WO2023162234A1

WO2023162234A1 - バッテリ収容装置

Info

Publication number: WO2023162234A1
Application number: PCT/JP2022/008322
Authority: WO
Inventors: 尾▲高▼拓弥; 杉立健太; 井出達也; 秦浩平; 中川慶哉; 吉峯如
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2022-02-28
Filing date: 2022-02-28
Publication date: 2023-08-31

Abstract

バッテリ収容装置（１０）は、バッテリ（１００）を収容する収容ケース（１２）と、前記バッテリと電気的に接続されるコネクタ（１４）と、前記バッテリと前記コネクタとの挿抜方向から前記バッテリに当接して前記バッテリの前記挿抜方向の変位を阻止するロック機構（２０）と、前記バッテリと前記コネクタとの前記挿抜方向と異なる方向に移動することで前記バッテリに当接して前記バッテリを保持するバッテリ保持部（２２）と、を備える。

Description

バッテリ収容装置

　本発明は、可搬式のバッテリを収容するバッテリ収容装置に関する。

　国際公開第２０１９／０６４５５６号には、収容ケースを有するバッテリ収容装置で、バッテリを収容する技術を開示する。このバッテリ収容装置は、バッテリを収容ケース内に固定して保持するロック機構を備える。

　上記のバッテリ収容装置へのバッテリの脱着を容易にするべく、収容ケースは、バッテリの外径形状よりも大きな収容空間を有している。そのため、従来の収容ケースは、バッテリに対して若干のクリアランスを形成する。クリアランスによる収容ケース内でのバッテリのガタツキを防止するために、バッテリ収容装置のロック機構でバッテリを固定する。

　ところが、バッテリに対して、想定以外の方向からの荷重又は想定以上の荷重が加わると、バッテリが収容ケースとのクリアランスの範囲内で変位する可能性が有る。

　本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。

　以下の開示の一観点は、バッテリを収容する収容ケースと、前記バッテリと電気的に接続されるコネクタと、前記バッテリと前記コネクタとの挿抜方向から前記バッテリに当接して前記バッテリの前記挿抜方向の変位を阻止するロック機構と、前記バッテリと前記コネクタとの前記挿抜方向と異なる方向に移動することで前記バッテリに当接して前記バッテリを保持するバッテリ保持部と、を備える、バッテリ収容装置にある。

　上記観点のバッテリ収容装置は、バッテリの収容ケースへの脱着性を損なうことなく、バッテリをケースに確実に固定でき、収容ケースに対するバッテリの変位を防止できる。

図１は、実施形態に係るバッテリ収容装置の開放状態の斜視図である。図２は、図１のバッテリ収容装置の支持フレームの斜視図である。図３は、図１のバッテリ収容装置の支持フレーム及び可動機構の斜視図である。図４は、図１のバッテリ収容装置の固定状態の斜視図である。図５は、図１のバッテリ収容装置のコネクタの部分拡大斜視図である。図６Ａは、図１のバッテリ収容装置を横置きした場合のバッテリの脱着操作を示す説明図であり、図６Ｂは、図１のバッテリ収容装置を縦置きした場合のバッテリの脱着操作を示す説明図である。図７は、図１のバッテリ収容装置の収容ケースにバッテリを挿入した状態（開放状態）の斜視図である。図８Ａは、図１のバッテリ収容装置へのバッテリの接続方法において、操作レバーを下方に向けて押し込む操作の説明図であり、図８Ｂは図８Ａの操作による可動機構の動作の説明図である。図９Ａは、可動機構の動作とバッテリ保持部の動作の説明図であり、図９Ｂは、操作レバーによるロック機構の動作の説明図である。図１０Ａは、図１のバッテリ収容装置の固定状態を、コネクタケースを取り除いた状態で示す側面図であり、図１０Ｂは、図１のバッテリ収容装置の固定状態を収容ケース及びコネクタケースを取り除いた状態で示す正面図である。図１１は、図１のバッテリ収容装置に固定されたバッテリの重心位置と、バッテリ保持部との位置関係を示す説明図である。図１２Ａは、図１のバッテリ収容装置の変形例１を示す側面図であり、図１２Ｂは、図１のバッテリ収容装置の変形例２を示す側面図である。図１３は、図１のバッテリ収容装置の変形例３を示す断面図である。

　図１に示すバッテリ収容装置１０は、例えば、電動式の自動二輪車を始めとする各種車両、又は電動式の各種作業用機械に可搬式のバッテリ１００（図６Ａ）を取り付けるために使用される。以下の説明では、説明の便宜のために上下前後左右といった方向を示す語が用いられる。これらの方向は、搭載対象とする機器（例えば、車両又は作業用機械）におけるバッテリ収容装置１０の搭載方向を限定するものではない。

