WO2024075822A1 - 有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置 - Google Patents

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貴志 藤川
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Abstract

有用炭化水素の製造方法は、一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、前記第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル工程と、前記リサイクル工程から供給された前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の前記低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、前記第2ガスを前記有用炭化水素生成工程に供給するドライリフォーミング工程とを有する。

Description

有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置
 本開示は、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置に関する。
 基礎化学原料となる各種の低級オレフィンや芳香族炭化水素、各種の液体燃料(ガソリンや液化石油ガス(LPG)、航空燃料など)といった有用炭化水素は、炭素数2以上の炭化水素であり、主に石油資源から製造されている。しかしながら、これらの炭化水素の製造プロセスでは、主に石油資源が原料であることから、地政学的リスクが懸念されている。さらに、これらの炭化水素の製造プロセスや消費過程において、多量に二酸化炭素を排出することから、地球温暖化の観点からも問題視されている。したがって、賦存地域が限定されない資源を原料とし、かつ二酸化炭素の排出量がより少ない、クリーンなプロセスの開発が模索されている。
 一例として、水素を主原料として用いた有用炭化水素の製造方法が行われている。水素は、水から生成可能であるため、環境に対してクリーンな物質である。例えば、特許文献1には、合成ガスから液化石油ガスを製造する方法が記載されている。この製造方法は、合成ガスに水素含有ガスを添加する第1工程と、第1工程後のガスを改質反応させて、低級パラフィン含有ガスを生成させる第2工程と、第2工程後のガスから水素含有ガスを分離する第3工程と、第3工程後のガスから、一酸化炭素、メタンおよびエタンを含む低沸点成分ガスを分離する第4工程と、第4工程後のガスから、目的とするプロパン及びブタンを順次、分離抽出する第5工程と、第1工程が、第3工程または/および第4工程で分離回収した水素含有ガスを添加することにより、水素と一酸化炭素のモル比を改質反応の最適値に調整するモル比調整工程とを含む。
 しかしながら、上記のような製造方法では、二酸化炭素などの副生成物が発生するので、有用炭化水素の収率が低い。また、二酸化炭素は地球温暖化の原因であることから、二酸化炭素の排出量の抑制が求められている。
特開2011-213765号公報
 本開示の目的は、長期間に亘って安定的に、有用炭化水素の収率の向上および二酸化炭素の排出量の抑制を達成できる、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置を提供することである。
[1] 一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、前記第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル工程と、前記リサイクル工程から供給された前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の前記低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、前記第2ガスを前記有用炭化水素生成工程に供給するドライリフォーミング工程とを有する有用炭化水素の製造方法。
[2] 水素、および逆シフト反応で得られた一酸化炭素の少なくとも一方を前記有用炭化水素生成工程に供給する原料供給工程をさらに有する、上記[1]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[3] 前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素の炭素モル数MCO2に対する前記低級炭化水素含有ガスの炭素モル数MHCの比(MHC/MCO2)を調整する、上記[1]または[2]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[4] 前記ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれるCO濃度は40%以上である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[5] 前記第1ガスから水素を分離して前記有用炭化水素生成工程に供給する水素リサイクル工程をさらに有する、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[6] 前記水素リサイクル工程は、前記原料供給工程と前記ドライリフォーミング工程から供給される水素のモル量に応じて、前記有用炭化水素生成工程に供給する水素の供給量を調整する、上記[5]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[7] 前記ドライリフォーミング工程で得られた前記第2ガス中の一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)を調整する調整工程をさらに有する、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[8] 前記第1ガスから炭素原子を含む物質を分離し、前記炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する燃焼工程をさらに有し、前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング用リサイクルガス、および前記燃焼工程で生成した二酸化炭素を前記ドライリフォーミング工程に供給する、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[9] 前記有用炭化水素は、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素である、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[10] 前記有用炭化水素は、液化石油ガスである、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[11] 前記有用炭化水素は液化石油ガスであり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数3~4以外の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[12] 前記有用炭化水素はオレフィン類であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とするオレフィン類以外の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[13]前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、上記[12]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[14] 前記有用炭化水素は芳香族炭化水素であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とする芳香族炭化水素以外の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[15] 前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、上記[14]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[16] 前記有用炭化水素はガソリンであり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、ガソリン以外の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[17] 前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、上記[16]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[18] 前記有用炭化水素は液状炭化水素であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数4以下の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[19] 前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、上記[18]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[20] 一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成部と、前記第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル部と、前記リサイクル部から供給された前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の前記低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、前記第2ガスを前記有用炭化水素生成部に供給するドライリフォーミング部とを備える有用炭化水素の製造装置。
 本開示によれば、長期間に亘って安定的に、有用炭化水素の収率の向上および二酸化炭素の排出量の抑制を達成できる、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置を提供することができる。
図1は、実施形態の有用炭化水素の製造方法の一例を示すブロック図である。
 以下、実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、環境に対してクリーンな物質である水素に着目し、主原料の1つに水素を用い、さらには主要な副生成物の1つである二酸化炭素を系内でリサイクルすることによって、長期間に亘って安定的に有用炭化水素の収率の向上および二酸化炭素の排出量の抑制を達成できることを見出し、かかる知見に基づき本開示を完成させるに至った。
 実施形態の有用炭化水素の製造方法は、一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル工程と、リサイクル工程から供給されたドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、第2ガスを有用炭化水素生成工程に供給するドライリフォーミング工程とを有する。
 実施形態の有用炭化水素の製造装置は、一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成部と、第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル部と、リサイクル部から供給されたドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、第2ガスを有用炭化水素生成部に供給するドライリフォーミング部とを備える。
[有用炭化水素の製造方法]
 まず、実施形態の有用炭化水素の製造方法について説明する。図1は、実施形態の有用炭化水素の製造方法の一例を示すブロック図である。
 図1に示すように、有用炭化水素の製造方法は、有用炭化水素生成工程S10とリサイクル工程S20とドライリフォーミング工程S30とを有する。
