WO2024075853A1

WO2024075853A1 - 丁合装置及びピッキングシステム

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Publication number: WO2024075853A1
Application number: PCT/JP2023/036806
Authority: WO
Inventors: 信晃松井; 隆一神子; 克也上筋
Original assignee: 株式会社デュプロ
Priority date: 2022-10-07
Filing date: 2023-10-10
Publication date: 2024-04-11

Abstract

【課題】丁合対象特定情報保持部を備える物体を取得する毎に、当該丁合対象特定情報保持部に保持された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能な丁合装置を提供する。【解決手段】給送トレイ１４をそれぞれ有する複数の給送部のうち選択された給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合装置１００において、シート材の搬送経路の外の物体１０に設けられた丁合対象特定情報保持部１１から丁合対象特定情報を読み取る丁合情報読取手段５０を備え、丁合情報読取手段５０による読取動作をトリガーとして、読み取った丁合対象特定情報に基づいて複数の給送部の中から給送を行う給送部を特定し、丁合束を作成する選択丁合動作を実行する。

Description

丁合装置及びピッキングシステム

　本発明は、丁合装置及びピッキングシステムに関する。

　従来、複数の給送部のうち選択された給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合を行う丁合装置が知られている。
　特許文献１には、複数の給送部のうちの最下段に位置する折シート用給送部の給送トレイ（「折り紙用給紙トレイ」とも呼ばれる。）にバーコードリーダを設けた丁合装置が記載されている。この丁合装置では、折シート用給送部に載置されたシート材にはバーコード等の識別記号が付されており、バーコードリーダで識別記号を読み取って取得した識別情報に基づいて、丁合束に含ませるべき複数のシート材がそれぞれ積載された複数の給送部を特定する。そして、特定した複数の給送部からシート材を給送し、給送したシート材を重ねて丁合束を作成することで、識別記号に対応付けられたシート材を含む丁合束を作成する選択丁合を行うことができる。

特開２０１０－１６３２４６号公報特開２０２２－０３７７６９号公報特開２００７－００１６８６号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の丁合装置では、折シート用給送部の給送トレイに載置されたシート材に付された識別記号を読み取り、読み取った識別記号に基づいて選択丁合を行っている。そして、選択丁合を行う順序は、折シート用給送部の給送トレイに予め載置されたシート材の載置順に依存する。このため、シート束に含めるべきシート材の情報を保持する丁合対象特定情報保持部としての機能が付された識別コード等の識別記号が付された識別情報付シート材を作業者が取得した場合、識別情報付シート材を給送トレイに載置することなく選択丁合ができない。さらに、識別記号が付された物体が、シート材ではなく、ＩＤカード等のプラスチックカードや他の物品とまとめてシート束を収容するための収集箱等、給送トレイに載置して搬送することができない物体である場合は識別記号を読み込んで自動で実行する選択丁合ができない。

　例えば、顧客からの注文ごとに複数種類の物品を収集箱に収集するピッキングシステムで収集箱に一緒に入れるシート束を丁合装置で作成する場合、注文ごとに収集箱に入れるべきシート材の組み合わせが異なることが考えられる。このような場合、丁合対象特定情報保持部は収集箱自体または収集箱と共に移動するシート材やＩＤカード等に付されていることが考えられる。このため、丁合装置の担当の作業者は、収集箱が作業範囲に到達して初めて収集箱に入れるべきシート材の組み合わせの情報を取得できるため、従来の丁合装置で収集箱の流れに対応した選択丁合を行うことが難しいと考えられる。

　上述した課題を解決するために、本発明は、複数の給送部のうち選択された前記給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合装置において、シート材の搬送経路の外の物体に設けられた丁合対象特定情報保持部から丁合対象特定情報を読み取る丁合情報読取手段を備え、前記丁合情報読取手段による読取動作をトリガーとして、読み取った前記丁合対象特定情報に基づいて複数の前記給送部の中から給送を行う前記給送部を特定し、前記丁合束を作成する前記選択丁合動作を実行することを特徴とする丁合装置である。

　本発明によれば、丁合対象特定情報保持部を備える物体を取得する毎に、当該丁合対象特定情報保持部に保持された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能となる、という優れた効果がある。

実施形態に係るピッキングシステムの概略図。実施形態に係る丁合機の外観を表す斜視図。丁合機の内部構造を正面側からみた模式図。丁合制御部が生成する丁合対象シート識別情報の一例を示す図。丁合制御部が保持する給送トレイと積載シート識別情報との対応テーブルの一例を示す図。連段設定での丁合制御部が保持する給送トレイと積載シート識別情報との対応テーブルの一例を示す図。変形例に係るピッキングシステムの概略図。

　以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。

　以下、本発明に係る丁合装置を備えたピッキングシステムについて説明する。
　図１は、本発明に係る丁合装置（丁合機１００）を備えたピッキングシステム（ピッキングシステム５００）の概略説明図である。
　図１に示すピッキングシステム５００は、物品棚３００、ローラコンベア４００、システム制御部２００及びデータ入力部６００を備え、さらに、丁合機１００を備える。
　図１に示すピッキングシステム５００では、ローラコンベア４００の上面に載置され、搬送されてきた梱包箱１０に対して各作業者Ｘ（Ｘ１～Ｘ３）が、物品棚３００に配置された物品収容箱３０１に収容された物品や丁合機１００で作成されたシート束を梱包する。

　丁合機１００は、給送部におけるシート載置部として、左右にそれぞれ複数段配置された給送トレイ１４と、左側の最下段に配置された折用給送トレイ１４１とを備える。そして、作成するシート束に含めるべきシート材を積載する給送トレイ１４に対応する給送機構を稼働させることで、給送トレイ１４に積載されたシート材のうち最上位のシート材を一枚ずつ送り出し、複数の給送トレイ１４から送り出されたシート材を重ねてシート束を作成する。

　図１のピッキングシステム５００では、梱包箱１０の表面に配置されたバーコードや二次元コードからなる識別コード１１等の識別情報報知手段によって、それぞれの梱包箱１０に入れるべき物品の情報を管理できる。
　データ入力部６００は、インターネットを介した顧客からの入力情報やデータ入力担当者の入力作業による入力情報に基づいて、一つの梱包箱１０に入れるべき物品やシート材と、梱包箱１０に配置される識別コード１１とを紐付けた管理情報を作成し、システム制御部２００に送信する。
　システム制御部２００は、受け取った管理情報のうち、識別コード１１と物品との組合せである物品管理情報については、不図示の物品管理情報記憶部に記憶する。一方、識別コード１１とシート材との組合せであるシート材管理情報については、丁合機１００の制御部に送信する。丁合機１００は、制御部が受信したシート材管理情報を記憶部に記憶する。

　物品棚３００は、物品収容箱３０１を載置する棚板３０２の前面にピッキング表示部３１０を備え、物品収容箱３０１は、対応付けられたピッキング表示部３１０がその下方に位置するように、棚板３０２に載置される。ピッキング表示部３１０は、必要に応じて点灯するランプと、数値を表示する数値表示とを備える。

　システム制御部２００は、ハンディスキャナ４０が識別コード１１を読み取ると、物品管理情報として識別コード１１の識別情報に紐付けられた物品が収容された物品収容箱３０１のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に梱包箱１０に入れるべき物品数を表示させるように制御する。

　物品棚３００は、複数の棚エリアに分けられており、図１では第一棚エリア３００Ａと第二棚エリア３００Ｂとの二つの棚エリアを示しているが、棚エリアの数は二つに限らない。また、ピッキングシステム５００は、棚エリアの数に応じたハンディスキャナ４０を備え、図１では二つの棚エリアに応じた二つのハンディスキャナ４０（４０Ａ及び４０Ｂ）を備える。

　第一棚エリア３００Ａは、二つのハンディスキャナ４０のうちの第一スキャナ４０Ａと対応付けられている。システム制御部２００は、第一スキャナ４０Ａが読み取った識別コード１１に紐付けられた物品を収容する物品収容箱３０１のうち、第一棚エリア３００Ａに配置された物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示するように制御する。
　同様に、第二棚エリア３００Ｂは、第二スキャナ４０Ｂと対応付けられている。システム制御部２００は、第二スキャナ４０Ｂが読み取った識別コード１１に紐付けられた物品を収容する物品収容箱３０１のうち、第二棚エリア３００Ｂに配置された物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示するように制御する。

　第一スキャナ４０Ａで読み取った識別コード１１に紐付けられた物品を収容する物品収容箱３０１が第一棚エリア３００Ａに無い場合は、第一棚エリア３００Ａの何れピッキング表示部３１０もランプを点灯させない。識別コード１１の読取時にランプを点灯させないだけでは、梱包箱１０に入れるべき物品が第一棚エリア３００Ａに無いのか、システムの故障なのかを作業者が区別しにくい。
　このため、何れかのハンディスキャナ４０（４０Ａ、４０Ｂ）で識別コード１１を読み取ったときに、当該ハンディスキャナ４０と対応付けられた棚エリア（３００Ａ、３００Ｂ）に、梱包箱１０に入れるべき物品がないときには、物品を梱包箱１０に入れる必要がないことを報知する箱入れ不要報知手段を備えていてもよい。箱入れ不要報知手段としては、他の音と識別可能な音を発する構成や、ピッキング表示部３１０のランプとは識別可能なランプを点灯させることが考えられるが、これに限るものではない。

　次に、ピッキングシステム５００での作業者Ｘの作業を含めた梱包作業について説明する。
　梱包箱１０が、ローラコンベア４００によって搬送され第一搬送ゲート４１Ａを通過すると、第一作業者Ｘ１が第一スキャナ４０Ａを用いて梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取操作によってシステム制御部２００が識別コード１１の識別情報を取得し、この識別情報に紐付けられた物品のうち、第一棚エリア３００Ａに物品収容箱３０１が置かれている物品の物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示する。
　第一作業者Ｘ１は、ピッキング表示部３１０のランプが点灯している物品収容箱３０１から物品を表示された物品数だけ取り出し、梱包箱１０に入れる。第一棚エリア３００Ａ内にある梱包すべき物品が入れられた梱包箱１０は第二搬送ゲート４１Ｂに向けてローラコンベア４００によって搬送される。

　梱包箱１０が第二搬送ゲート４１Ｂを通過すると、第一搬送ゲート４１Ａ通過時と同様に、第二作業者Ｘ２が第二スキャナ４０Ｂを用いて梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取操作によってシステム制御部２００が識別コード１１の識別情報に紐付けられた物品のうち、第二棚エリア３００Ｂに物品収容箱３０１が置かれている物品の物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示する。
　第二作業者Ｘ２は、ピッキング表示部３１０のランプが点灯している物品収容箱３０１から物品を表示された物品数だけ取り出し、梱包箱１０に入れる。第二棚エリア３００Ｂ内にある梱包すべき物品が入れられた梱包箱１０は丁合機前搬送ゲート５１に向けてローラコンベア４００によって搬送される。

