JP2010008054A - 多光子励起測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いレーザ技術や熟練を要することなく、取り扱いが容易な短パルス光源を用いて、試料に対して、よりピーク強度が高く、時間幅の短い光パルスを安定して照射でき、試料を容易に高精度で測定できる多光子励起測定装置を提供する。
【解決手段】光パルスを出射する短パルス光源2と、短パルス光源2から出射された光パルスを試料20に照射する照射光学系17,18,19と、光パルスの照射により試料20から発生する多光子励起にともなう信号光を検出する検出器24と、光ファイバ4の光強度依存の非線形効果を利用して、試料20に照射される光パルスのパルス幅を、短パルス光源2から出射される光パルスのパルス幅以下に短くし、かつ、試料20に照射される光パルスのスペクトル幅を、短パルス光源2から出射される光パルスのスペクトル幅より広くするように、パルス幅圧縮を行う光パルス圧縮手段4,13と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピーク光強度の高い短パルス光を試料に照射して、多光子吸収現象を用いて試料を測定する多光子励起測定装置に関するものである。
従来の多光子励起測定装置として、例えば、図6に示すような多光子励起顕微鏡システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この多光子励起顕微鏡システムにおいては、チタン・サファイアレーザを有する短パルスレーザ光源101から、パルス幅が約100fsで、空間分布がほぼ真円の光パルスIを出射させ、この光パルスIを、自由空間を伝播させてプレチャーピング・ユニット102に入射させている。
プレチャーピング・ユニット102は、4個の回折格子121,122,123,124を有しており、入射した光パルスIは、先ず、回折格子121により光パルスIの波長成分毎に、図6の紙面内で異なる角度方向に回折されて反射される。なお、図6の紙面垂直方向における回折格子121による光パルスIの波長成分での反射の角度方向は、一定である。次に、光パルスIは、回折格子122で同様に波長成分毎に回折されて反射される。この回折格子122で回折された後の光パルスIの空間分布は、光パルスIの伝播方向から見たとき、図6の紙面上下方向を長軸とする楕円となっている。その後、光パルスIは、回折格子121,122と同様に、回折格子123,124で順次回折されて反射され、再びほぼ真円の空間分布となってプレチャーピング・ユニット102から出射される。
このように、プレチャーピング・ユニット102において、光パルスIを4個の回折格子121,122,123,124で順次回折させることにより、光パルスIの時間幅は、波長成分による伝播距離の違いにより、プレチャーピング・ユニット102の前後において、光パルスIの波長成分の短波長成分が時間的に前方に、長波長側が後方に拡げられる。このような状態の光パルスは、一般にチャープパルスと呼ばれている。図6には、光パルスIの概略の時間波形も、横軸を時間、縦軸を光強度として示している。
プレチャーピング・ユニット102から出射された光パルスIは、自由空間を伝播して、結合素子103を経てシングルモード光ファイバ104に入射される。シングルモード光ファイバ104は、波長分散と呼ばれる波長での伝播速度の違いがあり、材料等で決まるゼロ分散波長を境に、正常分散領域と異常分散領域とに区別される。正常分散領域では、光の伝播速度は長波長の方が短波長よりも早く、異常分散領域ではその逆である。ここでは、シングルモード光ファイバ104は、光パルスIの波長に対して正常分散する。したがって、短波長成分の方が時間的に進んでいる光パルスIは、このシングルモード光ファイバ104を伝播することにより、時間的に後方であった長波長成分が前方であった短波長成分に追いつき、短パルスレーザ光源101から発振された時と近い時間波形となる。
シングルモード光ファイバ104を伝播した光パルスIは、顕微鏡105へ入射される。顕微鏡105に入射された光パルスIは、先ず、結合光学系151により光パルスIの空間分布が拡大されて平行光化される。なお、結合光学系151における光パルスIの集光点位置には、ピンホール152が配置され、これにより光パルスIの雑光成分が除去される。その後、光パルスIは、ダイクロイックミラー153で反射されて、結像光学系155により試料156に集光される。なお、試料156上の光パルスIの集光点は、走査ユニット154により、結像光学系155の光軸と垂直な面内で走査される。
光パルスIが試料156に照射されると、試料156内の色素あるいは蛍光物質は、多光子励起されて蛍光を発する。この試料156で発生した蛍光は、光パルスIの入射方向と反対に伝播して、結像光学系155および走査ユニット154を経てダイクロイックミラー153に入射して、該ダイクロイックミラー153を透過する。そして、ダイクロイックミラー153を透過した蛍光は、検出用の結像光学系157によりピンホール158に結像された後、検出器159に入射して、信号として検出される。なお、ピンホール158は、試料156の光軸方向の分解能を高める機能を有している。このような多光子励起顕微鏡システムは、一般に、共焦点型レーザ走査多光子励起蛍光顕微鏡システムと呼ばれている。