 有用炭化水素生成工程S10では、一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する。具体的には、有用炭化水素生成工程S10において、下記の式(1)で示される有用炭化水素合成反応により、混合ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第1ガスを生成する。
 CO+2H→有用炭化水素   ・・・式(1)
 このように、有用炭化水素の製造方法では、有用炭化水素合成反応の原料として一酸化炭素および水素を用いて、有用炭化水素を製造できる。例えば、水素は水から生成でき、一酸化炭素は二酸化炭素から生成できる。また、必要に応じて、第1ガスから有用炭化水素を分離してもよい。
 有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、有用炭化水素が含まれる。また、第1ガスには、有用炭化水素に加えて、有用炭化水素生成工程S10および後述するドライリフォーミング工程S30の未反応物質である低級炭化水素含有ガス、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物である水や有用炭化水素以外の炭化水素などが含まれる。低級炭化水素含有ガスは、常温常圧下において気体であり炭素数1以上4以下の炭化水素(以下、単に低級炭化水素ともいう)を含有する。
 有用炭化水素生成工程S10の後に行われるリサイクル工程S20では、有用炭化水素生成工程S10で生成された第1ガスから、少なくとも低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素を含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離し、ドライリフォーミング用リサイクルガスをドライリフォーミング工程S30に供給する。
 ドライリフォーミング用リサイクルガスの成分は、低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素を含んでいれば、特に限定されるものではなく、適宜選択してもよい。例えば、ドライリフォーミング用リサイクルガスは、第1ガスから有用炭化水素を分離して得られたガスでもよいし、第1ガスから低級炭化水素含有ガスと二酸化炭素とを抽出して得られたガスでもよい。
 リサイクル工程S20の後に行われるドライリフォーミング工程S30では、リサイクル工程S20から供給されたドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、第2ガスを有用炭化水素生成工程S10に供給する。有用炭化水素生成工程S10に供給された第2ガス中の一酸化炭素および水素は、有用炭化水素生成工程S10で行われる有用炭化水素合成反応の原料として用いられる。
 上記のように、リサイクル工程S20では、有用炭化水素生成工程S10で生成された第1ガス中の不純物(オフガス)である二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスを含むドライリフォーミング用リサイクルガスをドライリフォーミング工程S30に供給し、ドライリフォーミング工程S30で生成された一酸化炭素および水素を有用炭化水素生成工程S10で再利用できる。このように、実施形態の有用炭化水素の製造方法では、副生成物として生成される二酸化炭素を系内において化学的転換を伴うリサイクルをするため、長期間に亘って安定的に二酸化炭素の排出量を抑制できる。また、リサイクル工程S20では、有用炭化水素生成工程S10で生成された第1ガスから分離された副生成物の二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスの比を調整してドライリフォーミング工程S30の原料として二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスを供給するため、炭化水素の重合によってコークが析出する現象(いわゆるコーキング)による触媒の劣化が抑制されるとともに、長期間に亘って安定的に有用炭化水素の収率を向上できる。
 ここで、有用炭化水素を生成する技術において、有用炭化水素を含むガスに含まれる二酸化炭素を初めとするオフガスを、ガス種を変える化学的転換を行わずに、前工程へリサイクルする技術が知られていた。しかし、二酸化炭素をそのままリサイクルする場合、二酸化炭素の量が多いと、有用炭化水素の生成効率が減少したり、また当該生成効率の減少の結果、反応系全体として二酸化炭素の排出量が多くなり、二酸化炭素を削減することが困難であった。一方、本開示は、オフガスである二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスを含むオフガスを、ドライリフォーミング工程に供給し、一酸化炭素および水素へ転換することにより、リサイクルを行っても有用炭化水素の生成効率の減少を抑制し、二酸化炭素の排出量を抑制し、触媒の劣化を抑制できることを見出した。
 ドライリフォーミング工程S30に供給されるドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスは、低級炭化水素に加えて、低級炭化水素以外の炭化水素を含有してもよい。低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素以外の炭化水素は、特に限定されるものではなく、例えば低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素の純物質あるいはそれらの混合物であり、低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上10以下の炭化水素であることが好ましい。このとき、低級炭化水素含有ガスにおける、低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素のモル数に対する低級炭化水素のモル数の比(低級炭化水素/低級炭化水素と有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素)は1.0以上であることが好ましい。このような成分の低級炭化水素含有ガスを含むドライリフォーミング用リサイクルガスがドライリフォーミング工程S30に供給されると、ドライリフォーミング用触媒のコーキングが効果的に抑制され、有用炭化水素生成工程S10で生成される有用炭化水素の収率が向上する。特に低級炭化水素の中でも含有量が多く、またコーキングの発生も少ないことからエタンが好ましい。
 また、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれる低級炭化水素以外の炭化水素には、目的とする有用炭化水素が少量含まれていてもよく、その量は、第1ガス中の目的とする有用炭化水素の生成量よりも少なければよい。
 ドライリフォーミング工程S30では、例えば下記の式(2)のように、ドライリフォーミングによって、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれるエタンおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を合成する。また、ドライリフォーミングの原料になる炭化水素はエタンに限定されないことから、式(2)を例えば飽和炭化水素に対して一般化すると、下記の式(3)になる。このとき、原料の炭化水素に含まれる炭素と二酸化炭素は同量ずつ反応する。
 C+2CO→4CO+3H   ・・・式(2)
 C2n+2+nCO→2nCO+(n+1) H(n≧1)   ・・・式(3)
 ドライリフォーミング工程S30では、ドライリフォーミングによって、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれる低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から一酸化炭素および水素を合成するための触媒(以下、単にドライリフォーミング用触媒ともいう)を用いる。ドライリフォーミング工程S30において、ドライリフォーミング用リサイクルガスをドライリフォーミング用触媒に供給しながら、ドライリフォーミング用触媒を加熱することによって、供給されたドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素がドライリフォーミング用触媒によって反応し、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成する。
 ドライリフォーミング用触媒は特に限定はしないが、例えば長期間に亘って触媒活性を示して一酸化炭素および水素を生成する観点から、ドライリフォーミング用触媒は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、担体に内在する少なくとも1つの触媒物質と、を備え、担体が互いに連通する通路を有し、担体における厚さ寸法dに対する長辺寸法Lの比(L/d比)が5.0以上であり、触媒物質が担体の少なくとも通路に存在する触媒構造体であることが好ましい。
 このような触媒構造体について、担体のL/d比は、5.0以上であり、5.0以上35.0以下が好ましく、7.0以上25.0以下がより好ましい。担体のL/d比が5.0以上であると、触媒活性を向上できる。また、L/d比が35.0以下であると、触媒構造体の製造歩留まりを向上できる。
 また、このような触媒構造体について、触媒物質の平均粒径は、0.08nm以上50.00nm以下であることが好ましい。触媒物質の平均粒径が上記範囲内であると、触媒活性は十分に増加し、平均粒径が小さくなるにつれて、触媒活性を向上できる。また、高い触媒活性と耐コーキング性(耐触媒劣化性)の両立の観点から、触媒物質の平均粒径は、好ましくは9.00nm以下であり、より好ましくは4.50nm以下である。
 また、ドライリフォーミング用触媒について、ドライリフォーミング用触媒として公知となっている触媒であれば用いることができる。例えばYuche Gao et al., A review of recent developments in hydrogen production via biogas dry reforming, Energy Conversion and Management, 171 (2018) 133-155.に記載されているように、ドライリフォーミングに活性のある金属種である、Ir、Ru、Rh、Pt、Pd、Ni、Co、Feから選ばれる少なくとも一種を含み、また担体には、MgO、Al、SiO、CeO、CaO、ZrO、TiO、La、ZnO、silicalite-1、MCM-41、SBA-15から選ばれる少なくとも一種を含む担体を用いることもできる。ただし、ドライリフォーミング用触媒は特にこれらに限定されない。
 ドライリフォーミング用触媒の加熱温度は、ドライリフォーミング用触媒の種類、ドライリフォーミング用リサイクルガスの供給量、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれる低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素の含有割合などによって適宜設定される。例えば、ドライリフォーミング用触媒の加熱温度について、下限値は、好ましくは400℃以上、より好ましくは600℃以上であり、上限値は、好ましくは1000℃以下、より好ましくは900℃以下である。
 ドライリフォーミング工程S30で生成される第2ガスには、少なくとも一酸化炭素および水素を含む合成ガスが含有される。第2ガスには、一酸化炭素および水素(合成ガス)に加えて、未反応物質である炭化水素および二酸化炭素、副生成物である水などが含まれる。
 第2ガスに含まれる一酸化炭素および水素の含有割合は、ドライリフォーミング用触媒の加熱温度やドライリフォーミング用リサイクルガスの供給量、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれる低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素の含有割合などのドライリフォーミングの条件によって、適宜調整できる。
