WO2023119977A1

WO2023119977A1 - キャップならびにそのキャップを備えた容器およびそのキャップを備えた製品ならびにキャップの製造方法

Info

Publication number: WO2023119977A1
Application number: PCT/JP2022/042816
Authority: WO
Inventors: 博也森田; 真吾花咲; 保昭中村
Original assignee: 大和製罐株式会社
Priority date: 2021-12-23
Filing date: 2022-11-18
Publication date: 2023-06-29
Also published as: JPWO2023119977A1

Abstract

複数の角度に節度感を持って開閉させることができ、また外周側への突出部分をなくして意匠性を向上させる。　ベース部２の外周部に開閉蓋３に向けて延びて設けられたアーム部１５と、アーム部１５を開閉蓋３に回転可能に連結している軸部１８と、軸部１８を嵌合させている孔部１６とを有し、軸部１８は、断面形状が角形状をなし、かつ開閉蓋３と同一素材でかつ一体に形成され、孔部１６は、軸部１８の断面形状と同一の角形状をなすとともに軸部１８の外周全体を包み込みかつアーム部１５に形成されている。

Description

キャップならびにそのキャップを備えた容器およびそのキャップを備えた製品ならびにキャップの製造方法

　この発明は、開閉蓋をヒンジによって連結したキャップ、ならびにそのキャップを備えた容器、およびその容器を使用した製品、ならびにそのキャップの製造方法に関するものである。

　従来、化粧品や飲料あるいは調味料などの容器の蓋として、いわゆるワンタッチで容易に開閉できるヒンジ付きの蓋が多用されるようになってきている。その一例として、特許文献１には、容器の口部に取り付けられるキャップ本体に蓋をヒンジによって連結したキャップが記載されている。そのヒンジは、キャップ本体の外周部の一部と蓋の外周部の一部とを連結している合成樹脂製の薄板片であり、折曲げを容易にするために内面に溝が形成されている。また、このヒンジは、キャップ本体の外周部に軸線方向（縦向き）に設けたリブを挟んだ両側に設けられている。さらにこれらヒンジを挟んだ両側には、弾性膜がキャップ本体と蓋とを連結した状態で設けられている。この弾性膜は、蓋の開閉に伴って折り曲げられ、その途中に思案点があり、思案点を越えて折り曲げられることにより、蓋を開状態もしくは閉状態に維持するようになっている。

　一方、特許文献２には、容器本体にヒンジ部によって蓋体を連結した構成のコンパクト容器が記載されている。そのヒンジ部は、容器本体の周壁部分の一部に、容器本体の高さ方向に沿った凹部を形成し、その凹部に丁度嵌まり込む凸部を蓋体の周辺部に形成し、その凸部の先端部（下端部）に、凹部を横切るように容器本体に差し込んだピンを嵌合させた構成であって、そのピンを中心にして蓋体を容器本体に対して回転するように構成されている。したがって、特許文献２に記載された構成では、蓋体に一体に設けている凸部やその凸部を容器本体に連結しているピンが容器本体に形成した凹部の内部に収まっていて、容器の外周側に突出した部分が生じない。

　さらに、特許文献３には、上蓋が下蓋に対して段階的に回動するように構成した蓋の取り付け構造が記載されている。特許文献３の記載によれば、下蓋の後縁中央部に切欠き凹部が形成されるとともに、その切欠き凹部の互いに対向する面に、深部に向けて次第に内径が縮小する断面多角形状の係合孔が形成される一方、切欠き凹部に嵌まる突縁部が上蓋に形成され、その突縁部の左右両側面に、断面形状が上記の係合孔と同じ多角形状をなす多角錐状の係合突起が形成されている。

特開２００１－３２２６５９号公報特開２０１９－８０８５５号公報実公平３－３３２９３号公報

　しかしながら、特許文献１に記載されたキャップは、ヒンジならびにリブおよび弾性膜をキャップ本体あるいは蓋の外周側に突出させて設けた構成であるから、キャップのハンドリングあるいは搬送の際あるいはキャップを取り付けた容器のハンドリングもしくは搬送の際などに、ヒンジや弾性膜などが互いに引っ掛かり、あるいは周辺機器などに引っ掛かり、搬送の支障になったり、さらには他部品を損傷したりする可能性がある。また、ヒンジや弾性膜などは、キャップの滑らかな外表面の一部に突起として存在するので、キャップもしくはこれを取り付けた容器の外観あるいは意匠性を損なう要因になる可能性がある。

　また、特許文献２に記載されたコンパクト容器は、蓋体がピンを中心に回転する構成であるから、蓋体はいずれの角度にも回転してしまう。特に特許文献２の記載によれば、ピンにおける穴部に嵌め合わされる長さを調整することによって、蓋体の開き角度を任意の角度に維持することができる、とされている。すなわち、蓋体を所定の角度に開いた状態に維持させることができるが、上述した特許文献１に記載されている弾性膜によるような思案点が生じず、また蓋体の開き操作に対する抵抗力に変化がないので、蓋体を所定の角度に開いたことの感触である節度感あるいは回り止め機能（ディテント（detent）機能）を得ることができない。