特開平11−218490号公報
図6に示したような多光子励起顕微鏡システムでは、試料内の色素あるいは蛍光物質が多光子励起される励起効率は、照射される光パルスのピーク強度の2乗に比例する。すなわち、同じ光パルスエネルギーであれば、より短時間のパルス幅であるほうが光パルスのピーク強度が高く、より強い蛍光を発生させることができる。
したがって、多光子励起を行う場合は、試料上で如何に高いピーク強度の光パルスを得るかが重要となる。しかも、特に生物試料の場合は、光照射による損傷を避けるために、小さいエネルギーの照射に抑える必要がある。そのためには、より時間幅の短い光パルスを試料に照射する必要がある。
しかしながら、光ファイバのような物質を光パルスが伝播すると、物質の持つ波長毎での伝播速度が異なる分散効果により、パルス幅が拡大し、分散方向の違いによるが、光パルスの時間軸で前方と後方とで波長が異なることになる。また、光ファイバのような物質には、非線形効果があるため、ピーク強度の非常に高い光パルスが入射すると、物質の非線形効果により光パルスの波長分布が変化する自己位相変調と呼ばれる現象によって、光パルスが崩れてしまうことになる。
このため、図6に示した従来の多光子励起顕微鏡システムでは、短パルスレーザ光源101と、光ファイバであるシングルモードファイバ104との間にプレチャーピング・ユニット102を挿入して、光パルスの時間幅を拡大することにより、ピーク強度を下げて自己位相変調の発生を抑制している。また、シングルモードファイバ104の分散が加わることを予測して、拡大した光パルスの再圧縮を行って、顕微鏡105にピーク強度の高い光パルスを入射させるようにしている。このため、短パルスレーザ光源101が出射する光パルスIの時間幅(t1)と、顕微鏡105内の試料156上での光パルスIの時間幅(t2)との関係は、t1≦t2となっている。ただし、t1=t2は、理想状態での条件であり、殆どはt1<t2となっている。
このようなことから、従来の構成では、同一の光パルスエネルギーで見たとき、多光子励起の効率が高くなる、よりピーク強度が高く、時間幅が短い光パルスを得るには、短パルスレーザ光源自体から、より時間幅の短い光パルスを出射させる必要がある。
しかし、このような短パルスレーザ光源は、動作が非常に不安定であり、取り扱いには、高いレーザ技術や熟練を要する。このため、試料を高精度で測定することが困難になることが懸念される。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、高いレーザ技術や熟練を要することなく、取り扱いが容易な短パルス光源を用いて、試料に対して、よりピーク強度が高く、時間幅の短い光パルスを安定して照射でき、試料を容易に高精度で測定できる多光子励起測定装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、高強度の光パルスによる多光子吸収現象を用いて試料の測定を行う多光子励起測定装置であって、
光パルスを出射する短パルス光源と、
前記短パルス光源から出射された光パルスを試料に照射する照射光学系と、
前記光パルスの照射により前記試料から発生する多光子励起にともなう信号光を検出する検出器と、
前記短パルス光源と前記照射光学系との間に配置され、前記短パルス光源から出射された光パルスを伝播する光ファイバを含み、該光ファイバの光強度依存のスペクトル変化を及ぼす非線形効果を利用して、前記試料に照射される光パルスのパルス幅を、前記短パルス光源から出射される光パルスのパルス幅以下に短くし、かつ、前記試料に照射される光パルスのスペクトル幅を、前記短パルス光源から出射される光パルスのスペクトル幅より広くするように、パルス幅圧縮を行う光パルス圧縮手段と、
を有することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の多光子励起測定装置において、
前記光パルス圧縮手段は、
前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、正の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなり、
さらに、前記シングルモード光ファイバを伝播した光パルスに対して負の群速度分散を与える負の分散補償手段を有する、
ことを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の多光子励起測定装置において、
前記負の分散補償手段は、回折格子対、プリズム対、グリズム対のいずれかを有することを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の多光子励起測定装置において、
前記光パルス圧縮手段は、
前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、正の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなり、