 また、リサイクル工程S20は、ドライリフォーミング工程S30に供給するドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素の炭素モル数MCO2に対する低級炭化水素含有ガスの炭素モル数MHCの比(MHC/MCO2)を調整することが好ましい。例えば、ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれる、低級炭化水素含有ガスの量および二酸化炭素の量の少なくとも一方の調整によって、比(MHC/MCO2)を調整できる。
 上記の式(2)~(3)に示すように、ドライリフォーミング工程S30では、同じ比率(炭素基準)の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から(炭素モル比で1対1)、一酸化炭素および水素を生成する。一方で、ドライリフォーミング工程S30において、二酸化炭素の炭素モル数MCO2に対する低級炭化水素含有ガスの炭素モル数MHCの比(MHC/MCO2)が大きくなると、ドライリフォーミング用触媒のコーキングが起こりやすく、結果として、ドライリフォーミング用触媒の活性が低下して、有用炭化水素の生成量が減少する。さらには、二酸化炭素が不足することから、ドライリフォーミングの効率が低下する。
 そのため、リサイクル工程S20は、ドライリフォーミング工程S30における比(MHC/MCO2)が大きいとき、ドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガス量の減少やドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素量の増加を行ってドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を低下することにより、ドライリフォーミング工程S30でのコーキング発生を抑制でき、さらには二酸化炭素不足を抑制して、ドライリフォーミングの効率を向上できる。ドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を、好ましくは1.30以下、より好ましくは1.10以下に調整すると、上記効果をさらに向上できる。
 また、ドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.40以上に調整すると、低級炭化水素含有ガス不足を抑制して、ドライリフォーミングの効率を向上できる。さらには、二酸化炭素の排出量をさらに抑制できる。ドライリフォーミング工程S30における比(MHC/MCO2)が小さい場合、リサイクル工程S20は、ドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガス量の増加やドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素量の減少を行って、比(MHC/MCO2)を増加する。
 また、リサイクル工程S20によってドライリフォーミング工程S30に供給されるドライリフォーミング用リサイクルガスのCO濃度は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。ドライリフォーミング用リサイクルガスのCO濃度が40%以上であると、ドライリフォーミング工程S30でのコーキング発生および二酸化炭素不足を十分に抑制できる。
 さらに、ドライリフォーミング工程S30における二酸化炭素不足を解消することにより、ドライリフォーミングの効率を向上させた結果、第2ガスにおける一酸化炭素と水素の存在割合が増加するため、有用炭化水素の生成効率が向上する。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、水素、および逆シフト反応で得られた一酸化炭素の少なくとも一方を有用炭化水素生成工程S10に供給する原料供給工程S40をさらに有することが好ましい。原料供給工程S40から有用炭化水素生成工程S10に供給される水素および一酸化炭素は、有用炭化水素生成工程S10で行われる有用炭化水素合成反応の原料として用いられる。
 一酸化炭素は、逆シフト反応(CO+H→CO+HO)により、二酸化炭素および水素から生成される。また、水素は、例えば水の電気分解などから生成される。このように、原料供給工程S40は、水素および一酸化炭素を有用炭化水素生成工程S10に安定して供給できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、有用炭化水素生成工程S10で生成した第1ガスから水素を分離して有用炭化水素生成工程S10に供給する水素リサイクル工程S50をさらに有することが好ましい。
 上記の式(1)に示すように、有用炭化水素生成工程S10では、一酸化炭素に対して2倍の量の水素が必要である。一方で、ドライリフォーミング工程S30で生成される第2ガスには、水素に比べて多くの一酸化炭素が含まれる。このように、有用炭化水素生成工程S10では、一酸化炭素よりも2倍の量の水素が必要であること、ドライリフォーミング工程S30では、水素よりも多くの一酸化炭素が生成されることから、有用炭化水素生成工程S10を長期間行うと、水素不足に至ることがある。その結果、一酸化炭素が余剰になるので、有用炭化水素生成工程S10で得られる有用炭化水素の生成量は低下する。
 そこで、水素リサイクル工程S50では、有用炭化水素生成工程S10で生成された第1ガス中の不純物(オフガス)である水素を有用炭化水素生成工程S10に供給することによって、有用炭化水素生成工程S10で実施される有用炭化水素合成反応の原料である水素の過少量を補うことができる。このように、水素リサイクル工程S50によって、長期間の有用炭化水素生成工程S10による水素不足を抑制できることから、長期間に亘って有用炭化水素生成工程S10を安定して行うことができる。また、有用炭化水素生成工程S10から排出された水素を有用炭化水素生成工程S10の原料として再利用するため、環境負荷を低減できる。
 上記の水素不足は、式(2)および式(3)において一酸化炭素と水素のモル比を比べて一酸化炭素が多いことが明らかなように、低級炭化水素含有ガス及び二酸化炭素をドライリフォーミング工程で一酸化炭素および水素に転換して有用炭化水素工程へ供給するという本開示の技術に由来する。本開示は、水素リサイクル工程S50を有することで、ドライリフォーミング工程S30における水素不足を解消し、さらに安定的に有用炭化水素を生成することができる。
 また、水素リサイクル工程S50は、原料供給工程S40とドライリフォーミング工程S30から供給される水素のモル量に応じて、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を調整することが好ましく、有用炭化水素生成工程S10で生成される有用炭化水素の炭素数および有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mに応じて、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を調整することがより好ましい。
 例えば有用炭化水素として液化石油ガスを製造する場合、有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mが多いと、有用炭化水素合成反応は良好に行われる。一方、有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mが少ないと、有用炭化水素合成反応における水素不足を生じる可能性がある。そのため、水素リサイクル工程S50では、有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mが少ないときに、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を増加すると、有用炭化水素生成工程S10での水素不足を抑制できる。
 このように、水素リサイクル工程S50では、有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mが少ないときには、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を増加するといった、有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mに応じて、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を調整することによって、目的とする有用炭化水素をさらに効率的に製造できる。
 また、水素リサイクル工程S50は、有用炭化水素生成工程S10における一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)に応じて、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を調整することが好ましい。
 有用炭化水素生成工程S10のモル比(M/MCO)について、一酸化炭素に対する水素の割合が少ないと、水素不足になる可能性がある。そのため、水素リサイクル工程S50では、有用炭化水素生成工程S10におけるモル比(M/MCO)が少ないときに、有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を増加すると、有用炭化水素生成工程S10での水素不足を抑制できる。このように、有用炭化水素生成工程S10におけるモル比(M/MCO)に応じて、水素リサイクル工程S50が有用炭化水素生成工程S10に供給する水素の供給量を調整することによって、有用炭化水素生成工程S10での水素不足をより確実に抑制できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、ドライリフォーミング工程S30で得られた第2ガス中の一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)を調整する不図示の調整工程をさらに有してもよい。
 調整工程は、ドライリフォーミング工程S30にスチームを供給して、ドライリフォーミング工程S30で得られる第2ガス中のモル比(M/MCO)を1以上3以下に調整する。調整工程では、有用炭化水素生成工程S10で実施される有用炭化水素合成反応の条件に応じて、第2ガス中のモル比(M/MCO)が調整される。
 調整工程によってモル比(M/MCO)を調整した第2ガスが有用炭化水素生成工程S10に供給されると、長期間の有用炭化水素生成工程S10による水素不足を抑制できることから、長期間に亘って有用炭化水素生成工程S10を安定して行うことができる。そのため、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、第1ガスから炭素原子を含む物質を分離し、炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する不図示の燃焼工程をさらに有してもよい。この場合、リサイクル工程S20は、ドライリフォーミング用リサイクルガス、および燃焼工程で生成した二酸化炭素をドライリフォーミング工程S30に供給する。
 例えば有用炭化水素として液化石油ガスを製造する場合、有用炭化水素生成工程S10から排出された第1ガスには、液化石油ガスに加えて、不純物としてエタンなどの炭素原子を含む物質が含まれる。燃焼工程では、有用炭化水素生成工程S10から排出される第1ガス中の炭素原子を含む物質を第1ガスから分離し、分離した炭素原子を含む物質を燃焼して、二酸化炭素を生成する。なお、燃焼工程で燃焼する炭素原子を含む物質には、二酸化炭素が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
 リサイクル工程S20は、ドライリフォーミング用リサイクルガスに加えて、燃焼工程で生成された二酸化炭素についても、ドライリフォーミング工程S30に供給する。ドライリフォーミング工程S30に供給される二酸化炭素の量は、燃焼工程によって増加できる。そのため、ドライリフォーミング工程S30におけるコーキング発生および二酸化炭素不足をさらに抑制できることから、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。また、燃焼工程で発生した熱を回収して、有用炭化水素生成工程S10やドライリフォーミング工程S30に利用することができる。
 また、ドライリフォーミング工程S30に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合に応じて、燃焼工程の燃焼率を調整することが好ましい。燃焼工程の燃焼率とは、下記式(4)のように、第1ガス中の目的とする有用炭化水素成分を除く炭化水素を燃焼して二酸化炭素に転換する割合であり、次の式から算出できる。例えば燃焼工程の燃焼率が100%である場合、燃焼工程は、第1ガス中の目的とする有用炭化水素成分を除く全ての炭化水素を燃焼して二酸化炭素を生成する。