　物品棚３００のピッキング表示部３１０に、点灯したランプを消灯させる消灯スイッチを設けてもよい。ランプが点灯したピッキング表示部３１０に対応する物品収容箱３０１の物品を梱包箱１０に入れた後に、作業者Ｘが消灯スイッチを操作してランプを消灯することで、梱包箱１０に入れるべき物品が取り出されていない物品収容箱３０１に対応したピッキング表示部３１０のランプのみが点灯したままとなり、物品の入れ忘れを防止できる。

　梱包箱１０の識別コード１１を読み取る構成としては、ハンディスキャナ４０で読み取る構成に限らない。例えば、搬送ゲート４１（４１Ａ、４１Ｂ）等の固定された物品に識別コード１１を読み取るスキャナを配置し、識別コード１１を読み取ってもよい。ハンディスキャナ４０を用いる構成であれば、梱包箱１０における識別コード１１を付する位置の自由度が高くなり、さらに、梱包箱１０に入れられた伝票等の梱包箱１０と共に移動する他の物品に付された識別コード１１を読み取ることができる。

さらに、識別コード１１の代わりに、ＲＦＩＤタグのような無線通信可能な識別情報保持部を梱包箱１０と共に移動させる構成としてもよい。例えば、搬送ゲート４１等の所定の位置を通過したときに、識別情報保持部が保持する識別情報を読み取り、当該所定の位置に対応する棚エリアにおけるピッキング表示部３１０のうちの、読み取った識別情報に対応するピッキング表示部３１０のランプを点灯させる構成を挙げることができる。

　梱包箱１０が丁合機前搬送ゲート５１を通過すると、第三作業者Ｘ３が丁合機ハンディスキャナ５０を用いて梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取操作によって、丁合機１００は、識別コード１１を読み取ることで取得した識別情報に紐付けられたシート材を選んで丁合する選択丁合（詳細は後述）を実行し、識別コード１１の識別情報に紐付けられたシート材からなるシート束を出力する。本実施形態の丁合機１００では、それぞれの給送部（給送装置１）とその給送トレイ（給送トレイ１４）に積載しているシート材の情報とを対応付けて記憶しており、識別コード１１の識別情報に基づいて、作成するシート束に含ませるべきシートを積載している給送トレイ１４を特定し、特定した給送トレイ１４からの給送動作を実行することで、シート束を出力する。

　丁合機１００から出力されたシート束は上昇搬送機１１０によってローラコンベア４００よりも高い位置のシート束排出部１１０１に排出される。第三作業者Ｘ３はシート束排出部１１０１に排出されたシート束を梱包箱１０に入れ、梱包箱１０を下流側の工程に受け渡す。上昇搬送機１１０によって搬送されたシート束を作業者が梱包箱１０に入れる構成に限らず、上昇搬送機１１０から排出されるシート束が梱包箱１０内に落下する構成としてもよい。

　シート束排出部１１０１としては上下方向の位置を調整可能とし、梱包箱１０の高さに応じて予めシート束排出部１１０１の上下方向の位置を調整できる構成としてもよい。これにより、第三作業者Ｘ３がシート束排出部１１０１に排出されたシート束を梱包箱１０に入れる作業の作業性の向上を図ることができる。
　また、上昇搬送機１１０から排出されるシート束が梱包箱１０内に落下する構成の場合、上昇搬送機１１０の排出口の上下方向の位置を調整可能としてもよい。これにより、梱包箱１０の高さに応じた位置に排出口を配置でき、シート束が梱包箱１０の外に排出されることを防止できる。
　さらに、上昇搬送機１１０から排出されるシート束が梱包箱１０内に落下する構成の他の構成としては、排出口から排出されるシート束の排出方向の角度を調整可能としてもよい。具体的には、どの梱包箱１０の入口よりも排出口を高い位置に配置し、梱包箱１０が低いときには排出方向を鉛直下方に近づける方向に調整し、梱包箱１０が低いときには排出方向を鉛直下方から水平方向に近づける方向に調整する。これにより、梱包箱１０の高さに応じて、梱包箱１０の入口に向けてシート束を排出でき、シート束が梱包箱１０の外に排出されることを防止できる。

　上述したシート束排出部１１０１や排出口の上下方向の位置を調整可能とする構成や、上昇搬送機１１０の排出口からの排出方向を調整可能とする構成としては、今から搬送されてくる予定の梱包箱１０の高さに応じて、ユーザーが予め、手動で調整する構成とすることができる。また、手動に限らず、梱包箱１０の高さ情報を丁合制御部１５０が予め取得し、調整手段によって高さや排出方向を自動で調整する構成としてもよい。

　ローラコンベア４００としては、駆動の入力がなく、作業者Ｘが梱包箱１０を手で押すものでもよいし、ローラに駆動が入力されるものでもよい。駆動が入力されるものでは、ローラコンベア４００のローラが自動で回転して下流側に搬送するものでもよいし、梱包箱１０に担当の物品を入れ終わった作業者Ｘが搬送ボタンを押下する等の搬送操作を行うことで、当該作業者Ｘが担当するエリアのローラコンベア４００のローラが駆動回転して、下流側の搬送ゲート（４１、５１）に到達したことを検知すると、駆動を停止する制御としてもよい。

　次に、丁合機１００について説明する。
　図２は、本実施形態に係る丁合機１００の外観を表す斜視図であり、図３は、丁合機１００の内部構造を正面側からみた模式図である。
　丁合機１００は、筐体９を形成する図２中の手前側の板状部材（フロントプレート）図２中の奥側の板状部材（リアプレート）との間に、左右に突き出すように、十段ずつの棚が設けられている。左側の棚には第一～第十の給送トレイ１４（１４Ａ～１４Ｊ）と、第一～第十の給送機構１８（１８Ａ～１８Ｊ）とを備える第一～第十の給送装置１（１Ａ～１Ｊ）が設置されている（便宜的に、「１Ａ」～「１Ｉ」及び「１８Ａ」～「１８Ｉ」の符号の図示は省略している）。右側の棚には第十一～第二十の給送トレイ１４（１４Ｋ～１４Ｕ）と、第十一～第二十の給送機構１８（１８Ｋ～１８Ｕ）とを備える第十一～第二十の給送装置１（１Ｋ～１Ｕ）が設置されている（便宜的に、「１Ｌ」～「１Ｕ」及び「１８Ｌ」～「１８Ｕ」の符号の図示は省略している）。左側の最下段の第一給送トレイ１４Ａの下方には、折用給送トレイ１４１と折用給送機構１８０とを備える折用給送装置１４０が設置されている。給送装置１（１Ａ～１Ｕ）と、これを構成する給送トレイ１４（１４Ａ～１４Ｕ）及び給送機構１８（１８Ａ～１８Ｕ）とは、筐体９への取り付け位置や取り付け方向、大きさ、形状が異なるが、同様の構造を有する。以下の説明においてこれらを特に区別しない場合には、それぞれ「給送装置１」、「給送トレイ１４」及び「給送機構１８」と総称する。

　給送トレイ１４及び給送機構１８を備える給送装置１は、筐体９に取り外し可能に装着されている。具体的には、給送装置１は、ユーザーによって図示しないロック機構が解除されると、筐体９との係合が解除され、筐体９から取り外すことができるよう構成されている。このような係合方法は公知であるため説明は省略する。

　図２に示すように、筐体９を構成するフロントプレートの正面にはメイン操作パネル１６を備えるタブレット端末４が、丁合機１００の装置本体を構成する筐体９に対して着脱可能に設けられている。メイン操作パネル１６はタッチパネル式の液晶ディスプレイを有し、ユーザーが丁合処理のための操作入力を行うことができる。タブレット端末４を筐体９に装着している状態では、ＵＳＢ等の有線接続端子によって有線で接続し、丁合制御部１５０（図３参照）とタブレット制御部とが有線回線で通信可能となる。一方、タブレット端末４を筐体９から取り外している状態では、Ｗｉｆｉ（登録商標）等の無線通信回線によって丁合制御部１５０とタブレット制御部とが通信可能となる。メイン操作パネル１６等の主操作部としては装置本体に着脱可能な構成に限らず、筐体９に固定されたものでも良いし、装置本体に対して装着できず、分離した状態で使用するものでもよい。

　給送装置１は、それぞれが備える給送機構１８に対応するように給送操作パネル２０（図２では、便宜的に「第十給送操作パネル２０Ｊ」のみ符号を図示）を備える。給送操作パネル２０には、ユーザーが給送処理のための所定の操作入力を行うための複数の操作ボタンが設けられている。

　図３に示すように、丁合機１００は、サブ搬送機構２２及びメイン搬送機構２４をさらに備える。サブ搬送機構２２は各棚の給送機構１８に対応するように設けられる。給送機構１８は、給送トレイ１４に積載されたシート束の最上位のシート材を一枚ずつサブ搬送機構２２の搬送路に送り出す。サブ搬送機構２２は、給送機構１８から送り出されたシート材をメイン搬送機構２４に送り込む。メイン搬送機構２４は、筐体９内に上下方向に延在するように設けられる。メイン搬送機構２４は、各サブ搬送機構２２から送り込まれたシート材を、単独で、または複数枚を重ね合わせてシート束を作成しながら下方へ搬送する。

　丁合機１００は、折用紙搬送プレート２６、折用紙載置プレート２８、折用紙ストッパ３０、折ナイフ３２、及び一対のローラからなる折ローラ対３４をさらに有する。折用給送トレイ１４１には、メイン搬送機構２４により搬送されるシート束を内側に挟むように二つ折りされるシート材（以下、「折用シート材」という）が積載される。折用給送機構１８０は、折用給送トレイ１４１に積載された折用シート材の束の最上位の折用シート材を一枚ずつ折用紙搬送プレート２６に送り出す。

　折用紙搬送プレート２６は、折用紙搬送方向下流側（図３中の右側）の端部がメイン搬送機構２４の下端よりわずかに折用紙搬送方向上流側（図３中の左側）に位置するよう配置される。折用紙載置プレート２８は、二枚のプレートが間隔を開けて重ね合わさるように設けられている。折用紙載置プレート２８は、折用紙搬送方向上流側（図３中の左側）の端部が、メイン搬送機構２４の下端よりわずかに折用紙搬送方向下流側（図３中の右側）に位置するよう配置される。折用紙ストッパ３０は、折用紙載置プレート２８内に導かれた折用シート材の先端が当接するように配置される。折用紙ストッパ３０は、モータなどのアクチュエータを作動させることにより、折用紙載置プレート２８に沿って上流側及び下流側に移動可能に構成されている。