　図示のように、バッテリ収容装置１０は、収容ケース１２、コネクタ１４、操作レバー１６、支持フレーム１８、ロック機構２０、バッテリ保持部２２、及び可動機構２４を備える。収容ケース１２は、枠状の支持フレーム１８の内部に収容された箱状の樹脂製のケースである。収容ケース１２は、バッテリ１００を脱着可能に収容するべく、平滑な内面を有するとともに、バッテリ１００の外形寸法よりも僅かに大きな収容空間を有する。但し、収容ケース１２とバッテリ１００とのクリアランスは、後述する固定状態においてバッテリ１００が過度に動かない程度に設定される。収容ケース１２の収容空間は、矩形状の底面１２１と、底面１２１の周縁部から立ち上がる４つの側壁１２２、１２３、１２４、１２５とによって囲まれる。側壁１２２、１２３、１２４、１２５は、底面１２１の中心を通り底面１２１に垂直な軸線の方向（以下、軸線方向）の上方に向けて延在する。

　収容ケース１２は、軸線方向の上方に向けて開口する第１開口部１２６と、軸線方向に垂直な前方に向けて開口する第２開口部１２７とを有する。第１開口部１２６は、側壁１２３、１２４、１２５の上端に囲まれる開口である。第２開口部１２７は、側壁１２２の上辺と、側壁１２３、１２４の側辺とに囲まれる開口である。第２開口部１２７は、側壁１２２の上側の一部を切り欠いた部分に形成される。第１開口部１２６と第２開口部１２７は、境界なく連続する。

　側壁１２２は、他の側壁１２３、１２４、１２５よりも軸線方向の長さが短い。他の側壁１２３、１２４、１２５は、軸線方向の長さが、バッテリ１００の軸線方向の長さと略同じである。これに対し、側壁１２２は、軸線方向の長さがバッテリ１００の軸線方向の長さの１／３程度である。

　収容ケース１２は、側壁１２３、１２４に、操作レバー１６を案内する案内部１２８を有する。案内部１２８は、側壁１２３及び側壁１２４が幅方向の外方に膨出した部分であり、軸線方向に直線状に延在する。案内部１２８の上端は、上方に向けて開口し、案内部１２８の下端は下方に向けて開口する。案内部１２８は、操作レバー１６の柱部１６１を軸線方向に移動可能に収容する。収容ケース１２は、底面１２１に挿通部１２９を有する。挿通部１２９は、底面１２１の前側の一部分を切り欠いた開口を有する。挿通部１２９は、コネクタ１４の軸線方向への移動を許容し、コネクタ１４とバッテリ１００との接続を可能とする。

　図２に示すように、支持フレーム１８は、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒと、クロスパイプ１８２と、前部フレーム１８３と、後部フレーム１８４とを有する。サイドフレーム１８１Ｌは、支持フレーム１８の左に配置され、サイドフレーム１８１Ｒは支持フレーム１８の右に配置される。サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒは、バッテリ収容装置１０の軸線方向に延在する。サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒは、軸線方向の中央に可動機構２４のシーソーレバー２４１（図３）を支持するための軸孔１８５を有する。

　クロスパイプ１８２は、支持フレーム１８の下部に位置し幅方向に延在する。クロスパイプ１８２は、左右のサイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒ同士を互いに連結する。クロスパイプ１８２には、ケーブル支持ブラケット１８６が結合されている。ケーブル支持ブラケット１８６は、コネクタ１４に繋がる電気ケーブルを支持し、電気ケーブルをクロスパイプ１８２に固定する。

　前部フレーム１８３は、その左端部がサイドフレーム１８１Ｌの下部に接続され、右端部がサイドフレーム１８１Ｒの下部に接続されている。前部フレーム１８３は、軸線方向からみて前方に矩形状に膨出し、収容ケース１２の側壁１２２を前方から覆う。前部フレーム１８３は、その幅方向の中央に、爪部１８３ａを有する。爪部１８３ａは、コネクタケース１４７の上端中央に形成された係合部１４７ａと係合することで、コネクタケース１４７を前部フレーム１８３に固定する。後部フレーム１８４は、左端部がサイドフレーム１８１Ｌの中央部に接続され、右端部がサイドフレーム１８１Ｒの中央部に接続される。後部フレーム１８４は、軸線方向から見て後方に矩形状に膨出し、収容ケース１２の後部の側壁１２５を後方から覆う。

　支持フレーム１８は、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒ及びクロスパイプ１８２等の適宜の箇所に、搭載対象機器にバッテリ収容装置１０を固定するためのステー（不図示）を有してもよい。

　図１及び図３に示すように、操作レバー１６は、一対の柱部１６１と、把持部１６２と、ロックレバー１６３とを有する。柱部１６１は、バッテリ収容装置１０の左右にそれぞれ配置される。柱部１６１は、軸線方向に直線状に延在する。柱部１６１は、収容ケース１２の案内部１２８を挿通する。柱部１６１は、案内部１２８によって移動方向が軸線方向に規制される。