 2C2n+2+(3n+1)O→(2n+2)HO+2nCO ・・・式(4)
 燃焼率(%)=100-(燃焼工程で燃焼した目的とする有用炭化水素成分を除く全炭化水素量(C-mol)×100/第1ガス中の目的とする有用炭化水素成分を除く全炭化水素量(C-mol))
 このように、燃焼工程の燃焼率を変えることによって、燃焼工程で生成する二酸化炭素の量を調整できる。そのため、ドライリフォーミング工程S30に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合に応じて、燃焼工程の燃焼率を調整して二酸化炭素の生成量を調整し、リサイクル工程S20でドライリフォーミング工程S30に供給される二酸化炭素の量を調整できるため、目的とする有用炭化水素の生成量を増加できる。
 例えば有用炭化水素生成工程S10において液化石油ガスを製造する場合、燃焼工程の燃焼率が3%以上であると、ドライリフォーミング工程S30の二酸化炭素不足を十分に抑制できる。また、燃焼工程の燃焼率が25%以下であると、ドライリフォーミング工程S30に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合が良好である。一方で、燃焼工程の燃焼率が25%を上回ると、炭化水素に対して二酸化炭素が過剰になるため、未反応の二酸化炭素量が多くなってしまい、その結果として有用炭化水素の生成量が減少する。そのため、燃焼工程の燃焼率が3%以上25%以下であると、有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法では、系内を流れる各ガスに、微量の硫黄やハロゲンが不純物として混入することがある。これらは有用炭化水素生成工程S10で使用する有用炭化水素生成用触媒やドライリフォーミング工程S30で使用するドライリフォーミング用触媒の被毒物質となるため、上記触媒の触媒性能を損なわせる可能性があり、さらには装置の損傷の原因にもなる。したがって、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、脱硫工程や脱ハロゲン工程などを適宜有してもよい。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、ドライリフォーミング工程S30で生成される第2ガスを脱水する不図示の脱水工程を有してもよい。脱水工程は、ドライリフォーミング工程S30の後かつ有用炭化水素生成工程S10の前に行われる。有用炭化水素生成工程S10に供給される第2ガスには、水が含まれることがある。脱水工程で第2ガスを脱水することによって、有用炭化水素生成工程S10で行われる有用炭化水素合成反応の効率を向上でき、さらには水分による有用炭化水素生成用触媒の触媒性能の低下を抑制できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、原料供給工程S40の後かつ有用炭化水素生成工程S10の前に、分離工程を有しても良い。原料供給工程S40が逆シフト反応で得られた一酸化炭素を有用炭化水素生成工程S10に供給する場合、原料供給工程S40から生成されるガスには未反応物や副生成物として、水素や二酸化炭素、水などが含まれる。そのため、水素や二酸化炭素の一部または全てを一酸化炭素から分離して原料供給工程S40に適宜リサイクルしてもよい。また、水を一酸化炭素から分離することで、有用炭化水素合成反応の効率を向上でき、さらには水分による有用炭化水素生成用触媒の触媒性能の低下を抑制できるため好ましい。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造方法は、ドライリフォーミング工程S30で生成される第2ガスならびに原料供給工程S40から供給される水素および一酸化炭素の少なくとも一方を含むガスを圧縮する不図示の圧縮工程を有してもよい。圧縮工程は、第2ガスに対する圧縮では、ドライリフォーミング工程S30の後かつ有用炭化水素生成工程S10の前に行われ、上記ガスに対する圧縮では、原料供給工程S40の後かつ有用炭化水素生成工程S10の前に行われる。圧縮工程で第2ガス等を圧縮することによって、圧縮された第2ガス等が有用炭化水素生成工程S10に供給されるため、有用炭化水素生成工程S10で行われる有用炭化水素合成反応の効率を向上できる。
 また、有用炭化水素の製造方法で製造する有用炭化水素は、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素であることが好ましく、液化石油ガスであることがより好ましい。
 オレフィン類としては、エチレン、プロピレンであることが好ましい。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレンであることが好ましい。ガソリンとしては、炭素数5以上12以下の炭化水素であることが好ましい。液化石油ガスとしては、炭素数3以上4以下の炭化水素であることが好ましい。液状炭化水素としては、炭素数5以上の炭化水素であるナフサ、灯油、ジェット燃料、軽油、重油であることが好ましい。
 有用炭化水素の製造方法では、製造する有用炭化水素の種類に応じて、有用炭化水素生成工程S10での適切な触媒(有用炭化水素生成用触媒)および反応条件下において、各種の有用炭化水素合成反応によって、一酸化炭素および水素から、目的とする各種有用炭化水素を主成分とする炭化水素混合物を合成することができる。
 例えば、有用炭化水素としてオレフィン類を製造する場合、有用炭化水素生成工程S10では、混合ガスに含まれる一酸化炭素および水素からオレフィン類を合成するための有用炭化水素生成用触媒(オレフィン類生成用触媒)を用いて、オレフィン類合成反応を行う。有用炭化水素生成工程S10において、混合ガスをオレフィン類生成用触媒に供給しながら、オレフィン類生成用触媒を加熱することによって、供給された混合ガス中の一酸化炭素および水素がオレフィン類生成用触媒によって反応し、オレフィン類を含む第1ガスを生成する。
 オレフィン類の生成量を増加する観点から、オレフィン類生成用触媒は、メタノール合成用触媒物質およびZSM-5型ゼオライト触媒物質を含む触媒であることが好ましい。
 このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質はP(リン)を含有することが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質がPを含有すると、ZSM-5型ゼオライト触媒物質の酸強度を適度に制御できるため、過剰な炭化水素鎖の成長を抑え、エチレンやプロピレンといったオレフィン類の生成量を増加できる。
 また、このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質に含まれる、Alのモル数に対するSiOのモル数の比(SiOのモル数/Alのモル数)は、20以上60以下であることが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質のゼオライト骨格を構成するケイ酸塩中のケイ素原子の一部をアルミニウム原子にかえることによって、アルミニウム原子が酸点となるため、ゼオライト触媒物質は固体酸としての機能を発現する。上記比が60以下であると、ZSM-5型ゼオライト触媒物質の酸点が増加するため、オレフィン類の生成量を増加できる。また、上記比が20以上であると、酸点が多くなりすぎることに起因するコーキングなどの触媒劣化を抑制できる。
 オレフィン類生成用触媒の加熱温度は、オレフィン類生成用触媒の種類、混合ガスの供給量などによって適宜設定される。例えば、オレフィン類生成用触媒の加熱温度は、240℃以上350℃以下である。
 オレフィン類合成反応の圧力について、下限値は、好ましくは2.0MPa以上、より好ましくは3.0MPa以上、さらに好ましくは3.5MPa以上であり、上限値は、好ましくは6.0MPa以下、より好ましくは5.5MPa以下、さらに好ましくは5.0MPa以下である。
 このとき、有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、少なくとも有用炭化水素であるオレフィン類が含有される。第1ガスには、オレフィン類に加えて、有用炭化水素生成工程S10およびドライリフォーミング工程S30の未反応物質である炭化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物であるメタノール、ジメチルエーテル、炭素数10以下の炭化水素などが含まれる。
 第1ガスに含まれるオレフィン類の含有割合は、オレフィン類生成用触媒の加熱温度や混合ガスの供給量などのオレフィン類合成反応の条件によって、適宜調整できる。
 有用炭化水素がオレフィン類である場合、ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とするオレフィン類以外の炭化水素が含まれることが好ましく、目的とするオレフィン類以外の炭化水素および一酸化炭素が含まれることがより好ましい。ドライリフォーミング用リサイクルガスが上記物質を含むと、オレフィン類の収率が大幅に向上する。
 また、例えば有用炭化水素として芳香族炭化水素を製造する場合、有用炭化水素生成工程S10では、混合ガスに含まれる一酸化炭素および水素から芳香族炭化水素を合成するための有用炭化水素生成用触媒(芳香族炭化水素生成用触媒)を用いて、芳香族炭化水素合成反応を行う。有用炭化水素生成工程S10において、混合ガスを芳香族炭化水素生成用触媒に供給しながら、芳香族炭化水素生成用触媒を加熱することによって、供給された混合ガス中の一酸化炭素および水素が芳香族炭化水素生成用触媒によって反応し、芳香族炭化水素を含む第1ガスを生成する。
 芳香族炭化水素の生成量を増加する観点から、芳香族炭化水素生成用触媒は、メタノール合成用触媒物質およびZSM-5型ゼオライト触媒物質を含む触媒であることが好ましい。
 このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質には、活性金属酸化物として、MnO、MnCr、MnAl、MnZrO、ZnO、ZnCrおよびZnAlの1種類以上を担持することが好ましく、MnO、MnCr、MnAlおよびMnZrOの1種以上を担持することが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質が上記金属酸化物を担持すると、芳香族炭化水素の生成量を増加できる。
 また、このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質に含まれる、Alのモル数に対するSiOのモル数の比(SiOのモル数/Alのモル数)は、20以上60以下であることが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質のゼオライト骨格を構成するケイ酸塩中のケイ素原子の一部をアルミニウム原子にかえることによって、アルミニウム原子が酸点となるため、ゼオライト触媒物質は固体酸としての機能を発現する。上記比が60以下であると、ZSM-5型ゼオライト触媒物質の酸点が増加するため、芳香族炭化水素の生成量を増加できる。また、上記比が20以上であると、酸点が多くなりすぎることに起因するコーキングなどの触媒劣化を抑制できる。
 芳香族炭化水素生成用触媒の加熱温度は、芳香族炭化水素生成用触媒の種類、混合ガスの供給量などによって適宜設定される。例えば、芳香族炭化水素生成用触媒の加熱温度は、300℃以上600℃以下である。
 芳香族炭化水素合成反応の圧力は、0.1MPa以上6.0MPa以下であることが好ましい。
 このとき、有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、少なくとも有用炭化水素である芳香族炭化水素が含有される。第1ガスには、芳香族炭化水素に加えて、有用炭化水素生成工程S10およびドライリフォーミング工程S30の未反応物質である炭化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物であるメタノール、ジメチルエーテル、有用炭化水素である芳香族炭化水素以外の炭化水素などが含まれる。
 第1ガスに含まれる芳香族炭化水素の含有割合は、芳香族炭化水素生成用触媒の加熱温度や混合ガスの供給量などの芳香族炭化水素合成反応の条件によって、適宜調整できる。
