WO2023127878A1 - 自動分析装置及び自動分析装置の試薬分注方法 - Google Patents

自動分析装置及び自動分析装置の試薬分注方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置内を含む環境の温度にかかわらず反応容器内へ吐出される試薬の温度を簡単且つ安価に安定化させることができる自動分析装置及び分注方法を提供する。 【解決手段】本発明の自動分析装置1は、温度測定部82により測定される環境温度及び/又は反応容器54に吐出されるべき試薬の設定された目標温度に基づいて、試薬ノズル78を通じて反応容器54に試薬を吐出する動作の開始前に、温調部80よりも下流側の試薬流路60内及び試薬ノズル78内に既に存在していた試薬である既存試薬の一部又は全部を反応容器54に吐出させずに試薬流路60外へ吐出させることにより、反応容器54に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率を制御回路42により制御するようになっている。

Description

自動分析装置及び自動分析装置の試薬分注方法
 本発明は、血液や尿などのサンプル(検体)を種々の試薬と反応させてその反応過程、反応経過、反応結果等を測定することにより様々な分析項目に関して測定情報を得ることができる自動分析装置及び自動分析装置の試薬分注方法に関する。
 血液凝固分析装置や、免疫測定法を用いた分析装置など、血液や尿などの生体サンプルを種々の試薬と反応させてその反応過程、反応経過、反応結果等を測定することにより様々な分析(検査)項目に関して測定情報を得ることができる自動分析装置は、従来から様々な形態のものが知られており、例えば、サンプルとしての検体を検体容器から反応容器に分注し、その分注した検体に検査項目に応じた試薬を分注混合させて各種の測定及び分析を行なう(例えば、特許文献1参照)。具体的には、例えば、臨床検査用の自動分析装置では、試料と試薬とを一定量分注して反応させた後、一定時間後の反応液の発光量や吸光度を測定し、測定結果(測光結果)に基づき測定対象物質の濃度や活性値等の検査値を求める。
特開2019-135497号公報
 このような自動分析装置においては、検体に分注混合される試薬の温度のばらつきが測定値に影響を与えることが知られており、そのため、正確な測定値を得るために、試薬の温度を目標温度に設定してばらつきがないように制御する正確な温調制御が求められる。
 しかしながら、そのような温調制御は、装置内温度(環境温度)に幅があっても、すなわち、環境温度と目標試薬温度との差に幅があっても、反応容器内へ吐出される試薬の温度を安定化させることが必要であり、そのためには、試薬を加温してその温度を調整するヒータ等の温調部の設定温度を細かく制御する機構など、特別な機構が必要となり、高価となる。
 本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、装置内を含む環境の温度にかかわらず反応容器内へ吐出される試薬の温度を簡単且つ安価に安定化させることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
 上記した目的を達成するために、本発明は、検体を試薬と反応させてその反応経過及び/又は反応結果を測定することにより所定の分析項目に関して測定情報を得る自動分析装置であって、液状の試薬を反応容器に分注する分注ノズルと、前記試薬を試薬供給部から前記分注ノズルまで移送する試薬流路と、前記試薬流路を部分的に温調する温調部と、環境温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部により測定される前記環境温度及び/又は前記反応容器に吐出されるべき試薬の設定された目標温度に基づいて、前記分注ノズルを通じて前記反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に、前記温調部よりも下流側の前記試薬流路内及び前記分注ノズル内に既に存在していた試薬である既存試薬の一部又は全部を前記反応容器に吐出させずに前記試薬流路外へ吐出させることにより、前記反応容器に吐出される試薬の全量に対する前記既存試薬の量の比率を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
 上記構成の自動分析装置によれば、環境温度及び/又は試薬の設定された目標温度に基づいて、反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に、温調部よりも下流側の試薬流路内及び分注ノズル内に既に存在していた既存試薬の一部又は全部を試薬流路外へ吐出させることにより、反応容器に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率を制御するようになっているため、温調部により温調された試薬よりも一般的に温度が低下されている既存試薬の反応容器内への吐出割合(既存試薬と温調試薬との混合比率)が環境温度に基づいて(既存試薬の温度に基づいて)制御されることとなる。
