WO2024106336A1 - 遊離ヘモグロビン測定方法および遊離ヘモグロビン測定試薬 - Google Patents

遊離ヘモグロビン測定方法および遊離ヘモグロビン測定試薬 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 遊離ヘモグロビンを測定する方法であって、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行う、遊離ヘモグロビン測定方法。本発明はさらに、遊離ヘモグロビン測定試薬、遊離ヘモグロビン測定キット、および遊離ヘモグロビン測定における偽高値抑制方法も提供する。本発明の測定方法および測定試薬によれば、遊離ヘモグロビンを特異的に測定するにあたり、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる。

Description

遊離ヘモグロビン測定方法および遊離ヘモグロビン測定試薬
 本発明は、遊離ヘモグロビンを特異的に測定するための方法および試薬に関するものであり、特に、遊離ヘモグロビン量を測定する時の偽高値を抑制することができる測定方法および測定試薬に関するものである。
 血中においてヘモグロビンは、生体内のハプトグロビンと結合し、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体を形成する。かかる複合体は、スカベンジャー受容体のCD163を介して、最終的に肝臓のマクロファージに取り込まれることにより、分解代謝される。しかし、熱傷や人工心肺などによる溶血により、ヘモグロビンを生体内のハプトグロビンで処理しきれなくなると、ハプトグロビンとの複合体を形成していないヘモグロビン(遊離ヘモグロビン)の血中濃度が上昇する。
 遊離ヘモグロビンは、分子量が小さいため、尿中に排出されると腎臓の糸球体を通過し、尿細管上皮細胞に取り込まれてヘムとグロビンに分解される。このうちヘムに含まれるヘム鉄が触媒となって、フリーラジカルを産生させ、近位の尿細管上皮細胞を壊死させ、尿細管障害を引き起こす。遊離ヘモグロビンは、ハプトグロビン製剤により治療が可能であるが、適切な量のハプトグロビン製剤を投与するためには、遊離ヘモグロビン濃度を正確に測定する必要がある。
 遊離ヘモグロビン濃度を測定する方法として、例えば、ヒトハプトグロビンを固相に結合させた固相化ヒトハプトグロビンに、遊離ヘモグロビン含有検体を接触させて遊離ヘモグロビンを固相上のヒトハプトグロビンと結合させたのち、さらに酵素標識した抗ヒトヘモグロビン抗体を作用させ、固相上に結合した遊離ヘモグロビンを測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
 また、抗ハプトグロビン抗体を遊離ヘモグロビン含有検体に添加し、検体中に存在するヘモグロビン-ハプトグロビン複合体と該抗体を反応せしめた後、遊離ヘモグロビンを酵素免疫測定法により測定する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開平2-231565号公報 特開平7-103978号公報
 遊離ヘモグロビンの測定には、固定化ハプトグロビンに吸着させた後に、洗浄・分離を行い、遊離ヘモグロビンを策定する方法(特許文献1)、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体をあらかじめ除去して遊離ヘモグロビンを測定する方法(特許文献2)等が知られているが、いずれも操作が煩雑であり、迅速性や測定処理能力に限界があるため、特異性の高い迅速な遊離ヘモグロビン免疫測定法が求められていた。
 これに対し、本発明者は、特定の抗ヘモグロビン抗体を2種以上用いる遊離ヘモグロビン測定方法、あるいはヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する反応性が遊離ヘモグロビンに対する反応性の15%以下である遊離ヘモグロビン測定方法等により、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下であっても、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することができることを見出し、特許出願している。
 そして、本発明者は研究を進めた結果、遊離ヘモグロビンを特異的に測定する方法において、遊離ヘモグロビンの測定値が、実際の遊離ヘモグロビン量よりも高くなる(偽高値)現象が生じることを見出した。
 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、遊離ヘモグロビンを特異的に測定するにあたり、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することのできる方法および試薬を提供することを目的とする。
 本発明者らは上記問題を解決すべく研究を行った結果、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行う際に、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が多く存在すると、遊離ヘモグロビン量の偽高値が生じることを見出した。そして、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行うことで、上記偽高値を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 遊離ヘモグロビンを測定する方法であって、
 2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、
 前記抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行う、
遊離ヘモグロビン測定方法。
〔2〕 前記抗原抗体反応を、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行う、〔1〕に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
〔3〕 前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体が、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせを含む、〔1〕または〔2〕に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
〔4〕 前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体の少なくとも1種が不溶性担体に担持されている、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
〔5〕 前記不溶性担体が不溶性粒子である、〔4〕に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
