以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による固体撮像装置100の構成例を示すブロック図である。固体撮像装置100は、画素部101と、タイミング制御回路102と、垂直走査回路103と、DAC(デジタル-アナログ変換装置)104と、SH(サンプル・ホールド)部125と、ADC(アナログ-デジタル変換装置)群105と、水平転送走査回路106と、アンプ回路107と、信号処理回路108とを備える。
画素部101には、入射光をその光量に応じた電荷量(画素信号)に光電変換する光電変換素子を含む単位画素(以下、単に画素とも称する)が行列状に配置されている。単位画素の具体的な回路構成については、図2を参照して後述する。また、画素部101には、行列状の画素配列に対して、行毎に画素駆動線109が図の左右方向(画素行の画素配列方向/水平方向)に沿って配線され、列毎に垂直信号線110が図の上下方向(画素列の画素配列方向/垂直方向)に沿って配線されている。画素駆動線109の一端は、垂直走査回路103の各行に対応した出力端に接続されている。なお、図1では、画素駆動線109を画素行毎に1本ずつ示しているが、各画素行に画素駆動線109を2本以上設けてもよい。
タイミング制御回路102は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ(不図示)を備えている。タイミング制御回路102は、外部から与えられる制御信号等に基づいて、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に垂直走査回路103、DAC104、ADC群105、及び、水平転送走査回路106等の駆動制御を行う。
垂直走査回路103は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成されている。ここでは、具体的な構成については図示を省略するが、垂直走査回路103は、読出し走査系と掃出し走査系とを含んでいる。
読出し走査系は、信号を読み出す単位画素について行単位で順に選択走査を行う。一方、掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対し、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行してその読出し行の単位画素の光電変換素子から不要な電荷を掃き出す(リセットする)掃出し走査を行う。この掃出し走査系による不要電荷の掃き出し(リセット)により、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換素子の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作又は電子シャッタ動作以降に入射した光量に対応する。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素における光電荷の蓄積時間(露光時間)となる。
垂直走査回路103によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される画素信号(アナログ信号)は、各列に対応する複数の垂直信号線110を介してSH部125およびADC群105に供給される。
SH部125は、画素部101とADC群105との間に設けられ、垂直信号線110を介して画素信号を受け取り、この画素信号を保持する。SH部125は、保持された画素信号を所望のタイミングでADC群105のコンパレータ121へ出力する。
参照信号生成部としてのDAC104は、線形変化するランプ波形の信号である参照信号RAMPを生成し、ADC群105に供給する。DAC104は、参照信号線114を介して複数のコンパレータ121に共通に接続されており、同じ参照信号RAMPを複数のコンパレータ121に供給する。参照信号線114は、参照信号RAMPを複数のコンパレータ121に伝達する。
ADC群105は、複数のコンパレータ121、複数のカウンタ122、及び、複数のラッチ回路123を備える。ADC群105は、画素部101からの画素信号(アナログ信号)をデジタル信号へ変換する。
コンパレータ121、カウンタ122、及び、ラッチ回路123は、それぞれ画素部101の画素列に対応して設けられ、ADCを構成する。
コンパレータ121は、各画素から出力される画素信号と参照信号RAMPを、容量を介して加算した信号の電圧と、所定の基準電圧とを比較し、比較結果を示す出力信号をカウンタ122に供給する。
カウンタ122は、コンパレータ121の出力信号に基づいて、画素信号と参照信号RAMPとの電圧の大小関係が反転するまでの時間をカウントする。これにより、アナログの画素信号をカウント値により表されるデジタルの画素信号に変換する。カウンタ122は、カウント値をラッチ回路123に供給する。
ラッチ回路123は、カウンタ122から供給されるカウント値を保持する。また、ラッチ回路123は、信号レベルの画素信号に対応するデータ信号カウント値と、リセットレベルの画素信号に対応するリセット信号のカウント値との差分をとることにより、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)を行う。
水平転送走査回路106は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、ADC群105の画素列に対応した回路部分を順番に選択走査する。この水平転送走査回路106による選択走査により、ラッチ回路123に保持されているデジタルの画素信号が、水平転送線111を介して、順番にアンプ回路107に転送される。
アンプ回路107は、ラッチ回路123から供給されるデジタルの画素信号を増幅し、信号処理回路108に供給する。
信号処理回路108は、アンプ回路107から供給されるデジタルの画素信号に対して、所定の信号処理を行い、2次元の画像データを生成する。例えば、信号処理回路108は、縦線欠陥、点欠陥の補正、又は、信号のクランプを行ったり、パラレル-シリアル変換、圧縮、符号化、加算、平均、及び、間欠動作などデジタル信号処理を行ったりする。信号処理回路108は、生成した画像データを後段の装置に出力する。
尚、図1に示す固体撮像装置100は、全体として1つの半導体チップとして構成してもよく、あるいは、複数の半導体チップで構成してもよい。固体撮像装置100を複数の半導体チップとして構成する場合、画素部101およびそれ以外の処理回路をそれぞれ別々の半導体チップ511、512として形成し、半導体チップ511と半導体チップ512とを積層してもよい。
例えば、図2は、画素部101の半導体チップ511と処理回路の半導体チップ512とを積層した固体撮像装置100の例を示す概念図である。図2に示されるように、固体撮像装置100は、積層される2枚の半導体チップ511および512で構成されている。尚、半導体チップの積層数は、3層以上であってもよい。
半導体チップ511は、半導体基板上に形成された画素部101を備える。半導体チップ512は、他の半導体基板上に形成されたADC群105、ロジック回路516および周辺回路517を備える。ロジック回路516は、タイミング制御回路102、垂直走査回路103、DAC104、水平転送走査回路106等を含む。周辺回路517は、処理回路108等を含む。
半導体チップ511の画素部101の各画素と半導体チップ512の処理回路(105、516、517)の素子は、例えば、ビア領域513、514に設けられたTSV(Through Silicon Via)のような貫通電極等を用いて電気的に接続してもよい。ADC群105は、TSVを介して画素部101と信号の送受信を行うことができる。また、半導体チップ511の配線と半導体チップ512の配線とを接触させるように、両方の半導体チップを貼り合わせてもよい(Cu-Cu接合)。さらに、図示しないが、画素部101と処理回路(105、516、517)の一部とを1つの半導体チップ511として構成し、その他の構成を他の半導体チップ512として構成してもよい。
(単位画素PXの回路構成)
図3は、画素アレイ部11に配置される単位画素PXの構成例を示す回路図である。
単位画素PXは、第1光電変換部PD11a、第2光電変換部PD11b、第1~第4転送ゲート部T12a~T12d、リセットゲート部T13、電荷蓄積部C14、第1FD(フローティングディフュージョン)部FD15a、第2FD(フローティングディフュージョン)部FD15b、増幅トランジスタT16、及び、選択トランジスタT17を含むように構成される。
また、単位画素PXに対して、図1の画素駆動線109として、複数の駆動線が、例えば画素行毎に配線される。そして、図1の垂直走査回路103から複数の駆動線を介して、各種の駆動信号TGL、FCG、FDG、TGS、RST、SELが供給される。これらの駆動信号は、単位画素PXの各トランジスタがNMOSトランジスタなので、高レベル(例えば、電源電圧VDD)の状態がアクティブ状態となり、低レベルの状態(例えば、負電位)が非アクティブ状態となるパルス信号である。
第1光電変換部PD11aは、例えば、PN接合のフォトダイオードからなる。第1光電変換部PD11aは、受光した光量に応じた電荷を生成し、蓄積する。
第2光電変換部PD11bは、第1光電変換部PD11aと同様に、例えば、PN接合のフォトダイオードからなる。第2光電変換部PD11bは、受光した光量に応じた電荷を生成し、蓄積する。
第1光電変換部PD11aと第2光電変換部PD11bを比較すると、第1光電変換部PD11aの方が第2光電変換部PD11bよりも受光面の面積が広く、感度が高い。
第1転送ゲート部T12aは、第1光電変換部PD11aと第1FD部FD15aとの間に接続されている。第1転送ゲート部T12aのゲート電極には、駆動信号TGLが印加される。駆動信号TGLがアクティブ状態になると、第1転送ゲート部T12aが導通状態になり、第1光電変換部PD11aに蓄積されている電荷が、第1転送ゲート部T12aを介して第1FD部FD15aに転送される。
第2転送ゲート部T12bは、電荷蓄積部104と第2FD部FD15bとの間に接続されている。第2転送ゲート部T12bのゲート電極には、駆動信号FCGが印加される。駆動信号FCGがアクティブ状態になると、第2転送ゲート部T12bが導通状態になり、電荷蓄積部104と第2FD部FD15bのポテンシャルが結合する。
第3転送ゲート部T12cは、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bとの間に接続されている。第3転送ゲート部T12cのゲート電極には、駆動信号FDGが印加される。駆動信号FDGがアクティブ状態になると、第3転送ゲート部T12cが導通状態になり、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bとのポテンシャルが結合する。
第4転送ゲート部T12dは、第2光電変換部PD11bと電荷蓄積部C14との間に接続されている。第4転送ゲート部T12dのゲート電極には、駆動信号TGSが印加される。駆動信号TGSがアクティブ状態になると、第4転送ゲート部T12dが導通状態になり、第2光電変換部PD11bに蓄積されている電荷が、第4転送ゲート部T12dを介して、電荷蓄積部C14に転送される。
また、第4転送ゲート部T12dのゲート電極の下部は、ポテンシャルが若干深くなっており、第2光電変換部PD11bの飽和電荷量を超え、第2光電変換部PD11bから溢れた電荷を電荷蓄積部C14に転送するオーバーフローパスが形成されている。なお、以下、第4転送ゲート部T12dのゲート電極の下部に形成されているオーバーフローパスを、単に第4転送ゲート部T12dのオーバーフローパスと称する。
リセットゲート部T13は、電源電圧VDDを供給する電源(以下、電源のことをVDDとも呼ぶ場合がある)と第2FD部FD15bとの間に接続されている。リセットゲート部T13のゲート電極には、駆動信号RSTが印加される。駆動信号RSTがアクティブ状態になると、リセットゲート部T13が導通状態になる。これにより、例えば、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合した領域、又は、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bのポテンシャルが結合した領域の電位が、電源電圧VDDのレベルにリセットされる。
電荷蓄積部C14は、例えば、キャパシタからなり、電荷蓄積部C14の対向電極は、電源VDDの間に接続されている。電荷蓄積部C14は、第2光電変換部PD11bから転送される電荷を蓄積する。
第1FD部FD15a及び第2FD部FD15bは、第1または第2光電変換部PD11a、PD11bの電荷を電圧信号に電荷電圧変換して出力する。第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの電気的な結合または切断によって、画素PXのFD部全体の容量を切り替えることができる。画素PXのFD部の容量の切り替えによって、画素PXは、複数の電荷電圧変換効率で画素信号を出力することがができる。
増幅トランジスタT16は、ゲート電極が第1FD部FD15aに接続され、ドレイン電極が電源VDDに接続されており、第1FD部FD15aに保持されている電荷を読み出す読出し回路、所謂ソースフォロワ回路の入力部となる。すなわち、増幅トランジスタT16は、ソース電極が選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に接続されることにより、当該垂直信号線110の一端に接続される定電流源CS18とソースフォロワ回路を構成する。
選択トランジスタT17は、増幅トランジスタT16のソース電極と垂直信号線110との間に接続されている。選択トランジスタT17のゲート電極には、駆動信号SELが印加される。駆動信号SELがアクティブ状態になると、選択トランジスタT17が導通状態になり、単位画素PXが選択状態となる。これにより、増幅トランジスタT16から出力される画素信号が、選択トランジスタT17を介して、垂直信号線110に出力される。