 したがって、環境温度に幅があっても、すなわち、環境温度と目標試薬温度との差に幅があっても、試薬のロスを最小限に抑えつつ且つ温調部の出力を一定に保ちつつ、反応容器内へ吐出される試薬の温度を迅速に目標温度に設定してそれを安定化させることができる。その結果、温調部の設定温度を細かく制御する機構など、特別な機構が不要となる(装置に複雑な構造を必要としない)。つまり、本発明の上記構成によれば、装置内を含む環境の温度にかかわらず反応容器内へ吐出される試薬の温度を簡単且つ安価に安定化させることができ、試薬の温度を目標温度に設定してばらつきがないように制御する正確な温調制御を行なって、正確な測定値を得ることができる。
 なお、上記構成において、「温調部」とは、ヒータ等によって試薬を加温してその温度を調整するものであれば、どのような形態であってもよい。また、上記構成において、「温調」は、加温、保温、冷却を含む。
 また、上記構成において、「比率」は0を含む。すなわち、環境温度によっては(例えば、環境温度が過度に低い場合には)既存試薬の全部を反応容器に吐出させずに試薬流路外へ吐出させる場合もあり、その場合には、反応容器に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率が0になる。ここで、「環境温度」とは、装置の作動領域を取り巻く環境の温度を指し、装置内温度や外気温度を含む。
 また、上記構成において、「既存試薬の一部又は全部を反応容器に吐出させずに試薬流路外へ吐出させる」とは、そのような吐出動作を実現し得る機能部を制御部によって制御することを意味する。そのような制御としては、分注ノズルを通じて試薬を反応容器に吐出させる吐出位置に対して分注ノズル又は反応容器を移動させる駆動部(機能部)の動作タイミングを制御部によって制御すること、試薬流路外への試薬の吐出を可能にする開閉弁の動作を制御部によって制御することなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
 また、上記構成において、制御部は、分注ノズルを通じて反応容器に試薬を吐出するそれぞれの動作ごとに比率を制御することが好ましい。これによれば、各検体ごとに安定した目標温度の試薬を分注でき、それぞれの検体ごとに正確な測定値を得ることができるとともに、環境温度の短時間の急な変化にもうまく対応して良好な試薬温度管理を実現できる。
 また、上記構成において、制御部は、反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に試薬流路外へ吐出させる試薬の量を少なくとも環境温度と対応付けて規定する制御テーブルに基づいて比率を制御することが好ましい。これによれば、画一的な温度管理を実現して、容易且つ正確な温度制御を可能にし得る。
 さらに本発明は、液状の試薬を反応容器に分注する分注ノズルと、試薬供給部から前記分注ノズルまで前記試薬を移送する試薬流路と、該試薬流路の一部に設けられた温調部と、温度測定部とを備える自動分析装置において、前記試薬を所定の目標温度で前記反応容器に分注して、検体を試薬と反応させてその反応経過及び/又は反応結果を測定することにより所定の分析項目に関しての測定情報を得る自動分析装置の試薬の分注方法であって、
 環境温度及び前記目標温度に基づいて、前記温調部よりも下流側の前記試薬流路内及び前記分注ノズル内に存在している前記試薬を前記試薬流路外に吐出量を算出する第1の工程と、
 前記温調部により加温しつつ前記試薬を前記試薬流路内を通過させることにより、算出した前記吐出量の前記試薬を前記分注ノズルから前記反応容器以外の場所に吐出する第2の工程と、
 その後前記試薬を前記反応容器に分注する第3の工程と、
 を備えることを特徴とする。
 このように、反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に、温調部よりも下流側の試薬流路内及び分注ノズル内に既に存在していた既存の温度調整されていない試薬(既存試薬)の一部又は全部を試薬流路外へ吐出させて、反応容器に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率を制御することにより、温調部により温調された試薬よりも一般的に温度が低下されている既存試薬の反応容器内への吐出割合(既存試薬と温調試薬との混合比率)を環境温度に基づいて調整可能となる。
 したがって、環境温度に幅があっても、すなわち、環境温度と目標試薬温度との差に幅があっても、試薬のロスを最小限に抑えつつ且つ温調部の出力を一定に保ちつつ、反応容器内へ吐出される試薬の温度を迅速に目標温度に設定してそれを安定化させることができる。