　柱部１６１は、下端に連結ピン１６４を有する。連結ピン１６４は、可動機構２４のシーソーレバー２４１の第１端部２４１ａの第１連結孔２４１ｂに挿入される。柱部１６１は、連結ピン１６４を介して、シーソーレバー２４１の第１端部２４１ａと接続する。

　把持部１６２は、操作レバー１６の上端に位置する。把持部１６２は、幅方向に延在して左右の柱部１６１同士を互いに連結する。把持部１６２は、使用者の操作力を受け付ける部分となる。操作レバー１６は、把持部１６２からの操作力により、上端位置と下端位置との間で軸線方向に移動する。操作レバー１６は、バッテリ保持部２２、可動機構２４及びロック機構２０に連動している。操作レバー１６が上端に引き上げられると、ロック機構２０及びバッテリ保持部２２がバッテリ１００から退避してバッテリ収容装置１０は開放状態となる。操作レバー１６が下端に押し下げられると、バッテリ１００がロック機構２０及びバッテリ保持部２２で固定され、バッテリ収容装置１０は固定状態となる。

　ロック機構２０は、ロックレバー１６３と、ロック解除突起１６５と、第１ロックプレート２０１とを有する。図１に示すように、第１ロックプレート２０１は、左右にそれぞれ１つ配置される。一方の第１ロックプレート２０１は、側壁１２３の上に位置し、他方の第１ロックプレート２０１は、側壁１２４の上に位置する。第１ロックプレート２０１は、ヒンジ部２０２を介して収容ケース１２に取り付けられる。ヒンジ部２０２は、前後方向に延びる回動軸線を有する。第１ロックプレート２０１は、ヒンジ部２０２の回動軸線を中心として回動する。

　ヒンジ部２０２は、第１ロックプレート２０１を、略９０°の角度範囲で回動させる。ヒンジ部２０２により、第１ロックプレート２０１は、図１に示す開放位置と、図４に示す固定位置との間で変位する。第１ロックプレート２０１は、固定位置において、第１開口部１２６に突出する。第１ロックプレート２０１は、固定位置において、収容ケース１２に収容されたバッテリ１００に軸線方向の上方から当接し、バッテリ１００の軸線方向への変位を阻止する。図１に示す開放位置において、第１ロックプレート２０１は、第１開口部１２６の外側に退避し、バッテリ１００の脱着を可能とする。

　ヒンジ部２０２は、第１ロックプレート２０１に付勢力を加える不図示の弾性部材を有する。ヒンジ部２０２は、図１の矢印Ａに示すように、第１ロックプレート２０１に対して、固定位置に向かって回動する付勢力を加える。

　図３に示すように、ロックレバー１６３及びロック解除突起１６５は、操作レバー１６と一体的に繋がる。ロックレバー１６３は、一対の柱部１６１のそれぞれの上端の角部に位置する。ロックレバー１６３は、図４に示すように、操作レバー１６を下端位置に押し下げたロック状態において、第１ロックプレート２０１の外側から第１ロックプレート２０１の溝部２０１ａに入り込んで係合する。

　溝部２０１ａに係合したロックレバー１６３は、第１ロックプレート２０１の回動を阻止する。第１ロックプレート２０１は、ロックレバー１６３に押圧されることで、バッテリ１００を軸線方向の下方に向けて押圧する。このようにして、第１ロックプレート２０１及びロックレバー１６３は、バッテリ１００の軸線方向の変位を阻止する。

　ロックレバー１６３は、幅方向の内方に膨出した形状を有するため、バッテリ１００（図６Ａ参照）を収容ケース１２へ挿抜する際に、バッテリ１００に干渉するおそれがある。そこで、本実施形態のバッテリ収容装置１０は、操作レバー１６の開放状態での位置を上方に離間させる。操作レバー１６を上方に最も引き上げた位置と、操作レバー１６を最下端に押し下げた位置との距離である、操作レバー１６のストローク長さは、バッテリ１００の軸線方向の寸法の１／３程度とすることができる。これにより、バッテリ１００を取り外す際に、バッテリ１００を軸線方向の長さの１／３程度移動させることができる。バッテリ１００を軸線方向の長さの１／３程度移動させると、バッテリ１００は、下端付近が第２開口部１２７から露出する。そのため、操作レバー１６は、バッテリ１００との干渉を防ぎ、収容ケース１２へのバッテリ１００の脱着を容易にする。