　さらに、特許文献３に記載された構成では、係合突起が多角錐状をなしているために、その先端側の部分の径が小さくなって捩り剛性が低くならざるを得ず、その結果、係合突起の先端側の部分で摩耗や破損が生じやすく、耐久性の点で実用性に欠ける可能性がある。また、係合突起の角部（稜線の部分）が係合突起の中心軸線（上蓋の回転中心軸線）に対して傾斜しているので、上蓋を開閉するように回転させた場合に、係合突起と係合孔との間でスラスト力が作用する。その作用方向は、突縁部を縮ませ、また切欠き凹部を広げる方向、すなわち係合突起と係合孔とが相互に抜け出る方向である。そのため、特許文献３に記載の構成では、上蓋の下蓋に対する取り付けにガタが生じたり、上蓋が外れてしまったりするなど、商品性あるいは品質に劣る懸念がある。

　この発明は、上述した技術的課題に着目してなされたものであって、複数の角度に節度感を持って開閉させることができ、また外周側への突出部分をなくして意匠性を向上させることができ、さらには耐久性に優れたキャップ、ならびにそのキャップを用いた容器および製品、およびその製造方法を提供することを目的とするものである。

　上述した目的を達成するために、この発明のキャップは、口部を有するベース部と、前記口部を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋を前記口部を閉じた位置と前記口部を開いた位置とに回動させるように前記開閉蓋を前記ベース部に連結しているヒンジとを備えているキャップであって、前記ヒンジは、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか一方の部材の外周部に、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか他方の部材に向けて延びて設けられたアーム部と、前記他方の部材の外周部に、前記アーム部を収容するように切り欠いて形成された収容部と、前記アーム部を前記他方の部材に回転可能に連結している軸部と、前記軸部を嵌合させている孔部とを有し、前記軸部は、一定の断面形状で所定の長さを有するとともに前記断面形状が角部の丸まった角形状をなし、かつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか一方と同一素材でかつ一体に形成され、前記孔部は、前記軸部の断面形状と同一の角形断面形状をなすとともに前記軸部の外周全体を包み込みかつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか他方に形成されていることを特徴とするものである。

　この発明では、前記軸部は、前記収容部の前記アーム部側を向く互いに対向する内面のそれぞれに前記アーム部に向けて突出しかつ前記アーム部全体としての長さが前記内面同士の間隔より短い長さで形成され、前記孔部は、前記アーム部の前記収容部における前記内面を向く面に開口するように前記アーム部に形成されていてよい。

　この発明では、前記軸部の先端部と前記先端部が対向する前記孔部の内端面とが密着していて前記先端部と前記内端面との間にクリアランスがない構成であってよい。

　この発明では、前記一方の部材は、筒状の周壁部を有し、前記アーム部は、前記周壁部の一部が前記周壁部の軸線方向に延びた形状に形成され、前記他方の部材は、前記他方の部材の外周面と前記アーム部の外面とが面一に一致した状態でかつ前記軸部を中心にして回転可能に前記アーム部を収容する収容部を有していてよい。

　この発明では、前記ベース部と前記開閉蓋とは、互いに溶着しない互いに異なる合成樹脂素材によって形成されていてよい。

　この発明では、前記角形状は、角部の丸まった正六角形状もしくは正五角形状であってよい。

　この発明では、前記一方の部材と前記他方の部材とに、前記開閉蓋が前記口部を閉じた状態で弾性変形して相互に引っ掛かることにより前記開閉蓋を前記口部を閉じた状態に保持する係合部が設けられていてよい。

　この発明は、内容物を入れる胴部と、前記胴部の上端部に形成された開口部とを有する容器であって、上述したいずれかの構成のキャップが取り付けられていることを特徴とするものである。

　この発明は、胴部と、前記胴部の上端部に形成された開口部とを備えた容器に流動性の内容物を入れた製品であって、上述したいずれかの構成のキャップが取り付けられていることを特徴とするものである。

　この発明は、口部を有するベース部と、前記口部を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋を前記口部を閉じた位置と前記口部を開いた位置とに回動させるように前記開閉蓋を前記ベース部に対して連結しているヒンジとを備え、前記ヒンジは、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか一方の部材の外周部に、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか他方の部材に向けて延びて設けられたアーム部と、前記他方の部材の外周部に、前記アーム部を収容するように切り欠いて形成された収容部と、前記アーム部を前記他方の部材に回転可能に連結している軸部と、前記軸部を嵌合させている孔部とを有し、前記軸部は、一定の断面形状で所定の長さを有するとともに前記断面形状が角部の丸まった角形状をなし、かつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか一方と同一素材でかつ一体に形成され、前記孔部は、前記軸部の断面形状と同一の角形断面形状をなすとともに前記軸部の外周全体を包み込みかつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか他方に形成されているキャップの製造方法であって、前記一方の部材と前記他方の部材とのうち前記軸部を有する部材を合成樹脂によって作製し、ついで前記一方の部材と前記他方の部材とのうち前記軸部を前記孔部を有する部材を成形する成形型の内部に配置して、前記軸部を包み込むように前記孔部を有する前記部材をインサート成形することを特徴とする方法である。

