電膜221が大きい分、接触領域301での絶縁膜の電流の集中を一層低減できる。
なお、図2において、CMUTセルの平面形状は六角形の形状をしているが、形状はこれに限らず、例えば、円形形状でも矩形をしていてもよい。また、実施形態1として示したCMUTセルを構成する材料は、その組み合わせの一つを示したものである。犠牲層の材料も、犠牲層の周りを囲む絶縁材料と導電膜材料とのエッチング選択性が確保することができればよい。したがって、導電膜は、多結晶シリコン膜の他に、他の金属膜などであってもよい。さらに、CMUTの下部電極は導電膜であればよく、半導体基板でも、図3に示したように、半導体基板上に形成した絶縁膜上の導電膜や、信号処理回路を形成した半導体基板上の導電膜であっても良い。
実施形態2
実施形態1では、導電膜が空洞部の下面側から空洞部に露出している形態を示したが、実施形態2では、導電膜が空洞部の上面側から空洞部に露出している形態を示す。
図17は、本実施形態2における超音波トランスデューサ(CMUT)を示した上面図である。図17では、1つのCMUTセルを示している。CMUTセルは、下部電極202と、下部電極202上に配置された空洞部204と、空洞部204上に配置された上部電極208などを備えて構成される。210は空洞部を形成するためのエッチング孔である。すなわち、エッチング孔210は、空洞部となる204に接続されている。212は下部電極202へ接続する開口部、213は上部電極208へ接続する開口部である。なお、下部電極202と空洞部204の間に下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜203が形成されており、上部電極208と空洞部204の間に、空洞部204と下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が形成されているが、空洞部204、下部電極202を示すために図示していない。また、空洞部に露出するよう導電膜221が形成されているが、図示していない。
図18(a)は図17のA−A’線で切断した断面図を示しており、図18(b)は図17のB−B’線で切断した断面図を示している。図18(a)および図18(b)に示すように、半導体基板200上に形成されたシリコン酸化膜による絶縁膜201上にCMUTの下部電極202が配置されている。下部電極202の上層にはシリコン酸化膜による絶縁膜203を介して空洞部204が配置されている。また、空洞部204の上面側から空洞部に露出するよう導電膜221が配置され、かつ、空洞部と上面から見て重なる位置に配置されている。なお、205は空洞部の下面、206は空洞部の上面である。導電膜221、空洞部204を囲むようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が配置され、絶縁膜207の上層に上部電極208が配置されている。上部電極208の上層にはシリコン窒化膜による絶縁膜209と絶縁膜211が配置されている。また、絶縁膜207、絶縁膜209および導電膜221にはこれらの膜を貫通するエッチング孔210が形成され、絶縁膜211によって埋め込まれている。このエッチング孔210は、空洞部204を形成するために形成されたものである。実施形態2におけるメンブレン214は絶縁膜207、209、211と上部電極208、導電膜221で構成される。
実施形態2の特徴は、前記実施形態1とは逆に、導電膜221を空洞部204の上面側から空洞部に露出するように配置したところにある。空洞部204の上面側から空洞部に露出するように導電膜221を配置した場合、実施形態1と同様に導電膜は電気的に孤立された導電膜であるため、下部電極202と上部電極208に挟まれる絶縁膜203、207と空洞部204の静電容量により、導電膜221は、下部電極202と上部電極208の電位差が分配された電位となり、かつ、導電膜全体が等電位となる。したがって、導電膜221と上部電極208の間に挟まれる絶縁膜207においては、接触領域301とその他の領域での電界強度が等しくなり、リーク電流が接触領域301に集中することを抑制でき、絶縁膜207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を低減できる。
また、このような導電膜の配置とし、CMUT駆動時に下部電極が上部電極よりも高い電位の場合には、リーク電流となる電子の流れの経路は、上部電極208から、絶縁膜207、導電膜221、絶縁膜203を介して、下部電極202の順となるが、本実施例では、絶縁膜207の絶縁耐性が劣化しないことから、電子の流れ自体抑制することができ、リーク電流が低減できる。したがって、空洞部の上面206が空洞部の下面205に接触する領域での絶縁膜203中の電界強度が接触領域を除く領域よりも大きいままであっても、接触領域に集中する電子の流れ量(電流量)自体を小さくすることができるので、絶縁膜203への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化も抑制できる。すなわち、導電膜が上部電極側に配置されている場合には、上部電極と下部電極との間で、下部電極が上部電極よりも高い電位となるように直流電圧を印加することにより、絶縁膜203および207の絶縁耐圧の劣化を抑制することができる。その他の効果については、実施形態1と同様の効果が得られ、必要に応じて上下の関係を逆にし、読み替えればよい。