　丁合機１００には、丁合制御部１５０が設けられている。丁合制御部１５０は、各種の演算を実行するＣＰＵ、各種の制御プログラムを格納するＲＯＭ、及びデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるＲＡＭを有し、丁合機１００の内部に設けられたアクチュエータの作動などを制御する。ユーザーは、メイン操作パネル１６または給送操作パネル２０にて各種の設定入力を行うことが可能となっている。丁合機１００は、それぞれの給送トレイ１４に積載すべきシート材の識別情報である積載シート識別情報と、それぞれの給送トレイ１４の給送トレイ情報とを紐付けたデータベースの対応テーブルを丁合制御部１５０の記憶部に保存する。この対応テーブルは、メイン操作パネル１６からユーザーによって設定入力されるが、システム制御部２００から入力されてもよい。さらに、システム制御部２００から丁合制御部１５０には上述したシート材管理情報が入力され、丁合機ハンディスキャナ５０から丁合制御部１５０には識別コード１１を読み取った識別情報が入力される。
　丁合制御部１５０は、このように入力された情報に応じて丁合機１００の作動を制御する。

　丁合機１００における梱包箱１０の識別コード１１を読み取る構成としては、丁合機ハンディスキャナ５０のように移動可能なスキャナで読み取る構成に限らない。例えば、筐体９の外壁面等の丁合機１００の固定された外壁面に識別コード１１を読み取る固定型スキャナを配置し、識別コード１１を読み取ってもよい。また、移動可能なスキャナと固定型スキャナとの両方を備えていてもよい。移動可能なスキャナを用いる構成であれば、梱包箱１０における識別コード１１を付する位置の自由度が高くなり、さらに、梱包箱１０に入れられた伝票等の梱包箱１０と共に移動する他の物品に付された識別コード１１を読み取ることができる。

　丁合機１００は、さらにベルト搬送機構３６及び排出ローラ対３８を有する。折用給送トレイ１４１に積載された折用シート材にシート束を挟むようにして丁合する場合、まず折用給送トレイ１４１から折用紙載置プレート２８に向けて折用シート材が搬送され、折用紙ストッパ３０に突き当たって停止する。メイン搬送機構２４によって下方に搬送されながら形成されたシート束は、折用紙載置プレート２８上で停止した折用シート材に先端が突き当たる。丁合制御部１５０は、このタイミングで折ナイフ３２を回動させて（実線で示す位置から破線で示す位置に回動移動させる）、その先端を折用紙載置プレート２８上で停止した折用シート材に突き当て、折ローラ対３４に向けて押し付ける。こうしてシート束は、折用紙載置プレート２８上で停止した折用シート材とともに折ローラ対３４によって挟持され、折用紙載置プレート２８上で停止した折用シート材がシート束を挟むように折りたたまれ、折シート付きのシート束を形成し、ベルト搬送機構３６に搬送される。

　ベルト搬送機構３６は、さらに下流にシート束を搬送する。排出ローラ対３８は、搬送されたシート束を上昇搬送機１１０に向けて排出する。
　上述のように折用シート材にシート束を挟まない場合には、折用給送トレイ１４１から折用シート材は供給されず、メイン搬送機構２４によって下方に搬送されながら形成されたシート束は、そのまま折ローラ対３４によって挟持されてベルト搬送機構３６に搬送される。

　図２に示すように、筐体９を構成するフロントプレートの側面には、複数のトレイ表示ランプ１５が設けられている。図２では、第一～第十の給送トレイ１４（１４Ａ～１４Ｊ）に対応した第一～第十のトレイ表示ランプ１５（１５Ａ～１５Ｊ）を図示しているが、フロントプレートの反対側の側面には、第十一～第二十の給送トレイ１４（１４Ｋ～１４Ｕ）に対応した第十一～第二十のトレイ表示ランプ１５（１５Ｋ～１５Ｕ）を備える。
　トレイ表示ランプ１５の各々は、給送トレイ１４の各々に対応するよう給送トレイ１４の各々の周辺に設けられる。本実施形態では、トレイ表示ランプ１５の各々は、給送トレイ１４の手前側、且つ、給送トレイ１４と略同じ高さに配置される。

　トレイ表示ランプ１５は、複数の給送トレイ１４のうち、ユーザーが注目すべき給送トレイ１４を視覚によってユーザーに報知する視覚報知手段として機能する。
　例えば、丁合動作で給送不良が生じた場合、給送不良が生じた給送トレイ１４に対応するトレイ表示ランプ１５を点灯させる。また、シート材を給送トレイ１４に積載するときに、積載しようとするシート材を識別する積載シート識別情報が入力されたときに、シート材を積載すべき給送トレイ１４に対応するトレイ表示ランプ１５を点灯させてもよい（特開２０１０－１６３２４６の段落番号００７７等参照）。

　積載シート識別情報を入力する方法としては、作業者がメイン操作パネル１６から入力してもよいし、積載しようとするシート材の束とともに取得される伝票等に付された、または、シート材自体に付された積載シート識別情報を表示した積載シート識別コードを丁合機ハンディスキャナ５０で読み込んでもよい。

　積載シート識別情報と給送トレイ情報との対応テーブルを作成する構成としては、積載シート識別コードを読み取る給送部スキャナを全ての給送トレイ１４に設け、給送トレイ１４に積載されたシート束の最上部のシート材の表面に付された積載シート識別コードを給送部スキャナで読み取り、対応テーブルを作成する構成としてもよい。この構成であれば、給送トレイ１４に積載するシート束を取得した作業者は、予め作成された対応テーブルに基づいて決められた給送トレイ１４に積載する必要がなく、空いている給送トレイ１４に適宜積載することができる。

　次に、丁合機１００での選択丁合動作について説明する。
　丁合制御部１５０は、丁合機１００の電源が入った待機状態で、丁合機ハンディスキャナ５０によって読み取った識別コード１１に基づいて、その読取動作をトリガーとして実行する選択丁合動作で給送する給送トレイ１４を特定する。
　ここで、図４及び図５を用いて、この給送トレイ１４の特定方法について説明する。

　丁合制御部１５０は、丁合機ハンディスキャナ５０が識別コード１１を読み取ると、シート材管理情報として識別コード１１の識別情報に紐付けられたシート材の組み合わせである丁合対象シート識別情報を生成する。
　図４は、丁合機ハンディスキャナ５０によって識別コード１１が読み取られることで、丁合制御部１５０が生成する丁合対象シート識別情報の一例を示す図である。

　図４に示す「Ｐ００１」などのデータは、給送トレイ１４に積載されているシート材を識別するためのシート材識別情報である。図４では、「Ｐ００１」、「Ｐ００２」、「Ｐ００５」、「Ｐ００７」、「Ｐ００８」、「Ｐ０１０」のシート識別情報によって特定されるシート材が、ある識別コード１１に基づいた選択丁合動作によって丁合されるべきシート材であることが示されている。
　このように、識別コード１１は、その識別コード１１が付された梱包箱１０に入れるべきシート束に含ませるべき複数のシート材のシート材識別情報を特定する丁合対象特定情報を表示する丁合対象特定情報保持部である。

　図５は、丁合制御部１５０が保持する対応テーブルの一例を示す図である。対応テーブルには、給送トレイ１４の各々を特定する給送トレイ情報と、その給送トレイ１４に積載された用紙を識別する積載シート識別情報とが対応付けられている。図５では、第一給送トレイ１４Ａ～第十給送トレイ１４Ｊの各々に「Ｐ００１」～「Ｐ０１０」のシート識別情報の各々によって特定されるシート材が積載されていることを示している。

　丁合制御部１５０は、作業者がメイン操作パネル１６を操作して入力したシート識別情報を取得して、図５に示す対応テーブルを作成する。また、積載する前のシート材の束には、印刷などによりシート材に画像や文字を記録した後、その記録内容を識別するためのバーコードなどの識別記号が付された用紙（伝票）が添付されて納品される場合がある。この伝票に、シート識別情報が符号化された識別記号が付されていてもよい。このような場合、丁合制御部１５０は、丁合機ハンディスキャナ５０によって伝票の識別記号から読み出されたシート識別情報を取得し、その後、そのシート材を積載した給送トレイ１４が作業者に選択されることなどにより、取得したシート識別情報と給送トレイ情報とを対応づけて対応テーブルを作成してもよい。

　丁合制御部１５０は、丁合機ハンディスキャナ５０によって読み取った識別コード１１から生成される図４に示す丁合対象シート識別情報に含まれるシート識別情報から、図５に示す対応テーブルにおいて対応付けられている給送トレイ情報を特定する。丁合制御部１５０は、特定した給送トレイ情報が示す給送トレイ１４を、識別コード１１の読取動作をトリガーとして実行する選択丁合動作で給送する給送トレイ１４（以下、「選択丁合特定給送トレイ」と呼ぶことがある）として特定する。丁合して作成するシート束は、折用シート材で挟んだ方が作成後のシート束が崩れにくいため、全てシート束に含ませることができる共通のシート材を折用シート材として折用給送トレイ１４１に積載し、折用シート材を全てのシート束に含ませるように選択丁合を行うことが望ましい。

　丁合制御部１５０は、折用給送トレイ１４１及び選択丁合特定給送トレイの各々からシート材を送り出してシート束を形成させるよう、折用給送機構１８０及び給送機構１８の各々によるシート材の送り出しを制御する。

　図４に示す丁合対象シート識別情報に含まれるシート識別情報は、「Ｐ００１」、「Ｐ００２」、「Ｐ００５」、「Ｐ００７」、「Ｐ００８」及び「Ｐ０１０」であり、図５に示す対応テーブルにおいて、これらのシート識別情報に対応付けられている給送トレイ情報は、「１」、「２」、「５」、「７」、「８」及び「１０」となっている。したがって、丁合制御部１５０は、これらの給送トレイ情報に対応する第一給送トレイ１４Ａ、第二給送トレイ１４Ｂ、第五給送トレイ１４Ｅ、第七給送トレイ１４Ｇ、第八給送トレイ１４Ｈ及び第十給送トレイ１４Ｊの各々に、選択丁合動作で作成するシート束に含ませるべき複数のシート材の各々が積載されていると判定する。丁合制御部１５０は、これらの給送トレイ１４の各々に対応する給送機構１８を作動させてシート材を送り出し、シート束を作成する。

　ピッキングシステム５００で使用される丁合機１００では、先の選択丁合動作で作成されたシート束と、次の選択丁合動作で作成されるシート束とで、含まれるシート材の組み合わせが異なることが多い。このため、梱包箱１０に入れるシート束の取り違えや混載を防ぐことが求められる。