　ロック解除突起１６５は、一対の柱部１６１の各々に設けられている。ロック解除突起１６５は、柱部１６１の軸線方向の中央付近に位置し、柱部１６１から前方に向けて突出する。図４に示すロック状態から、図１に示すロック解除状態に移行する過程で、ロック解除突起１６５は、第１ロックプレート２０１の幅方向の内側から当接し、第１ロックプレート２０１を外側に押し広げるように回動させる。ロック解除突起１６５は、操作レバー１６が上端に位置するロック解除状態において、第１ロックプレート２０１に内方から当接し、第１ロックプレート２０１の閉塞を阻止する。すなわち、ロック解除突起１６５は、ロック機構２０を開放状態に保つ。

　操作レバー１６が所定位置よりも下方に押し下げられると、ロック解除突起１６５は、第１ロックプレート２０１から外れる。ロック解除突起１６５が第１ロックプレート２０１から外れると、ヒンジ部２０２の付勢力によって第１ロックプレート２０１が第１開口部１２６を塞ぐように回動する。その結果、第１ロックプレート２０１は、収容ケース１２に収容されたバッテリ１００の上部に当接する固定位置に変位する。

　図１に示すように、バッテリ保持部２２は、バッテリ収容装置１０の左右に一対配置されている。一方のバッテリ保持部２２は、側壁１２４の側辺に位置し、他方のバッテリ保持部２２は、側壁１２３の側辺に位置する。バッテリ保持部２２は、収容ケース１２の軸線方向の略中央に位置する。バッテリ保持部２２の軸線方向の位置は、収容ケース１２に収容されたバッテリ１００の重心の軸線方向の位置と同じ位置に配置される。

　バッテリ保持部２２は、板状の形状を有しており、バッテリ１００の前面に当接する第１面２２１と、第１面２２１と反対側の第２面２２２とを有する。バッテリ保持部２２は、第２面２２２にカム突起２２３を有する。カム突起２２３は、軸線方向に対して傾斜したカム面２２３ａを有する。カム面２２３ａは、後述する可動機構２４のカムレバー２４４と当接して、バッテリ保持部２２を固定位置に向けて回動させる。

　バッテリ保持部２２は、ヒンジ部２２４を介して側壁１２３、１２４にそれぞれ回動可能に接続される。ヒンジ部２２４は、軸線方向に平行な回動軸線を有する。ヒンジ部２２４は、バッテリ保持部２２を、回動軸線を中心とした所定角度範囲に亘って回動させる。ヒンジ部２２４は、不図示の弾性部材を有し、バッテリ保持部２２を、図１の矢印Ｂに示すように、開放位置に向けて付勢する。バッテリ保持部２２は、カムレバー２４４と当接していない状態では、開放位置に位置する。開放位置では、バッテリ保持部２２は、第２開口部１２７から退避しており、第２開口部１２７を通じたバッテリ１００の脱着を可能とする。バッテリ保持部２２は、固定位置において、第２開口部１２７に重なる位置に突出し、第１面２２１がバッテリ１００に当接してバッテリ１００の前後方向の変位を阻止する。

　図３に示すように、可動機構２４は、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒの左右に一対配置される。各々の可動機構２４は、シーソーレバー２４１と、リンクプレート２４２と、端子取付部２４３と、カムレバー２４４と、を有する。シーソーレバー２４１は、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒにそれぞれ取り付けられている。シーソーレバー２４１は、軸ピン２４１ｄを介して、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒに取り付けられている。軸ピン２４１ｄは、サイドフレーム１８１Ｌ、１８１Ｒの軸孔１８５を挿通するピンである。

　シーソーレバー２４１は、軸ピン２４１ｄを中心に回動する。シーソーレバー２４１は、第１端部２４１ａと第２端部２４１ｃとを有する。第１端部２４１ａは、後方に位置する端部であり、第２端部２４１ｃは前方に位置する端部である。第１端部２４１ａは、操作レバー１６の柱部１６１の下端部分に回転可能に取り付けられている。シーソーレバー２４１の第１端部２４１ａは、操作レバー１６とともに軸線方向に変位する。操作レバー１６が下方に押し下げられると、シーソーレバー２４１の第１端部２４１ａは、柱部１６１とともに下方に変位する。操作レバー１６が上方に引き上げられると、柱部１６１とともにシーソーレバー２４１の第１端部２４１ａが上方に変位する。

　シーソーレバー２４１の第２端部２４１ｃは、取付孔２４１ｅを有する。取付孔２４１ｅには、リンクプレート２４２の連結ピン２４２ａが挿入される。シーソーレバー２４１の第２端部２４１ｃは、連結ピン２４２ａを介してリンクプレート２４２に回転可能に接続される。シーソーレバー２４１は、第２端部２４１ｃを通じて、リンクプレート２４２を軸線方向に変位させる。リンクプレート２４２は、軸線方向に延在する板状部材である。リンクプレート２４２は、上部にカムレバー２４４を有する。カムレバー２４４は、側壁１２３、１２４の各々に形成された案内溝２４４ａに係合する。案内溝２４４ａは、軸線方向に延在する２条のリブ状突起を有する。案内溝２４４ａは、上下方向に分断して配置される。上側の案内溝２４４ａにはカムレバー２４４が係合して摺動し、下側の案内溝２４４ａにはリンクプレート２４２が係合して摺動する。カムレバー２４４及びリンクプレート２４２の移動方向は、側壁１２３、１２４のそれぞれに形成された案内溝２４４ａによって軸線方向に規制される。