さらに、前記シングルモード光ファイバを伝播した光パルスに対して負の群速度分散を与える断面に中空体を有するシングルモード中空光ファイバを有する、
ことを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の多光子励起測定装置において、
前記光パルス圧縮手段は、
前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、負の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置において、
前記短パルス光源から出射する光パルスのパルス幅はピコ秒であり、前記試料に照射する光パルスのパルス幅はフェムト秒であることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置において、
前記短パルス光源は、出射する光パルスの繰返し周波数が可変であることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置において、
前記短パルス光源は、利得スイッチ半導体レーザを有することを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置において、
前記短パルス光源は、能動モードロックファイバリングレーザを有することを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、請求項1に記載の多光子励起測定装置において、
前記光パルス圧縮手段は、着脱自在であることを特徴とするものである。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の多光子励起観測装置において、
前記多光子励起観測装置は、前記検出器が前記試料から発生する多光子励起にともなう蛍光を検出する多光子励起蛍光顕微鏡システムであることを特徴とするものである。
本発明では、短パルス光源と照射光学系との間に光ファイバを含む光パルス圧縮手段を配置し、光ファイバの光強度依存のスペクトル変化を及ぼす非線形効果を利用して、試料に照射される光パルスのパルス幅を、短パルス光源から出射される光パルスのパルス幅以下に短くし、かつ、試料に照射される光パルスのスペクトル幅を、短パルス光源から出射される光パルスのスペクトル幅より広くするように、パルス幅圧縮を行う。これにより、高いレーザ技術や熟練を要することなく、取り扱いが容易な短パルス光源を用いて、試料に対して、よりピーク強度が高く、時間幅の短い光パルスを安定して照射でき、試料を容易に高精度で測定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムを例にとって、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。この多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システム1は、短パルス光源2と、レーザ走査型顕微鏡3と、シングルモード光ファイバ4とを有し、短パルス光源2から発振した光パルスを、シングルモード光ファイバ4によりレーザ走査型顕微鏡3に入射させて、試料20に集光するようになっている。シングルモード光ファイバ4は、その一端部(入射端部)が、短パルス光源2に設けられた光ファイバコネクタ10に光学的および機械的に着脱自在に接続され、他端部(出射端部)は、レーザ走査型顕微鏡3に設けられた光ファイバコネクタ11に光学的および機械的に着脱自在に接続される。これにより、短パルス光源2およびレーザ走査型顕微鏡3は、シングルモード光ファイバ4を介して、自由なレイアウトで光学的に接続されるようになっている。
試料20は、蛍光タンパクが発現した生細胞であり、試料20に集光された光パルスは、蛍光タンパクでの多光子吸収により励起が行われて蛍光を発する。この蛍光の強度は、2光子励起の場合、励起光パルスの平均光パワーの2乗に比例し、光パルスの時間幅および繰返し周波数に反比例する。
図2は、図1に示した短パルス光源2の一例の要部構成を示す図である。この短パルス光源2は、電気パルス発生器5、半導体レーザ6、シングルモード光ファイバ7、ファイバ増幅器8,9および光ファイバコネクタ10を有する。
電気パルス発生器5は、数百から数千ピコ秒幅の電気パルスを発生し、この電気パルスにより半導体レーザ6に電流を注入する。本実施の形態では、電気パルス発生器5から発生する電気パルスの繰返し周波数を、変更可能とする。ここでは、電気パルスの繰返し周波数を、1MHzから200MHz(パルス間隔で、5nsから1μs)で変更可能とする。これにより短パルス光源2から出射させる光パルスの繰返し周波数を、容易かつ安定に可変することができる。
半導体レーザ6は、電気パルス発生器5からの電気パルスにより注入される電流によって利得が瞬間的に発生消滅する、いわゆる利得スイッチ動作し、これにより短波長から長波長へと時間的にチャープした数十ピコ秒幅の光パルスを発生する。半導体レーザ6は、例えば、面発光レーザ(VCSEL)、量子井戸分布帰還型レーザダイオード(QWDFBLD)、量子ドット分布帰還型レーザダイオード(QDDFBLD)が使用可能であるが、本実施の形態ではVCSELを使用する。また、光パルスの波長は、試料20の多光子励起に適した波長であれば良く、可視から近赤外、赤外光が使用可能であるが、ここでは近赤外の980nm帯とする。
