WO2023149417A1 - 撮像装置 - Google Patents

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    • H04N25/78Readout circuits for addressed sensors, e.g. output amplifiers or A/D converters

Abstract

[課題]簡易な回路構成でノイズを増やすことなく1回露光のHDR機能を実現する。 [解決手段]撮像装置は、第1ゲインに対応する第1参照信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第1信号を出力する第1比較回路と、前記第1ゲインとはゲイン量が異なる第2ゲインに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号を出力する第2比較回路と、前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号とを、互いに異なるタイミングで出力する第3比較回路と、を備える。

Description

撮像装置
 本開示は、撮像装置に関する。
 撮像装置では、構成が簡易なシングルスロープ型のADC(Analog to Digital Converter)を用いてAD変換を行うことがある。この種のADCは、光電変換された画素信号が鋸波形状のランプ波信号と交差するまでの時間をカウンタでカウントし、そのカウント値に基づいてデジタル信号を生成する(特許文献1参照)。
特開2020-136935号公報
 最近のカメラやスマートフォン等は、撮影画像のダイナミックレンジを上げるために、HDR(High-Dynamic Range)機能を搭載している場合がある。HDRは、感度やゲインを変えながら複数回の撮像を行って得られた画像を合成する技術であり、撮影画像の白飛びを抑制できる一方で、黒つぶれも解消できる。HDRにおいては、画像の合成時のブレを防止するために、合成する画像ごとに露光を行うのではなく、1回の露光で取得した信号を感度やゲインを変えて読み出すことが望ましい。
 従来のシングルスロープ型のADCを用いて1回露光のHDR機能を実現するには、カラムごとに複数のADCを設けたり、いったんリセットしてから感度やゲインを変更する処理を行ったりしなければならず、回路構成の複雑化やノイズの増大につながってしまう。
 そこで、本開示では、簡易な回路構成でノイズを増やすことなく1回露光のHDR機能を実現可能な撮像装置を提供するものである。
 上記の課題を解決するために、本開示によれば、第1ゲインに対応する第1参照信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第1信号を出力する第1比較回路と、
 前記第1ゲインとはゲイン量が異なる第2ゲインに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号を出力する第2比較回路と、
 前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号とを、互いに異なるタイミングで出力する第3比較回路と、を備える、撮像装置が提供される。
 前記第1参照信号は、時間の経過に応じて第1傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
 前記第2参照信号は、時間の経過に応じて前記第1傾斜とは異なる第2傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
 前記第1比較回路は、前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルが一致すると、前記第1信号の信号レベルを遷移させ、
 前記第2比較回路は、前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルが一致すると、前記第2信号の信号レベルを遷移させてもよい。
 前記第1参照信号は、リセットレベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第1信号期間と、信号レベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第2信号期間とを有し、
 前記第2参照信号は、リセットレベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第3信号期間と、信号レベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第4信号期間とを有してもよい。
 前記第2ゲインは、前記第1ゲインよりもゲイン量が大きく、
 前記第1参照信号は、前記第2参照信号よりも、単位時間当たりの信号変化量が大きくてもよい。
 前記第1比較回路は、リセットレベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号と、信号レベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力し、
 前記第2比較回路は、リセットレベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号と、信号レベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力してもよい。
 前記第1参照信号及び前記第2参照信号を生成する参照信号生成回路を備え、
 前記第1比較回路から出力される前記第1信号と、前記第2比較回路から出力される前記第2信号とは、共通の信号線を介して前記第3比較回路に入力されてもよい。
 前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第1参照信号、リセットレベル用の前記第2参照信号、信号レベル用の前記第2参照信号、及び信号レベル用の前記第1参照信号の順に出力してもよい。
 前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第2参照信号、リセットレベル用の前記第1参照信号、信号レベル用の前記第1参照信号、及び信号レベル用の前記第2参照信号の順に出力してもよい。
 前記第1比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内に前記第1入力信号との比較処理を行って前記第1信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内には前記第1信号の出力を停止し、
 前記第2比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内に前記第2入力信号との比較処理を行って前記第2信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内には前記第2信号の出力を停止してもよい。
 前記第1比較回路は、
 前記第1入力信号が供給されるソースと、前記第1参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第1トランジスタと、
 前記第1トランジスタのゲートに接続され、前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタと、
 前記第1トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第1切替器と、
 前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第2切替器と、を有し、
 前記第2比較回路は、
 前記第2入力信号が供給されるソースと、前記第2参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第2トランジスタと、
 前記第2トランジスタのゲートに接続され、前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタと、
 前記第2トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第3切替器と、
 前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第4切替器と、を有してもよい。
 前記第2切替器は、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断し、
 前記第4切替器は、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断してもよい。
 前記第1比較回路は、
 前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給するか否かを切り替える第5切替器と、
 前記第1キャパシタの一端に所定の電圧レベルの基準電圧を供給するか否かを切り替える第6切替器と、を有し、
 前記第2比較回路は、
 前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給するか否かを切り替える第7切替器と、
 前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給するか否かを切り替える第8切替器と、を有し、
 前記第1比較回路が前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給し、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給せず、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給せず、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、
 前記第2比較回路が前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給せず、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給し、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給しなくてもよい。
 前記第1比較回路は、前記第1キャパシタと前記第1トランジスタのゲートとの接続ノードと、基準電圧ノードとの間に接続される第3キャパシタを有し、
 前記第2比較回路は、前記第2キャパシタと前記第2トランジスタのゲートとの接続ノードと、前記基準電圧ノードとの間に接続される第4キャパシタを有し、
 前記第1キャパシタ、前記第2キャパシタ、前記第3キャパシタ、及び前記第4キャパシタは、キャパシタンスを可変可能であってもよい。
 前記第1比較回路は、前記第1参照信号をバッファリングして前記第1キャパシタの一端に供給する第1バッファを有し、
 前記第2比較回路は、前記第2参照信号をバッファリングして前記第2キャパシタの一端に供給する第2バッファを有してもよい。
 前記第1参照信号及び前記第2参照信号をそれぞれ異なるタイミングで伝送する1本の参照信号線を備え、
 前記第1キャパシタの一端及び前記第2キャパシタの一端には、前記参照信号線が接続されてもよい。
 前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給する第1参照信号線と、
 前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給する第2参照信号線と、を備えてもよい。
 前記第1ゲイン及び前記第2ゲインとはゲイン量が異なる第3ゲインに対応する第3参照信号と第3入力信号との比較結果に応じた第5信号を出力する第4比較回路をさらに備え、
 前記第3比較回路は、前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号と、前記第5信号と前記第3入力信号との比較結果に応じた第6信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力してもよい。
 第1方向及び第2方向に配置されており、それぞれが光電変換を行う画素回路を有する複数の画素と、
 前記第1方向に配置された2以上の前記画素で光電変換された信号に基づく入力信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器と、を備え、
 前記アナログ-デジタル変換器は、前記第1方向に配置された前記2以上の画素ごとに、前記第1比較回路、前記第2比較回路、及び前記第3比較回路を有してもよい。
 前記画素回路は、
 前記第1比較回路及び前記第2比較回路の比較処理に同期して、光電変換効率を切り替える変換効率切替回路を有し、
 前記変換効率切替回路は、前記第2比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率を、前記第1比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率よりも高くしてもよい。
 前記第1比較回路内の前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタが配置される第1領域と、
 前記第1比較回路内の前記第1キャパシタ以外の回路素子が配置される第2領域と、
 前記第2比較回路内の前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタが配置される第3領域と、
 前記第2比較回路内の前記第2キャパシタ以外の回路素子が配置される第4領域と、
 前記第3比較回路が配置される第5領域と、が前記第2方向の画素ごとに配置され、
 前記第1領域及び前記第2領域は前記第1方向に沿って隣接して配置され、
 前記第3領域及び前記第4領域は前記第1方向に沿って隣接して配置されてもよい。