なお、以下、各駆動信号がアクティブ状態になることを、各駆動信号がオンするともいい、各駆動信号が非アクティブ状態になることを、各駆動信号がオフするともいう。また、以下、各ゲート部又は各トランジスタが導通状態になることを、各ゲート部又は各トランジスタがオンするともいい、各ゲート部又は各トランジスタが非導通状態になることを、各ゲート部又は各トランジスタがオフするともいう。
(単位画素PXの動作)
(単位画素PXの露光開始時の動作例)
まず、図4のタイミングチャートを参照して、単位画素PXの露光開始時の動作例について説明する。この処理は、例えば、画素アレイ部11の画素行毎、又は、複数の画素行毎に、所定の走査順で行われる。なお、図4には、水平同期信号XHS、駆動信号SEL、RST、FDG、TGL、TGS、FCGのタイミングチャートが示されている。
まず、時刻t1において、水平同期信号XHSが入力され、単位画素PXの露光処理が開始する。
次に、時刻t2において、駆動信号RST、FDGがオンし、リセットゲート部T13、第3転送ゲート部T12cがオンする。これにより、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合され、結合した領域の電位が、電源電圧VDDのレベルにリセットされる。
次に、時刻t3において、駆動信号TGLがオンし、第1転送ゲート部T12aがオンする。これにより、第1光電変換部PD11aに蓄積されている電荷が、第1転送ゲート部T12aを介して、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合した領域に転送され、第1光電変換部PD11aがリセットされる。
次に、時刻t4において、駆動信号TGLがオフし、第1転送ゲート部T12aがオフする。これにより、第1光電変換部PD11aへの電荷の蓄積が開始され、露光期間が開始する。
次に、時刻t5において、駆動信号TGS、FCGがオンし、第4転送ゲート部T12d、第2転送ゲート部T12bがオンする。これにより、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bのポテンシャルが結合する。また、第2光電変換部PD11bに蓄積されている電荷が、第4転送ゲート部T12dを介して結合した領域に転送され、第2光電変換部PD11b及び電荷蓄積部C14がリセットされる。
次に、時刻t6において、駆動信号TGSがオフし、第4転送ゲート部T12dがオフする。これにより、第2光電変換部PD11bへの電荷の蓄積が開始される。
次に、時刻t7において、駆動信号FCGがオフし、第2転送ゲート部T12bがオフする。これにより、電荷蓄積部C14が、第2光電変換部PD11bから溢れ、第4転送ゲート部T12dのオーバーフローパスを介して転送されてくる電荷の蓄積を開始する。
次に、時刻t8において、駆動信号RST、FDGがオフし、リセットゲート部T13、第3転送ゲート部T12cがオフする。
そして、時刻t9において、水平同期信号XHSが入力される。
(単位画素PXの読み出し時の動作例)
次に、図5のタイミングチャートを参照して、単位画素PXの画素信号の読み出し時の動作例について説明する。この処理は、例えば、画素アレイ部11の画素行毎、又は、複数の画素行毎に、図4の処理が行われてから所定の時間後に所定の走査順で行われる。なお、図5には、水平同期信号XHS、駆動信号SEL、RST、FDG、TGL、TGS、FCGのタイミングチャートが示されている。
まず、時刻t21において、水平同期信号XHSが入力され、単位画素PXの読み出し期間が開始する。
次に、時刻t22において、駆動信号SEL、RST、FDGがオンし、選択トランジスタT17、リセットゲート部T13、第3転送ゲート部T12cがオンする。これにより、単位画素PXが選択状態になる。また、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合され、結合した領域の電位が、電源電圧VDDのレベルにリセットされる。
次に、時刻t23において、駆動信号RSTがオフし、リセットゲート部T13がオフする。
次に、時刻t23と時刻t24の間の時刻taにおいて、結合された第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位に基づく信号NH2が、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。信号NH2は、図3の第1光電変換部PD11a、FD部FD15aおよびFD15bのリセット状態を、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの結合領域を用いて検出した信号となる。
なお、以下、信号NH2のことを、高感度リセット信号NH2とも称する。
次に、時刻t24において、駆動信号FDGがオフし、第3転送ゲート部T12cがオフする。これにより、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルの結合が解消される。
次に、時刻t24と時刻t25の間の時刻tbにおいて、第1FD部FD15aの電位に基づく信号NH1が、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。信号NH1は、図3の第1光電変換部PD11aおよび第1FD部FD15aのリセット状態を、第1FD部FD15aを用いて検出した信号となる。
なお、以下、信号NH1のことを、高感度リセット信号NH1とも称する。
次に、時刻t25において、駆動信号TGLがオンし、第1転送ゲート部T12aがオンする。これにより、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成され、蓄積された電荷が、第1転送ゲート部T12aを介して第1FD部FD15aに転送される。
この時刻t25において、画素信号の読み出しが開始され、露光期間が終了する。
次に、時刻t26において、駆動信号TGLがオフし、第1転送ゲート部T12aがオフする。これにより、第1光電変換部PD11aから第1FD部FD15aへの電荷の転送が停止する。
次に、時刻t26と時刻t27の間の時刻tcにおいて、第1FD部FD15aの電位に基づく信号SH1が、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。信号SH1は、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成された電荷を第1FD部FD15aに蓄積し、そのときの第1FD部FD15aの電位に基づく信号である。
なお、以下、信号SH1のことを、高感度データ信号SH1とも称する。
次に、時刻t27において、駆動信号FDG、TGLがオンし、第3転送ゲート部T12c、第1転送ゲート部T12aがオンする。これにより、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合し、時刻t25から時刻t26の間に転送しきれずに第1光電変換部PD11aに残っている電荷が、第1転送ゲート部T12aを介して、結合した領域に転送される。なお、高感度データ信号SH1の読み出し時には、取り扱う電荷量に対して電荷電圧変換する容量が小さいため、第1光電変換部PD11aに電荷が残っていても問題にはならない。第1光電変換部PD11aに残った電荷は、高感度データ信号SH2の読み出し時に電荷転送できればよく、第1光電変換部PD11aの電荷を毀損することはない。
次に、時刻t28において、駆動信号TGLがオフし、第1転送ゲート部T12aがオフする。これにより、第1光電変換部PD11aから第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルが結合した領域への電荷の転送が停止する。
次に、時刻t28と時刻t29の間の時刻tdにおいて、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルを結合した領域の電位に基づく信号SH2が、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。信号SH2は、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成された電荷を第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの結合領域に蓄積し、そのときの第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの結合領域の電位に基づく信号である。従って、信号SH2の読み出し時に電荷電圧変換する容量は、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bを合わせた容量となり、時刻tcにおける高感度データ信号SH1の読み出し時より大きくなる。
なお、以下、信号SH2のことを、高感度データ信号SH2とも称する。
次に、時刻t29において、駆動信号RSTがオンし、リセットゲート部T13がオンする。これにより、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bのポテンシャルを結合した領域の電位が、電源電圧VDDのレベルにリセットされる。
次に、時刻t30において、駆動信号SELがオフし、選択トランジスタT17がオフする。これにより、単位画素PXが非選択状態になる。
次に、時刻t31において、駆動信号RSTがオフし、リセットゲート部T13がオフする。
次に、時刻t32において、駆動信号SEL、TGS、FCGがオンし、選択トランジスタT17、第4転送ゲート部T12d、第2転送ゲート部T12bがオンする。これにより、単位画素PXが選択状態になる。また、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bのポテンシャルが結合するとともに、第2光電変換部PD11bに蓄積されている電荷が、結合した領域に転送される。これにより、露光期間中に第2光電変換部PD11b及び電荷蓄積部C14に蓄積された電荷が、結合した領域に蓄積される。
次に、時刻t33において、駆動信号TGSがオフし、第4転送ゲート部T12dがオフする。これにより、第2光電変換部PD11bからの電荷の転送が停止する。
次に、時刻t33と時刻t34の間の時刻teにおいて、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bの結合領域の電位に基づく信号SLが、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。信号SLは、第2光電変換部PD11bで生成され第2光電変換部PD11b及び電荷蓄積部C14に蓄積された電荷を、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bの結合領域に蓄積したときの該結合領域の電位に基づく信号である。従って、信号SLの読み出し時に電荷電圧変換する容量は、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bを合わせた容量となる。この容量は、時刻tcにおける高感度データ信号SH1の読み出し時、及び、時刻tdにおける高感度データ信号SH2の読み出し時より大きくなる。
なお、以下、信号SLのことを、低感度データ信号SLとも称する。
次に、時刻t34において、駆動信号RSTがオンし、リセットゲート部T13がオンする。これにより、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bの結合領域がリセットされる。
次に、時刻t35において、駆動信号SEL、FCGがオフし、選択トランジスタT17、第2転送ゲート部T12bがオフする。これにより、単位画素PXが非選択状態になる。また、電荷蓄積部C14のポテンシャルが、第1FD部FD15a及び第2FD部FD15bのポテンシャルから切り離される。
次に、時刻t36において、駆動信号RSTがオフし、リセットゲート部T13がオフする。
次に、時刻t37において、駆動信号SEL、FCGがオンし、選択トランジスタT17、第2転送ゲート部T12bがオンする。これにより、単位画素PXが選択状態になる。また、電荷蓄積部C14のポテンシャルが、第1FD部FD15a及び第2FD部FD15bのポテンシャルと結合する。
次に、時刻t37と時刻t38の間の時刻tfにおいて、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bの結合領域の電位に基づく信号NLが、増幅トランジスタT16及び選択トランジスタT17を介して垂直信号線110に出力される。この信号NLは、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bの結合領域のリセット状態の電位に基づく信号となる。
なお、以下、信号NLのことを、低感度リセット信号NLとも称する。
次に、時刻t38において、駆動信号SEL、FDG、FCGがオフし、選択トランジスタT17、第3転送ゲート部T12c、第2転送ゲート部T12bがオフする。これにより、単位画素PXが非選択状態になる。また、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15a、及び、第2FD部FD15bのポテンシャルの結合が解消される。
次に、時刻t39において、水平同期信号XHSが入力され、単位画素PXの画素信号の読み出し期間が終了する。
ADC群105は、このようなハイダイナミックレンジ(HDR)を有する画素PXからの画素信号をAD変換する。この場合、ADC群105は、1つの画素信号を読み出す際に、高感度リセット信号NH2、高感度リセット信号NH1、NL、高感度データ信号SH1、SH2、低感度データ信号SLおよび低感度リセット信号NLを順番にAC変換する。
このような各画素においてHDRを実現しようとすると、画素の変換効率(FD部の容量)または光電変換部の感度(光電変換部の面積)を変更するごとに、リセット信号とデータ信号とをAD変換する必要がある。1回のAD変換は、主に、FD部の電位を安定させるまでの期間(セトリング期間)と、画素信号をAD変換する期間(変換期間)とを含む。よって、複数回のAD変換を実行する場合、セトリング期間とAD変換期間は、AD変換ごとに交互に繰り返される。従って、HDRの画素では、ADC群105のAD変換回数が増えて、読み出し時間が長くなり、フレームレートが低下する。