〔6〕 免疫凝集法である、〔5〕に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
〔7〕 遊離ヘモグロビンを測定するための試薬であって、
 2種以上の抗ヘモグロビン抗体と、
 抗ハプトグロビン抗体とを備え、
 前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応に用いられるものであり、
 前記抗ハプトグロビン抗体は、前記抗原抗体反応が行われる反応液を構成する、
遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔8〕 前記抗原抗体反応が、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行われる、〔7〕に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔9〕 前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体が、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせを含む、〔7〕または〔8〕に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔10〕 前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体の少なくとも1種が不溶性担体に担持されている、〔7〕~〔9〕のいずれか一項に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔11〕 前記不溶性担体が不溶性粒子である、〔10〕に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔12〕 免疫凝集法の試薬である、〔11〕に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
〔13〕 〔7〕~〔12〕のいずれか一項に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬を含む、遊離ヘモグロビン測定キット。
〔14〕 遊離ヘモグロビンの測定において偽高値を抑制する方法であって、
 2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、
 前記抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行う、
遊離ヘモグロビン測定における偽高値抑制方法。
 本発明の測定方法および測定試薬によれば、遊離ヘモグロビンを特異的に測定するにあたり、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる。
遊離ヘモグロビン(free-Hb)/ヘモグロビン-ハプトグロビン(Hb-Hp)複合体の各混合液(検体)を、参考例4で作製した免疫凝集反応測定試薬と、市販の比色測定試薬とを用いて測定した結果を表すグラフである。 実施例2の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)と、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)とを用い、遊離ヘモグロビン量を測定した結果を表すグラフである。図2A:実施例2および参考例4の測定試薬での濁度変化量(ΔOD)を測定した結果を表す。図2B:実施例2の測定試薬を用いて希釈直線性を評価した結果を表す。 実施例2の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)と、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)とをそれぞれ用い、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が存在し得る試料での遊離ヘモグロビン量を測定した結果を表すグラフである。 様々な抗ハプトグロビン抗体を用い、ヒト陰性血清または血清残余検体に精製ヘモグロビンを添加した試料における遊離ヘモグロビン量を測定した結果を表すグラフである。 実施例2の測定試薬を用い、便中遊離ヘモグロビン測定試料および便中ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体測定試料における遊離ヘモグロビン量をそれぞれ測定した結果を表すグラフである。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
〔用語〕
(ヘモグロビン)
 ヘモグロビンは、生体内中で赤血球中に含まれるタンパク質であり、酸素分子と結合する性質を持ち、酸素の運搬に関与している。
 ヘモグロビンは、141個のアミノ酸からなるα鎖(サブユニット)と、146個のアミノ酸からなるβ鎖(サブユニット)との2種類のサブユニットを二つずつ有する四量体構造[αβ]となっている。α鎖の分子量は約15,500、β鎖の分子量は約17,000であり、後述するようにこれらは電気泳動等により分離が可能である。なお、ヘモグロビン全体の分子量は、約64,500である。
(ハプトグロビン)
 ハプトグロビンは、糖タンパク質の1種であり、ヘモグロビンと特異的に結合しヘモグロビン-ハプトグロビン複合体を形成する。ヒトハプトグロビンには3種の血清型が存在し、Hp1-1型、Hp2-1型、Hp2-2型がある。ハプトグロビンは、最も単純な構造(Hp1-1型)では、2本のα鎖と2本のβ鎖とから構成され、これらはS-S結合により連結されている。
 分子量は、Hp1α鎖が約10000、Hp2α鎖が約18000、β鎖が約39000である。ハプトグロビン全体の分子量は、例えばHp1-1型で約98000である。
(ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体)
 ヘモグロビンとハプトグロビンとが複合体を形成する際、1分子の四量体ヘモグロビン[αβ]は、2分子の二量体ヘモグロビン[αβ]へと解離して、それぞれの二量体ヘモグロビンがハプトグロビンと結合する。そして、Hp1-1型ハプトグロビンは、二量体ヘモグロビンとの結合部位を分子内に2か所有する。そのため、Hp1-1型ハプトグロビンと四量体ヘモグロビン[αβ]とで複合体を形成すると、1分子のHp1-1型ハプトグロビンに、1/2分子の二量体ヘモグロビン[αβ]が2つ結合した複合体となる。
〔遊離ヘモグロビン測定方法〕
 本発明の一実施形態に係る、遊離ヘモグロビン測定方法は、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、当該抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行うものである。
 抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行うことにより、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制できる作用機序について、本発明者らは以下のように考えている。
 四量体の遊離ヘモグロビン[αβ]を抗原として得られた抗体は、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に含まれる二量体ヘモグロビン[αβ]とも反応してしまう。そのため、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体と結合しない抗遊離ヘモグロビン抗体を、常法の動物免疫で取得することは、これまで非常に困難であった。
 本実施形態で採用する遊離ヘモグロビン測定方法は、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を選択して用いることで、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体との反応が十分に抑制され、遊離ヘモグロビンと特異的に反応する。具体的には、後述する参考例にて示すように、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する反応性は、遊離ヘモグロビンに対する反応性の15%以下とすることができる。かかる反応性は、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体との反応が十分に抑制されているといえるものであるが、抗原抗体反応において、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が多く存在すると、当該複合体との反応を無視し得なくなる。これが、遊離ヘモグロビン量の偽高値が生じる原因であると考えられる。
 これに対し、本実施形態においては、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行うと、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体において抗ハプトグロビン抗体が抗ヘモグロビン抗体に対し、立体障害を形成する。これにより、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体(特に、当該複合体に含まれる二量体ヘモグロビン[αβ])との反応が、充分に抑制される。このようにして、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が多く存在する場合の遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制できるものと考えられる。
 ただし、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制できる作用機序は、必ずしも上記の作用機序に限定されない。
(免疫学的手法)
 本実施形態の遊離ヘモグロビン測定方法は、抗原抗体反応を利用する方法、すなわち免疫学的手法であれば特に限定されず、例えば、免疫凝集法(例えば、ラテックス凝集法、金コロイド凝集法等)、ELISA法、イムノクロマトグラフ法等が挙げられる。本実施形態の測定方法は、これらの中でも免疫凝集法、より好ましくはラテックス凝集法に好適に用いられる。
(抗ヘモグロビン抗体)
 本実施形態においては、遊離ヘモグロビンを特異的に測定するために、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いる。
 遊離ヘモグロビンを測定するための上記抗原抗体反応は、同一の抗原(本実施形態においては、ヘモグロビン)中の2以上の異なるエピトープに対する抗原抗体反応であることが好ましい。換言すると、本実施形態の免疫学的手法は、当該2以上の抗原抗体反応を利用する方法であることが好ましい。
 本実施形態で用いる2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することのできる組み合わせであれば、特に限定されない。例えば、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせ;ヘモグロビンα鎖とβ鎖との境界近傍に特異的な抗体の組み合わせ;等を用いることができる。
 これらの中でも、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせを含むことが特に好ましい。
 ここで、「ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体」とは、ヘモグロビンα鎖に対する反応が、β鎖に対する反応より十分に高い、抗ヘモグロビン抗体を意味する。なお、本明細書において、抗ヘモグロビン抗体が有するこのような性質を、抗ヘモグロビン抗体の特異性ということがある。
 抗ヘモグロビン抗体の特異性は、例えば、ヘモグロビンα鎖に対する反応とβ鎖に対する反応との合計に対し、ヘモグロビンα鎖に対する反応が75%以上、さらには80%以上である性質とすることができる。「ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体」も同様である。
 ヘモグロビンα鎖に対する特異性は、後述する実施例にて示すように:ヘモグロビンに対し、評価しようとする抗ヘモグロビン抗体を一次抗体として用いてウエスタンブロットを実施し;メンブレン上のα鎖が存在する領域のバンド輝度と、β鎖が存在する領域のバンド輝度とをそれぞれ積算し;両積算値の合計量に対するα鎖積算値の割合を算出する;ことで評価することができる。ヘモグロビンβ鎖に対する特異性も同様である。
 ここで、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせにより、遊離ヘモグロビンを特異的に測定できる作用機序について、本発明者は以下のように考えている。
 ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体のヘモグロビン部分、すなわち、ハプトグロビンと複合体を形成した、αβの二量体構造のヘモグロビンに対しては、立体障害等により、α鎖特異的抗体とβ鎖特異的抗体とが同時に結合できないものと考えられる。
 これに対し、遊離ヘモグロビンは、αβの四量体構造のヘモグロビンであり、かつハプトグロビンと複合体を形成していないため、α鎖特異的抗体とβ鎖特異的抗体とが同時に結合できるものと考えられる。
 ただし、α鎖特異的抗体とβ鎖特異的抗体との組み合わせにより遊離ヘモグロビンを特異的に測定できる作用機序は、必ずしも上記の作用機序に限定されない。
