WO2023223797A1 - 板材、接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法 - Google Patents

板材、接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法 Download PDF

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Abstract

溶接可能なレーザ光の出力範囲が広がり、安定した溶接の施工が可能な板材、板材が被接合側の板材に接合された接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法を提供する。銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材であって、少なくとも一部に粗面化された表面を有し、粗面化された表面は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である。

Description

板材、接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法
 本発明は、板材、接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法に関する。
 例えば、銅合金板同士を接合して、ベーパーチャンバ等の放熱部材や電子部品等を作製する場合、銅合金板同士をろう付けやかしめによって接合することが多い。しかし、これらの接合方法は、生産性が低く、設備費が嵩張ってしまう不利がある。これに対して、銅合金板同士をレーザ溶接する接合方法によれば、高速溶接が可能となり、高い生産性が得られる。
 特許文献1には、空洞部を有するコンテナの一方の板状部材側から光線が照射されて外周部が溶接にて封止されたベーパーチャンバが開示されている。コンテナの他方の板状部材は、その板厚を大きくすることで板厚方向に光線が貫通しなくなり、これにより、光線のエネルギー密度を低減し、溶接時に発生する熱を抑制している。その結果、コンテナの歪みが低減され、かつ溶融部にピンホールの発生を防止できる、と記載されている。
 また、特許文献2には、互いに重ね合わされた金属部材の一方の表面に、レーザ光の吸収率が高く、かつ金属材料よりも破断強度が高いニッケル等の金属材料からなる表面層を形成し、表面層上からレーザ光を照射することで、表面層の表面から金属部材の内部まで再凝固部を形成して、双方の金属部材を接合することが示されている。
国際公開第2018/147283号 国際公開第2012/124255号
 レーザ溶接は、高速で溶接できるため生産性が高く、板材同士の隙間を封止する接合方法として関心が高まっている。ところで、放熱部材等に使われる銅又は銅合金板は、小型軽量化の観点から、例えば、合計の肉厚が0.3mm以下となるような薄肉化が求められている。また、銅の特性として、固体状態でレーザ光の吸収率が低く、溶融状態になるとレーザ光の吸収率が急激に高まることが知られている。このため、レーザ溶接によって銅又は銅合金板同士を接合させる場合、溶融池が安定せず、ブローホール等の欠陥が発生しやすい。特に薄い板材では溶け落ち等の欠陥が発生するおそれがある。
 特許文献1のように、薄板の銅又は銅合金の板材同士をレーザ溶接する場合、単に一部の板厚を厚くしたり、特許文献2のように、レーザ光の照射面に表面層を形成したりするだけでは、ブローホール、溶け落ち等の欠陥の発生を十分に抑制できない。しかも、特許文献1では、他方の板状部材の溶融部における板厚を増やすため、重量が増加してしまう。また、特許文献2では、表面層がめっきできない部材の接合は困難である。
 そこで本発明は、溶接に適したレーザ光の出力範囲を拡大でき、安定して溶接できる板材、この板材が被接合側部材に接合された接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法を提供することを目的とする。
 本発明は下記の構成からなる。
(1) 銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材であって、
 少なくとも一部に粗面化された表面を有し、
 前記粗面化された表面は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である、板材。
(2) (1)に記載の板材と、当該板材に接合された被接合側部材とを備える、接合体。
(3) (1)に記載の板材を被接合側部材に重ね合わせ、
 前記板材に形成された前記粗面化された表面に沿って、レーザ光を照射させて前記板材を前記被接合側部材にレーザ溶接する、板材の接合方法。
(4) 銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材の製造方法であって、