　丁合機１００では、丁合機ハンディスキャナ５０で識別コード１１を一回読み込むことをトリガーとして、識別情報に基づいた選択丁合動作を一回実行し、一束のシート束を作成する。このため、実行中の選択丁合動作が終了するまでは、丁合機ハンディスキャナ５０での識別コード１１の読み込みを行なえない構成となっている。例えば、識別コード１１の読み込み後、丁合機１００からシート束が排出されるまでの時間を予め測定しておき、この測定した時間が経過するまでは丁合機ハンディスキャナ５０による読み込みを停止する構成が考えられる。また、他の例としては、丁合機１００の排出部近傍の搬送経路や、丁合機１００から排出されたシート束を搬送する上昇搬送機１１０内の搬送経路に通過センサを配置し、丁合機ハンディスキャナ５０での識別コード１１の読み込み後、当該通過センサでシート束の通過を検出するまでは、丁合機ハンディスキャナ５０による読み込みを停止する構成が考えられる。さらに、他の例として、シート束排出部１１０１にシート束の検知センサを配置し、丁合機ハンディスキャナ５０での識別コード１１の読み込み後、当該検知センサでシート束の到達を検知し、その後、シート束が取り出されることを検知するまでは、丁合機ハンディスキャナ５０による読み込みを停止する構成が考えられる。

　ピッキングシステム５００で使用される丁合機１００では、給送機構１８での給送不良や、サブ搬送機構２２及びメイン搬送機構２４での搬送機構の不良など、それぞれの給送トレイ１４から丁合機１００の排出部までのシート材の搬送経路におけるシート材の搬送不良によって、シート束に含めるべきシート材が足りない状態で、シート束が梱包箱１０に入れられることを防止することが求められる。さらに、ピッキングシステム５００の上流工程から梱包箱１０が次々と受け渡されるため、丁合機１００での搬送不良によってシート材の一部または全部を丁合機１００の出口から排出できない状態となっていても作業者Ｘが梱包箱１０に入れるべきシート束を作成できることが求められる。
　丁合機１００での搬送不良（給送機構１８での給送不良とサブ搬送機構２２及びメイン搬送機構２４での搬送不良との何れも含む）の発生の検知方法としては、公知の方法を用いることができるため、説明は省略する。

　丁合機１００では、選択丁合動作中に、給送不良が生じたシート材が積載された給送トレイ１４に対応したトレイ表示ランプ１５を点灯させ、給送不良が生じていないシート材によってシート束を作成し、シート束排出部１１０１またはリジェクトトレイ１６０に排出する構成となっている。
　この構成により、給送不良が発生したときには、トレイ表示ランプ１５が点灯している給送トレイ１４から作業者Ｘが手作業でシート材を取り出し、シート束排出部１１０１またはリジェクトトレイ１６０に排出されたシート束と重ねることで、作業者Ｘは、梱包箱１０に入れるべきシート束を作成することができる。

　丁合機１００としては、複数のトレイ表示ランプ１５のそれぞれに対応したトレイランプ消灯操作部を設けてもよい。トレイ表示ランプ１５が点灯した給送トレイ１４から作業者Ｘが手作業でシート材を取り出した後に、作業者Ｘがトレイランプ消灯操作部を操作してトレイ表示ランプ１５を消灯することで、選択丁合特定給送トレイの中で給送不良が生じた給送トレイ１４のうち、シート材が取り出されていない給送トレイ１４に対応したトレイ表示ランプ１５のみが点灯したままとなり、シート材の取り忘れを防止できる。

　また、丁合機１００では、給送不良が生じた後であっても、特別な給送不良解消を確認する操作は必要なく、丁合機ハンディスキャナ５０による識別コード１１の読み込みが行われると、次の選択丁合動作が実行される構成となっている。点灯中のトレイ表示ランプ１５がある状態で、丁合機ハンディスキャナ５０による読取動作が行われると、点灯中のトレイ表示ランプ１５は消灯し、当該読取動作に基づいた選択丁合動作で給送不良が生じた場合は再び点灯する。

　搬送不良（特に給送不良）は、シート材を送る部材とシート材との間の滑り等により、一時的に発生することがある。このような場合、次の読み込み動作をトリガーとして、選択丁合動作を実行しても、問題なく選択丁合が行えることがある。丁合機１００では、給送エラー発生後に給送エラー解消を確認する操作がなくても、丁合機ハンディスキャナ５０の読み込み動作が行われると次の選択丁合動作が実行されるため、一時的な不良が発生したときに、不良個所の確認作業に時間を割くことなく、梱包箱１０に入れるべきシート束を作成することができる。
　また、一時的な不良ではなかったとしても、実行した選択丁合動作の選択丁合特定給送トレイのうち、シート材を給送でなかった給送トレイ１４は対応するトレイ表示ランプ１５が再び点灯するため、作業者Ｘの手作業によるシート材の取り出しによって梱包箱１０に入れるべきシート束を作成することができる。

　上述した搬送不良が一時的な不良ではない場合、不良個所の修理等が行われるまでは該当箇所の搬送動作を停止することが望ましい。そこで、二回連続等の所定回数の連続した不良が生じた場合や搬送動作の１０回に１回の頻度で不良が発生する等の所定の割合で不良が生じる場合には、当該不良個所に不良が生じることによってシート材を供給できなくなる給送トレイ１４を所定の不良解消確認操作がされるまでは給送停止状態に設定とする。例えば、不良個所が給送機構１８やサブ搬送機構２２の場合は、該当する給送トレイ１４を給送停止状態に設定する。不良個所がメイン搬送機構２４の場合であって、メイン搬送機構２４の搬送を部分的に停止できる構成の場合は、不良個所よりも上流側のメイン搬送機構２４にシート材を供給する給送トレイ１４を給送停止状態に設定する。
　また、作業者Ｘがメイン操作パネル１６や給送操作パネル２０を手動操作することで、一部または全部の給送トレイ１４を給送停止状態に設定できる構成としてもよい。

　丁合機１００は、給送トレイ１４の一部または全部が給送停止状態に設定されている状態であっても、丁合機ハンディスキャナ５０による識別コード１１の読み込みを行い、次の選択丁合動作で給送すべき給送トレイ１４（選択丁合特定給送トレイ）を特定することができる構成となっている。

　選択丁合特定給送トレイの中に、給送停止状態に設定された給送トレイ１４が含まれていない場合には、丁合制御部１５０は、上述した選択丁合動作を実行する制御を行う。
　選択丁合特定給送トレイの中に、給送停止状態に設定された給送トレイ１４が含まれている場合には、丁合制御部１５０は、選択丁合特定給送トレイのうち給送停止状態ではない給送トレイ１４からシート材を給送してシート束を作成するとともに、選択丁合特定給送トレイのうち給送停止状態の給送トレイ１４に対応するトレイ表示ランプ１５を点灯させる制御を行う。このような制御により、トレイ表示ランプ１５が点灯した給送トレイ１４のシート材を作業者Ｘが手作業で取り出して、作成されたシート束に重なることで、梱包箱１０に入れるべきシート束を作成することができる。

　また、全ての給送トレイ１４が給送停止状態に設定されている場合には、丁合制御部１５０は、丁合機ハンディスキャナ５０の読み込みによる選択丁合特定給送トレイの特定と、選択丁合特定給送トレイに対応するトレイ表示ランプ１５の点灯とを行うように制御する。この制御の状態では、作業者Ｘは、丁合機ハンディスキャナ５０で識別コード１１を読み込んだ後、トレイ表示ランプ１５が点灯している給送トレイ１４の全てからシート材を取り出して、折用給送トレイ１４１の折用シート材に挟むことを手作業で行うことで、梱包箱１０に入れるべきシート束を作成することができる。

　全ての給送トレイ１４が給送停止状態でも折用給送トレイ１４１に積載されたシート材を搬送できる場合は、折用給送トレイ１４１からの給送を行ってもよい。これにより、作業者Ｘが折用シート材を折る手間を省いてシート束を作成できる。

　全ての給送トレイ１４が給送停止状態に設定された場合に、丁合制御部１５０が、シート材の搬送に関わる駆動源への電力の供給を停止する制御を行うように構成してもよい。駆動源への電力の供給を停止しても、丁合機ハンディスキャナ５０の読み込みによる選択丁合特定給送トレイの特定と、選択丁合特定給送トレイに対応するトレイ表示ランプ１５の点灯とを行うことができる。また、駆動源への電力の供給を停止することで、手作業でシート束を作成する作業者Ｘとは別の作業者Ｘが丁合作業を止めることなく、丁合機１００での不良個所の修理を行うことが可能となる。

　このように、給送トレイ１４の一部または全部が給送停止状態となっても、作業者Ｘの手作業により所望のシート束を作成することができるので、ピッキングシステム５００の上流工程から受け渡される梱包箱１０の流れを止めることなく、梱包箱１０に入れるべきシート束を作成し、梱包箱１０に入れることができる。

　メイン搬送機構２４で紙詰りが発生した場合には、選択丁合特定給送トレイに対応するすべてのトレイ表示ランプ１５を点灯させる。その後、不良解除ボタンを押されたら通常の待機状態となる。その後、紙詰まり自体や紙詰まりの原因等、不良が解消できないときには、丁合停止設定（丁合停止ボタン等）をできるようにする。この設定では、上述した全ての給送トレイ１４が給送停止状態に設定された場合と同様の制御を行い、丁合機ハンディスキャナ５０が識別コード１１を読み込む度に選択丁合特定給送トレイに対応するすべてのトレイ表示ランプ１５を点灯させる。
　また、駆動源の故障の場合も上述した丁合停止設定で対応可能である。
　このように丁合機１００は、丁合動作ができない状態であっても、識別コード１１を読み込み、対応するシート材が積載された給送トレイ１４のトレイ表示ランプ１５を点灯させるため、作業者Ｘは丁合作業を継続できる。これにより、丁合機１００の故障に起因して、ピッキングシステム５００におけるピッキング作業が停滞することを抑制できる。

　上述した説明では、給送エラーが生じた後に特別な給送エラー解消を確認する操作しなくても、丁合機ハンディスキャナ５０による識別コード１１の読み込みが行われると、次の選択丁合動作が実行される構成について説明した。この構成では、トレイ表示ランプ１５の点灯等のエラー発生を報知している状態（スタートボタン、リセットボタン、確認ボタンの押圧等のエラー確認操作が行われていない状態）であっても、丁合機ハンディスキャナ５０で次の読み込みが行われたら次の選択丁合動作を実行する。この構成のエラー発生時には、作業者Ｘは、トレイ表示ランプ１５が点灯した給送トレイ１４からシート材を一枚ずつ取り出して、その他のシート材によって作成されたシート束に重ねて梱包箱１０に入れて、次の梱包箱１０の識別コード１１を読むだけでよく、作業効率が高くなる。

　このような構成とは異なる構成として、選択丁合動作開始後に給送エラーが生じた場合、エラーに対応したことを確認する信号の入力が確認できるまで、丁合機ハンディスキャナ５０による読み取りができない構成としてもよい。