　この発明のキャップによれば、ベース部と開閉蓋とが、その一方に設けられた軸部と他方に設けられた孔部とによって連結されている。なお、回転を可能にするためにアーム部を介在させてあり、そのアーム部はベース部と開閉蓋とのいずれか一方に設けられている。その軸部および孔部の断面形状は、軸部が中実でかつ孔部が中空の同一形状であり、角部に丸みがある角形状になっている。したがって、角部同士が一致して互いに嵌まっている状態では角部を乗り越えるための弾性変形を生じさせることに伴う反力が抵抗力となり、角部を乗り越えて角同士がずれた状態では、弾性変形に伴う内部応力が角部同士を一致させる方向に相対的な回転を促す力となる。なお、角部と角部との中間の位置（いわゆる辺の部分）にまでずれた状態では、ずれを戻す力とずれを進める力とがほぼ均衡するいわゆる思案点となる。したがって、開閉蓋をその思案点まで回転させて開けると、その思案点を過ぎた際に開閉蓋を更に開く作用が生じ、かつ軸部と孔部とにおける角部同士が一致した状態で蓋の回転が止まる。したがって、開閉蓋を開ける場合や、軸部と孔部との角部同士が一致している（はまり合っている）状態から開閉蓋を回転させる場合に、最初は力を掛ける必要があるものの、その後は開閉蓋がほぼ自立的に回転して所定角度まで開き、あるいは口部を閉じるから、開閉操作に節度感を持たせることができる。また、軸部と孔部との角部同士が一致している（はまり合っている）状態では外力を作用させない限りその状態を維持するので、開閉蓋を所定角度にまで開いた状態で容器を傾けても口部を開けたままとすることができ、容器から内容物を注ぎ出す際に開閉蓋が邪魔になるなどの事態を回避できる。さらに、軸部は、角形の一定の断面形状が所定の長さ続いている軸状の部分であるから、開閉蓋をベース部に対して開閉するように回転させた場合に軸部に対して捩りトルクが掛かるものの、スラスト力が作用することがない。そのため、軸部と孔部との嵌合状態あるいは開閉蓋のべース部に対する取り付け状態に緩み（ガタ）が生じにくく、耐久性に優れたキャップとすることができる。さらにまた、角部に丸みを持たせているので、角部の欠損やそのような変形による開閉異常を未然に回避もしくは防止でき、この点においても耐久性を向上させることができる。

　また、アーム部を他方の部材に形成した収容部に収容するので、ベース部や開閉蓋から外周側に突出した部分が生じず、したがってキャップをハンドリングもしくは搬送するなどの際や、キャップを取り付けた容器のハンドリングや搬送の際に、キャップあるいは容器もしくは製品が相互に引っ掛かったり、あるいは周辺の部材に引っ掛かったり、さらにはそれに伴って傷ついたりすることを回避もしくは抑制することができる。また、外部に現れている部分は、外側に突出していないだけでなく、屈曲や伸縮などの変形が生じない部分であるから、外表面の全体に加飾を施すことが可能になる。その結果、この発明によれば、輪郭（シルエット）が優れるだけでなく、装飾的にも優れたキャップを得ることができる。

　さらに、開閉蓋を閉じた状態で弾性変形して引っ掛かる係合部をベース部と開閉蓋とに設ければ、係合部が弾性変形して引っ掛かったことによって開閉蓋が完全に閉じたことを体感することができ、その点での節度感が良好になるとともに口部の封止が不完全になることを抑制することができる。

　また一方、この発明に係る容器あるいは製品によれば、それぞれに取り付けられているキャップが上述したように、開閉操作に節度感があり、また耐久性に優れているので、容器あるいは製品としての商品性あるいは品質を良好なものとすることができる。

　そして、この発明に係る製造方法によれば、孔部を形成する成形型に軸部をインサートした状態で、孔部を有する部材を成形する。すなわち、軸部が孔部を成形するための形成型の一部となるから、軸部と孔部との誤差が生じるおそれがなく、品質に優れたキャップを容易に製造することができる。また、インサート成形を完了した時点で、ベース部と開閉蓋とが組み上がった状態になるから、ベース部と開閉蓋との組み付け工程を省くことができ、製造工程の簡素化によりキャップあるいはこれを用いた容器や製品の製造コストを低廉化することができる。

この発明の実施形態を示す斜視図である。その縦断面図である。上蓋と下蓋とを分解して示す斜視図である。下蓋における抽出口および上蓋における円筒部を示す断面図である。軸部および孔部の断面形状および安定状態の開き角度を説明するための説明図である。軸部を下蓋にインサート成形するための下蓋の成形型の一例を模式的に示す断面図である。この発明の他の実施形態を示す分解斜視図である。この発明の更に他の実施形態を示す部分的な斜視図である。左右一対の軸部がそれぞれに対応する孔部に嵌合している状態を一部破断して示す模式的な部分図である。