 本実施形態で使用し得る抗ヘモグロビン抗体の種類は特に限定されない。例えば、抗体が由来する動物種は特に限定されず、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ウマ、ヒツジ等の動物に由来する抗体が挙げられ、公知の方法により、測定対象物を免疫した動物の血清から得られるポリクローナル、測定対象物を免疫した動物の脾臓をミエローマ細胞と細胞融合して得られるモノクローナル抗体のいずれを用いてもよい。また、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、またはFv]を用いてもよい。
(不溶性担体)
 本実施形態で用いる上記2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、それらの少なくとも1種が不溶性担体に担持されていてもよく、2種以上が不溶性担体に担持されていてもよい。
 かかる不溶性担体は、抗体を担持できるものであれば特に限定されず、前述した免疫学的手法の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、不溶性担体としては、例えば、免疫学的手法に使用できる不溶性粒子が挙げられ、不溶性粒子としては、一般的に使用される金コロイド粒子等の金属コロイド粒子、ラテックス粒子、シリカ粒子、磁性粒子、蛍光粒子、赤血球等が挙げられる。不溶性粒子としては、ラテックス粒子が好ましく、ポリスチレン系ラテックス粒子がさらに好ましい。不溶性担体は、好ましくは粒子状であり、その平均粒子径としては5~1,000nmが好ましく、30~500nmがより好ましく、75~350nmがさらに好ましいが、特にこの範囲に捉われることなく、使用することが可能である。
 抗体を担持しているとは、抗体が不溶性担体の表面に物理吸着または化学結合していることによって固定化されることをいう。担持方法(固定化方法)としては、例えば、公知の技術である、抗体と不溶性担体粒子とを混合して、不溶性担体粒子の表面に抗体を物理的に吸着させることにより不溶性担体粒子への抗体の固定化が可能である。また、表面にアミノ基やカルボキシル基を導入した不溶性担体粒子を用いる場合には、グルタルアルデヒドやカルボキシイミド試薬を用いた化学結合によって不溶性担体粒子の表面への抗体の固定化が可能である。
 抗体の担持量は、特に限定されないが、0.5~2,000μg/mgラテックスであればよく、1~1,000μg/mgラテックス、または2~500μg/mgラテックスであってもよい。抗体の担持量は、不溶性担体に固定化する前の抗体量から固定化した後の抗体量を引いた量で算出することができる。
 また、不溶性担体に2種以上の抗ヘモグロビン抗体が担持されている場合、ともに同じ不溶性担体に担持されてもよい。また、1種の不溶性担体に1種の抗ヘモグロビン抗体を担持させた不溶性担体を複数種混合して用いてもよい。この場合において、異なる種の抗ヘモグロビン抗体を担持するために用いられる不溶性担体は、同種の不溶性担体であってもよく、材質または粒径等が異なる異種の不溶性担体であってもよい。
(抗ハプトグロビン抗体)
 本実施形態で用いる抗ハプトグロビン抗体は、ハプトグロビンと抗原抗体反応を起こすものであれば、特に限定されない。例えば、ハプトグロビンα鎖に特異的な抗体であってもよく、β鎖に特異的な抗体であってもよい。なお、ハプトグロビンのα鎖やβ鎖に特異的な抗体とは、前述したヘモグロビンα鎖やβ鎖に対する特異性と同様に評価することができる。ただし、後述する実施例にて示すように、本実施形態においては、ハプトグロビンα鎖に特異的な抗体であっても、β鎖に特異的な抗体であっても、いずれも遊離ヘモグロビン量の偽高値を充分に抑制することができる。
 本実施形態で使用し得る抗ハプトグロビン抗体の種類は特に限定されない。例えば、抗体が由来する動物種は特に限定されず、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ウマ、ヒツジ等の動物に由来する抗体が挙げられ、公知の方法により、測定対象物を免疫した動物の血清から得られるポリクローナル、測定対象物を免疫した動物の脾臓をミエローマ細胞と細胞融合して得られるモノクローナル抗体のいずれを用いてもよい。また、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、またはFv]を用いてもよい。
 また、本実施形態で用いる抗ハプトグロビン抗体は、不溶性担体に担持されていないことが好ましい。
(測定対象)
 本実施形態の測定方法が適用される測定対象は、遊離ヘモグロビンを含み得るものであれば、特に限定されない。かかる測定対象としては、血液、血清、血漿、尿、リンパ液、刺液、髄液、汗、唾液、胃液、肺洗浄液、糞便等の、生体に由来する検体;これらの検体を希釈又は懸濁した試料;などが挙げられる。
(測定)
 本実施形態においては、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行った後、公知の方法により測定される。測定する対象は、採用した免疫学的手法に応じて適宜設定することができ、例えば、免疫凝集法であれば、所定時間における濁度変化量、ELISA法であれば標識化抗体の標識に起因して生じる発色・吸光量等が挙げられる。そのため、これらを測定する方法も、公知の方法、例えば光学的手法を採用することができ、汎用の光学的測定装置を用いることができる。
 上記実施形態に係る測定方法は、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行うことにより、例えば、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行われる場合であっても、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することができる。そして、上記抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行うことにより、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が多く存在する場合であっても、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる(本発明の遊離ヘモグロビン測定における偽高値抑制方法に該当)。
 本実施形態の測定方法によれば、遊離ヘモグロビンを測定するため抗原抗体反応の前に、あらかじめヘモグロビン-ハプトグロビン複合体を除去する等の工程を必要としない。そのため、操作が簡便でありながら、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することができ、かつ、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる。
〔遊離ヘモグロビン測定試薬〕
 本発明の一実施形態に係る遊離ヘモグロビン測定試薬は、2種以上の抗ヘモグロビン抗体と、抗ハプトグロビン抗体とを備えるものである。
 上記2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応に用いられる。一方、上記抗ハプトグロビン抗体は、上記抗原抗体反応が行われる反応液を構成する。