 レーザ溶接時にレーザ光が照射される被照射部に、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である粗面化された表面を、圧延加工又はプレス加工によって形成する、板材の製造方法。
 本発明によれば、銅又は銅合金同士をレーザ溶接する際に、溶接に適したレーザ光の出力範囲を拡大でき、安定した溶接の施工が可能となる。
図1は、板材と被接合側部材とをレーザ溶接する様子を模式的に示す斜視図である。 図2は、試験例1~4の板材における、粗面化された表面の拡大写真と表面粗さを示す説明図である。 図3は、各試験例の板材を被接合側部材と接合する際に、溶接が可能なレーザ光の出力範囲を示すグラフである。 図4は、出力が2.6kWを超えるレーザ光を照射した場合における被照射部の拡大写真である。 図5は、出力が1.8kW未満のレーザ光を照射した場合における被照射部の拡大写真である。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
 図1は、板材11と被接合側部材13とをレーザ溶接する様子を模式的に示す斜視図である。
 本実施形態に係る板材11は、被接合側部材13にレーザ溶接によって接合される。ここで示す被接合側部材13は、板材11と同じ材料の板材として説明するため「被接合側の板材」ともいう。板材11と被接合側の板材13は、それぞれの一部が互いに重ね合わされ、この重ね合わせた部分がレーザ光Lの被照射部15となる。そして、この被照射部15にレーザ照射装置100によってレーザ光Lが照射されることで、板材11と被接合側の板材13とがレーザ溶接される。レーザ光Lは、上記した被照射部15の少なくとも一部の範囲に照射され、被照射部15からはみ出すことはない。
 板材11と被接合側の板材13とは、銅又は銅合金からなる。銅合金の場合、銅(Cu)に含まれる成分としては、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)又はリン(P)等である。ここで示す板材11と被接合側の板材13は、厚さ0.10mm~1.0mmの薄板であり、板材11と被接合側の板材13の板厚は等しくてもよく、いずれか一方が他方より厚くてもよい。
 板材11は、少なくとも一部に粗面化された表面21を有する。本実施形態においては、板材11の被照射部15に相当する位置に粗面化された表面21が形成されている。粗面化された表面21は、レーザ光の走査方向Aに沿って形成され、被照射部15の全領域に形成されることが好ましい。粗面化された表面21が形成される範囲の形状、大きさは特に限定されない。粗面化された表面21は、少なくとも板材11の一部、本実施形態では、被照射部15に形成されればよい。
 被照射部15にレーザ光Lを照射するレーザ照射装置100としては、ガルバノスキャナユニットを備えたものを例示できる。ガルバノスキャナユニットを備えたレーザ照射装置100では、ファイバレーザ発振器からのレーザをガルバノミラーで反射させ、レンズより集光させて被照射部15へ照射する。このレーザ照射装置100によれば、回転軸に取り付けられたガルバノミラーの角度を制御することにより、レーザ光Lを高速かつ高精度に走査できる。ただし、レーザ照射装置100は、これに限らず他の方式の照射装置であってもよい。
 次に、本実施形態に係る板材11と被接合側の板材13とをレーザ溶接する接合方法の手順について説明する。
(粗面化処理)
 まず、板材11に粗面化された表面21を形成する。粗面化された表面21は、例えば、一般的なプレス金型を用いたプレス加工により形成できる。この場合、プレス金型には、形成しようとする粗面化された表面21と同等の粗面化された面が形成されており、板材11をこのプレス金型に押圧することにより、板材11の少なくとも一部に粗面化された面を表面21に転写する。また、表面にサンドブラスト等により形成された凹凸を有するローラを板材11の表面上で転がす圧延加工等によっても、粗面化された表面21を形成できる。ここで示す表面21の粗面化方法は一例であって、粗面化の方法は特に限定されない。
 粗面化された表面21は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上となるように加工される。算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzは、JIS B 0601等に準拠する値である。算術平均粗さRaが4μm以上で、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上であることにより、粗面化された表面21の全面にわたって、所定以上の大きさを有する起伏となる凹凸が平均的に含まれるといえる。
(レーザ溶接)
 次に、粗面化された表面21を形成した板材11を、被接合側の板材13に重ね合わせる。そして、被接合側の板材13に重ね合わせた板材11の被照射部15に、レーザ照射装置100から出射されるレーザ光Lを被照射部15の一端15aから他端15bへ向けて走査する。これにより、走査方向Aに沿ってレーザ光Lが被照射部15に照射され、板材11と被接合側の板材13とがレーザ溶接されたビード23が形成される。