CMOSイメージセンサのシステム構成の概略を模式的に示すブロック図。 画素の回路構成の一例を示す回路図。 CMOSイメージセンサの平置型のチップ構造を模式的に示す斜視図。 CMOSイメージセンサの積層型の半導体チップ構造を模式的に示す分解斜視図。 アナログ-デジタル変換部の構成の一例を示す図。 参考例に係る比較器の回路構成例を示す図。 参考例に係る比較器の回路動作の一例の説明に供するタイミング図。 参考例に係る比較器における入力トランジスタとして用いられるPチャネルMOSトランジスタの特性の一例を示す特性図。 バッファを配置した参考例に係る比較器の回路図。 第1の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 図9の比較器のタイミング図。 第2の実施形態に係る撮像装置内の画素と比較器の回路図。 図11の比較器のタイミング図。 第3の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 図13の比較器のタイミング図。 第4の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 図15の比較器のタイミング図。 第5の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 図17の比較器をカラムごとに配置した例を示す図。 図17の第1変形例に係る比較器の回路図。 図19の比較器をカラムごとに配置した例を示す図。 図20の一変形例であり、基準信号線にもバッファを接続した例を示す図。 図17の第2変形例に係る比較器の回路図。 第6の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 第7の実施形態に係る撮像装置内の比較器の回路図。 図24の比較器のタイミング図。 図24の一変形例に係る比較器の回路図。 図24又は図26の比較器をカラムごとに配置した例を示す図。 第8の実施形態に係る比較器の模式的なレイアウト図。 一比較例に係る比較器の模式的なレイアウト図。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図。
 以下、図面を参照して、撮像装置の実施形態について説明する。以下では、撮像装置の主要な構成部分を中心に説明するが、撮像装置には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
<本開示に係る技術が適用される撮像装置>
 本開示に係る技術が適用される撮像装置として、X-Yアドレス方式の撮像装置の一種であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを例に挙げて説明する。CMOSイメージセンサは、CMOSプロセスを応用して、又は、部分的に使用して作製されたイメージセンサである。
[CMOSイメージセンサの構成例]
 図1は、本開示に係る技術が適用される撮像装置1の一例であるCMOSイメージセンサのシステム構成の概略を模式的に示すブロック図である。
 本適用例に係るCMOSイメージセンサ1は、画素アレイ部11及び当該画素アレイ部11の周辺回路部を有する構成となっている。画素アレイ部11は、受光素子を含む画素(画素回路)20が行方向X及び列方向Yに、即ち、行列状に2次元配置された構成となっている。ここで、行方向Xとは、列方向Yに延びる各画素行の配列方向を言う。画素20は、光電変換を行うことにより、受光した光量に応じた光電荷を生成し、蓄積する。
 画素アレイ部11の周辺回路部は、例えば、行選択部12、アナログ-デジタル変換部13、信号処理部としてのロジック回路部14、及び、タイミング制御部15等によって構成されている。
 画素アレイ部11において、行列状の画素配列に対し、画素行毎に複数の画素制御線31(311~31m)が行方向Xに配置されている。また、画素列毎に信号線32(321~32n)が列方向Yに配置されている。画素制御線31は、対応する画素行を駆動するための駆動信号を伝送する。画素制御線31の一端は、行選択部12の各行に対応した出力端に接続されている。
 行選択部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11の各画素20の選択に際して、画素行の走査や画素行のアドレスを制御する。この行選択部12は、その具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
 読出し走査系は、画素20から画素信号を読み出すために、画素アレイ部11の画素20を行単位で順に選択走査する。画素20から読み出される画素信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
 この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の画素20の光電変換素子から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換素子がリセットされる。そして、この掃出し走査系による不要電荷の掃き出す(リセットする)ことにより、所謂、電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換素子の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
 アナログ-デジタル変換部13は、画素アレイ部11の画素列に対応して(例えば、画素列毎に)設けられた複数のアナログ-デジタル変換器(ADC)の集合から成る。アナログ-デジタル変換部13は、画素列毎に信号線321~32nの各々を通して出力されるアナログの画素信号を、デジタル信号に変換する列並列型のアナログ-デジタル変換部である。
 アナログ-デジタル変換部13におけるアナログ-デジタル変換器としては、例えば、参照信号比較型のアナログ-デジタル変換器の一例であるシングルスロープ型アナログ-デジタル変換器を用いることができる。
 信号処理部であるロジック回路部14は、アナログ-デジタル変換部13でデジタル化された画素信号の読み出しや所定の信号処理を行う。具体的には、ロジック回路部14では、所定の信号処理として、例えば、縦線欠陥、点欠陥の補正、又は、信号のクランプ、更には、パラレル-シリアル変換、圧縮、符号化、加算、平均、及び、間欠動作などのデジタル信号処理が行われる。ロジック回路部14は、生成した画像データを、本CMOSイメージセンサ1の出力信号OUTとして後段の装置に出力する。
 タイミング制御部15は、外部から与えられる同期信号に基づいて、各種のタイミング信号、クロック信号、及び、制御信号等を生成する。そして、タイミング制御部15は、これら生成した信号を基に、行選択部12、アナログ-デジタル変換部13、及び、ロジック回路部14等の駆動制御を行う。
[画素の回路構成例]
 図2は画素20の回路構成の一例を示す回路図である。画素20は、光電変換素子として、例えば、フォトダイオード21を有している。画素20は、フォトダイオード21の他に、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25を有する構成となっている。
 転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25の4つのトランジスタとしては、例えばNチャネルのMOS型電界効果トランジスタを用いている。但し、ここで例示した4つのトランジスタ22~25の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
 この画素20に対して、先述した画素制御線31(311~31m)として、複数の画素制御線が同一画素行の各画素20に対して共通に配線されている。これら複数の画素制御線は、行選択部12の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されている。行選択部12は、複数の画素制御線に対して転送信号TRG、リセット信号RST、及び、選択信号SELを適宜出力する。
 フォトダイオード21は、アノード電極が低電位側電源(例えば、グランド)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。フォトダイオード21のカソード電極は、転送トランジスタ22を介して増幅トランジスタ24のゲート電極と電気的に接続されている。ここで、増幅トランジスタ24のゲート電極が電気的に繋がった領域は、フローティングディフュージョン(浮遊拡散領域/不純物拡散領域)FDである。フローティングディフュージョンFDは、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
 転送トランジスタ22のゲート電極には、高レベル(例えば、VDDレベル)がアクティブとなる転送信号TRGが行選択部12から与えられる。転送トランジスタ22は、転送信号TRGに応答して導通状態となることで、フォトダイオード21で光電変換され、当該フォトダイオード21に蓄積された光電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
 リセットトランジスタ23は、高電位側電源電圧VDDのノードとフローティングディフュージョンFDとの間に接続されている。リセットトランジスタ23のゲート電極には、高レベルがアクティブとなるリセット信号RSTが行選択部12から与えられる。リセットトランジスタ23は、リセット信号RSTに応答して導通状態となり、フローティングディフュージョンFDの電荷を電圧VDDのノードに捨てることによってフローティングディフュージョンFDをリセットする。
 増幅トランジスタ24は、ゲート電極がフローティングディフュージョンFDに、ドレイン電極が高電位側電源電圧VDDのノードにそれぞれ接続されている。増幅トランジスタ24は、フォトダイオード21での光電変換によって得られる信号を読み出すソースフォロワの入力部となる。すなわち、増幅トランジスタ24は、ソース電極が選択トランジスタ25を介して信号線32に接続される。
 選択トランジスタ25は、ドレイン電極が増幅トランジスタ24のソース電極に接続され、ソース電極が信号線32に接続されている。選択トランジスタ25のゲート電極には、高レベルがアクティブとなる選択信号SELが行選択部12から与えられる。選択トランジスタ25は、選択信号SELに応答して導通状態となることで、画素20を選択状態として増幅トランジスタ24から出力される信号を信号線32に伝達する。
 尚、上記の回路例では、画素20として、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25から成る、即ち、4つのトランジスタ(Tr)から成る4Tr構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、選択トランジスタ25を省略し、増幅トランジスタ24に選択トランジスタ25の機能を持たせる3Tr構成とすることもできるし、必要に応じて、トランジスタの数を増やした5Tr以上の構成とすることもできる。
[半導体チップ構造]
 上記の構成のCMOSイメージセンサ1の半導体チップ構造としては、平置型の半導体チップ構造及び積層型の半導体チップ構造を例示することができる。また、画素構造については、配線層が形成される側の基板面を表面(正面)とするとき、その反対側の裏面側から照射される光を取り込む裏面照射型の画素構造とすることもできるし、表面側から照射される光を取り込む表面照射型の画素構造とすることもできる。
 以下に、平置型の半導体チップ構造及び積層型の半導体チップ構造の概略について説明する。
(平置型の半導体チップ構造)
 図3Aは、CMOSイメージセンサ1の平置型のチップ構造を模式的に示す斜視図である。図3Aに示すように、平置型の半導体チップ構造は、画素20が行列状に配置されて成る画素アレイ部11と同じ半導体基板41上に、画素アレイ部11の周辺回路部の各構成要素を形成した構造となっている。具体的には、画素アレイ部11と同じ半導体基板41上に、行選択部12、アナログ-デジタル変換部13、ロジック回路部14、及び、タイミング制御部15等が形成されている。1層目の半導体基板41の例えば左右両端部には、外部接続用や電源用のパッド42が設けられている。
(積層型の半導体チップ構造)
 図3Bは、CMOSイメージセンサ1の積層型の半導体チップ構造を模式的に示す分解斜視図である。図3Bに示すように、積層型の半導体チップ構造、所謂、積層構は、1層目の半導体チップ43及び2層目の半導体チップ44の少なくとも2つの半導体チップが積層された構造となっている。
 この積層型の半導体チップ構造において、1層目の半導体チップ43は、光電変換素子(例えば、フォトダイオード21)を含む画素20が行列状に2次元配置されて成る画素アレイ部11が形成された画素チップである。1層目の半導体チップ43の例えば左右両端部には、外部接続用や電源用のパッド42が設けられている。
 2層目の半導体チップ44は、画素アレイ部11の周辺回路部、即ち、行選択部12、アナログ-デジタル変換部13、ロジック回路部14、及び、タイミング制御部15等が形成された回路チップである。尚、行選択部12、アナログ-デジタル変換部13、ロジック回路部14、及び、タイミング制御部15の配置については、一例であって、この配置例に限られるものではない。
 1層目の半導体チップ43上の画素アレイ部11と、2層目の半導体チップ44上の周辺回路部とは、Cu-Cu接合を含む金属-金属接合、シリコン貫通電極(Through Silicon Via:TSV)、マイクロバンプ等から成る接合部45,46を介して電気的に接続される。
 上述した積層型の半導体チップ構造によれば、1層目の半導体チップ43には画素アレイ部11の作製に適したプロセスを適用でき、2層目の半導体チップ44には回路部分の作製に適したプロセスを適用できる。これにより、CMOSイメージセンサ1の製造に当たって、プロセスの最適化を図ることができる。これにより、CMOSイメージセンサ1の製造に当たって、プロセスの最適化を図ることができる。特に、回路部分の作製に当たっては、先端プロセスの適用が可能になる。
[アナログ-デジタル変換部の構成例]
 続いて、アナログ-デジタル変換部13の構成の一例について説明する。ここでは、アナログ-デジタル変換部13の各アナログ-デジタル変換器として、シングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器を用いることとする。
 アナログ-デジタル変換部13の構成の一例を図4に示す。CMOSイメージセンサ1において、アナログ-デジタル変換部13は、画素アレイ部11の各画素列に対応して設けられた複数のシングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器の集合から成る。ここでは、n列目のシングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器33を例に挙げて説明する。
 アナログ-デジタル変換器33は、比較器34及びカウンタ35を有する回路構成となっている。そして、シングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器33では、参照信号生成回路16で生成される参照信号が用いられる。参照信号生成回路16は、例えば、デジタル-アナログ変換器(DAC)から成り、時間の経過に応じてレベル(電圧)が単調減少する傾斜状波形(所謂、ランプ波)の参照信号VRAMPを生成し、画素列毎に設けられた比較器34に基準信号として与える。