 有用炭化水素が芳香族炭化水素である場合、ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とする芳香族炭化水素以外の炭化水素が含まれることが好ましく、目的とする芳香族炭化水素以外の炭化水素および一酸化炭素が含まれることがより好ましい。ドライリフォーミング用リサイクルガスが上記物質を含むと、芳香族炭化水素の収率が大幅に向上する。
 また、例えば有用炭化水素としてガソリンを製造する場合、有用炭化水素生成工程S10では、混合ガスに含まれる一酸化炭素および水素からガソリンを合成するための有用炭化水素生成用触媒(ガソリン生成用触媒)を用いて、ガソリン合成反応を行う。有用炭化水素生成工程S10において、混合ガスをガソリン生成用触媒に供給しながら、ガソリン生成用触媒を加熱することによって、供給された混合ガス中の一酸化炭素および水素がガソリン生成用触媒によって反応し、ガソリンを含む第1ガスを生成する。
 ガソリンの生成量を増加する観点から、ガソリン生成用触媒は、メタノール合成用触媒物質およびゼオライト触媒物質を含む触媒であることが好ましい。
 また、このような触媒について、ゼオライト触媒物質に含まれる、Alのモル数に対するSiOのモル数の比(SiOのモル数/Alのモル数)は、少なくとも12であることが好ましい。また、ゼオライト触媒物質は、好ましくは12員環まで、より好ましくは10員環までによって形成される細孔径を有する。ゼオライト触媒物質のゼオライト骨格を構成するケイ酸塩中のケイ素原子の一部をアルミニウム原子にかえることによって、アルミニウム原子が酸点となるため、ゼオライト触媒物質は固体酸としての機能を発現する。上記のようなゼオライト触媒物質であると、ガソリンの生成量を増加できる。このようなゼオライト触媒物質は、例えばZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-23、ZSM-35およびZSM-38である。
 ガソリン生成用触媒の加熱温度は、ガソリン生成用触媒の種類、混合ガスの供給量などによって適宜設定される。例えば、ガソリン生成用触媒の加熱温度は、250℃以上500℃以下であり、好ましくは300℃以上450℃以下である。
 ガソリン合成反応の圧力は、25bar以上150bar以下であることが好ましい。
 このとき、有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、少なくとも有用炭化水素であるガソリンが含有される。第1ガスには、ガソリンに加えて、有用炭化水素生成工程S10およびドライリフォーミング工程S30の未反応物質である炭化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物であるメタノール、ジメチルエーテル、ガソリン以外の炭化水素などが含まれる。
 第1ガスに含まれるガソリンの含有割合は、ガソリン生成用触媒の加熱温度や混合ガスの供給量などのガソリン合成反応の条件によって、適宜調整できる。
 有用炭化水素がガソリンである場合、ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とするガソリン以外の炭化水素が含まれることが好ましく、目的とするガソリン以外の炭化水素および一酸化炭素が含まれることがより好ましい。ドライリフォーミング用リサイクルガスが上記物質を含むと、ガソリンの収率が大幅に向上する。
 また、例えば有用炭化水素として液化石油ガスを製造する場合、有用炭化水素生成工程S10では、混合ガスに含まれる一酸化炭素および水素から液化石油ガスを合成するための有用炭化水素生成用触媒(LPG生成用触媒)を用いて、液化石油ガス合成反応を行う。有用炭化水素生成工程S10において、混合ガスをLPG生成用触媒に供給しながら、LPG生成用触媒を加熱することによって、供給された混合ガス中の一酸化炭素および水素がLPG生成用触媒によって反応し、液化石油ガスを含む第1ガスを生成する。
 液化石油ガスの生成量を増加すると共に、液化石油ガスに含まれるプロパンの含有割合を増加する観点から、LPG生成用触媒は、メタノール合成用触媒物質およびZSM-5型ゼオライト触媒物質を含む触媒であることが好ましい。
 このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質には、Pt(白金)、またはPtおよびPd(パラジウム)を担持することが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質がPt、またはPtおよびPdを担持すると、液化石油ガスの生成量およびプロパンの含有割合を増加できる。ZSM-5型ゼオライト触媒物質に担持されているPtおよびPdの状態について、金属単体のPtおよび金属単体のPdが混在してもよいし、PtおよびPdが合金化してもよいし、PtおよびPdの少なくとも一方の金属単体とPtおよびPdの合金とが混在してもよい。
 また、このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質はPを含有することが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質がPを含有すると、ZSM-5型ゼオライト触媒物質の酸強度を適度に制御できるため、液化石油ガスの生成量およびプロパンの含有割合を増加できる。
 また、このような触媒について、ZSM-5型ゼオライト触媒物質に含まれる、Alのモル数に対するSiOのモル数の比(SiOのモル数/Alのモル数)は、20以上60以下であることが好ましい。ZSM-5型ゼオライト触媒物質のゼオライト骨格を構成するケイ酸塩中のケイ素原子の一部をアルミニウム原子にかえることによって、アルミニウム原子が酸点となるため、ゼオライト触媒物質は固体酸としての機能を発現する。上記比が60以下であると、ZSM-5型ゼオライト触媒物質の酸点が増加するため、液化石油ガスの生成量およびプロパンの含有割合を増加できる。また、上記比が20以上であると、酸点が多くなりすぎることに起因するコーキングなどの触媒劣化を抑制できる。
 LPG生成用触媒の加熱温度は、LPG生成用触媒の種類、混合ガスの供給量などによって適宜設定される。例えば、LPG生成用触媒の加熱温度は、240℃以上350℃以下である。
 液化石油ガス合成反応の圧力について、下限値は、好ましくは2.0MPa以上、より好ましくは3.0MPa以上、さらに好ましくは3.5MPa以上であり、上限値は、好ましくは6.0MPa以下、より好ましくは5.5MPa以下、さらに好ましくは5.0MPa以下である。
 このとき、有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、少なくとも有用炭化水素である液化石油ガスが含有される。第1ガスには、液化石油ガスに加えて、有用炭化水素生成工程S10およびドライリフォーミング工程S30の未反応物質である炭化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物である水やメタノール、ジメチルエーテル、炭素数1以上2以下の炭化水素、炭素数5以上の炭化水素などが含まれる。
 第1ガスに含まれる液化石油ガスの含有割合は、LPG生成用触媒の加熱温度や混合ガスの供給量などの液化石油ガス合成反応の条件によって、適宜調整できる。
 有用炭化水素が液化石油ガスである場合、ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数3~4以外の炭化水素が含まれることが好ましく、炭素数1以上2以下の炭化水素が含まれることがより好ましく、エタンが含まれることがさらに好ましい。ドライリフォーミング用リサイクルガスが上記物質を含むと、液化石油ガスの収率が大幅に向上する。
 また、例えば有用炭化水素として液状炭化水素を製造する場合、有用炭化水素生成工程S10では、混合ガスに含まれる一酸化炭素および水素から液状炭化水素を合成するための有用炭化水素生成用触媒(液状炭化水素生成用触媒)を用いて、液状炭化水素合成反応を行う。有用炭化水素生成工程S10において、混合ガスを液状炭化水素生成用触媒に供給しながら、液状炭化水素生成用触媒を加熱することによって、供給された混合ガス中の一酸化炭素および水素が液状炭化水素生成用触媒によって反応し、液状炭化水素を含む第1ガスを生成する。
 液状炭化水素の生成量を増加する観点から、液状炭化水素生成用触媒は、FT(フィッシャー・トロプシュ)合成触媒であることが好ましい。
 FT合成触媒としては、担体上にFT反応に対する活性を有する金属の少なくとも1種以上を担持することが好ましい。担体は、Al、SiOであることが好ましい。また、FT反応に対する活性を有する金属は、Ru、Co、Fe、Niであることが好ましく、Ru、Coであることがより好ましい。上記金属がRuである場合、FT合成触媒はRuを金属換算で0.5質量%以上5.0質量%以下含むことが好ましい。上記金属がCoである場合、FT合成触媒はCoを金属換算で5.0質量%以上40.0質量%以下含むことが好ましい。
 また、FT合成触媒は、上記ドライリフォーミング用触媒の好適例として挙げた触媒構造体であって、Coを内部に包摂したものであってもよい。
 液状炭化水素生成用触媒の加熱温度は、液状炭化水素生成用触媒の種類、混合ガスの供給量などによって適宜設定される。例えば、液状炭化水素生成用触媒の加熱温度は、200℃以上350℃以下であり、好ましくは210℃以上310℃以下、より好ましくは220℃以上290℃以下である。
 液状炭化水素合成反応の圧力について、好ましくは0.5MPa以上10.0MPa以下、より好ましくは0.7MPa以上7.0MPa以下、さらに好ましくは0.8MPa以下5.0MPa以下である。
 このとき、有用炭化水素生成工程S10で生成される第1ガスには、少なくとも有用炭化水素である液状炭化水素が含有される。第1ガスには、液状炭化水素に加えて、有用炭化水素生成工程S10およびドライリフォーミング工程S30の未反応物質である炭化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、これら工程の副生成物である水、炭素数4以下の炭化水素などが含まれる。
 第1ガスに含まれる液状炭化水素の含有割合は、液状炭化水素生成用触媒の加熱温度や混合ガスの供給量などの液状炭化水素合成反応の条件によって、適宜調整できる。
 有用炭化水素が液状炭化水素である場合、ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数4以下の炭化水素が含まれることが好ましく、炭素数4以下の炭化水素および一酸化炭素が含まれることがより好ましい。ドライリフォーミング用リサイクルガスが上記物質を含むと、液状炭化水素の収率が大幅に向上する。
[有用炭化水素の製造装置]
 次に、実施形態の有用炭化水素の製造装置について説明する。実施形態の有用炭化水素の製造装置は、上記実施形態の有用炭化水素の製造方法を行う装置である。
 有用炭化水素の製造装置は、有用炭化水素生成部とリサイクル部とドライリフォーミング部とを備える。
 有用炭化水素の製造装置を構成する有用炭化水素生成部は、主に上記の有用炭化水素生成工程S10を行う。有用炭化水素生成部には、一酸化炭素および水素を含む混合ガスが供給される。有用炭化水素生成部は、不図示の有用炭化水素生成用触媒および有用炭化水素生成用触媒を加熱する不図示の加熱部を備える。例えば、加熱部は、加熱炉である。有用炭化水素生成用触媒は、加熱部によって、所定の温度に加熱される。
 加熱状態の有用炭化水素生成用触媒を備える有用炭化水素生成部に混合ガスが供給されると、有用炭化水素生成部は、混合ガス中の一酸化炭素および水素を有用炭化水素生成用触媒によって反応させて、目的とする有用炭化水素を含む第1ガスを生成する。このように、有用炭化水素生成部では、混合ガスに対して有用炭化水素合成反応が行われる。
 有用炭化水素の製造装置を構成するリサイクル部は、主に上記のリサイクル工程S20を行う。リサイクル部は、有用炭化水素生成部で生成した第1ガスからドライリフォーミング用リサイクルガスを分離し、ドライリフォーミング用リサイクルガスを後述するドライリフォーミング部に供給する。
 有用炭化水素の製造装置を構成するドライリフォーミング部は、主に上記のドライリフォーミング工程S30を行う。ドライリフォーミング部には、リサイクル部からドライリフォーミング用リサイクルガスが供給される。ドライリフォーミング部は、不図示のドライリフォーミング用触媒およびドライリフォーミング用触媒を加熱する不図示の加熱部を備える。例えば、加熱部は、加熱炉である。ドライリフォーミング用触媒は、加熱部によって、所定の温度に加熱される。