 本実施形態の試薬で用いる抗ヘモグロビン抗体は、前述した遊離ヘモグロビン測定方法において説明した抗体を用いることができる。
 本実施形態の試薬で用いる上記2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、それらの少なくとも1種が不溶性担体に担持されていてもよく、2種以上が不溶性担体に担持されていてもよい。かかる不溶性担体は、不溶性粒子であってよい。不溶性担体や不溶性粒子の種類、抗体の担持方法等については、前述した測定方法で説明したとおりである。
 また、本実施形態の試薬で用いる抗ハプトグロビン抗体は、前述した遊離ヘモグロビン測定方法において説明した抗体を用いることができる。
 かかる抗ハプトグロビン抗体は、本実施形態の試薬において、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応が行われる反応液を構成する。ここで、抗ハプトグロビン抗体が、抗原抗体反応が行われる反応液を構成するとは、抗原抗体反応が行われる反応液に、抗ハプトグロビン抗体が存在する状態となっていることをいう。より具体的には、上記抗原抗体反応が開始される前の任意の段階で、反応液を構成する液体に抗ハプトグロビン抗体が添加されていればよい。
(測定試薬の形態等)
 本実施形態の測定試薬は、前述した構成を備え、免疫学的手法を利用して遊離ヘモグロビンを測定する試薬である。これらの要件を満たすものであれば、測定試薬の形態は特に限定されず、例えば、免疫凝集法(例えば、ラテックス凝集法、金コロイド凝集法等)、ELISA法、イムノクロマトグラフ法等を利用した試薬とすることができる。これらの中でも、免疫凝集法の試薬であることが好ましく、ラテックス凝集法の試薬であることがより好ましい。
 本実施形態の測定試薬は、例えば、不溶性担体を含有しない試薬(第1試薬)および抗体を担持する不溶性担体(抗体担持不溶性担体)を含有する試薬(第2試薬)の二試薬系で構成されてもよく、抗体担持不溶性担体を含有する試薬のみの一試薬系で構成されるようにしてもよい。
 ここで、第1試薬は、反応系における測定対象物や夾雑物の濃度の調整や反応速度の調整等の点から希釈液として用いるなど、測定環境を調整するよう用いることができる。第2試薬は、抗体担持不溶性担体を含有しており、第1試薬および試料と混合されて、免疫凝集反応を生じる。第1試薬および第2試薬は、pH緩衝剤、塩、界面活性剤、凝集促進剤、防腐剤などを、適宜含むことができる。凝集反応時のpHとしては5~9が好ましい。
 また、測定試薬は試料と混合して反応液を得るが、不溶性担体の反応液中の濃度は、使用する不溶性担体の粒径や測定系全体の設計にあわせ、例えば0.0001mg/mL~10mg/mLの範囲から適宜選択をすることができる。測定試薬における抗ヘモグロビン抗体を担持する不溶性担体の濃度は、0.01~5mg/mL、または0.05~1mg/mLであってよい。なお、不溶性担体の第2試薬中の濃度は、使用時には第1試薬や試料等と混合することにより希釈されるため、その第2試薬中の不溶性担体の濃度は、希釈倍率に応じて適宜選択することができ、例えば、2倍希釈して用いる場合は、0.0002~20mg/mL、3倍希釈して用いる場合は、0.0003~30mg/mLとなるように適宜調整することができる。
 本実施形態の測定試薬が上記二試薬系で構成される場合、抗ハプトグロビン抗体は、第1試薬に含まれていてもよく、第2試薬に含まれていてもよい。また、本実施形態の測定試薬が、測定対象物を希釈または懸濁するための液体を備える場合、抗ハプトグロビン抗体は、かかる希釈・懸濁液に含まれていてもよい。
 以上述べた遊離ヘモグロビン測定試薬は、2種以上の抗ヘモグロビン抗体を備えており、これらは遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応に用いられる。これにより、例えば、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行われる場合であっても、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することができる。そして、本実施形態の測定試薬は、抗ハプトグロビン抗体が、遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応が行われる反応液を構成することにより、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が多く存在する場合であっても、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる。
 本実施形態の測定試薬によれば、遊離ヘモグロビンを測定するため抗原抗体反応の前に、あらかじめヘモグロビン-ハプトグロビン複合体を除去する等の工程を必要としない。そのため、操作が簡便でありながら、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することができ、かつ、遊離ヘモグロビン量の偽高値を抑制することができる。
〔そのほかの実施形態〕
 また、本発明は、上記の遊離ヘモグロビン測定試薬を含む、遊離ヘモグロビン測定キットをさらに提供する。
 当該キットに含まれる測定試薬は、例えば、抗ヘモグロビン抗体担持不溶性担体を含むものとすることができる。また、上記遊離ヘモグロビン測定キットは、測定試薬の他に、キャリブレータ、およびコントロールなどの構成を含んでもよく、また、検体を採取するための器具および容器、検体を保存するための保存溶液などの構成を含んでいてもよい。
 以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
 以下、製造例、試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の製造例、試験例等に何ら限定されるものではない。
参考例1:抗ヒ卜ヘモグロビンモノクローナル抗体の作製
(1)マウスへの免疫
 マウスに対してヘモグロビンで免疫した。各々の免疫後に、マウスの抗体価は、125Iで標識したヘモグロビンを用いた2抗体法のRIA法で測定した。その結果、高い抗血清価が得られたマウスを選択した。
(2)細胞融合
 選択したマウスより脾臓を摘出し、脾細胞を調製した。調製した脾細胞とマウスミエローマ細胞とを電気融合法にて細胞融合を行い、融合細胞選択培地に懸濁して96穴マイクロプレートに播種した。
(3)モノクローナル抗体産生細胞株のスクリーニング
 細胞融合の10日後に、125Iで標識したヘモグロビンを用いた2抗体法のRIA法で、抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体産生細胞をスクリーニングし、10クローンを得た。
参考例2:抗ヘモグロビン抗体の特異性確認
 ヒトO型血液より精製したヒトヘモグロビン(栄研化学社製)を、電気泳動用ポリアクリルアミドプレキャストゲル(ATTO社製)およびAE-6530ラピダス・ミニスラブ電気泳動槽(ATTO社製)を用いて泳動した。泳動したタンパク質を、トランスブロットSDセル(Bio-Rad社製)を用いてPVDF膜へ転写した。