半導体レーザ6から発生した光パルスは、シングルモード光ファイバ7に入射させる。シングルモード光ファイバ7は、入射した光パルスを、正の群速度分散(GVD)により長波長側を短波長側より早く伝播してチャープを補正し、これにより数ピコ秒幅のトランスフォームリミット(TL)な光パルスに変換する。このため、シングルモード光ファイバ7の長さは、単位長さ当たりの群速度分散量と、補正する光パルスのチャープ量とに基づいて設定する。本実施の形態では、このシングルモード光ファイバ7の長さを、約1kmに設定している。
なお、TLな光パルスの時間幅と、その波長の拡がり幅(光スペクトル幅)との積には、最小な値があり、より短い時間幅の光パルスを得るためには、より広い光スペクトル幅が必要となる。本実施の形態では、半導体レーザ6としてVCSELを使用しており、その発振波長の光スペクトル幅は1nm程度であるので、TLな光パルスの時間幅は、3psから5ps程度となる。
シングルモード光ファイバ7を伝播した光パルスは、2つのファイバ増幅器8,9で順次増幅する。ファイバ増幅器8,9は、ファイバレーザまたは半導体レーザで励起され、被励起媒質として、Nd,Yb,Tm,Erがドープされたシングルクラッドまたはダブルクラッドの光ファイバ、あるいは断面に空隙がある光ファイバを用いる。ここでは、被励起媒質としてYbがドープされたシングルクラッド光ファイバを用い、波長940nmの半導体レーザを用いて励起して、Ybドープの光ファイバに980nm帯の増幅利得を発生させる。これら2つのファイバ増幅器8,9により、シングルモード光ファイバ7を伝播した光パルスを、平均光強度(平均出力)が数十mWから数Wの光パルスに増幅して、光ファイバコネクタ10を経て短パルス光源2から出力する。
光ファイバコネクタ10は、SC型、FC型、ST型、MU型、LC型の各種コネクタが使用可能であるが、本実施の形態では、FC型を用いる。
本実施の形態において、短パルス光源2から発生する光パルスは、その平均光強度である平均出力(光パルスエネルギー×繰返し周波数)がほぼ一定であり、パルス幅(光パルスの時間幅)も繰返し周波数でほぼ一定である。したがって、パルス幅が一定で、平均出力も一定であれば、繰返し周波数が低くなると、光パルス当たりのエネルギーは大きくなり、ピーク光強度は高くなる。すなわち、光パルスのピーク光強度は、繰返し周波数に対して反比例の関係となっている。
なお、短パルス光源2内は、全て光ファイバで接続するとともに、適宜、偏波保持光ファイバを用いて、偏波による動作の不安定を抑制する。また、反射光による半導体レーザ5やファイバ増幅器8,9の損傷を防止するため、適宜、光アイソレータを挿入するとともに、最適な光スペクトル波形を得るため、適宜、光フィルタを挿入する。
図1において、短パルス光源2から発振した光パルスは、光ファイバコネクタ10を介してシングルモード光ファイバ4に入射させる。シングルモード光ファイバ4は、例えば長さ数十mとし、波長980nm帯では正常分散する。
シングルモード光ファイバ4に入射した光パルスは、シングルモード光ファイバ4内で、自身の高いピーク光強度による非線形(光学)効果である自己位相変調(SPM)によりチャープが生じて、光パルス幅は変わらずに光スペクトルが拡大され、同時に、正の群速度分散(GVD)により長波長から短波長に時間的にチャープされて、光パルス幅が数ピコ秒から数十ピコ秒に拡大されて、シングルモード光ファイバ4から出射する。ここで、光パルスに対して、光強度依存のスペクトル変化を及ぼす非線形(光学)効果は、光カー効果や誘導ラマン散乱などである。
このシングルモード光ファイバ4から出射される光パルスは、短パルス光源2に設けられた光ファイバコネクタ10と同様の、例えばFC型の光ファイバコネクタ11を介して、レーザ走査型顕微鏡3内に導入される。
レーザ走査型顕微鏡3は、光ファイバコネクタ11の他、コリメートレンズ26、ミラー12、負の分散補償手段13、折り返しミラー14、ミラー15、2次元走査手段16、瞳投影レンズ17、結像レンズ18、対物レンズ19、ダイクロイックミラー21、集光レンズ23、および、検出器24を有している。
レーザ走査型顕微鏡3内に導入された光パルスは、自由空間系に出力され、コリメートレンズ26によりほぼ平行光とされた後、ミラー12で反射されて負の分散補償手段13に入射する。負の分散補償手段13は、2枚の回折格子31,32と、折り返しミラー33とにより小型に構成できる。この負の分散補償手段13に入射した光パルスは、先ず、回折格子31で回折されて、波長成分毎に異なる角度で出射し、次に、回折格子32で回折されて平行光化される。この状態では、光パルスの空間分布は、入射時の円形状から楕円形状となっている。その後、光パルスは、折り返しミラー33で回折格子31,32の溝と平行な方向に、入射高さと異なる高さで入射光と平行に折り返され、再び2枚の回折格子32,31で順次回折される。これにより、光パルスは、空間分布が元の円形状となって、負の分散補償手段13から出射し、折り返しミラー14で反射されて、元の光路に戻る。