本実施形態2に記載されたCMUTセルの製造方法は、前記実施形態1の図7で示した導電膜と犠牲層の堆積順序を逆にすればよく、その他の工程は図5から図14で示した工程と同様である。
図17に示した実施例では、空洞部204と導電膜221は上面から見て同形状であり、重なるように配置されている。しかし、この実施形態に限られるものではない点、導電膜221の上面から見た形状の大小、CMUTセルの形状、CMUTセルを構成する材料、下部電極が半導体基板でも良いことは実施形態1で述べたことと同様であるため省略する。
実施形態3
実施形態1および2では、導電膜が空洞部の上面側あるいは下面側の一方から空洞部に露出している形態を示したが、本実施形態3では、空洞部の上面側から露出している導電膜と、空洞部の下面側から露出している導電膜がともに配置されている形態を示す。
図19は、本実施形態3における超音波トランスデューサ(CMUT)の一例(第一実施例)を示した上面図である。図19では、実施形態1および2とは異なる形状のセルであるが、これらと同様に1つのCMUTセルを示している。CMUTセルは、下部電極202と、下部電極202上に配置された空洞部204と、空洞部204上に配置された上部電極208などを備えて構成される。210は空洞部を形成するためのエッチング孔である。すなわち、エッチング孔210は、空洞部となる204に接続されている。212は下部電極202へ接続する開口部、213は上部電極208へ接続する開口部である。なお、下部電極202と空洞部204の間に下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜203が形成されており、上部電極208と空洞部204の間に、空洞部204と下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が形成されているが、空洞部204、下部電極202を示すために図示していない。
空洞部の下面側から空洞部に露出するように導電膜2211が配置されており、上面から見た形状を一点鎖線で示してある。また、空洞部の上面側から空洞部に露出するように導電膜2212が配置されており、上面から見た形状を点線で示してある。さらに、CMUTセル駆動時に、空洞部204の下面が空洞部204の上面に接触する領域301を二点鎖線で示している。セルの形状が矩形であるため接触領域301も略矩形となっている。
図20(a)は図19のA−A’線で切断した断面図を示しており、図20(b)は図19のB−B’線で切断した断面図を示している。図20(a)および図20(b)に示すように、半導体基板200上に形成されたシリコン酸化膜による絶縁膜201上にCMUTの下部電極202が配置されている。下部電極202の上層にはシリコン酸化膜による絶縁膜203を介して空洞部204が配置されている。また、空洞部204に露出するように導電膜2211が配置され、空洞部204に露出するように導電膜2212が配置されている。導電膜2211、2212、空洞部204を囲むようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が配置され、絶縁膜207の上層に上部電極208が配置されている。上部電極208の上層にはシリコン窒化膜による絶縁膜209と絶縁膜211が配置されている。また、絶縁膜207、絶縁膜209および導電膜2212にはこれらの膜を貫通するエッチング孔210が形成され、絶縁膜211によって埋め込まれている。このエッチング孔210は、空洞部204を形成するために形成されたものである。実施形態3におけるメンブレン214は絶縁膜207、209、211と上部電極208、導電膜2212で構成される。
実施形態3の特徴は、空洞部204の下面205側に配置された導電膜2211と、空洞部204の上面206側に配置された導電膜2212の両方を、CMUTセル駆動により、空洞部の下面205と上面206が接触する領域301の範囲において、上面から見て重ならない配置とした点と、接触領域301と、導電膜2211、2212両方が、上面から見て重なるように配置した点にある。実施形態3では、一例として、空洞部を含む垂直断面(図20(a))にて、導電膜2211を空洞部の中心より左側に配置し、この垂直断面にて、導電膜2212を空洞部の中心よりも右側に配置し、かつ、これらの導電膜の一部が接触領域301まで延存している。
図21(a)、(b)は、実施形態3のCMUTセルを駆動して、空洞部の上面206が空洞部の下面205に接触している状態の接触部301の拡大図と等価回路図である。ここで、導電膜2211、2212両方が必ずしも空洞部204に露出している必要はなく、導電膜と空洞部との間に絶縁膜が配置されていても良いが、説明の便宜上、実施形態1および2と同様に、導電膜が空洞部に露出している構造を用いて説明する。以下、実施形態3の効果について説明する。