　この発明を実施形態を参照して説明するが、以下に挙げる実施形態はこの発明を実施した場合の一例に過ぎないのであって、この発明を限定するものではない。

　この発明に係るキャップは、容器の開口部を開閉するためのものであって、容器と一体化させたベース部に対して開閉蓋がヒンジによって連結されており、その開閉蓋によって、容器を実質的に開閉するように構成されている。図１にチューブ容器Ｃに取り付けられるキャップ１を示してある。なお、チューブ容器Ｃに液状もしくはジェル状などの流動性のある内容物（図示せず）を充填することにより、この発明に係る製品となる。

　ここに示すキャップ１は、下蓋２と上蓋３とによって構成されている。下蓋２はチューブ容器Ｃに取り付けられて全体としての口部を形成するものであり、図２の断面図および図３の分解斜視図に示すように、円筒状の周壁部４の上端部に天板部５が一体になっており、その天板部５の中央部に口部としての抽出口６が形成されている。その抽出口６は、天板部５の中心部に軸線方向に突出して形成された円筒状の部分である。なお、チューブ容器Ｃは、内容物を充填する胴部Ｂｃと、その上端部に一体に設けた口頸部（開口部）Ｏｃとを備えており、キャップ１における天板部５の下面中央部には、チューブ容器Ｃの口頸部（開口部）Ｏｃの外側に嵌合する大円筒部７と、その口部の内部に密着嵌合する小円筒部８とが一体に形成されている。すなわち、キャップ１は、これらの大円筒部７と小円筒部８とをチューブ容器Ｃの口頸部Ｏｃに嵌合させることによってチューブ容器Ｃに取り付けられるように構成されている。なお、大円筒部７は、ねじによって、もしくはリング状の凹凸部によって抜け止めした状態でチューブ容器Ｃの口頸部Ｏｃに嵌合する構造とすることができる。この下蓋２がこの発明におけるベース部に相当している。

　上蓋３はこの発明の開閉蓋に相当し、下蓋２の上側に被せてその全体を覆うとともに、抽出口６を封止するように構成されている。すなわち上蓋３は、下蓋２の周壁部４とほぼ同じ径の周壁部９と、その筒状の周壁部９の一端部を閉じるように設けられている天板部１０とを一体に形成したいわゆる浅いキャップ状もしくはカップ状の部材である。その天板部１０の内面（下面）中央部には、前述した円筒状の抽出口６の先端部の外周側に密着して嵌合する高さの低い円筒部１１が形成されている。

　この円筒部１１と抽出口６とは弾性力によって確実に嵌合するようになっている。具体的には、図４に断面図として示してあるように、抽出口６の上端外周部には、外周側にわずかに突出した凸条部１２が形成され、その部分の断面形状が外向きの鉤状になっている。また、この凸条部１２と対をなす凸条部１３が、上蓋３における円筒部１１の先端内周部に形成され、この部分の断面形状が内向きの鉤状になっている。そして、抽出口６における凸条部１２の外径が、上蓋３の円筒部１１における凸条部１３の外径よりわずかに大きく、したがって両方の凸条部１２，１３を嵌合させる方向に強く押すことにより、それぞれが弾性変形して抽出口６の外周側に円筒部１１が嵌合し、両者が弾性力によって密着して嵌合するようになっている。また、各凸条部１２，１３が互いに引っ掛かることにより、抜け止めされている。したがって、これらの凸条部１２，１３がこの発明における係合部に相当している。

　下蓋２と上蓋３とを連結しているヒンジ１４について説明すると、下蓋２の周辺部の一部に、上述した周壁部４の一部を上方に延ばした形状のアーム部１５が設けられている。このアーム部１５は、図１ないし図３に示す例では、断面形状がほぼ矩形の柱状をなしており、その高さは上蓋３の高さとほぼ等しく、その側壁面のうち下蓋２の外周面に繋がっている側壁面は、下蓋２の外周面とほぼ同じ曲率の円弧面すなわち上蓋３の外周面とほぼ同じ曲率の円弧面となっている。また、アーム部１５の上端に近い箇所には、下蓋２の外周面のうちアーム部１５が設けられている箇所の接線とほぼ平行な方向に向けた孔部１６が貫通して設けられている。

　一方、上蓋３の外周部の一部に、切欠き部１７が設けられている。この切欠き部１７は、下蓋２における上記のアーム部１５を収容する部分であって、アーム部１５とほぼ同一の形状の空間部分である。したがって、上蓋３の周壁部９の一部が、アーム部１５の幅より僅かに大きい幅で矩形状に空いており、また天板部１０の周縁部の一部が、アーム部１５の横断面形状とほぼ同形状に空いている。そして、アーム部１５における上記の孔部１６と一致する位置に、孔部１６と同方向に向けた軸部１８が設けられている。この切欠き部１７がこの発明における収容部に相当している。

　これら孔部１６および軸部１８は、同一の断面形状であって互いに密に嵌合している。その同一の断面形状は角形断面形状（好ましくは正五角形状や正六角形状などの正多角形状）である。好ましくは、弾性変形を伴った相対的な回転を円滑化するために、角部の丸まった正六角形、正五角形、正方形などの角形状になっている。図５には正六角形の例を示してある。したがって、軸部１８は、切欠き部１７の幅（アーム部１５の幅）とほぼ同じ長さであって、長さ方向の全体に亘って、同一の断面形状（一定の外形寸法）になっている。