 本発明によれば、装置内を含む環境の温度にかかわらず反応容器内へ吐出される試薬の温度を簡単且つ安価に安定化させることができる自動分析装置及び自動分析装置の分注方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る自動分析装置の概略的な全体外観図である。 図1の自動分析装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図1の自動分析装置の本発明に係る特徴部の主要構成を示す概略図である。 図3の構成における一実施態様を示す概略図である。
 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
 図1は本実施形態の自動分析装置1の概略的な全体外観図、図2は図1の自動分析装置1の概略的な内部構成を示すブロック図である。本実施形態の自動分析装置1は、図2に示されるように、血液や尿などの人から採取した検体が分注された反応容器54を保持する反応容器設置部40と、試薬容器74内の試薬を反応容器54に供給する試薬供給部70とを備え、試薬供給部70から反応容器54に供給される試薬を反応容器54内の検体と反応させて検出器64によって反応過程又は結果を測定する(試薬と検体とを混合して反応させた混合液を測定する)ことにより所定の分析(検査)項目に関して測定情報を得るものである。
 具体的に、本実施形態の自動分析装置1は、筐体100によってその外枠が形成されるとともに、筐体100内の上部に検体処理空間を形成して成る(図1参照)。
 図2に明確に示されるように、自動分析装置1は、制御ユニット10と、測定ユニット30と、表示・操作ユニットとを備える。本実施形態では、表示・操作ユニットとして例えばタッチスクリーン190が設けられる。
 制御ユニット10は、自動分析装置1の全体の動作を制御する。制御ユニット10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)によって構成される。制御ユニット10は、バスライン22を介して互いに接続されたCentral Processing Unit(CPU)12、Random Access Memory(RAM)14、Read Only Memory(ROM)16、ストレージ18、及び、通信インターフェース(I/F)20を備える。CPU12は、各種信号処理等を行なう。RAM14は、CPU12の主記憶装置として機能する。RAM14には、例えば、Dynamic RAM(DRAM)、Static RAM(SRAM)等が用いられ得る。ROM16は、各種起動プログラム等を記録している。ストレージ18には、例えば、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)等が用いられ得る。ストレージ18には、CPU12で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。また、ストレージ18には、測定ユニット30で取得されたデータが記録される。RAM14及びストレージ18は、これに限らず各種記憶装置に置換され得る。制御ユニット10は、通信I/F20を介して外部の機器、例えば測定ユニット30及びタッチスクリーン190との通信を行なう。
 タッチスクリーン190は、表示部としての表示装置192と、操作部等としての例えばタッチパネル194とを備える。表示装置192は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイ等を含み得る。表示装置192は、制御ユニット10の制御下で、各種画面を表示する。この画面には、試薬量に関連する表示画面、自動分析装置1の操作画面、測定結果を示す画面、解析結果を示す画面など、各種画面が含まれ得る。タッチパネル194は、表示装置192の上に設けられている。タッチパネル194は、ユーザからの入力を取得し、得られた入力情報を制御ユニット10へと伝達する。
 制御ユニット10は、通信I/F20を介して、プリンタ、ハンディコードリーダ、ホストコンピュータなど、他の機器と接続してもよい。
 測定ユニット30は、制御部としての制御回路42と、データ処理回路44と、反応容器54と、検出器64と、検体容器72と、試薬容器74と、検体ノズル76と、液状の試薬を反応容器54に分注する分注ノズルとしての試薬ノズル78とを備える。本実施形態では、一例として、このような構成が挙げられるが、そのような配置形態に限定されない。
 制御回路42は、制御ユニット10からの指令に基づいて、測定ユニット30の各部の動作を制御する。制御回路42は、図示を省略しているが、データ処理回路44、検出器64、検体ノズル76、試薬ノズル78等と接続し、各部の動作を制御する。
 データ処理回路44は、検出器64に接続されており、検出器64から検出結果を取得する。データ処理回路44は、取得した検出結果に対して各種処理を行ない、処理結果を出力する。データ処理回路44が行なう処理には、例えば、検出器64から出力されるデータの形式を、制御ユニット10で処理できる形式に変更するA/D変換処理等が含まれ得る。