図19および図20に示すように、空洞部204の下面205側から空洞部に露出する導電膜2211と、空洞部の上面206側から空洞部に露出する導電膜2212がともに、接触領域301と上面から見て重なるように配置した場合、図21(a)に示すように、CMUTセル駆動中の接触領域では、導電膜2211、2212はともに下部電極202と上部電極208に絶縁膜203と207を介して挟まれた同じ構造となる。その場合、図21(b)に示すように、導電膜2211と2212の電位は、下部電極202と上部電極208の間に印加される電圧を絶縁膜203、207の容量により分割された電位となり、結果的に導電膜2211と2212は等電位V1となる。導電膜2211と2212が夫々電気的に孤立された導電膜であるからである。
このときに、図21(b)に示す導電膜2211領域では、前記実施形態1と同様に、導電膜2211と下部電極202の間に挟まれる絶縁膜203においては、接触領域301とその他の非接触領域での電界強度が等しくなり、リーク電流が接触領域301に集中することを抑制でき、絶縁膜203への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を低減できる。一方、接触領域301での絶縁膜207中の電界強度はV2を絶縁膜207の厚さで割った値となり、接触領域301を除いた非接触領域よりも大きい。しかし、導電膜2211の電位と同電位になる導電膜2212も配置されているので、導電膜2212領域の接触領域を除いた非接触領域における絶縁膜207中の電界強度も、V2を絶縁膜207の厚さで割った値となり、導電膜2211領域における接触領域の絶縁膜207中の電界強度と等しくなる。その結果として、リーク電流が接触領域の絶縁膜207に集中することを抑制できる。
導電膜2212領域でも、前記実施形態2と同様に、導電膜2212と上部電極208の間に挟まれる絶縁膜207においては、接触領域301とその他の非接触領域での電界強度が等しくなり、リーク電流が接触領域301に集中することを抑制でき、絶縁膜207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を低減できる。一方、接触領域301での絶縁膜203中の電界強度はV1を絶縁膜203の厚さで割った値となり、接触領域301を除いた非接触領域よりも大きい。しかし、導電膜2212の電位と同電位になる導電膜2211も配置しているので、導電膜2211領域の接触領域を除いた非接触領域における絶縁膜203中の電界強度も、V1を絶縁膜203の厚さで割った値となり、導電膜2212領域における接触領域の絶縁膜207中の電界強度と等しくなる。その結果として、リーク電流が接触領域の絶縁膜203に集中することを抑制できる。
つまり、空洞部の上面と下面とが接触した場合であっても、導電膜2211にとっては、導電膜2212が絶縁膜207に対する電界緩和の機能を果たし、導電膜2212にとっては、導電膜2211が絶縁膜203に対する電界緩和の機能を果たすことになる。したがって、接触領域301おける絶縁膜203、207へリーク電流が集中することを抑制でき、絶縁膜203、207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を抑制できる。
次に、図面を用いて本実施形態3に記載されたCMUTセルの製造方法を説明する。絶縁膜203を形成するまでの工程は、前記実施形態1で示した図5、図6と同様である。図22〜図28中の(a)は、図19のA−A’方向の断面を示しており、図22〜図28中の(b)は、図19中のB−B’方向の断面を示している。
まず、図22(a)、(b)に示すように、絶縁膜203上面にスパッタリング法で電気的に孤立された導電膜2211となるアルミニウム合金膜を50nm堆積し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、パターニングを行う。引き続き、プラズマCVD法で多結晶シリコン膜7011を150nm堆積する。次に図23(a)、(b)に示すように、多結晶シリコン膜7011をCMP法(Chemical Mechanical Polishing)により100nmの研磨を行い、電気的に孤立された導電膜2211となるアルミニウム合金膜2211の表面を露出させる。次に図24(a)、(b)に示すように、プラズマCVD法で多結晶シリコン膜7012を50nm堆積する。
引き続き、多結晶シリコン膜7012、アルミニウム合金膜2211の上面にスパッタリング法で導電膜2212となるアルミニウム合金膜を50nm堆積し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、パターニングを行う(図25(a)、(b))。このときに、導電膜2211と2212が上面から見て重ならず、かつ、後の工程で作製される空洞部の上面と下面がCMUTセルの駆動時に接触する領域と、上面から見て重なるようにパターニングを行う。