 加熱状態のドライリフォーミング用触媒を備えるドライリフォーミング部にドライリフォーミング用リサイクルガスが供給されると、ドライリフォーミング部は、ドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素をドライリフォーミング用触媒によって反応させて、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成する。このように、ドライリフォーミング部では、ドライリフォーミング用リサイクルガスに対してドライリフォーミングが行われる。
 一酸化炭素および水素を含む第2ガスは有用炭化水素生成部に供給される。有用炭化水素生成部に供給された一酸化炭素および水素は、有用炭化水素生成部で行われる有用炭化水素合成反応の原料として用いられる。
 上記のように、リサイクル部では、有用炭化水素生成部で生成された第1ガス中の不純物(オフガス)である二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスを含むドライリフォーミング用リサイクルガスをドライリフォーミング部に供給し、ドライリフォーミング部で生成された一酸化炭素および水素を有用炭化水素生成部で再利用できる。このように、実施形態の有用炭化水素の製造装置では、副生成物として生成される二酸化炭素を系内において化学的転換を伴うリサイクルをするため、長期間に亘って安定的に二酸化炭素の排出量を抑制できる。また、リサイクル部では、有用炭化水素生成部で生成された第1ガスから分離された副生成物の二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスの比を調整してドライリフォーミング部の原料として二酸化炭素および低級炭化水素含有ガスを供給するため、コーキングによる触媒の劣化が抑制されるとともに、長期間に亘って安定的に有用炭化水素の収率を向上できる。
 ドライリフォーミング部に供給されるドライリフォーミング用リサイクルガス中の低級炭化水素含有ガスは、低級炭化水素に加えて、低級炭化水素以外の炭化水素を含有してもよい。低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素以外の炭化水素は、特に限定されるものではなく、例えば低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素の純物質あるいはそれらの混合物であり、低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上10以下の炭化水素であることが好ましい。このとき、低級炭化水素含有ガスにおける、低級炭化水素と目的とする有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素のモル数に対する低級炭化水素のモル数の比(低級炭化水素/低級炭化水素と有用炭化水素とを除く炭素数5以上の炭化水素)は1.0以上であることが好ましい。このような成分の低級炭化水素含有ガスを含むドライリフォーミング用リサイクルガスがドライリフォーミング部に供給されると、ドライリフォーミング用触媒のコーキングが効果的に抑制され、有用炭化水素生成部で生成される有用炭化水素の収率が向上する。
 また、リサイクル部は、ドライリフォーミング部に供給するドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素の炭素モル数MCO2に対する低級炭化水素含有ガスの炭素モル数MHCの比(MHC/MCO2)を調整することが好ましい。
 ドライリフォーミング部における炭素モル比(MHC/MCO2)が大きいと、ドライリフォーミング部でコーキング発生および二酸化炭素不足を生じる可能性がある。そのため、ドライリフォーミング部における炭素モル比(MHC/MCO2)が大きいときに、リサイクル部がドライリフォーミング部に供給するドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を低下すると、ドライリフォーミング部でのコーキング発生および二酸化炭素不足を抑制できる。
 このように、ドライリフォーミング部における炭素モル比(MHC/MCO2)に応じて、リサイクル部がドライリフォーミング部に供給するドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を調整することによって、目的とする有用炭化水素をさらに効率的に製造できる。ドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を、好ましくは1.30以下、より好ましくは1.10以下に調整すると、上記効果をさらに向上できる。また、ドライリフォーミング用リサイクルガス中の比(MHC/MCO2)を、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.40以上に調整すると、低級炭化水素含有ガス不足を抑制して、ドライリフォーミングの効率を向上でき、さらには、二酸化炭素の排出量をさらに抑制できる。
 また、リサイクル部によってドライリフォーミング部に供給されるドライリフォーミング用リサイクルガスのCO濃度は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。ドライリフォーミング用リサイクルガスのCO濃度が40%以上であると、ドライリフォーミング部でのコーキング発生および二酸化炭素不足を十分に抑制できる。その結果、第2ガスにおける一酸化炭素と水素の存在割合が増加するため、有用炭化水素の生成効率が向上する。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、水素、および逆シフト反応で得られた一酸化炭素の少なくとも一方を有用炭化水素生成部に供給する原料供給部をさらに有することが好ましい。原料供給部は、主に上記の原料供給工程S40を行う。原料供給部から有用炭化水素生成部に供給される水素および一酸化炭素は、有用炭化水素生成部で行われる有用炭化水素合成反応の原料として用いられる。
 一酸化炭素は、逆シフト反応により、二酸化炭素および水素から生成される。また、水素は、例えば水の電気分解などから生成される。このように、原料供給部は、水素および一酸化炭素を有用炭化水素生成部に安定して供給できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、有用炭化水素生成部で生成した第1ガスから水素を分離して有用炭化水素生成部に供給する水素リサイクル部をさらに備えることが好ましい。水素リサイクル部は、主に上記の水素リサイクル工程S50を行う。有用炭化水素生成部から排出された第1ガス中の不純物である水素を水素リサイクル部によって有用炭化水素生成部に供給すると、有用炭化水素生成部における水素不足を抑制できる。そのため、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。また、有用炭化水素生成部から排出された水素を有用炭化水素生成部の原料として再利用するため、環境負荷を低減できる。
 また、水素リサイクル部は、有用炭化水素生成部で生成される有用炭化水素の炭素数に応じて、有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を調整することが好ましく、有用炭化水素生成工程S10で生成される有用炭化水素の炭素数および有用炭化水素生成工程S10における水素のモル数Mに応じて、有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を調整することがより好ましい。
 例えば有用炭化水素として液化石油ガスを製造する場合、有用炭化水素生成部における水素のモル数Mが少ないと、有用炭化水素生成部で水素不足を生じる可能性がある。そのため、有用炭化水素生成部における水素のモル数Mが少ないときに、水素リサイクル部が有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を増加すると、有用炭化水素生成部での水素不足を抑制できる。
 このように、有用炭化水素生成部における水素のモル数Mが少ないときには、水素リサイクル部が有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を増加するといった、有用炭化水素生成部における水素のモル数Mに応じて、水素リサイクル部が有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を調整することによって、目的とする有用炭化水素をさらに効率的に製造できる。
 また、水素リサイクル部は、有用炭化水素生成部における一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)に応じて、有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を調整することが好ましい。
 有用炭化水素生成部のモル比(M/MCO)について、一酸化炭素に対する水素の割合が少ないと、水素不足になる可能性がある。そのため、有用炭化水素生成部におけるモル比(M/MCO)が少ないときに、水素リサイクル部が有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を増加すると、有用炭化水素生成部での水素不足を抑制できる。このように、有用炭化水素生成部におけるモル比(M/MCO)に応じて、水素リサイクル部が有用炭化水素生成部に供給する水素の供給量を調整することによって、有用炭化水素生成部での水素不足をより確実に抑制できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、ドライリフォーミング部で得られた第2ガス中の一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)を調整する調整部をさらに有してもよい。調整部は、主に上記の調整工程を行う。
 調整部は、ドライリフォーミング部から排出される第2ガス中のモル比(M/MCO)を調整する。調整部は、スチームドラムであることが好ましい。スチームドラムは、ドライリフォーミング部にスチームを供給して、第2ガス中のモル比(M/MCO)を1以上3以下に調整する。調整部では、有用炭化水素生成部で実施される有用炭化水素合成反応の条件に応じて、第2ガス中のモル比(M/MCO)が調整される。
 調整部によってモル比(M/MCO)を調整した第2ガスが有用炭化水素生成部に供給されると、有用炭化水素生成部による水素不足を抑制できる。そのため、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、第1ガスから炭素原子を含む物質を分離し、炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する燃焼部をさらに備えてもよい。燃焼部は、主に上記の燃焼工程を行う。この場合、リサイクル部は、ドライリフォーミング用リサイクルガス、および燃焼部で生成した二酸化炭素をドライリフォーミング部に供給する。
 燃焼部では、有用炭化水素生成部から排出された第1ガス中の炭素原子を含む物質を第1ガスから分離し、分離した炭素原子を含む物質を燃焼して、二酸化炭素を生成する。なお、燃焼部で燃焼する炭素原子を含む物質には、二酸化炭素が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
 リサイクル部は、ドライリフォーミング用リサイクルガスに加えて、燃焼部で生成された二酸化炭素についても、ドライリフォーミング部に供給する。ドライリフォーミング部に供給される二酸化炭素の量は、燃焼部によって増加できる。そのため、ドライリフォーミング部におけるコーキング発生および二酸化炭素不足をさらに抑制できることから、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。また、燃焼部で発生した熱を回収して、有用炭化水素生成部やドライリフォーミング部に利用することができる。
 また、ドライリフォーミング部に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合に応じて、燃焼部の燃焼率を調整することが好ましい。燃焼部の燃焼率を変えることによって、燃焼部で生成する二酸化炭素の量を調整できる。そのため、ドライリフォーミング部に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合に応じて、燃焼部の燃焼率を調整して二酸化炭素の生成量を調整し、リサイクル部でドライリフォーミング部に供給される二酸化炭素の量を調整できるため、目的とする有用炭化水素の生成量を増加できる。