　これら孔部１６の角部と軸部１８の角部とが一致して互いにはまり合っている状態では、寸法差や誤差などによる応力以外の力は両者の間に生じていない。この状態から孔部１６（下蓋２）と軸部１８（上蓋３）とを相対的に回転させようとすると、例えば軸部１８における角部が、孔部１６における角部同士の間の辺の部分を通過することになり、その場合、軸部１８の角部の半径が、孔部１６の辺の部分の半径より大きいから、両者に弾性変形を生じさせることになる。その弾性変形に伴う応力ならびに両者の間の摩擦力が、相対的な回転を阻止する抵抗力となる。

　角部が辺の中央部に位置する状態では、弾性変形に伴う応力の作用方向が孔部１６や軸部１８の中心を向く方向（半径方向もしくは法線方向）になる。したがってこの状態では、弾性変形に伴う応力が、孔部１６（下蓋２）や軸部１８（上蓋３）を回転させるトルクとはならず、孔部１６と軸部１８とのこのような相対位置がいわゆる思案点となる。孔部１６における角部と軸部１８における角部とが互いにはまり合っているいわゆる安定状態からその思案点まで回転する間は、弾性変形に伴う応力がその回転を阻止する方向の抵抗力となり、思案点を越えると、弾性変形に伴う応力が回転を促進する方向のトルクとして作用する。すなわち、思案点まで加えていた力より遙かに小さい力でいわゆる安定状態まで回転させることができる。孔部１６と軸部１８とが相対的に回転する際のこのような力の変化が節度感として体感される。言い換えれば、孔部１６と軸部１８とを、多角形状（好ましくは角部に丸みのある多角形状）として両者を密に嵌合させることにより、孔部１６と軸部１８とがディテント機能を奏するようになっている。

　下蓋２は上記のアーム部１５を含めてその全体が一体に構成されており、具体的にはポリプロピレン（ＰＰ）などの合成樹脂素材で構成されている。また、上蓋３はその軸部１８を含めた全体が一体に構成されており、具体的には下蓋２とは異なる合成樹脂（例えばＡＢＳ樹脂）によって構成されている。すなわち、下蓋２と上蓋３とは、異種樹脂（特にＳＰ値がある程度大きく異なっている素材）によって構成されている。これは、孔部１６と軸部１８とのいずれか一方を作成した後に、他方を作成する際に、孔部１６と軸部１８とを同一の断面形状に成形しかつ密に嵌合した状態とするためである。そのための製造方法の一例は、インサート成形法あるいは二色成形法である。

　ここで、この発明の下蓋２や上蓋３に使用できる合成樹脂を例示すると、ＡＢＳ樹脂、ＡＢＳ樹脂とポリカーボネート（ＰＣ）とのブレンド樹脂、ポリアセタール樹脂（ＰＯＭ）、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ノリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂（ＰＡＩ）、ポリカーボネート樹脂（ＰＣ）、ポリエチレンテレフタレート樹脂（ＰＥＴ）、ポリエチレン樹脂（ＰＥ）、ポリプロピレン樹脂（ＰＰ）、ポリスチレン樹脂（ＰＳ）、塩化ビニル、アクリロニトリルスチレン樹脂（ＳＡＮ）などである。下蓋２と上蓋３との成形の順序などに応じて、これらの合成樹脂を適宜に選択して使用する。

　図６はインサート成形の一例を説明するための成形型の模式的な断面図である。ここに示す例は、上蓋３を予めＡＢＳ樹脂で成形しておき、その上蓋３（特に軸部１８）を下蓋２用の金型１９にセットして、その軸部１８を下蓋２にインサートする例である。その金型１９におけるキャビティ２０のうち、上記のアーム部１５を成形する箇所には、既に成形の完了している軸部１８が配置されている。したがって、この状態でキャビティ２０に、上蓋３と溶着しない樹脂を射出することにより、下蓋２が成形されるとともに、軸部１８に密に嵌合し、かつ同一断面形状の孔部１６を成形することができる。

　つぎに上述したキャップ１の作用について説明する。キャップ１は、下蓋２をチューブ容器Ｃの口頸部Ｏｃなどに嵌合させることにより、チューブ容器Ｃに取り付けられる。上蓋３を閉じている状態では、下蓋２における抽出口６に上蓋３の内面（下面）に設けた円筒部１１が密に嵌合し、抽出口６が密封される。その場合、抽出口６と円筒部１１との各凸条部１２，１３が互いに引っ掛かるので、抽出口６を密封した状態が維持される。また、軸部１８における角部が孔部１６における角部にはまり込んでいていわゆる安定状態になっているから、この点においても上蓋３は閉じた状態に維持される。このように閉じた状態では、下蓋２におけるアーム部１５が上蓋３における切欠き部１７の内部に収まり、アーム部１５の側壁面のうち下蓋２の外周側の側壁面が、上蓋３の外周面にほぼ一致する。すなわち、アーム部１５あるいはヒンジ１４がキャップ１の外周側に突出することがなく、キャップ１やチューブ容器Ｃのハンドリングあるいは搬送などの際にヒンジ１４が周辺部材や他のヒンジ１４などに引っ掛かって、傷付きが生じたり、ハンドリングや搬送などに支障が生じたりすることを回避もしくは抑制することができる。