次に図26(a)、(b)に示すように、プラズマCVD法で多結晶シリコン膜7013を150nm堆積する。次に図27(a)、(b)に示すように、多結晶シリコン膜7013をCMP法により100nmの研磨を行い、導電膜2212となるアルミニウム合金膜の表面を露出させる。引き続き、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、アルミニウム合金膜2211、2212と多結晶シリコン膜7011、7012、7013をパターニングすることで、絶縁膜203上に導電膜2211、2212と多結晶シリコン膜7011、7012、7013からなる犠牲層を形成する(図28(a)、(b))。犠牲層は、その後の工程で空洞部となる。その後の工程は、前記実施形態1で示した図8から図14と同様の工程により図19、20に示す本実施形態3のCMUTセルを製造することができる。
図29は、本実施形態3の第二実施例の超音波トランスデューサを示した断面図である。上面図は図19と同様である。第一実施例との違いは、導電膜2211、2212が、それぞれ絶縁膜2901、2902を介して空洞部204と接している点であり、その他の構造は同じである。このような構成でも、接触領域301へのリーク電流の集中を抑制でき、絶縁膜203、2901、207、2902への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を低減できる。
図30〜39に図29で示した超音波トランスデューサの製造方法を示す。絶縁膜203を形成するまでの工程は、前記実施形態1で示した図5、図6と同様である。この場合、上下電極間のシリコン酸化膜による絶縁膜厚さを本実施形態3の第一実施例と同じにするため、50nmとした。まず、図30(a)、(b)に示すように、絶縁膜203上面にスパッタリング法で導電膜2211となるアルミニウム合金膜を50nm堆積し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、パターニングを行う。引き続き、プラズマCVD法でシリコン酸化膜による絶縁膜を50nm堆積する(図31(a)、(b))。
続いて、図32(a)、(b)に示すように、プラズマCVD法で多結晶シリコン膜701を200nm堆積し、多結晶シリコン膜701をCMP法により100nmの研磨を行なう(図33(a)、(b))。次に、図34(a)、(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、多結晶シリコン膜701のパターニングを行い、50nmの窪み3401を設ける。
引き続き、図35(a)、(b)に示すように、多結晶シリコン膜701を覆うように、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜による絶縁膜2902を堆積する。このときに、窪み3401にも絶縁膜2902が堆積する。続いて、絶縁膜2902の上面に、スパッタリング法で導電膜2212となるアルミニウム合金膜を200nm堆積し(図36(a)、(b))、CMP法で150nmの研磨を行うことで、絶縁膜2902の表面を露出させる(図37(a)、(b))。
引き続き、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、絶縁膜2901、2902、アルミニウム合金膜2211、2212と多結晶シリコン膜701をパターニングすることで、絶縁膜203上に導電膜2211、2212と、多結晶シリコン膜701からなる犠牲層を形成する(図38(a)、(b))。犠牲層は、その後の工程で空洞部となる。最後に、プラズマCVD法により、シリコン酸化膜による絶縁膜207を50nm堆積する(図39(a)、(b))。その後の工程は、前記実施形態1で示した図8から図14と同様の工程により図29に示す本実施形態3の第二実施例のCMUTセルを製造することができる。
ここで、実施形態3の特徴について、さらに詳しく説明する。CMUTセル駆動により、空洞部の下面205と上面206が接触する領域301の範囲と、導電膜2211、2212両方が、上面から見て重なるように配置する効果については、図21(b)を用いて、説明した通りであるが、ここではもう一つの特徴である、空洞部204の下面205側に配置された導電膜2211と、空洞部204の上面206側に配置された導電膜2212が、接触領域301の範囲において、上面から見て重ならない配置とする効果について説明する。ここで、仮に、導電膜2211と2212が、接触領域301の範囲において、上面から見て重なる配置とした場合、導電膜が夫々絶縁膜に覆われていない場合には、導電膜2211と2212が直接接触することになる。接触した際に、導電膜2211と2212とは同電位となるが、それぞれの導電膜中に誘起された電荷間の静電引力により吸着して離れなくなってしまうという問題が生じる。
また、仮に、導電膜が夫々絶縁膜に覆われている場合であっても、導電膜が夫々の絶縁膜のみを介して接するようになるため、強力な静電引力により導電膜同士が絶縁膜を介して吸着してしまうという問題がある。そのため、敢えて、このような配置とすることで、この導電膜同士の吸着を抑制している。
つまり、導電膜が空洞部に露出する実施例の場合には、導電膜同士が上面から見て重ならない配置であるため、空洞部の上面と下面とが接した場合であっても、導電膜2211と2212が接触することはなく、このため、上述の吸着の問題を回避することができる。また、導電膜が空洞部に絶縁膜を介して接する実施例の場合、つまり、導電膜が絶縁膜に埋め込まれている場合でも、導電膜同士が上面から見て重ならない配置であれば、上述の吸着の問題を回避することができる。さらに好ましい実施例は、接触領域301の範囲において、空洞部の上面と下面とが接触する際に、絶縁膜2901と2902との間に空洞部が生まれるように、導電膜およびそれを覆う絶縁膜2901と2902を形成することである。このような配置にすることで、導電膜間の静電引力をさらに低減でき、静電引力による吸着を抑制することができるためである。