そこで、本技術では、複数のSH部125が画素部101とADC群105との間に設けられており、複数の信号のセトリング期間とAD変換期間とを同時並行して実行する。以下、SH部125のより詳細な構成および動作を説明する。
(SH部125の構成)
図6は、第1実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例を示す回路図である。画素PXは、上述の通りである。尚、図6では、画素部101のうち選択された1つの画素PXを示している。また、SH部125およびコンパレータ121は、1カラムの垂直信号線110に対応した構成を示している。
SH部125は、第1保持回路SHC1と、第2保持回路SHC2と、バイパス信号線BPと、マルチプレクサMUXとを備えている。SH部125の入力は、垂直信号線110を介して画素PXに接続されており、その出力は、ADC群105内のコンパレータ121の入力に接続されている。
(第1保持回路SHC1の構成および機能)
第1保持回路SHC1は、画素部101とコンパレータ121との間に設けられ、画素信号をサンプリングし、保持するように構成されている。第1保持回路SHC1は、キャパシタCp1と、トランジスタTr1と、スイッチSw1~Sw3と、定電流源Cs1とを備えている。
第1キャパシタとしてのキャパシタCp1の一端は、スイッチSw1を介して画素PXに接続され、画素信号を蓄積することができる。キャパシタCp1の他端は、トランジスタTr1のゲートに接続されている。
第1トランジスタとしてのトランジスタTr1のゲート(ノードNg1)はキャパシタCp1の他端に接続されている。トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)は定電流源Cs1およびマルチプレクサMUXに接続され、そのソースはグランド(基準電圧源)GNDに接続されている。定電流源Cs1は、電源VDDとノードNshc1との間に接続されトランジスタTr1のドレインに定電流を流す。トランジスタTr1はゲート(ノードNg1)の電位に依存した電流をドレイン-ソース間に流す。これにより、トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)は、トランジスタTr1のゲート(ノードNg1)の電位に応じた電位となる。ノードNshc1はマルチプレクサMUXに接続され、ノードNshc1の電圧は、第1保持回路SHC1の出力信号OUTshc1として出力される。
スイッチSw1は、キャパシタCp1と画素PXとの間に接続されている。スイッチSw2は、トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)とキャパシタCp1の一端との間に接続されている。スイッチSw3は、トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)とキャパシタCp1の他端との間に接続されている。
第1保持回路SHC1が画素PXから画素信号をキャパシタCp1にサンプリングするときに、スイッチSw1、Sw3がオン(導通状態)になる。このとき、スイッチSw2はオフ(非導通状態)となっている。これにより、画素信号は、キャパシタCp1の一端に伝達され、それに伴い、トランジスタTr1のゲートの反対側のキャパシタノードが画素信号に応じた電位に設定される。一方、キャパシタCp1が画素信号を保持するときには、スイッチSw1、Sw3がオフになり、スイッチSw2がオンになる。これにより、キャパシタCp1に蓄積された画素信号が保持される。このとき、トランジスタTr1が画素信号に応じた導通状態(アナログ状態)となり、トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)が、画素信号に応じた電位に維持される。よって、第1保持回路SHC1は、ノードNshc1から画素信号に応じた出力信号OUTshc1をマルチプレクサMUXへ出力する。
(第2保持回路SHC2の構成および機能)
第2保持回路SHC2は、第1保持回路SHC1と同様に、画素部101とコンパレータ121との間に設けられ、画素信号をサンプリングし、保持するように構成されている。第2保持回路SHC2は、キャパシタCp2と、トランジスタTr2と、スイッチSw4~Sw6と、定電流源Cs2とを備えている。第2保持回路SHC2は、第1保持回路SHC1と同じ画素PXから互いに異なるタイミングで画素信号をサンプリングする。従って、第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、同一画素PXから感度または変換効率の異なる複数の画素信号をサンプリングし保持することができる。
第2キャパシタとしてのキャパシタCp2の一端は、スイッチSw4を介して画素PXに接続され、画素信号を蓄積することができる。キャパシタCp2の他端は、トランジスタTr2のゲートに接続されている。
第2トランジスタとしてのトランジスタTr2のゲート(ノードNg2)はキャパシタCp2の他端に接続されている。トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)は定電流源Cs2およびマルチプレクサMUXに接続され、そのソースはグランド(基準電圧源)GNDに接続されている。定電流源Cs2は、電源VDDとノードNshc2との間に接続されトランジスタTr2のドレインに定電流を流す。トランジスタTr2はゲート(ノードNg2)の電位に依存した電流をドレイン-ソース間に流す。これにより、トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)は、トランジスタTr2のゲート(ノードNg2)の電位に応じた電位となる。ノードNshc2はマルチプレクサMUXに接続され、ノードNshc2の電圧は、第2保持回路SHC2の出力信号OUTshc2として出力される。
スイッチSw4は、キャパシタCp2と画素PXとの間に接続されている。スイッチSw5は、トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)とキャパシタCp2の一端との間に接続されている。スイッチSw6は、トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)とキャパシタCp2の他端との間に接続されている。
第2保持回路SHC2が画素PXから画素信号をキャパシタCp2にサンプリングするときに、スイッチSw4、Sw6がオンになる。このとき、スイッチSw5はオフとなっている。これにより、画素信号は、キャパシタCp2の一端に伝達され、それに伴い、トランジスタTr2のゲートの反対側のキャパシタノードが画素信号に応じた電位に設定される。一方、キャパシタCp2が画素信号を保持するときには、スイッチSw4、Sw6がオフになり、スイッチSw5がオンになる。これにより、キャパシタCp2に蓄積された画素信号が保持される。このとき、トランジスタTr2のゲート(ノードNg2)が画素信号に応じた導通状態(アナログ状態)となり、トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)が、画素信号に応じた電位に維持される。よって、第2保持回路SHC2は、ノードNshc2から画素信号に応じた出力信号OUTshc2をマルチプレクサMUXへ出力する。
このように、第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、それぞれアクティブ素子として構成されている。これにより、第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、グランドGNDや電源VDDの電圧の変動に強く、かつ、トランジスタTr1,Tr2の特性ばらつきをキャンセルすることができる。
(バイパス信号線BPの構成および機能)
バイパス信号線BPは、画素PXとADC群105のコンパレータ121との間に設けられ、画素PXからの画素信号を、マルチプレクサMUXを介してそのまま伝達する。バイパス信号線BPは、キャパシタ等で画素信号を保持せずに、マルチプレクサMUXを介して出力信号OUTbpを直接出力する。よって、キャパシタCp1、Cp2およびトランジスタTr1、Tr2を起因とするノイズが画素信号に乗らない。つまり、バイパス信号線BPは、保持回路SHC1、SHC2によって加わる信号劣化成分を許容できない場合に、例えば高変換効率で暗信号付近のノイズをできるだけ小さくしたい場合に利用することができる。
(マルチプレクサMUX)
マルチプレクサMUXは、第1および第2保持回路SHC1、SHC2、バイパス信号線BPと、コンパレータ121との間に接続されている。選択回路としてのマルチプレクサMUXは、第1保持回路SHC1、第2保持回路SHC2およびバイパス信号線BPのいずれかをADC群105のコンパレータ121に選択的に接続可能である。これにより、マルチプレクサMUXは、第1保持回路SHC1に保持された画素信号OUTshc1、第2保持回路SHC2に保持された画素信号OUTshc2、または、バイパス信号線BPを伝達する画素信号OUTbpをコンパレータ121へ選択的に伝達することができる。マルチプレクサMUXは、選択信号SEL2に基づいて、コンパレータ121に接続する保持回路SHC1、SHC2またはバイパス信号線BPを選択する。選択信号SEL2は、垂直走査回路103から受け取る。選択信号SEL2は、画素PXの制御信号TGL、TGS、FDG、FCG、SELに応じて、保持回路SHC1、SHC2またはバイパス信号線BPのいずれかを選択するように設定すればよい。マルチプレクサMUXは、上記動作を実行可能な任意のスイッチ回路で構成されればよい。
(コンパレータ121の構成および機能)
コンパレータ121は、入力比較回路121aと、出力回路121bとを備える。
入力比較回路121aは、p型トランジスタTp1、Tp2と、n型トランジスタTn1~Tn3と、キャパシタCvsl、Crefと、AZスイッチSwAZとを備えている。
キャパシタCvsl、Crefの一端は、それぞれSH部125の出力および参照信号線114に接続されている。キャパシタCvsl、Crefの他端は、トランジスタTp1のゲートに共通に接続されている。
トランジスタTn1、Tp1、Tn2は、電源VDDとグランドGNDとの間にこの順番で直列に接続されている。
トランジスタTn1のドレインは電源VDDに接続され、そのソースはトランジスタTp1のソースに接続されている。トランジスタTn1は、LDO(Low Dropout)リニアレギュレータとして機能する。
トランジスタTp1のゲートは、上述の通り、キャパシタCvsl、Crefの他端に共通に接続されている。トランジスタTp1のソースは、トランジスタTn1のソースに接続されており、トランジスタTp1のドレインは、トランジスタTn2のドレインおよびトランジスタTp2のゲートに接続されている。トランジスタTp1は、SH部125のマルチプレクサMUXからの出力信号(OUTbp、OUTshc1、OUTshc2のいずれか)とDAC104からの参照信号RAMPとの加算信号が閾値電圧を超えるときに、導通状態から非導通状態となり、トランジスタTp2のゲートの電圧レベルをハイレベルからロウレベルへ反転させる。即ち、トランジスタTp1aは、マルチプレクサMUXからの出力信号のレベルを増幅して検出するアンプとして機能する。
トランジスタTp2のゲートは、トランジスタTp1のドレインに接続されている。トランジスタTp2のソースは、トランジスタTp1のソースと共通にトランジスタTn1のソースに接続されている。トランジスタTp2のドレインは、トランジスタTn2のドレインに接続されている。トランジスタTp2は、トランジスタTp1が導通状態から非導通状態となると、逆に非導通状態から導通状態になり、トランジスタTp2のドレイン電圧をロウレベルからハイレベルに反転させる。
トランジスタTn2は、トランジスタTp1のドレインとグランドGNDとの間に接続されており、トランジスタTp1に定電流を流すための定電流源として機能する。トランジスタTn3は、トランジスタTp2のドレインとグランドGNDとの間に接続されており、トランジスタTp2に定電流を流すための定電流源として機能する。
AZスイッチSwAZは、トランジスタTp1のゲートとトランジスタTp2のゲートとの間に接続されており、SH部125の出力信号の検出前にトランジスタTp1のゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
出力回路121bは、p型トランジスタTp3、Tp4およびn型トランジスタTn4、Tn5を備えている。トランジスタTp3は、電源VDDとコンパレータ121の出力端子OUT121との間に接続されている。トランジスタTn5は、トランジスタTn4のソースとグランドGNDとの間に接続されている。トランジスタTp3、Tn5のゲートは共通に接続されている。トランジスタTp3,Tn5はカウント期間以外での出力OUT121をハイレベルに固定する役割を持つ。トランジスタTp4、Tn4は、電源VDDとトランジスタTn5のドレインとの間に直列に接続されている。トランジスタTp4とトランジスタTn4との間のノードが出力端子OUT121となっている。トランジスタTp4、Tn4のゲートは、入力比較回路121aの出力(トランジスタTp2のドレイン)に共通に接続されている。トランジスタTp4,Tn4は、インバータ回路として機能する。
トランジスタTp2のドレイン電圧がロウレベルからハイレベルに反転すると、コンパレータ121の出力端子OUT121は、トランジスタTp4、Tn4によって逆にハイレベルからロウレベルへ反転する。出力端子OUT121の電圧レベルの反転は、カウンタ122の動作を停止するために用いられる。これにより、AD変換が可能となる。
(負性容量回路310の構成)
負性容量回路310は、n型トランジスタTn6~Tn8と、キャパシタC310と、定電流源Cs310とを備えている。トランジスタTn8のゲートは、垂直信号線110に接続されている。トランジスタTn8のドレインは、電源VDDに接続され、そのソースは定電流源Cs310に接続されている。これにより、トランジスタTn8と定電流源Cs310はソースフォロワとして機能し、そのゲインは「1」よりも小さい。