　詳しくは、丁合制御部１５０は、エラー発生時や給送停止状態の給送トレイ１４が選択丁合特定給送トレイとなったときなど、トレイ表示ランプ１５が点灯した後、点灯したトレイ表示ランプ１５を消灯する信号（トレイランプ消灯操作部の操作信号、給送トレイ１４上のシート材が給送方向の上流側に移動したことの検知信号等）の入力がない状態で次の識別コード１１を読み込む動作が行われると、選択丁合動作を行わず、警告音や警告ランプで報知する制御を行う。ここで、給送トレイ１４上のシート材が給送方向の上流側に移動したことの検知信号は、作業者Ｘによって給送トレイ１４からシート材が取り出されたことを推認できる信号であり、例えば、給送トレイ１４の給送ローラの逆回転を検知する検知信号を挙げることができる。この制御では、給送できなかったシート材が取り出されて、シート束に追加されたことを推認できるような信号の入力が無い場合には次の選択丁合動作を実行しない。

　このような制御を行う丁合機１００では、エラー発生時に作業者Ｘは、次のような作業を行う。
　トレイ表示ランプ１５が点灯した給送トレイ１４から一枚ずつシート材を取り出す。取り出した給送トレイ１４に対応するトレイランプ消灯操作部を操作する。取り出したシート材を排出されたシート束に重ねて梱包箱１０に入れる。次の梱包箱１０の識別コード１１を丁合機ハンディスキャナ５０で読み込ませる。
このような構成では、エラー発生時に、トレイ表示ランプ１５を消灯する操作がなされていない給送トレイ１４がある状態で、次の識別コード１１の読取動作が行われると、警告が発せられるため、シート束に入れるべきシート材の抜けを防止できる。

　エラーに対応したことを確認する信号の入力としては、トレイランプ消灯操作部等の各給送トレイに対応した確認操作部の操作に限らず、エラー解除ボタン等の丁合機１００全体のエラー状態を解除する操作部の操作信号でもよい。

　上述した説明では、選択丁合特定給送トレイに給送不良が生じた場合や、給送停止状態に設定された給送トレイ１４が選択丁合特定給送トレイに特定された場合等、選択丁合特定給送トレイのうち給送できなかった給送トレイ１４のトレイ表示ランプ１５を点灯させる構成について説明した。選択丁合特定給送トレイのうちの一部が給送できなかった場合であっても、選択丁合特定給送トレイの全てのトレイ表示ランプ１５を点灯させる設定ができる構成としてもよい。この設定では、トレイ表示ランプ１５が点灯したときに、作業者Ｘは、排出されたシート束は使用せず、トレイ表示ランプ１５が点灯した全ての給送トレイ１４からシート材を手作業で取り出し、シート束を作成して梱包箱１０に入れる。

　選択丁合特定給送トレイの全てのトレイ表示ランプ１５を点灯させる設定では、トレイ表示ランプ１５を点灯した後の制御は、解除操作なしに、次の識別コード１１が読み取られたら次の選択丁合動作を開始してもよい。また、解除操作無しに読み込みが行われたら警報を報知してもよい。解除操作としては、それぞれの給送トレイ１４に対応した操作部をすべて操作することを条件としてもよいし、一つの操作部を操作することを条件としてもよい。

　次に、同じ種類のシート材は複数の給送トレイ１４に載置して、一方の給送トレイ１４から給送できなくなった場合は、他方の給送トレイ１４から給送する連段設定を行える構成としてもよい。
　図６は、連段設定での丁合制御部１５０が保持する対応テーブルの一例を示す図である。
　図６に示すように、連段設定では一つの積載シート識別情報が二つの給送トレイ情報に対して対応付けられており、作業者Ｘは各給送トレイ１４に対応付けられたシート材を載置する。

　図６に示す対応テーブルを用いる構成では、同じシート材を二つの給送トレイ１４に積載しておき、連段設定では、同じシート材が積載された二つの給送トレイ１４のうちの一方から給送する設定とする。そして、当該一方の給送トレイ１４が選択丁合特定給送トレイに特定され、給送を行なおうとしたときに、給送不良が発生した場合は、他の選択丁合特定給送トレイから給送されたシート材を丁合してシート束を作成するとともに、二つの給送トレイ１４のうちの他方の給送トレイ１４から一枚のシート材を給送する。これにより、排出部にはシート束の上に一枚のシート材が重なるように排出される。作業者Ｘは、排出されたシート束と一枚のシート材とを重ねて梱包箱１０に入れる。

　例えば、第一、第三、第五及び第七の給送トレイ１４を選択丁合特定給送トレイとして選択丁合動作を実行し、第七給送トレイ１４Ｇに給送不良が発生した場合、他の給送トレイ１４から給送されるシート材（Ｐ００１、Ｐ００２、Ｐ００３）によってシート束を作成し、このシート束を排出する。その後、給送不良が発生した第七給送トレイ１４Ｇと連段設定された第八給送トレイ１４Ｈのみからの給送を行い、シート材が一枚足りない状態のシート束に続いて不足分のシート材（Ｐ００４）が排出される。
　その後、第七給送トレイ１４Ｇの給送不良が解消されるまでは、丁合対象シート識別情報に「Ｐ０００４」のシート識別情報が含まれる選択丁合動作を実行する場合には、第八給送トレイ１４Ｈからの給送を行う。
　このとき、第七給送トレイ１４Ｇのトレイ表示ランプ１５は点灯させてもよいし、点灯させなくてもよい。

　上述した丁合機１００では、給送できなかった給送トレイ１４から作業者Ｘが手作業でシート材を取り出し、作成されたシート束に重ねる構成について説明した。これに対して、シート束を梱包箱１０に入れる担当の第三作業者Ｘ３の近く等、梱包箱１０が通過する搬送経路の近くに、手入れ用のシート材が収容された手入れシート棚を配置する構成としてもよい。この構成の手入れシート棚は、丁合機１００の給送トレイ１４にそれぞれに対応した手入れシート収容部を複数備え、各手入れシート収容部にはトレイ表示ランプ１５と同様の収容部表示ランプを備える。そして、上述した構成で、トレイ表示ランプ１５を点灯させる状態となったときには、トレイ表示ランプ１５を点灯させる代わりに、または、トレイ表示ランプ１５の点灯とともに、収容部表示ランプを点灯させる。
　収容部表示ランプを有する手入れシート棚を備える構成では、第三作業者Ｘ３は、収容部表示ランプが点灯した手入れシート収容部からシート材を一枚とって丁合機１００から排出されたシート束に重ねて梱包箱１０に入れる。この構成では、作業者Ｘは、手作業で取り出すこと専用の手入れシート収容部からシート材を取り出すため、給送トレイ１４からシート材を取り出すよりも取り出しやすい構成が実現可能となる。

　丁合機１００の排出部に包装装置を配置して、丁合機１００が作成したシート束を包装して排出し、梱包箱１０に入れる構成としてもよい。
　また、図１に示す上昇搬送機１１０は、傾斜したベルトコンベアでシート束を上昇させる構成であるが、シート束を載置した昇降板を上昇させるエレベータ型の上昇装置を用いてもよい。
　上述した上昇搬送機１１０から排出されるシート束が梱包箱１０内に落下する構成の場合、排出位置の下方に梱包箱１０が位置するタイミングでシート束が落下するようにタイミングを制御する。

　本実施形態の丁合機ハンディスキャナ５０は、物体の表面上に形成された視認可能な丁合対象特定情報保持部である識別コード１１（バーコードや二次元コード等）を読み込むことで丁合対象特定情報を取得するものである。丁合対象特定情報を取得する丁合情報読取手段としては、これに限るものではない。丁合対象特定情報が格納されたＲＦＩＤ（ｒａｄｉｏｆｒｅｑｕｅｎｃｙｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）タグが梱包箱１０や梱包箱１０と共に移動する伝票に付されていてもよく、丁合機ハンディスキャナ５０に代えてＲＦＩＤ受信器が設けられていてもよい。これによっても、搬送されてくる梱包箱１０から丁合対象特定情報を読み取ることができる。

　ここで、図１に示すピッキングシステム５００のようなピッキングシステムを用いることができるミールキット宅配サービスについて説明する。
　近年、ミールキット宅配サービスと呼ばれるサービスが知られている。このサービスは、利用者がインターネットやカタログに掲載された料理の中から自宅で作りたい料理を選択して発注し、サービス提供者が選択された料理の食材を梱包した荷物を利用者に配達するサービスである。このサービスでは食材だけでなく、選択された料理の手順書（レシピ）が記載された印刷物（以下、「レシピカード」と呼ぶ）を同梱することで、利用者は配達された荷物を開梱して食材とレシピカードとを手に取ることができ、インターネット上のレシピやカタログレシピ等の別途レシピを確認することなく料理を作ることができる。

　このようなミールキット宅配サービスでは、注文ごとに複数種類の食材を収集箱に収集するピッキング作業を行い、収集した食材を段ボール箱や発泡スチロール箱等の梱包箱に梱包して発送する。このピッキング作業を行うピッキングシステムとしては、食材等の物品を種類ごとに分けて収容する複数の物品収容部（物品収容箱３０１）と、複数の物品収容部の近くを通過するように収集箱（梱包箱１０）が搬送される箱通過経路（ローラコンベア４００）とを備え、箱通過経路を通過する収集箱に入れるべき物品の物品棚の近くに収集箱が到達したときに、作業者（作業者Ｘ）が手作業で物品を収集箱に入れる方式（「摘み取り方式」とも呼ばれる）のピッキングシステムが知られている（例えば、特許文献２等）。
　収集箱としては、利用者に配達する梱包箱でも良いし、梱包箱とは別の収集専用箱でも良く、収集専用箱の場合は、ピッキング作業後に収集専用箱内の物品を梱包箱に移して発送する。

　従来のピッキングシステムでレシピカードを同梱する場合、レシピカードを収容したレシピ収容部を物品収容部と同様に箱通過経路の近くに配置し、収集箱に入れるべきレシピカードを作業者が手作業で収集箱に入れる作業が考えられる。また、収集箱に集めた物品を梱包箱に入れ替えるシステムの場合は、収集箱から物品を移された梱包箱の通過経路の近くにレシピ収容部を配置して、梱包箱に入れるべきレシピカードを作業者が手作業で梱包箱に入れる作業が考えられる。

　しかし、上述したミールキット宅配サービスでは、複数の料理に対応した食材をまとめて注文される場合が多くある。この場合、複数の料理に対応するように複数枚のレシピカードを同梱することになる。また、注文ごとに複数の料理の組み合わせが異なるため、注文ごとに異なる組み合わせからなる複数種類のレシピカードを同梱することになる。
　作業者が手作業で入れる場合、複数のレシピ収容部から一枚ずつレシピカードを作業者が手作業で取り出して、複数枚のレシピカードを収集することは時間と手間がかかる。
　複数種類のレシピカードを収集するシステムとして、特許文献３に記載された丁合装置の給送トレイ（給紙板）にそれぞれレシピカードを載置しておき、必要なレシピカードを束ねた丁合束（以下、「レシピ束」という）を作成するシステムが考えられる。しかしながら、特許文献３に記載の丁合装置は、予め入力された丁合条件に応じて複数枚のシート材を丁合して丁合束を作成するものであり、収集箱が到達する度に異なる組み合わせとなる複数種類のレシピカードを丁合してレシピ束を作成することには対応していない。このため、収集箱が到達する度にレシピカードの組み合わせが異なるレシピ束を作成可能な丁合装置が望まれる。