なお、導電膜が空洞部に露出する実施例の場合には、実施形態1と同様に電荷が蓄積し難い効果がさらに得られることは言うまでもない。また、絶縁膜2901と2902により導電膜は、これらの絶縁膜がない場合に比べ、電荷を蓄積し易い構造になるが、上述の通り、空洞部の上面と下面とが接触した場合であっても、導電膜2211にとっては、導電膜2212が絶縁膜207に対する電界緩和の機能を果たし、導電膜2212にとっては、導電膜2211が絶縁膜203に対する電界緩和の機能を果たすことになるため、接触領域301おける絶縁膜203、207へリーク電流が集中することを抑制でき、絶縁膜203、207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を抑制できる。
また、図19で示した実施形態3のCMUTセルの平面形状は矩形の形状をしているが、別の形状でも良い。図40、図41はセル形状が6角形の場合の実施例(第三実施例)の上面図と断面図である。この場合も、空洞部204の下面側から空洞部に露出する導電膜2211と、空洞分204の上面側から空洞部に露出する導電膜2212が、上面から見て重ならないように配置し、かつ、CMUTセル駆動により、空洞部の下面205と上面206が接触する領域301と、導電膜2211、2212両方が、上面から見て重なるように配置してあり、接触領域301へのリーク電流の集中を抑制でき、絶縁膜203、207への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化を低減できる。
また、図19では導電膜2211、2212の上面から見た形状がB−B’線に対して対称であるが、図42に示すように非対称であってもよい(第四実施例)。接触領域301と導電膜2211、2212の両方が、上面から見て重なるように配置されていれば同様の効果が得られる。図43(b)は図42のB−B’線での断面図である。なお、図20と図29の関係と同様に、図40〜図43の実施例において、さらに導電膜が絶縁膜を介して空洞部と接していてもよい。また、いずれの図でも、導電膜の端部が空洞部の端部と同じ位置にあるが、空洞部の端部まである実施例に限定されるものではない。さらに、一方の導電膜のみ空洞部に露出するようにし、他方の導電膜は絶縁膜を介して空洞部と接するようにしてもよい。なお、CMUTセルを構成する材料、下部電極が半導体基板でも良いことは実施形態1で述べたことと同様であるため省略する。
実施形態4
これまでの実施形態1〜3では、CMUTセル単体について説明した。実施形態4として、CMUTセルを集積させアレイ状に並べたチップについて説明する。図44は実施形態3の矩形のCMUTセルをアレイ状に並べたチップの一部を示している。下部電極2021、2022、2023と、下部電極上に配置された空洞部204と、空洞部204上に配置された上部電極208などを備えており、210は空洞部を形成するためのエッチング孔である。すなわち、エッチング孔210は、空洞部となる204に接続されている。212は下部電極2021、2022、2023へ接続する開口部、213は上部電極208へ接続する開口部である。なお、図19、図20について説明したように、空洞部に露出するように導電膜2211が配置され、空洞部に露出するように導電膜2212が配置されているが、図示していない。また、上部電極208と空洞部204の間に、空洞部204、導電膜2212、下部電極202を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜207が形成されており、下部電極202と、空洞部204および導電膜2211間に、下部電極を覆うようにシリコン酸化膜による絶縁膜203が形成されているが、下部電極202、空洞部204を示すために図示していない。図44のCMUTセルの断面の膜構成は、図20で示す構成と同じである。
上部電極と下部電極が直交しており、1個の交点には2つのCMUTセルが配置され、上部電極を結ぶ配線1001で、それぞれの上部電極が結ばれている。図44では上部電極がアジマス方向に4チャンネル分、下部電極がエレベーション方向に3チャンネル分のアレイを示しているが、超音波診断装置で使用する探触子では上部電極が、一般的なリニア探触子の場合、例えば192チャンネル並ぶことになる。
図44示すようなエレベーション方向に分割された下部電極を持つ探触子の場合、それぞれの下部電極に印加する電圧を変えることで、上部電極と下部電極の各交点において送信、受信される超音波ビームの形状や強さを制御でき、診断画像の画質向上が望める。上下電極間に印加される電圧差が、それぞれの下部電極に印加される電圧によって異なるが、導電膜の電位はそれぞれのCMUTセルに印加される上部電極と下部電極の間の電位差により決まるので、CMUTセル単体に導電膜を配置したことによる絶縁膜への電荷蓄積や絶縁耐性の劣化の抑制効果は、CMUTセルをアレイ状に配置して、超音波探触子として使用する場合でも有効である。