キャパシタC310の一端は、トランジスタTn6を介してトランジスタTn8のゲートに接続されている。キャパシタC310の他端は、トランジスタTn8のソースに接続される。これにより、トランジスタTn6のソースには垂直信号線110をトランジスタTn6のゲインで割った同極性信号が見えることになり、トランジスタTn8のソース側には垂直信号線110の変動分にソースフォロワのゲインを掛けた信号が見えることになる。これにより、キャパシタC310の両端にはトランジスタTn6のソース側に対して相対的に大きな同極性ゲインがトランジスタTn8のソース側に印加されているように見える。その結果、310は、負性容量回路として動作する。
トランジスタTn7は、キャパシタC310の一端とグランドGNDとの間に接続されている。トランジスタTn6は、キャパシタC310の一端と垂直信号線110との間に接続されている。トランジスタTn7は、垂直信号線110の定電流源として機能する。
垂直信号線110には、寄生容量が発生する。垂直信号線110の寄生容量に+Vsの電圧が印加されるものとする。
この場合、負性容量回路310において、ソースフォロワとして機能するトランジスタTn8と定電流源Cs310のゲインを「0.9」として、トランジスタTn6のソースからドレインへのゲインを「10」すると、キャパシタC310の垂直信号線110側の端子には0.1×Vsが印加され、その逆側の端子には0.9×Vsが印加される。このため、垂直信号線110と逆側の電位(0.9×Vs)を基準とすると、キャパシタC310には、-0.8×Vsの電圧が印加される。これにより、垂直信号線110の寄生容量に+Vsが印加され、キャパシタC310に-0.8×Vsが印加されるため、垂直信号線110の配線容量は、負性容量回路310が無い場合と比較して低下する。
なお、本開示では、ソースフォロワとして機能するトランジスタTn8と定電流源Cs310を用いているが、垂直信号線110の寄生容量の影響を十分に低減できれば、非反転増幅できるその他の構成を用いても良い。
(SH部125の動作)
図7は、AD変換動作におけるSH部125の動作例を示すタイミング図である。図7では、図5の画素PXの読出し動作に対応したSH部125の動作を示している。尚、図7の上段には、読み出される信号(NH2、NH1、SH1、SH2、SL、NL)に対応する垂直信号線110の電圧VSLおよび参照信号RAMPが示されている。図7のSHC1、SHC2は、それぞれ第1および第2保持回路SHC1、SHC2の状態を示す。
選択信号SEL_BP、SEL_SHC1、SEL_SHC2は、選択信号SEL2としてマルチプレクサMUXに入力される信号である。選択信号SEL_BP、SEL_SHC1、SEL_SHC2は、バイパス信号線BP、第1および第2保持回路SHC1、SHC2のいずれかを選択するための制御信号であり、複数が同時に活性化される(立ち上がる)ことはない。
選択信号SEL_BPは、バイパス信号線BPを選択する信号である。選択信号SEL_BPが立ち上がることによって、マルチプレクサMUXはバイパス信号線BPに伝達されている画素信号をコンパレータ121へ出力する。選択信号SEL_SHC1は、第1保持回路SHC1を選択する信号である。選択信号SEL_SHC1が立ち上がることによって、マルチプレクサMUXは第1保持回路SHC1に伝達されている画素信号をコンパレータ121へ出力する。選択信号SEL_SHC2が立ち上がることによって、マルチプレクサMUXは第2保持回路SHC2に伝達されている画素信号をコンパレータ121へ出力する。
画素PX、SH部125およびコンパレータ121は、画素信号として、高感度リセット信号NH2、高感度リセット信号NH1、高感度データ信号SH1、高感度データ信号SH2、低感度データ信号SL、低感度リセット信号NLの順に読出す。
まず、時刻t21において、水平同期信号XHSが入力され、単位画素PXの読出し期間が開始する。このとき、図5を参照して説明した通り、結合した第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位に基づく高感度リセット信号NH2が画素PXから読み出される。
t21~t24において、第1保持回路SHC1のスイッチSw1、Sw3がオンになり、スイッチSw2がオフになる。これにより、第1保持回路SHC1は、高感度リセット信号NH2をサンプリングする。このとき、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が安定するまで、第1保持回路SHC1はサンプリングの状態を維持する。以下、画素トランジスタを動作させてからFDの電位が安定するまでの期間をセトリング期間ともいう。
尚、t21において、以前の読出し期間における第2保持回路SHC2からの画素信号がマルチプレクサMUXから出力され、AD変換されている。従って、t21~t24において、選択信号SEL_SHC2がハイレベルに立ち上がっている。
次に、時刻t24において、図3の第3転送ゲート部T12cがオフになり、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bとが電気的に切断される。第1FD部FD15aの電位に基づく高感度リセット信号NH1が画素PXから読み出される。
このとき、選択信号SEL_SHC2は立ち下り、選択信号SEL_BPが立ち上がる。これにより、t24~t25において、バイパス信号線BPがコンパレータ121に選択的に接続される。高感度リセット信号NH1が、バイパス信号線BPを介してコンパレータ121へ伝達される。高感度リセット信号NH1は、ADC群105においてAD変換される。
一方、第1保持回路SHC1のスイッチSw1、Sw3がオフになり、スイッチSw2がオンになる。これにより、第1保持回路SHC1は、サンプリングした高感度リセット信号NH2を保持する。
次に、時刻t25において、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成され蓄積された電荷が第1FD部FD15aに転送される。高感度データ信号SH1は、第1光電変換部PD11aで生成された電荷が蓄積された状態における第1FD部FD15aの電位に基づく画素信号となる。第1FD部FD15aの電位に基づく高感度データ信号SH1が画素PXから読み出される。よって、図7に示すように、垂直信号線110の電圧VSLは、入射光の光量に応じた電圧となる。
このとき、t25~t27においても、バイパス信号線BPがコンパレータ121に選択的に接続されている。高感度データ信号SH1が、バイパス信号線BPを介してコンパレータ121へ伝達される。高感度データ信号SH1は、ADC群105においてAD変換される。尚、第1保持回路SHC1は、高感度リセット信号NH2を保持したままである。
次に、時刻t27において、図3の第3転送ゲートT12cが再度オンになり、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bとが接続される。これにより、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成され蓄積された電荷が第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量に蓄積されることになる。よって、高感度データ信号SH2は、第1光電変換部PD11aで生成された電荷を第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量に蓄積したときの該結合容量の電位に基づく画素信号となる。即ち、高感度データ信号SH2が画素PXから読み出される。
このとき、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオンになり、スイッチSw5がオフになる。これにより、第2保持回路SHC2は、高感度データ信号SH2をサンプリングする。このとき、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が安定するまでのセトリング期間の間、第2保持回路SHC2はサンプリングの状態を維持する。
一方、t27において、選択信号SEL_BPは立ち下り、選択信号SEL_SHC1が立ち上がる。これにより、マルチプレクサMUXは、バイパス信号線BPをコンパレータ121から切断し、第1保持回路SHC1をコンパレータ121に選択的に接続する。第1保持回路SHC1がコンパレータ121に接続されることにより、第1保持回路SHC1に保持されている高感度リセット信号NH2が、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、高感度リセット信号NH2は、ADC群105においてAD変換される。
次に、図5のt29を参照して説明したように、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が電源電圧VDDにリセットされる。
次に、時刻t32において、図3の第3転送ゲート部T12cはオンのまま、第4転送ゲート部T12d、第2転送ゲート部T12bがさらにオンになる。これにより、露光期間中に第2光電変換部PD11bで生成された電荷が、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量に蓄積される。よって、低感度データ信号SLは、第2光電変換部PD11bで生成された電荷を電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量に蓄積したときに該結合容量の電位に基づく画素信号となる。即ち、低感度データ信号SLが画素PXから読み出される。
このとき、第1保持回路SHC1のスイッチSw1、Sw3がオンになり、スイッチSw2がオフになる。これにより、第1保持回路SHC1は、低感度データ信号SLをサンプリングする。また、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が安定するまでのセトリング期間の間(t32~t37)、第1保持回路SHC1はサンプリングの状態を維持する。
一方、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオフになり、スイッチSw5がオンになる。これにより、第2保持回路SHC2は、t27~t32でサンプリングした高感度データ信号SH2をt32~t37において保持する。
さらに、t32において、選択信号SEL_SHC1は立ち下り、選択信号SEL_SHC2が立ち上がる。これにより、マルチプレクサMUXは、第1保持回路SH1をコンパレータ121から切断し、第2保持回路SHC2をコンパレータ121に選択的に接続する。第2保持回路SHC2がコンパレータ121に接続されることにより、第2保持回路SHC2に保持されている高感度データ信号SH2が、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、高感度データ信号SH2は、ADC群105においてAD変換される。
次に、図5のt34を参照して説明したように、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が電源電圧VDDにリセットされる。
次に、時刻t37において、図3の第3転送ゲート部T12cはオン、第4転送ゲート部T12dはオフのまま、第2転送ゲート部T12bがオンになる。これにより、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量のリセット状態の電位に基づく低感度リセット信号NLが画素PXから読み出される。
このとき、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオンになり、スイッチSw5がオフになる。これにより、第2保持回路SHC2は、低感度リセット信号NLをサンプリングする。
一方、第1保持回路SHC1のスイッチSw1、Sw3がオフになり、スイッチSw2がオンになる。これにより、第1保持回路SHC1は、t32~t37でサンプリングした低感度データ信号SLをt37~t39において保持する。
t37において、選択信号SEL_SHC2は立ち下り、選択信号SEL_SHC1が立ち上がる。これにより、マルチプレクサMUXは、第2保持回路SH2をコンパレータ121から切断し、第1保持回路SHC1をコンパレータ121に選択的に接続する。第1保持回路SHC1がコンパレータ121に接続されることにより、第1保持回路SHC1に保持されている低感度データ信号SLが、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、低感度データ信号SLは、ADC群105においてAD変換される。
次に、図5のt39を参照して説明したように、電荷蓄積部C14、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が電源電圧VDDにリセットされる。
時刻t39において、水平同期信号XHSが入力され、単位画素PXの画素信号の読み出し期間が終了する。
尚、t37~t39において、第2保持回路SHC2がサンプリングした低感度リセット信号NLは、次の単位画素の読み出し期間においてAD変換される。例えば、図7のt21~t24に示す破線枠が次の単位画素の読み出し期間とすると、次の単位画素の読み出し期間において、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオフになり、スイッチSw5がオンになる。これにより、第2保持回路SHC2は、直前にサンプリングした低感度リセット信号NLを保持する。このとき、第2保持回路SHC2がコンパレータ121に接続され、第2保持回路SHC2に保持されている低感度リセット信号NLがマルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、低感度リセット信号NLは、ADC群105においてAD変換される。
その後、同様のサイクル(1水平期間)を繰り返すことによって、ADC群105は、画素部101からの画素信号をAD変換することができる。