 燃焼部の燃焼率が3%以上であると、ドライリフォーミング部の二酸化炭素不足を十分に抑制できる。また、燃焼部の燃焼率が25%以下であると、ドライリフォーミング部に供給される炭化水素と二酸化炭素との割合が良好である。一方で、燃焼部の燃焼率が25%を上回ると、炭化水素に対して二酸化炭素が過剰になるため、未反応の二酸化炭素量が多くなってしまい、結果として有用炭化水素の生成量が低下してしまう。そのため、燃焼部の燃焼率が3%以上25%以下であると、目的とする有用炭化水素を長期間に亘って効率よく製造できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置では、微量の硫黄やハロゲンが不純物として混入することがある。これらは有用炭化水素生成部で使用する有用炭化水素生成用触媒やドライリフォーミング部で使用するドライリフォーミング用触媒の被毒物質となるため、上記触媒の触媒性能を損なわせる可能性があり、さらには装置の損傷の原因にもなる。したがって、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、脱硫部や脱ハロゲン部などを適宜備えてもよい。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、ドライリフォーミング部で生成される第2ガスを脱水する脱水部を備えてもよい。脱水部は、主に上記の脱水工程を行う。脱水部は、ドライリフォーミング部および有用炭化水素生成部の間に設けられる。脱水部が第2ガスを脱水することによって、有用炭化水素生成部で行う有用炭化水素合成反応の効率を向上でき、さらには水分による有用炭化水素生成用触媒の触媒性能の低下を抑制できる。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、原料供給部の後かつ有用炭化水素生成部の前に、分離部を備えても良い。分離部は、主に上記の分離工程を行う。原料供給部から生成されるガスには未反応物や副生成物として、水素や二酸化炭素、水などが含まれる。そのため、水素や二酸化炭素の一部または全てを一酸化炭素から分離して原料供給部に適宜リサイクルしてもよい。また、水を一酸化炭素から分離することで、有用炭化水素合成反応の効率を向上でき、さらには水分による有用炭化水素生成用触媒の触媒性能の低下を抑制できるため好ましい。
 また、実施形態の有用炭化水素の製造装置は、ドライリフォーミング部で生成される第2ガスならびに原料供給部から供給される水素および一酸化炭素の少なくとも一方を含むガスを圧縮する圧縮部を備えてもよい。圧縮部は、主に上記の圧縮工程を行う。圧縮部は、ドライリフォーミング部および原料供給部の後かつ有用炭化水素生成部の前に設けられる。圧縮部が第2ガス等を圧縮することによって、圧縮された第2ガス等が有用炭化水素生成部に供給されるため、有用炭化水素生成部で行う目的とする有用炭化水素の合成反応の効率を向上できる。
 また、有用炭化水素の製造装置で製造する有用炭化水素は、上記有用炭化水素の製造方法で製造する有用炭化水素と同様であり、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素であることが好ましく、液化石油ガスであることがより好ましい。
 有用炭化水素の製造装置では、製造する有用炭化水素の種類に応じて、有用炭化水素生成部での適切な触媒(有用炭化水素生成用触媒)および反応条件下において、各種の有用炭化水素合成反応によって、一酸化炭素および水素から、目的とする各種有用炭化水素を主成分とする炭化水素混合物を合成することができる。有用炭化水素生成部で行われる各種の有用炭化水素合成反応は、上記で説明した有用炭化水素の製造方法における有用炭化水素生成工程S10の条件と同様である。
 以上説明した実施形態によれば、有用炭化水素合成反応の主原料として水素を用い、さらには主要な副生成物の1つである二酸化炭素を系内でリサイクルすることによって、長期間に亘って安定的に、有用炭化水素の収率を向上できると共に、二酸化炭素の排出量を抑制できる。
 以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
 次に、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1-1~1-6)
 有用炭化水素生成工程とリサイクル工程とドライリフォーミング工程とを有する有用炭化水素の製造方法により、有用炭化水素である液化石油ガスを製造した。具体的には、次の通りである。
 有用炭化水素生成工程では、固定床流通式反応器を用いた。また、ステンレス鋼の反応管を使用した。混合ガス(モル比で一酸化炭素:水素=1:2)を有用炭化水素生成工程に供給し、有用炭化水素生成工程に供給する混合ガスの流量を37.2ml/minとした。GHSV=2000(1/h)となるように、有用炭化水素生成用触媒(LPG生成用触媒)を充填し、その上下に石英ウールを詰めることで、LPG生成用触媒を固定した。LPG生成用触媒には、メタノール合成用触媒物質とPtおよびPdを担持したZSM-5型ゼオライト触媒物質とを重量比1:1で物理混合した触媒を用い、前処理として、LPG生成用触媒に対して、水素流通下、380℃、2時間で還元処理を施した。LPG生成用触媒の加熱温度を320℃とした。有用炭化水素生成工程の圧力を5.0MPaとした。こうして、液化石油ガスを含む第1ガスを生成した。
 リサイクル工程では、表1に示す組成、CO濃度、比(MHC/MCO2)および低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素のモル数に対する低級炭化水素のモル数の比(低級炭化水素/低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素)を有するドライリフォーミング用リサイクルガスを第1ガスから分離しドライリフォーミング工程に供給した。
 また、ドライリフォーミング工程では、固定床流通式反応器を用いた。また、石英ガラスの反応管を使用した。ドライリフォーミング工程に供給するドライリフォーミング用リサイクルガスの流量を10ml/minとした。GHSV=2170(1/h)となるように、ドライリフォーミング用触媒を充填し、その上下に石英ウールを詰めることで、ドライリフォーミング用触媒を固定した。ドライリフォーミング用触媒には、Niを1質量%含む上記のドライリフォーミング用触媒を用い、前処理として、ドライリフォーミング用触媒に対して、水素流通下、700℃、1.5時間で還元処理を施した。表1に示すドライリフォーミングの反応温度でドライリフォーミング工程を実施した。
 有用炭化水素の製造方法を開始し、開始直後(初期)および7日後に、ドライリフォーミング工程で生成した第2ガスを、ガスパックで回収し、GC-TCDで分析し、ドライリフォーミング工程で生成した合成ガス(水素と一酸化炭素)、二酸化炭素の生成量を測定した。これにより、開始直後(初期)に生成した合成ガスおよび7日後において生成した合成ガスを、それぞれ有用炭化水素生成工程に供給したときに、第1ガス中に含まれる液化石油ガスや二酸化炭素の生成量を測定した。また、開始直後(初期)および7日後の、ドライリフォーミング工程における二酸化炭素の生成量の変化から、ドライリフォーミング用触媒の活性低下率を下記の式から計算した。活性低下率とは、開始直後から7日後にかけて低下した二酸化炭素転化率の初期転化率に対する割合を表す。活性低下率の結果を表1に示す。
 活性低下率(%)=(初期二酸化炭素転化率(%)ー7日後二酸化炭素転化率)×100/初期二酸化炭素転化率(%)
 さらに、有用炭化水素に含まれる二酸化炭素、およびドライリフォーミング工程後にプロセスの系外に排出される二酸化炭素の排出量の合計を算出した。
(比較例1-1)
 有用炭化水素生成工程を有し、リサイクル工程とドライリフォーミング工程を有さないこと以外は上記実施例と同様にして、液化石油ガスを製造した。さらに、有用炭化水素に含まれる二酸化炭素、つまりプロセスの系外に排出される二酸化炭素の排出量を測定した。
 表2におけるLPG生成量のランク付けについて、初期および7日後におけるLPG生成量が、1.72(10-1mol/mol-原料CO)超を「秀」、1.30(10-1mol/mol-原料CO)超1.72(10-1mol/mol-原料CO)以下を「優」、1.10(10-1mol/mol-原料CO)超1.30(10-1mol/mol-原料CO)以下を「良」、1.10(10-1mol/mol-原料CO)以下を「不良」とした。
 また、表2における二酸化炭素排出量のランク付けについて、初期および7日後におけるプロセス系外に排出された二酸化炭素排出量が、2.50(10-1mol/mol-原料CO)以下を「優」、2.50(10-1mol/mol-原料CO)超3.45(10-1mol/mol-原料CO)以下を「良」、3.45(10-1mol/mol-原料CO)超を「不良」とした。
 また、これらのランク付けをもとにした総合評価について、初期および7日後のLPG生成量および二酸化炭素排出量の4つの項目のうち、秀が1つ以上かつそれ以外が優のランクである場合は「☆」、4つが優のランクである場合は「◎」、1~3つが優でそれ以外が良のランクである場合を「〇」、4つが良のランクである場合を「△」、1つ以上が不良のランクである場合を「×」とした。これらの結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(実施例2-1~2-2)
 有用炭化水素生成工程の後かつリサイクル工程の前に燃焼工程を設け、第1ガス中の有用炭化水素以外の炭化水素を表2に示す燃焼率で燃焼させて二酸化炭素に変換してリサイクル工程に供給し、ドライリフォーミング用リサイクルガスの組成、CO濃度、比(MHC/MCO2)および比(低級炭化水素/低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素)を表1に変更したこと以外は、実施例1-1~1-6と同様にして、液化石油ガスを製造した。活性低下率、液化石油ガスの生成量、二酸化炭素排出量、総合評価を表1~2に示す。
(実施例3-1~3-6)
 有用炭化水素生成工程とリサイクル工程とドライリフォーミング工程に加えて、原料供給工程をさらに有する有用炭化水素の製造方法により、有用炭化水素である液化石油ガスを製造した。具体的には、次の通りである。
 原料供給工程では、国際公開第2018/221690号に記載されている製造方法で逆シフト反応用触媒を調製して用いた。金属種としてCuを選定し、その含有量は1質量%とした。逆シフト反応には固定床流通式反応器を用い、また、石英ガラスの反応管を使用した。水素ガスを3.0ml/min、二酸化炭素を1.5ml/minで供給した。GHSV=2140(1/h)となるように、逆シフト反応用触媒を充填し、その上下に石英ウールを詰めることで、逆シフト反応用触媒を固定した。逆シフト反応の反応温度は750℃とした。生成したガスを、ガスパックで回収し、GC-TCDで分析して、逆シフト反応で生成した一酸化炭素の生成量を測定した。
 有用炭化水素生成工程では、原料供給工程において逆シフト反応によって得られた一酸化炭素(CO転化率は38%)に、その2倍量(モル比)の水素を添加し、有用炭化水素生成工程に供給したこと以外は、実施例1-1~1-6と同様に実施した。
 リサイクル工程では、表3に示す組成、CO濃度、比(MHC/MCO2)および低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素のモル数に対する低級炭化水素のモル数の比(低級炭化水素/低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素)を有するドライリフォーミング用リサイクルガスを第1ガスから分離してドライリフォーミング工程に供給した。
 また、ドライリフォーミング工程は、実施例1-1~1-6と同様に実施した。
 ドライリフォーミング工程における活性低下率、液化石油ガスの生成量、二酸化炭素排出量は、実施例1-1~1-6と同様に算出した。
(比較例3-1)
 有用炭化水素生成工程および原料供給工程を有し、リサイクル工程とドライリフォーミング工程を有さないこと以外は上記実施例3-1と同様にして、液化石油ガスを製造した。液化石油ガスの生成量、二酸化炭素排出量は、比較例1-1と同様に算出した。