 一次抗体として参考例1で得られた抗体(1μg/mL)、二次抗体としてHRPで標識した抗マウスIgG抗体認識抗体(ウサギ由来ポリクローナル抗体,Cappel社製)を用いてウエスタンブロットを実施し、Western Lightning ECL Pro(PerkinElmer社製)を用いてHRPを発光させ、バンド画像を取得した。バンド画像を、CS Analyzer ver.3.0(ATTO社製)を用いて解析し、計測モード:指定領域ゾーンデンシトメトリーにて、泳動レーンのバンド輝度を積算値として算出した。
 次に、ウエスタンブロットのバンド輝度よりα鎖、β鎖のバンド輝度積算値を求めた。なお、バンド輝度の補正のため、後述する方法により算出した係数0.783をα鎖のバンド積算値に乗じた。
 α鎖積算値+β鎖積算値を100%とした場合の各サブユニットのバンド輝度割合を求めた。この結果より、α鎖バンドの積算値割合が75%以上を示した抗体をヘモグロビンα鎖特異的抗体、β鎖バンドの積算値割合が75%以上を示した抗体をヘモグロビンβ鎖特異的抗体と判断した。結果を表1に示す。
 なお、バンド輝度を補正するため、ヒトヘモグロビンを、電気泳動用ポリアクリルアミドプレキャストゲル(ATTO社製)およびAE-6530ラピダス・ミニスラブ電気泳動槽(ATTO社製)を用いて上記と同様に泳動し、CBB染色を行った。得られた泳動画像のα鎖、β鎖のバンド輝度の積算値を算出し、α鎖積算値+β鎖積算値を100%とした場合の各サブユニットのバンド輝度割合を求めた。この結果より、β鎖とα鎖のバンド輝度は43.9%:56.1%であり、バンド輝度のノーマライズのため、α鎖のバンド積算値に係数0.783をかけることとした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、参考例1で得られた抗体のうち、No.1、8、12および16は、α鎖積算値とβ鎖積算値との合計に対し、α鎖積算値の割合が75%以上であったことから、α鎖特異的抗体であると認められた。
 これらに対し、No.4、11、21、23、24および32は、α鎖積算値とβ鎖積算値との合計に対し、β鎖積算値の割合が75%以上であったことから、β鎖特異的抗体であると認められた。
参考例3:モノクローナル抗体の反応性
 参考例1で得られた抗体を用い、遊離ヘモグロビンに対する反応性と、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する反応性とを評価した。以下に述べる方法により、各々の抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体をポリスチレンラテックス粒子に固定化し、ヘモグロビンまたはヘモグロビン-ハプトグロビン複合体を含む試料と反応させたときの凝集の度合いを比較した。
(1)モノクローナル抗体のポリスチレンラテックス粒子への固定化
 ポリスチレンラテックス粒子への抗体の固定化は、公知の技術を利用して実施した。各抗ヘモグロビンモノクローナル抗体とポリスチレンラテックス粒子(粒径200nm)を混合してそれぞれ固定化し、ポリスチレンラテックス粒子表面に抗ヘモグロビンモノクローナル抗体を担持することにより、抗体担持ポリスチレンラテックス粒子溶液を調製した。
(2)試料の調製
 ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の試料は、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)に32.3pmol/mLのヘモグロビンと、それと等モルの32.3pmol/mLのハプトグロビンを等液量で混和して調製した。ヘモグロビンのみの試料は、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)に16.1pmol/mLのヘモグロビンを含むものを使用した。
(3)ラテックス凝集の測定方法
 96穴平底マイクロプレートのウェルを用いて凝集反応を行なった。具体的な方法は、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)をマイクロプレートの各ウェルに100μL分注し、各々の抗体を固定化したポリスチレンラテックス粒子溶液を50μL添加した後に、(2)で調製した試料を30μL添加した。吸光マイクロプレートリーダー(テカンジャパン社)を用いて試料の添加10秒後および5分10秒後に波長660nmで吸光度を測定し、その差を凝集の指標とした。さらに、ヘモグロビンに対する凝集反応性と、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する凝集反応性との比を求めた。
 結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示すように、用いた抗体の組み合わせにおいては、遊離ヘモグロビンに対し、特異的反応が認められた。ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する反応性は、遊離ヘモグロビンに対する反応性の15%以下であった。
参考例4:遊離ヘモグロビン測定試薬
 参考例1で得られた抗体を用いて免疫凝集反応測定試薬を作製した。
 測定試薬として、第1試薬および第2試薬を調製した。第1試薬として、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)を用いた。第2試薬として、参考例2の抗ヘモグロビンモノクローナル抗体(抗Hb抗体)のそれぞれを担持する各ポリスチレンラテックスを混合してラテックス濃度1.0mg/mLに調整し、免疫凝集反応測定試薬を作製した。
 抗体担持不溶性担体は、各抗ヘモグロビンモノクローナル抗体とポリスチレンラテックス粒子(平均粒径100nm)とを混合して、ポリスチレンラテックス粒子表面に抗ヘモグロビンモノクローナル抗体を担持することにより調製した。本試薬では、α鎖特異的抗ヘモグロビンモノクローナル抗体としてNo.16を用い、β鎖特異的抗ヘモグロビンモノクローナル抗体としてNo.11を用いた。
参考例5:他の測定法との比較
 遊離ヘモグロビンとヘモグロビン-ハプトグロビン複合体とを混合した検体で、測定法の比較を実施した。
(1)精製遊離ヘモグロビンとヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の作製
 総ヒトヘモグロビン常用参照標準物質JCCRM912-3H(検査医学標準物質機構製)を、生理食塩水を用いて2.0mg/mLに希釈した。
 また、ヒトプール血漿由来ハプトグロビン(SIGMA-ALDRICH社製)凍結乾燥品1mgを、生理食塩水303μLに溶解し、ハプトグロビン溶液(3.3mg/mL)を調製した。
(2)遊離ヘモグロビンとヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の混合