　本実施形態のピッキングシステム５００を上述したミールキット宅配サービスにも用いる場合、例えば、丁合機１００の給送トレイ１４のそれぞれにレシピカードを積載し、折用給送トレイ１４１には広告印刷物等の全ての利用者に共通で配布するシート材を積載する。そして、第三作業者Ｘ３が、収集箱が到達する度に収集箱と共に移動してくる識別コード１１を丁合機ハンディスキャナ５０で読み取ることで、レシピカードの組み合わせが異なるレシピ束を作成することができる。

［変形例］
　図７は、変形例のピッキングシステム５００の概略説明図である。
　変形例のピッキングシステム５００は、図１等を用いて説明したピッキングシステム５００の一部を変更した構成であるため、共通する構成については説明を省略する。

　変形例は、識別コード１１を読み取るスキャナが、搬送ゲート４１（４１Ａ、４１Ｂ）及び丁合機前搬送ゲート５１にそれぞれ固定された固定スキャナ４５（４５Ａ、４５Ｂ）及び丁合用固定スキャナ５５を備える。

　変形例では、丁合情報読取手段である丁合用固定スキャナ５５はシステム制御部２００に接続されており、システム制御部２００はデータ入力部６００から管理情報を受け取ると、物品管理情報は、上記実施形態と同様に、不図示の物品管理情報記憶部に記憶する。識別コード１１とシート材との組合せであるシート材管理情報は、変形例では、システム制御部２００が備える不図示のシート材管理情報記憶部に記憶する。丁合用固定スキャナ５５が読み取った丁合対象特定情報は、システム制御部２００を介して、丁合すべきシート材の情報または選択丁合動作で給送動作を実行すべき給送トレイ１４の情報として丁合機１００の丁合制御部１５０に送信され、次の選択丁合動作で給送すべき給送トレイ１４（選択丁合特定給送トレイ）を特定することができる構成となっている。

　さらに、変形例では、丁合機１００の排出部（排出ローラ対３８）と上昇搬送機１１０との間にシート束滞留装置１７０を備える。シート束滞留装置１７０は、丁合機１００から排出されたシート束を受け取ると、その内部で滞留させ、所定の丁合束排出可能信号を受信すると滞留させていたシート束を上昇搬送機１１０に送出する。また、本変形例のシート束滞留装置１７０は揃え機能を備えており、滞留させたシート束の端面を揃え部材で叩くことでシート束を揃える。

　この変形例では、シート束排出部１１０１を備えず、シート束滞留装置１７０から送出され、上昇搬送機１１０を通過したシート束は、上昇搬送機１１０の下流側端部の排出口１１１から排出される。丁合束排出可能信号は、排出口１１１から排出されたシート束が梱包箱１０に投入される位置に梱包箱１０が到達したことを示す信号である。例えば、排出口１１１の下方に梱包箱１０が到達したことを検知する到達検知センサを配置し、この到達検知センサの検知信号に基づいてシステム制御部２００または丁合制御部１５０から発生される信号でもよい。また、他の例としては、梱包箱１０が丁合機前搬送ゲート５１を通過してからローラコンベア４００が所定の移動量だけ移動したタイミングを算出して、この算出したタイミングに基づいて発生されるシステム制御部２００または丁合制御部１５０から信号でも良い。

　変形例の丁合機１００では、丁合機前搬送ゲート５１を梱包箱１０が通過したことを検知する通過検知センサを備え、この通過検知センサの検知信号を受信したシステム制御部２００が所定のタイミングで丁合束排出可能信号を丁合制御部１５０に送信する。丁合制御部１５０は、システム制御部２００から丁合対象特定情報を取得後、丁合束排出可能信号を受信すると、丁合制御部１５０はシート束滞留装置１７０内のシート束を上昇搬送機１１０に受け渡す制御を実行する。

　次に、変形例のピッキングシステム５００での作業者Ｘの作業を含めた梱包作業について説明する。
　梱包箱１０が、ローラコンベア４００によって搬送され第一搬送ゲート４１Ａを通過する際に、第一固定スキャナ４５Ａが梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取動作によってシステム制御部２００が識別コード１１の識別情報を取得し、この識別情報に紐付けられた物品のうち、第一棚エリア３００Ａに物品収容箱３０１が置かれている物品の物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示する。第一作業者Ｘ１は、ピッキング表示部３１０のランプが点灯している物品収容箱３０１から物品を表示された物品数だけ取り出し、梱包箱１０に入れる。第一棚エリア３００Ａ内にある梱包すべき物品が入れられた梱包箱１０は第二搬送ゲート４１Ｂに向けてローラコンベア４００によって搬送される。

　梱包箱１０が第二搬送ゲート４１Ｂを通過する際には、第一搬送ゲート４１Ａ通過時と同様に、第二固定スキャナ４５Ｂが梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取動作によってシステム制御部２００が識別コード１１の識別情報に紐付けられた物品のうち、第二棚エリア３００Ｂに物品収容箱３０１が置かれている物品の物品収容箱３０１の下方のピッキング表示部３１０のランプを点灯させ、数値表示部に物品数を表示する。第二作業者Ｘ２は、ピッキング表示部３１０のランプが点灯している物品収容箱３０１から物品を表示された物品数だけ取り出し、梱包箱１０に入れる。第二棚エリア３００Ｂ内にある梱包すべき物品が入れられた梱包箱１０は丁合機前搬送ゲート５１に向けてローラコンベア４００によって搬送される。

　梱包箱１０が丁合機前搬送ゲート５１を通過すると、丁合機前搬送ゲート５１に固定された丁合用固定スキャナ５５が梱包箱１０の識別コード１１を読み取る。この読取動作によってシステム制御部２００が識別コード１１の識別情報に紐付けられた丁合すべきシート材の情報を作成し、丁合制御部１５０に送信する。丁合制御部１５０は、丁合すべきシート材の情報を受信すると、丁合すべきシート材を収容する給送装置１を選んで給送動作を実行して丁合する選択丁合を実行し、識別コード１１の識別情報に紐付けられたシート材を束ねたシート束を出力する。

　丁合機１００から出力されたシート束は、シート束滞留装置１７０で滞留し、滞留している間に揃え処理が実行される。そして、システム制御部２００が丁合束排出可能信号を丁合制御部１５０に送信すると、丁合制御部１５０はシート束滞留装置１７０内のシート束を上昇搬送機１１０に受け渡す制御を実行し、上昇搬送機１１０に受け渡されたシート束は排出口１１１から梱包箱１０内に向けて排出される。

　変形例では、丁合用固定スキャナ５５が識別コード１１を読み取って取得される丁合対象特定情報は、システム制御部２００を介して丁合制御部１５０に送信される構成である。そして、丁合用固定スキャナ５５が識別コード１１を読み取ったことをトリガーとして、丁合機１００が選択丁合動作を実行する構成である。選択丁合動作で作成されたシート束は梱包箱１０内に向けて排出される。変形例では、選択丁合動作のために識別コード１１を読み取る工程と、梱包箱１０内へシート束を入れる工程とがともに、作業者Ｘが不要であり、図１に示す実施形態と比べて必要な作業者数の削減を図ることができる。なお、故障時等の作業者Ｘの手作業を含めた選択丁合は、上述した実施形態と同様の処理を行うことができる。

　変形例では、梱包箱１０にシート束を受け渡すシート束受渡部を構成する上昇搬送機１１０の一つに対して、一つの丁合機１００を配置する構成であるが、一つのシート束受渡部に対して複数の丁合機１００を配置する構成としてもよい。例えば、二以上の丁合機１００を直列に配置して、より多くのシート材の中から丁合するシート材を選んで選択丁合可能な構成としてもよい。

　また、ローラコンベア４００の搬送方向に複数のシート束受渡部を配置して、複数のシート束受渡部に対応する複数の丁合機１００を用いて選択丁合可能としてもよい。この場合、それぞれのシート束受渡部で、識別コード１１を読み取って選択丁合を行ってもよいし、最上流側のシート束受渡部のみで識別コード１１を読み取って、読み取った情報を下流側のシート束受渡部での選択丁合に用いてもよい。

　さらに、ローラコンベア４００の搬送方向における丁合機１００によるシート束受渡部の上流側または下流側に、シート材を一枚ずつ給送可能するシート材給送装置を配置し、丁合機１００とシート材給送装置とを含んで選択丁合可能としてもよい。これにより、厚紙等の丁合機１００では給送することが困難なシート材であっても選択丁合で選択するシート材に含めることができる。シート材給送装置を追加する構成では、丁合機１００とシート材給送装置とで給送機構を異ならせてもよい。例えば、丁合機１００の各給送部の給送機構をエア吸引式のベルト給送を採用し、シート材給送装置の給送機構としてはフリクションフィーダー等とよばれる摩擦式のローラ給送を採用することができる。

　シート材給送装置を追加する構成としては、丁合機１００とは別のシート束受渡部を設けても良いし、丁合機１００が作成したシート束とシート材給送装置が給送したシート材との搬送経路を合流させて、共通のシート束受渡部からシート材を受け渡す構成としてもよい。

　本実施形態の丁合機１００は、複数の給送装置１を縦方向に複数並べて設けているが本発明が適用可能な丁合装置は、複数の給送装置等の給送部を縦方向に複数並べて設けたものに限らず、複数の給送部を横方向に複数並べて設けたものでもよい。しかし、本実施形態の丁合機１００のように、給送部を縦方向に複数並べることで設置スペースの省スペース化を図ることができる。さらに、給送不良等が発生して作業者が手作業で給送部のシート材収容部（給送トレイ１４）からシート材を取り出すときに、給送部が縦方向に複数並んでいることにより、作業者の移動距離が少なくて済み、給送不良発生時の丁合作業の効率化を図ることができる。

　丁合機１００の各部を制御する丁合制御部１５０としては、丁合機１００における丁合処理を行う筐体の内部に備える構成でも良いし、丁合処理を行う筐体と接続するパーソナルコンピューターやタブレット端末が丁合制御部１５０として機能する構成でもよい。

　本発明に係る丁合装置としては、図１に示す丁合機１００のように、ピッキングシステム５００に含まれるものに限らない。例えば、丁合機ハンディスキャナ５０を備えた丁合機１００をイベント会場に配置して、入場者が持つ識別コード１１を読み込むことで、入場者の属性に応じた配布物からなるシート束を入場者に提供することができる。