(実施例4-1~4-2)
 有用炭化水素生成工程の後かつリサイクル工程の前に燃焼工程を設け、第1ガス中の有用炭化水素以外の炭化水素を表4に示す燃焼率で燃焼させて二酸化炭素に変換してリサイクル工程に供給し、ドライリフォーミング用リサイクルガスの組成、CO濃度、比(MHC/MCO2)および比(低級炭化水素/低級炭化水素を除く炭素数5以上の炭化水素)を表3に変更したこと以外は、実施例3-1~3-6と同様にして、液化石油ガスを製造した。算出した活性低下率や二酸化炭素排出量、液化石油ガスの生成量を表3~4に示す。
 表4におけるLPG生成量のランク付けについて、初期および7日後におけるLPG生成量が、8.0(10-2mol/mol-原料CO)超を「秀」、6.0(10-2mol/mol-原料CO)超8.0(10-2mol/mol-原料CO)以下を「優」、5.0(10-2mol/mol-原料CO)超6.0(10-2mol/mol-原料CO)以下を「良」、5.0(10-2mol/mol-原料CO)以下を「不良」とした。
 また、表4における二酸化炭素排出量のランク付けについて、初期および7日後におけるプロセス系外に排出された二酸化炭素排出量が、1.35(10-1mol/mol-原料CO)以下を「優」、1.35(10-1mol/mol-原料CO)超1.55(10-1mol/mol-原料CO)以下を「良」、1.55(10-1mol/mol-原料CO)超を「不良」とした。
 また、これらのランク付けをもとにした総合評価について、初期および7日後のLPG生成量および二酸化炭素排出量の4つの項目のうち、秀が1つ以上かつそれ以外が優のランクである場合は「☆」、4つが優のランクである場合は「◎」、1~3つが優でそれ以外が良のランクである場合を「〇」、4つが良のランクである場合を「△」、1つ以上が不良のランクである場合を「×」とした。これらの結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 実施例5-1~5-4では、有用炭化水素生成工程、リサイクル工程、ドライリフォーミング工程を有する製造方法により、有用炭化水素生成工程において、オレフィンであるプロピレン、芳香族炭化水素、ガソリン、液状炭化水素を製造した。各実施例における有用炭化水素生成工程については下記の通り実施し、それ以外のリサイクル工程およびドライリフォーミング工程は表5に示す条件で実施例1-1~1-6と同様に実施した。ドライリフォーミング用リサイクルガスの二酸化炭素濃度および比(MHC/MCO2)は表5に示す値とした。
(実施例5-1)
 有用炭化水素生成工程で充填する有用炭化水素生成用触媒(オレフィン類生成用触媒)には、メタノール合成用触媒物質とPを担持したZSM-5型ゼオライト触媒物質とを重量比1:1で物理混合したものを使用し、反応温度を320℃、GHSV=2000h-1、圧力を5.0MPa、供給するH/CO比を2.0とした以外は上記実施例1-1~1-6と同様にして、オレフィン類であるプロピレンを製造した。
(実施例5-2)
 有用炭化水素生成工程で充填する有用炭化水素生成用触媒(芳香族炭化水素生成用触媒)には、メタノール合成用触媒物質とZnCrを1wt%物理混合したZSM-5型ゼオライト触媒物質(ZnCr/ZSM-5)とを重量比1:1で物理混合したものを使用し、反応温度を350℃、GHSV=500h-1、圧力を5.0MPa、供給するH/CO比を2.5とした以外は上記実施例1-1~1-6と同様にして、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンの混合物)を製造した。
(実施例5-3)
 有用炭化水素生成工程で充填する有用炭化水素生成用触媒(ガソリン生成用触媒)には、メタノール合成用触媒物質とZSM-5型ゼオライト触媒物質とを重量比1:1で物理混合したものを使用し、反応温度を370℃、GHSV=3700h-1、圧力を5.0MPa、供給するH/CO比を2.0とした以外は上記実施例1-1~1-6と同様にして、ガソリンを製造した。
(実施例5-4)
 有用炭化水素生成工程で充填する有用炭化水素生成用触媒(液状炭化水素生成用触媒)には、0.5wt%Co担持SiO(FT合成触媒)を使用し、反応温度を230℃、GHSV=3000h-1、圧力を2.0MPa、供給するH/CO比を2.0とした以外は上記実施例1-1~1-6と同様にして、液状炭化水素を製造した。
(比較例5-1~5-4)
 有用炭化水素生成工程を有し、リサイクル工程とドライリフォーミング工程を有さないこと以外は実施例5-1~5-4と同様にして、有用炭化水素生成工程において、オレフィンであるプロピレン、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンの混合物)、ガソリン、液状炭化水素をそれぞれ製造した。
 第1ガスに含まれる目的とする有用炭化水素と二酸化炭素の生成量、第2ガスに含まれる二酸化炭素と一酸化炭素の生成量は上記と同様の方法で分析し、有用炭化水素生成工程のCO転化率、目的とする有用炭化水素の炭素収率ならびにプロセス系外に排出する二酸化炭素の排出量を算出した。結果は表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表1~5に示すように、上記実施例では、有用炭化水素生成工程とリサイクル工程とドライリフォーミング工程とを有することから、様々な種類の有用炭化水素の収率を長期間に亘って安定的に向上できた。さらには、二酸化炭素の排出量を抑制できた。また、燃焼工程を有することで、さらに有用炭化水素の収率を向上できた。一方、上記比較例では、リサイクル工程およびドライリフォーミング工程を有さないことから、有用炭化水素の収率が不良であった。さらには、二酸化炭素の排出量も抑制できなかった。
 S10 有用炭化水素生成工程
 S20 リサイクル工程
 S30 ドライリフォーミング工程
 S40 原料供給工程
 S50 水素リサイクル工程

Claims (20)

  1.  一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、
     前記第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル工程と、
     前記リサイクル工程から供給された前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の前記低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、前記第2ガスを前記有用炭化水素生成工程に供給するドライリフォーミング工程と
    を有する有用炭化水素の製造方法。
  2.  水素、および逆シフト反応で得られた一酸化炭素の少なくとも一方を前記有用炭化水素生成工程に供給する原料供給工程をさらに有する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  3.  前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の二酸化炭素の炭素モル数MCO2に対する前記低級炭化水素含有ガスの炭素モル数MHCの比(MHC/MCO2)を調整する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  4.  前記ドライリフォーミング用リサイクルガスに含まれるCO濃度は40%以上である、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  5.  前記第1ガスから水素を分離して前記有用炭化水素生成工程に供給する水素リサイクル工程をさらに有する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  6.  前記水素リサイクル工程は、前記原料供給工程と前記ドライリフォーミング工程から供給される水素のモル量に応じて、前記有用炭化水素生成工程に供給する水素の供給量を調整する、請求項5に記載の有用炭化水素の製造方法。
  7.  前記ドライリフォーミング工程で得られた前記第2ガス中の一酸化炭素のモル数MCOに対する水素のモル数Mのモル比(M/MCO)を調整する調整工程をさらに有する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  8.  前記第1ガスから炭素原子を含む物質を分離し、前記炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する燃焼工程をさらに有し、
     前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング用リサイクルガス、および前記燃焼工程で生成した二酸化炭素を前記ドライリフォーミング工程に供給する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
  9.  前記有用炭化水素は、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素である、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  10.  前記有用炭化水素は、液化石油ガスである、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  11.  前記有用炭化水素は液化石油ガスであり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数3~4以外の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  12.  前記有用炭化水素はオレフィン類であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とするオレフィン類以外の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  13.  前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、請求項12に記載の有用炭化水素の製造方法。
  14.  前記有用炭化水素は芳香族炭化水素であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、目的とする芳香族炭化水素以外の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  15.  前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、請求項14に記載の有用炭化水素の製造方法。
  16.  前記有用炭化水素はガソリンであり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、ガソリン以外の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  17.  前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、請求項16に記載の有用炭化水素の製造方法。
  18.  前記有用炭化水素は液状炭化水素であり、前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、炭素数4以下の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
  19.  前記ドライリフォーミング用リサイクルガスには、一酸化炭素がさらに含まれる、請求項18に記載の有用炭化水素の製造方法。
  20.  一酸化炭素および水素を含む混合ガスから有用炭化水素を含む第1ガスを生成する有用炭化水素生成部と、
     前記第1ガスから、少なくとも二酸化炭素と炭素数1以上4以下の低級炭化水素を含有する低級炭化水素含有ガスとを含むドライリフォーミング用リサイクルガスを分離するリサイクル部と、
     前記リサイクル部から供給された前記ドライリフォーミング用リサイクルガス中の前記低級炭化水素含有ガスおよび二酸化炭素から、一酸化炭素および水素を含む第2ガスを生成し、前記第2ガスを前記有用炭化水素生成部に供給するドライリフォーミング部と
    を備える有用炭化水素の製造装置。
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