 比較器34は、画素20から読み出されるアナログの画素信号VVSLを比較入力とし、参照信号生成回路16で生成されるランプ波の参照信号VRAMPを基準入力とし、両信号を比較する。そして、比較器34は、例えば、参照信号VRAMPが画素信号VVSLよりも大きいときに出力が第1の状態(例えば、高レベル)になり、参照信号VRAMPが画素信号VVSL以下のときに出力が第2の状態(例えば、低レベル)になる。これにより、比較器34は、画素信号VVSLの信号レベルに応じた、具体的には、信号レベルの大きさに対応したパルス幅を持つパルス信号を比較結果として出力する。
 カウンタ35には、比較器34に対する参照信号VRAMPの供給開始タイミングと同じタイミングで、タイミング制御部15からクロック信号CLKが与えられる。そして、カウンタ35は、クロック信号CLKに同期してカウント動作を行うことによって、比較器34の出力パルスのパルス幅の期間、即ち、比較動作の開始から比較動作の終了までの期間を計測する。カウンタ35のカウント結果(カウント値)は、アナログの画素信号VVSLをデジタル化したデジタル値として、ロジック回路部14へ供給される。
 上述したシングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器33の集合から成るアナログ-デジタル変換部13によれば、参照信号生成回路16で生成されるランプ波の参照信号VRAMPと、画素20から信号線32を通して読み出されるアナログの画素信号VVSLとの大小関係が変化するまでの時間情報からデジタル値を得ることができる。
 尚、上記の例では、アナログ-デジタル変換部13として、画素アレイ部11の画素列に対して1対1の対応関係でアナログ-デジタル変換器33が配置されて成る構成を例示したが、複数の画素列を単位としてアナログ-デジタル変換器33が配置されて成る構成とすることも可能である。
[アナログ-デジタル変換器の比較器について]
 上述したシングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器33において、比較器34としては、一般的に、差動アンプ構成の比較器が用いられる。しかし、差動アンプ構成の比較器の場合、画素の負荷電流源と比較器の電流源を別々に用意する必要があり、従って、アナログ-デジタル変換器33の消費電力、ひいては、CMOSイメージセンサ1の消費電力が削減しにくいという問題がある。
 これに対し、ソース電極にアナログの画素信号が入力され、ゲート電極に所定の参照信号が入力されるPチャネルMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタを設け、比較器の電流源として、画素(画素回路)の負荷電流源を共用する構成の従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術によれば、画素回路と別途に比較器にも電流源を設ける構成の場合と比較して、消費電力を低減できる。
 しかしながら、従来技術の上記の接続構成では、アナログの画素信号と所定の参照信号とが一致する際に、PチャネルMOSトランジスタのドレイン電圧は、画素信号のレベルに応じて変動してしまうため、比較器の比較結果が反転するタイミングが、画素信号と参照信号とが一致する理想的なタイミングからずれてしまうことがある。この反転タイミングの誤差に起因して、画素信号をアナログ-デジタル変換したデジタル信号に誤差や非線形性が生じ、画像データの画質が低下するという問題がある。
[参考例に係る比較器]
 上記の従来技術の問題点を解決するための比較器について、参考例に係る比較器として以下に説明する。
(参考例に係る比較器の回路構成例)
 参考例に係る比較器の回路構成例を図5に示す。ここでは、図面の簡略化のために、1画素列分の回路構成について図示している。
 図5に示すように、参考例に係る比較器34は、容量素子C11、オートゼロスイッチSWAZ、入力トランジスタPT11、入力側負荷電流源I11、容量素子C12、入力側クランプトランジスタPT13、入力側クランプトランジスタNT11、出力トランジスタPT12、出力側負荷電流源I12、及び、出力側クランプトランジスタNT12を備える構成となっている。
 入力トランジスタPT11は、PチャネルのMOSトランジスタから成り、信号線32と入力側負荷電流源I11との間に接続されている。具体的には、入力トランジスタPT11のソース電極が信号線32に接続され、ドレイン電極が入力側負荷電流源I11の一端に接続されている。これにより、入力トランジスタPT11のソース電極には、信号線32を通してアナログの画素信号VVSLが入力される。入力トランジスタPT11のバックゲートとソース電極とは、バックゲート効果を抑制するために短絡してもよい。
 入力側負荷電流源I11の他端は、低電位側電源、例えばグランドGNDに接続されている。入力側負荷電流源I11は、入力トランジスタPT11と信号線32との直列接続回路に対して一定の電流を供給する。
 容量素子C11は、ランプ波の参照信号VRAMPの入力端子T11と入力トランジスタPT11のゲート電極との間に接続されており、参照信号VRAMPに対する入力容量となり、オフセットを吸収する。これにより、入力トランジスタPT11には、アナログの画素信号VVSLが信号線32を通してソース電極に入力され、ランプ波の参照信号VRAMPが容量素子C11を介してゲート電極に入力されることになる。
 入力トランジスタPT11は、ゲート電極に入力されるランプ波の参照信号VRAMPと、ソース電極に入力されるアナログの画素信号VVSLとの差、即ち、入力トランジスタPT11のゲート-ソース間電圧Vgsを増幅し、ドレイン電極からドレイン電圧Vdとして出力する。
 オートゼロスイッチSWAZは、入力トランジスタPT11のゲート電極とドレイン電極との間に接続され、図1に示すタイミング制御部15から入力端子T12を介して入力される駆動信号AZによってオン(閉)/オフ(開)の制御が行われる。オートゼロスイッチSWAZは、オン状態になることにより、入力トランジスタPT11のゲート電極とドレイン電極との間を短絡するオートゼロ(初期化動作)を行う。オートゼロスイッチSWAZについては、Pチャネル又はNチャネルのMOSトランジスタを用いて構成することができる。
 容量素子C12は、入力トランジスタPT11に対して並列に接続されている。具体的には、容量素子C12の一端が入力トランジスタPT11のソース電極に接続され、容量素子C12の他端が入力トランジスタPT11のドレイン電極に接続されている。容量素子C12は、帯域制限容量である。
 入力側クランプトランジスタPT13は、例えば、PチャネルのMOSトランジスタから成り、入力トランジスタPT11のソース電極とドレイン電極との間に接続されている。入力側クランプトランジスタPT13は、ゲート電極とソース電極とが共通に接続されたダイオード接続の構成となっており、入力トランジスタPT11が非導通状態のときの入力トランジスタPT11のドレイン電圧の低下を抑制する作用をなす。
 入力側クランプトランジスタNT11は、NチャネルのMOSトランジスタから成り、ドレイン電極が入力トランジスタPT11のソース電極に接続され、ソース電極が入力トランジスタPT11のドレイン電極に接続されている。入力側クランプトランジスタNT11のゲート電極には、所定のバイアス電圧bias1が印加される。
 入力側クランプトランジスタNT11は、ゲート電極に所定のバイアス電圧bias1が印加される。これにより、信号線32の電圧に関わりなく、入力トランジスタPT11のドレイン電圧Vdの下限を制限し、ドレイン電流の供給停止を直接的に防止することができる。
 出力トランジスタPT12は、例えば、PチャネルのMOSトランジスタから成り、信号線32と出力側負荷電流源I12との間に接続されている。具体的には、出力トランジスタPT12のソース電極が信号線32に接続され、ドレイン電極が出力側負荷電流源I12の一端に接続されている。これにより、出力トランジスタPT12のソース電極には、信号線32を通して画素信号VVSLが入力される。出力トランジスタPT12のバックゲートとソース電極とは、バックゲート効果を抑制するために短絡してもよい。
 出力側負荷電流源I12の他端は、低電位側電源、例えばグランドGNDに接続されている。出力側負荷電流源I12は、出力トランジスタPT12と信号線32との直列接続回路に対して一定の電流を供給する。
 出力トランジスタPT12のゲート電極は、入力トランジスタPT11のドレイン電極に接続されている。これにより、出力トランジスタPT12のゲート電極には、入力トランジスタPT11のドレイン電圧が入力される。
 出力トランジスタPT12は、信号線32を通してソース電極に入力されるアナログの画素信号VVSLと、ゲート電極に入力される入力トランジスタPT11のドレイン電圧Vdとの電圧差が所定の閾値電圧を超えるか否かを示す信号OUTを、アナログの画素信号VVSLとランプ波の参照信号VRAMPとの比較結果として、ドレイン電極から出力端子T13を通して出力する。
 出力側クランプトランジスタNT12は、NチャネルのMOSトランジスタから成り、ドレイン電極が出力トランジスタPT12のソース電極に接続され、ソース電極が出力トランジスタPT12のドレイン電極に接続されている。出力側クランプトランジスタNT12のゲート電極には、所定のバイアス電圧bias2が印加される。NチャネルのMOSトランジスタから成る出力側クランプトランジスタNT12は、出力トランジスタPT12のドレイン電圧の下限を制限することができる。
 上述したように、参考例に係る比較器34は、比較器34の電流源として、信号線32に電流を供給する負荷電流源I11及び負荷電流源I12を共用した回路構成となっている。この回路構成の比較器34によれば、アナログ-デジタル変換器33の消費電力、ひいては、CMOSイメージセンサ1の低消費電力化を図ることができる。すなわち、参考例に係る比較器34は、超低消費電力型の比較器である。
 更に、参考例に係る比較器34において、入力トランジスタPT11が、ドレイン-ソース間電圧を出力トランジスタPT12のゲート-ソース間に供給するため、アナログの画素信号VVSLの変化とランプ波の参照信号VRAMPの変化とが一致するタイミングで比較結果を反転させることができる。これにより、反転タイミングの誤差に起因する非線形性を低減し、画像データの画質を向上させることができる。
(比較器の回路動作例)
 続いて、上記の基本形の回路構成を有する比較器34の回路動作の一例について説明する。図6は、参考例に係る比較器34の回路動作の一例の説明に供するタイミング図である。図6のタイミング図には、アナログの画素信号VVSL、ランプ波の参照信号VRAMP、入力トランジスPT11のドレイン電圧Vd、比較器34の比較結果COMP、及び、オートゼロスイッチSWAZの駆動信号AZの各波形のタイミング関係を示している。
 アナログ-デジタル変換(AD変換)の開始直前の時刻t1で、オートゼロスイッチSWAZの駆動信号AZが、所定のオートゼロ期間に亘ってアクティブ状態(高レベル状態)になる。これにより、オートゼロスイッチSWAZが、駆動信号AZに応答してオン(閉)状態となり、入力トランジスPT11のゲート電極とドレイン電極とを短絡し、比較器34の初期化動作、即ち、オートゼロ動作を行う。
 オートゼロ動作後、時刻t2で、参照信号生成回路16から参照信号VRAMPの出力が開始される。参照信号VRAMPは、時間の経過に応じてレベル(電圧)が単調減少するランプ波の信号である。
 ところで、CMOSイメージセンサ1では、一般的に、画素20のリセット動作時のノイズを除去するために、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)によるノイズ除去処理が行われる。このため、画素20からは、画素信号として、例えば、リセットレベル(第1モード)VVSL_P及び信号レベル(第2モード)VVSL_Dが読み出される。
 リセットレベルVVSL_Pは、画素20のフローティングディフュージョンFDをリセットしたときの当該フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号線32の電位に相当する。信号レベルVVSL_Dは、フォトダイオード21での光電変換によって得られる電位、即ち、フォトダイオード21に蓄積された電荷をフローティングディフュージョンFDへ転送したときの当該フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号線32の電位に相当する。
 時刻t3で、時間の経過に応じて電圧が徐々に減少する参照信号VRAMPが、オートゼロ動作時に定まる図示しないオフセット電圧を介して、リセットレベルVVSL_Pと交差するものとする。ここで、時刻t3での入力トランジスPT11のドレイン電圧VdをVd_pとし、ドレイン電圧Vd_p未満を低レベルとし、ドレイン電圧Vd_p以上を高レベルとすると、入力トランジスPT11のドレイン電圧Vdは、時刻t3付近で低レベルから高レベルに反転する。
 その後、参照信号VRAMPの初期化が行われ、時刻t4から再び、参照信号VRAMPが徐々に低下を開始する。一方、画素20では、フォトダイオード21からフローティングディフュージョンFDへ電荷が転送され、画素信号として信号レベルVVSL_Dが出力される。この信号レベルVVSL_Dは、リセットレベルVVSL_PよりもΔVだけ低いレベルとする。
 そして、時刻t5で、時間の経過に応じて電圧が徐々に減少する参照信号VRAMPが、オートゼロ動作時に定まる図示しないオフセット電圧を介して、信号レベルVVSL_Dと交差するものとする。ここで、時刻t5での入力トランジスPT11のドレイン電圧VdをVd_dとする。このドレイン電圧Vd_dは、ドレイン電圧Vd_pよりもΔVだけ低い値となる。すなわち、時刻t5でのドレイン電圧Vd_dは、そのときの画素信号である信号レベルVVSL_Dが低いほど、低い値となる。
 入力トランジスPT11のドレイン電圧Vd_dが、リセットレベルVVSL_Pの変換時のドレイン電圧Vd_pよりもΔVだけ降下している。従来技術では、このドレイン電圧Vdが反転したと判定されるのは、時刻t5の後の時刻t6となる。このため、仮に、このドレイン電圧Vd_pを、比較器34の比較結果COMPの生成のために用いると、比較結果COMPが反転するタイミング(時刻t6付近)は、参照信号VRAMPが信号レベルVVSL_Dと交差する理想的なタイミング(時刻t5付近)からずれてしまう。この結果、アナログ-デジタル変換器33において、リニアリティ誤差やオフセットが生じ、この誤差に起因して画像データの画質が低下してしまうおそれがある。
 これに対して、参考例に係る比較器34では、入力トランジスタPT11の後段に出力トランジスタPT12が設けられ、入力トランジスタPT11のソース電極及びドレイン電極が、出力トランジスタPT12のソース電極及びゲート電極に接続されている。この接続により、入力トランジスタPT11のドレイン-ソース間電圧Vdsが、出力トランジスタPT12にそのゲート-ソース間電圧として入力される。