負の分散補償手段13は、光パルスに対して負の群速度分散を与えるものであり、この負の群速度分散により先の光パルスのチャープが補償されるとともに、光スペクトル幅が拡大しているので、短パルス光源2から出力された数ピコ秒幅の光パルスから、数百フェムト秒の光パルスに、安定かつ効率よく圧縮される。ここでは、短パルス光源2から発振される3psから5psのパルス幅の光パルスを、200fsから300fsに圧縮する。なお、負の群速度分散手段は、上記のように反射型の回折格子31,32を用いて構成する場合に限らず、透過型の回折格子やプリズム、グリズムを用いて、同様に、小型で、安定かつ効率よくパルス圧縮するように構成することができる。また、図1では、負の分散補償手段13をレーザ走査型顕微鏡3の内部に配置しているが、レーザ走査型顕微鏡3と別体として構成して、レーザ走査型顕微鏡3から分離または密接して配置してもよい。
負の分散補償手段13を経た光パルスは、ミラー15で反射されて、2次元走査手段16に入射し、ここで光軸からの伝播角度が走査される。2次元走査手段16は、例えば互いに直交する2本の軸線回りに揺動可能な2枚のガルバノミラーを近接配置した、いわゆる近接ガルバノミラーで構成する。
2次元走査手段16を経た光パルスは、瞳投影レンズ17により集光されて中間像として結像された後、結像レンズ18により平行光とされ、ダイクロイックミラー21を透過して、対物レンズ19により試料21に集光される。これにより、試料21の被測定対象(例えば、蛍光タンパク)が多光子励起されて、試料21から多光子励起による蛍光が発せられる。したがって、本実施の形態では、瞳投影レンズ17、結像レンズ18および対物レンズ19を含んで照射光学系を構成している。また、シングルモード光ファイバ4と、負の分散補償手段13とにより、光パルス圧縮手段を構成している。
試料21から発せられた蛍光は、対物レンズ19を経てダイクロイックミラー21に入射する。この蛍光は、試料21に集光させる光パルスの波長とは異なるので、ダイクロイックミラー21で反射され、集光レンズ23により検出器24に集光されて、電気信号に変換される。
本実施の形態では、短パルス光源2から発生する光パルスの平均出力を、光パルスの繰返し周波数に対してほぼ一定としている。したがって、シングルモード光ファイバ4での非線形効果によるSPMと正のGVD、および、負の分散補償手段13による非線形パルス圧縮作用による、パルス幅の圧縮によって、光パルスが高ピーク強度化されるのに加え、光パルスの繰返し周波数を低くすることにより、さらに高ピーク強度とすることができる。したがって、先に説明したように、多光子励起による蛍光強度は、励起光パルスの平均光パワーの2乗に比例し、光パルスの時間幅と繰返し周波数に反比例するので、光パルスの繰返し周波数を変更することにより、試料21が生細胞である場合に、生細胞の損傷に強く影響を与える平均照射エネルギー(平均光強度)を変えずに、蛍光強度を高くすることが可能となる。
このように、本実施の形態では、短パルス光源2とレーザ走査型顕微鏡3とを光学的に接続するシングルモード光ファイバ4による非線形効果での光スペクトル幅の拡大と、正の群速度分散によるチャープとを利用し、このシングルモード光ファイバ4を伝播した光パルスの時間幅を、2枚の回折格子31,32を有する負の分散補償手段13で圧縮して、光パルスのピーク光強度を高くする。したがって、短パルス光源2は、取扱いが容易で安定に動作するピコ秒幅の光パルスを発生するように構成することができ、この短パルス光源2を用いて、高い蛍光強度が得られるピーク光強度で、フェムト秒幅の光パルスでの試料21の多光子励起が可能となる。また、短パルス光源2に繰返し周波数が可変の利得スイッチ動作の半導体レーザを用いたので、繰返し周波数を低くすることによって、より高い蛍光強度を得ることが可能となる。さらに、短パルス光源2とレーザ走査型顕微鏡3との間を、着脱可能なシングルモード光ファイバ4で接続したので、装置配置の自由度が高まり、かつ煩雑な自由空間系の調整が不要となり、使い勝手を向上することができる。
なお、本実施の形態において、負の分散補償手段13は、入射光パルスのチャープ量を補償するのみならず、その後の光路に配置されているレンズ等の透過光学部品における正の群速度分散量を補償するように、負の群速度分散量を調整することも可能である。
(第2実施の形態)
図3は、本発明の第2実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。この多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システム1は、図1に示した第1実施の形態の構成において、負の分散補償手段13に代えて、シングルモード光ファイバ4とレーザ走査型顕微鏡3との間に、断面に中空体を有するシングルモード中空光ファイバ41を結合して設け、シングルモード光ファイバ4から出射された光パルスを、シングルモード中空光ファイバ41、コリメートレンズ26およびミラー15を経て2次元走査手段16に入射させるようにしたものである。すなわち、本実施の形態は、光パルス圧縮手段を、シングルモード光ファイバ4と、シングルモード中空光ファイバ41とにより構成したもので、その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様であるので、同一作用をなす素子には同一参照符号を付して説明を省略する。