以上のように、本開示による固体撮像装置100は、画素部101とADC群105との間にSH部125を備えている。SH部125は、バイパス信号線BPと、第1保持回路SHC1と、第2保持回路SHC2と、マルチプレクサMUXとを備える。マルチプレクサMUXは、バイパス信号線BP、第1保持回路SHC1および第2保持回路SHC2から出力される画素信号のいずれかを選択的にADC群105に出力する。
図7に示すように、マルチプレクサMUXが第1保持回路SHC1で保持された第1画素信号をADC群105へ出力している期間に、その裏で、第2保持回路SHC2は、他の第2画素信号をサンプリングし、第2画素信号をセトリングさせる。逆に、マルチプレクサMUXが第2保持回路SHC2で保持された第2画素信号をADC群105へ出力している期間に、その裏で、第1保持回路SHC1は、他の第1画素信号をサンプリングし、第1画素信号をセトリングさせる。このように、第1および第2保持回路SHC1、SHC2が画素信号のサンプリング(およびセトリング)と保持(および出力)とを交互に繰り返す。これにより、第1および第2保持回路SHC1、SHC2の一方が画素信号を保持(および出力)している期間に併行して他の画素信号をサンプリング(およびセトリング)することができる。
もし、SH部125が設けられていない場合、複数の画素信号は、順番に直列的に処理される。例えば、第1画素信号は、セトリング期間の経過後、AD変更される。第1画素信号のAD変換後、次の第2画素信号も、セトリング期間の経過後、AD変更される。第2画素信号のAD変換後、次の第3画素信号も、セトリング期間の経過後、AD変更される。このように、複数の画素信号は、セトリング期間とAD変換期間とを順番に直列的に繰り返してAD変換される。このため、1つの画素PXからの複数の画素信号をAD変換するのに、長い時間がかかってしまう。特に、セトリング期間は、AD変換期間よりも長い場合が多いため、各画素PXにおいて複数の画素信号をAD変換する場合には、フレームレートが長期化してしまう。
これに対し、本開示では、第1および第2保持回路SHC1、SHC2の一方が画素信号を保持(および出力)している期間の裏で、他方が併行して他の画素信号をサンプリング(およびセトリング)することができる。これにより、複数の画素信号のAD変換処理を同時並行して実行することができ、フレームレートを短縮することができる。
また、本開示では、第1および第2保持回路SHC1、SHC2の他に、バイパス信号線BPが設けられている。これにより、第1および第2保持回路SHC1、SHC2のノイズが画素信号に混入すると好ましくない場合には、マルチプレクサMUXは、バイパス信号線BPを選択し、バイパス信号線BPを介して画素信号をADC群105へ直接伝達すればよい。これにより、固体撮像装置100は、第1および第2保持回路SHC1、SHC2のノイズの影響を受けることなく、ノイズに敏感で、高変換効率が用いられる場合のリセット信号およびデータ信号をそれぞれAD変換することができる。
尚、フレームレートを短縮するためには、SH部125は、第1および第2保持回路SHC1、SHC2を備えればよく、バイパス信号線BPは必須ではない。しかし、ノイズ抑制効果を得るために、バイパス信号線BPは設けられていることが好ましい。
また、本開示では、垂直信号線110に負性容量回路310が接続されている。これにより、垂直信号線110の寄生容量をキャンセルすることができ、垂直信号線110の電位のセトリング期間を短くすることができる。
また、本開示によるコンパレータ121は、1つずつ画素信号を順番にAD変換可能な構成であればよく、複数の画素信号を同時にAD変換可能な特殊かつ複雑な構成を有する必要がない。即ち、本開示によれば、HDRの画素PXを用いているが、SH部125を備えることによって、ADC群105の回路規模を小さくすることができる。
(変形例1)
図8は、変形例1によるAD変換動作におけるSH部125の動作例を示すタイミング図である。本変形例では、時刻t39の後、時短高感度リセット信号NH2DOLおよび時短高感度データ信号SH2DOLが読み出されている。時短高感度リセット信号NH2DOLおよび時短高感度データ信号SH2DOLは、それぞれ画素PXの露光時間を短縮した高感度リセット信号および高感度データ信号である。露光時間を短縮することによって、第1光電変換部PD11aの飽和を抑制し、ダイナミックレンジをさらに広げることができる。
t21~t39の動作は、第1実施形態のそれと同じでよい。
その後、図3の第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量をリセットする。時刻t39において、図3の画素PXを高感度リセット信号NH2の読み出しと同じ状態にする。結合した第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位に基づく時短高感度リセット信号NH2DOLが画素PXから読み出される。
t39~t40において、第1保持回路SHC1のスイッチSw1、Sw3がオンになり、スイッチSw2がオフになる。これにより、第1保持回路SHC1は、時短高感度リセット信号NH2DOLをサンプリングする。このとき、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が安定するまで、第1保持回路SHC1はサンプリングの状態を維持する。
一方、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオフになり、スイッチSw5がオンになる。これにより、第2保持回路SHC2は、t37~t39でサンプリングした低感度リセット信号NLを保持する。
このとき、選択信号SEL_SHC1は立ち下り、選択信号SEL_SHC2が立ち上がる。これにより、マルチプレクサMUXは、第1保持回路SHC1をコンパレータ121から切断し、第2保持回路SHC2をコンパレータ121に選択的に接続する。第2保持回路SHC2がコンパレータ121に接続されることにより、第2保持回路SHC2に保持されている低感度リセット信号NLが、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、低感度リセット信号NLは、ADC群105においてAD変換される。
次に、時刻t40において、図3の画素PXを高感度データ信号SH2の読み出しと同じ状態にする。これにより、露光期間中に第1光電変換部PD11aで生成され蓄積された電荷が第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの結合容量に蓄積される。この露光期間は、高感度データ信号SH2の露光期間よりも短い。それとともに、第1FD部FD15aおよび第2FD部FD15bの電位に基づく時短高感度データ信号SH2DOLが画素PXから読み出される。
このとき、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオンになり、スイッチSw5がオフになる。これにより、第2保持回路SHC2は、時短高感度データ信号SH2DOLをサンプリングする。このとき、第1FD部FD15aと第2FD部FD15bの電位が安定するまでのセトリング期間の間、第2保持回路SHC2はサンプリングの状態を維持する。
一方、t40において、選択信号SEL_SHC2は立ち下り、選択信号SEL_SHC1が立ち上がる。これにより、マルチプレクサMUXは、第2保持回路SHC2をコンパレータ121から切断し、第1保持回路SHC1をコンパレータ121に選択的に接続する。第1保持回路SHC1がコンパレータ121に接続されることにより、第1保持回路SHC1に保持されている時短高感度リセット信号NH2DOLが、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、時短高感度リセット信号NH2DOLは、ADC群105においてAD変換される。
尚、t40~t41において、第2保持回路SHC2がサンプリングした時短高感度データ信号SH2DOLは、次の単位画素の読み出し期間においてAD変換される。例えば、図8のt21~t24に示すように、次の単位画素の読み出し期間において、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオフになり、スイッチSw5がオンになる。これにより、第2保持回路SHC2は、直前にサンプリングした時短高感度データ信号SH2DOLを保持する。このとき、第2保持回路SHC2がコンパレータ121に接続され、第2保持回路SHC2に保持されている時短高感度データ信号SH2DOLが、マルチプレクサMUXを介してコンパレータ121へ伝達される。これにより、時短高感度データ信号SH2DOLは、ADC群105においてAD変換される。
以上のように、画素PXの感度、変換効率だけでなく、露光時間を変更した複数の画素信号をAD変換することによって、さらに画素PXのダイナミックレンジを広げることができる。
本変形例の構成およびその他の動作は、第1実施形態と同じでよい。従って、本変形例は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
図9は、変形例2によるAD変換動作におけるSH部125の動作例を示すタイミング図である。変形例2では、バイパス信号線BPが省略されており、第1および第2保持回路SHC1、SHC2が相補に動作し、交互に画素信号をサンプリングおよび保持を繰り返し実行している。即ち、第1および第2保持回路SHC1、SHC2の一方が画素信号を保持(および出力)している期間の裏で併行して、他方が他の画素信号をサンプリング(およびセトリング)することができる。これにより、複数の画素信号のAD変換処理を同時並行して実行することができ、フレームレートを短縮することができる。
変形例2の構成およびその他の動作は、第1実施形態と同様である。これにより、変形例2も第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、変形例2は、変形例1と組み合わせてもよい。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例示す回路図である。第2実施形態では、コンパレータ121の構成が第1実施形態のそれと異なる。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様でよい。
第2実施形態において、入力比較回路121aは、p型トランジスタTp2、Tp11、Tp12と、n型トランジスタTn3、Tn11、Tn12と、キャパシタCvsl、Crefと、AZスイッチSwAZ1、SwAZ2と、定電流源Cs121aとを備えている。
キャパシタCvsl、Crefの一端は、それぞれSH部125の出力および参照信号線114に接続されている。キャパシタCvsl、Crefの他端は、それぞれトランジスタTn11,Tn12のゲートに接続されている。
トランジスタTn11、Tn12、Tp11、Tp12および定電流源Cs121aは、差動回路を構成し、SH部125からの画素信号(OUTbp、OUTshc1、OUTshc2)と参照信号RAMPとの電圧差を出力する。トランジスタTp11、Tp12は、カレントミラー回路を構成しており、トランジスタTn11、Tn12に所定のミラー比に対応する電流をそれぞれに流す。トランジスタTn11、Tn12は、それぞれ画素信号および参照信号をゲートで受けて、その電圧差をノードN121aから出力する。定電流源Cs121aは、トランジスタTn11,Tn12に流れる全体の電流を所定値に維持する。
AZスイッチSwAZ1は、トランジスタTn11のゲートとドレインとの間に接続されており、SH部125の出力信号の検出前にトランジスタTn11のゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
AZスイッチSwAZ2は、トランジスタTn12のゲートとドレインとの間に接続されており、SH部125の出力信号の検出前にトランジスタTn12のゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
トランジスタTp2は、ノードN121aから電圧差をゲートで受け、電圧差を増幅して出力回路121bへ出力するアンプとして機能する。トランジスタTn3は、トランジスタTp2に流す電流を決定する定電流源として機能する。キャパシタC121aは、電源VDDとノードN121aとの間に接続され、コンパレータ121の動作帯域を小さくしてノイズを抑制する。
出力回路121bは、p型トランジスタTp4およびn型トランジスタTn4を備えている。トランジスタTp4、Tn4は、インバータ回路として機能し、入力比較回路121aからの出力電圧レベルを反転して、コンパレータ121の出力端子OUT121から出力する。このように、コンパレータ121の構成には、一般的な差動増幅回路が用いられてもよい。
第2実施形態のその他の構成および動作は、第1実施形態と同様でよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例示す回路図である。第3実施形態では、コンパレータ121の構成が第1実施形態のそれと異なる。第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様でよい。
コンパレータ121aは、p型トランジスタTp2、Tp11、Tp12と、n型トランジスタTn3、Tn11、Tn12と、キャパシタCvsl、Cref、C1aと、AZスイッチSwAZ1、SwAZ2と、定電流源Cs121aとを備えている。
キャパシタCvsl、Crefの一端は、それぞれSH部125の出力および参照信号線114に接続されている。キャパシタCvsl、Crefの他端は、トランジスタTp11のゲートに共通に接続されている。トランジスタTp11は、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、導通状態と非導通状態との間で切り替わる。