 図6のタイミング図に例示したように、オートゼロ動作時に定まる図示しないオフセット電圧を介して、参照信号VRAMPが画素信号VVSLと交差する時刻t3及び時刻t5において、画素信号VVSLの電圧降下量ΔVは、入力トランジスPT11のドレイン電圧Vdの電圧降下量と同一である。このため、これらのタイミングにおいて、ドレイン-ソース間電圧Vdsは同一の値となる。このとき(即ち、時刻t3及び時刻t5)のドレイン-ソース間電圧Vdsの値は、オートゼロ時と同じになる。入力トランジスPT11のドレイン-ソース間電圧Vdsは、出力トランジスタPT12のゲート-ソース間電圧であるため、時刻t3付近及び時刻t5付近で、出力トランジスタPT12のドレイン電圧が反転する。
 比較器34の比較結果COMPの反転タイミングが、参照信号VRAMPが信号レベルVVSL_Dと交差する理想的なタイミングに応じているため、反転タイミングの誤差が抑制される。これにより、入力トランジスPT11のドレイン電圧Vd_pのみを比較結果COMPの生成のために用いる場合と比較して、リニアリティ誤差やオフセットを小さくして、画像データの画質を向上させることができる。
 続いて、時刻t3及び時刻t5で、入力トランジスPT11のドレイン電圧Vdの電圧降下量ΔVが、入力トランジスPT11のソース電極に入力される画素信号VVSLの電圧降下量と同一になる理由について説明する。
 図7は、参考例に係る比較器34における入力トランジスPT11として用いられるPチャネルMOSトランジスタの特性の一例を示す特性図である。図7の特性図において、縦軸は、ドレイン電流であり、横軸は、ドレイン-ソース間電圧である。また、破線は、線形領域と飽和領域との境界を示している。
 一般的に、PチャネルMOSトランジスタは、オートゼロ時に飽和領域で動作するように動作点が定められる。PチャネルMOSトランジスタの飽和領域のドレイン電流Idは、次式(1)によって表される。
  Id=(1/2)・μCOX(W/L)・(VGS-Vth2(1+λVds)・・・(1)
 ここで、μは、電子の移動度であり、COXは、MOSキャパシタの単位面積当たりの容量であり、Wは、ゲート幅であり、Lは、ゲート長であり、Vthは、閾値電圧であり、λは、所定の係数である。
 入力トランジスPT11は、PチャネルMOSトランジスタであるから、飽和領域において、式(1)が成立する。このとき入力トランジスPT11のドレイン電流Idは、入力側負荷電流源I11が供給する一定の値Id1である。また、電子移動度μ、単位容量COX、ゲート幅W、ゲート長L、閾値電圧Vth、及び、係数λは、一定の値である。
 また、オートゼロ動作時に定まる図示しないオフセット電圧を介して、入力トランジスタPT11のゲート電極に入力される参照信号VRAMPが、ソース電極に入力される画素信号VVSLと交差すると言うとき、ゲート-ソース間電圧Vgsは、オートゼロ時に定まる一定の値である。
 従って、オートゼロ動作時に定まる図示しないオフセット電圧を介して、入力トランジスタPT11のゲート電極に入力される参照信号VRAMPが、ソース電極に入力される画素信号VVSLと交差するときは、式(1)より、ドレイン-ソース間電圧Vdsも一定の値となる。その一定のドレイン-ソース間電圧をVds1とすると、時刻t3及び時刻t5において次式(2),(3)が成立する。
   Vds1=VVSL_P-Vd_p      ・・・(2)
   Vds1=VVSL_D-Vd_d      ・・・(3)
 式(2)及び式(3)からドレイン-ソース間電圧Vds1を消去すると、次の式(4)が得られる。
   VVSL_P-VVSL_D=Vd_p-Vd_d  ・・・(4)
 尚、PチャネルMOSトランジスタをオートゼロ時に線形領域となるように動作点を定めた場合、式(1)は違う形となるが、式(4)は同様に成り立つ。
 式(4)より、入力トランジスタPT11のドレイン電圧Vdの電圧降下量ΔVは、そのソース電極に入力される画素信号VVSLの電圧降下量と同一になる。従って、図6のタイミング図に例示したタイミング関係が得られる。
(バッファのノイズについて)
 シングルスロープ型のアナログ-デジタル変換器では、各画素列の比較器に供給されるランプ波の参照信号VRAMPの駆動力を上げ、出力インピーダンスを下げることを目的として、オフセットを吸収するための容量素子C11の前にバッファを配置する場合がある。このとき、バッファのノイズが比較器に悪影響を与えるおそれがある。このため、例えば差動アンプ構成の従来型の比較器では、図8のバッファ50に示すように、バッファ50の出力端を画素列間に接続し、バッファ50のノイズを平均化することで低減させていた。
 ところが、上記の参考例に係る超低消費電力型の比較器34では、キックバックが大きいため、他の画素列への干渉、具体的には、ストリーキング(筋状のノイズ)を避けるために、図8に×印で示すように、バッファ50の出力端を画素列間で接続することができない。その結果、バッファ50のノイズを画素列間で平均化することができないため、バッファ50のノイズが減衰されずに残り、比較器34全体のノイズが悪化することになる。ここで、「キックバック」とは、電荷が注入される、又は、電荷が引かれることに伴って電位が変動する(揺れる)現象である。
 尚、ここでは、アナログ-デジタル変換部13に悪影響を与えるノイズについて、容量素子C11の前に配されるバッファ50のノイズを例に挙げて、その問題点について説明したが、アナログ-デジタル変換部13に悪影響を与えるノイズは、バッファ50のノイズに限られるものではない。例えば、容量素子C11の前にバッファ50が配されない場合であっても、ランプ波の参照信号VRAMPに乗る参照信号生成回路16のノイズに対しても、画像データの画質において問題とされることがある。
 (第1の実施形態)
 第1の実施形態に係る撮像装置1は、HDR機能を備えており、1回の露光で感度(ゲイン)を変えて複数回の撮像を行って得られた画像を合成する。このとき、撮像結果をAD変換した画像データにノイズが乗らないように回路的な工夫を施している。
 図9は第1の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図である。図9の比較器34は、第1比較回路51と、第2比較回路52と、第3比較回路53と、第1電流源54と、第2電流源55とを有する。
 第1比較回路51は、第1ゲインに対応する第1参照信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第1信号を出力する。本明細書では、第1ゲインをロウゲイン(LG:Low Gain)と呼ぶことがある。第1参照信号は、参照信号生成回路16から参照信号線RAMPで供給される第1ゲインLGに対応する参照信号である。第1入力信号は、信号線(VSL)32を介して画素から供給される、第1ゲインLGに対応する画素信号である。第1比較回路51の内部構成は後述する。
 第2比較回路52は、第1ゲインLGとはゲイン量が異なる第2ゲインHGに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号を出力する。本明細書では、第2ゲインHGをハイゲイン(HG:High Gain)と呼ぶことがある。第2参照信号は、参照信号生成回路16から参照信号線RAMPで供給される第2ゲインHGに対応する参照信号である。第2入力信号は、信号線32を介して画素から供給される、第2ゲインHGに対応する画素信号である。第2比較回路52の内部構成は後述する。
 図9の例では、第1参照信号と第2参照信号は、共通の参照信号線RAMPを介して参照信号生成回路16から供給される。また、第1比較回路51から出力される第1信号と、2比較回路52から出力される第2信号とは、共通の配線CPout1を介して、第3比較回路53に入力される。
 第3比較回路53は、第1信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、第2信号と第2入力信号との比較結果に応じた第4信号とを、互いに異なるタイミングで出力する。第3信号と第4信号は、共通の配線CPout2を介して出力される。この配線CPout2を介して、第3信号と第4信号は、図4に示すカウンタ35に入力される。
 第1比較回路51の出力ノードと第2比較回路52の出力ノードはいずれも、第3比較回路53の入力ノードに接続されるとともに、第1電流源54の一端に接続されている。第1電流源54の他端は接地ノードに接続されている。第3比較回路53の出力配線CPout2は、第2電流源55の一端に接続されている。第2電流源55の他端は接地ノードに接続されている。
 図9の比較器34のうち、第1比較回路51と第2比較回路52は一段目の比較部を構成し、第3比較回路53は二段目の比較部を構成している。第1比較回路51と第2比較回路52は交互に動作し、第3比較回路53は第1比較回路51と第2比較回路52の比較動作に合わせて、比較動作を行う。
 図4に示す参照信号生成回路16は、第1比較回路51が比較動作を行うタイミングに合わせて第1参照信号を参照信号線RAMPに供給し、第2比較回路52が比較動作を行うタイミングに合わせて第2参照信号を参照信号線RAMPに供給する。
 第1参照信号は、時間の経過に応じて第1傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含んでいる。第2参照信号は、時間の経過に応じて第1傾斜とは異なる第2傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含んでいる。第1傾斜は、第2傾斜よりも急峻であり、第1参照信号の信号レベルの変化量は第2参照信号の信号レベルの変化量よりも大きい。
 第1比較回路51は、第1参照信号の信号レベルと第1入力信号の信号レベルの差分に応じた第1信号を出力する。第2比較回路52は、第2参照信号の信号レベルと第2入力信号の信号レベルの差分に応じた第2信号を出力する。
 より詳細には、第1参照信号は、リセットレベルに対応する第1傾斜で信号レベルが変化する第1信号期間LG_RSTと、信号レベルに対応する第1傾斜で信号レベルが変化する第2信号期間LG_SIGとを有する。第2参照信号は、リセットレベルに対応する第2傾斜で信号レベルが変化する第3信号期間HG_RSTと、信号レベルに対応する第2傾斜で信号レベルが変化する第4信号期間HG_SIGとを有する。
 第2ゲインHGは、第1ゲインLGよりもゲイン量が大きいため、第2傾斜は第1傾斜よりも緩やかであり、第2参照信号の単位時間当たりの信号変化量は、第1参照信号の単位時間当たりの信号変化量よりも小さい。
 第1比較回路51は、リセットレベルに対応する第1参照信号と第1入力信号との比較結果に応じた第1信号と、信号レベルに対応する第1参照信号と第1入力信号との比較結果に応じた第1信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する。
 第2比較回路52は、リセットレベルに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号と、信号レベルに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する。
 第1比較回路51は、参照信号生成回路16が第1参照信号を出力する期間内に第1入力信号との比較処理を行って第1信号を出力し、かつ、参照信号生成回路16が第2参照信号を出力する期間内には第1信号の出力を停止する。
 第2比較回路52は、参照信号生成回路16が第2参照信号を出力する期間内に第2入力信号との比較処理を行って第2信号を出力し、かつ、参照信号生成回路16が第1参照信号を出力する期間内には第2信号の出力を停止する。
 第1比較回路51は、入力トランジスタQ1と、容量素子AZC1と、オートゼロスイッチAZSW1と、遮断スイッチSTSW1とを有する。
 入力トランジスタQ1は、PチャネルのMOSトランジスタであり、そのソースには信号線32が接続されている。入力トランジスタQ1のゲートと参照信号線RAMPとの間には容量素子AZC1が接続されている。入力トランジスタQ1のゲートとドレインとの間にはオートゼロスイッチAZSW1が接続されている。入力トランジスタQ1のドレインと第1比較回路51の出力ノードとの間には遮断スイッチSTSW1が接続されている。
 オートゼロスイッチAZSW1は、第1参照信号の信号レベルが第1傾斜で変化し始める直前の初期電圧のタイミングに合わせてオンし、初期電圧に応じた電荷を容量素子AZC1に保持する。遮断スイッチSTSW1は、第1比較回路51の出力ノードをローレベルに遷移する速度(以下、応答速度)を向上させるために設けられている。
 第2比較回路52は、入力トランジスタQ2と、容量素子AZC2と、オートゼロスイッチAZSW2と、遮断スイッチSTSW2とを有する。
 入力トランジスタQ2は、PチャネルのMOSトランジスタであり、そのソースには信号線32が接続されている。入力トランジスタQ2のゲートと参照信号線RAMPとの間には容量素子AZC2が接続されている。入力トランジスタQ2のゲートとドレインとの間にはオートゼロスイッチAZSW2が接続されている。入力トランジスタQ2のドレインと第2比較回路52の出力ノードとの間には遮断スイッチSTSW2が接続されている。
 オートゼロスイッチAZSW2は、第2参照信号の信号レベルが第2傾斜で変化し始める直前の初期電圧のタイミングに合わせてオンし、初期電圧に応じた電荷を容量素子AZC2に保持する。遮断スイッチSTSW2は、第2比較回路52の出力ノードをローレベルに遷移する速度(以下、応答速度)を向上させるために設けられている。
 第3比較回路53は、入力トランジスタQ3を有する。入力トランジスタQ3は、例えばPチャネルのMOSトランジスタであり、そのゲートは第1比較回路51のドレイン及び第2比較回路52のドレインにつながる出力配線CPout1に接続されている。入力トランジスタQ3のドレインは信号線32に接続され、ソースは比較器34の出力配線CPout2に接続されている。
 この他、図9の比較器34は、帯域制限容量C1を有していてもよい。帯域制限容量C1は、信号線32と第1比較回路51及び第2比較回路52の出力ノードとの間に接続されている。帯域制限容量C1を設けることで、遮断周波数以上のノイズ成分を制限することができる。
 この他、図9の比較器34は、第1クランプトランジスタQ4と第2クランプトランジスタQ5を有していてもよい。第1クランプトランジスタQ4と第2クランプトランジスタQ5は、NチャネルのMOSトランジスタである。第1クランプトランジスタQ4のドレインは信号線32に接続され、そのソースは第1比較回路51及び第2比較回路52の出力配線CPout1に接続されている。第2クランプトランジスタQ5のドレインは信号線32に接続され、そのソースは第3比較回路53の出力配線CPout2に接続されている。第1クランプトランジスタQ4と第2クランプトランジスタQ5は、入力トランジスタQ1、Q2がオフのときに、そのドレイン電圧の低下を抑制するために設けられる。
 また、図9の比較器34は、第3クランプトランジスタQ6を有していてもよい。第3クランプトランジスタQ6は、例えばPチャネルのMOSトランジスタであり、ゲートとドレインが短絡されている。