シングルモード中空光ファイバ41は、例えば長さ数mで、波長980nm帯では異常分散する。このシングルモード中空光ファイバ41は、その入射端部を、図示しないが、例えばレンズを有する中継用の光ファイバコネクタを介してシングルモード光ファイバ4の出射端部と光学的および機械的に着脱自在に結合し、出射端部は、レーザ走査型顕微鏡3に設けられた光ファイバコネクタ11に光学的および機械的に着脱自在に結合する。
本実施の形態において、シングルモード光ファイバ4に入射された光パルスは、上述したように、シングルモード光ファイバ4内におけるSPM効果と正のGVD効果の相互作用により、長波長から短波長にチャープ(ブルーシフトチャープ)されて、出射される。したがって、シングルモード光ファイバ4から出射される光パルスの時間幅およびスペクトル幅は、入射光パルスと比較して、図3に模式的に示すように、それぞれ拡大され、例えば、時間幅は数ピコ秒から数十ピコ秒に、スペクトル幅は5nmから10nm程度になる。
シングルモード光ファイバ4から出射された光パルスは、シングルモード中空光ファイバ41を伝播することにより、該シングルモード中空光ファイバ41内における負のGVD効果により、ブルーシフトチャープが補償される。このシングルモード中空光ファイバ41は、光信号に対して、光カー効果や誘導ラマン散乱などの非線形光学効果を与えない。したがって、シングルモード中空光ファイバ41の入射端と出射端とにおける光パルスを比較すると、図3に模式的に示すように、光スペクトル幅は、ほぼ同等であるが、光パルス幅は、約300fsに圧縮され、光パルスのピーク光強度は高くなる。
このように、本実施の形態では、第1実施の形態の構成において、負の分散補償手段13に代えてシングルモード中空光ファイバ41を用いて、シングルモード光ファイバ4から出射された光パルスのスペクトル幅は変えずに、時間幅を約300fsに圧縮するようにしたので、第1実施の形態と同様の効果が得られる他、第1実施の形態よりも簡単に構成することができる。
(第3実施の形態)
図4は、本発明の第3実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。この多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システム1は、図3に示した第2実施の形態の構成において、シングルモード光ファイバ4およびシングルモード中空光ファイバ41を、使用波長帯で異常分散するシングルモード光ファイバ42に置き換えたものである。すなわち、本実施の形態は、光パルス圧縮手段を、シングルモード光ファイバ42により構成したもので、その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様であるので、同一作用をなす素子には同一参照符号を付して説明を省略する。
シングルモード光ファイバ42は、長さ数十mから数百m程度で、かつファイバの長手方向に異常分散値が減少するもの、例えば、出射端における異常分散値が、入射端における異常分散値の十分の一から二十分の一程度のものを用いる。
本実施の形態では、短パルス光源2から出射された光パルスを、波長980nm帯で異常分散するシングルモード光ファイバ42を伝播させることにより、該シングルモード光ファイバ42によるSPM効果と負のGVD効果との相互作用によるパルス圧縮効果を利用して、上記実施の形態と同様に、スペクトル幅が5nmから10nm程度に拡大され、時間幅が約300fsに圧縮されたほぼTLの光パルスを得る。このようなパルス圧縮方法は、ソリトン断熱圧縮法として知られている(例えば、G.P.Agrawal,Nonlinear Fiber Optics,2nd Ed.,Academic Press.参照)。なお、図4には、シングルモード光ファイバ42の入射端、中間部および出射端における光パルスの時間幅とスペクトル幅とを模式的に示している。
このように、本実施の形態では、第2実施の形態の構成において、シングルモード光ファイバ4およびシングルモード中空光ファイバ41を、使用波長帯で異常分散するシングルモード光ファイバ42に置き換えて、同様の時間幅およびスペクトル幅を有し、ピーク光強度の高い光パルスを得るようにしたので、第2実施の形態と同様の効果が得られる他、第2実施の形態よりも簡単に構成することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、短パルス光源2を、利得スイッチ半導体レーザ6を用いて構成したが、ピコ秒やフェムト秒の光パルスを発生可能な各種固体レーザ(例えば、チタン・サファイアレーザ等)やファイバレーザ等を用いて構成することもできる。
図5は、能動モードロックファイバリングレーザを用いる短パルス光源2の概略構成図である。この短パルス光源2は、能動モードロックファイバリングレーザ50と、図2に示した、ファイバ増幅器8,9および光ファイバコネクタ10とを有する。能動モードロックファイバリングレーザ50は、分岐カプラ51、利得部52、バンドパスフィルタ53、アイソレータ56および分散補償手段57を有し、これら光学部品の間はシングルモード光ファイバ54によりリング状に接続する。さらに、能動モードロックファイバリングレーザ50は、利得部52に接続された信号発生器55を有する。