 制御回路42及びデータ処理回路44は、例えば、CPU、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)等を含み得る。制御回路42及びデータ処理回路44は、それぞれ1つの集積回路等で構成されてもよく、或いは、複数の集積回路等が組み合わされて構成されてもよい。また、制御回路42及びデータ処理回路44が1つの集積回路等で構成されてもよい。制御回路42及びデータ処理回路44の動作は、例えば記憶装置や当該回路内の記録領域に記録されたプログラムに従って行なわれ得る。
 検体容器72には、例えば患者から採取した血液から得られた検体が収容される。試薬容器74には、測定に用いる各種試薬が収容される。検体容器72及び試薬容器74は、それぞれいくつ設けられていてもよい。分析に用いられる試薬は通常複数種類あるので、試薬容器74は一般に複数ある。検体ノズル76は、制御回路42の制御下で、検体容器72に収容された検体を反応容器54に分注する。試薬ノズル78は、制御回路42の制御下で、試薬供給部70内の試薬容器74から試薬流路60を通じて供給される試薬を反応容器54に分注する(これについては後述する)。検体ノズル76及び試薬ノズル78の数もいくつであってもよい。
 制御ユニット10は、測定ユニット30から取得したデータに基づいて、各種演算を行なう。この演算には、混合液の反応量の算出、反応量に基づく被検体中の測定目的物質の物質量や活性値の定量演算等が含まれる。これらの演算の一部又は全部を、データ処理回路44が行なってもよい。
 なお、ここでは、測定ユニット30の動作を制御するPCと、データ演算及び定量演算を行なうPCとが同一の制御ユニット10である場合を示したが、これらは、別体であってもよい。言い換えると、データ演算及び定量演算を行なうPCは、単体として存在し得る。
 次に、図3及び図4を参照して、自動分析装置1の特徴的構成である試薬供給構成、及び分注方法の処理手順の一例について説明する。
 前述したように、液状の試薬を反応容器54に分注する分注ノズルとしての試薬ノズル(例えばSUSノズル)78は、例えば樹脂製の配管から成る試薬流路60を介して、試薬供給部70の試薬容器(ここでは、シリンジ)74と接続される。試薬流路60の途中には、試薬流路60を部分的に温調するヒータ(例えば、アルミ製ブロックの筐体を伴う)から成る温調部80が設けられる。また、自動分析装置1の測定ユニット30は、環境温度を測定する温度センサなどから成る温度測定部82も有する。温調部80及びシリンジから成る試薬容器74の動作は制御回路42によって制御され、また、温度測定部82からの温度情報が制御回路42に入力されるようになっている。この場合、温調部80は一定の加温温度(例えば33℃~60℃の設定温度)に保たれるように制御され、また、試薬は、温調部80内の流路60Cにとどまること又はそれを通過することにより設定された目標温度となるように加温され、温調部80よりも上流側に位置される試薬流路60の上流側流路60A及び温調部80よりも下流側に位置される試薬流路60の下流側流路60Bでは温調されない。
 また、本実施形態では、一例として、試薬ノズル78を通じて試薬が反応容器54に吐出されるべき所定の吐出位置Pに対して反応容器54が回転テーブル等の移動体83によって移動されるようになっており、この移動体83も制御回路42によって制御される。
 この場合、特に、本実施形態では、36秒の周期で反応容器54に対する試薬吐出動作(試薬流路60を通じた試薬供給動作)が行なわれるようになっており、そのタイミングに合わせて反応容器54が移動体83により吐出位置Pに位置決めされる。そのため、これに対応して、図3に示される試薬供給系内の試薬の温度も36秒の周期で変動し得る。
 具体的には、図4の(a)に示されるように、前回の反応容器54内への試薬の吐出(以下、このような試薬吐出を反応試薬吐出という)から例えば34秒が経過するまでは試薬供給待機状態にあり、その間、試薬流路60の温調部80の上流側流路60A内及び下流側流路60B内の試薬90aは反応試薬吐出時の温調された温度よりも低下し得る。そして、前回の反応試薬吐出から34秒が経過した時点でシリンジである試薬容器74が作動され、試薬流路60を通じた試薬の流動が引き起こされる。このとき、図4の(b)に示されるように、試薬供給待機状態において試薬流路60の上流側流路60A内及び温調部80内の流路60Cに存在していた試薬は、温調部80を通過して加温された後、下流側流路60B内へと移動する(勿論、下流側流路60B内に存在していた試薬は試薬ノズル78を通じて試薬流路60外へ吐出される)。図4の(b)では、この温調(加温)されて下流側流路60B内に移動した試薬90bが斜線で示されている。その後、2秒経過した後(すなわち、前回の反応試薬吐出から36秒後)、吐出位置Pに移動されてきた反応容器54に対して試薬ノズル78を通じて試薬が吐出される次の反応試薬吐出が行なわれる。