　カムレバー２４４は、前方に向けて突出した板状の形状を有する。カムレバー２４４は、前方に、傾斜したカム面２４４ｂを有する。カム面２４４ｂは、下方に向かう程、前方に向けて突出するように傾斜する。カム面２４４ｂは、バッテリ保持部２２のカム突起２２３のカム面２２３ａに当接しつつ摺動する。カムレバー２４４が上方に移動すると、カム突起２２３と、カムレバー２４４との当接部位が、前方に向けて変位する。カムレバー２４４の上昇は、バッテリ保持部２２を固定位置に向けて回動させる。カムレバー２４４が下方に下がると、バッテリ保持部２２を開放位置に向けて回動させる。

　リンクプレート２４２の下端には、端子取付部２４３が接続されている。端子取付部２４３は、幅方向の内側に向けて延び出る。端子取付部２４３の中央部には、コネクタ１４（図５参照）が接続される。

　図５に示すように、コネクタ１４は、バッテリ１００の高圧端子に接続される一対の高圧端子ピン１４０と、バッテリ１００の信号端子に接続される複数の信号ピン１４１とを有する。コネクタ１４の下側には、電力ケーブル１４２と、信号線１４３とが接続されている。電力ケーブル１４２は、高圧端子ピン１４０と電気的に接続され、信号線１４３は、信号ピン１４１にそれぞれ電気的に接続されている。コネクタ１４は、側部にガイド突起１４４を有する。ガイド突起１４４は、バッテリ１００のガイド孔に挿入されて、コネクタ１４とバッテリ１００との接続を案内する。

　コネクタ１４は、ベース壁１４５とベース壁１４５に形成された取付孔１４６を有する。ベース壁１４５及び取付孔１４６を通じて、コネクタ１４は端子取付部２４３（図３参照）に接続される。コネクタ１４は、リンクプレート２４２とともに一体的に上下する。コネクタ１４が上方に移動することで、コネクタ１４がバッテリ１００と電気的に接続される。図１に示すように、コネクタ１４は、コネクタケース１４７によって覆われている。

　バッテリ収容装置１０の可動機構２４は、シーソーレバー２４１の長さ、リンクプレート２４２の長さ、カムレバー２４４の位置の設定により、コネクタ１４、バッテリ保持部２２及びロック機構２０の動作タイミングを調節できる。バッテリ収容装置１０は、例えば、バッテリ保持部２２及びロック機構２０によるバッテリ１００の固定と、コネクタ１４とバッテリ１００との接続を同時に行ってもよい。また、バッテリ収容装置１０は、コネクタ１４とバッテリ１００との接続に先立て、バッテリ保持部２２及びロック機構２０による固定を行うことも可能である。

　以上に説明したバッテリ収容装置１０は、以下のように作用する。

　バッテリ収容装置１０は、図６Ａに示すように、搭載対象とする機器に対して、その軸線方向を水平とする、いわゆる横置きが可能である。この場合、バッテリ収容装置１０は、第２開口部１２７を上向きとすることで、図示のように、バッテリ１００を回転させるようにして収容ケース１２に挿入できる。そのため、バッテリ収容装置１０は、横置きとした場合であっても、重量のあるバッテリ１００の出し入れを容易に行える。

　また、図６Ｂに示すように、バッテリ収容装置１０は、搭載対象とする機器に対して、その軸線方向を鉛直方向に向けた、いわゆる縦置きとすることも可能である。また、バッテリ収容装置１０は、搭載対象とする機器に対して、軸線方向を鉛直方向から傾斜させた斜め置きとして搭載することもできる。いずれの場合であっても、バッテリ収容装置１０は、第１開口部１２６と連続する第２開口部１２７を有することで、様々な方向からバッテリ１００を収容ケース１２に挿入することができるため、取り扱い性が向上する。

　バッテリ収容装置１０へのバッテリ１００の接続方法は、以下の手順によって行われる。まず、接続方法は、バッテリ１００を収容ケース１２に挿入する手順を有する。この手順は、図７に示すようにバッテリ収容装置１０を、開放状態として行われる。図示のように、バッテリ１００は、収容ケース１２に挿入される。バッテリ１００は、収容ケース１２の底面１２１に当接するまで挿入される。その後、接続方法は、バッテリ収容装置１０によるバッテリ１００を固定する操作に進む。