 レーザ照射装置100のレーザ光Lによってレーザ溶接を行うと、板材11と被接合側の板材13との接合部(被照射部15)におけるレーザ光Lの照射箇所は溶融して、照射面側からレーザ光Lの照射側と反対側の被接合側の板材13の裏面までが溶融する。この溶融部分が冷却されて凝固・硬化することで、走査方向Aに沿ってビード23が連続して形成される。これにより、板材11と被接合側の板材13とが良好に接合された接合体25が得られる。
 以上のように、本構成の板材11は、少なくとも一部に粗面化された表面21が形成される。この粗面化された表面21では、レーザ光Lの吸収率が高まり、粗面化されていない場合と比べて、より低いレーザ光Lのパワーで被照射部15の部分を溶融できる。そのため、溶接に適したレーザ光の出力範囲が広がり、より安定した溶接を実施できる。その結果、ブローホール、溶け落ち等の欠陥の発生を十分に抑えつつ、円滑にレーザ溶接して板材と被接合側の板材とを確実に接合できる。また、低出力でも高品質なレーザ溶接が可能となり、設備の選択自由度を向上できる。
 ここで、レーザ光Lの吸収率が高まることについては、次のように推測できる。
 銅又は銅合金においては、固体状態におけるレーザ光の吸収率が5%以下と低く、溶融状態となると数十%以上に急激に高まる。そのため、一旦溶融すると溶融池が安定せず、スパッタやブローホール等の欠陥が発生しやすく、薄肉板では溶け落ちが生じやすくなる。しかし、上記のように板材11に予め粗面化された表面21を形成し、その表面21にレーザ光Lを照射することで、急激な溶融が抑制される。つまり、本構成では、レーザ光Lの照射範囲において、板材11の表面に微小な凹凸を伴う粗さを有することで、突起する微小な凹凸の肉厚の薄い部分が混在して配置される。これにより、レーザ光Lの照射領域内の入熱が、熱伝導によって薄肉部分から溶融が始まり、形成される溶融池の周囲に向けて熱伝導される。その結果、レーザ照射域よりも広い範囲が加熱される。溶融部分では、レーザ光Lのエネルギー吸収が高まるが、周囲への熱拡散と相まって、急激な溶融の進行が抑制される。よって、レーザ光Lの出力が低くても溶融が開始され、出力が高くても先に溶融開始した部分の熱拡散により、過度な入熱が生じることが抑えられる。こうして、溶接に適したレーザ光の出力範囲を拡大できる。
 また、粗面化された表面21がレーザ光の走査方向Aに延びて設けられることで、粗面化された表面21に沿って連続したレーザ溶接が行える。これにより、板材11と被接合側の板材13とを均質なビード23で接合した高品質な接合体25が得られる。また、板材11と被接合側の板材13とを、溶け落ちを抑えつつ良好に接合できる。さらに、連続したビード23の形成によって、接合面における高いシール性が発揮される。
 上記した板材11の製造工程には、レーザ溶接時にレーザ光Lを照射するための被照射部に、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である粗面化された表面21を、圧延加工又はプレス加工によって形成する工程が含まれる。
 この板材11の製造方法によれば、粗面化された表面21を圧延加工やプレス加工によって形成することで、一般的な圧延、プレスを含む製造ラインを流用でき、製造コストを抑えた製造が可能となる。なお、粗面化処理としては、エッチング等の他の方法により行うことでもよい。
 図2は、試験例1~4の板材11における、粗面化された表面21の拡大写真と表面粗さを示す説明図である。試験例1の拡大写真と表面粗さは、表面の粗面化を施していない鏡面状態の板材11における結果を示している。板材11は、厚さ0.2mmの銅合金薄板であり、溶接速度は10mpmである。
 試験例2の粗面化された表面は細ダル目の態様を示し、試験例3の粗面化された表面は太ダル目の態様を示し、試験例4の粗面化された表面は凸形状の円形痕の態様を示している。
 各試験例の粗面化された表面は、例えば圧延加工、プレス加工等によって形成できる。試験例2、試験例3の粗面化された表面は、表面粗さを調整したローラ表面の形状を転写することで形成した。また、試験例4の粗面化された表面は、ローラ表面に微小な円形の凹みを設けておき、その形状を転写することで形成した。
 さらに図2には、各試験例の算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzも示している。算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzについては後述する。
 図3は、各試験例の板材11を被接合側の板材13と接合する際に、溶接が可能なレーザ光の出力範囲を示すグラフである。