　以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。

〔態様１〕
　態様１は、複数の給送装置１等の給送部のうち選択された給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねてシート束等の丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合機１００等の丁合装置において、シート材の搬送経路の外の物体（梱包箱１０等）に設けられた識別コード１１等の丁合対象特定情報保持部から識別情報等の丁合対象特定情報を読み取る丁合機ハンディスキャナ５０等の丁合情報読取手段を備え、丁合情報読取手段による読取動作をトリガーとして、読み取った丁合対象特定情報に基づいて複数の前記給送部の中から給送を行う給送部を特定し（「選択丁合特定給送トレイ」の特定等）、丁合束を作成する選択丁合動作を実行することを特徴とするものである。
　態様１では、丁合情報読取手段は、丁合装置における給送トレイから排出部までの経路等のシート材の搬送経路の外の物体に設けられた丁合対象特定情報保持部を読み取り、読み取った丁合対象特定情報保持部に基づいた選択丁合動作を実行できる。このため、丁合対象特定情報保持部を備える物体を取得する毎に、丁合対象特定情報保持部に保持された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能となる。

　態様１の丁合装置では、先の選択丁合動作が終わるまで、次の選択丁合動作のトリガーとなる丁合情報読取手段による読み取り信号を受け付けないことが望ましい。
　また、態様１の丁合装置では、それぞれの給送部の給送トレイ１４等のシート材載置部にシート材の印字情報を読み込むセンサ（給送部スキャナ等）を配置し、シート材識別情報と、シート材が積載された給送部を示す給送部情報とを対応付けた対応関係データベースを作成してもよい。

〔態様２〕
　態様１の丁合装置において、複数の給送部の各々に対応するように給送部の各々の周辺にそれぞれが設けられ、それぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段（トレイ表示ランプ１５等）を備え、選択丁合動作で給送不良が生じた場合、給送不良が生じた給送部に対応する視覚報知手段の外観を変化させる（トレイ表示ランプ１５を点灯させる等）ことを特徴とする。
　態様２によれば、給送不良が生じなかった給送部から給送されるシート材のみで丁合束を作成し、視覚報知手段によって給送不良の発生を報知した給送部のシート材を作業者が手作業で取り出し、丁合束に重ねることで、所望のシート材を含んだ丁合束を作成することが可能となる。

〔態様３〕
　態様１の丁合装置において、複数の給送部の各々に対応するように前記給送部の各々の周辺にそれぞれが設けられ、それぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段（トレイ表示ランプ１５等）を備え、選択丁合動作で給送不良が生じた場合、選択された給送部（選択丁合特定給送トレイ等）の全てについて対応する視覚報知手段の外観を変化させる（トレイ表示ランプ１５を点灯させる等）ことを特徴とする。
　態様３によれば、作業者は、給送不良が生じなかった給送部から給送されるシート材のみで作成された丁合束を利用せず、視覚報知手段によって報知した給送部のシート材を手作業で取り出し、丁合束を作成することで、所望のシート材を含んだ丁合束を作成することが可能となる。

　態様２及び態様３に係る視覚報知手段としてのトレイ表示ランプ１５等の発光手段は、上述した実施形態のトレイ表示ランプ１５のように、対応する給送部の載置部（給送トレイ１４）の側方に限らず、当該載置の上方等、該当する給紙部を作業者が視覚的に認識することができればよい。
　また、スマートグラスやＡＲグラス等のヘッドマウント方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータと丁合装置が連動している場合は、拡張現実ウェアラブルコンピュータの画面表示によって、作業者が該当する給紙部を視覚的に認識する構成としてもよい。
　さらに、丁合装置が拡張現実ウェアラブルコンピュータと連動する構成であれば、上述した態様１の丁合情報読取手段として、拡張現実ウェアラブルコンピュータを用いてもよい。この場合、拡張現実ウェアラブルコンピュータの撮像範囲にある識別コード１１等の丁合対象特定情報保持部を拡張現実ウェアラブルコンピュータが認識し、当該丁合対象特定情報保持部を読み取るかを選択する表示を作業者の表示画面に表示し、作業者が読み取ることを選択することで選択丁合動作を開始する構成としてもよい。

〔態様４〕
　態様１乃至３の何れかの態様に係る丁合装置において、選択丁合動作で動作不良が生じた場合であっても、丁合情報読取手段による読取動作が行われると、読取動作に基づいた選択丁合動作を実行することを特徴とする。
　これによれば、先の選択丁合動作で、給送不良等の動作不良が生じたときに、エラーを解除する操作等の特別な不良解消を確認する操作が行われなくても、次に読取動作に基づいた次の選択丁合動作を実行される。このため、作業者は、動作不良が生じたときに、給送ができなかった給送部からシート材を取り出して、丁合束に含める作業を行った後、次の丁合対象特定情報保持部から丁合対象特定情報を読み取る作業を行うだけでよく、作業効率の向上を図ることができる。

　なお、給送不良が発生した場合に、給送不良が発生したことを作業者に報知するとともに、作業者が丁合機ハンディスキャナ５０の特定のボタンを押す等の特定の再給送操作を行うことで、給送不良が発生した給送部からのみ、再びシート材を給送する動作を実行させる制御を実行する構成としてもよい。この構成であれば、給送不良が一時的なものであった場合、給送不良が生じなかった給送部からのシート材によって作成されたシート束を排出した直後に、一時的な給送不良が発生した給送部から給送されたシート材を排出させることが可能となる。この場合、作業者は先に排出されたシート束と後から排出されたシート材を束ねることで、所望のシート材を含んだシート束を作成でき、一時的な給送不良が発生した給送部からシート材を手作業で取り出す作業が不要となる。

〔態様５〕
　態様１乃至３の何れかの態様に係る丁合装置において、選択丁合動作で動作不良が生じた場合、動作不良を報知する不良報知手段（点灯するトレイ表示ランプ１５やエラー表示するメイン操作パネル１６等）を備え、不良報知手段の報知解除操作（トレイランプ消灯操作部の操作、給送トレイ１４上のシート材を給送方向の上流側に移動させる操作）が行われる前に、丁合情報読取手段による読取動作が行われても選択丁合動作を実行せず、丁合動作が実行できないことを報知する丁合不可報知手段（警告音発生装置や警告ランプ）を備えることを特徴とする。
　これによれば、選択丁合動作で動作不良が生じても、当該選択丁合動作で作成する丁合束に入れるべきシート材の抜けを防止できる。

〔態様６〕
　態様１乃至５の何れかに係る丁合装置において、複数の給送部のうちの二つ以上の給送部を同じシート材を給送する連段給送部とする連段設定が可能であり、選択丁合動作で連段給送部のうちの一つに給送不良が生じた場合に、選択丁合動作で給送を行うように選択された他の前記給送部から給送されたシート材を重ねて丁合束を作成するとともに、連段給送部に含まれる他の前記給送部からシート材を給送することを特徴とする。
　これによれば、給送不良が発生したときに、作業者の手作業によるシート材の取り出しを行うことなく、所望のシート材を含んだ丁合束を作成することができる。

〔態様７〕
　態様１乃至６の何れかの態様に係る丁合装置において、給送部とは別に給送部が給送するシート材を収容し、内部から手作業でシート材を取り出すことが可能で、同じシート材を収容する給送部と対応付けが可能なシート材収容部（手入れシート収容部等）を備え、シート材収容部は、外観が変化可能な収容部表示ランプ等の収容部視覚報知手段を有し、選択丁合動作で給送不良が生じた場合、給送不良が生じた給送部に対応するシート材収容部の収容部視覚報知手段の外観を変化させる（収容部表示ランプを点灯させる）ことを特徴とする。
　これによれば、作業者の手作業によるシート材の取り出しを行うときに、給紙部からシート材を取り出すよりも取り出しやすい構成が実現可能である。

〔態様８〕
　態様１乃至７の何れかの態様に係る丁合装置において、複数の給送部の各々に対応するようにそれぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段（トレイ表示ランプ１５及び収容部表示ランプ等）を備え、給送部の各々に対して給送動作を行わない給送停止設定（給送停止状態に設定すること）が可能であり、給送停止設定がされた給送部が、選択丁合動作で給送する給送部（選択丁合特定給送トレイ等）となったら給送部からの給送動作を行わず、対応する視覚報知手段の外観を変化させる（トレイ表示ランプ１５の点灯または収容部表示ランプの点灯等）ことを特徴とする。
　これによれば、外観が変化した視覚報知手段に対応する給送部またはシート材収容部から作業者が手作業でシート材を取り出し、丁合束を作成することで、所望のシート材を含んだ丁合束を作成することが可能となる。また、給送が行えない給送部を給送停止設定として、給送動作を実行させないことで、給送できない状態で給送動作を実行することに起因して給送に関わる各部材への負荷の発生を防止し、部材寿命の低減を抑制できる。

〔態様９〕
　態様９は、複数の給送装置１等の給送部のうち選択された給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねてシート束等の丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合機１００等の丁合装置において、選択丁合動作で作成された丁合束を一時的に滞留させるシート束滞留装置１７０等の丁合束滞留部と、丁合束滞留部から受け渡された丁合束を外部に排出する上昇搬送機１１０等の丁合束排出部と、各部を制御する丁合制御部１５０等の丁合制御部とを備え、丁合制御部が、選択丁合動作でシート材を給送する複数の給送部を特定するための識別情報等の丁合対象特定情報を取得すると、取得した丁合対象特定情報に基づいて複数の給送部の中から給送を行う給送部を特定し、丁合束を作成する選択丁合動作を実行して丁合束滞留部に作成した丁合束を受け渡して滞留させ、丁合制御部、前記丁合束滞留部または前記丁合束排出部の少なくとも何れかが、丁合束排出可能信号を受信すると、丁合束滞留部内の丁合束を丁合束排出部に受け渡し、外部に排出することを特徴とする。
　これによれば、選択丁合動作で作成した丁合束を、排出位置に梱包箱１０が位置するタイミング等の所定のタイミングで排出できる。これにより、丁合束を梱包箱１０に入れる工程等、排出された丁合束の次の工程での作業者の関与が不要となり、必要な作業者数の削減を図ることができる。上記変形例では、丁合束排出可能信号は丁合制御部１５０が受信する構成となっているが、丁合束排出可能信号は、シート束滞留装置１７０等の丁合束滞留部や上昇搬送機１１０等の丁合束排出部が受信し、受信した信号に基づいて丁合束滞留部内の丁合束を丁合束排出部に受け渡す制御を行い、丁合束を外部に排出する構成としてもよい。

〔態様１０〕
　態様１０は、複数の給送装置１等の給送部のうち選択された給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねてシート束等の丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合機１００等の丁合装置において、各部を制御する丁合制御部１５０等の丁合制御部が、選択丁合動作でシート材を給送する複数の給送部を特定するための識別情報等の丁合対象特定情報を取得したことをトリガーとして、丁合対象特定情報に基づいて複数の給送部の中から給送を行う給送部を特定し、丁合束を作成する選択丁合動作を実行することを特徴とする。
　これによれば、丁合制御部１５０に丁合対象特定情報が入力される度に、入力された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能となる。