 この他、図9の第3比較回路53は、比較出力スイッチCSWを有していてもよい。比較出力スイッチCSWは、第3比較回路53の出力配線CPout2と信号線32とを短絡するか否かを切り替える。比較出力スイッチCSWは、参照信号線RAMPのタイミングに合わせて、一時的にオンする。
 図10は図9の比較器34のタイミング図である。図10は、HDR機能を実現しながら比較処理を行う例を示している。
 参照信号生成回路16は、第1ゲインLGのリセットレベルLG_RST用の第1参照信号、第2ゲインHGのリセットレベルHG_RST用の第2参照信号、第2ゲインHGの信号レベルHG_SIG用の第2参照信号、及び第1ゲインLGの信号レベルLG_SIG用の第1参照信号を順に参照信号線RAMPに供給する。
 図10のタイミング図は、暗所を撮像した例を示している。暗所を撮像すると、信号線32上の信号電圧(第1入力信号と第2入力信号)VSLは、リセットレベルでも信号レベルでもほとんど同一の電圧レベルである。図10では、信号電圧VSLを実線、第1比較回路51の出力配線CPout1を破線、第2比較回路52の出力配線CPout2を一点鎖線で図示している。
 時刻t1で画素20内のリセットトランジスタ23がオンし、画素20はリセットレベルに応じた画素信号を、対応する信号線32に出力する。時刻t1~t2の期間内に、第1比較回路51内のオートゼロスイッチAZSW1と遮断スイッチSTSW1がオンする。このとき、第2比較回路52内のオートゼロスイッチAZSW2と遮断スイッチSTSW2はオフである。また、第3比較回路53内の比較出力スイッチCSWがオンする。これにより、第1比較回路51内の容量素子AZC1には、第1ゲインLGのリセットレベルLG_RST用の初期電圧に応じた電荷が保持される。このとき、第1比較回路51内の遮断スイッチSTSW1がオンして第1電流源54の電流が入力トランジスタQ1に供給される。
 時刻t2になると、第1参照信号の信号レベルがいったん引き上げられ、その後、時刻t3~t5の期間は、第1傾斜で信号レベルが低下する。時刻t4になると、第1比較回路51内の入力トランジスタQ1はオンする方向に動作し、第1比較回路51内の出力ノードの信号レベルは上昇する。第1比較回路51内の出力配線CPout1は、第3比較回路53内の入力トランジスタQ3のゲートに入力されるため、第3比較回路53内の入力トランジスタQ3はオフする方向に動作し、第3比較回路53の出力配線CPout2は第2電流源55により電流が引っ張られることから、第3比較回路53の出力配線CPout2の電圧は低下する。
 時刻t5~t6の期間内に、第2比較回路52内のオートゼロスイッチAZSW2と遮断スイッチSTSW2がオンする。このとき、第1比較回路51内のオートゼロスイッチAZSW1と遮断スイッチSTSW1はオフする。また、第3比較回路53内の比較出力スイッチCSWがオンする。これにより、第2比較回路52内の容量素子AZC2には、第2ゲインHGのリセットレベルHG_RST用の初期電圧に応じた電荷が保持される。このとき、第2比較回路52内の遮断スイッチSTSW2がオンして第1電流源54の電流が入力トランジスタQ2に供給される。
 時刻t6になると、第2参照信号の信号レベルがいったん引き上げられ、その後、時刻t7~t9の期間は、第2傾斜で信号レベルが低下する。時刻t8になると、第2比較回路52内の入力トランジスタQ2はオンする方向に動作し、第2比較回路52内の出力ノードの信号レベルは上昇する。第2比較回路52内の出力配線CPout1は、第3比較回路53内の入力トランジスタQ3のゲートに入力されるため、この入力トランジスタQ3はオフする方向に動作し、第3比較回路53の出力配線CPout2の電圧は低下する。
 時刻t9で、画素20内の転送トランジスタが一時的にオンし、フォトダイオードが光電変換した電荷がフローティングディフュージョンに転送される。
 時刻t9~t10の期間内に第3比較回路53内の比較出力スイッチCSWがオンし、第3比較回路53の出力配線CPout2が信号線32上の信号電圧と一致する。
 その後、時刻t10~t13では、第2比較回路52内の遮断スイッチSTSW2がオンし、第2ゲインHGの信号レベルHG_SIG用の第2参照信号が入力トランジスタQ2のゲートに供給される。時刻t12になると、第2比較回路52内の入力トランジスタQ2はオンする方向に動作し、第2比較回路52内の出力配線CPout1の信号レベルは上昇し、第3比較回路53内の入力トランジスタQ3はオフする方向に動作し、第3比較回路53の出力配線CPout2の電圧は低下する。
 時刻t13~t14の期間内に第1比較回路51内の遮断スイッチSTSW1がオンし、かつ第3比較回路53内の比較出力スイッチCSWがオンする。
 その後、時刻t14~t17では、第1比較回路51内の遮断スイッチSTSW1がオンし、第1ゲインLGの信号レベルLG_SIG用の第1参照信号が入力トランジスタQ1のゲートに供給される。時刻t16になると、第1比較回路51内の入力トランジスタQ1はオンする方向に動作し、第1比較回路51内の出力ノードの信号レベルは上昇し、第3比較回路53内の入力トランジスタQ3はオフする方向に動作し、第3比較回路53の出力配線CPout2は低下する。
 図10からわかるように、第1の実施形態に係る比較器34は、第1ゲインLGのリセットレベルLG_RSTの比較処理、第2ゲインHGのリセットレベルHG_RSTの比較処理、第2ゲインHGの信号レベルHG_SIGの比較処理、及び第1ゲインLGの信号レベルLG_SIGの比較処理を順に行う。これら4つの比較処理では、第1参照信号と第2参照信号の最低信号レベルを接地電位側に寄せている。これにより、参照信号線RAMPの電位レベルを全体的に抑制でき、撮像装置1の消費電力の削減が図れる。
 このように、第1の実施形態に係る比較器34では、第1ゲインLGのリセットレベルの比較処理及び第1ゲインLGの信号レベルの比較処理を行う第1比較回路51と、第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理及び第2ゲインHGの信号レベルの比較処理を行う第2比較回路52とを設けるため、1回の露光で、異なる2つのゲインでのAD変換処理を行うことができ、比較器34にて1回露光のHDR機能の処理を行うことができる。
 第1の実施形態に係る比較器34は、第1ゲインLGのリセットレベルの比較処理と第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理を連続して行い、その後に第2ゲインHGの信号レベルの比較処理と第1ゲインLGの信号レベルの比較処理を連続して行うことで、画素20のリセット回数を最小限に抑えて複数のAD変換処理を行うことができるため、S/N比を向上できる。
 また、本実施形態では、応答性を改善するために本来設けられる遮断スイッチSTSW1および遮断スイッチSTSW2を利用して、第1比較回路51及び第2比較回路52での比較処理を切り替えるため、比較処理を切り替えるための別個の信号やスイッチが不要となり、回路構成を簡略化できる。
 さらに、参照信号線RAMPを介して供給される第1参照信号と第2参照信号の最低信号レベルを接地電位側に寄せることで、消費電力の削減が図れる。
 (第2の実施形態)
 第2の実施形態は、画素20内に光電変換効率を切り替える機能を設けるものである。
 図11は第2の実施形態に係る撮像装置1内の画素20と比較器34の回路図である。図11の比較器34の内部構成は図9と同じである。図11の画素20は、図9の画素20の構成に加えて、変換効率切替トランジスタ26を有する。
 変換効率切替トランジスタ26は、リセットトランジスタ23とフローティングディフュージョンとの間に接続されている。変換効率切替トランジスタ26は、例えばNチャネルMOSトランジスタであり、そのドレインと接地ノード間には電荷蓄積部27が設けられている。この電荷蓄積部27は、個別の容量素子でもよいし、変換効率切替トランジスタ26およびリセットトランジスタ23の寄生容量でもよい。
 変換効率切替トランジスタ26のゲートには、制御信号FDGが入力され、制御信号FDGにより、変換効率切替トランジスタ26のオン/オフが切り替えられる。変換効率切替トランジスタ26がオンすると、電荷蓄積部27とフローティングディフュージョンが結合されて、光電変換された電荷を蓄積可能な総量が増える。これにより、光電変換効率が低くなる一方で、高輝度でも電荷をあふれさせることなく蓄積できる。逆に、変換効率切替トランジスタ26がオフすると、光電変換された電荷はフローティングディフュージョンだけに蓄積可能となる。これにより、光電変換効率が高くなる一方で、高輝度で電荷があふれやすくなる。
 このように、高輝度環境下では、変換効率切替トランジスタ26をオンにするのが望ましく、低輝度環境下では、変換効率切替トランジスタ26をオフにするのが望ましい。すなわち、第1レベルLGの比較処理を行う際は変換効率切替トランジスタ26をオンにし、第2レベルHGの比較処理を行う際は変換効率切替トランジスタ26をオフにするのが望ましい。
 図12は図11の比較器34のタイミング図である。図12のタイミング図は、図10のタイミング図に制御信号FDGの信号波形を追加したものであり、その他の信号のタイミングは図10と同様である。なお、このようにゲインの切替に変換効率切替を併用する場合は、第1参照信号の第1傾斜と第2参照信号の第2傾斜は、異なってもよく同じであってもよい。
 図12に示すように、第1ゲインLGのリセットレベルの比較処理期間(時刻t1~t5)と、第1ゲインLGの信号レベルの比較処理期間(時刻t13~t17)で変換効率切替トランジスタ26はオンし、第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理期間(時刻t5~t9)と、第2ゲインHGの信号レベルの比較処理期間(時刻t9~t13)で変換効率切替トランジスタ26はオフする。
 変換効率切替トランジスタ26がオンのときは、高輝度環境下でも、白飛びを生じさせずに画素20から画素信号を出力できるため、比較器34での比較処理のダイナミックレンジが向上する。
 このように、第2の実施形態では、ゲインの切替に同期して、画素20の光電変換効率を切り替えるため、低輝度から高輝度まで、精度よくAD変換を行うことができる。
 (第3の実施形態)
 第1では、第1ゲインLGのリセットレベル→第2ゲインHGのリセットレベル→第2ゲインHGの信号レベル→第1ゲインLGの信号レベルの順に、参照信号と入力信号の比較処理を行う例を示したが、この順序を変更することも可能である。
 図13は第3の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図、図14は図13の比較器34のタイミング図である。図13の比較器34の回路構成は図9と同じであるが、参照信号線RAMP上の信号波形が図9とは異なる。
 図13の比較器34に接続された参照信号線RAMPには、図9の比較器34に接続された参照信号線RAMPとは異なるタイミングで、第1参照信号と第2参照信号が供給される。より具体的には、図9の比較器34には、参照信号線RAMPを介して、第1ゲインLGのリセットレベルの第1参照信号→第2ゲインHGのリセットレベルの第2参照信号→第2ゲインHGの信号レベルの第2参照信号→第1ゲインLGの信号レベルの第1参照信号の順に供給される。これに対して、図13の比較器34には、参照信号線RAMPを介して、第2ゲインHGのリセットレベルの第2参照信号→第1ゲインLGのリセットレベルの第1参照信号→第1ゲインLGの信号レベルの第1参照信号→第2ゲインHGの信号レベルの第2参照信号の順に供給される。
 図9の比較器34では、4つの比較処理のうち、2番目と3番目の比較処理で、第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理と信号レベルの比較処理を連続して行っている。第2ゲインHGの比較処理は、第1ゲインLGの比較処理よりもノイズに敏感であるため、図9のように第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理と信号レベルの比較処理を連続して行う方が望ましい。しかしながら、図13のように、第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理と信号レベルの比較処理を連続せずに行うことも可能である。
 図13の比較器34に接続された画素20内に図11と同様の変換効率切替トランジスタ26を設ける場合には、第2ゲインHGの信号レベルの比較処理を行う前に、第1ゲインLGの信号レベルの比較処理を行う必要がある。電荷蓄積部27を用いてフローティングディフュージョンの電荷再配分を行った後に、フローティングディフュージョンの電荷を元に戻すことはできないためである。このため、図14のように、第2ゲインHGの信号レベルの比較処理の後に第1ゲインLGの信号レベルの比較処理を行う場合には、変換効率切替トランジスタ26による光電変換効率の切替を行うことはできない。
 このように、第1の実施形態とは異なる順序で比較処理を行う場合であっても、HDR機能を実現できる。
 (第4の実施形態)
 第4の実施形態は、第1比較回路51と第2比較回路52に接続される参照信号線RAMP上にスイッチを設けるとともに、参照信号線RAMPに信号レベルが固定の基準信号を付与できるようにしたものである。
 図15は第4の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図、図16は図15の比較器34のタイミング図である。
 図15の比較器34は、図11の比較器34の構成に加えて、スイッチEN1、スイッチEN2と、スイッチXEN1と、スイッチXEN2とを有する。なお、図15の比較器34に接続された画素20は、変換効率切替トランジスタ26を有するが、このトランジスタを省略してもよい。すなわち、図9の比較器34にスイッチEN1、スイッチEN2と、スイッチXEN1と、スイッチXEN2を追加してもよい。
 スイッチEN1は、参照信号線RAMP上の第1参照信号を第1比較回路51に入力するか否かを切り替える。スイッチEN2は、参照信号線RAMP上の第2参照信号を第2比較回路52に入力するか否かを切り替える。スイッチXEN1は、基準信号VREFを第1比較回路51に入力するか否かを切り替える。スイッチXEN2は、基準信号VREFを第2比較回路52に入力するか否かを切り替える。
 第1ゲインLGのリセットレベル又は信号レベルの比較処理を行う際(図16の時刻t1~t5とt13~t17)には、スイッチEN1がオンして、参照信号線RAMP上の第1参照信号が第1比較回路51に入力される。このとき、スイッチXEN1とスイッチEN2はオフし、スイッチXEN2がオンする。よって、第2比較回路52には基準信号VREFが入力される。