 このような一連の試薬吐出動作に関連して、本実施形態において、制御回路42は、温度測定部82により測定される環境温度及び/又は反応容器54に吐出されるべき試薬の設定された目標温度に基づいて、試薬ノズル78を通じて反応容器54に試薬を吐出する反応試薬吐出動作の開始前に、試薬供給待機状態で温調部80よりも下流側の試薬流路60の下流側流路60B内及び試薬ノズル78内に既に存在していた試薬である既存試薬の一部又は全部を反応容器54に吐出させずに試薬流路60外へ吐出させることにより、反応容器54に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率を制御するようになっている。
 この場合、既存試薬の一部又は全部を反応容器54に吐出させずに試薬流路60外へ吐出させる動作は、移動体83を伴う本実施形態では、吐出位置Pに対して反応容器54を移動させる移動体83の動作タイミングを制御回路42によって制御することにより行なわれる(すなわち、試薬ノズル78と対向される吐出位置Pに反応容器54が位置決めされるまでの間に試薬ノズル78を通じて既存試薬を試薬流路60外へ吐出させる)が、他の実施形態では、例えば、図3に破線で示されるように、試薬ノズル78の上流側で試薬流路60外への試薬の吐出を可能にする開閉弁92の動作を制御回路42によって制御することによって行なわれてもよい。また、試薬ノズル78を吐出位置Pとは別の吐出位置(図示せず)において、廃液部(図示せず)に試薬ノズル78を通じて既存試薬を試薬流路60外へ吐出させるよう動作タイミングを制御回路42によって制御することにより行われてもよい。
 つまり、このような試薬吐出制御では、例えば、試薬供給待機状態において下流側流路60B内に既に存在していた既存試薬(反応試薬吐出時よりも温度が低い)90aと試薬供給待機状態で温調部80の上流側流路60Aや温調部80内の流路60Cに存在していて温調部による加温後に下流側流路60B内に流入してきた温調試薬(斜線で示される試薬部分)90bとが下流側流路60B内に混在する図4の(b)に示される状態で破線で示されるように反応容器54が所定のタイミングで吐出位置Pに移動され、あるいは、下流側流路60B内が完全に温調試薬90bのみによって満たされた図4の(c)に示される状態で反応容器54が所定のタイミングで吐出位置Pに移動されるように制御される。なお、このような比率制御は各反応試薬吐出動作ごとに行なわれる。
 また、このような比率制御は、反応試薬吐出動作の開始前に試薬流路60外へ吐出される試薬の量を環境温度と対応付けて規定する以下の表1に示されるような制御テーブルに基づいて行なわれてもよい。なお、この制御テーブルは、反応容器54に吐出される試薬の全量(反応試薬吐出量)Qが一定の300μL、試薬供給待機状態で温調部80よりも下流側の試薬流路60の下流側流路60B内及び試薬ノズル78内に既に存在している既存試薬の全量(非加温液量;既存液量)Q1が221.4μL、試薬の目標温度T0が37.5℃であるときに、反応試薬吐出動作開始前に試薬流路60外へ吐出される試薬の量(廃棄試薬吐出量;最大350μL)q、反応容器54に吐出されるQに含まれる廃棄試薬吐出後の既存試薬の量Q2を環境温度(ここでは、装置内温度)Tと対応付けて規定している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 この制御テーブルにおいて、制御回路42によって制御される前述した比率、すなわち、反応容器54に吐出される試薬の全量(反応試薬吐出量300μL)Qに対する廃棄試薬吐出後の既存試薬の量Q2の比率Q2/Qは、環境温度が21.9℃以下のときには0である。すなわち、既存試薬90aの全部を反応容器54に吐出させずに試薬流路60外へ吐出させることになる。言い換えると、下流側流路60B内が完全に温調試薬90bのみによって満たされた図4の(c)の状態で反応容器54が所定のタイミングで吐出位置Pに移動されるように制御される。一方、環境温度が21.9℃を超えると、比率が次第に増大し、既存試薬90aの一部のみを反応容器54に吐出させずに試薬流路60外へ吐出させることになる。言い換えると、既存試薬90aと温調試薬90bとが下流側流路60B内に混在する図4の(b)の状態で反応容器54又は試薬ノズル78が所定のタイミングで吐出位置Pに移動されるように制御される。そして、環境温度が30℃を超えると、比率は増大し続けるが、それに伴って、廃棄試薬吐出量qが0になる。すなわち、下流側流路60B内に温調試薬90bが存在しない図4の(a)の状態で反応容器54又は試薬ノズル78が吐出位置Pに移動されるように制御される(その後は、Q1を超える分だけ温調試薬が反応容器内へ分注される)。なお、表1中の制御テーブルは、便宜上、環境温度Tを1.0℃刻みで示しているが、実際には、更に細分化された温度データに基づいて廃棄試薬吐出量q等が規定されている。