　上蓋３を開く場合、その周辺部のうち上記の軸部１８を設けてある箇所とは反対側の部分を押し上げる。上記の各凸条部１２，１３同士の引っかかりを外すのに要する力、および軸部１８における角部が孔部１６における角部から抜け出るのに要する力が抵抗力となり、その抵抗力を超える力を加えると上蓋３が開き始める。

　軸部１８における角部が、孔部１６における角部から抜け出て孔部１６における角部同士の間のいわゆる辺の部分に接触する状態では、角部と辺の部分との半径の差に起因して弾性変形が生じ、これが上蓋３を開く際の抵抗力となる。孔部１６および軸部１８の断面形状が上述した正六角形の場合、上蓋３を３０°程度開くと、弾性変形量が最大となるが、その弾性変形に伴う抵抗力の作用方向は前述したように回転中心を向く半径方向もしくは法線方向であるから、弾性変形に伴うトルクは、閉じる方向および開く方向のいずれにも作用しなくなる。すなわちこの状態が思案点に到った状態である。

　この思案点を越えて上蓋３を開くと、上記の弾性変形に伴うトルクが、上蓋３を開かせる方向に作用するので、上蓋３に特には力を掛けずに、もしくは小さい力で、上蓋３を更に開かせることができる。そして、上蓋３の開き角度が例えば６０°になって、軸部１８における角部が孔部１６における角部にはまり込むと、孔部１６や軸部１８の弾性変形が解消されるとともに、開き方向および閉じ方向のいずれの方向にも、弾性変形やそれに伴う抵抗力が生じるので、上蓋３は、特に外力を作用させなければ、この安定状態すなわち孔部１６と軸部１８との角部同士がはまり合った開き角度に維持される。このような安定状態は、図５に示すように、上蓋３が閉じている０°の状態以外に、６０°ならびに１２０°および完全に開いた１８０°の状態であり、上蓋３はそれぞれの開き角度に維持される。これら、０°の全閉と１８０°の全開との間の６０°や１２０°などのいわゆる中間の開き角度には、片手での操作で開くことができる。特に、チューブ容器Ｃなどの容器の内容物が液体であれば、上蓋３を１８０°まで全開にしなくても内容物を注出させることができる。したがって、いわゆる中間の開き角度に維持させることのできる構成では、片手操作の可能な利便性の高い容器もしくはキャップとすることができる。

　したがって、上蓋３を開いてチューブ容器Ｃの内容物を取り出す際に上蓋３が邪魔になることがなく、チューブ容器Ｃの取り扱いの利便性が向上する。また、上蓋３が開いた状態を維持する各開き角度に到る場合、それまでの弾性変形が復帰することによるトルクで上蓋３が回転する。すなわち、上蓋３に掛ける力が変化し、その後、上蓋３が所定の開き角度に安定するので、チューブ容器Ｃの使用者はそのような力あるいはトルクの変化によって、上蓋３の各開き角度への開蓋動作を体感できる。その結果、上蓋３の開き操作や閉じ操作の節度感が明確で、操作感触が良好になる。

　上述した開蓋操作の際の節度感は、上蓋３を閉じる際にも同様に生じる。また特に上述した構成では、上蓋３を完全に閉じる際に、上蓋３に設けている円筒部１１の凸条部１３が、下蓋２の抽出口６に設けてある凸条部１２を乗り越えて引っ掛かるので、その際の抵抗力の増大と解消との変化によって抽出口６を密閉したことを体感できる。この点においても閉じ操作の節度感が良好になる。

　つぎにこの発明の他の実施形態を説明する。図７は、この発明の他の実施形態を説明するための分解斜視図であって、ここに示す実施形態では、軸部１８を下蓋２に設け、その軸部１８に相対回転可能でかつ密着状態で嵌合する孔部１６を上蓋３に設けてある。すなわち、アーム部１５は、下蓋２の周辺部に起立して設けられた一対の支持板部１５ａによって構成されている。この支持板部１５ａは、例えば図１ないし図３に示す柱状のアーム部１５の中央部を除去して左右両側に残った一対の板状の部分と同様の部分であってよい。軸部１８は、上述した実施形態で説明した構成と同様の構成であって、一対の支持板部１５ａの上端側にこれらの支持板部１５ａの間に掛け渡した状態に、各支持板部１５ａと一体に形成されている。

　他方、この発明における収容部に相当する切欠き部１７は、図７に示す例では、上蓋３の周壁部９の一部に高さ方向に沿って形成した一対のスリット１７ａによって構成されている。これらのスリット１７ａは、下蓋２に設けられている支持板部１５ａとほぼ同形状であり、上蓋３を閉じた状態では、スリット１７ａの内部に支持板部１５ａがほぼ完全に収まるようになっている。そして、上蓋３のうちスリット１７ａによって区画されている舌片状の部分（挟まれている舌片状の部分）におけるコーナ部に、軸部１８に回転可能でかつ密着して嵌合する孔部１６が形成されている。これら軸部１８と孔部１６との断面形状は、前述した実施形態で説明したのと同様の多角形状になっている。また、これら軸部１８と孔部１６とは、下蓋２と上蓋３とを例えば二色成形もしくはインサート成形することにより、キャップ１の製造段階で互いに嵌合した状態とすることができる。なお、図７に示すキャップ１の他の構成は、図１ないし図５を参照して説明した上記の実施形態における構成と同様である。