 一方、第2ゲインHGのリセットレベル又は信号レベルの比較処理を行う際(図16の時刻t5~t13)には、スイッチEN2がオンして、参照信号線RAMP上の第2参照信号が第2比較回路52に入力される。このとき、スイッチXEN2とスイッチEN1はオフし、スイッチXEN1がオンする。よって、第1比較回路51には基準信号VREFが入力される。
 基準信号VREFは、電圧レベルが固定の電圧信号であり、例えば接地電圧でもよいし、その他の電圧でもよい。第1比較回路51と第2比較回路52のうち、比較処理を行わない比較処理には基準信号VREFを入力するため、比較処理を行わない比較回路の出力ノードの電位が意図せず変動するおそれを防止できる。
 第1比較回路51と第2比較回路52は、比較処理を行わないときは遮断スイッチSTSW1又はSTSW2をオフするようにしているが、意図しない寄生容量等の影響により比較結果がずれるおそれがありうる。図15の比較器34では、第1比較回路51と第2比較回路52のうち、比較処理を行わない比較回路に基準信号VREFを入力するため、遮断スイッチSTSW1、STSW2と相まって、図13の比較器34の出力電位の変動を抑制できる。
 このように、第4の実施形態では、第1比較回路51と第2比較回路52の入力段に、スイッチEN1、スイッチEN2、スイッチXEN1、及びスイッチXEN2を設けるため、比較処理を行う比較回路のみに第1参照信号又は第2参照信号を入力し、比較処理を行わない比較回路には基準信号VREFを入力する。これにより、比較結果が寄生容量等の影響を受けなくなる。
 (第5の実施形態)
 第5の実施形態は参照信号線RAMP上にバッファを接続するものである。
 図17は第5の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図である。図17の比較器34は、図11の比較器34にバッファ50を追加した構成を有する。なお、図9の比較器34にバッファ50を追加してもよい。
 バッファ50は、参照信号線RAMPに接続されている。参照信号線RAMP上の第1参照信号は、バッファ50にてバッファ50リングされた後に第1比較回路51に入力される。参照信号線RAMP上の第2参照信号は、バッファ50にてバッファ50リングされた後に第2比較回路52に入力される。
 バッファ50は、第1参照信号及び第2参照信号の駆動力を上げ、出力インピーダンスを下げる作用を行う。バッファ50を設けることで、容量素子AZC1、AZC2を駆動しやすくなり、またカラム間干渉を防止できる。
 図18は図17の比較器34をカラムごとに配置した例を示す図である。バッファ50は、カラムごとに設けられる。これにより、カラム間干渉を抑制できる。
 図19は図17の第1変形例に係る比較器34の回路図である。図19の比較器34は、図17の比較器34の構成に加えて、図15と同様に、スイッチEN1、スイッチEN2と、スイッチXEN1と、スイッチXEN2とを有する。
 図19の例では、参照信号線RAMPにバッファ50を接続するものの、基準信号VREF線にはバッファ50を接続していない。しかしながら、基準信号VREF線にも別のバッファ50を接続してもよい。
 図20は図19の比較器34をカラムごとに配置した例を示す図である。図示のように、カラムごとに、バッファ50と、スイッチEN1、スイッチEN2と、スイッチXEN1と、スイッチXEN2とが設けられる。
 図21は図20の一変形例であり、基準信号VREF線にもバッファ50を接続した例を示す図である。また、図21では、スイッチEN1、スイッチEN2、スイッチXEN1、及びスイッチXEN2を全カラムで共有し、これらスイッチの後段に、カラムごとに2つのバッファ50を設けている。このような構成にすることで、スイッチの数を大幅に削減できる。また、カラムごとにバッファ50を設けるため、参照信号線RAMPと基準信号VREF線の負荷容量を削減できるとともに、カラム間干渉を抑制できる。
 図22は図17の第2変形例に係る比較器34の回路図である。図22の比較器34は、図19の比較器34の構成に加えて、容量素子AZC3、AZC4を有する。第1比較回路51内の容量素子AZC1と容量素子AZC3はいずれも可変容量素子である。同様に、第2比較回路52内の容量素子AZC2と容量素子AZC4はいずれも可変容量素子である。
 第1比較回路51内の容量素子AZC3は、入力トランジスタQ1のゲートと基準電位VSScapとの間に接続されている。第2比較回路52内の容量素子AZC4は、入力トランジスタQ2のゲートと基準電位VSScapとの間に接続されている。
 容量素子AZC3を追加することで、第1比較回路51内の入力トランジスタQ1のゲートには、容量素子AZC1と容量素子AZC3で容量分圧された信号が入力される。第2比較回路52も同様である。容量分圧による容量減衰によって、第1参照信号及び第2参照信号に重畳されるノイズを低減できる。
 容量素子AZC1と容量素子AZC3は可変容量素子であるため、容量減衰の減衰比を任意に設定することができる。例えば、比較器34を含むアナログ-デジタル変換器33のアナログゲインに応じて、可変容量素子AZC1及び可変容量素子AZC3による容量減衰の減衰比を設定することができる。
 図17のように、参照信号線RAMP上にバッファ50が設けられている場合、比較結果がバッファ50自身のノイズの影響を受けるおそれがあるが、容量分圧による容量減衰を行うことで、ノイズを低減できる。
 なお、図22の容量素子AZC3、AZC4は、図9、図11、図13、又は図15の比較器34のように、参照信号線RAMP上にバッファ50がない比較器34に設けてもよい。
 このように、第5の実施形態では、参照信号線RAMP上にバッファ50を設けることで、カラム間の干渉を抑制できる。また、バッファ50自身のノイズにより比較結果の特性が劣化するおそれがあるが、可変容量素子AZC3、AZC4を設けて、容量分圧による容量減衰でノイズを低減できる。
 (第6の実施形態)
 第6の実施形態は、3種類以上のゲインを切り替えてHDR機能を実現するものである。
 図23は第6の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図である。図23の比較器34は、図11の比較器34の構成に加えて、第4比較回路56を有する。
 第4比較回路56は、第1ゲインLG及び第2ゲインHGとはゲイン量が異なる第3ゲインに対応する第3参照信号と第3入力信号との比較結果に応じた第5信号を出力する。第4比較回路56を設けることで、1回の露光で、それぞれ異なる3種類のゲインで撮像した画像を合成することができる。
 第3ゲインは、第1ゲインLGと第2ゲインHGの中間のゲインであってもよいし、第1ゲインLGよりもさらに低いゲインであってもよいし、第2ゲインHGよりもさらに高いゲインであってもよい。
 第4比較回路56は、入力トランジスタQ5と、容量素子AZC5と、オートゼロスイッチAZSW3と、遮断スイッチSTSW3とを有する。また、入力トランジスタQ5のゲートと基準電位VSScapとの間に容量素子AZC6を接続し、容量素子AZC5、AZC6を可変容量素子にしてもよい。
 第4比較回路56による比較結果は、第1比較回路51と第2比較回路52による比較結果と同様に、第3比較回路53に入力される。
 図23の比較器34の一変形例として、第1比較回路51、第2比較回路52、及び第4比較回路56とは別個のゲイン量に対応する比較回路をさらに設けてもよく、ゲイン量がそれぞれ異なる比較回路の数には制限はない。
 このように、第6の実施形態では、第1ゲイン~第3ゲインに対応する第1比較回路51、第2比較回路52、及び第4比較回路56の比較結果を第3比較回路53に入力するため、1回の露光で3通りにゲインを変えて撮像した各画素信号のAD変換処理を行うことができる。
 (第7の実施形態)
 図24は第7の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34の回路図、図25は図24の比較器34のタイミング図である。
 図24の比較器34は、図11の比較器34と比べて、第1比較回路51に入力される第1参照信号線RAMP1と、第2比較回路52に入力される第2参照信号線RAMP2とを設けたものである。第1参照信号線RAMPは、第1比較回路51に第1参照信号を入力するための信号線である。第2参照信号線RAMPは、第2比較回路52に第2参照信号を入力するための信号線である。
 図25に示すように、参照信号生成回路16は、第1比較回路51が第1ゲインLGのリセットレベルの比較処理を行う期間(時刻t1~t5)と、第1ゲインLGの信号レベルの比較処理を行う期間(時刻t13~t17)とに、第1参照信号線RAMPを介して第1参照信号を第1比較回路51に入力する。また、参照信号生成回路16は、第2比較回路52が第2ゲインHGのリセットレベルの比較処理を行う期間(時刻t5~t9)と、第2ゲインHGの信号レベルの比較処理を行う期間(時刻t9~t13)とに、第2参照信号線RAMPを介して第2参照信号を第2比較回路52に入力する。
 第1参照信号線RAMPは、第1参照信号を伝送していない期間は固定電位(例えば接地電位)に設定される。同様に、第2参照信号線RAMPは、第2参照信号を伝送していない期間は固定電位(例えば接地電位)に設定される。
 また、図24の第1比較回路51は、第1参照信号線RAMPにて第1参照信号が入力されない期間内は遮断スイッチSTSW1をオフする。同様に、第2比較回路52は、第2参照信号線RAMPにて第2参照信号が入力されない期間内は遮断スイッチSTSW2をオフする。
 遮断スイッチSTSW1又はSTSW2をオフすることで、比較処理を行わない比較器34の出力を固定にすることができるが、意図しない寄生容量等の影響を受けて比較器34の出力電位が変動するおそれがある。そこで、第1参照信号線RAMPと第2参照信号線RAMPを設けて、比較処理を行わない参照信号線RAMPの信号レベルを固定させることで、比較処理を行わない比較器34の出力電位の変動を確実に防止できる。
 図26は図24の一変形例に係る比較器34の回路図である。図26の比較器34は、図24の比較器34の構成に加えて、バッファ50と、可変容量素子AZC3、AZC4とを有する。
 第1参照信号線RAMPと第2参照信号線RAMPのそれぞれに別個にバッファ50が接続されている。また、第1比較回路51のバッファ50と入力トランジスタQ1のゲートとの間には可変容量素子AZC1が接続され、入力トランジスタQ1のゲートと基準電位VSScapとの間には可変容量素子AZC3が接続されている。同様に、第2比較回路52のバッファ50と入力トランジスタQ2のゲートとの間には可変容量素子AZC2が接続され、入力トランジスタQ2のゲートと基準電位VSScapとの間には可変容量素子AZC4が接続されている。
 これら可変容量素子AZC1の容量分圧によって、入力トランジスタQ1、Q2のゲートに入力される第1参照信号と第2参照信号のノイズを低減できる。
 なお、図24の比較器34に対して、図26の可変容量素子AZC3、AZC4を追加せずに、バッファ50を追加してもよい。あるいは、図24の比較器34に対して、図26のバッファ50を追加せずに、可変容量素子AZC3、AZC4を追加してもよい。
 図27は図24又は図26の比較器34をカラムごとに配置した例を示す図である。図27では、第1参照信号線RAMP1と第2参照信号線RAMP2をすべてのカラムで共有し、カラムごとに第1比較回路51用のバッファ50と、第2比較回路52用のバッファ50とを有する。
 このように、第7の実施形態では、第1比較回路51用の第1参照信号線RAMP1と、第2比較回路52用の第2参照信号線RAMP2とを設けて、第1比較回路51で比較処理を行うタイミングに合わせて第1参照信号線RAMP1で第1参照信号を伝送し、第2比較回路52で比較処理を行うタイミングに合わせて第2参照信号線RAMP2で第2参照信号を伝送する。第1比較回路51で比較処理を行わない期間内は第1参照信号線RAMP1は固定電位に設定され、第2比較回路52で比較処理を行わない期間内は第2参照信号線RAMP2は固定電位に設定される。これにより、第1比較回路51の出力ノードと第2比較回路52の出力ノードが、比較動作を行わない期間中に意図せずに変動するおそれがなくなる。
 (第8の実施形態)
 第8の実施形態に係る撮像装置1内の比較器34は、第1~第7の実施形態に係る比較器34のレイアウト配置に関する。
 図28Aは第8の実施形態に係る比較器34の模式的なレイアウト図、図28Bは一比較例に係る比較器40の模式的なレイアウト図である。図28Aは、第1~第7の実施形態のいずれかに係る比較器34の模式的なレイアウトを示している。
 図28Aの比較器34は、大きく分けて、第1比較回路51内の容量素子AZC1の配置領域AR1と、容量素子AZC1以外の第1比較回路51の配置領域AR2と、第2比較回路52内の容量素子AZC2の配置領域AR3と、容量素子AZC2以外の第2比較回路52の配置領域AR4と、その他の回路の配置領域AR5とを有する。
 なお、図28Aの配置領域AR1~AR5は、画素アレイ部11の水平方向及び垂直方向の画素数分配置されている。また、CMOSイメージセンサ1が図3Aのような平置型の場合は、図28Aの配置領域AR1の上には画素アレイ部11が配置され、配置領域AR5の下にはカウンタ35が配置される。また、図3Bのような積層型の場合は、図28Aの配置領域AR1の上には半導体チップ44への接続部が配置され、配置領域AR5の下にはカウンタ35が配置される。
 これら配置領域AR1~AR5は、配線パターンで接続されている。配置領域AR1、AR2を接続する配線パターンWP1と、配線領域AR3、AR4を接続する配線パターンWP2とはできるだけ短くするのが望ましい。
 例えば、配置領域AR1とAR2の間の配線パターンWP1が長くなると、第1比較回路51内の入力トランジスタQ1のゲートの寄生容量が大きくなり、第1参照信号の信号レベルが減衰するおそれがある。第1参照信号の信号レベルが減衰すると、アナログ-デジタル変換器のダイナミックレンジが狭くなる。第1参照信号の信号レベルの減衰を抑制するには、容量素子AZC1のサイズを大きくすることが考えられるが、容量素子AZC1のサイズが大きくなると、小型化が困難になる。
 また、配線領域AR1とAR2の間の配線パターンWP1は、隣接回路からの干渉の影響を受けやすく、長くなるとクロストーク性能が悪くなりやすい。
 図28Bの一比較例では、容量素子AZC1、AZC2を隣接して配置し、スイッチやトランジスタ同士を隣接して配置しており、具体的には、配置領域AR1、AR3、AR2、AR4、及びAR5の順に配置している。図28Bの場合、配置領域AR1とAR2の間の配線パターンWP1が図28Aよりも長くなり、かつ配置領域AR3とAR4の間の配線パターンWP2も図28Aよりも長くなる。よって、図28Bのレイアウトでは、図28Aのレイアウトよりも、隣接回路からの干渉の影響を受けやすくなりクロストーク性能が悪くなりやすい。
 このように、比較器34内の各回路素子をレイアウト配置する際には、性能に悪影響を及ぼす部分の配線パターンの長さができるだけ短くなるように各回路素子を配置するのが望ましい。