なお、導電膜2211、2212の上面から見た形状は、空洞部の上面206と空洞部の下面205が接触する領域301を含めばよい。上面から見て、空洞部204と同一サイズでなく、空洞部に含まれるサイズでもよい。適宜、絶縁膜の電界集中を低減できるよう大きさを設計すればよい。また、導電膜2211、2212の形状が、上面から見て、空洞部204よりもはみ出してしてもよい。この場合は、導電膜2211、2212が大きい分、接触領域301での絶縁膜の電流の集中を一層低減できる。
なお、図19、図40、図42において、CMUTセルの平面形状は矩形や6角形の形状をしているが、形状はこれに限らず、例えば、円形形状でも多角形をしていてもよい。また、CMUTセルを構成する材料、下部電極が半導体基板でも良いことは実施形態1で述べたことと同様であるため省略する。
実施形態5
実施形態1〜4では、超音波トランスデューサを構成するCMUTセルおよびセルアレイを示したが、本実施形態5では、CMUTセルの駆動に関した実施例を示す。
図45は実施形態1のCMUTセルの模式的な断面図である。下部電極202の上面に絶縁膜203を介して導電膜221が空洞部に露出するように配置されている。また、空洞部204の上面には絶縁膜207を介して上部電極が配置されている。下部電極と上部電極には、直流電圧3001と交流電圧3002が重畳されており、導電膜221にはスイッチ3003が接続され、スイッチ3003を介して導電膜221は接地が可能な構成となっている。
CMUTセルを駆動時に、空洞部の上面206が空洞部の下面205に接触し、絶縁膜203、207を流れる微小なリーク電流により、導電膜が帯電した場合、上下電極間の実効的な電位差が変動してしまう可能性がある。実施例5の特徴は、スイッチ3003の開閉により、導電膜221を接地と浮遊に切り替えられるようにして、導電膜221に帯電した電荷を逃がすことができるようにした点である。このように導電膜から電荷を逃がすことができるスイッチが備わっているため、この実施例においては、図45にて示されているように導電膜が空洞部に露出している場合のみならず、導電膜と空洞部との間に絶縁膜が配置されている場合、つまり、導電膜が絶縁膜に埋め込まれている場合でも同様の効果が得られる。
本実施形態のCMUTセルで構成される超音波トランスデューサを用いた探触子によって、超音波診断をする際のスイッチ3003の動作について図46を用いて説明する。図46は、超音波診断時の上部電極208と下部電極202の間の実効的な電位差と、導電膜221の電位、直流電圧3001と交流電圧3002のON/OFFの状態、ならびに、スイッチ3003の開閉(OFF/ON)の状態を示すものである。
診断開始前はスイッチ3003を閉状態にしておくことで、導電膜221は接地されている。診断開始時にスイッチ3003を閉状態から開状態にし、導電膜221を浮遊状態、つまり、電気的に孤立した状態にして、診断が行われる。これにより、前記実施形態1、2、3で示したように、絶縁膜203、207の劣化を抑制できる。診断中に、導電膜221が徐々に帯電し、診断終了時にはVcだけ帯電すると、診断に必要な超音波の送信音圧、受信感度を得るために診断開始時に設定した上下電極間の実効的電位差VdがVcだけ低下することなる。引き続き、スイッチ3003を開に保持した状態、つまり、導電膜221が接地できない場合は、次の診断時にも導電膜221への帯電が発生し、実効的な電位差はVcよりもさらに低下してしまい、診断に必要な超音波の送信音圧、受信感度を得ることができなくなる。しかし、本実施形態では、導電膜221がスイッチ3003を介して接地することができる構成となっているので、診断終了時にスイッチ3003を閉状態にして、導電膜221を接地し、帯電した電荷を逃がすことができる。したがって、次の診断時には、上下電極間の実効的な電位差をVdに戻すことができるので、診断に必要な超音波の送信音圧、受信感度を得ることができる。
スイッチ3003を開閉するタイミングは、導電膜の帯電量Vcにより決定すればよく、図46では診断と診断の間としたが、Vcにより、診断に必要な超音波の送信音圧、受信感度を得られなくなる時点で、スイッチを開閉すればよい。したがって、さらに短くして、送信と受信の間でも、送信と受信のセットとセットの間でも、あるいは、さらに長くして、1日に1回でもよい。
また、本実施形態では、実施形態1に示した空洞部に導電膜221が露出する配置のCMUTセルを用いて示したが、実施形態2、3、4で示したCMUTセルやアレイの場合でも、導電膜をスイッチを介して接地できる構成とすることで同様の効果が得られる。なお、実施形態3、4のように導電膜が二つある場合には、両方の導電膜の夫々に接地と非接地を制御するスイッチを接続してもよいし、一方のみにスイッチを接続しても構わない。
実施形態6
最後に、図47を参照しながら、超音波診断装置における本発明の超音波トランスデューサを備えた超音波診断装置の構成とその役割について説明する。超音波診断装置1201は、超音波探触子1202、送受分離部1203、送信部1204、バイアス部1206、受信部1208、整相加算部1210、画像処理部1212、表示部1214、制御部1216、操作部1218から構成される。