トランジスタTn11、Tn12、Tp11、Tp12および定電流源Cs121aは、差動回路を構成する。トランジスタTp11が導通状態と非導通状態との間で切り替わったときに、トランジスタTp12は、トランジスタTp11と同様に所定電流を流すので、トランジスタTp12とトランジスタTn12との間のノードN121aの電圧レベルを反転させる。即ち、コンパレータ121aは、画素信号と参照信号との加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、ノードN121aの電圧レベルを反転させる。トランジスタTn11、Tn12は、カレントミラー回路を構成しており、トランジスタTp11、Tp12に所定のミラー比に対応する電流をそれぞれに流す。定電流源Cs121aは、トランジスタTp11,Tp12に流れる全体の電流を所定値に維持する。
キャパシタC1aは、トランジスタTp12のゲートと所定の電圧源との間に接続されており、トランジスタTp12のゲート電圧をオートゼロ電位に設定する。
AZスイッチSwAZ1は、トランジスタTp11のゲートとドレインとの間に接続されており、SH部125の出力信号の検出前にトランジスタTp11のゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
AZスイッチSwAZ2は、トランジスタTp12のゲートとドレインとの間に接続されており、SH部125の出力信号の検出前にトランジスタTp12のゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
トランジスタTn3は、ノードN121aの電位をゲートで受け、その電圧レベルを増幅して出力回路121bへ出力するアンプとして機能する。トランジスタTp2は、トランジスタTn3に流す電流を決定する定電流源として機能する。
出力回路121bは、p型トランジスタTp3~Tp5およびn型トランジスタTn4~Tn6を備えている。トランジスタTp4、Tn4は、インバータ回路として機能し、トランジスタTp5、Tn6も、インバータ回路として機能する。トランジスタTp3、Tn5のゲートは共通に接続されており、カウント時にはロウレベルとなっているが、非カウント時には出力端子OUT121をハイレベルに固定する。これにより、出力回路121bは、入力比較回路121aからの出力信号を2つのインバータ回路で2回反転させて出力する。
入力比較回路121aの出力の電圧レベルが反転すると、コンパレータ121の出力端子OUT121の電圧レベルは、トランジスタTp4、Tn4およびトランジスタTp5、Tn6を介して反転する。出力端子OUT121の反転は、カウンタ122の動作を停止するために用いられる。これにより、AD変換が可能となる。
第3実施形態のその他の構成および動作は、第1実施形態と同様でよい。従って、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態によるSH部125の構成例を示す回路図である。第4実施形態では、SH部125の構成が他の実施形態と異なる。第4実施形態のSH部125以外の構成は、他の実施形態と同様でよい。従って、図12には、SH部125の構成のみを表示し、他の構成についての図示は省略されている。
(第1保持回路SHC1の構成および機能)
第1保持回路SHC1は、キャパシタCp1と、トランジスタTr1と、スイッチSw1と、定電流源Cs1とを備えている。
キャパシタCp1の一端は、スイッチSw1を介して画素PXに接続され、画素信号を蓄積することができる。また、キャパシタCp1の該一端は、トランジスタTr1のゲートに接続されている。キャパシタCp1の他端は、グランドGNDに接続されている。
トランジスタTr1のゲートはキャパシタCp1の一端に接続されている。トランジスタTr1のドレインは電源VDDに接続され、そのソース(ノードNshc1)は定電流源Cs1およびマルチプレクサMUXに接続されている。定電流源Cs1は、トランジスタTr1のソース(ノードNshc1)とグランドGNDとの間に接続されトランジスタTr1に定電流を流す。トランジスタTr1はゲート(ノードNg1)の電位に依存した電流をドレイン-ソース間に流す。これにより、トランジスタTr1のソース(ノードNshc1)は、トランジスタTr1のゲート(ノードNg1)の電位に応じた電位となる。ノードNshc1はマルチプレクサMUXに接続され、ノードNshc1の電圧は、第1保持回路SHC1の出力信号OUTshc1として出力される。トランジスタTr1は、ソースフォロワ回路として機能する。
スイッチSw1は、キャパシタCp1の一端(ノードNg1)と画素PXとの間に接続されている。第1保持回路SHC1が画素PXから画素信号をキャパシタCp1にサンプリングするときに、スイッチSw1がオンになる。これにより、画素信号は、キャパシタCp1に蓄積され、それに伴い、トランジスタTr1のゲート(ノードNg1)が画素信号に応じた電位に設定される。一方、キャパシタCp1が画素信号を保持するときには、スイッチSw1がオフになる。これにより、画素信号がキャパシタCp1に蓄積、保持される。このとき、トランジスタTr1が画素信号に応じた導通状態となり、トランジスタTr1のドレイン(ノードNshc1)が、画素信号に応じた電位に維持される。よって、第1保持回路SHC1は、ノードNshc1から画素信号に応じた出力信号OUTshc1をマルチプレクサMUXへ出力する。
(第2保持回路SHC2の構成および機能)
第2保持回路SHC2の構成は、第1保持回路SHC1の構成と同じでよい。第4実施形態の上記第1保持回路SHC1の説明に対して、キャパシタCp1をキャパシタCp2と、トランジスタTr1をトランジスタTr2と、スイッチSw1をスイッチSw2と、定電流源Cs1を定電流源Cs2と、ノードNg1をノードNg2と、ノードNshc1をノードNshc2と読み替えればよい。
第2保持回路SHC2が画素PXから画素信号をキャパシタCp2にサンプリングするときに、スイッチSw2がオンになる。これにより、画素信号は、キャパシタCp2に蓄積され、それに伴い、トランジスタTr2のゲート(ノードNg2)が画素信号に応じた電位に設定される。一方、キャパシタCp2が画素信号を保持するときには、スイッチSw2がオフになる。これにより、画素信号がキャパシタCp2に蓄積、保持される。このとき、トランジスタTr2が画素信号に応じた導通状態となり、トランジスタTr2のドレイン(ノードNshc2)が、画素信号に応じた電位に維持される。よって、第2保持回路SHC2は、ノードNshc2から画素信号に応じた出力信号OUTshc2をマルチプレクサMUXへ出力する。キャパシタCp1、Cp2は、互いに異なるタイミングで画素信号をサンプリングし保持する。
このように、第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、パッシブ素子で構成されていても本開示の動作を実行することができる。これにより、SH部125の回路規模およびレイアウト面積を小さくすることができる。
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態によるSH部125の構成例を示す回路図である。第5実施形態では、SH部125の構成が他の実施形態と異なる。第5実施形態のSH部125以外の構成は、他の実施形態と同様でよい。従って、図13には、SH部125の構成のみを表示し、他の構成についての図示は省略されている。
(第1保持回路SHC1の構成および機能)
第1保持回路SHC1は、キャパシタCp1と、スイッチSw1とを備えている。キャパシタCp1の一端は、スイッチSw1を介して画素PXに接続され、画素信号を蓄積することができる。また、キャパシタCp1の該一端は、ノードNshc1としてマルチプレクサMUXに接続されている。キャパシタCp1の他端は、グランドGNDに接続されている。
スイッチSw1は、ノードNshc1と画素PXとの間に接続されている。第1保持回路SHC1が画素PXから画素信号をキャパシタCp1にサンプリングするときに、スイッチSw1がオンになる。これにより、画素信号は、キャパシタCp1に蓄積され、それに伴い、ノードNshc1が画素信号の電位に設定される。一方、キャパシタCp1が画素信号を保持するときには、スイッチSw1がオフになる。これにより、画素信号がキャパシタCp1に蓄積、保持される。このとき、ノードNshc1が画素信号に応じた電位に維持される。よって、第1保持回路SHC1は、ノードNshc1から画素信号に応じた出力信号OUTshc1をマルチプレクサMUXへ出力する。
(第2保持回路SHC2の構成および機能)
第2保持回路SHC2の構成は、第1保持回路SHC1の構成と同じでよい。第5実施形態の上記第1保持回路SHC1の説明に対して、キャパシタCp1をキャパシタCp2と、スイッチSw1をスイッチSw2と、ノードNshc1をノードNshc2と読み替えればよい。
第2保持回路SHC2が画素PXから画素信号をキャパシタCp2にサンプリングするときに、スイッチSw2がオンになる。これにより、画素信号は、キャパシタCp2に蓄積され、それに伴い、ノードNshc2が画素信号の電位に設定される。一方、キャパシタCp2が画素信号を保持するときには、スイッチSw2がオフになる。これにより、画素信号がキャパシタCp2に蓄積、保持される。このとき、ノードNshc2が画素信号に応じた電位に維持される。よって、第2保持回路SHC2は、ノードNshc2から画素信号に応じた出力信号OUTshc2をマルチプレクサMUXへ出力する。
このように、第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、パッシブ素子で構成され、ソースフォロワ回路を省略してもよい。これにより、SH部125の回路規模およびレイアウト面積をさらに小さくすることができる。
(第6実施形態)
図14は、第6実施形態による画素PXの構成例を示す回路図である。第6実施形態では、画素PXの構成が他の実施形態と異なる。第6実施形態の画素PX以外の構成は、他の実施形態と同様でよい。従って、図14には、画素PXの構成のみを表示し、他の構成についての図示は省略されている。
第6実施形態において、各画素PXは、1つの光電変換部PDをのみ備えており、感度は一定である。しかし、画素PXは、キャパシタCpxを備え、フローティングディフュージョンFDの容量を変更することができる。これにより、画素PXは、画素信号の変換効率を変更することができる。また、画素PXの露光時間を変更することもできる。
従って、第6実施形態の画素PXでは、図8の低感度データ信号SLおよび低感度リセット信号NLは得られない。しかし、その他の高感度リセット信号NH1、NH2、高感度データ信号SH1、SH2、時短高感度リセット信号NH2DOLおよび時短高感度データ信号SH2DOLを得ることはできる。これにより、第6実施形態の画素PXでもダイナミックレンジを広げることができる。
(移動体への応用例)
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図15に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図16では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、本明細書に説明した構成のうち、例えば、撮像部12031等に適用され得る。
一般に、車載向けのCISは、例えば、太陽光から星明りまで120dB以上のダイナミックレンジを必要とする。この場合、各画素PXに複数のフォトダイオードを設けたり、画素信号の変換効率を変更したり、露光時間を変更することによって、画素PXのダイナミックレンジを広げる。しかし、HDRの画素信号を得るためには、1つの画素PXから複数の画素信号をAD変換する必要がある。上記実施形態による固体撮像装置100を撮像部12031等に適用することによって、このようなHDRの画素PXからの画素信号を短いフレームレートで読み出すことができる。
(第7実施形態)
図17は、第7実施形態による固体撮像装置100の構成例を示すブロック図である。第7実施形態の固体撮像装置100は、クランプ電圧生成回路400をさらに備えている。クランプ電圧生成回路400は、複数のカラムのSH部125に対して共通に設けられており、所定の第1電圧VgCL(図18参照)を複数のSH部125に印加する。
図18は、第7実施形態によるSH部125の構成例を示す回路図である。尚、図18では、SH部125の第1保持回路SHC1の内部構成を示し、第2保持回路SHC2およびマルチプレクサMUXの構成については図示を省略している。第2保持回路SHC2の内部構成は、第1保持回路SHC1の内部構成と同様でよい。
第7実施形態による第1保持回路SHC1は、クランプトランジスタTnCLと、クランプスイッチSwCLとをさらに備えている。第7実施形態による第1保持回路SHC1のその他の構成は、第1実施形態の第1保持回路SHC1の構成と同様でよい。
クランプトランジスタTnCLおよびクランプスイッチSwCLは、電源VDDとノードNshc1との間に直列に接続され、定電流源Cs1に対して並列に接続されている。クランプトランジスタTnCLは、例えば、n型トランジスタである。クランプトランジスタTnCLのドレインは、クランプスイッチSwCLを介して電源VDDに接続されている。クランプトランジスタTnCLのソースは、ノードNshc1に接続されている。クランプトランジスタTnCLのゲートは、図17のクランプ電圧生成回路400に接続されており、所定の第1電圧VgCLをクランプ電圧生成回路400から受ける。
クランプスイッチSwCLは、タイミング制御回路102からのクランプイネーブル信号CL_enによってオン/オフ制御される。クランプスイッチSwCLがオン状態になると、クランプトランジスタTnCLが電源VDDとノードNshc1との間に接続される。これにより、クランプトランジスタTnCLがソースフォロワ回路を構成し、ノードNshc1の電圧が第1電圧VgCLに応じたクランプ電圧Vclampに設定(クランプ)される。例えば、クランプトランジスタTnCLの閾値電圧をVtCLとすると、ノードNshc1のクランプ電圧Vclampは、VgCL-VtCLに設定(クランプ)される。
クランプトランジスタTnCLを設ける理由は以下の通りである。
太陽などの高輝度光が画素PXに入射した場合、図3の第1転送ゲート部T12aが非導通状態であっても、第1光電変換部PD11aに電荷が大量に発生し、第1FD部FD15aが電荷でオーバーフローする。この場合、垂直信号線110の画素信号VSLは、最小値あるいは最大値の一方に振り切れた状態となり、リセット信号およびデータ信号が等しくなるため、画像が黒化してしまう。