 <移動体への応用例>
 本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
 図29は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
 車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図29に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
 駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
 ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
 車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
 撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
 車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
 マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
 また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
 また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
 音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図29の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
 図30は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
 図30では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
 撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
 なお、図30には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
 撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
 例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
 例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
 撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
 以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031等に適用され得る。具体的には、本開示の撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、より鮮明な撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
 なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
 (1)第1ゲインに対応する第1参照信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第1信号を出力する第1比較回路と、
 前記第1ゲインとはゲイン量が異なる第2ゲインに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号を出力する第2比較回路と、
 前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号とを、互いに異なるタイミングで出力する第3比較回路と、を備える、撮像装置。
 (2)前記第1参照信号は、時間の経過に応じて第1傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
 前記第2参照信号は、時間の経過に応じて前記第1傾斜とは異なる第2傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
 前記第1比較回路は、前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルが一致すると、前記第1信号の信号レベルを遷移させ、
 前記第2比較回路は、前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルが一致すると、前記第2信号の信号レベルを遷移させる、(1)に記載の撮像装置。
 (3)前記第1参照信号は、リセットレベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第1信号期間と、信号レベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第2信号期間とを有し、
 前記第2参照信号は、リセットレベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第3信号期間と、信号レベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第4信号期間とを有する、(2)に記載の撮像装置。
 (4)前記第2ゲインは、前記第1ゲインよりもゲイン量が大きく、
 前記第1参照信号は、前記第2参照信号よりも、単位時間当たりの信号変化量が大きい、(2)又は(3)に記載の撮像装置。
 (5)前記第1比較回路は、リセットレベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号と、信号レベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力し、
 前記第2比較回路は、リセットレベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号と、信号レベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する、(3)又は(4)に記載の撮像装置。
 (6)前記第1参照信号及び前記第2参照信号を生成する参照信号生成回路を備え、
 前記第1比較回路から出力される前記第1信号と、前記第2比較回路から出力される前記第2信号とは、共通の信号線を介して前記第3比較回路に入力される、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (7)前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第1参照信号、リセットレベル用の前記第2参照信号、信号レベル用の前記第2参照信号、及び信号レベル用の前記第1参照信号の順に出力する、(6)に記載の撮像装置。
 (8)前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第2参照信号、リセットレベル用の前記第1参照信号、信号レベル用の前記第1参照信号、及び信号レベル用の前記第2参照信号の順に出力する、(6)に記載の撮像装置。
 (9)前記第1比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内に前記第1入力信号との比較処理を行って前記第1信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内には前記第1信号の出力を停止し、
 前記第2比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内に前記第2入力信号との比較処理を行って前記第2信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内には前記第2信号の出力を停止する、(6)乃至(8)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (10)前記第1比較回路は、
 前記第1入力信号が供給されるソースと、前記第1参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第1トランジスタと、
 前記第1トランジスタのゲートに接続され、前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタと、
 前記第1トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第1切替器と、
 前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第2切替器と、を有し、
 前記第2比較回路は、
 前記第2入力信号が供給されるソースと、前記第2参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第2トランジスタと、
 前記第2トランジスタのゲートに接続され、前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタと、
 前記第2トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第3切替器と、
 前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第4切替器と、を有する、(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (11)前記第2切替器は、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断し、
 前記第4切替器は、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断する、(10)に記載の撮像装置。
 (12)前記第1比較回路は、
 前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給するか否かを切り替える第5切替器と、
 前記第1キャパシタの一端に所定の電圧レベルの基準電圧を供給するか否かを切り替える第6切替器と、を有し、
 前記第2比較回路は、
 前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給するか否かを切り替える第7切替器と、
 前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給するか否かを切り替える第8切替器と、を有し、
 前記第1比較回路が前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給し、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給せず、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給せず、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、
 前記第2比較回路が前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給せず、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給し、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給しない、(10)又は(11)に記載の撮像装置。
 (13)前記第1比較回路は、前記第1キャパシタと前記第1トランジスタのゲートとの接続ノードと、基準電圧ノードとの間に接続される第3キャパシタを有し、
 前記第2比較回路は、前記第2キャパシタと前記第2トランジスタのゲートとの接続ノードと、前記基準電圧ノードとの間に接続される第4キャパシタを有し、
 前記第1キャパシタ、前記第2キャパシタ、前記第3キャパシタ、及び前記第4キャパシタは、キャパシタンスを可変可能である、(10)乃至(12)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (14)前記第1比較回路は、前記第1参照信号をバッファリングして前記第1キャパシタの一端に供給する第1バッファを有し、
 前記第2比較回路は、前記第2参照信号をバッファリングして前記第2キャパシタの一端に供給する第2バッファを有する、(10)乃至(13)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (15)前記第1参照信号及び前記第2参照信号をそれぞれ異なるタイミングで伝送する1本の参照信号線を備え、
 前記第1キャパシタの一端及び前記第2キャパシタの一端には、前記参照信号線が接続される、(10)乃至(14)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (16)前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給する第1参照信号線と、 前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給する第2参照信号線と、を備える、(10)乃至(14)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (17)前記第1ゲイン及び前記第2ゲインとはゲイン量が異なる第3ゲインに対応する第3参照信号と第3入力信号との比較結果に応じた第5信号を出力する第4比較回路をさらに備え、
 前記第3比較回路は、前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号と、前記第5信号と前記第3入力信号との比較結果に応じた第6信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する、(1)乃至(16)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (18)第1方向及び第2方向に配置されており、それぞれが光電変換を行う画素回路を有する複数の画素と、
 前記第1方向に配置された2以上の前記画素で光電変換された信号に基づく入力信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器と、を備え、
 前記アナログ-デジタル変換器は、前記第1方向に配置された前記2以上の画素ごとに、前記第1比較回路、前記第2比較回路、及び前記第3比較回路を有する、(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の撮像装置。