 2.0mg/mLに調製した遊離ヘモグロビン(free-Hb)は一定量とし、これに3.3mg/mLに調製したハプトグロビン(Hpt)溶液を表3の容量で混合し、混合比の異なる溶液(検体)を調製した。なお、表3中のfree-Complexは、遊離ヘモグロビンとヘモグロビン-ハプトグロビン複合体とのモル比を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
(3)遊離ヘモグロビン/ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体混合液の測定
 市販のヘモグロビン比色測定試薬を使用し、参考例4で作製した免疫凝集反応測定試薬と比較した。
 ヘモグロビン比色測定試薬は、ラウリル硫酸ナトリウムで赤血球膜を溶解し、溶出したヘモグロビンを吸光度測定することにより定量する試薬である。ただし本試験では溶血のステップを省略した。上記(2)で調製した遊離ヘモグロビン(free-Hb)/ヘモグロビン-ハプトグロビン(Hb-Hp)複合体の各混合液(検体)を、ヘモグロビン比色測定試薬と混合し、分光光度計(島津社製、UV-1900)を用いて540nmで測定した。
 一方、参考例4で作製した免疫凝集反応測定試薬(Latex試薬)は、上記(2)で調製した各混合液(検体)を、それぞれ生理食塩水で50倍に希釈し、下記の条件にて、生化学自動分析装置JCA-BM6070を用いて測定した。
 検体量:1.0μL,第1試薬:50μL,第2試薬:50μL,測定波長:658nm
 結果を表4および図1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 市販のヘモグロビン比色定量試薬は、遊離ヘモグロビンとヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の比率が変わっても測定値が変化せず、両者を識別して測定することができなかった。これに対し、参考例4の免疫凝集反応測定試薬(ラテックス試薬)は、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の量に影響されず、遊離ヘモグロビン濃度に比例した測定値が得られた。
 以上の結果から、参考例4のラテックス試薬は、遊離ヘモグロビンを特異的に測定することが示された。
実施例1:抗ハプトグロビンモノクローナル抗体の作製
 マウスに対してヒトハプトグロビンで免疫した以外は、参考例1と同様に操作し、5クローンの抗ヒトハプトグロビンモノクローナル抗体を得た。
実施例2:抗ハプトグロビン抗体を添加した測定試薬
(1)試薬の調製
 50mM HEPES緩衝液(pH7.4)に、終濃度10μg/mLとなるように、実施例1で得られた抗ハプトグロビン抗体の一つ(後述する実施例4におけるAO-53)を添加し、第1試薬を調製した。第2試薬としては、参考例4で調製したものを用いた。
(2)試料調製、測定条件
 総ヒトヘモグロビン常用参照標準物質JCCRM912-3(検査医学標準物質機構製)を、Hbキャリブレータ希釈液‘栄研’(栄研化学社製)を用いて目的濃度となるように混合した。
 得られた試料について、上記(1)で調製した測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)と、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)とをそれぞれ用い、下記条件にて測定した。
 検体量:1.0μL 第1試薬:50μL 第2試薬:50μL 測定波長:658nm
 上記測定を行う機器としては、生化学自動分析装置JCA-BM6070を用いた。なお、当該機器は、濁度変化量(ΔOD)の曲線から検量線を算出する機能を有している。
 まず、各濃度に希釈した上記遊離ヘモグロビン標準物質を用いて検量線を作成した。このときの各濃度での濁度変化量(ΔOD)の値を表5および図2Aに示す。また、実施例2の測定試薬を用い、各濃度に希釈した遊離ヘモグロビン試料を測定し、希釈直線性を評価した結果を図2Bに示す。なお、図2Bにおける測定値は、表5等から得られた実施例2の検量線を用いて換算した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表5および図2に示すように、遊離ヘモグロビンのみが存在する試料においては、抗ハプトグロビン抗体を添加しても検量線の作成に支障がなく(表5,図2A)、抗ハプトグロビン抗体の存在下であっても濃度に比例した遊離ヘモグロビンの測定が可能であった(図2B)。
実施例3:ハプトグロビン過剰試料の測定
 ヘモグロビンおよびハプトグロビンを、Hbキャリブレータ希釈液‘栄研’(栄研化学社製)を用い、それぞれ表6に示す目的濃度となるように混合し、試料を調製した。ヘモグロビンとして総ヒトヘモグロビン常用参照標準物質JCCRM912-3(検査医学標準物質機構製)を、ハプトグロビンとしてヒトプール血漿由来ハプトグロビン(SIGMA-ALDRICH社製)を用いた。
 得られた試料について、実施例2の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)と、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)とをそれぞれ用い、下記条件にて測定した。上記測定を行う機器としては、生化学自動分析装置JCA-BM6070を用いた。
 検体量:1.0μL 第1試薬:50μL 第2試薬:50μL 測定波長:658nm
 結果を表6および図3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 表6および図3に示すように、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)を用いて測定した場合、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体が高濃度に存在する試料4~6においては、測定試料に存在する遊離ヘモグロビン量の目的値に対し、測定値が高くなる傾向にあり、偽高値となっているものと認められた。
 これに対し、実施例2の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)を用いて測定すると、試料4~6において、遊離ヘモグロビン量の測定値が目的値に近くなることが認められ、偽高値が抑制されていることが明らかとなった。
実施例4:様々な抗ハプトグロビン抗体を用いた測定試薬
(1)試薬の調製
 実施例2で用いた抗ハプトグロビン抗体(AO-53)に替えて、実施例1で得られた他の抗ハプトグロビン抗体を用い、第1試薬を調製した。すなわち、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)に、終濃度10μg/mLとなるように、実施例1で得られた抗ハプトグロビン抗体を添加し、第1試薬とした。
 第2試薬としては、参考例4で調製したものを用いた。