 図3は、試験例2~4において、溶接に適したレーザ光の出力範囲が、特に低出力側で、試験例1に比べて拡大していることを示している。つまり、粗面化された表面21を持つ板材11は、粗面化された表面21を持たない板材に比べて、より低い出力レベルのレーザ光でも接合が可能である。特に試験例2では、試験例1よりも溶接に適したレーザ光の出力範囲が約1.5倍に拡大した。
 図2に示すように、試験例2~4は、試験例1に比べて大きな算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzを有する。このことから、粗面化された表面21の部分では、レーザ光Lの吸収率が高まっていることが推定される。これにより、低い出力レベルのレーザ光でも被照射部15の部分を溶融させられるため、溶接に適したレーザ光の出力範囲が広がり、安定した溶接の施工が可能となる。
 上述したように、粗面化された表面21は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上であることにより、レーザ光Lの吸収率を高めることができる。さらに、算術平均粗さRaは、10μm以下が好ましく、最大高さ粗さRzは35μm以下が好ましい。算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzを上記した範囲にすることにより、溶接に適したレーザ光の出力範囲を、特に低出力側に確実に広げることができる。
 ここで、粗面化された表面21の表面粗さを、算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzの双方により規定することに関しては、次の理由がある。算術平均粗さRaが所定の値を有する場合、表面に凹凸が存在するが、算術平均粗さRaは算出対象となる全表面で平均化された値であるため、平均値より大きい凸と平均値より低い凹とが相殺されて値が小さくなる場合がある。そのため、最大高さ粗さRzを条件に加えることにより、全表面でレーザ光を散乱させる最低限の凹凸の条件が確保される。ただし、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzは、大きすぎても良好な接合を得ることが板面の状態によっては難しくなる。そのため、算術平均粗さRaの上限を30μm、最大高さ粗さRzの上限を100μmとするのが好ましい。
 図4は、出力が2.6kWを超えるレーザ光を照射した場合における被照射部の拡大写真を示す。図3に示す溶接に適したレーザ光の出力範囲よりも大きい出力でレーザ光を照射すると、被照射部において、板材11、被接合側の板材13はともに溶け落ちる部分を生じる。
 図5は、出力が1.8kW未満のレーザ光を照射した場合における被照射部の拡大写真を示す。図3に示す溶接に適したレーザ光の出力範囲よりも小さい出力でレーザ光を照射すると、被照射部において、レーザ光が被接合側の板材13を貫通しておらず、十分な接合強度が得られない。
 また、レーザ光の走査により行うレーザ溶接は、線溶接、スポット溶接、スクリュー溶接の少なくともいずれかを選択できる。レーザ溶接は、レーザ照射装置100からのレーザ光を、図1に示すように直線状、又は曲線状に走査させながら照射する線溶接以外にも、所定の位置に停止させてレーザ光を照射するスポット溶接としてもよい。また、レーザ溶接は、レーザ光を、らせん状、円形状、三角形状等に走査させながら照射するスクリュー溶接としてもよい。このようなレーザ光の走査形態は、板材11及び被接合側の板材13の種類、被照射部15の大きさや形状等、接合の態様に応じて適宜に選択できる。
 ここで用いるレーザ光のビームスポット径は、0.1mm~0.7mmが好ましく、特に0.3mmが好ましい。この範囲のビームスポット径であると、上記した溶け落ち、レーザ光の未完通を防止する効果が顕著となる。また、溶接速度は、2mpm~20mpmが好ましい。
 このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせること、及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
 例えば、被接合側部材13は薄板に限らず、厚肉の部材であってもよい。その場合にも、接合する板材に粗面化された表面を設けることで、レーザ光の出力を低出力側に広げられる。
 以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材であって、
 少なくとも一部に粗面化された表面を有し、
 前記粗面化された表面は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である、板材。
 この板材によれば、板材の粗面化された表面の部分でレーザ光の吸収率が高まるため、粗面化されていない場合に比べて、低いレーザ光の出力でも被照射部の部分を溶融できる。これにより、溶接可能なレーザ光の出力範囲が広がり、安定した溶接の施工が可能となる。
(2) 前記粗面化された表面は、レーザ光の走査方向に沿って形成されている、
 (1)に記載の板材。