　この発明の更に他の実施形態について説明する。上述した実施形態では、軸部１８がアーム部１５に形成されている孔部１６を貫通する一本の軸状をなす例を示したが、この発明においては、軸部は、切欠き部１７における互いに対向する内面からアーム部に向けて突出させた短い軸状の部分であってよい。その例を図８および図９に示してある。ここに示す軸部１８Ａは、前掲の図３に示す軸部１８の中間部を切り取って短くしたものと同様の構造であって、切欠き部１７の互いに対向する内面１７ｂから突出した短い軸（あるいはボス形状の部分）となっている。この軸部１８Ａは、上蓋３と一体になっており、例えば上蓋３を合成樹脂製とする場合には、その全体と共に成形される。

　この軸部１８Ａを嵌合させている孔部１６Ａは、アーム部１５に軸部１８Ａと同一の形状に形成されている。一例として、予め作製した上蓋３を、下蓋２の成形用の金型にセットして、その軸部１８Ａをアーム部１５の一部で包み込むように下型２をインサート成形する。そのアーム部１５のうち、軸部１８Ａが占有している箇所が孔部１６Ａとなる。したがって、図９に示すように、軸部１８Ａと孔部１６Ａとは、それぞれの断面形状が同一で互いに密着して嵌合した状態となり、軸部１８Ａの先端部分においても、孔部１６Ａとの間に隙間（クリアランス）のない構成となる。

　切欠き部１７の内面１７ｂから突出している一対の軸部１８Ａとこれらを嵌合させている孔部１６Ａとの間には、特にはクリアランスがなく、かつ相対回転可能に嵌合している。したがって、上蓋３を開閉するべく回動させた場合に、軸部１８Ａと孔部１６Ａとの間の摩擦力やそれぞれの角部が相対的に外れるための弾性変形力などに起因して軸部１８Ａに捩りトルクが作用する。その弾性変形力は、上蓋３の開閉操作に対する節度感を生じさせる要因になるが、軸部１８Ａおよび孔部１６Ａの角部の丸み（曲率半径）によって大小に変化する。その弾性変形力と軸部１８Ａの長さとによって、上蓋３の開閉操作に対する抵抗力（節度感）が決まると考えられ、したがって上述したキャップ１によれば、軸部１８Ａの長さを適宜に設定することにより、節度感を調整することができる。その場合、軸部１８Ａは、外径もしくは外形寸法が軸線方向で一定であるから、軸部１８Ａを抜け出させる方向のスラスト力が軸部１８Ａの長さに応じて生じることがなく、ヒンジ１４の緩みやガタあるいは上蓋３の脱落などの事態を未然に防止することができる。なお、軸部１８Ａの太さ（外径）と角部の丸み（曲率半径）ならびに軸部１８Ａの長さなどは、実験あるいはコンピュータ解析などに基づいて決定することができる。

　なお、この発明は上述した各実施形態に限定されないのであって、必要に応じて適宜に変更して実施することができる。例えばアーム部は下蓋に替えて上蓋に設け、収容部である切欠き部は上蓋に替えて下蓋に設けてもよい。同様に、軸部を下蓋に設け、これを嵌合させる孔部を上蓋に設けてもよい。さらに、インサート成形あるいは二色成形する場合、上述した例とは反対に、下蓋を先に成形し、その後に上蓋を成形することもできる。そしてまた、この発明のベース部に相当する下蓋は、容器と別の部材ではなく容器の一部として構成されていてもよい。さらにまた、この発明のヒンジあるいはベース部ならびに開閉蓋は、３Ｄプリンタによって製造することもできる。そして、この発明は、ヒンジがベース部や開閉蓋の外周側に突出していないことが特徴の一つであるが、指を掛けるための突起部を開閉蓋に設けることを排除するものではない。そしてまた、この発明におけるベース部は、口部を有していればよいのであり、例えば上述した天板部を有さずに、その部分の全体が開口していてもよい。その場合、開閉蓋を閉じた状態に維持する係合部は、ベース部と開閉蓋との外周部に設けることになる。

　さらに、軸部１８Ａおよびこれを嵌合させる孔部１６Ａを、図８および図９に示すように、軸長の短い一対の軸および孔として構成する場合、孔部１６Ａのある一方の部材（上蓋３もしくは下蓋２）をインサート成形せずに、上蓋３および下蓋２のそれぞれを個別に成形し、その軸部１８Ａと孔部１６Ａとを相互に嵌合させて上蓋３および下蓋２を組み付けることとしてもよい。また、軸部１８Ａを下蓋２に設け、孔部１６Ａを上蓋３に設けてもよいことは、図７を参照して説明した実施形態と同様である。