 なお、抗ハプトグロビン抗体のそれぞれのハプトグロビン特異性(ハプトグロビンの認識部位)については、参考例2と同様にウエスタンブロットにて確認したものであり、表7に示すとおりである。
(2)試料調製、測定条件
 正常ヒト血清または血清残余検体に、精製ヘモグロビンとして総ヒトヘモグロビン常用参照標準物質JCCRM912-3(検査医学標準物質機構製)を添加し、血清サンプルを作製した。
 得られた試料について、上記(1)で調製した測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加したもの)と、参考例4の測定試薬(抗ハプトグロビン抗体を添加していないもの)とをそれぞれ用い、下記条件にて測定した。
 検体量:1.0μL 第1試薬:50μL 第2試薬:50μL 測定波長:658nm
 結果を表7および図4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 表7および図4に示すように、AO-53以外の抗ハプトグロビン抗体を用いた場合であっても、遊離ヘモグロビンの測定値上昇(偽高値)に対する抑制効果が確認された。また、抗ハプトグロビン抗体におけるハプトグロビン認識部位によらず、かかる抑制効果が得られるものと認められた。
実施例5:便中遊離ヘモグロビンの測定
(1)試料の調製
 精製ヘモグロビン(栄研化学社製)を、ヘモグロビン濃度が表8に示す目的濃度となるように、便含有液を用いて希釈し、便中遊離ヘモグロビン測定試料を調製した。便含有液としては、50mM HEPES緩衝液(pH7.4)に、0.5質量%となるようヒト便を添加したものを用いた。
 また、精製ヘモグロビン(栄研化学社製)および1-1型ハプトグロビン精製品(栄研化学社製)を、ヘモグロビン:ハプトグロビン=1:1.4(モル比)の混合比で、ヘモグロビン濃度が表8に示す目的濃度となるように、便含有液を用いて混合・希釈し、便中ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体測定試料を調製した。
 得られた各測定試料について、実施例2で調製した測定試薬を用い、下記条件にて測定した。
 検体量:1.0μL 第1試薬:50μL 第2試薬:50μL 測定波長:658nm
 結果を表8および図5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 表8および図5に示すように、便を含有する試料であっても、遊離ヘモグロビン測定試料では目的値と同等の測定値が得られ、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体測定試料では測定値が0に近かった。そのため、本発明の測定試薬は、便を含有する溶液中においても、遊離ヘモグロビンを特異的に測定可能であることが確認された。

Claims (14)

  1.  遊離ヘモグロビンを測定する方法であって、
     2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、
     前記抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行う、
    遊離ヘモグロビン測定方法。
  2.  前記抗原抗体反応を、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行う、請求項1に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
  3.  前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体が、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせを含む、請求項1に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
  4.  前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体の少なくとも1種が不溶性担体に担持されている、請求項1に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
  5.  前記不溶性担体が不溶性粒子である、請求項4に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
  6.  免疫凝集法である、請求項5に記載の遊離ヘモグロビン測定方法。
  7.  遊離ヘモグロビンを測定するための試薬であって、
     2種以上の抗ヘモグロビン抗体と、
     抗ハプトグロビン抗体とを備え、
     前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体は、前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応に用いられるものであり、
     前記抗ハプトグロビン抗体は、前記抗原抗体反応が行われる反応液を構成する、
    遊離ヘモグロビン測定試薬。
  8.  前記抗原抗体反応が、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の存在し得る環境下で行われる、請求項7に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
  9.  前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体が、ヘモグロビンα鎖に特異的な抗体と、ヘモグロビンβ鎖に特異的な抗体との組み合わせを含む、請求項7に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
  10.  前記2種以上の抗ヘモグロビン抗体の少なくとも1種が不溶性担体に担持されている、請求項7に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
  11.  前記不溶性担体が不溶性粒子である、請求項10に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
  12.  免疫凝集法の試薬である、請求項11に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬。
  13.  請求項7~12のいずれか一項に記載の遊離ヘモグロビン測定試薬を含む、遊離ヘモグロビン測定キット。
  14.  遊離ヘモグロビンの測定において偽高値を抑制する方法であって、
     2種以上の抗ヘモグロビン抗体を用いて前記遊離ヘモグロビンを測定するための抗原抗体反応を行い、
     前記抗原抗体反応を抗ハプトグロビン抗体の存在下で行う、
    遊離ヘモグロビン測定における偽高値抑制方法。
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