　接続方法は、操作レバー１６を軸線方向の下方に押し込む操作を含む。この操作により、図８Ａに示すように、操作レバー１６の柱部１６１が下方に変位する。柱部１６１の変位とともに、シーソーレバー２４１の第１端部２４１ａが下方に変位し、図８Ｂに示すようにシーソーレバー２４１が回動して第２端部２４１ｃが上方に変位する。図示のように、シーソーレバー２４１の第２端部２４１ｃによって、リンクプレート２４２が上方に引き上げられ、カムレバー２４４がバッテリ保持部２２のカム面２２３ａに当接する。

　操作レバー１６がさらに下方に押し込まれると、シーソーレバー２４１を通じてリンクプレート２４２が上方に変位する。これにより、図９Ａに示すように、カムレバー２４４が上昇し、カム面２２３ａを通じてバッテリ保持部２２を固定位置に向けて回動させる。また、図９Ｂに示すように、操作レバー１６が下方に変位すると、ロック解除突起１６５が第１ロックプレート２０１から外れる。その結果、第１ロックプレート２０１がヒンジ部２０２の付勢力によって固定位置に回動し、バッテリ１００の上面に当接する。

　操作レバー１６が下端に押し下げられると、図１０Ａに示すように、カムレバー２４４がバッテリ保持部２２を固定位置に固定する。バッテリ保持部２２は、バッテリ１００を後方に向けて押圧することで、バッテリ１００の前後方向のガタツキを阻止する。また、ロックレバー１６３が第１ロックプレート２０１の溝部２０１ａに入り込むことで、第１ロックプレート２０１を固定位置に固定する。第１ロックプレート２０１は、バッテリ１００を下方に向けて押圧することで、バッテリ１００の上下方向の変位を阻止する。これにより、バッテリ１００が収容ケース１２の内部に位置決めされる。

　また、図１０Ｂに示すように、コネクタ１４が上方に向けて突出することで、バッテリ１００と電気的に接続される。以上の操作により、バッテリ収容装置１０を用いたバッテリ１００の接続方法が完了する。なお、バッテリ１００の接続状態の解除は、操作レバー１６を上方に引き上げることで行われる。

　上記のように、本実施形態のバッテリ収容装置１０は、操作レバー１６の操作だけで、バッテリ１００の固定と、コネクタ１４の接続とを行うことができ、操作性に優れる。また、バッテリ収容装置１０は、ロック機構２０、バッテリ保持部２２及びコネクタ１４の各々に別個に操作部材を設ける場合に比べて、装置構成を小型化できる。また、本実施形態のバッテリ収容装置１０は、ロック機構２０とバッテリ保持部２２とにより、バッテリ１００の上下前後左右の位置を位置決めできる。そのため、バッテリ収容装置１０は、コネクタ１４の電極端子を意図した位置でバッテリ１００に接続できる。

　また、本実施形態のバッテリ収容装置１０は、バッテリ保持部２２によるバッテリ１００の保持が、バッテリ１００の軸線方向の変位の抑制にも効果を発揮する。これに対し、従来の収容装置では、ロック機構２０のみでバッテリ１００を固定していたため、バッテリ１００の軸線方向の変位を抑制しきれないという問題があった。すなわち、第１ロックプレート２０１と収容ケース１２との交差によってバッテリ１００の初期位置がずれてガタツキを生じるおそれがあった。また、第１ロックプレート２０１がバッテリ１００に当接する面にゴム素材を使用した場合には、バッテリ１００は固定されているものの、外力による位置の変動を防止できなかった。そのため、従来の収容装置では、コネクタ１４の接続不良を防止するべく、コネクタ１４を支持する部分にスプリングと適宜のスペーサを有するフローティング機構が必要とされていた。これに対し、本実施形態のバッテリ収容装置１０は、バッテリ保持部２２の追加によって、外力によるバッテリ１００の軸線方向の変位を効果的に抑制できるため、コネクタ１４のフローティング機構が不要となり、部品点数の削減と製造コストの削減を可能とする。

　さらに、図１１に示すように、バッテリ収容装置１０は、バッテリ保持部２２の軸線方向の位置が、バッテリ１００の重心の軸線方向の位置と略同じ位置となっている。そのため、バッテリ保持部２２は、バッテリ１００の重心位置Ｇの近傍でバッテリ１００を固定することができ、外力によるモーメントが最も小さくなる位置から確実にバッテリ１００を固定できる。

（変形例１）
　変形例１は、ロック機構２０よりも先にバッテリ保持部２２によるバッテリ１００の固定を行う例について説明する。本変形例のバッテリ収容装置１０は、図１２Ａに示すように、操作レバー１６に、ロック解除突起１６５Ａを有する。ロック解除突起１６５Ａは、軸線方向の長さが、図１のロック解除突起１６５の軸線方向の長さよりも長くなっており、操作レバー１６の上方に向けて延長されている。このため、ロック解除突起１６５Ａが第１ロックプレート２０１から外れるタイミングがより遅くなっている。したがって、本変形例によれば、ロック機構２０が固定位置に回動するタイミングを、バッテリ保持部２２が固定位置に回動するタイミングよりも遅らせることができる。変形例１のバッテリ収容装置１０では、バッテリ保持部２２によるバッテリ１００の位置決めが先に行われる。