 (19)前記画素回路は、
 前記第1比較回路及び前記第2比較回路の比較処理に同期して、光電変換効率を切り替える変換効率切替回路を有し、
 前記変換効率切替回路は、前記第2比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率を、前記第1比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率よりも高くする、(18)に記載の撮像装置。
 (20)前記第1比較回路内の前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタが配置される第1領域と、
 前記第1比較回路内の前記第1キャパシタ以外の回路素子が配置される第2領域と、
 前記第2比較回路内の前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタが配置される第3領域と、
 前記第2比較回路内の前記第2キャパシタ以外の回路素子が配置される第4領域と、
 前記第3比較回路が配置される第5領域と、が前記第2方向の画素ごとに配置され、
 前記第1領域及び前記第2領域は前記第1方向に沿って隣接して配置され、
 前記第3領域及び前記第4領域は前記第1方向に沿って隣接して配置される、(18)に記載の撮像装置。
 本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 撮像装置、11 画素アレイ部、12 行選択部、13 アナログ-デジタル変換部、14 ロジック回路部、15 タイミング制御部、16 参照信号生成回路、20 画素(画素回路)、21 フォトダイオード、22 転送トランジスタ、23 リセットトランジスタ、24 増幅トランジスタ、25 選択トランジスタ、26 変換効率切替トランジスタ、27 電荷蓄積部、31 画素制御線、31m 画素制御線、32 信号線(VSL)、32n 信号線(VSL)、33 アナログ-デジタル変換器、34 比較器、35 カウンタ、40 比較器、41 半導体基板、42 パッド、43 半導体チップ、44 半導体チップ、45 接合部、46 接合部、50 バッファ、51 第1比較回路、52 第2比較回路、53 第3比較回路、54 第1電流源、55 第2電流源、56 第4比較回路、311 画素制御線、321 信号線(VSL)

Claims (20)

  1.  第1ゲインに対応する第1参照信号と第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第1信号を出力する第1比較回路と、
     前記第1ゲインとはゲイン量が異なる第2ゲインに対応する第2参照信号と第2入力信号との比較結果に応じた第2信号を出力する第2比較回路と、
     前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号とを、互いに異なるタイミングで出力する第3比較回路と、を備える、撮像装置。
  2.  前記第1参照信号は、時間の経過に応じて第1傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
     前記第2参照信号は、時間の経過に応じて前記第1傾斜とは異なる第2傾斜で信号レベルが変化する信号期間を含み、
     前記第1比較回路は、前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルが一致すると、前記第1信号の信号レベルを遷移させ、
     前記第2比較回路は、前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルが一致すると、前記第2信号の信号レベルを遷移させる、請求項1に記載の撮像装置。
  3.  前記第1参照信号は、リセットレベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第1信号期間と、信号レベルに対応する前記第1傾斜で信号レベルが変化する第2信号期間とを有し、
     前記第2参照信号は、リセットレベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第3信号期間と、信号レベルに対応する前記第2傾斜で信号レベルが変化する第4信号期間とを有する、請求項2に記載の撮像装置。
  4.  前記第2ゲインは、前記第1ゲインよりもゲイン量が大きく、
     前記第1参照信号は、前記第2参照信号よりも、単位時間当たりの信号変化量が大きい、請求項2に記載の撮像装置。
  5.  前記第1比較回路は、リセットレベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号と、信号レベルに対応する前記第1参照信号と前記第1入力信号との比較結果に応じた前記第1信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力し、
     前記第2比較回路は、リセットレベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号と、信号レベルに対応する前記第2参照信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた前記第2信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する、請求項3に記載の撮像装置。
  6.  前記第1参照信号及び前記第2参照信号を生成する参照信号生成回路を備え、
     前記第1比較回路から出力される前記第1信号と、前記第2比較回路から出力される前記第2信号とは、共通の信号線を介して前記第3比較回路に入力される、請求項1に記載の撮像装置。
  7.  前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第1参照信号、リセットレベル用の前記第2参照信号、信号レベル用の前記第2参照信号、及び信号レベル用の前記第1参照信号の順に出力する、請求項6に記載の撮像装置。
  8.  前記参照信号生成回路は、リセットレベル用の前記第2参照信号、リセットレベル用の前記第1参照信号、信号レベル用の前記第1参照信号、及び信号レベル用の前記第2参照信号の順に出力する、請求項6に記載の撮像装置。
  9.  前記第1比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内に前記第1入力信号との比較処理を行って前記第1信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内には前記第1信号の出力を停止し、
     前記第2比較回路は、前記参照信号生成回路が前記第2参照信号を出力する期間内に前記第2入力信号との比較処理を行って前記第2信号を出力し、かつ、前記参照信号生成回路が前記第1参照信号を出力する期間内には前記第2信号の出力を停止する、請求項6に記載の撮像装置。
  10.  前記第1比較回路は、
     前記第1入力信号が供給されるソースと、前記第1参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第1トランジスタと、
     前記第1トランジスタのゲートに接続され、前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタと、
     前記第1トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第1切替器と、
     前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第2切替器と、を有し、
     前記第2比較回路は、
     前記第2入力信号が供給されるソースと、前記第2参照信号に応じた電圧が供給されるゲートとを有する第2トランジスタと、
     前記第2トランジスタのゲートに接続され、前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタと、
     前記第2トランジスタのゲート及びドレイン間を短絡するか否かを切り替える第3切替器と、
     前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給するか否かを切り替える第4切替器と、を有する、請求項1に記載の撮像装置。
  11.  前記第2切替器は、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第1トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断し、
     前記第4切替器は、前記第2比較回路に前記第2参照信号と前記第2入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレイン電圧を前記第3比較回路に供給し、かつ、前記第1比較回路に前記第1参照信号と前記第1入力信号とが入力される期間内に前記第2トランジスタのドレインと前記第3比較回路との接続経路を遮断する、請求項10に記載の撮像装置。
  12.  前記第1比較回路は、
     前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給するか否かを切り替える第5切替器と、
     前記第1キャパシタの一端に所定の電圧レベルの基準電圧を供給するか否かを切り替える第6切替器と、を有し、
     前記第2比較回路は、
     前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給するか否かを切り替える第7切替器と、
     前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給するか否かを切り替える第8切替器と、を有し、
     前記第1比較回路が前記第1参照信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給し、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給せず、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給せず、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、
     前記第2比較回路が前記第2参照信号と前記第2入力信号との信号レベルの比較処理を行っている期間内は、前記第5切替器は前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給せず、かつ前記第6切替器は前記第1キャパシタの一端に前記基準電圧を供給し、かつ前記第7切替器は前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給し、かつ前記第8切替器は前記第2キャパシタの一端に前記基準電圧を供給しない、請求項10に記載の撮像装置。
  13.  前記第1比較回路は、前記第1キャパシタと前記第1トランジスタのゲートとの接続ノードと、基準電圧ノードとの間に接続される第3キャパシタを有し、
     前記第2比較回路は、前記第2キャパシタと前記第2トランジスタのゲートとの接続ノードと、前記基準電圧ノードとの間に接続される第4キャパシタを有し、
     前記第1キャパシタ、前記第2キャパシタ、前記第3キャパシタ、及び前記第4キャパシタは、キャパシタンスを可変可能である、請求項10に記載の撮像装置。
  14.  前記第1比較回路は、前記第1参照信号をバッファリングして前記第1キャパシタの一端に供給する第1バッファを有し、
     前記第2比較回路は、前記第2参照信号をバッファリングして前記第2キャパシタの一端に供給する第2バッファを有する、請求項10に記載の撮像装置。
  15.  前記第1参照信号及び前記第2参照信号をそれぞれ異なるタイミングで伝送する1本の参照信号線を備え、
     前記第1キャパシタの一端及び前記第2キャパシタの一端には、前記参照信号線が接続される、請求項10に記載の撮像装置。
  16.  前記第1キャパシタの一端に前記第1参照信号を供給する第1参照信号線と、
     前記第2キャパシタの一端に前記第2参照信号を供給する第2参照信号線と、を備える、請求項10に記載の撮像装置。
  17.  前記第1ゲイン及び前記第2ゲインとはゲイン量が異なる第3ゲインに対応する第3参照信号と第3入力信号との比較結果に応じた第5信号を出力する第4比較回路をさらに備え、
     前記第3比較回路は、前記第1信号と前記第1入力信号との信号レベルの比較結果に応じた第3信号と、前記第2信号と前記第2入力信号との比較結果に応じた第4信号と、前記第5信号と前記第3入力信号との比較結果に応じた第6信号とを、それぞれ異なるタイミングで出力する、請求項1に記載の撮像装置。
  18.  第1方向及び第2方向に配置されており、それぞれが光電変換を行う画素回路を有する複数の画素と、
     前記第1方向に配置された2以上の前記画素で光電変換された信号に基づく入力信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器と、を備え、
     前記アナログ-デジタル変換器は、前記第1方向に配置された前記2以上の画素ごとに、前記第1比較回路、前記第2比較回路、及び前記第3比較回路を有する、請求項1に記載の撮像装置。
  19.  前記画素回路は、
     前記第1比較回路及び前記第2比較回路の比較処理に同期して、光電変換効率を切り替える変換効率切替回路を有し、
     前記変換効率切替回路は、前記第2比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率を、前記第1比較回路が比較処理を行う期間内の光電変換効率よりも高くする、請求項18に記載の撮像装置。
  20.  前記第1比較回路内の前記第1参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第1キャパシタが配置される第1領域と、
     前記第1比較回路内の前記第1キャパシタ以外の回路素子が配置される第2領域と、
     前記第2比較回路内の前記第2参照信号の初期電圧に応じた電荷を保持する第2キャパシタが配置される第3領域と、
     前記第2比較回路内の前記第2キャパシタ以外の回路素子が配置される第4領域と、
     前記第3比較回路が配置される第5領域と、が前記第2方向の画素ごとに配置され、
     前記第1領域及び前記第2領域は前記第1方向に沿って隣接して配置され、
     前記第3領域及び前記第4領域は前記第1方向に沿って隣接して配置される、請求項18に記載の撮像装置。
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