このような、画像の黒化を抑制するために、高輝度光入射時にはコンパレータ121のオートゼロ期間において、画素信号VSLを所定のクランプ電圧Vclampにクランプしておく。クランプ電圧Vclampは、リセット信号と高輝度光によって振り切れた状態の画素信号VSLとの間の電圧である。また、クランプ電圧Vclampは、リセット信号を検出するときの参照信号RAMPが高輝度光によって振り切れた状態の画素信号VSLを横切らないように予め設定されている。これにより、高輝度光入射時にはオートゼロ期間において参照信号RAMPがクランプ電圧Vclampにほぼ等しくなるようにクランプされる。その後、通常通り、リセット信号およびデータ信号を検出する。このとき、画素信号VSLが最小値(または最大値)に振り切れた状態となっている場合、参照信号RAMPは、画素信号VSLを横切らず、検出できない。このようにリセット信号が検出不可である場合に、信号処理回路108は、太陽などの高輝度光が画素PXに入射していると判断し、画像を白色等に設定する(フルコード化する)。これにより、太陽などの高輝度光が画像において黒化することを抑制できる。尚、本実施形態では、高輝度光が入射したときに、画素信号VSLが最小値に振り切れるものとして説明する。
第7実施形態では、第1保持回路SHC1が画素信号VSLをサンプリングし保持した後、コンパレータ121がオートゼロ動作を実行する。オートゼロ動作において参照信号RAMPを所定電圧にクランプするために、クランプトランジスタTnCLおよびクランプスイッチSwCLが、第1保持回路SHC1の出力とコンパレータ121の入力との間のノードNshc1に設けられている。これにより、クランプトランジスタTnCLおよびクランプスイッチSwCLは、第1保持回路SHC1の出力信号OUTshc1をクランプ電圧Vclamp(Vclamp=VgCL-VtCL)にクランプすることができる。従って、第1保持回路SHC1でサンプリングされた画素信号が高輝度光によって振り切れていても、クランプトランジスタTnCLおよびクランプスイッチSwCLは、出力信号OUTshc1をクランプ電圧Vclampにクランプすることによって、参照信号RAMPは、画素信号VSLを横切らない。これにより、信号処理回路108は、太陽などの高輝度光が画素PXに入射していると判断することができ、高輝度光が画像において黒化することを抑制できる。
図19は、第7実施形態による第1保持回路SHC1およびコンパレータ121のリセット信号の検出動作の一例を示すタイミング図である。
まず、t1において、信号Sampleおよび信号AZ_shを立ち上げて、スイッチSw1、Sw3がオンになる。信号CLはロウレベルのままであり、スイッチSw2はオフ状態のままである。これにより、第1保持回路SHC1は、画素信号VSLをサンプリングする。t1~t2がサンプリング期間となる。
高輝度光によってFD部の電荷がオーバーフローしている場合、画素信号VSLは、例えば、最小値の電圧Vlim_Lに振り切れている。このとき、出力信号OUTshc1およびノードNgの電圧も電圧Vlim_Lになる。
t2において、信号Sampleおよび信号AZ_shを立ち下げることによって、スイッチSw1、Sw3がオフになり、サンプリング期間が終了する。
t3において、信号CLを立ち上げてスイッチSw2がオンになる。これにより、ノードNshc1およびNgの出力電圧OUTshc1が電圧Vlim_Lに保持される。
t4において、コンパレータ121のオートゼロ動作が実行される。信号AZ_cmが立ち上がり、コンパレータ121のスイッチSwAZがオンになる。ほぼ同時に、クランプイネーブル信号CL_enが立ち上がり、クランプスイッチSwCLがオンになる。これにより、出力電圧OUTshc1は、クランプ電圧Vclamp(Vclamp=VgCL-VtCL)に設定される。コンパレータ121のオートゼロ動作において、出力電圧OUTshc1を所定のクランプ電圧Vclampに設定することによって、リセット電圧Vrstをクランプ電圧Vclampだけ嵩上げする。これにより、参照信号RAMP全体の電圧も嵩上げする。これにより、参照信号RAMPが、高輝度光によって最小値の電圧Vlim_Lまで低下した出力電圧OUTshc1を横切らないようにすることができる。
例えば、図20は、出力電圧OUTshc1の電圧と参照信号RAMP1、RAMP2との関係を示すタイミング図である。参照信号RAMP1は、クランプ電圧Vclampが無い(Vclamp=0)場合の参照信号を示す。参照信号RAMP2は、クランプ電圧Vclampがある(Vclampが0でない)場合の参照信号を示す。
t4~t5のオートゼロ動作において、参照信号RAMP1は、クランプ電圧Vclampでクランプされていない(Vclamp=0)ので、電圧Vlim_Lのレベルに設定される。このため、リセット信号Spの検出開始t6から参照信号RAMP1が出力信号OUTshc1に交差する時点t6_1までの時間t6~t6_1は、データ信号Sd1の検出開始t6_2から参照信号RAMP1が出力信号OUTshc1に交差する時点t6_3までの時間t6_2~t6_3とほぼ等しくなる。即ち、リセット信号Spとデータ信号Sdがほぼ等しくなる。これでは、CDS処理によって、画像が黒化してしまう。
一方、参照信号RAMP2は、クランプ電圧Vclampがある(Vclampは0でない)場合の参照信号を示す。
この場合、t4~t5のオートゼロ動作において、参照信号RAMP2は、所定のクランプ電圧Vclamp(Vclampは0でない)でクランプされ、電圧Vlim_L+Vclampのレベルに設定される。このため、リセット信号Spの検出期間t6~t6_2において、参照信号RAMP2は、出力信号OUTshc1に交差しない。即ち、リセット信号Spは検出されない。信号処理回路108は、リセット信号Spが検出されないことを条件に、その画素信号をフルコード化する。これにより、高輝度光による画像の黒化を抑制することができる。尚、データ信号Sd2は、検出開始t6_2から参照信号RAMP2が出力信号OUTshc1に交差する時点t6_4までの時間t6_3~t6_4として検出されるが、このデータ信号Sd2は、画素信号のフルコード化の条件に用いても、用いなくてもよい。
これにより、信号処理回路108は、高輝度光が画素PXに入射していると判断することができ、高輝度光が画像において黒化することを抑制できる。即ち、第7実施形態によれば、SH部125が設けられていても、高輝度光による画像の黒化を抑制することができる。
尚、第7実施形態では、参照信号RAMPは下り傾斜であるが、上り傾斜であってもよい。また、リセット信号Spおよびデータ信号Sdの検出の順番は逆であってもよい。
(第8実施形態)
図21は、第8実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例を示す回路図である。第8実施形態は、第7実施形態によるSH部125を、第1実施形態の第1および第2保持回路SHC1、SHC2にそれぞれ適用した実施形態である。第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1と同様の構成を有する。コンパレータ121は、第1実施形態のコンパレータ121と同じ構成を有する。便宜的に、第1保持回路SHC1のクランプスイッチSwCLおよびクランプトランジスタTnCLを、それぞれクランプスイッチSwCL1およびクランプトランジスタTnCL1と呼ぶ。第2保持回路SHC2のクランプスイッチSwCLおよびクランプトランジスタTnCLを、それぞれクランプスイッチSwCL2およびクランプトランジスタTnCL2と呼ぶ。
第1保持回路SHC1は、電源VDDとトランジスタTr1のドレインとの間に直列に接続されたクランプトランジスタTnCL1およびクランプスイッチSwCL1とをさらに備えている。クランプトランジスタTnCL1およびクランプスイッチSwCL1は、定電流源Cs1に対して並列に接続されている。第2保持回路SHC2は、電源VDDとトランジスタTr2のドレインとの間に直列に接続されたクランプトランジスタTnCL2およびクランプスイッチSwCL2とをさらに備えている。クランプトランジスタTnCL2およびクランプスイッチSwCL2は、定電流源Cs2に対して並列に接続されている。
また、第8実施形態による第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、上述の通り互いに動作タイミングにおいて異なるものの、基本的に、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1と同様に動作する。第8実施形態によるコンパレータ121の動作は、第1実施形態のコンパレータ121の動作と同様でよい。よって、第8実施形態によれば、第1および第7実施形態の効果を得ることができる。
図22は、第8実施形態による第1および第2保持回路SHC1、SHC2およびコンパレータ121のリセット信号Spおよびデータ信号Sdの検出動作の一例を示すタイミング図である。尚、本実施形態では、参照信号RAMPが上り傾斜を有する。また、図22の上部には、第1保持回路SHC1の各信号Sw1~Sw3、SwCL1が示されており、下部には、第2保持回路SHC2の各信号Sw4~Sw6、SwCL2が示されている。
まず、t11において、スイッチSw1、Sw3がオンになる。スイッチSw2はオフ状態のままである。これにより、第1保持回路SHC1は、画素信号VSLのサンプリングを開始する。
高輝度光によってFD部の電荷がオーバーフローしている場合、画素信号VSLは、例えば、最小値の電圧Vlim_Lに振り切れている。このとき、出力信号OUTshc1およびノードNg1の電圧も電圧Vlim_Lになる。
t12において、スイッチSw1、Sw3がオフになり、画素信号VSLのサンプリング期間が終了する。
t13において、第2保持回路SHC2のスイッチSw4、Sw6がオンになる。スイッチSw5はオフ状態のままである。これにより、第2保持回路SHC2が画素信号VSLのサンプリングを開始する。
t14において、第1保持回路SHC1のスイッチSw2がオンになり、第1保持回路SHC1は、出力信号OUTshc1を保持する。このとき、出力信号OUTshc1は、電圧Vlim_Lで保持される。また、選択信号SEL_SHC1を選択的に活性化し、マルチプレクサMUXは、第1保持回路SHC1の出力信号OUTshc1をコンパレータ121へ出力する。
t15において、クランプスイッチSwCL1およびオートゼロスイッチSwAZがオンになる。これにより、コンパレータ121のオートゼロ動作が実行されるとともに、トランジスタTnCL1は、トランジスタTr1のドレインを第1電圧VgCLに応じたクランプ電圧Vclampに設定する。これにより、第1保持回路SHC1の出力信号OUTshc1が、クランプ電圧Vclampによってクランプされる。出力信号OUTshc1が電圧(Vlim_L+Vclamp)にクランプされた状態で、コンパレータ121のオートゼロ動作が実行される。本実施形態のオートゼロ動作については、後で説明する。
t16において、クランプスイッチSwCL1およびオートゼロスイッチSwAZがオフになる。これにより、コンパレータ121のオートゼロ動作およびクランプ動作が終了する。従って、出力信号OUTshc1は、電圧Vlim_Lに戻っている。
t16~t17において、第1保持回路SHC1は、出力信号OUTshc1を電圧Vlim_Lに保持し、コンパレータ121が電圧Vlim_Lをリセット信号Spとして検出しようとする。しかし、t15~t16のオートゼロ動作において、出力信号OUTshc1がクランプ電圧Vclampに設定されている。従って、図23を参照して後述するように、高輝度光によって振り切れた電圧Vlim_Lとクランプされた参照信号RAMPとは交差せず、リセット信号Spは検出されない。信号処理回路108は、リセット信号Spが検出されたかったことに基づいて高輝度光が入射されていると判断する。
t17において、スイッチSw2をオフにして、第1保持回路SHC1による出力信号OUTshc1の保持状態を解除するとともに、スイッチSw4をオフにして、第2保持回路SHC2のサンプリング期間が終了する。
t18において、第2保持回路SHC2のスイッチSw5がオンになり、第2保持回路SHC2は、出力信号OUTshc2を保持する。このとき、出力信号OUTshc2は、電圧Vlim_Lで保持される。また、選択信号SEL_SHC2を選択的に活性化し、マルチプレクサMUXは、第2保持回路SHC1の出力信号OUTshc2をコンパレータ121へ出力する。
t18~t19において、第2保持回路SHC2は、出力信号OUTshc2を電圧Vlim_Lに保持し、コンパレータ121が電圧Vlim_Lをデータ信号Sdとして検出する。
図23は、出力電圧OUTshc1と、ゲート信号GATE1、GATE2との関係を示すタイミング図である。ゲート信号GATE1は、クランプ電圧Vclampを印加していない(Vclamp=0)場合の トランジスタTp1のゲート信号(コンパレータ入力:比較基準信号)を示す。ゲート信号GATE2は、クランプ電圧Vclampを印加した(Vclampが0でない)場合のトランジスタTp1のゲート信号(コンパレータ入力:比較基準信号)を示す。従って、ゲート信号GATE1、GATE2は、参照信号RAMPと容量Cvslへの入力信号との容量加算信号である。尚、本実施形態において、参照信号RAMPは、上り傾斜を有し、ゲート信号GATE1、GATE2も同様に上り傾斜を有する。
t14~t15のオートゼロ動作において、ゲート信号GATE1は、クランプ電圧Vclampでクランプされていない(Vclamp=0)ので、電圧Vlim_Lのレベルに設定される。このため、リセット信号Spの検出開始t16_1からゲート信号GATE1が出力信号OUTshc1に交差する反転基準点t16_2までの時間t16_1~t16_2は、データ信号Sd1の検出開始t18からゲート信号GATE1が出力信号OUTshc1に交差する時点t18_1までの時間t18~t18_1とほぼ等しくなる。即ち、リセット信号Spとデータ信号Sdがほぼ等しくなる。これでは、CDS処理によって、画像が黒化してしまう。