　本変形例は、バッテリ収容装置１０の軸線方向を鉛直方向にして搭載する縦置きに好適である。本変形例では、コネクタ１４がバッテリ１００に挿入されるタイミングで、バッテリ１００の側部をバッテリ保持部２２で押さえることができる。したがって、縦置きでコネクタ１４をバッテリ１００に挿入する間、バッテリ１００の水平方向の移動が防止され、望ましい位置関係でコネクタ１４をバッテリ１００に接続できる。

（変形例２）
　変形例２は、バッテリ保持部２２よりも先にロック機構２０でバッテリ１００の固定を行う例について説明する。本変形例のバッテリ収容装置１０は、図１２Ｂに示すように、操作レバー１６に、ロック解除突起１６５Ｂを有する。ロック解除突起１６５Ｂは、軸線方向の長さが、図１のロック解除突起１６５の軸線方向の長さよりも短くなっている。このため、操作レバー１６を押し込む過程で、ロック解除突起１６５Ｂが第１ロックプレート２０１から外れるタイミングがより早くなっている。したがって、本変形例によれば、ロック機構２０が固定位置に回動するタイミングを、バッテリ保持部２２が固定位置に回動するタイミングよりも早めることができる。変形例２のバッテリ収容装置１０では、ロック機構２０によるバッテリ１００の位置決めが先に行われる。

　本変形例は、バッテリ収容装置１０の軸線方向を水平方向にして搭載する横置きに好適である。本変形例では、コネクタ１４がバッテリ１００に挿入されるタイミングで、バッテリ１００をロック機構２０で押さえることができる。したがって、横置きでコネクタ１４をバッテリ１００に挿入する間、バッテリ１００の水平方向の移動が防止され、望ましい位置関係でコネクタ１４をバッテリ１００に接続できる。

（変形例３）
　変形例３は、図１３に示すように、バッテリ収容装置１０に放熱シート３０を備える。放熱シート３０は、収容ケース１２の側壁１２５の内面側に配置されている。放熱シート３０は、適度な弾力性を有する熱伝導性に優れたシート材であり、側壁１２５の全域を覆う。

　バッテリ保持部２２でバッテリ１００を押圧すると、バッテリ保持部２２の押圧力により、バッテリ１００が放熱シート３０に密着する。そのため、本変形例のバッテリ収容装置１０によれば、バッテリ１００から生じた熱をバッテリ１００の外部に素早く逃がすことができる。また、放熱シート３０の弾性力及び厚さを適切に管理することでバッテリ保持部２２の押し付け力を調節することができる。したがって、本変形例のバッテリ収容装置１０は、想定される外力に対するバッテリ１００の固定力を最適化できる。

　本実施形態のバッテリ収容装置１０は、以下のようにまとめられる。

　本実施形態の一観点は、バッテリ１００を収容する収容ケース１２と、前記バッテリと電気的に接続されるコネクタ１４と、前記バッテリと前記コネクタとの挿抜方向から前記バッテリに当接して前記バッテリの前記挿抜方向の変位を阻止するロック機構２０と、前記バッテリと前記コネクタとの前記挿抜方向と異なる方向に移動することで前記バッテリに当接して前記バッテリを保持するバッテリ保持部２２と、を備える、バッテリ収容装置１０にある。

　上記観点のバッテリ収容装置は、バッテリの収容ケースへの脱着性を損なうことなく、バッテリをケースに確実に固定でき、コネクタを接続する際のバッテリの位置ずれを防止できる。

　上記のバッテリ収容装置は、さらに、前記コネクタを前記収容ケースに対して移動可能に支持し、前記コネクタを前記バッテリに挿抜する可動機構２４を備えてもよい。

　上記のバッテリ収容装置において、前記収容ケースは、複数の方向に開口することで、複数方向からの前記バッテリの挿抜を許容する開口部を有し、前記バッテリ保持部は、前記開口部の少なくとも一部を閉塞してもよい。このバッテリ収容装置は、複数方向に開口した開口部を設けることでバッテリの着脱を複数方向から行えるようになり、操作の自由度、利便性を向上させる。また、バッテリ収容装置は、当該開口を閉塞することでバッテリを保持できる。