超音波探触子1202は、被検体に接触させて被検体との間で超音波を送受波する装置である。超音波探触子1202から超音波が被検体に送波され、被検体からの反射エコー信号が超音波探触子1202により受波される。実施形態1〜5のいずれかの超音波トランスデューサは、超音波探触子1202の内部に収納され、後述する送受分離部1203と電気的に接続される。送信部1204及びバイアス部1206は、超音波探触子1202に駆動信号を供給する装置である。受信部1208は、超音波探触子1202から出力される反射エコー信号を受信する装置である。受信部1208は、さらに、受信した反射エコー信号に対してアナログデジタル変換等の処理を行う。送受分離部1203は、送信時には送信部1204から超音波探触子1202へ駆動信号を渡し、受信時には超音波探触子1202から受信部1208へ受信信号を渡すよう送信と受信とを切換、分離するものである。整相加算部1210は、受信された反射エコー信号を整相加算する装置である。画像処理部1212は、整相加算された反射エコー信号に基づいて診断画像(例えば、断層像や血流像)を構成する装置である。表示部1214は、画像処理された診断画像を表示する表示装置である。制御部1216は、上述した各構成要素を制御する装置である。制御部1216では、超音波探触子1202を制御する他、実施形態5の導電膜の接地、非接地を制御するスイッチのオンオフの制御を行う役割もある。操作部1218は、制御部1216に指示を与える装置である。操作部1218は、例えば、トラックボールやキーボードやマウス等の入力機器である。
本発明の超音波トランスデューサや超音波診断装置は、医療や構造物の診断装置として幅広く利用することができる。
101,202、2021、2022、2023 下部電極
102,204 空洞部
200 半導体基板
103,201,203,207,209,211,2901,2902 絶縁膜
104,208 上部電極
105,214 メンブレン
106,206 空洞部の上面
107,205 空洞部の下面
210 エッチング孔
212 下部電極への開口部
213 上部電極への開口部
221, 2211,2212 導電膜
301 空洞部の上面と空洞部の下面の接触領域
701,7011,7012,7013 犠牲層
1001 上部電極を結ぶ配線
3001 直流電圧
3002 交流電圧
3003 導電膜に接続するスイッチ
3401 窪み
1201 超音波診断装置
1202 超音波探触子
1203 送受分離部
1204 送信部
1206 バイアス部
1208 受信部
1210 整相加算部
1212 画像処理部
1214 表示部
1216 制御部
1218 操作部

Claims (20)

  1. 第一電極と、
    前記第一電極上に配置された第一絶縁膜と、
    前記第一絶縁膜上に配置された空洞部と、
    前記空洞部上に配置された第二絶縁膜と、
    前記第二絶縁膜上に配置された第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に配置され、電気的に孤立された導電膜と、を備え、
    前記導電膜は、上面から見て、駆動時に前記空洞部の上面と下面が接触する領域と重なる位置に配置され、
    前記導電膜は、前記空洞部に露出していることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  2. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、上面から見て前記領域よりも大きいことを特徴とする超音波トランスデューサ。
  3. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、前記第一絶縁膜側に配置され、
    前記第一電極は前記第二電極よりも低い電圧が印加されることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  4. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、前記第二絶縁膜側に配置され、
    前記第一電極は前記第二電極よりも高い電圧が印加されることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  5. 請求項1記載の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子を制御する制御部を備えた超音波診断装置。
  6. 第一電極と、
    前記第一電極上に配置された第一絶縁膜と、
    前記第一絶縁膜上に配置された空洞部と、
    前記空洞部上に配置された第二絶縁膜と、
    前記第二絶縁膜上に配置された第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間であって、上面から見て、駆動時に前記空洞部の上面と下面が接触する領域と重なる位置に配置された導電膜と、