一方、ゲート信号GATE2は、クランプ電圧Vclampがある(Vclampは0でない)場合のトランジスタTp1のゲート信号を示す。
この場合、t14~t15のオートゼロ動作において、ゲート信号GATE2は、所定のクランプ電圧Vclamp(Vclampは0でない)でクランプされ、電圧Vlim_L-Vclampのレベルに設定される。このため、リセット信号Spの検出期間t16_1~t17において、ゲート信号GATE2は、出力信号OUTshc1に交差しない。即ち、リセット信号Spは検出されない。信号処理回路108は、リセット信号Spが検出されないことを条件に、その画素信号をフルコード化する。これにより、高輝度光による画像の黒化を抑制することができる。尚、データ信号Sd2は、検出開始t18からゲート信号GATE2が出力信号OUTshc1に交差する時点t18_2までの時間t18~t18_2として検出されるが、このデータ信号Sd2は、画素信号のフルコード化の条件に用いても、用いなくてもよい。
これにより、信号処理回路108は、高輝度光が画素PXに入射していると判断することができ、高輝度光が画像において黒化することを抑制できる。即ち、第8実施形態によれば、第1保持回路SHC1がリセット信号Spを保持し、第2保持回路SHC2がデータ信号Sdを保持する場合であっても、高輝度光による画像の黒化を抑制することができる。
尚、第8実施形態では、リセット信号Spおよびデータ信号Sdの検出の順番は逆であってもよい。この場合、オートゼロ動作において、第2保持回路SHC2のクランプスイッチSwCL2がオンのときに、クランプトランジスタTnCL2が、トランジスタTr2のドレインをクランプ電圧Vclampに設定する場合もある。この場合、クランプトランジスタTnCL2からの出力信号OUTshc2の検出時に、参照信号RAMPがクランプされる。
第8実施形態は、高感度リセット信号NH2、高感度リセット信号NH1、高感度データ信号SH1、高感度データ信号SH2、低感度データ信号SL、低感度リセット信号NLのそれぞれの読出しに適用することができる。従って、第8実施形態は、これらの信号の高輝度光による画像の黒化を抑制することができる。
(第9実施形態)
図24は、第9実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例を示す回路図である。第9実施形態は、第7実施形態によるSH部125を、第2実施形態に適用した実施形態である。第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1と同じ構成を有する。コンパレータ121は、第2実施形態のコンパレータ121と同じ構成を有する。
第9実施形態による第1および第2保持回路SHC1、SHC2の動作は、互いに動作タイミングにおいて異なるものの、基本的に、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1と同様に動作する。第9実施形態によるコンパレータ121の動作は、第2実施形態のコンパレータ121の動作と同様である。よって、第9実施形態によれば、第2および第7実施形態の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
図25は、第10実施形態による画素PX、SH部125およびコンパレータ121の構成例を示す回路図である。第10実施形態は、第7実施形態によるSH部125を、第3実施形態に適用した実施形態である。第1および第2保持回路SHC1、SHC2は、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1と同じ構成を有する。コンパレータ121は、第3実施形態のコンパレータ121と同じ構成を有する。
第10実施形態による第1および第2保持回路SHC1、SHC2の動作は、互いに動作タイミングにおいて異なるものの、基本的に、それぞれ第7実施形態の第1保持回路SHC1の動作と同様である。第10実施形態によるコンパレータ121の動作は、第3実施形態のコンパレータ121の動作と同様でよい。よって、第10実施形態によれば、第3および第7実施形態の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
図26は、第11実施形態によるSH部125の構成例を示す回路図である。第11実施形態は、第7実施形態によるSH部125を、第4実施形態に適用した実施形態である。
第11実施形態によるSH部125の動作は、基本的に、それぞれ第7実施形態のSH部125の動作と同様である。よって、第11実施形態によれば、第4および第7実施形態の効果を得ることができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
入射光を画素信号に光電変換する光電変換素子を含む画素部と、
前記画素部からの画素信号をデジタル信号へ変換するAD変換部と、
前記画素部と前記AD変換部との間に設けられ、前記画素信号を保持する第1保持回路と、
前記画素部と前記AD変換部との間に設けられ、前記画素信号を保持する第2保持回路と、
前記第1および第2保持回路のいずれかを前記AD変換部に接続可能であり、前記第1または第2保持回路に保持された前記画素信号を前記AD変換部へ選択的に伝達する選択回路とを備える固体撮像装置。
(2)
前記画素部と前記AD変換部との間に設けられ、前記画素信号をそのまま伝達するバイパス信号線をさらに備え、
前記選択回路は、前記第1保持回路、前記第2保持回路および前記バイパス信号線のいずれかを前記AD変換部に接続可能であり、前記第1保持回路に保持された前記画素信号、前記第2保持回路に保持された前記画素信号、または、前記バイパス信号線を伝達する前記画素信号を前記AD変換部へ選択的に伝達する、(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記第1保持回路は、
一端が前記画素部に接続され前記画素信号を蓄積可能な第1キャパシタと、
ゲートが前記第1キャパシタの他端に接続され、ドレインが電流源および前記選択回路に接続された第1トランジスタとを備え、
前記第2保持回路は、
一端が前記画素部に接続され前記画素信号を蓄積可能な第2キャパシタと、
ゲートが前記第2キャパシタの他端に接続され、ドレインが電流源および前記選択回路に接続された第2トランジスタとを備える、(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記第1保持回路は、
前記第1キャパシタと前記画素部との間に設けられた第1スイッチと、
前記第1トランジスタのドレインと前記第1キャパシタの前記一端との間に接続された第2スイッチと、
前記第1トランジスタのドレインと前記第1キャパシタの前記他端との間に接続された第3スイッチとを備え、
前記第2保持回路は、
前記第2キャパシタと前記画素部との間に設けられた第4スイッチと、
前記第2トランジスタのドレインと前記第2キャパシタの前記一端との間に接続された第5スイッチと、
前記第2トランジスタのドレインと前記第2キャパシタの前記他端との間に接続された第6スイッチとを備える、(3)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記画素部から前記画素信号を前記第1キャパシタにサンプリングするときに、前記第1および第3スイッチが導通状態になり、前記第2スイッチは非導通状態であり、
前記前記第1キャパシタが前記画素信号を保持するときに、前記第1および第3スイッチが非導通状態になり、前記第2スイッチが導通状態になり、
前記画素部から前記画素信号を前記第2キャパシタにサンプリングするときに、前記第4および第6スイッチが導通状態になり、前記第5スイッチは非導通状態であり、
前記前記第2キャパシタが前記画素信号を保持するときに、前記第4および第6スイッチが非導通状態になり、前記第5スイッチが導通状態になる、(4)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記第1および第2保持回路は、互いに異なるタイミングで前記画素信号をサンプリングする、(5)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記第1保持回路が前記画素信号のうち第1画素信号を保持し、前記選択回路が前記第1保持回路からの該第1画素信号を前記AD変換部へ出力している期間に、前記第2保持回路は、前記画素信号のうち第2画素信号をサンプリングし、
前記第2保持回路が前記第2画素信号を保持し、前記選択回路が前記第2保持回路からの該第2画素信号を前記AD変換部へ出力している期間に、前記第1保持回路は、前記画素信号のうち他の画素信号をサンプリングする、(5)または(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記第1保持回路は、
一端が前記画素部に接続され、他端が基準電圧源に接続され、前記画素信号を蓄積可能な第1キャパシタと、
ゲートが前記第1キャパシタの前記一端に接続され、ソースが電流源および前記選択回路に接続された第1トランジスタとを備え、
前記第2保持回路は、
一端が前記画素部に接続され、他端が基準電圧源に接続され、前記画素信号を蓄積可能な第2キャパシタと、
ゲートが前記第2キャパシタの前記一端に接続され、ソースが電流源および前記選択回路に接続された第2トランジスタとを備える、(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(9)
前記第1保持回路は、前記第1キャパシタの前記一端と前記画素部との間に設けられた第1スイッチを備え、
前記第2保持回路は、前記第2キャパシタ前記一端と前記画素部との間に設けられた第2スイッチを備える、(8)に記載の固体撮像装置。
(10)
前記画素部から前記画素信号を前記第1キャパシタにサンプリングするときに、前記第1スイッチが導通状態になり、
前記前記第1キャパシタが前記画素信号を保持するときに、前記第1スイッチが非導通状態になり、
前記画素部から前記画素信号を前記第2キャパシタにサンプリングするときに、前記第2スイッチが導通状態になり、
前記前記第2キャパシタが前記画素信号を保持するときに、前記第2スイッチが非導通状態になる、(9)に記載の固体撮像装置。
(11)
前記第1および第2キャパシタは、互いに異なるタイミングで前記画素信号をサンプリングする、(10)に記載の固体撮像装置。
(12)
前記第1保持回路が前記画素信号のうち第1画素信号を保持し、前記選択回路が前記第1保持回路からの該第1画素信号を前記AD変換部へ出力している期間に、前記第2保持回路は、前記画素信号のうち第2画素信号をサンプリングし、
前記第2保持回路が前記第2画素信号を保持し、前記選択回路が前記第2保持回路からの該第2画素信号を前記AD変換部へ出力している期間に、前記第1保持回路は、前記画素信号のうち他の画素信号をサンプリングする、(10)または(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
前記画素部と前記第1および第2保持回路との間に接続され前記画素信号を伝達する第1信号線に接続された負性容量回路をさらに備え、
前記負性容量回路は、
前記第1信号線に入力端子が接続されたアンプと、
前記アンプの前記入力端子と出力端子との間に接続されたキャパシタとを備える、(1)から(12)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(14)
前記画素部の各画素は、互いに受光面積が異なる第1および第2光電変換素子を含む、(1)から(13)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(15)
前記画素部の各画素は、
前記光電変換素子からの電荷を蓄積する第1および第2浮遊拡散層と、
前記第1浮遊拡散層の電位に基づいた前記画素信号を出力する増幅トランジスタと、
前記第1浮遊拡散層と前記第2浮遊拡散層との間に設けられた第7スイッチとを備え、
前記第7スイッチを非導通状態にしたときに、前記増幅トランジスタは、前記第1浮遊拡散層の電位に基づく前記画素信号を出力し、
前記第7スイッチを導通状態にしたときに、前記増幅トランジスタは、前記第1および第2浮遊拡散層を結合した領域の電位に基づいた前記画素信号を出力する、(1)から(14)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(16)
前記第1保持回路は、
電源と前記第1トランジスタのドレインとの間に直列に接続された第3トランジスタおよび第8スイッチとをさらに備え、
前記第2保持回路は、
前記電源と前記第2トランジスタのドレインとの間に直列に接続された第4トランジスタおよび第9スイッチとをさらに備えている、(3)から(7)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(17)
前記第3トランジスタおよび前記第8スイッチは、前記電流源に対して並列に接続されており、
前記第4トランジスタおよび前記第9スイッチは、前記電流源に対して並列に接続されている、(16)に記載の固体撮像装置。
(18)
前記第3および第4トランジスタのゲートに所定の第1電圧を印加する電圧生成回路をさらに備え、
前記第8スイッチが導通状態のときに、前記第3トランジスタは、前記第1トランジスタのドレインを前記第1電圧に応じたクランプ電圧に設定し、
前記第9スイッチが導通状態のときに、前記第4トランジスタは、前記第2トランジスタのドレインを前記クランプ電圧に設定する、(16)または(17)に記載の固体撮像装置。
(19)
前記AD変換部において比較される前記1保持回路で保持された前記画素信号と参照信号とを等しくするオートゼロ動作において、前記第8スイッチが導通状態となり、
前記AD変換部において比較される前記2保持回路で保持された前記画素信号と前記参照信号とを等しくするオートゼロ動作において、前記第9スイッチが導通状態となる、(16)から(18)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
尚、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。