　上記のバッテリ収容装置において、前記開口部は、前記コネクタの移動方向に開口した第１開口部１２６と、前記コネクタの移動方向と直交する方向に開口した第２開口部１２７と、を有し、前記第１開口部と前記第２開口部とは連続して繋がってもよい。このバッテリ収容装置は、コネクタの挿抜方向へバッテリを一部移動させる操作と、直角方向へ取り外し方向を変える操作とで、バッテリを引き抜くことができる。したがって、バッテリ収容装置は、コネクタの挿抜方向（軸線方向）への引き抜き距離を短くできる。バッテリの取り付けも同様に、軸線方向の移動範囲を短くでき、バッテリが他の部材と干渉するのを避けることができる。そのため、バッテリ収容装置は、狭い場所への搭載、縦置き及び横置きへの対応を可能とし、搭載対象機器への搭載レイアウトの自由度を向上させる。

　上記のバッテリ収容装置において、前記収容ケースは、前記バッテリを囲む側壁１２２、１２３、１２４、１２５を有し、前記側壁は周方向の位置により前記コネクタの移動方向の長さが異なることにより、前記第２開口部を形成してもよい。このバッテリ収容装置は、簡素な構成で第１開口部及び第２開口部を実現でき、製造コストを抑制できる。

　上記のバッテリ収容装置において、前記ロック機構及び前記バッテリ保持部は、前記可動機構により駆動されて前記バッテリを保持してもよい。このバッテリ収容装置は、作業手順の複雑化を回避できる。

　上記のバッテリ収容装置において、前記バッテリ保持部は、前記収容ケースの側方の一方向に偏在してもよい。このバッテリ収容装置は、バッテリ保持部を第２開口部に近い距離に配置することで、バッテリ保持部を小型化できる。また、コネクタとバッテリ保持部とを同一方向側に偏在して配置すると、コネクタとバッテリ保持部との距離が短くなる。したがって、このバッテリ収容装置は、バッテリ保持部を稼働させるための可動機構を小型化できる。

　上記のバッテリ収容装置において、前記可動機構は、前記コネクタの移動よりも先に、前記バッテリ保持部を移動させて前記バッテリを固定してもよい。このバッテリ収容装置は、収容ケースに収容されたバッテリに対し、コネクタを挿抜する際の位置ずれをより一層効果的に抑制できる。

　なお、本発明は、上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。

１０…バッテリ収容装置　　　　　　１２…収容ケース
１４…コネクタ　　　　　　　　　　１６…操作レバー
１８…支持フレーム　　　　　　　　２０…ロック機構
２２…バッテリ保持部　　　　　　　２４…可動機構
１００…バッテリ　　　　　　　　　１２６…第１開口部
１２７…第２開口部

Claims

　バッテリ（１００）を収容する収容ケース（１２）と、
　前記バッテリと電気的に接続されるコネクタ（１４）と、
　前記バッテリと前記コネクタとの挿抜方向から前記バッテリに当接して前記バッテリの前記挿抜方向の変位を阻止するロック機構（２０）と、
　前記バッテリと前記コネクタとの前記挿抜方向と異なる方向に移動することで前記バッテリに当接して前記バッテリを保持するバッテリ保持部（２２）と、を備える、
　バッテリ収容装置（１０）。
　請求項１記載のバッテリ収容装置であって、さらに、
　前記コネクタを前記収容ケースに対して移動可能に支持し、前記コネクタを前記バッテリに挿抜する可動機構（２４）を備える、
　バッテリ収容装置。
　請求項２記載のバッテリ収容装置であって、
　前記収容ケースは、複数の方向に開口することで、複数方向からの前記バッテリの挿抜を許容する開口部を有し、
　前記バッテリ保持部は、前記開口部の少なくとも一部を閉塞する、
　バッテリ収容装置。
　請求項３記載のバッテリ収容装置であって、前記開口部は、
　前記コネクタの移動方向に開口した第１開口部（１２６）と、
　前記コネクタの移動方向と直交する方向に開口した第２開口部（１２７）と、を有し、
　前記第１開口部と前記第２開口部とは連続して繋がる、
　バッテリ収容装置。
　請求項４記載のバッテリ収容装置であって、前記収容ケースは、前記バッテリを囲む側壁（１２２、１２３、１２４、１２５）を有し、前記側壁は周方向の位置により前記コネクタの移動方向の長さが異なることにより、前記第２開口部を形成する、
　バッテリ収容装置。
　請求項２～５のいずれか１項に記載のバッテリ収容装置であって、前記ロック機構及び前記バッテリ保持部は、前記可動機構により駆動されて前記バッテリを保持する、
　バッテリ収容装置。
　請求項６記載のバッテリ収容装置であって、前記バッテリ保持部は、前記収容ケースの側方の一方向に偏在する、
　バッテリ収容装置。
　請求項６又は７記載のバッテリ収容装置であって、前記可動機構は、前記コネクタの移動よりも先に、前記バッテリ保持部を移動させて前記バッテリを固定する、
　バッテリ収容装置。