利得部52は、希土類添加ファイバにより成る利得媒質とLN(LiNbO)変調器より成る強度変調器とから構成する。ここで、希土類添加ファイバは、Ybが添加されたシングルモード光ファイバである。この希土類添加ファイバには、図示しないWDM(波長分割多重)カプラを接続し、このWDMカプラの合波側には、図示しない励起用光源である半導体レーザを光学的に接続する。ここでは、半導体レーザは、波長915nmの光を連続発振するレーザであり、この半導体レーザからの光が、WDMカプラによりYb添加ファイバに吸収されることにより、980nm帯の利得が発生するように構成する。
分岐カプラ51は、入射した光を設定した比率により分岐するものであり、シングルモード光ファイバ54に分岐する比率が反射率に相当し、ファイバ増幅器8への分岐比率が透過率に相当する。
分散補償手段57は、負の分散量を持ち、シングルモード光ファイバ54および利得部52の利得媒質が有する正の分散を相殺して、能動モードロックファイバリングレーザ50のリング部分全体としてゼロ分散状態となるようにして、波長により周回速度が異ならないようにする。
アイソレータ56は、一方向にのみ光を伝播させる。本実施の形態では、図5において時計方向、すなわち、分散補償手段57からの光をバンドパスフィルタ53の方向にのみ伝播させ、その逆方向の光は透過させない。
バンドパスフィルタ53は特定の波長帯域にのみ透過特性を持つものであり、これにより広帯域な波長帯である自然放出光を透過させるとともに、これと異なる波長の光により発振が生じることを抑止する。
信号発生器55は、利得部52の強度変調器に接続されて、利得部52の時間的な透過特性を変調する。
上記構成において、利得部52から発した自然放出光は、シングルモード光ファイバ54を介して、分岐カプラ51、分散補償手段57、アイソレータ56、バンドパスフィルタ53の順に伝播し、再び利得部52のYb添加ファイバに到達して増幅される。この自然放出光は、利得部52の利得が、分岐カプラ51の透過率とその他損失との合計を上回って、リング状の経路の伝播過程を繰り返して増幅されるとレーザ発振して、レーザ光が分岐カプラ51からファイバ増幅器8に出射される。
ここで、利得部52の利得発生の時間幅およびタイミングを、利得発生時に自然放出光がシングルモード光ファイバ54で接続されたリング状の経路を周回して、再び利得部52に到達する時間間隔に一致するように、図示しない強度変調器に接続された信号発生器55の信号発生周波数を設定すれば、モードロック状態が達成される。この場合、分岐カプラ51からファイバ増幅器8に出射するレーザ光は、信号発生器55の信号発生周波数と同じ繰返し周波数を有するパルス光となる。
さらに、上記リング状の経路の周回を繰り返すことによって、能動モードロックファイバリングレーザ50から発振するレーザ光の光パルスの時間幅を数ピコ秒の短パルス光とすることが可能となる。また、このモードロック状態は、シングルモード光ファイバ54で接続されたリング状の経路内に1個の光パルスが存在する場合を基本状態とし、2個以上の光パルスが存在するようにもできる。これは、信号発生器55の周波数を、基本状態の整数倍に設定することにより可能となる。これにより、光パルスの繰返し周波数を、基本状態における光パルスの周波数の整数倍に調整することができる。
このようにして、能動モードロックファイバリングレーザ50から出射した短パルス光は、2つのファイバ増幅器8、9で数十mWから数Wの平均光強度(平均出力)に増幅され、短パルス光源2から出力される。
図5に示した構成の短パルス光源2によれば、能動モードロックファイバリングレーザ50の強度変調器に印加する変調電気信号の繰返し時間間隔を変更するだけで、短パルス光源2から出射させる光パルスの繰返し周波数を、容易かつ安定に瞬時に制御することが可能となる。なお、図5において、利得部52は、利得媒質である希土類添加ファイバと強度変調器との組合せに限らず、例えば、利得媒質と変調手段を兼ねる半導体光増幅器とを使用して構成することもできる。
さらに、本発明に係る多光子励起測定装置は、上記実施の形態で説明した生細胞を測定する多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムに限らず、特に深部観察時や強散乱体観察時に、試料の光パルス照射による熱損傷を避けたい顕微鏡システムに有効に適用することができるが、半導体材料など他の試料を多光子励起(非線形励起)して測定する測定装置にも適用可能である。
本発明の第1実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。 図1に示した短パルス光源の一例の要部構成を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システムの要部の構成を示す図である。 第1実施の形態乃至第3実施の形態で使用可能な短パルス光源の他の例を示すの概略構成図である。 従来の多光子励起顕微鏡システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 多光子励起レーザ走査型蛍光顕微鏡システム