〔態様１１〕
　態様１１は、態様９または１０の丁合装置において、丁合対象特定情報は、丁合装置におけるシート材の搬送経路の外の物体（梱包箱１０等）に設けられた識別コード１１等の丁合対象特定情報保持部から丁合用固定スキャナ５５等の丁合情報読取手段が読み取ったものであることを特徴とする。
　これによれば、丁合対象特定情報保持部を備える物体を取得する毎に、丁合対象特定情報保持部に保持された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能となる。

〔態様１２〕
　複数の物品収容部（物品収容箱３０１等）にそれぞれ収容された複数の種類の物品を集めて梱包箱１０等の箱材に入れるピッキングシステム５００等のピッキングシステムにおいて、箱材に入れる複数枚のシート材を丁合する丁合手段として、態様１乃至１１の何れかの態様に係る丁合機１００等の丁合装置を備えることを特徴とする。
　これによれば、箱材を取得する毎に、当該箱材に入れるべきシート材を丁合して丁合束を作成する選択丁合を自動で行うことが可能となる。物品を入れる箱材としては、方形または多角形の面で構成された容器からなる一般的は箱状のものに限らず、物品を載せて移動可能なトレイ等、ピッキングシステムで集めた物品を一体的に移動できるものであればよい。

〔態様１３〕
　態様１２に係るピッキングシステムにおいて、ピッキングシステム全体を制御するシステム制御部２００等のシステム制御部は、梱包箱１０等の物体に設けられた識別コード１１等の丁合対象特定情報保持部から丁合用固定スキャナ５５等の丁合情報読取手段が読み取った識別情報等の丁合対象特定情報を取得し、丁合装置の各部を制御する丁合制御部１５０等の丁合制御部に丁合対象特定情報を送信することを特徴とする。
　これによれば、丁合対象特定情報保持部を備える物体を取得する毎に、丁合対象特定情報保持部に保持された丁合対象特定情報に対応した選択丁合を自動で行うことが可能となる。

〔態様１４〕
　複数の物品収容部（物品収容箱３０１等）にそれぞれ収容された複数の種類の物品を集めて梱包箱１０等箱材に入れるピッキングシステム５００等のピッキングシステムにおいて、箱材に入れる複数枚のシート材を丁合する丁合手段として態様９に係る丁合装置を備え、ピッキングシステム全体を制御するシステム制御部２００等のシステム制御部は、梱包箱１０等の物体に設けられた識別コード１１等の丁合対象特定情報保持部から丁合用固定スキャナ５５等の丁合情報読取手段が読み取った識別情報等の丁合対象特定情報を取得し、丁合制御部１５０等の丁合制御部に丁合対象特定情報を送信し、丁合対象特定情報を送信後、所定の条件を満たすと、丁合制御部、前記丁合束滞留部または前記丁合束排出部の少なくとも何れかに、丁合束排出可能信号を送信することを特徴とする。
　これによれば、排出位置に梱包箱１０が位置するタイミング等の所定のタイミングで丁合束排出可能信号を送信することで、丁合装置が作成した丁合束を所定のタイミングで排出させることができる。これにより、丁合束を梱包箱１０に入れる工程等、排出された丁合束の次の工程での作業者の関与が不要となり、必要な作業者数の削減を図ることができる。

　態様２乃至８の特徴的な構成は、丁合情報読取手段がシート材の搬送経路の外の物体に設けられた丁合対象特定情報保持部を読み取る構成を備えた態様１に係る丁合装置に限らず、例えば、折シート用給送部の給送トレイ等のシート材の搬送経路に丁合情報読取手段を設けた丁合装置にも適用することができる。

１　　　　：給送装置
４　　　　：タブレット端末
９　　　　：筐体
１０　　　：梱包箱
１１　　　：識別コード
１４　　　：給送トレイ
１５　　　：トレイ表示ランプ
１６　　　：メイン操作パネル
１８　　　：給送機構
２０　　　：給送操作パネル
２２　　　：サブ搬送機構
２４　　　：メイン搬送機構
４０　　　：ハンディスキャナ
４１　　　：搬送ゲート
４５　　　：固定スキャナ
５０　　　：丁合機ハンディスキャナ
５１　　　：丁合機前搬送ゲート
５５　　　：丁合用固定スキャナ
１００　　：丁合機
１１０　　：上昇搬送機
１１１　　：排出口
１４０　　：折用給送装置
１４１　　：折用給送トレイ
１５０　　：丁合制御部
１６０　　：リジェクトトレイ
１７０　　：シート束滞留装置
２００　　：システム制御部
３００　　：物品棚
３００Ａ　：第一棚エリア
３００Ｂ　：第二棚エリア
３０１　　：物品収容箱
３０２　　：棚板
３１０　　：ピッキング表示部
４００　　：ローラコンベア
５００　　：ピッキングシステム
６００　　：データ入力部
１１０１　：シート材排出部
Ｘ　　　　：作業者
Ｘ１　　　：第一作業者
Ｘ２　　　：第二作業者
Ｘ３　　　：第三作業者

Claims

　複数の給送部のうち選択された前記給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合装置において、
　シート材の搬送経路の外の物体に設けられた丁合対象特定情報保持部から丁合対象特定情報を読み取る丁合情報読取手段を備え、
　前記丁合情報読取手段による読取動作をトリガーとして、読み取った前記丁合対象特定情報に基づいて複数の前記給送部の中から給送を行う前記給送部を特定し、前記丁合束を作成する前記選択丁合動作を実行することを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　複数の前記給送部の各々に対応するように前記給送部の各々の周辺にそれぞれが設けられ、それぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段を備え、
　前記選択丁合動作で給送不良が生じた場合、給送不良が生じた前記給送部に対応する前記視覚報知手段の外観を変化させることを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　複数の前記給送部の各々に対応するように前記給送部の各々の周辺にそれぞれが設けられ、それぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段を備え、
　前記選択丁合動作で給送不良が生じた場合、選択された前記給送部の全てについて対応する前記視覚報知手段の外観を変化させることを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　前記選択丁合動作で動作不良が生じた場合であっても、前記丁合情報読取手段による読取動作が行われると、当該読取動作に基づいた前記選択丁合動作を実行することを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　前記選択丁合動作で動作不良が生じた場合、前記動作不良を報知する不良報知手段を備え、前記不良報知手段の報知解除操作が行われる前に、前記丁合情報読取手段による読取動作が行われても前記選択丁合動作を実行せず、丁合動作が実行できないことを報知する丁合不可報知手段を備えることを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　複数の前記給送部のうちの二つ以上の給送部を同じシート材を給送する連段給送部とする連段設定が可能であり、
　前記選択丁合動作で前記連段給送部のうちの一つに給送不良が生じた場合に、前記選択丁合動作で給送を行うように選択された他の前記給送部から給送されたシート材を重ねて丁合束を作成するとともに、前記連段給送部に含まれる他の前記給送部からシート材を給送することを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　前記給送部とは別に前記給送部が給送するシート材を収容し、内部から手作業でシート材を取り出すことが可能で、同じシート材を収容する前記給送部と対応付けが可能なシート材収容部を備え、
　前記シート材収容部は、外観が変化可能な収容部視覚報知手段を有し、
　前記選択丁合動作で給送不良が生じた場合、給送不良が生じた前記給送部に対応するシート材収容部の前記収容部視覚報知手段の外観を変化させることを特徴とする丁合装置。
　請求項１の丁合装置において、
　複数の前記給送部の各々に対応するようにそれぞれの外観が変化可能に設けられた複数の視覚報知手段を備え、
　前記給送部の各々に対して給送動作を行わない給送停止設定が可能であり、
　前記給送停止設定がされた前記給送部が、前記選択丁合動作で給送する前記給送部となったら当該給送部からの給送動作を行わず、対応する前記視覚報知手段の外観を変化させることを特徴とする丁合装置。
　複数の給送部のうち選択された前記給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合装置において、
　前記選択丁合動作で作成された前記丁合束を一時的に滞留させる丁合束滞留部と、前記丁合束滞留部から受け渡された前記丁合束を外部に排出する丁合束排出部と、各部を制御する丁合制御部とを備え、
　前記丁合制御部が、前記選択丁合動作でシート材を給送する複数の給送部を特定するための丁合対象特定情報を取得すると、取得した前記丁合対象特定情報に基づいて複数の前記給送部の中から給送を行う前記給送部を特定し、前記丁合束を作成する前記選択丁合動作を実行して前記丁合束滞留部に作成した丁合束を受け渡して滞留させ、
　前記丁合制御部、前記丁合束滞留部または前記丁合束排出部の少なくとも何れかが、丁合束排出可能信号を受信すると、前記丁合束滞留部内の前記丁合束を前記丁合束排出部に受け渡し、外部に排出する制御を行うことを特徴とする丁合装置。
　複数の給送部のうち選択された前記給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する選択丁合動作を実行する丁合装置において、
　各部を制御する丁合制御部が、前記選択丁合動作でシート材を給送する複数の給送部を特定するための丁合対象特定情報を取得したことをトリガーとして、前記丁合対象特定情報に基づいて複数の前記給送部の中から給送を行う前記給送部を特定し、前記丁合束を作成する前記選択丁合動作を実行することを特徴とする丁合装置。
　請求項９または１０の丁合装置において、
　前記丁合対象特定情報は、前記丁合装置におけるシート材の搬送経路の外の物体に設けられた丁合対象特定情報保持部から丁合情報読取手段が読み取ったものであることを特徴とする丁合装置。
　複数の物品収容部にそれぞれ収容された複数の種類の物品を集めて箱材に入れるピッキングシステムにおいて、
　前記箱材に入れる複数枚のシート材を丁合する丁合手段として、請求項１乃至１０の何れか一項に記載の丁合装置を備えることを特徴とするピッキングシステム。
　請求項１２のピッキングシステムにおいて、
　ピッキングシステム全体を制御するシステム制御部は、物体に設けられた丁合対象特定情報保持部から丁合情報読取手段が読み取った前記丁合対象特定情報を取得し、前記丁合装置の各部を制御する丁合制御部に前記丁合対象特定情報を送信することを特徴とするピッキングシステム。
　複数の物品収容部にそれぞれ収容された複数の種類の物品を集めて箱材に入れるピッキングシステムにおいて、
　前記箱材に入れる複数枚のシート材を丁合する丁合手段として請求項９に記載の丁合装置を備え、
　ピッキングシステム全体を制御するシステム制御部は、物体に設けられた丁合対象特定情報保持部から丁合情報読取手段が読み取った前記丁合対象特定情報を取得し、前記丁合制御部に前記丁合対象特定情報を送信し、
　前記丁合対象特定情報を送信後、所定の条件を満たすと、前記丁合制御部、前記丁合束滞留部または前記丁合束排出部の少なくとも何れかに、前記丁合束排出可能信号を送信することを特徴とするピッキングシステム。