 この板材によれば、粗面化された表面がレーザ光の走査方向に沿って形成されることで、レーザ溶接をその粗面化された表面に沿って連続して行える。これにより、均質で連続したビードが形成され、高品質に接合できる。また、接合面における高いシール性が発揮される。
(3) 前記算術平均粗さRaが10μm以下である、(1)又は(2)に記載の板材。
 この板材によれば、溶接に適した出力範囲を低出力側に確実に広げられる。
(4) 前記最大高さ粗さRzが35μm以下である、(1)から(3)のいずれか1つに記載の板材。
 この板材によれば、溶接に適した出力範囲を低出力側に確実に広げられる。
(5) (1)から(4)のいずれか1つに記載の板材と、当該板材に接合された被接合側部材とを備える、接合体。
 この接合体によれば、板材と被接合側部材とを、粗面化された表面でレーザ溶接することにより、板材と被接合側部材とが高品質に接合された接合体が得られる。
(6) (1)から(4)いずれか1つに記載の板材を被接合側部材に重ね合わせ、
 前記板材に形成された前記粗面化された表面に沿って、レーザ光を照射させて前記板材を前記被接合側部材にレーザ溶接する、板材の接合方法。
 この板材の接合方法によれば、板材と被接合側部材とを、溶け落ちを抑えつつ良好に接合できる。
(7) 前記レーザ溶接は、線溶接、スポット溶接、スクリュー溶接の少なくともいずれかである、(6)に記載の板材の接合方法。
 この板材の接合方法によれば、接合の態様に応じて最適なレーザ溶接を選択できる。
(8) 銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材の製造方法であって、
 レーザ溶接時にレーザ光が照射される被照射部に、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である粗面化された表面を、圧延加工又はプレス加工によって形成する、
板材の製造方法。
 この板材の製造方法によれば、一般的な圧延、プレスを含む製造ラインを流用でき、製造コストを抑えた製造が可能となる。
 なお、本出願は、2022年5月18日出願の日本特許出願(特願2022-081520)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
 11 板材
 13 被接合側部材
 15 被照射部
 21 粗面化された表面
 23 ビード
 25 接合体
100 レーザ照射装置
 A  走査方向
 L  レーザ光

Claims (12)

  1.  銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材であって、
     少なくとも一部に粗面化された表面を有し、
     前記粗面化された表面は、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である、
    板材。
  2.  前記粗面化された表面は、レーザ光の走査方向に沿って形成されている、
    請求項1に記載の板材。
  3.  前記算術平均粗さRaが10μm以下である、
    請求項1に記載の板材。
  4.  前記算術平均粗さRaが10μm以下である、
    請求項2に記載の板材。
  5.  前記最大高さ粗さRzが35μm以下である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の板材。
  6.  請求項1から4のいずれか1項に記載の板材と、当該板材に接合された被接合側部材とを備える、
    接合体。
  7.  請求項5に記載の板材と、当該板材に接合された被接合側部材とを備える、
    接合体。
  8.  請求項1から4のいずれか1項に記載の板材を被接合側部材に重ね合わせ、
     前記板材に形成された前記粗面化された表面に沿って、レーザ光を照射させて前記板材を前記被接合側部材にレーザ溶接する、
    板材の接合方法。
  9.  請求項5に記載の板材を被接合側部材に重ね合わせ、
     前記板材に形成された前記粗面化された表面に沿って、レーザ光を照射させて前記板材を前記被接合側部材にレーザ溶接する、
    板材の接合方法。
  10.  前記レーザ溶接は、線溶接、スポット溶接、スクリュー溶接の少なくともいずれかである、
    請求項8に記載の板材の接合方法。
  11.  前記レーザ溶接は、線溶接、スポット溶接、スクリュー溶接の少なくともいずれかである、
    請求項9に記載の板材の接合方法。
  12.  銅又は銅合金からなる被接合側部材に重ね合わされてレーザ溶接される、銅又は銅合金からなる板材の製造方法であって、
     レーザ溶接時にレーザ光が照射される被照射部に、算術平均粗さRaが4μm以上であり、かつ、最大高さ粗さRzが20μm以上である粗面化された表面を、圧延加工又はプレス加工によって形成する、
    板材の製造方法。
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