　１　キャップ
　２　下蓋（ベース部）
　３　上蓋（開閉蓋）
　４　周壁部
　５　天板部
　６　抽出口
　７　大円筒部
　８　小円筒部
　９　周壁部
　１０　天板部
　１１　円筒部
　１２，１３　凸条部
　１４　ヒンジ
　１５　アーム部
　１５ａ　支持板部
　１６，１６Ａ　孔部
　１７　切欠き部
　１７ａ　スリット
　１７ｂ　内面
　１８，１８Ａ　軸部
　１９　金型
　２０　キャビティ
　Ｃ　チューブ容器（製品）

Claims

　口部を有するベース部と、前記口部を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋を前記口部を閉じた位置と前記口部を開いた位置とに回動させるように前記開閉蓋を前記ベース部に連結しているヒンジとを備えているキャップであって、
　前記ヒンジは、
　前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか一方の部材の外周部に、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか他方の部材に向けて延びて設けられたアーム部と、
　前記他方の部材の外周部に、前記アーム部を収容するように切り欠いて形成された収容部と、
　前記アーム部を前記他方の部材に回転可能に連結している軸部と、
　前記軸部を嵌合させている孔部と
を有し、
　前記軸部は、一定の断面形状で所定の長さを有するとともに前記断面形状が角部の丸まった角形状をなし、かつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか一方と同一素材でかつ一体に形成され、
　前記孔部は、前記軸部の断面形状と同一の角形断面形状をなすとともに前記軸部の外周全体を包み込みかつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか他方に形成されている
ことを特徴とするキャップ。
　請求項１に記載のキャップであって、
　前記軸部は、前記収容部の前記アーム部側を向く互いに対向する内面のそれぞれに前記アーム部に向けて突出しかつ前記アーム部全体としての長さが前記内面同士の間隔より短い長さで形成され、
　前記孔部は、前記アーム部の前記収容部における前記内面を向く面に開口するように前記アーム部に形成されている
ことを特徴とするキャップ。
　請求項２に記載のキャップであって、
　前記軸部の先端部と前記先端部が対向する前記孔部の内端面とが密着していて前記先端部と前記内端面との間にクリアランスがないことを特徴とするキャップ。
　請求項１ないし３のいずれか一項に記載のキャップであって、
　前記一方の部材は、筒状の周壁部を有し、
　前記アーム部は、前記周壁部の一部が前記周壁部の軸線方向に延びた形状に形成され、
　前記他方の部材は、前記他方の部材の外周面と前記アーム部の外面とが面一に一致した状態でかつ前記軸部を中心にして回転可能に前記アーム部を収容する収容部を有している
ことを特徴とするキャップ。
　請求項１ないし３のいずれか一項に記載のキャップであって、
　前記ベース部と前記開閉蓋とは、互いに溶着しない互いに異なる合成樹脂素材によって形成されていることを特徴とするキャップ。
　請求項１ないし３のいずれか一項に記載のキャップであって、
　前記角形状は、角部の丸まった正六角形状もしくは正五角形状であることを特徴とするキャップ。
　請求項１ないし３のいずれか一項に記載のキャップであって、
　前記一方の部材と前記他方の部材とに、前記開閉蓋が前記口部を閉じた状態で弾性変形して相互に引っ掛かることにより前記開閉蓋を前記口部を閉じた状態に保持する係合部が設けられていることを特徴とするキャップ。
　内容物を入れる胴部と、前記胴部の上端部に形成された開口部とを有する容器であって、
　前記開口部に請求項１ないし３のいずれか一項に記載されたキャップが取り付けられていることを特徴とする容器。
　胴部と、前記胴部の上端部に形成された開口部とを備えた容器に流動性の内容物を入れた製品であって、
　前記開口部に請求項１ないし３のいずれか一項に記載されたキャップが取り付けられていることを特徴とする製品。
　口部を有するベース部と、前記口部を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋を前記口部を閉じた位置と前記口部を開いた位置とに回動させるように前記開閉蓋を前記ベース部に対して連結しているヒンジとを備え、
　前記ヒンジは、
　前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか一方の部材の外周部に、前記ベース部と前記開閉蓋とのいずれか他方の部材に向けて延びて設けられたアーム部と、前記他方の部材の外周部に、前記アーム部を収容するように切り欠いて形成された収容部と、前記アーム部を前記他方の部材に回転可能に連結している軸部と、前記軸部を嵌合させている孔部とを有し、
　前記軸部は、一定の断面形状で所定の長さを有するとともに前記断面形状が角部の丸まった角形状をなし、かつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか一方と同一素材でかつ一体に形成され、前記孔部は、前記軸部の断面形状と同一の角形断面形状をなすとともに前記軸部の外周全体を包み込みかつ前記アーム部と前記収容部とのいずれか他方に形成されているキャップの製造方法であって、
　前記一方の部材と前記他方の部材とのうち前記軸部を有する部材を合成樹脂によって作製し、ついで
　前記一方の部材と前記他方の部材とのうち前記軸部を前記孔部を有する部材を成形する成形型の内部に配置して、前記軸部を包み込むように前記孔部を有する前記部材をインサート成形する
ことを特徴とするキャップの製造方法。