2 短パルス光源
3 レーザ走査型顕微鏡
4 シングルモード光ファイバ
5 電気パルス発生器
6 半導体レーザ
7 シングルモード光ファイバ
8,9 ファイバ増幅器
10,11 光ファイバコネクタ
12 ミラー
13 負の分散補償手段
14 折り返しミラー
15 ミラー
16 2次元走査手段
17 瞳投影レンズ
18 結像レンズ
19 対物レンズ
20 試料
21 ダイクロイックミラー
23 集光レンズ
24 検出器
26 コリメートレンズ
31,32 回折格子
33 折り返しミラー
41 シングルモード中空光ファイバ
42 シングルモード光ファイバ
50 能動モードロックファイバリングレーザ
51 分岐カプラ
52 利得部
53 バンドパスフィルタ
54 シングルモード光ファイバ
55 信号発生器
56 アイソレータ
57 分散補償手段

Claims (11)

  1. 高強度の光パルスによる多光子吸収現象を用いて試料の測定を行う多光子励起測定装置であって、
    光パルスを出射する短パルス光源と、
    前記短パルス光源から出射された光パルスを試料に照射する照射光学系と、
    前記光パルスの照射により前記試料から発生する多光子励起にともなう信号光を検出する検出器と、
    前記短パルス光源と前記照射光学系との間に配置され、前記短パルス光源から出射された光パルスを伝播する光ファイバを含み、該光ファイバの光強度依存のスペクトル変化を及ぼす非線形効果を利用して、前記試料に照射される光パルスのパルス幅を、前記短パルス光源から出射される光パルスのパルス幅以下に短くし、かつ、前記試料に照射される光パルスのスペクトル幅を、前記短パルス光源から出射される光パルスのスペクトル幅より広くするように、パルス幅圧縮を行う光パルス圧縮手段と、
    を有することを特徴とする多光子励起測定装置。
  2. 前記光パルス圧縮手段は、
    前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、正の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなり、
    さらに、前記シングルモード光ファイバを伝播した光パルスに対して負の群速度分散を与える負の分散補償手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多光子励起測定装置。
  3. 前記負の分散補償手段は、回折格子対、プリズム対、グリズム対のいずれかを有することを特徴とする請求項2に記載の多光子励起測定装置。
  4. 前記光パルス圧縮手段は、
    前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、正の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなり、
    さらに、前記シングルモード光ファイバを伝播した光パルスに対して負の群速度分散を与える断面に中空体を有するシングルモード中空光ファイバを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多光子励起測定装置。
  5. 前記光パルス圧縮手段は、
    前記光ファイバが、前記短パルス光源から出射される光パルスに対して、スペクトル幅を拡大するとともに、負の群速度分散を与えるシングルモード光ファイバからなることを特徴とする請求項1に記載の多光子励起測定装置。
  6. 前記短パルス光源から出射する光パルスのパルス幅はピコ秒であり、前記試料に照射する光パルスのパルス幅はフェムト秒であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置。
  7. 前記短パルス光源は、出射する光パルスの繰返し周波数が可変であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置。
  8. 前記短パルス光源は、利得スイッチ半導体レーザを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置。
  9. 前記短パルス光源は、能動モードロックファイバリングレーザを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多光子励起測定装置。
  10. 前記光パルス圧縮手段は、着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載の多光子励起測定装置。
  11. 前記多光子励起観測装置は、前記検出器が前記試料から発生する多光子励起にともなう蛍光を検出する多光子励起蛍光顕微鏡システムであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の多光子励起観測装置。
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