    前記導電膜に接続され、前記導電膜と接地電位とのオンオフを制御するスイッチを備えることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  7. 請求項6記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は前記空洞部に露出していることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  8. 請求項6記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は前記第一絶縁膜又は前記第二絶縁膜のいずれかに埋め込まれていることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  9. 請求項6記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、上面から見て前記領域よりも大きいことを特徴とする超音波トランスデューサ。
  10. 請求項6記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、前記第一絶縁膜側に配置され、
    前記第一電極は前記第二電極よりも低い電圧が印加されることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  11. 請求項6記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記導電膜は、前記第二絶縁膜側に配置され、
    前記第一電極は前記第二電極よりも高い電圧が印加されることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  12. 請求項6記載の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子を制御する制御部を備えた超音波診断装置。
  13. 請求項6記載の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子と前記スイッチを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、診断開始時に前記スイッチをオンからオフに切り換えることを特徴とする超音波診断装置。
  14. 第一電極と、
    前記第一電極上に配置された第一絶縁膜と、
    前記第一絶縁膜上に配置され、電気的に孤立された第一導電膜と、
    前記第一導電膜上に配置された空洞部と、
    前記空洞部上に配置され、電気的に孤立された第二導電膜と、
    前記第二導電膜上に配置された第二絶縁膜と、
    前記第二絶縁膜上に配置された第二電極と、を備え、
    前記第一導電膜および前記第二導電膜は、駆動時に前記空洞部の上面と下面とが接触する領域に配置され、
    前記第一導電膜および前記第二導電膜は、上面から見て、前記領域で互いに重ならないことを特徴とする超音波トランスデューサ。
  15. 請求項14記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記第一および第二の導電膜は、前記空洞部に露出していることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  16. 請求項14記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記第一導電膜は前記第一絶縁膜に埋め込まれ、
    前記第二導電膜は前記第二絶縁膜に埋め込まれていることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  17. 請求項14記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記第一の導電膜は、前記空洞部を含む垂直断面にて、中心より左側に配置され、
    前記第二の導電膜は、前記垂直断面にて、中心より右側に配置されていることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  18. 請求項14記載の超音波トランスデューサにおいて、
    さらに、前記第一導電膜に接続され、前記第一導電膜と接地電位とのオンオフを制御する第一スイッチと、
    前記第二導電膜に接続され、前記第二導電膜と接地電位とのオンオフを制御する第二スイッチとを備えることを特徴とする超音波トランスデューサ。
  19. 請求項14記載の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子を制御する制御部を備えた超音波診断装置。
  20. 請求項18記載の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子、前記第一および前記第二スイッチを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、診断開始時に前記第一および第二スイッチをオンからオフに切り換えることを特徴とする超音波診断装置。
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