 以上説明したように、本実施形態の自動分析装置1及び自動分析装置の分注方法によれば、環境温度及び/又は試薬の設定された目標温度に基づいて、反応容器54に試薬を吐出する動作の開始前に、温調部80よりも下流側の試薬流路60内及び試薬ノズル78内に既に存在していた既存試薬の一部又は全部を試薬流路60外へ吐出させることにより、反応容器54に吐出される試薬の全量に対する既存試薬の量の比率を制御するようになっているため、温調部80により温調された試薬よりも一般的に温度が低下されている既存試薬の反応容器54内への吐出割合(既存試薬と温調試薬との混合比率)が環境温度に基づいて(既存試薬の温度に基づいて)制御されることとなる。
 したがって、環境温度に幅があっても、すなわち、環境温度と目標試薬温度との差に幅があっても、試薬のロスを最小限に抑えつつ且つ温調部80の出力を一定に保ちつつ、反応容器54内へ吐出される試薬の温度を迅速に目標温度に設定してそれを安定化させることができる。その結果、温調部80の設定温度を細かく制御する機構など、特別な機構が不要となる(装置に複雑な構造を必要としない)。つまり、本実施形態の上記構成によれば、装置1内を含む環境の温度にかかわらず反応容器54内へ吐出される試薬の温度を簡単且つ安価に安定化させることができ、試薬の温度を目標温度に設定してばらつきがないように制御する正確な温調制御が可能となり、正確な測定値を得ることができる。
 なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、温調部、試薬容器、試薬ノズル等の構成は前述した構成に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
1 自動分析装置
42 制御回路(制御部)
60 試薬流路
70 試薬供給部
78 試薬ノズル(分注ノズル)
80 温調部
82 温度測定部

Claims (4)

  1.  検体を試薬と反応させてその反応経過及び/又は反応結果を測定することにより所定の分析項目に関して測定情報を得る自動分析装置であって、
     液状の試薬を反応容器に分注する分注ノズルと、
     前記試薬を試薬供給部から前記分注ノズルまで移送する試薬流路と、
     前記試薬流路を部分的に温調する温調部と、
     環境温度を測定する温度測定部と、
     前記温度測定部により測定される前記環境温度及び前記反応容器に吐出されるべき試薬の設定された目標温度に基づいて、前記分注ノズルを通じて前記反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に、前記温調部よりも下流側の前記試薬流路内及び前記分注ノズル内に既に存在していた試薬である既存試薬の一部又は全部を前記反応容器に吐出させずに前記試薬流路外へ吐出させることにより、前記反応容器に吐出される試薬の全量に対する前記既存試薬の量の比率を制御して、前記試薬流路内に吐出する試薬の温度を前記目標温度に調整する制御部と、
     を備えることを特徴とする自動分析装置。
  2.  前記制御部は、前記分注ノズルを通じて前記反応容器に試薬を吐出するそれぞれの動作ごとに前記比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3.  前記制御部は、前記反応容器に試薬を吐出する動作の開始前に前記試薬流路外へ吐出させる試薬の量を少なくとも前記環境温度と対応付けて規定する制御テーブルに基づいて前記比率を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動分析装置。
  4.  液状の試薬を反応容器に分注する分注ノズルと、試薬供給部から前記分注ノズルまで前記試薬を移送する試薬流路と、該試薬流路の一部に設けられた温調部と、温度測定部とを備える自動分析装置において、前記試薬を所定の目標温度で前記反応容器に分注して、検体を試薬と反応させてその反応経過及び/又は反応結果を測定することにより所定の分析項目に関しての測定情報を得る自動分析装置の試薬の分注方法であって、
     環境温度及び前記目標温度に基づいて、前記温調部よりも下流側の前記試薬流路内及び前記分注ノズル内に存在している前記試薬を前記試薬流路外に吐出量を算出する第1の工程と、
     前記温調部により加温しつつ前記試薬を前記試薬流路内を通過させることにより、算出した前記吐出量の前記試薬を前記分注ノズルから前記反応容器以外の場所に吐出する第2の工程と、
     その後前記試薬を前記反応容器に分注する第3の工程と、
     を備えることを特徴とする自動分析装置の試薬分注方法。
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